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2013年10月3日 障害年金の認定(肝疾患による障害)に関する専門家会合(第3回)議事録

○日時

平成25年10月3日(木)17:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室(6階)


○出席者

委員

植松幹雄委員 岡上武委員 坂井田功委員 
戸田剛太郎委員 中村広志委員 八橋弘委員

○議題

(1)障害認定基準の見直し案(修正版)について
(2)診断書の事務局見直し案(たたき台)について
(3)その他

○議事

○戸田座長 定刻になりましたので、ただいまから第 3 回障害年金の認定(肝疾患による障害)に関する専門家会合を開催します。本日はお忙しい中、本会合にご参集いただきまして誠にありがとうございます。

 本日の資料と議事について事務局よりご説明をお願いします。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 本日の会合資料を確認します。お手元の議事次第の下、資料 1 として、前回(第 2 回)会合議論の内容、資料 2 として、障害認定基準(肝疾患による障害)の見直し案(修正版)、資料 3 として、診断書の事務局見直し案(たたき台)の他、参考 1 として、現行の第 13 節の肝疾患による障害の認定基準、参考 2 として、現行の肝疾患用の診断書をお配りしています。お手元にありますでしょうか。不足がありましたらお申し出いただければと思います。

 続きまして本日の議事ですが、初めに前回会合の議論の内容を踏まえまして、見直し案の修正版を作りましたので、それについてご議論をいただきたいと思います。その後、診断書について、事務局で見直し案のたたき台を作りましたので、それについてもご意見をいただければと思います。今回は認定基準の見直し案の他、診断書につきましてもご意見をいただきたいと思いますので、予定時間を 30 分程度多くお願いしています。どうぞよろしくお願いします。

○戸田座長 ただいま事務局から説明がありましたが、前回の議論を踏まえて障害認定基準の修正版と、今回新しく提示する診断書のたたき台について議論を進めていきたいと思います。最初に障害認定基準の見直し案について、前回のたたき台からの変更点を中心に、事務局のほうからご説明をお願いします。

○関口障害認定企画専門官 お手元の資料 1 の「前回(第 2 回)会合の議論の内容」、及び資料 2 の「障害認定基準(肝疾患による障害)の見直し案(修正版)」を説明しますので、今申し上げた 2 つの資料をお手元にご用意いただければと思います。

 資料 1 につきましては、前回の第 2 回専門家会合で委員の先生方にご議論をいただいた事項について、検討課題ごとに異論が出なかった事項と、今回の会合でさらにご検討をいただきたい事項に分けて記載したものです。さらに各課題の事項ごとに、前回の会合での委員の先生方の主なご意見を下段に記載しています。資料 2 の見直し案(修正版)については、前回の会合でのご議論を踏まえて、当事務局で作成したものです。

 資料 1 の「前回(第 2 回)会合の議論の内容」の 1 ページを開いていただき、検討課題 1-1 をご覧ください。併せて、資料 2 の「見直し案(修正版)」の 69 ページを開いていただき、( 4 )の重症度判定の表をご覧いただければと思います。朱書きのところが、今回の見直し案として既にご覧にいれている箇所です。黄色のマーカーのところが今回の修正案です。修正案のページですが、障害認定基準全文のページ数をそのまま付していますのでご了承いただければと思います。

 「検討課題 1-1 肝疾患での重症度判定の検査成績について」です。前回の会合では異論が出なかった事項として、血小板数の検査項目および異常値は現行のままとする。追加すべき検査項目はないこととして、腹水や脳症についても、記載の通りとなったところです。検討事項については、「境界となる異常値については、基本的に中等度と判定してよいか。」これは、第 1 回、第 2 回の専門家会合において、重症度判定の検査項目・検査数値については、 Child-Pugh 分類の検査項目を基本として、その他の要件を加えて判定するという方針が決まっています。また、臨床においても Child-Pugh 分類での判定が主流になっていることから、現場の作成医や認定医の先生方の審査の混乱を招かないようにすることも考慮して、可能な範囲で Child-Pugh 分類に合わせたものです。

 「現行の検査方式、 BCG 法を追記していいか。その他の検査方式として BCP 法も合わせて追記するべきかどうか。」これについては、前回の会合後、委員の先生から、血清アルブミンの測定方法について、数年前より大病院の半数近くが従来の BCG 法から BCP 法に変更になっているが、従来法に比して最近使用されている BCP 法では値が低く出るとのご意見をいただいたところです。なお血清アルブミンの検査法については、従来から利用されている BCG 法以外にも、新たな検査法として BCP 法について、肝臓学会のほうで取り扱いを検討中であると聞いています。

 さらに、「プロトロンビン時間について、%、秒の他、 INR 基準値も追記していいか。また、中等度の異常値の%を 50 から 70 に変更しますが、秒についてはどのように考えるか」です。これらについて先生方のご意見をいただければと思います。

 資料 1 2 ページ目をご覧ください、併せて資料 2 の「見直し案(修正版)」の 71 ページを開いて頂き( 6 )をご覧ください。ここでは前回の会合において、異論が出なかった事項としては、重症度を客観的に判断できるよう、異常値を示す検査項目数による基準を設定すること、及び Child-Pugh 分類のスコアについては、重症度判定の基準としないことです。ここでの検討事項としては、障害の程度が 1 級の障害の状態について、前記( 4 )の検査成績および臨床所見のうち、「高度異常を 3 つ以上示すもの」に加えて、「高度異常を 2 つ及び中等度の異常を 2 つ以上示すもの」を追加することとしていいかどうかです。これについては、前回の会合において、 1 級の基準が厳しいのではないかとのご意見がありましたが、高度異常を 2 つ及び中等度異常 2 つ以上は、仮に Child-Pugh 分類による評価と比較しても、高度異常を 3 つ以上と同等の障害の状態であると考えられることから追加したものです。ここで先生方のご意見をいただければと思います。

 次に「資料 2 の見直し案(修正版)」の 72 ページを開いていただきたいと思います。ここで、( 7 )から( 10 )までの順番を変更していますが、それは認定要領( 1 )以降の表記の記載を考慮しまして、障害の判定の参考とすべき検査成績は( 7 )、障害認定の対象疾患は( 8 )および( 9 )の規定で、不随する病態としては( 10 )および( 11 )の規定の順番に変更したものです。

 資料 1 3 ページをご覧ください。検討課題 2 の「慢性肝炎の認定の取扱いについて」ですが、前回の会合で異論が出なかった事項として、慢性肝炎は原則として認定の対象としないが、その例外規定については、( 6 )に例示した障害の程度に該当すれば認定を行うことであります。ここでの検討事項としては、「インターフェロンによる治療中の場合の基準を設定すべきかどうか。」です。前回の会合では先生方から、新薬の開発で治療法が大きく変わるので、その辺りをどう考えるか、インターフェロンで非常に一般状態が悪い場合でも、中止すれば良くなる人がほとんどであるなどのご意見をいただいていますが、引き続きご意見をいただければと思います。

 資料 1 4 ページ目をご覧ください。検討課題 3 の「肝移植の取扱いについて」です。前回の会合で異論が出なかった事項として、決定した等級について 1 年間は従前の等級とし、その後再認定時に判断することです。ここでの検討事項はありませんでした。

 次に、資料 1 5 ページ目をご覧ください。検討課題 4 の「その他の検討事項について」の項番( 1 )です。併せて、資料 2 の「見直し案(修正版)」の 72 ページを開いていただき、( 10 )の規定をご覧ください。なお、その他の検討事項については、 1 回目の会合後に先生方からメールでいただいたご意見を踏まえたものです。前回の会合では資料 6 として A3 の横版の資料としましたが、いただいたご意見は、下の(委員の主な意見)に記載していますので、併せてご覧ください。

 項番( 1 )の検討事項は「胃・食道静脈瘤内視鏡所見記載基準」を削除し、認定に当たっての参考とするために「吐血・下血の既往、治療の有無」を追加することにしていいかどうかです。これについては、胃・食道静脈瘤は予防的に治療が行われることが多いので、治療後は内視鏡所見が改善することもありますので、「胃・食道静脈瘤内視鏡所見記載基準」は不要ではないかとのご意見をいただいています。同基準による治療経過の記載が無くても、吐血・下血の既往、治療の有無自体によって、静脈瘤の障害の程度の判定が可能となる。また、「併せて」を「加えて」としましたのは、肝機能障害がある場合、さらに静脈瘤の障害を加味して、総合的に認定する趣旨を明確にしたものです。

 診断書の記載については、後の資料 3 のところで説明しますので、ここでは割愛します。また、前回の会合で提出された関係団体からの、「肝疾患による障害年金支給認定基準の改訂に関する意見書」に、特発性細菌性腹膜炎の既往歴についても、評価の対象にすべきとのご意見がありました。特発性細菌性腹膜炎は、腹水を伴った肝硬変に合併するものであり、肝不全を起こして死亡に至る重篤な病態であるため、障害の程度を評価する一つの要素としても妥当と思い、記載することにしたものです。特発性細菌性腹膜炎についても同様にしていいかどうか、先生方のご意見をいただければと思います。

 資料 1 6 ページ目をご覧ください。検討課題 4 の「その他の検討事項について」の項番( 2 )の、肝疾患の検査のうち「最も適切に病状を表していると思われる検査成績」については、いつの時点を判断するべきかです。ここでの検討事項はありません。ここの事項に関して委員の先生方から、現行のままでもいいというご意見を多くいただいていますので、このままの規定としています。

