ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ> チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第36回議事録(2013年10月17日)
2013年10月17日 チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第36回議事録
医政局看護課看護サービス推進室
○日時
平成25年10月17日(木)10:00~12:00
○場所
共用第8会議室(19階国会側)
○出席者
秋山 正子 (ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長) |
有賀 徹 (昭和大学病院 院長) |
井上 智子 (東京医科歯科大学大学院 教授) |
大滝 純司 (北海道大学大学院医学研究科・医学部医学教育推進センター 教授) |
川上 純一 (浜松医科大学附属病院 教授・薬剤部長) |
神野 正博 (社会医療法人財団董仙会 理事長) |
小松 浩子 (慶應義塾大学看護医療学部 教授) |
真田 弘美 (東京大学大学院医学系研究科 教授) |
竹股喜代子 (前 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 看護管理部長) |
英 裕雄 (医療法人社団 三育会 理事長) |
星 北斗 (財団法人星総合病院 理事長) |
前原 正明 (防衛医科大学校外科学講座 教授) |
○議題
1)「特定行為に係る看護師の研修制度(案)」をふまえた具体的内容の検討
2)その他
○議事
○簑原医事課長補佐 それでは、少し早いですけれども、ただいまから第36回「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」を開催させていただきたいと思います。
委員の皆様におかれましては、御多用中のところ検討会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
まず、委員の出席の状況でございますけれども、本日は山本委員から御欠席ということで御連絡をいただいております。
続きまして、資料の確認をさせていただければと思います。
まず、資料といたしまして「これまでの検討状況(案)」。
参考資料1「包括的指示・具体的指示が行われてから診療の補助が行われるまでの流れについて(案)」。
参考資料2「指定研修における看護師籍への修了登録のイメージ」。
参考資料3「第35回チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループにおける委員の主なご意見」。
乱丁、落丁等ございましたら事務局にお申しつけいただければと思います。
それでは、座長のほう、議事の進行をお願いします。
○有賀座長 皆さんおはようございます。
きょうのワーキンググループでの会議の結果を、今月の末に行われる親会議というかチーム医療推進会議への報告をすることになります。ですから、今までの議論を本日はまとめるという観点で、つまり推進会議に状況を報告するということを念頭に議論をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
どの資料がどんなふうに推進会議に行くかということも含めて説明を賜って、それで、今言った推進会議の報告の全体の状況をみんなで確認していきたいと考えます。まずは資料をよろしくお願い申し上げます。
○岩澤看護課長 それでは、まとめましたこれまでの検討状況につきまして説明させていただきます。
資料と、資料に別添が1~4ついてございます。
2ページ、これまで議論いただきました診療の補助における特定行為の内容と、指定研修の基準に関する事項についてまとめたものでございます。
まず、診療の補助における特定行為(案)についてです。特定行為の範囲についてということで、最初に定義を書いております。これは研修制度案の1つ目の○に書いてあるものと同じでございます。この定義に基づいて、特定行為の検討に当たっては、行為そのものに技術的な難易度または判断の難易度があることに加えて、あらかじめ対象となる患者の病態の変化に応じた行為の内容が明確に示された特定行為に係るプロトコールに基づき、看護師が患者の病態の確認を行った上で実施することがある行為、これを特定行為の判定基準としたということです。この検討の結果、別添2のとおり41行為を診療の補助における特定行為(案)としたということで、別添2をごらんください。41行為の行為名と行為の概要を書いてございますけれども、行為名、行為の概要の赤字の加筆訂正につきましては、関連学会等からより適切な表現、内容としていただいた意見を反映しております。
それでは、資料にお戻りください。2ページ目の最後の○ですけれども、今後、特定行為の範囲について最終的な結論を得るまでの過程で、関連学会等から出された意見のほか、厚生労働省で行っておりますプロトコールに関する試行事業の結果も踏まえて、また、臨床現場への影響も特に考慮して検討を行うことが必要であるとしております。
この特定行為等に関する留意点について2点、次にまとめております。
まず、特定行為についてですけれども、指定研修を修了していない看護師であっても、具体的指示に基づいて特定行為を行うことが可能である。ただし、医療安全の観点から保健師助産師看護師法の資質の向上に係る努力義務として、特定行為の実施に係る研修を受けることが必要とされている。これは制度案でございます。そこで各医療機関において実施される研修で一定の質が担保されるよう、厚生労働省による指針の策定等を行うべきである。