 資料 1 7 ページ目をご覧ください。検討課題 4 の項番( 3 )の肝硬変の認定基準について、発症原因に応じた規定ぶりとするべきかです。併せて、資料 2 の「見直し案(修正版)」の 72 ページの( 8 )の規定をご覧ください。ほとんどの先生方から、アルコール性肝硬変の認定に当たっては、断酒の有無を条件とすべき等のご意見をいただきましたので、アルコール性肝硬変については、身体障害認定要領の規定を参考として、「継続して治療を行っていること及び検査日より前に 180 日以上アルコールを摂取していないことについて確認ができた場合のみ認定の対象にすることにして良いかどうか。」です。これについては、アルコール性肝硬変はある程度進行していなければ、断酒することによって改善することから、身体障害者手帳に準じて特定の 2 つの条件を付したものです。ここで先生方のご意見をいただければと思います。

 資料 1 8 ページについては、診断書の記載に係るご意見ですので省略します。次に、資料 1 9 ページ目をご覧ください。併せて資料 2 の「見直し案(修正版)」の 72 ページの( 11 )の規定をご覧ください。検討課題 5 の項番( 5 )の「肝がん等の取扱い」については前回の会合において、がんは別に考えるべき、本節の基準に入れるべきなどのご意見をいただきましたので、「肝がんの認定は、肝機能障害に加えて肝がんによる障害を考慮して、本節および第 16 節/悪性新生物による障害の認定要領により認定する。ただし、肝機能障害の異常所見がない場合は、第 16 節の認定要領により認定する。」の規定を定めたところです。これにより、これまで行われていた認定方法が本節をみて明確になるものと思います。なお、肝機能障害の定義については( 10 )の規定にあるように、( 4 )に掲げる検査項目及び臨床所見の異常としています。先生方のご意見をいただければと思います。また、特発性細菌性腹膜炎の取り扱いについては、先ほど食道・胃静脈瘤のところで説明しました。

 資料 2 の「見直し案(修正版)」の 68 ページに戻って、肝硬変に付随する病態として、「食道・胃静脈瘤などの静脈瘤」や「特発性細菌性腹膜炎」、肝硬変の事例として「非アルコール性脂肪肝炎」の追記、また、自覚症状や他覚所見を表す語句の修正をしましたので、併せて先生方のご意見をいただければと思います。以上で資料 1 および資料 2 の説明を終わります。よろしくお願いします。

○戸田座長 ありがとうございました。事務局で作られた修正案について委員の皆さまのご意見をお伺いしたいと思います。資料 2 の認定基準の修正案の初めのほうから順次見ていきたいと思います。資料 2 の修正案の 68 ページをご覧ください。ここに幾つか語句の追加や修正がありますが、これについていかがですか。非アルコール性脂肪肝炎が新たに加わっています。「食思不振」を「食欲不振」に直し、「嘔気」は「悪心」という形にしました。いかがですか。これは非アルコール性脂肪肝炎でよろしいですね。もう一つ非 B C 型肝硬変の分類の中に脂肪性肝硬変というものがありましたが、あれはどのように。

○岡上委員 最近は脂肪肝炎という言葉がポピュラーになっています。今度ガイドラインが出ますが、それも脂肪肝炎で統一しています。

○戸田座長 もう一つ、一日のアルコール摂取量が 25 未満だった場合は非アルコール性になりますね。

○岡上委員 非飲酒者の定義は世界的にかなり厳しくなり、男性は一日飲酒量が 20 g(日本酒一合)、女性は 10 g以下にしようとなっています。

○戸田座長 一日のアルコール摂取量が 75g 以上の場合、アルコール性肝硬変としてよいですか。

○岡上委員 飲酒者の定義は一日 60 g以上あるいは 70 g以上など一定していないです。

○戸田座長 問題はその間にある人たちですね。

○岡上委員 その間の飲酒量の方は NASH からは除外されますが、実際はその方々が問題です。

○戸田座長  NASH も入ってこないし、これはここに入れなくていいですね。

○岡上委員 いいです。それはそこまでいくと無理だと思います。これは書かずに「なし」と書いておいたらそれでいいのではないですか。

○戸田座長 非アルコール性脂肪肝炎だけで。食道・胃静脈瘤、肝がん、特発性細菌性腹膜炎はこの順番でよろしいですか。肝がんを前に持ってくるとか。

○岡上委員 確かに順番は、がんが最後のほうがいいです。

○戸田座長 肝がんを最後に持ってくる。肝がんというのは病名ですから。

○坂井田委員 例えば門脈血栓ができると急激に肝機能悪化や腹水出現など病態が、急に悪くなる特徴的な合併症もあるので、何か付随する合併症を診断書の中に書けるようにしていただければいいかなと思います。

○戸田座長 付随する病態に何故肝がんが入ってくるのか、肝がんを肝硬変に付随する病態としていいのか、医学的に見ておかしなところがあって、私も少し引っかかるのですが従来からあるし、そのまま残そうかというところなのです。岡上先生はどうですか。

○岡上委員 坂井田先生が言うように、合併症としてそういうものを入れておいたほうが良いと思います。病態ではなく合併症です。

○戸田座長 合併症ですから、病名ではないです。どうしますか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 診断書の話が坂井田先生から出ましたが、診断書も限りがありますので、後で説明しますけれども、その他の所見欄等を活用して、そのようなこともすべて書いていただければと思います。

○戸田座長 よく分からないのですが、何とおっしゃったのですか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 先ほど坂井田先生が言われた疾患などについても、その他の所見欄というところがありますので、そこを使用して記載していただければいいということです。

○戸田座長 それでよろしいですね。これはしっくりこないところがあるのですが、前からこうなっているので仕方がないというところはあります。その他に主要症状のところで特に問題はないですね。八橋先生は何かありますか。よろしいですか。

○八橋委員 よろしいと思います。

○戸田座長 また、思いつかれたら後で言ってほしいのですが、次に重症度判定の検査成績について議論を進めたいと思います。

 資料 2 69 ページです。総ビリルビンが「 2 以上 3 未満」であったのを、「2以上」と「3以下」にしたのですね。同様に血清アルブミンの「3.5未満」を「3.5以下」としたということです。 Child-Pugh 分類の Pugh の原著、肝臓専門医テキストを見ても、総ビリルビンについては 2 から線を引っ張って3となっていますので、 2 以上 3 以下というように、未満をとって「以下」にすべて統一したということですか。

○池上事業管理課給付事業室長 今おっしゃっていただいた通り、特に肝臓学会のほうでも境界値については、真ん中の区分に含めるということで示されています。学会のほうで挙がっている項目については、そのような取り扱いとしています。

○戸田座長 アルブミンについては前回の議論の中で、 3 で特に問題はないという皆さんの大多数のご意見がありましたので、中等度異常は 3 以上 3.5 以下にするということです。血小板数については入れるかどうか議論があったのですが、入れるということで中等度異常は 5 以上 10 未満ということです。

 問題はプロトロンビン時間ですが、パーセントと秒と INR 3 つの表示は全部入れたほうがよろしいですか。それともどれか 1 つにしてしまうか何かご意見はありますか。見直し案ではパーセント、延長時間、 INR 3 つが入っているわけですね。

○八橋委員 肝臓を専門にされている方はパーセントテージ表示が一番なじみが深いと思います。幾つかの成書に記載されているものを調べると、秒も記載されているのはあります。 INR を書かれているものも確かにありましたが、 3 つとも書かれているのは少ないような気がします。

○戸田座長 少ないですね。しかし、 Pugh の原著では延長秒数、 Harisson Principles of Internal Medicine などを見ると INR と延長秒数です。パーセントで書いてあるのは日本のものが多いです。したがって、全部使われていることは使われています。重症度判定基準に全部入れるかどうかです。

○岡上委員 秒を正確に評価しようと思うと、測定時のコントロールを秒で表記しておかないと正確ではないと思います。

○戸田座長 そうするとパーセントと延長秒と、実際のプロトロンビン時間ではなくて延長した時間ということで、そして INR 3 つを入れると。秒と INR の間に線を入れたほうがいいですか。

○岡上委員 線は要らないと思います。

○戸田座長 これは一緒にしていいですか。

○岡上委員 はい。

○戸田座長 これがかなり大きな問題になるのは、延長秒と INR については、 4 6 秒の延長として、 INR 1.7 以上 2.3 以下というのは割合一致しているのですが、これをパーセントに直すとかなりおかしな値になります。 4 秒から 6 秒延長をパーセントに直すと、私の病院の検査値では 47 35 %、 INR 1.7 から 2.3 というのは 46 32 %で、見直し案にある 40 から 70 %というのは合わないです。だから、これはもう一回見直さなければいけないのではないですか。要するにパーセントで表した場合と、 INR 、延長秒で表した場合では全然違ってくるのです。これはすべて同じプロトロンビン濃度、活性を表していなければいけないのに、延長秒、 INR で表す場合とパーセントで表す場合でかなり違っているのです。

○坂井田委員 先生のおっしゃる通りで、私も調べてみたのですが、大体 4 秒と 6 秒で、 PT 50 40 というのは多いのですが、文献によっては 80 50 など混在しているところがありますので、もう少し時間をかけて精査をしたほうがいいと思います。

○戸田座長  4 秒から 6 秒延長と 1.7 から 2.3 を残して、パーセントを改めるという方向でやるほかにはないですね。 4 秒から 6 秒というとパーセントにして 47 35 %で、とても 40 70 %にはならないのです。これは時間で表した表示法に合わせてパーセントも変えることになりますか。

○池上事業管理課給付事業室長 そこのパーセントと秒および INR で示される水準については、できるだけ水準の均衡を図る必要があると考えています。ただ、ずれがあるときにパーセントを動かすのか、あるいは秒、 INR のほうを動かすかについては、今回はパーセントについて、前回のご議論の中で 40 以上 50 未満となっていたものを、 50 70 に引き上げた経過もありますので、どちらに合わせるかは数値を照らし合わせた上で判断をいただければありがたいと思います。

○戸田座長 今のご意見としては、八橋先生はどうですか。どちらを合わせるか。

○八橋委員 前回の 50 70 に上げたというところは、障害年金の適応を拡大する上で、すごく意味があることです。どうしても整合性の観点から統一ということであれば、調整するのは秒のほうを変えていただきたいと思います。