2点目は特定行為外についてですが、特定行為に該当しなかった行為で診療の補助として厚生労働省において明確化される行為についても、指示のもと看護師が行うことが可能である。そのうち難易度が高いとされた行為については、医療安全の配慮の観点から研修等を実施するなど、各医療現場において配慮するよう厚生労働省による周知が必要であるとしてまとめております。
4ページ、特定行為に係る看護師の指定研修の基準に係る事項(案)についてです。
まず、指定研修の基本的な考え方ですが、指定研修を修了した看護師は医師、歯科医師の指示のもと、プロトコールに基づき特定行為を行うこととなるが、各活動の場において期待される役割を担うためには、医師または歯科医師の指導のもと、実践と振り返りを繰り返し、習熟を目指すものであるとしています。
次に、指定研修機関の指定に係る特定行為の区分についてですが、指定研修は特定行為の区分に応じた研修とすることから、その区分として看護師による患者の病態の確認内容が類似した行為を1つの区分とするという考えのもと検討を行い、別添3のとおりの区分(案)としたということで別添3がございます。
別添3をごらんいただきたいと思います。前々回の34回でお示ししました区分と同じですが、区分名につきましてはよりわかりやすいものとしております。また、順序も前々回と少し変えて今回別添(案)としてお示ししております。
資料の4ページにお戻りいただきたいと思います。研修機関の指定は特定行為の区分ごとに行われることになるが、指定研修機関が裁量で特定行為の区分を組み合わせて研修を提供することができることとする。その際、どのような医療現場の領域での活動を念頭に置いた研修を提供しようとしているのか、各指定研修機関が受講者に対して事前に提示することができる。
研修の基準に関する具体的な内容については別添4のとおりです。今後、指定研修の基準に係る事項について、最終的な検討を得るまでの過程では、学会の意見や厚生労働省による試行事業等の結果も踏まえて検討を行う必要があるとしてまとめております。
別添4をごらんください。これまで議論をいただきました資料ですけれども、1ページの想定される指定研修受講者案は前回と同じでございます。
次のページは指定研修の基本理念の案ですけれども、前回御指摘いただきましたので「指定研修は」の前に「特定行為に係る看護師の指定研修は」ということで追加をしております。
3ページの研修実施方法についてのイメージでございますが、ここの赤字の削除については授業方法の一部だけ列挙しておりましたけれども、それを削除したものでございます。
4ページ、指定研修における教育内容のイメージ。これは前回と同じです。
5ページにあります指定研修の到達目標、教育内容等(案)表Aについてですけれども、目標は前回と同じでございます。赤字が入っておりますのは該当する下の教育内容の表現に合わせた訂正です。教育内容につきましては前回御議論いただきまして、病態生理学の前に臨床をつけております。フィジカルアセスメメントのところには病態生理学がありますが、臨床病態生理学のほうに含まれますので、ここを削除しております。
6~8ページの特定行為に関する学ぶべき事項等というのは、これまでと同じ資料でございます。
9ページ、受講者の評価に関して指定研修機関において取り決めておくべき事項について(案)というところでは、最後のところに修正を入れておりますが、評価は指定研修機関の責任で実施しますので、それが明確になるよう訂正しております。指定研修機関と実習施設が同一でない場合、実習施設が受講者の修得状況の確認を行うことができるが、指定研修機関は確認事項を実習施設に提示するとともに、評価方法について実習施設と事前に調整し、取り決めておくことでございます。
また資料の最後のページ、5ページにお戻りください。その他としまして制度の周知について、それから、制度施行後の留意点についてまとめております。
1つ目は制度の周知について3点です。
本制度における包括的指示とは、いわゆるお任せの指示を意味するのではなく、医師または歯科医師が個々の患者の診察を行い、患者の状態を把握し、指定研修が修了した看護師に行わせることが可能かどうか判断した上で、対象となる患者の病態の範囲、確認事項の内容等が明示されたプロトコールに基づき、個々の看護師に対して出されるものであることということで、本制度の包括的指示の説明でございます。
2点目は、指定研修を修了した看護師であっても、特定行為を医師の包括的指示で実施するだけではなくて、具体的指示による実施や医師みずからが直接対応すべき場合もあるため、その判断は医師または歯科医師が行うものであること。
3点目の特定行為以外の診療の補助についてですが、それについて医師または歯科医師の指示の取り扱いは、従前のとおりであることとしております。
次に、制度施行後の留意点ですが、指定研修を修了した看護師がどのような医療現場で活動しているのか、状況を把握し、制度化による医療現場の変化等を確認することが必要であること。また、このような状況を踏まえ、特定行為の内容や研修内容等の基準等について、施行後の必要な見直しを行うことが必要であるというふうにまとめさせていただきました。
以上です。
○有賀座長 どうもありがとうございました。
確認ですけれども、推進会議に行く資料というか、もちろん例えば今、説明された資料は赤字の案とありますので、これらに多少の修正が加わるのかどうかわかりませんが、これまでの検討状況と、今の別添2~4、場合によって参考資料1とか2もチーム医療推進会議に行くのですか。
○簑原医事課長補佐 今の想定といたしましては、別添4までを推進会議に御報告するというイメージで、事務局で作成させていただきました。
○有賀座長 別添1は昔に出たあれですね。これは知っているのでいいとして、別添2~4と今の御説明になった資料が上に行きますよという理解でよろしいですか。
○簑原医事課長補佐 はい、そういうイメージです。
○有賀座長 参考資料1とか参考資料2みたいな話は何となく議論した覚えがあるのですけれども、これは特に今回上に報告するものには今のところ含まれていないのですか。もう行ってしまっているのですか。
○簑原医事課長補佐 もともと3月29日に、推進会議の看護業務検討ワーキングで引き続き検討してほしいという御指示があったものが特定行為の内容でございますとか、指定基準の内容ということでございましたので、それについては別添4までということです。
○有賀座長 では、別添2~4と今の御説明の紙ですね。これが29日でしたか。
○簑原医事課長補佐 今、調整しています。
○有賀座長 要するに来るチーム医療推進会議に、このワーキンググルーブからの報告として行くということで御理解いただいた。
では早速。
○星委員 おはようございます。きょうは何となく雰囲気が違うのですね。局長もいらっしゃっているし、何となく雰囲気が違いますけれども、いよいよ大詰めなのかなという気がしますし、国会が始まっていよいよお尻に火がついたのかなという気がします。
まだ36回もやってやり足りないというのはどうかと思うのですけれども、特定行為の範囲についても議論が中途半端になっている部分があったような気がします。特に挿管をどうするのか。抜管ですかね。その話はまだ結論がついていないようなイメージがありますが、とりあえずお出しになることについて私は反対しませんが、3ページ(2)の特定行為に関する留意点のところ。ここの前段と後段の話は別の話なのです。ただし以降の話は。特定研修を修了しない人でもやっていいよ、具体的な指示に基づいてという話と、後半の厚生省による指針の策定というのは、別に修了していない看護師に対する指針の策定ではないのですね。そう理解していいのですね。どう読むのか紛らわしいのです。それが1点。どういうふうに読むのかという話。素直に読むとそういうことです。
もう一つ、最後の必要な見直しを行うことが必要であるというのは日本語として非常にまずいのです。見直しというのは必要かどうかということを含めて見直しをするのです。見直す必要があるとわかってから見直すわけではないですね。だから日本語からすると一定の時期にとかいうようなことにしたほうが、みんなはわかるのかなと。日本語として非常に矛盾しています。
ということできょうは早く終わりそうな気配がしていていいなと思っているのですけれども、座長どうでしょう。
○有賀座長 という御意見が出たので、まずは最後の、こうした状況を踏まえ、特定行為の内容や研修内容等の基準等について制度施行後において、要するに見直しを含めた議論が必要であるということでしょう。先生がおっしゃっているのは。必要な見直しを行うというのではなくて、見直しをしながら必要性に関する議論もそこでやっていくべきだという話ですね。だから制度施行後に見直しを含めたさまざまな議論をしていくことが必要なんだ。
○星委員 これで終わりではないですよと。
○有賀座長 そういうことですね。そういうふうなことをおっしゃったと思うのですが、先生方そうですよね。今、言ったことを具体的に書くとこうなるのかなと思ったのですけれども、「施行後に見直しを含めた議論をしていくことが必要である。」発言者の趣旨もそれですね。
○神野委員 これは純粋に中身の質問ですけれども、2つ。
1つは、この人たちをこれから何と呼ぶのかという話ですが、特定行為に係る看護師の指定研修を修了した看護師とこれから呼ぶのかどうかということ。非常に単純な質問ですけれども、それが1点です。
2点目ですけれども、今、星委員がおっしゃった3ページ(2)ですが、この指定研修を修了していない看護師の話。先ほどの御質問と少し重なるところをもう一回改めて質問させていただきますけれども、指定研修を修了していない看護師でも特定行為を具体的指示でやるためには、努力義務として各医療機関で厚労省が大体こういうことをやったほうがいいですよという指針がある。それをもとにやりなさいということなのかなと。それだと先生の意味と違うと思うのですが、どちらなのかという話。
そして、これはあくまでも各医療機関でやる医療安全の観点からの研修というのは、ここで言う指定研修機関とか実習施設でなくても、何らかの指針にのっとって各病院ごとに独自のやり方でやればいいんですよねということなのでしょうかという質問です。
○有賀座長 では、まず単純なほうから。研修が終わった看護師さん、看護師籍に登録するとかありましたね。それを何と呼ぶか。登録済み看護師とか。
○簑原医事課長補佐 今、現時点で特に通称等は、長く言うと神野先生がおっしゃったような形になるのですが、これから法律が通った後にこの制度が広まっていくためには通称等も必要かもしれませんので、そこはまた引き続き検討させていただきたいと思います。
○有賀座長 引き続き検討って、どこで検討するのですか。
○簑原医事課長補佐 これは事務局で、施行通知等で示していくためには研修修了看護師というだけでやるのかどうかも含めて検討させていただきたいと思います。
○有賀座長 それでいいですか。特定という名前に随分こだわった医療団体があったような・・・。何となく思い出すのですけれども。
○星委員 何とか看護師と呼ぶのは私は反対です。つまりそれは別な職種を想像するからです。ですからこれはあくまでコンテキストとしては特定行為に係る指定研修を修了した看護師さん、あるいはその登録を受けた、登録するならの話ですけれども、修了した看護師さんという言い方をするべきで、特定研修修了看護師というような固有名詞をつくることには私は反対です。前々から議論をしていて、新しい職種をつくるのではないという話をしていて、その人に何か特別な冠とかバッジがつくわけではないという話は前々からしているので、そこは事務局にお任せするというよりは、その趣旨を守っていただくことをお約束いただかないと、私としては通称に関しても事務局で適当に考えますからというので、にわかにそうですかと言うわけにはいかない気がします。