○戸田座長 中村先生はいかがですか。われわれ肝臓屋としてはパーセントが多いですね。

○中村委員 使いなれているのはパーセントです。そのほうが、その人の肝の重症度を思い浮かべたときに、パーセントで思い浮かべるくせがついているので、パーセントを基準にという考えです。

○戸田座長 坂井田先生には、これらの点についてご検討をお願いしたと思うのですが、今の意見ではパーセントが多いですね。

○坂井田委員 日本国内の現状ではパーセント、ただし国際的には INR のほうに向かっているのは間違いないので、その辺をどうするかを先生方のご意見を座長にまとめていただけるとありがたいです。

○戸田座長 岡上先生はいかがですか。

○岡上委員 これはもともと劇症肝炎の診断基準作成のためのもので、今はこれしか仕方がないです。

○戸田座長 今は仕方がないというのはパーセントですか。

○岡上委員 両方です。劇症肝炎の診断基準に PT18 秒以上というものがあり、それをパーセントに換算すると 40 %ということで、それがずっと使用されてきました。

○戸田座長 実際にパーセントで出した場合と、延長秒数で出した場合では日本の成書に書かれているのでは随分ずれがあるのです。

○岡上委員 しかし先ほど八橋先生が言っていたように、 40 から 70 にしてここでカバーされるから、当面はこれでいって。

○戸田座長  40 から 70 で、 INR と時間、秒はパーセントに合わせるということですか。

○岡上委員  6 秒延長の場合に PT 18 秒となります。

○戸田座長 どうですか。それはちょっと問題ですね。

○岡上委員 やり方が違うわけだから、完全に一致することは不可能です。

○戸田座長 不可能か、可能かという問題ではなく、同じプロトロンビン濃度、活性を表すべきであるのに違っているのです。差があるのです。だから、パーセントで見ると中等度異常であったが、 INR ではそうではないということもあり得るわけです。植松先生はいかがですか。

○植松委員 実際に挙がってくる診断書で、秒や INR で書いてあることはほとんどないです。日本の施設ですから、一応パーセントで挙がってくるのがほとんどなので、 40 から 70 70 以上というのが非常に分かりやすいと思います。

○戸田座長 そうですね。どうしますか。秒で見た場合とパーセントで見た場合に、判定の基準が異なった場合が、どちらにしたらいいのかという問題が出てくると思うのです。だからわれわれとしてはパーセント表示に慣れているので、パーセント表示にすると秒や INR は変えなければいけないと思うのです。岡上先生はこのままでいいですか。

○岡上委員 今のところは仕方がないと思いますので、どちらかに引っかかれば良いのではないでしょうか。

○戸田座長 どうぞ。

○池上事業管理課給付事業室長 最終的に決めていただくときには、特に論争的な部分ということであれば、文献なども確認して決めていただくのがよろしいかと思います。差し支えなければ、坂井田委員のほうで、書物でこの辺りの数値をまとめられたということもお伺いしていますので、次回に向けてご提案をご用意いただければ非常にありがたいのではないかと思います。

○戸田座長 秒と INR を取ってしまい、パーセントだけに、 1 つにしてしまえば特に問題は出てこない。我が国ではパーセントが使われているほうが多いので INR と延長秒を外して 40 から 70 にしてしまえば問題はないのでしょうが。

○坂井田委員  70 に移行したので、八橋先生が言われたように幅広く救えるというか、増えるとは思います。

○戸田座長  70 %というと、私の調べた限りでは 1 秒の延長です。 40 %は 5 秒です。 1 秒から 5 秒の延長となって、だいぶん違ってくるのです。 INR でも 1.2 から 1.9 になるのです。だから延長秒、 INR で判定した場合と、パーセントで判定した場合、重症度判定が違ってくるというのは困ると思いませんか。

○八橋委員 確かに乖離しているのはできるだけ一致していたほうがいいと思うのですが、基本な考え方としてパーセントの 40 70 というところはそのままで、どうしても併記するのが難しいなら、秒や INR は削除してしまうべきかと思います。

○戸田座長 この後の INR と秒をね。

○八橋委員 もしくは、戸田先生が言われる通りに、パーセンテージに合うように INR を併記するのか、その 2 つかと思います。

○戸田座長 どうですか、中村先生。

○中村委員 私も先ほど植松先生がおっしゃったように、見るのはほとんどパーセントです。恐らく診断書を書いてきてくださる先生方もパーセントで書いてくると思うので、どちらかを取るということであればパーセントです。

○戸田座長 だから時間のファクターはこれから除いてしまい、パーセントだけにしてしまうというのも一つです。パーセントと秒を併記してしまうと、パーセントに合わせるとなると、先ほど言ったように 1 秒から 5 秒の延長と、 INR 1.2 から 1.9 となるわけです。結局これは先生が調べられても結論は出ないですね。

○坂井田委員 書物によって違うので、確かに結論は難しいかもしれないです。

○戸田座長 この場で延長秒や INR で示すのは取って、パーセントにしてしまえば。

○岡上委員 すっきりはします。ただ、パーセントで出していないケースがあったときに困ります。それだけの話です。

○戸田座長 そうですね。だけど大体がパーセントです。

○岡上委員 大体はパーセントだが、確かに秒で出しているところはありますから。

○戸田座長 どの施設もパーセントと INR で、私の病院はパーセントと INR とプロトロンビン時間(秒)で出しています。

○岡上委員 大きな病院はそうです。

○戸田座長 延長秒は出していないです。 14 秒とか 16 秒とか、プロトロンビン時間で出しています。延長では出していないです。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 今、座長のほうからパーセントだけにという提案がありましたが、一応認定の中で事例を見て、パーセントがなくて秒だけのものがあるかもしれませんので、その辺も含めて運用上問題がないかどうか確認したいと思います。

○戸田座長 ハリソンの Principles of Internal Medicine ではパーセントはなしで、延長秒と INR です。 4 6 秒、 1.7 から 2.3 というだけでパーセントは出ていません。皆さんのご意見では、パーセントだけにしてしまったほうが。パーセントで見たときには中等度異常だが、 INR ではそうではないという場合もないとはいえないので、延長秒、 INR 、パーセント表示、どれが多いか調べてみてください。どうですか。ほとんどパーセントですか。

○中村委員 そうです。見る範囲内ではパーセントです。

○戸田座長 先生は機構でやっていらっしゃって。

○植松委員 ほとんど見たことはないです。

○戸田座長 秒とか INR は?

○植松委員 両方書いてあるものもありますが、書かれている方は、パーセントは確実に書かれていますから、パーセントだけでもいいと思います。

○戸田座長 プロトロンビン活性、量を示す意味で、 40 %から 70 %とすると、秒や INR はがらっと変わってくるわけです。では、今のご意見ではパーセントに統一してしまうというご意見が多いように思いましたが、よろしいですか。

○池上事業管理課給付事業室長 念のため、先ほど和田から申し上げましたが、今、先生方からお話がありましたけれども、機構のほうとも話して、パーセントに統一して大丈夫かどうか確認したいと思います。どうしても併記が必要ということであれば、そのときには改めて坂井田先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○戸田座長 それからもう一つ、アルブミンの測定法が BCG 法から BCP 法に変わりつつあるということです。これについて岡上先生。

○岡上委員 前回の会合の際に細かい値を知らなかったので発言しなかったのですが、後で調べてみると、大阪日赤の大崎先生がこの件に関し肝臓学会に意見書を出しています。現在多くの病院が BCG 法ではなくて改良型の BCP 法になっていて、私どもの病院も 2011 年から改良 BCP 法でアルブミンを測定しています。だから従来の BCG 法で測定したものと比較すると Child-Pugh スコアが非常に甘くなります。現在大病院の 50 数%、大きな検査屋さんはほとんどが改良型 BCP 法に変わっており、 PT と同様にどの測定法で測定したのか記載し、それぞれの基準値を記載すべきです。すなわち改良型 BCP 法で 3.5 /dl は、 BCG に換算すると 3.8 /dl ぐらいになります。 3.8 /dl は正常値ですので、これを採用すると大変甘い基準になり、障害者数が大幅に増加します。「 Hepatology 」の今年の 5 月号に、千葉大学の野村先生の教室からの意見が記載されており、これを Child-Pugh スコアに当てはめると、 BCG 法でアルブミン値 2.8 /dl は現在の改良 BCP 法では 2.5 /dl となり 0.3 /dl も差があり、これは非常に大きな問題です。だから、慢性肝疾患患者の多くが障害者認定に入ってくる可能性が出てきます。

○戸田座長 しかし、まだ BCG しか使っていないところもあるのでしょうね。

○岡上委員 あるけれども、当院の検査室に聞いても、大病院でも 50 60 %は改良型 BCP 法とのことです。恐らく先生方の病院も、改良型の BCP 法で測定していると思います。

○戸田座長 また改良法があるのですか。

○岡上委員 私も知らなかったけれども、 BCG 法は特異性が低く、廃止される方向にあります。幾つか論文が出ており、従来法は問題です。

○戸田座長 では、 BCG 法と BCP 法を並記するという形で同じ……。

○岡上委員 上に、まず改良 BCP 法と書いて、下に BCG 法と書いて、どちらの方法で測定したかを記載しないと大きな問題が生じます。

○戸田座長 では事務局のほうはそういうことでよろしいですか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 それについては、こちらのほうは肝臓学会のほうで議論をしていると聞いていますので、そういった方向が決定された……。

○戸田座長 これは議論する問題ではなくて、多くの施設で BCP 法に変わっているのであれば BCP 法で測定したアルブミン濃度にしなければいけないだろうし、 BCG 法で測定しているところは BCP 法で測定したアルブミン濃度に換算しなければいけなくなって。

○岡上委員 換算式もあります。

○戸田座長 換算式もありますから、どちらかを示して換算式を、 BCG 法の場合はどうであるという換算式を下に書くという手もあります。

○岡上委員 それもあります。そんなややこしいことをしてくれるかどうかは。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 肝臓学会のほうも方針が決まれば、こちらのほうに載せたいと思います。決まった段階でということで考えております。

○八橋委員 この議論は、すべてのアルブミン値に関する基準値の大変更になります。障害年金の問題ではなくて、移植適応や保険薬剤、いわゆるソラフェニブやリーバクトの適応も含めて、すべてのことに影響します。この問題に関して肝臓学会の中での議論が現在どこまで進んでいますか。

○岡上委員 大崎先生の話では、肝臓学会の人もほとんど知らなかったそうで、多分先生方もご存じなかったと思います。「 Hepatology 」に非常に大きな問題と記載されています。

○戸田座長  correspondence ですか。

○岡上委員  correspondence です。言われる通り、抗がん剤の治療など、そういうものにも全部引っかかってくるので、大崎先生は早急に肝臓学会として検討してほしいという要望書を出されています。

○八橋委員 私は肝臓学会での議論や結論を待つべきだと思います。現時点では、従来法の BCG 法では、この基準であるということを明記しておけばいいのではないですか。将来、測定法が BCP 法に完全に変更されれば、基準値は見直さないといけないと思いますが、ここですぐに……。

○岡上委員 多くの施設は BCG 法で測定していないから、改良型の BCP 法と記載しておかないとダメと思います。換算式がありますが、換算式は面倒なので恐らく使ってくれないと思います。どちらにしても両方併記しておかなければ、混乱します。ただ改良型 BCP 法にしたときに、値をどうするかが問題で換算式が出ているので、それに従ってきちんとする必要があります。

○戸田座長 ここには BCP 法で書いて、 BCG への換算式というものを下に入れるほうがいいということですか。ほとんどが BCP になっているからですね。

○岡上委員  BCG 法だったら 3.0g/dl から 3.5g/dl 、改良型 BCP 法だったら少し甘く取って、 2.6g/dl から 3.3g/dl としたほうがいいと思います。換算式など記載しても面倒で実際行ってくれない可能性があります。

○戸田座長 換算式は使われない可能性があるということですか。われわれのところとしては両方書いたほうがいいのではないか。すべての施設が BCP 法に変わっているとは限らない、 BCG 法を依然として使っているところがあるかもしれないので、「 Hepatology 」に correspondence であるとはいえ、論文が載ったりすると、 BCP 法に次々と変更していくと思うのですが。

○岡上委員 問題は、検査会社に依頼している施設では、聞かない限り、どの方法で測定したか書いてないのです。大手はほとんど改良型 BCP 法で測っているが、肝臓の専門医もほとんど知らないわけで、当院でも 2011 年に新しい方法に変えていたわけです。

○戸田座長  2011 年から変わっているわけですね。それを知らないでわれわれは。

○岡上委員 それを知らないで判定すると非常に混乱します。

○池上事業管理課給付事業室長 今の段階において、基準値については 2 つの検査方法について載せる方向で考えようと思います。ただ基準値をどこにするか、今先生のほうから換算式があるというお話はあったのですが、その値をどうするかというのは結構影響も大きくなってくるので、まだ通知を出すまでに時間がありますので、もう少しぎりぎりまで学会のほうのご議論も見た上で、数値を載せられるかを考えていってはいかがかと思います。

○戸田座長 これは 3.0 から 3.5 に合わせて BCP 法で測定したアルブミン濃度も示すというようにしなければいけないです。これを BCP 法にして 3.0 から 3.5 にしたらよくないわけで、 BCG 法で 3.0 から 3.5 にイクイバレントな BCP 法での値というのを示すようにしなければいけないです。

○八橋委員 この会合は公の会合です。公的な話として、今回アルブミンの基準値の 3.5 3.3 に変更するとか、換算式を併記した場合、そのまま引用されれば、保険適用薬の基準にも影響してきます。肝臓学会や他の学会でのアルブミン測定の問題点の受け止め方や議論、コンセンサスを踏まえた上で対応すべきと私は思います。

○戸田座長 肝臓学会のコンセンサスといっても、これからは BCP 法にしますといっても、結局 3.5 BCG 法の 3.5 に相当する BCP 法の濃度になるわけですね。だから 3.0 から 3.5 という、 BCG 法による基準は残しておいてというような。 BCP 法の 3.0 から 3.5 にするというのは、いろいろ問題が出てくるのではないですか。

○八橋委員 肝臓学会でも、いつから測定法が変更になったのか、実際どのような問題が起きているのか、変更するならどのような表記にするのか、まだ議論が始まったばかりではないかと思います。そこでの議論を踏まえた上で、明記すべき内容であり、この場だけの問題ではありません。繰り返しになりますが、変更することは、いろいろな保険薬や制度、移植の基準などにも影響しますので、慎重に対応すべきと思います。

○戸田座長 ですが、ここでは BCG 法の 3.0 から 3.5 になっているわけですから。

○八橋委員 それを書かれるのはいいと思います。事務局案に記載されている、検査法としての BCG 法の基準です、というのは明確に出されています。現時点で BCP 法のことを明記するのはまだ早いと思います。

○岡上委員 換算式は必要です。

○戸田座長 換算式を一応下に書いておくと。

○岡上委員 換算式でやれば、改良型 BCP 法なら g/dl 以下とか書くべきです。

○戸田座長 換算式を入れるかどうかについては事務局のほうで十分に考えていただくということでよろしいですか。

○池上事業管理課給付事業室長  BCP 法にどんどん切り替わっている部分があるというところについては、私どものほうでも情報を確認しようと思います。

○戸田座長 変わっているとなると、 3.0 から 3.5 というのは変えないといけないわけで、それを BCP 法に換算して 2.8 から 3.2 にするかどうかという問題になるわけですね。

○池上事業管理課給付事業室長 数字については緻密な議論にもなってきますので、どういう数値が適当かという辺りについては、もう少しお時間をいただいて、学会のほうの統一見解というものも受けて考えていきたいと思います。方向性としては、検査方法が変わってきていて、意味するところがだいぶん違うというご指摘も今いただきました。

○戸田座長 だから( BCG 法)と書いておけば、うちのは何だと思ったら BCP 法だと、 BCP 法で出たものを BCG 法に換算したらいくらだから、これは高度異常だというように、皆さんは持っていけると思うのです。

○池上事業管理課給付事業室長 考え方としてはそのようになると思います。

○戸田座長  BCG 法の 3.0 から 3.5 はきちんと残さなければいけないと思います。今までそれをやっていたわけで、それで皆さんは妥当性があると思ってきたわけですから。結論は、 BCG 法における 3.0 から 3.5 は残すということでよろしいですね。これを残さなければ。

 その他に何かありますか。

 次は重症度判定基準のところに移ります。 71 ページになります。重症度の判定基準のところで、前回の議論ではチャイルドスコアはそのまま使わないと、下敷きにはするけれどもそのまま使わないという話でした。検討事項としては、高度異常を 3 つ以上示すものに加えて、今回変えたのは高度異常を 2 つおよび中等度異常を 2 つ以上示すものを追加したということです。これについてはいかがですか、植松先生。

○植松委員 前回のチャイルド 11 点、つまり一般状態区分に「オ」が付いていなければ 1 級にはならないということはきついのではないかという話がありました。追加された、高度異常を 2 つおよび中等度異常を 2 つ示すものという状態は「オ」に近いという観点から、なお書きのところにでも、「オ」が付いていない場合に 1 級が付けられない規定はあるのですが、その状態をよく観察することによって、できる限り適切な一般状態区分を付けることを、現場で診察の先生に周知徹底をすることが必要だと思います。

○戸田座長 八橋先生はいかがですか。高度異常が 3 つ以上に加えて、高度異常が 2 つおよび中等度異常が 2 つ以上を示すものを追加したということと、かつ「オ」というのはそのまま残すということ。

○八橋委員  1 級の基準は、相当厳しいと考えます。高度異常が 3 つというのは、スコア 3 つで 9 点になって、血小板のことは置いておいて、あとの2項目がスコア 1 1 としても合計で 11 点のチャイルド C になります。また次に示されている高度異常が 2 つ、中等度異常が 2 つというのは、一見基準が緩和されているように見えるのですが、高度異常が 2 つでスコア 3 2 つの 6 点、血小板のことを度外視した場合、中等度異常が 2 つではスコア 2 2 つで 4 点、これらの 4 項目を加算して 10 点なのです。だから、この場合でも残りの 1 項目がスコア 1 としても合計で 11 点のチャイルド C になるということです。現在のチャイルド C というのは 5 項目のスコアが中等度異常 2 点としても 5 個揃うと満たします。中等度が 5 でもチャイルド C なのです。よって今回の基準での障害認定1級は、チャイルド C の中でもかなり高度の障害を持った人だけ認定される、チャイルド C と判定された人の中でも障害認定1級の基準には到達しないことが予想されます。今後、 1 級の障害認定と判定され、年金を受給できる人がどれほどおられるのか疑問です。仮に高度異常を 1 つ、中等度異常を 3 つまでは認定するとか、もう少し緩和策があっても良いのではないかと思います。チャイルドスコアの合計が、できれば 9 点ぐらいまでは 1 級にしてあげたいような気はしていますが、いかがでしょうか。

○植松委員 「オ」が付かないと 1 級はつけられないという考えは、ここだけではなく他の節にも響いてしまうので、そこは変えられないと思います。

○戸田座長 他の疾患でもですね。

○植松委員 確かに肝臓ではおっしゃる通りですが、運用というか、必ずというわけではないですが、よく見てくださいということを書いたほうがいいと思います。

○戸田座長 八橋先生は、高度異常が 3 つ以上と、中等度、高度異常のそれぞれが 2 つ以上についてとすることも問題があると。

○八橋委員 1級に関しては、このままでは相当厳しいという気がしています。障害年金の全体のルールとして、高度が 1 つでは 1 級にならないという縛りがあるのであれば、仕方がないと思います。結果として1級と 2 級の間に大きな差が開いた基準だと思います。この基準でいきますと 1 級というのは相当 QOL が落ちている方になりますので、障害の程度1級の方の一般状態区分は確実に「オ」の方となることと考えます。