○簑原医事課長補佐 今、医師の臨床研修を修了した医師に関しましては、医療法上、臨床研修修了医師という形で法律上、位置づけられておりますので、そういったものも参考にさせていただきながら今、御指摘があったことも踏まえまして検討させていただきたいと思います。
○有賀座長 どうもありがとうございます。
では、3ページの特定行為等に関する留意点の○が2つありますけれども、上のほうの○については修了していないナースについても、具体的な指示に基づいて特定行為を行うことは可能である。そこまではいいのですね。「ただし」の次の文章は保助看法の資質の向上にかかわる努力義務として「~が必要だ」。その次に、2つ目の文章として、当該研修について研修の一定の質が担保されるように、厚生労働省からの指針の策定等を行うべきである。これはそういう指針は今まであるのですか、ないのですか。これからつくるということですか。普通の人がわかるような言葉で砕いていただけますか。
○岩澤看護課長 例えば新人看護職員の研修については、平成22年から努力義務とされているところですが、各医療機関等で研修を実施するためのガイドラインを国として提示をしております。それを参考にしてお進めくださいという趣旨で出しております。こちらも努力義務でございますが、いろいろな医療機関で準備をするときの一助として、指針を参考に研修を進めていただければと思ってお示しできればと考えているものです。
○有賀座長 そうすると、ただしの後の2つの文章のうちの後ろのほうは、厚生労働省によるガイドラインなどを参考にしてくださいと書いていればいいわけですか。つまり指針をつくれというふうにここは読めてしまうのですが、そこら辺がよくわからないのです。
○星委員 これは書き方が悪いのと、最後に指針の話が突然出てくるのでピンと来ないのです。我々は特定行為の指定研修についてはかなり一生懸命議論してきた話ですけれども、技術的な難易度が高くて一定の研修が必要だよねということでも、そうだねということを言ったのですけれども、そこについて突然指針をつくれというふうにこの報告書の中に書かれると、それは議論したかなという気がします。
それから、よくわからないのは医療安全の観点からという後の点と点の間に入っている保健師助産師看護師法の資質の向上に係る努力義務としてという、これが中に入っているとよけいわからなくなって、かつ、必要とされているという、誰にされているのだろうという気がするのです。誰がしたのか。俺たちがしたのではないかという話で、ここの書き方はすごくいろんな人の意見をぶち込んだらこういうふうになりましたという感じがするのです。
ですから、これはもう少しシンプルに書いたほうがいいのではないですか。ただし、医療安全の観点から、ここで言うところの具体的指示に基づいて特定行為を行うにしてもということですね。特定行為の実施に係る研修を受けることが望まれる。つまり、そのほうがいいよねという話ですね。これは必要だというと、厚労省の指針に基づいた研修を実施しないと、この行為はできませんというふうに読むのです。後ろから読むと。でも、そんなことは言っていないわけです。既にやっている人もいるという話ですから、医療安全の観点からすれば一定の研修をすることが望ましい。その一定の研修はどういうことかというと、これは厚労省の指針を出すというよりは、こちらで出している指定研修の内容などを参考に、各施設で頑張ってやってちょうだいねという程度でいいのではないかと思うのです。
そうすると、どういう研修をそれぞれの行為についてやるんだということを一々示すことが本当に現実的なのかという話と、それを参考に云々という話はそれぞれの医療現場のいろんな内容や、その人の持っている能力や経験がそれぞれによって全く違ってくるものを、またそうやって得意の指針で縛ろうというのは余り気持ちよくない気がします。
ですから文脈からすれば、その危険な行為であることはみんなが認知した。それについては指定研修を修了していない看護師であっても、具体的な指示に基づいては実施することができる。ただし、そのとき医療安全の観点からこの指定研修などを参考に一定の取り組みが各施設で行われることが望まれるという文脈にすると、わかりますね。わかるのです。したがって、そのようにしませんか。
○有賀座長 竹股委員、どうぞ。
○竹股委員 私は本当に繰り返し同じことになるのですけれども、医師が患者さんの容態を見て、そして具体的な指示のもとに一般のナースにこれなら君やれるだろうということで、やれば安全にできるだろう。そういうことですね。それはそのまま切り取ればそうだと思います。
ただ、臨床の現場で私たちは継続教育という言葉を使っているのですけれども、現行で多くの病院のナースたちが行っている診療補助行為の教育を今やっているわけですが、そのことも現場では並大抵ならざる努力で行っています。先生のところもやっていらっしゃると思います。そこにプラス私はこの41項目だけだと思っておりませんで、今まで長年話し合ったいわゆる B1、B2 の通常サーベイでは、ほとんど数パーセントの人たちしかこれをやっていませんというものも多々あったはずなのですけれども、つまり通常ナースがやっていない、そういう医行為に対して現場で配慮してくださいと言うレベルでは、私は大変心配です。
それは先生、縛るということを言っているのではなくて、看護職がそれだけのことをやるには、何遍も申し上げていますけれども、基礎的な教育というのはいわゆる先生方がお勉強されるような医学的教育をベースにしているわけではないのです。だからそこのきちんとしたベースのところはやるべきだというところぐらいまで、私は指針として出していただくことが患者様たちの医療安全の保障ができるのではないかと思っています。