○植松委員 その通りでいいと思います。ただ、診断書によっては「エ」がついてくることがあるので、そういうときに「オ」がついていないからただちに 1 級ではないとはいえないということを言いたかったのです。ですから、状態区分をよく見てほしいということを、現場に周知徹底していただきたいと思うのです。

○戸田座長 検査項目あるいは臨床所見で 1 級の基準を満たしても、「オ」でなければ駄目だということについては、ある程度よく確認してみるということですか。中村先生、どうですか。八橋先生は1級認定に必要な臨床項目、臨床所見について高度異常 3 つ以上に加えて、高度異常 2 つ及び中等度異常 2 つ以上を加えたことについて、もう少し緩やかなものにできないかと言われましたが、これについて何かご意見はございますか。

○八橋委員 私はできればという話ですけれども。

○中村委員 今の 1 級の認定についてですが、確かに 3 つ以上というのは確かにかなり厳しいところがあると思います。そこに高度異常を 2 つに、中等度異常を 2 つ、これでかなり拾い上げられる方は増えるのではないかという感じがします。先ほどの一般状態区分の「オ」というのはかなり厳しい状態です。肝臓で「オ」の状態というと、亡くなる前の状態という方だけが対象になってくるというところだと思います。

○坂井田委員 私も、他の疾患との整合性が出なければだめだというのが大前提だとお聞きしたので厳しいですが、血小板が入ったので、高度異常が 2 つ、中等度異常が 2 つで多少緩和されているのではないかと思います。

○戸田座長 岡上先生はいかがですか。

○岡上委員 一般状態は全疾患を対象に規定されているわけなので、ここで議論しても仕方がないことです。拾い上げるためにこれをやっているわけではなくて、医学的にきちんとした評価をすることが重要なわけで、 1 級はこれという形で今まできたわけですから、これはこれでいいと思います。

○戸田座長 高度異常を 3 つ以上と、または高度異常が 2 つ以上、および中等度異常が 2 つ以上、これについては大体よろしいですね。ここに「オ」を入れるかどうかということですが、これはどうしようもないということですが、皆さまは少し抵抗があるというので、「オ」を入れることについて事務局で何かお考えがあったら。

○池上事業管理課給付事業室長 植松先生のほうからお話がありましたように、高度異常が 3 つ、あるいは高度異常が 2 つと中等度異常が 2 つは、通常であれば日常生活の状態も相当悪いことが想定されます。仮にその診断書で一般状態区分の「オ」という表記がない場合については、そのような評価が本当に「オ」ではないのかということをしっかり確認するということで、そこで辛めの主治医の先生が「エ」につけてきた場合は、実際の認定の現場で評価が正しいのかよく確認するということで考えてはいかがかと思います。

○戸田座長 そういう方向でやっていきましょうか。「オ」を取るのは他の疾患の認定基準と整合性という点で問題があるということで「オ」は残すが、判定する側である程度勘案するということですね。

○池上事業管理課給付事業室長 その通りです。

○戸田座長 次にアルコール性肝硬変について、 72 ページの 8 はこれでよろしいですね。

 慢性肝炎のところに移ります。慢性肝炎の取り扱いについては、原則としてここにありますように( 9 )です。原則として認定の対象にしないが( 6 )に掲げる異常、先ほど議論がありましたプロトロンビン、アルブミン、ビリルビン、血小板数、臨床所見が、( 6 )に掲げる障害の状態に相当するものは認定の対象とするということでよろしいですね。

 次にインターフェロンによる治療中の場合の基準を設定するべきかどうかということについてはどうですか。

○岡上委員 そもそもインターフェロン治療を受ける患者はそういうリスクのない人で、インターフェロンをしている人を障害者年金の対象にするのは極めて非学問的であり、そういう議論はすべきではありません。

○戸田座長 インターフェロン治療を受けている患者については、障害認定の対象とすべきではないと。それでよろしいですね。皆さんはよろしいですか。

 次に 10 は「食道・胃静脈瘤などの静脈瘤は、吐血・下血の既往、治療の有無および頻度、治療効果を参考として、肝機能障害(( 4 )に掲げる検査項目および臨床所見の異常をいう。( 11 )において同じ)に加えて、総合的に認定する」となっています。これはどうでしょうか。「参考として」まではいいのですが、肝機能障害……

○岡上委員 肝機能障害という言葉は要らないのではないですか。( 4 )に掲げる検査項目および臨床所見の異常を加味して総合的に認定する。

○戸田座長 「( 4 )に掲げる検査項目および臨床所見の異常を加えて」とすることですか。

○岡上委員 腹水とか肝性脳症のことだから、それを加味して総合的に認定すればいいのではないですか。

○戸田座長 臨床所見の異常というのは入ってもいいですか。

○岡上委員 異常は要りません。( 4 )で全部規定されているから。 4 )に掲げる検査項目および臨床所見を加味して総合的に認定する、でいいのではないですか。

○戸田座長 そういう言葉に直してください。文章としては難しいと。

○池上事業管理課給付事業室長 少し分かりにくくなってしまいましたのは、( 11 )で同じようなフレーズが出てくるので、言葉の省略という意味でそのようにしたのですが、かえって省略するほうが分かりにくいというご指摘もいただきましたので、カッコの中のものを前に出して、肝機能障害という言葉は削除するという方向で修正したいと思います。

○戸田座長 肝機能障害という言葉は医学的にも問題があるのです。肝機能障害とわれわれは使っていますが、文書を書くときには使わないです。

○岡上委員 肝障害です。

○戸田座長 ( 4 )に掲げる検査項目の異常および臨床所見と合わせてとか、そういう文章に取り替えて、それでよろしいですか。

 特発性細菌性腹膜炎についても同様にするということでよろしいでしょうか。

 次に肝がんの取り扱いについて( 11 )です。どうでしょうか。「肝がんの認定は、肝機能障害に加えて肝がんによる障害を考慮して、本節および第 16 節/悪性新生物による障害の認定要項により認定する。ただし、肝機能障害の異常所見がない場合は、第 16 節の認定要項により認定する」と。これはどうですか。この文章もしっくりこないです。八橋先生は何か。

○八橋委員 この記載は、なかなか難しい文章ですね。私の理解は( 11 )に記載することで、今回、ある程度、肝がんを合併している患者さんは障害認定する上で十分考慮しましょう、どちらで認定を取るのかということに関しては、悪性新生物で申請するほうがいいのであればそちらを検討しなさい、それが無理な場合でも肝がんであることを考慮しなさいという意味、メッセージのように理解しました。( 11 )の記載を入れたことは、すごく意味のあることだと思います。

○植松委員 例えば原発性の転移性の肝がんでも、肝障害がなければ 16 節を取って判定するということで、この文章は意義があると思います。

○戸田座長 「肝機能障害」の「機能」を取って「肝障害に加えて」ということでいいですね。

○池上事業管理課給付事業室長 そこは先ほどの( 10 )でも修文することにしましたので、同じような修文をこちらのほうでも加えようと思います。

○戸田座長 「ただし」の後の「肝機能障害の異常所見がない場合は」というのはおかしな表現です。これは先ほどあった「 4 に掲げる検査項目の異常および臨床所見がない場合は」というように改めなければ。これでよろしいでしょうか。というのは、第 16 節の悪性新生物による障害、要するに、肝がんにもかかわらず肝機能検査でほとんど引っかかってこない場合もあるということです。そういうことがあるので、第 16 節の悪性新生物による障害というところでやるということでよろしいですね。

 肝移植の取り扱いについてはこれでよろしいですか。「肝臓移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後の症状、治療経過、検査成績および予後等を十分に考慮して総合的に認定する」ということです。「障害年金を支給されている者が肝臓移植を受けた場合は、臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後 1 年間は従前の等級とする」ということでよろしいでしょうか。

○坂井田委員 いいと思うのですが気になったのは、障害者手帳では移植後は自動的に 1 級を 1 年間ということになりますと、そこの整合性というか、そこは事務局はよろしいのですか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 手帳と年金では、制度の趣旨や経緯も異なり必ずしも一致しなければいけないということではありません。年金の中で従来の肝移植の取扱いを踏まえて、同じような形で今回も規定しているというところです。その後の経過を何年見るかということで、今回は 1 年が適当だろうということで直したものです。全く今までの考え方と変わらないし、年金の方はこういう考え方であるということでご理解をいただければと思います。

○戸田座長 肝移植を受ける人は、大体 1 級か 2 級の人がほとんどでしょう。

○坂井田委員 ほとんど 1 級だと思うのですが。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 結果的にはそうなる可能性が強いです。現行の規定を踏まえて、従前の等級を引き継ぐということでお願いします。

○植松委員 身体障害者認定基準では、肝移植を行った者については、抗免疫療法を要しなくなるまでは障害の状態は固定したわけではないので、抗免疫療法を必要とする期間中は当該療法を実施していないと仮定して 1 級に該当するものとするという規定があるのです。だから、そのために全員免疫抑制剤をやめられませんから全員 1 級なのです。

○八橋委員 障害手帳のときはそうでした。免疫抑制剤を長期に飲まなければいけないということで、薬を服用されている方は1級というような形でした。

○戸田座長 肝機能検査ではほとんど引っかかってこないですね。

○八橋委員 みたさない場合もあるでしょう。そこで障害手帳は 1 級だが、障害年金は受給されない場合が起きると……。

○坂井田委員 というと、ちょっと気になりますが。

○八橋委員 ということも想定されます。

○戸田座長 肝疾患による障害という等級ですから、これはこれでよろしいです。

○池上事業管理課給付事業室長 ご指摘の部分については、従来の認定基準も肝移植ではない、別のところで従前の等級を当分の間使えますという規定になっています。もともとそういうずれが生じるという点はありました。今回については、移植の専門医の先生にお話をお伺いする中で、半年程度である程度定着するし、かなり予後がいいような方もおられるという話もありましたので、従来の障害年金のほうの考え方を変えるだけの材料はありませんでしたので、引き続きそのような取り扱いとしたところです。

○戸田座長 ( 7 )の「検査成績は、その性質上変動しやすいので、肝疾患の経過中において最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて行うものとする」と。これはどういう意味ですか。「認定は行うものとする」ということですか。何を行うのかを書いていないのですが。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 今の認定がどのようにということでは、診断書に 3 つ記載する欄がありまして、記入上の注意の中で、 6 カ月間のうち 2 回の検査成績を最低限書いてくれというようなことが書いてあります。大体 2 回ぐらいを書いてくるのではないかと思いますが、どこの時点のものを取ってくるかは主治医の先生のご判断になると思います。

○戸田座長 それはそれでよろしいのですが文章です。「検査成績は変動しやすいので、肝疾患の経過中において最も適切にあらわしていると思われる検査成績に基づいて行うものとする」という文章は何を行うのかというのが分からないのですが。「認定は」ではないですか。違いますか。

○池上事業管理課給付事業室長 そうです。認定を行うということです。

○戸田座長 「検査成績は」となっているから「認定は」と改めたほうが文章としては。

○池上事業管理課給付事業室長 例えば( 8 )などと同じように、初めのほうの文章があって、その最後に「認定を行うものとする」と。

○戸田座長 認定するというのを最後に持ってくる。

○池上事業管理課給付事業室長 よろしいかと思います。

○戸田座長 そうしていただければ。以上で大体終わったように思うのですが。どうぞ。

○中村委員 よろしいでしょうか。前に戻ってしまうのですが、アルコール性肝硬変の規定についてです。 180 日以上アルコールを摂取していないことについて確認のできたものに限り、認定を行うものとするという規定が新たに入っているのですが、例えばアルコール性の精神疾患のところの認定には、そういう規定はないと思うのです。実際にどのような形で認定されているか分からないのですが。例えば呼吸不全、慢性閉塞性肺疾患などでも、禁煙をした者だけに認定をするとか、そういう規定もないのですが、肝臓でこういう規定が入っていいのかどうか。あくまでも障害の状態について認定するのであって、そこにアルコールを今摂っている、摂っていないというところまで踏み込んで認定の基準に入れるべきなのかどうかという、そこのところだけが気になりました。その辺はどうでしょうか。

○戸田座長 植松先生は何か。

○植松委員 確かに状態は状態なのですが、例えば B 型肝炎、 C 型肝炎から肝硬変になってきている方と比べて、お酒をやめれば治るものが治らないというのは、特に繰り返しの腹水で、飲酒を繰り返していることが診断書上で分かる方がいらっしゃいます。そういう方は確かに 2 級だが、同じ C 型肝炎と B 型肝炎の肝硬変で苦しんでいる方と比べたら、どちらを取るかといったら、ウイルス性肝炎のほうの疾患を取りたいというのが人情です。そうして考えると、アルコールをやめれば治ることが分かっている人は確実にやめれば治るのですから、そういう意味では一つそういうかせがあったほうがいいような気もするのです。いかがでしょうか。

○八橋委員 この一文は障害手帳のときにも議論されました。アルコール性肝硬変の方をどう扱うのかという問題と、一時的にお酒を飲むと肝機能が悪くなるという現実を踏まえて、仮にお酒を飲むと障害年金の基準を満たす、飲まなければ満たさないという矛盾があることから、患者さんへの指導の意味も含めてこの一文を入れたという経緯があります。実際に障害手帳の認定に、この条件が追加されてから、この表記が不適切だというコメントを私は聞いていないことと、患者さんの指導なども含めて禁酒の条件を追加することは、障害年金の認定を適切に行う意味でもこの一文は、あっていいのではないかと思います。

 また、アルコール性肝硬変のかなりの方は生活保護の認定を受けられています。既に生活保護の認定を受けているので、障害手帳や障害年金の受給を受けている人は少ないというのが日本の現状ではないかと思います。

○戸田座長 その他にありますか。 B C 型による肝硬変に比べたら、これは自己責任ではないかという気がするのです。お酒を飲みながら障害認定を受ける人は、何となく許せないという感じはします。

○中村委員 先ほど言いましたように他の精神とかそういうところで、そういうものがかなり加味されて、現在アルコール性の脳障害や精神障害の方がどういう形で認定されているのか。あとは八橋先生が言われたように、確かにお酒を飲んでいる期間は肝機能が悪くなって認定基準に入り、やめれば基準に入らないという方は結構多いと思うのです。だから、その辺を一律に全部認定対象から外すという形にするのか、あるいは別の形で認定期間を短く取って運用していくとか、いろいろなやり方があるのかなという感じがしたものですから、それでお聞きしました。

○岡上委員 大量飲酒で血小板は著明に低下し、食べないで飲酒すると結構アルブミンが下がります。これは大事なことで、あくまで肝疾患による障害認定で、精神疾患の領域ではないわけです。税金で補填するわけですのでこれは入れておく必要があります。一般国民は誰も納得しないと思います。お酒を飲み続けていて、認定されるために例えば数日前から飲酒すれば中等度のアルコール性肝障害であっても血小板は10万以下に下がりますし、アルブミンも下がりますので、これは入れるべきだと思います。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 中村委員からご指摘のあった精神障害の関係についてです。アルコールを飲み続けて精神障害になった場合は、精神病性障害を示した場合は認定の対象にするということで、急性の中毒であるとか、明らかにそのような症状が精神疾患とは認められないものであれば、認定の対象にはしないという切り分けを精神のほうでもやっています。

○戸田座長 どうぞ。

○池上事業管理課給付事業室長 中村先生の問題提起は、障害をもたらした原因に、自らの責任があるようなところについて、どのような取り扱いになるのかと、その辺の問題意識かと思います。そこは法律上は自ら障害を招いた場合は、給付を一部停止することができるという、そもそもの思想はそちらの条文であるのですけれども、今回この 180 日という規定を入れたのは、障害状態を評価する際に、岡上先生もおっしゃいましたが、飲むとまた数値が悪くなるので、自ら責任があるかどうかとは少し離れて、状態を評価するに当たってフェアな評価はどういうものかという観点からも、そのような規定を入れたところです。

○戸田座長 やはりこれは入れたほうがよろしいですか。

 その他にも全体を通じてご意見がありましたら、よろしくお願いします。重症度の判定から認定の基準、規定、その他、項目で何かありますか。

○岡上委員  9 ページはミスプリだと思いますが、委員の主な意見の中の 1 行目の兆候例というのは無症候例の間違いではないですか。

○池上事業管理課給付事業室長 そうです。

○戸田座長  s 抗原というのは HB を入れたほうが。これは HBs 抗原のことですね。キャピタルの HB を入れてください。その他、全体を通じてご意見というか質問はありますか。よろしいですか。認定基準については何点か次回持ち越しの分まで、検査項目の値について、プロトロンビンとアルブミンの問題がありますが、それは次回に持ち越しということでよろしいですね。認定基準についてはおおむね内容を固めていただいたのではないかと思います。

 続いて事務局で作られた診断書の見直し案について事務局から説明をお願いします。

○関口障害認定企画専門官 お手元の資料 3 の「診断書の事務局見直し案(たたき台)」を説明したいと思います。お手元にこの資料及び参考 2 の現行の診断書をご用意いただければと思います。まず、資料 3 の裏面の上段のマル 13 欄が、肝疾患の障害の状態を記載していただくところになります。青字の部分が今回の見直し部分です。

 個々に診断書を見ていただきながら説明をします。 1 の臨床所見では、自覚症状、他覚症状及び検査成績を記載していただくことになりますが、ここでは資料 2 68 ページも併せてご覧いただければと思います。なお、臨床所見の自覚症状と他覚所見について、資料 2 で説明しました今回の認定基準見直し案に記載しています事項と一致していませんが、認定基準においては主要症状を列記しましたが、診断書におきましては障害の程度の判定に当たって最低限必要となる症状を列記しているものです。

 また、診断書と認定基準の用語を原則統一する方向で修正を行っています。この自覚症状と他覚所見の事項については、今回の認定基準見直し案の記載順に合わせているところです。他覚所見では、腹水についても、見直し案に合わせて「有(難治性)」を追加しています。

 検査項目については、認定基準の( 4 )の重症度判定の検査項目以外の項目も記載されていますのは、認定に当たりましての参考データとして活用するためです。今回の見直し案は GOT GPT をそれぞれカッコ内の AST ALT と置き換えています。そして「総ビリルビン」を身体障害者手帳の認定要領に合わせて、「血清総ビリルビン」の名称に修正しています。下のほうの検査項目である PIVKA- 2は、算数字2をローマ数字2に修正しています。そして、「プロトロンビン時間」の欄に、先ほど議論をいただいていました「 INR 」を追記したことです。

 また、アルコール性肝硬変の場合に、 180 日以上アルコールを摂取していないこと及び継続して治療を実施していることを確認するため、各種検査の検査日と、同日時点における、先ほど申し上げました 2 つの要件を確認して、該当の有無を○か×に○を付けてもらうことにしました。また、アルコールを摂取していないことの判断としては、病状の推移及び患者の申告から医師が判断することになります。

 3枚目の「記入上の注意」をご覧ください。赤字部分が今回見直した部分です。 4 3 )に、「アルコール性肝硬変」の場合の記載の仕方を記載しました。「 180 日以上アルコールを摂取していない」及び「継続して治療を実施している」に○又は×のいずれかに○をつけるように記載してあります。この 2 つの要件の記載の順番は認定基準とは異なっていますが、現場の作成医の先生方が慣れていると思われる身体障害者手帳の順番に合わせて作成したものです。