○前原委員 星先生おっしゃること、神野先生おっしゃることはよくわかるのですけれども、36回目で最初に戻すつもりはないですが、今の特定行為、グレーゾーンのものが今、竹股委員がおっしゃったとおりやっているところはごく一部である。それで今の一般の看護師さんを少し研修して、やっていただいて力になり、医療もよくなるのではないかという議論もありましたけれども、そうであれば厚労省の通達でいいわけです。厚労省の通達で点滴やってください、何をやってください。それでやろうという御意見もありましたけれども、それではもうとても今の医療はそのグレーゾーンのところは成り立っていかないということで、かなり危険なこともごく少数だけれども、やられている。そこで研修制度が必要でしょう。
このことに関しては星委員も日本医師会の方もおっしゃられているとおり、医療安全が大事だと。こういう医行為をさせるには看護師さんではなくて、医学部を6年間出てやってください。そういう保障がないと国民も許しません。国民の目線で言うとそうなるというところからの流れで、このせめぎ合いなのかもしれませんけれども、医療安全なり国民からの信頼を得るものをつくるには、ある程度の法律というか研修制度というものをつくって研修をしていただきましょうということになったわけですから、私が言いたいのは、各病院に任されて研修をするということでやるのも、それは運用上いいかもしれませんけれども、それは最初からの議論からすると、医療安全、国民の目線で研修制度をやることに関しては非常に慎重になって、このことに関してはそれだけの保障がないと、この医療行為というのはやってはいけないと思っています。
○真田委員 今、星先生がおっしゃった件で、私もこのお話がいつごろから出ているかなということを考えたときに、既に平成25年3月29日のチーム医療推進会議でまとまっている2ページでございますけれども、その2つ○のところに指定研修の受講が義務づけられない特定行為を行う看護師については、医療安全の観点から保助看法上の資質の向上にかかわる努力義務として、特定行為の実施にかかわる研修を受け入れることを追加するということの報告事項に関しましては、私どものワーキングでもお話し合いがあって、かつ、チーム医療推進委員会ではこのような取り決めになっていたのではないでしょうか。
○有賀座長 だからそれをどういう表現をするかという話をしているわけで。
○真田委員 なので既に追加するということがはっきり書かれているということは、ここで望ましいという表現をあえてする必要はないのではないかという意見でございます。
○有賀座長 そういう意味では、研修を受けることが必要であるというほうが、話としては筋が通っているのではないかという議論ですね。今の御意見ですね。
○星委員 別に研修を受けてもいいのです。
○有賀座長 だから、受けることが望ましいということと、受けることが必要であるということに心象風景的な言い方をすると、どちらがよけいたくさん大事なのかと思うという差が生じているということだと思うのです。だから星先生が望ましいといったときに、望ましいからやらなければいけないと思うのと、望ましいというわけだから、望ましくないと思っている人が少しいてもいいのではないかと思う人がいるかもしれないということになるので、そういう意味では真田先生がおっしゃるみたいに、ここに受けることを追加するというふうな文をそのまま書いてもいいわけですね。要は。それを竹股先生やその他の先生方がどう理解するか。
○神野委員 だからその辺は反対していない。それをどこでやるかという話。実習機関とか指定研修機関でやらなくても、同じことを自分のところでやればいいんですよということですね。
○真田委員 まだそれについては話し合われていないです。どこでするとか何をするとか。
○有賀座長 だけれども、指定研修を修了することに関しては山ほど議論していますが、指定研修を受けていない看護師さんについては議論していませんね。ですから、その看護師さんたちに研修を施さなければいけませんよという話があれば、私たち普通の病院の管理者は、少なくとも自分の配下のナーシングスタッフがそれをやろうということであれば、どこかで勉強しに行くよりは、自分たちの中で勉強しなくてはいけないよねと。これは普通の発想ですね。
場合によって星先生のところに行ったほうがたくさん勉強になると思えば、星先生のところへ行って勉強しようぜという話だっていいわけですけれども、それは何も国に言われてする問題ではなくて、医療者が医療をやっていく中で必要だと思うことをきちんとやるという中に含まれますね。だから竹股先生がおっしゃるみたいに、ある程度外圧的な話で病院の中できちんとやれということを適宜盛り込んだほうがいいとお思いになるのは、全くそのとおりでいいのですけれども、それはどう表現するかという話なので、議論していないという意味においては、先ほどの真田先生が指摘された部分を上手に利用するしか方法はないだろう。
○英委員 今の議論のところなのですけれども、上の○の場合は特定行為に関して一般の看護師が行うときの各医療機関における当該研修がなされるべきという文言と、一般の医行為については各医療現場において配慮するようにということで、それぞれ文言は若干違っていて、上は医療機関、下は医療現場という言葉になっていますけれども、実際に例えば秋山委員なんかそうだと思うのですが、訪問看護ステーションは医療機関に位置づけられるのですか。あるいはそういった介護の施設におけるとかいうことを想定したときに、これは医療機関等とか入れたほうが現場に即すのかなという印象を持ったのですけれども、これは細かい話ですが。
○有賀座長 それは行政官としてのセンスからするとどうなってしまうのですか。品川区の区長は品川区全体が病院だという言い方をしています。
○簑原医事課長補佐 法律上の整理を言いますと、訪問看護ステーション自体は医療法上の医療機関にはなってございませんので、御指摘のとおり等というふうに入れておいたほうがいいかもしれませんし、現実問題として訪問看護ステーションの方々が研修を受けるとなると、現場と言っても医療機関とかでいろいろと協力しながらやらないとできないというところもあろうかと思いますので、そこは今後どういう形でやるかというところは、現場の中でいろいろと工夫ができるようにというか、そういう環境をつくっていくための支援というか、そのための取り組みは厚生労働省としてもやっていかなければいけないと思っておりますが、御指摘のとおり等と入れておいたほうがいろいろなやり方がありますので、いいかなと思います。
○川上委員 別の話になるのですけれども、資料5ページ「3.その他」の○の1つ目と2つ目のところに、「包括的指示」という言葉が出てきます。「本制度における包括的指示とは」とあるのですが、1ページ目から4ページ目の中でも包括的指示という言葉も余り使われていないようですし、別添1にありますチーム医療推進会議が3月に出されました「特定行為に係る看護師の研修制度について」の中でも、日本医師会の意見の中には出てきますが、積極的には「包括的指示」という言葉は用いられていないように思うのですが、なぜここで包括的指示という言葉の説明を入れられているのか理解しにくいのですが。
○簑原医事課長補佐 参考資料1に今までこの制度を、3月29日に推進会議でまとめていただく過程において、事務局で作成させていただいた流れのほうで、プロトコールに基づく指示のことを申し上げているのですが、わかりやすくするために包括的指示と具体的指示という形で便宜的に表現をさせていただいておりましたので、あとは世の中のほうでいろいろと包括的指示というところで載りますと、本制度で想定している指示とそうでない包括的指示を混同されて、少し誤解されているところもございましたので、ここの5ページ目に関しましてはあえて包括的指示と書かせていただいているところでございます。
○川上委員 ここで「本制度における包括的指示とは」と言うと、あえて定義づけているような気がいたします。ワーキンググループの資料として、包括的指示という言葉を使わずに、プロトコールに基づいて実施することを前提とした指示のような表現に、全て改めてきているのに、ここで定義づけてしまう結果、またその用語が使われて議論が構築されていくのではとの懸念についてはいかがでしょうか。
○簑原医事課長補佐 そこはそういう御指摘もありますので、もしよろしければそういう形で修正をさせていただければと思います。
○有賀座長 最初の話に戻りますけれども、推進会議に行くのはこれまでの検討状況で今、私たちが議論しているこの紙と、別添1はいいとしても、2~4が行くと言いましたね。この2~4を理解するときには包括的指示という言葉は多分キーワードの1つになるのだと思いますが、2~4の中には包括的指示とおぼしき言葉は出てきますか。もし出てくれば、それは別添2~4を見ながらこの話を聞きますので、川上先生が言われるみたいに、この紙面には突然出てきたよねという話では多分ないのではないかと思うのですけれども、そこら辺はいかがなのですか。
○簑原医事課長補佐 別添4の4ページ目をごらんいただければと思います。上に行為の流れを書いているところがございますが、そこで包括的指示というところで、プロトコールの指示に基づくものを包括的指示という形で表現をさせていただいております。
○有賀座長 その最後のところの、今、川上先生が指摘された包括的指示とはこれこれで、何ページのここにあるこれだよねということが、これを読みながらこちらを見ることができれば、読み手に違うイメージを、要するに表意文字の持つ勝手なイメージになっていってしまうことを避けることができる。こういう話でいいのですね。川上先生、それでよろしいですか。
○川上委員 別添1の最後のページ、4ページ目の別紙2のところに御意見として、包括的指示と具体的指示を明確に区別することは困難であるということをおっしゃっている方もおられるので、そこに配慮した書きぶりであればいいのではないかと思います。また、そういった配慮がないと、包括的指示という言葉自体が受け入れられづらくなり、結果としてこのワーキンググループで議論したことが受け入れられなくなることを恐れて申し上げた次第です。
○星委員 包括的指示というのは、私たちが便宜的に議論するときに使ってきた言葉なのです。私たちはそういう意味では理解したつもりで、具体的指示、包括的指示というのは資料の本文の中に入っていない。そこはあえて「特定行為とは、医師又は歯科医師の指示の下」と書いてあるのです。しかし、実際には特定行為に係るプロトコール何とかかんとか、つまりここは我々が今まで言ってきた包括的指示のことを指しているのです。ここに包括的指示と書いていない理由は種々あるわけです。かつ、下に出てきて、この資料の中に出てくる。ですから資料の中から包括的指示、具体的指示というものを例えば除いても、その枠組み、そこに書いてある言葉、つまりここに全文書いてあるのです。特定行為に係るプロトコールがあって、それに基づいて実施する、判断が含まれる内容だという指示だと書いてあるので、頭書きの○に入っている包括的指示というのはむしろないほうが、全体の統一性としては統一される。そうでないと、ここに一番最初のこの紙の1(1)の○の最初のところに、特定行為とは、こういうことで、この指示を包括的指示と言うんだということを書かないといけなくなってしまうのです。だからむしろ包括的指示、具体的な指示ということを避けても、要はつまりそういう定義をしなくても、この中にそういうことが書かれているので、そして、この別添4の中もこの○がなくたって、別に医師が患者を特定した上で看護師にプロトコールに基づき特定行為を実施するよう指示することと書いてあるわけですから、それでいいのではないかと思うのです。ここであえて我々がこの制度における包括的指示だということをあえて言う必要はないのではないか。そういう指摘だと私は思っているのです。川上先生の意見は。ですね。