 次に、この資料の 2 面のマル 13 欄の「 2Child-Pugh による grade 」について説明します。今回の見直し案で、 Child-Pugh による grade を点数ごとに記載していただくことにしました。 Child-Pugh 分類の A B C grade だけではなく点数が分かることにより、病態が明確化となるものと思われたためです。ただし、認定自体は重症度判定によるものであり、あくまで参考値とすることにしています。先ほどご覧いただいた「記入上の注意」の 4 4 )に、「 2 Child-Pugh による grade 」の点数に○を付すことの説明文を追記しています。

 「 3  肝生検」についてです。委員から、肝生検の所見は重要事項なので広げるべきとのご意見をいただきましたので、所見欄を若干ですが拡げています。記載する場所も右側の欄から左側に変更しています。

 「 4  食道・胃静脈瘤」については、委員から記載内容を簡素化するべきとのご意見をいただきましたことから、認定基準の見直しに伴い、傷病名を変更するとともに、「食道・胃静脈瘤内視鏡記載基準」の確認項目を削除し、治療状況の記載も簡素化するなど、確認方法を全体的に簡素化しています。

 「 5  ヘパトーマ治療歴」については、治療の内容に「放射線療法」を追加していますが、これは手術、抗がん剤治療とともに、がんに対する主な治療法の一つと行われていると思われますので追加したものです。

 「 6  特発性細菌性腹膜炎治療歴」については、今回の認定基準の見直し案に追記していますので、それに伴い追加したものです。認定基準上も肝機能障害に加えて総合的に認定するため、治療歴と所見を記載させることとしました。資料 2 のところでも説明しましたが、前回の会合で提出された、関係団体の「肝疾患による障害年金支給認定基準の改訂に関する意見書」に、特発性細菌性腹膜炎の既往歴についても、評価の対象にすべきとのご意見があったところです。

 「 7  治療の内容」については、「抗ウイルス療法」を追加しました。見直し前は、「その他の所見」に記載されていたインターフェロン療法等の抗ウイルス療法を、「治療の内容」欄に記載することで、記載漏れがないようにしたものです。

 次に、「 8  その他の所見」については、肝移植した年月日を記載していただくことにしました。これは認定基準において術後 1 年間は従前の等級としていますので、それを確認するために設けたところです。以上で資料 3 の診断書のたたき台の説明を終わります。

○戸田座長 これについてご意見はありますか。

○岡上委員  3 の肝生検で所見欄に stage grade をカッコして入れておいたほうが、分かりやすいと思います。

 治療の内容というのは現在の事か過去の治療歴か不明です。先ほどの話ではないですが、インターフェロンなどを施行中なら当然認定されることはないので、抗ウイルス療法といっても、インターフェロンもあれば内服薬の核酸アナログもあり、このままでいいのですか。 B 型なら核酸アナログを内服しながら認定の申請をする人もいると思うのですが、 C 型でインターフェロン治療を受けながら認定を申請する事は普通ないわけです。

○戸田座長 抗ウイルス療法を取る?

○岡上委員 取るのではなくて、現時点でウイルス性肝炎については「インターフェロンなどの抗ウイルス療法の結果についても記入してください」とあるので、これは結果ではなくて今やっているわけです。こんなことを書くとインターフェロン治療を受けている方まで認定するのかという話になって、先ほどのところと矛盾してくるので、この書き方はおかしいです。

○戸田座長 治療の内容というのは現在の治療の内容ですか。

○岡上委員 そうですね。治療歴ではないですね。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 そうです。治療を今やっているかやっていないかということだと思います。このカッコ書きのところは、現行の診断書にそういう書き方をしているので、それを踏襲した形で、その結果というように書いたのですが、必要であるかどうかはご議論をいただきたいと思います。

○戸田座長 治療が内容とありますが、それは昔やった治療か、現在の治療かということなのですが、これは現在申請時の治療ですか。インターフェロンは過去にやったことがある場合は書かなくていいか。いいということですか。治療の内容のところです。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 恐らくそうだと思います。今までその他の所見欄のほうに、このカッコ書きがありましたので、結果についてはそちらに書いてくださいということだと理解しています。

○岡上委員 「現在の治療内容」というように「現在」を入れておかなければ混乱すると思います。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 その辺も含めて確認してみます。

○戸田座長 利尿剤はどうして「有・無」のカッコがないのですか。

○岡上委員 利尿剤も「有・無」が要ります。

○八橋委員 抗ウイルス療法は、 B 型肝炎による肝硬変の患者さんの多くは抗ウイルス剤を飲まれています。だからそのままの表記でいいと思います。 C 型肝炎に対するインターフェロン治療では、肝硬変の患者さんでも一部適応はありますが、今後はインターフェロンフリーの治療が、今から肝硬変の患者さんにも広くもちいられるようになると思います。新しい治療、抗ウイルス療法をやっているかどうかというのをお聞きするのは悪くないと思います。インターフェロンと書いてなく、抗ウイルス療法と記載することで抗ウイルス治療を広く把握することができると理解しました。

○戸田座長 現在の治療の内容というように。

○岡上委員 「現在の」と入れておかなければ。 認定するのにヘパプラスチンはあまり書かないと思います。削除しては如何ですか。

○八橋委員 私もプロトロンビンに統一したほうがいいと思います。

○戸田座長 植松先生、坂井田先生、中村先生はどうですか。ヘパプラスチンは取ってもいいですね。

○岡上委員 プロトロンビン時間で延長秒と書いてありますが、延長は要らないです。

○戸田座長 これを秒にしたら、例えばトータルの時間で 12 秒が基準で、 16 秒や 18 秒、トータルの時間を書く。

○岡上委員 そうです。延長といわれると、 2 秒や 3 秒と書かなければだめです。

○戸田座長 延長した秒を書くということです。だから延長を取ってしまうと……。

○岡上委員 これは延長を書けという意味で、 4 秒とか 6 秒という意味なら分かりました。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 参考資料で現行の診断書がありますので、それも一緒に見ていただきたいのですが、そちらが延長秒になっていますので、恐らく延長だけを書いているのだと思います。

○岡上委員 分かりました。 ヘパトーマの治療歴でマイクロ波は要らないのではないですか。

○戸田座長 マイクロ波は取っていいですか。いかがですか。

○坂井田委員 マイクロ波は要らないと思いますが、経口の抗がん剤というか。

○岡上委員 それは化学療法です。

○戸田座長 化学療法は入れなければいけないです。だからラジオ波を取って化学療法と。

○坂井田委員 一言になるので化学療法でいいと思います。

○八橋委員 エタノール局注、ラジオ波、マイクロ波治療も局所療法でくくってしまったらどうですか。

○岡上委員 局所治療でいいかもしれないです。

○坂井田委員 ほとんどやってないですから。

○岡上委員 局所治療がいいです。

○戸田座長 手術、局所治療、動脈塞栓術と。

○岡上委員 化学療法と放射線療法です。

○戸田座長 エタノール注入療法、ラジオ波はすべて取って局所療法でまとめます。

○八橋委員 アルコール性肝硬変のところで、「 180 日以上アルコールを摂取していない」で(○・×)が 3 つというのは、その時点でアルコールを飲んでいないということなのか、その時点ごとに 180 日か、どちらを尋ねているのかと思いました。もう一つ、アルコール性肝硬変の治療を継続しているという表記が文章上残っていますが、アルコール性肝硬変の治療とは何かといわれると迷ってしまうなと思いました。いかがでしょうか。

○戸田座長  180 日以上断酒をしているということが条件です。それに 3 つ項目があるというのは、確かにおかしいです。

○八橋委員  1 箇所でいいのではないかと思います。 180 日飲んでいないというのを 1 個選択して○を付ければいいのではないでしょうか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 これは手帳を参考にしたのですが、手帳は 2 回書くようになっています。 1 回目の検査と 2 回目の検査で 2 つ欄があります。年金の場合は 3 つ欄を設けていましたので、そのまま 3 つにしたというわけです。

○八橋委員 その場合は 180 日ではなくて、お酒を飲んでいないという表記ではなくて?

○和田事業管理課給付事業室長補佐 はい、 180 日以上と書いてありました。

○八橋委員 失礼しました。治療を継続しているのかという設問もこういう表記ですか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 書き方が少し違っています。改善の可能性のある積極的治療を実施ということですが、少し分かりにくいかなと思いました。

○岡上委員 この欄が要らないです。

○戸田座長 お酒をやめるのが大切なわけですから、治療になるわけですから。腹水があるから利尿剤を飲んでいるというのも入るわけですか。これは要らないでしょう。

○岡上委員 要らないです。

○池上事業管理課給付事業室長 先ほどの認定基準のほうで、一応そこは確認していただくことになっています。○に付けていただく前提ではありますが、記入自体はお願いできればと考えています。認定基準のところで、この 2 つを確認していただくことになっていますので、診断書上、そこを確認しているかどうかが分からなければ、認定医の先生のほうで、この要件を満たしているかどうか確認するものがなくなってしまいます。記載をお願いしたいと思います。

○戸田座長  3 つも必要かということです。 180 日以上断酒しているということは必要としても3ポイントも必要かということです。

○池上事業管理課給付事業室長 そこは上の検査成績とパラレルで 3 つ書いたのですが、そこは障害部のほうでも 2 回に。

○戸田座長  3 回検査をして、その時点で飲酒をしていないかどうかということであればいいわけでしょ? 180 日を取ってしまってもいいのでは。例えば 3 10 日に検査をして、 4 10 日に検査をして、 5 10 日に検査をして、それぞれの時点で酒を飲んでいないかどうかということです。

○池上事業管理課給付事業室長 それでは 60 日しか確認できないです。ただ 3 ポイントで取る必要があるかどうかです。

○戸田座長  3 ポイント、それぞれの時点で 180 日間の断酒について確認をとる必要があるかどうかということですが、必ずしも必要ないのではないかというご意見もあったように思いますが。