なので、ここであえてそのことを言う必要がどうしてもあるのだとすれば、議論すればいいと思うのですけれども、その必要が私はないように思います。つまり、この議論は我々がここの議論をするときに使ってきた非常に便宜的な定義を使ってきたので、それをもとの具体的な内容に戻して名称、冠は外すというほうが自然なような気がしますが、川上先生、そういう意味ですね。
○川上委員 おっしゃっていただいたとおりです。
○神野委員 単に国語の問題だけれども、3(1)の「本制度における包括的指示とは」の後に点がいっぱいあって、ずっと点々でいって、だから包括的指示とはプロトコールに基づき、個々の看護師に対して出されたものであるですよね。真ん中全部形容詞を除いたら。それならば包括的指示をどこかで世間様にお知らせする必要があるならば、逆にこちらがいわゆる包括的指示かもしれないし、包括的指示とはプロトコールに基づき個々の看護師に出されたものであることというのを前に出せば、それでいいのかなという国語の話かなと思います。
○竹股委員 私はこの制度というのはもともと、何遍も言いますけれども、本当にわかりづらいのです。現場的な解釈が。例えば特定行為に係るという言葉は入っていますけれども、プロトコールという言葉も現場で普通の医療の中で普通にプロトコールに基づいてお仕事を現在、チーム医療のメンバーはしております。包括的指示も非常に紛らわしかった。そういう意味で包括的指示というのもある。
両方とも紛らわしいのですけれども、ただ、今までの話し合いの中でいわゆる特定研修を受けたナースと受けないナースのお仕事の仕方の違いが、プロトコールに基づけばいいし、基づかない場合は具体的指示ですというのは、とても紛らわしいというか、わかりづらいのです。
ですからこれも私の感覚なのですけれども、やはり研修したナースはプロトコールに基づいて包括的指示でやる。それ以外は絶対具体指示よという感じの理解と、プロトコールに基づいてうんたらかんたらというと、普通プロトコールで仕事をしているケースが多いので、何かかえってその辺は私は言葉づかいとしては、そういう言葉をあるレベルで定着させたほうがすっきりするのではないかと今、聞いていてそう思ったのですが、どうでしょうか。
○有賀座長 私自身は今、竹股委員が言われたことをそのまま言おうと思った。つまり、この制度そのものを理解することと、包括的指示について理解することは裏表というか、表表というか、ここに言う包括的指示が理解できる人は、この仕組みそのものを理解することができる。
もっと言いますと、包括的指示というのは多くの方にとって余りなじみがないと言っていますけれども、救急医療の現場においては、特に病院前救護に関して救急救命士にどんな仕事をしてもらうかという観点で言えば、何年も前から使っている。私からすると包括的指示という言葉で言われているものは、ここでの議論を踏まえた包括的指示と救急救命士の諸君が言っている包括的指示とはほとんど同じである。例えばカルディオバーターを使って除細動した後、どうなったかについて指示をした医師に報告する。それが筋だろうということで議論した憶えがあります。ただし、実はやりっ放しだったのです。向こうのルールが。後からわかったのですが、やりっ放しでいいと言ったドクターがいたらしくてそうなったのですけれども、やりっ放しでいいというわけにはならないので、その後きちんと報告するという話でないと包括的指示にならないだろうという議論もしたことがある。私は包括的指示という言葉はこの中に入れておかないと、恐らく何のことやらわからないという話が迷走するのではないかと思います。せっかく議論してきましたので、これは何らかの形で残しておかないと歴史的にも私はかえっておかしくなると思います。
○星委員 だとすると、つまり私は別に包括的指示という言葉を使うのはけしからんと言っているつもりはなくて、全体の文章、つくりとして包括的指示をここできちんとするのであれば、そのことがわかるような全体のつくりにするべきで、最初に出てくる特定行為の範囲について、特定行為とは医師または歯科医師の指示のもと、ここの指示のもとは、これは具体的な指示ではなくて、ここで言う指示は包括的指示のことを指しているのでしょう。だとすればここも包括的指示と書くのではないか。だから全体のつくりとして統一性がないので、これを渡された人がここの最初に書いてある指示というのと、後ろで書いてある具体的指示と包括的指示、どういう関係にあるのかということがもう少しわかるように、全体をきちんとまとめてくれれば、別に包括的指示の話をここで定義して、まさに我々がそれを便宜的にずっと使ってきて、これはそういう意味で言うと今から揺らぐものでも何でもないと思うから、別にそれ自体を否定しているのではなくて、この紙面としてかっこよくないよねという話をしているのです。だから、ここで言う指示という言葉と上につく言葉の使い分けをみっちりやってもらうと、みんなの理解が進むので、そこはどうですか。例えば最初の特定行為とはのところの指示というのは、このままで全体として文脈が整うのですかという話です。
○有賀座長 もうここまで来ると基本的には国語の問題なのです。恐らくこれらをおまとめになっているのは看護課の看護師さんたちの可能性が高い。私たち医者もそうですけれども、医師の書く文章ほど汚らしい文章はないとよく言われて、しっかり書き直せとしばしば言われます。
そういう意味では特定行為についてというのと、指定研修の基準に係ることについてというのと、その他というふうになっているので、真正面から相撲をとると星先生が言われるような、私的に言わせれば国語の力のない文章がそのまま並んでしまったということになるので、できれば全体のバランスを上手に課長補佐さんに整えていただいて、要するに国民が見てわかりやすい形に直すことが必要なのではないかということでいいのではないですか。