○池上事業管理課給付事業室長 そのようにできるか、障害部が入れた経緯を確認した上で、取っても差し支えなければ、手帳のほうの判定の考え方を確認して、省略可能であれば 1 回記入していただくというようにします。

○戸田座長  6 カ月ぶりに検査した場合はどうなるのかということになります。最初の検査で断酒が確認されたとしても、 2 回目の検査までの間に飲酒している可能性もある。したがって、検査の度に確認が必要となりますか。

○八橋委員 どちらかで。

○戸田座長 「通院して治療を実施しているかどうか」はどうですか。治療はお酒をやめることです。

○岡上委員 「継続して通院している」でいいのではないですか。要はきちんと来ているということを確認したいのだから、継続して通院しているかどうかでいいのではないですか。

○戸田座長 断酒していれば治療です。

○八橋委員 要は、患者さん自身がお酒をやめる意志があって、積極的に治療に関わっているかというのを確認してくださいということだと思います。ただ診断書を書く立場として、継続して治療をしているのかと尋ねられて、具体的な治療法とは何だろうと考えた時に、少々困るなと思ったのです。

○岡上委員 だから治療は 7 の現在の治療内容で担保されるから、「継続して治療」は要らなくて「継続して通院している」でいいと思います。

○戸田座長 「継続して通院している」でどうですか。

○坂井田委員 通院ないしは受診しているということでいいと思います。

○池上事業管理課給付事業室長 今いただいたご指摘は、アルコール性の方に関しては積極的な治療を行うことが想定しにくいので、真面目に通院している方についても、このように聞かれると×が付いてしまう恐れがあるという趣旨ですか。

○八橋委員 経過のいい方ほど、全く薬を出さなくなるわけですから、どこから治療と判断していいのかなとすごく迷うなあと思いました。治療をしているかどうかというよりも、患者さんが治りたいという意志があるかどうかということを確認するために、この表記が入ったと私は受け止めています。

○池上事業管理課給付事業室長 そのようなご趣旨を踏まえて、ここの書きぶりをいじれるか、あるいは記入要領のほうでその辺の疑問点がないようにするか、そこの対応は検討させていただければと思います。

○中村委員 資料の内容のところですが、認定をするほうの立場としては、実際に具体的な、例えば利尿剤や内容、薬品名、薬剤量、この機会があると、この方が難治性腹水で治療に難渋されているとか、その辺が非常に分かりやすくて、できたら治療の内容に具体的なものが入るといいと思います。その他も「有・無」だけでは何の治療か分からないので、具体的に腹腔静脈シャントをしているとか、そのようなことを書いてもらえるように一文をどこかに入れていただくといいと思います。

○戸田座長 利尿薬についてはアルダクトンとラシックス以外、その他にいろいろ複数使っている方が多いので、スペースが足りない可能性があります。

○坂井田委員 書かなければいけませんから、もう少し要ります。

○岡上委員 腹水で「有・無・難治性」とあるので、そこで担保されるわけですから、利尿剤の内容まで書く必要はないと思います。

○戸田座長 利尿剤の内容ですか。

○岡上委員 臨床所見で担保されているから、それで認定が変わってくるわけではないでしょ。シンプルで分かりやすくしてあげなければ、あまりいろいろ書けと言われたら、忙しいから書かないです。

○中村委員 確かに岡上先生が言われるように、腹水の臨床所見のところは他覚所見で担保されているというお話ですが、難治性であるかどうかというところの判断が、完全に主治医の判断に委ねる、この診断書自体が主治医の判断に委ねられるところが多いのですが、そこを少し客観的に薬などで、その内容を担保できればということです。

○戸田座長 これだけの量を使って、こんなに種類を使ってもだめかということで難治性という判断が、ある程度客観的にできるということですね。

○中村委員 そうです。内容も書いていただければ、さらに客観性を担保できるかなと。

○戸田座長 内容を書いていただくことによって。

○植松委員 確かにおっしゃる通りです。ただ、書く余裕のない人もたくさんいると思うので、薬品名カッコと、後ろにスペースがありますから、項目をつくっておけば、記載しない人はしないし、する人はすると思うのです。ですから、薬品名ということをカッコで置いておいたらどうでしょうか。そうすれば書きたい人は書くでしょうし、もういいという人は書かないと思います。それでどうでしょうか。

○戸田座長 小さな字で、このスペースで書けますか。

○植松委員 書く人は書くと思います。溢れても書いている人はいます。

○戸田座長 投与量も書く必要はありますか。

○中村委員 これは希望という。

○戸田座長 これだけ使っても腹水が取れないとなると、やはり難治性かという、客観的な判断はできます。どうですか。

○中村委員 先ほども言いましたが「その他」は具体的な治療名を記載していただくように書かなければ分からないです。

○戸田座長 例えばどういうことですか。

○中村委員 シャントとか、あとはカートをしているとか、腹水の濃縮再静脈注入です。

○池上事業管理課給付事業室長 今、中村委員からもお話がありましたので、書く人は書くし、書かない方は書かないかもしれませんが、記載を促すような形にしたいと思います。

○戸田座長 最後の余白のところに、どういうタイトルで書いてもらうのですか。薬品名以外、例えば血小板輸血などは別に薬品名はないですので、「薬品名など」と書けばいいです。

○池上事業管理課給付事業室長 そのような形でよろしいと思います。

○戸田座長 「など」と入れてください。 その他に何かありますか。

○坂井田委員 細かくなりますが、自覚臨床所見、肝疾患のところで自覚症状に、こむら返り (muscle cramp )は肝硬変の特徴でもありますし、入れていただきたいです。

 整合性を合わせるために「食道・胃など静脈瘤」と、先ほどのところと合わせるために静脈瘤を全部入れるのであれば、「など静脈瘤」に変えてもらいたいと思います。先ほど言いました、門脈血栓、その他の所見、合併症と書いていただければ、主治医が判断に応じて書くと思います。追記していただきたいと思います。

○岡上委員 食道・胃静脈瘤は 4 にあるからいいのではないですか。

○坂井田委員 食道静脈瘤がほとんどですが、他の静脈瘤もできることがあるので「など」です。

○戸田座長 どうぞ。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 坂井田先生に確認です。合併症はその他の所見欄に、例えば( 2 )で合併症という形で記載させるということでよろしいですか。

○坂井田委員 いろいろありますので、いいと思います。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 承知しました。

○坂井田委員 なるべくシンプルにして、へパプラスチンは要らないと思いますが、 BTR 、アミノ酸の比は、アンモニアの横に肝性脳症とも関連があるので、書ける人は書いてもらったら参考になると思うのですが、フィッシャー比というか。

○戸田座長 検査成績のところですね。

○坂井田委員 アンモニアと 2 つ。

○戸田座長 ヘパプラスチンテストを取ったので、そこにフィッシャー比を。

○坂井田委員 あまり多くなってもいかがとは思いますが、よく使っていると思いますので。
○岡上委員 詳しく書くのはいいと思うのですが、あくまでも認定は
Child-Pugh と( 5 )の肝疾患の障害の一般状態で区分するわけなので、治療内容を詳細に書くのはあまり意味がないと思います。いつも言うように、多くの人が分かりやすくて公平になるような項目にするべきだと思います。大原則にのっとるようなものを抜けないようにきちんとすることが必要だと思います。ですから、腹水は難治性と書いてあれば、治療の内容を見たからといって、これが難治性か難治性でないか分からないわけです。だから、多くの人が公平に担保できるような形のものさえやっておけば、そういうことは必要ないと思います。

○戸田座長 その他にはありますか。

 全体を通じて何かご意見はありますか。

 事務局のほうから、言われたけれどもよく分からないというところがあれば何か。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 先ほど出ました検査成績の中で、坂井田先生からの BTR を入れるか入れないかは、できればここで決めていただきたいと思います。

○戸田座長 どうしましょうか。入れなくてもいいですね。

○坂井田委員 治療をしていたら分からないですから、それであればいれなくても結構です。

○戸田座長 「アルカリフォスファターゼ」は「フォ」ではなくて「ホ」で、「アルカリホスファターゼ」ではなかったですか。

○岡上委員 これは ALP にしたほうがいいのではないですか。

○戸田座長 「ホ」にしますか。

○岡上委員  AST ALP 、γ -GTP が横文字で、これだけを日本語にする必要はないし、 ALP で。

○戸田座長 だけど ALP をキャピタルの a に、スモールの l にして、ハイフンを引いて p を書く人がいるのです。だから ALP と書いて必ずしも。

○岡上委員 大文字で ALP としておけば、そんなことが分からない医者はいないでしょう。

○戸田座長 原則、日本語ということで。

○岡上委員 コレステロールも要らないと思います。

○戸田座長 しかしコレステロールは重症度を反映して、重症の肝障害では下がってくるでしょ。

○岡上委員 それはその通りですが、 Child-Pugh とか、そういうところに何も入ってこないわけで、皆さんは別にこれを参考にするわけではないと思いますが。

○戸田座長 よろしいでしょうか。

 全体として何かありますか。今日は割合早く終わりそうですが。

 一通りご意見をいただけたと思いますので、本日の議論はこの辺りで終わりにしたいと思います。次回の進め方、日程について事務局からお願いします。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 本日はありがとうございました。次回は本日の議論などを踏まえて、最終的な認定基準の改正案と、診断書も今日のご意見で大体整理できた部分もありますので、改正案を示して、ご意見をお伺いしたいと思います。次回の日程ですが、 11 15 日金曜日の午後 5 時からの開催を予定しています。後日改めて開催場所のご連絡を差し上げたいと存じます。

○戸田座長 本日の会合はこれで終了したいと思います。委員の皆さまには長時間にわたり、貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。



(了)
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代表: 03-5253-1111(内線3603)
直通: 03-3595-2796

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