○川上委員 1点だけ追加で、別添1の2ページ目の別添というところの特定行為に係る看護師の研修制度(案)の○の1つ目のところに、「医師または歯科医師の指示の下」という書きぶりになっているので、親会が3月に資料をまとめたときに「包括的指示」という言葉を避けた形でまとめられているわけですね。だから、こことの整合性をとる必要性があるかと思われます。
○有賀座長 多分これは3月の時点の親会のお話ですから、私たちは看護業務に関して真摯に議論してきたので、私たちはこう考えますという話をぶつけて、それで向こうでけしからんという話になれば撤回するとなってもいいと思うのですが。私の気持ちとしてはそれでいいのではないかという気がするのです。
○星委員 川上先生の意見もよくわかりますし、そういう意味ではまだ具体的指示、包括的指示に市民権がないですね。だから市民権を与える第一歩として我々がそれを踏み出すかどうかという議論だと思います。
○有賀座長 別に小さく生んで大きく育てるみたいな話はしなくていいと思うので、いずれ市民権を得れば大きい話だということであぶり出しのように市民権を出す。小さく生んでとか言うと危ない話がいっぱいありますから、どうぞ。
○井上委員 一言つけ加えさせていただきたいのですが、具体的指示と包括的指示は、包括的指示は自然発生的、必要に迫られて出てきたものです。そこには看護師が裁量権を獲得しつつ、いろいろやってきたという流れがあります。しかし、看護の中では具体的指示ということはこれまで使われたことがなかったのです。今回の議論において包括的指示に対比するような形で、具体的指示という用語が登場しましたが、この期に及んで具体的指示をもらうというのは、それは特定行為だからという前提ありきであってほしいのです。つまり看護実践全般での具体的指示というものを一般化してほしくないのです。
そういう意味では例えば3ページ(2)の1つ目の○に、些細なことではあるのですが、指定研修が修了していない看護師であっても特定行為を行う場合は、医師または歯科医師の具体的指示に基づいてと書いていただかないと、医師または歯科医師の具体的指示に基づいてと言うと具体的指示ありきということになるのです。そうではなくて初めて今回の論議で具体的指示が出てきた。看護師の成長、発展していくプロセスを考えると、当たり前のように具体的指示というのは使ってほしくないというのは一言申し上げます。
○有賀座長 だからこの3ページの上の2ページの大きなくくりの中では、特定行為についてとなっているわけです。だから部分的に見てスパークすることがあるので、その都度、冠をつけろという話はほかのところにもありましたけれども、そこのところは、そのポイントしか読まない人が場合によっていることがあり得るので、つけてあげればそれでいいのではないかという話になりましょうね。読み方の作法という話に場合によってはなりますけれども、読み手が作法どおり読むかどうかは別ですので、作法の悪い読み手がいたとしてもわかるようにする。これも1つの大事な方法だと思います。
もう一回戻りますが、先ほどの3ページの星先生の最初の指摘の部分。最初の○の、ただし、医療安全の観点から、特定行為の実施に係る研修を受けることが追加されているという話ですね。そういう形に上手に直していただくという話と、その次の文章。各医療機関において実施される当該研修について、例えば昭和大学病院においてこういう研修を特定行為なので、具体的な指示という形でもしやっていただこうねという話のときには、研修の一定の質が担保されるように大学病院の病院長は策定されるべき指針があって、それに従えという話に読めますので、そんなことはどこでも議論していないので、質が担保されるように、それこそもしそういうガイドラインがあるなら、これらのガイドラインを参考にしながら頑張れと書いていただくのがいいのではないですか。看護課長さん、よろしく発言ください。
○岩澤看護課長 ここは厚生労働省に指針の策定をするようにというワーキングからの御意見という形で書かせていただいております。
○有賀座長 急に言われても困りますね。
○竹股委員 要するに安全の問題というのは、当たり前ですけれども、絶対これは欠かせないことなので、どういう環境に合わせるかといったときに、日本津々浦々の病院の中で、もちろん昭和大学病院もそうですし、星先生の病院もそうですし、そういう教育力、そういう教育環境があるところであれば、そんなこと言われなくたってというのは私はよくわかります。ただ、そういう教育力が必ずしも日本の病院津々浦々にあると私は認識しておりません。そうしたときに、どこに合わせるかといったときには、やはり一番教育力がしたくても十分し切れないような施設があるとするならば、そういうところに合わせた形での安全の担保というのは必要なのではないかと思います。
○有賀座長 だから、そういう意味での安全の担保は、それぞれの施設が責任を持つというのが筋ではないかというふうに私は思って言っているのです。
○前原委員 竹股委員と同じようなお答えですけれども、特定行為というものを決めたところで、技術的にも知識的にも判断的にも難しい特定行為と41ありますが、心臓関係で言えば心臓ドレーンとか胸腔ドレーンを抜いたりというような行為をやってもらうためには、やはりそれは研修制度が必要でしょうということで、その研修制度をして、そういう看護師さんにやってもらうのがいいでしょう。ところが、やっていない現場では、今やっているところでやれなくなったら大混乱するのではないかというところの議論から、その研修制度を受けていない一般の看護師さんもできるようにしましょうということで行えるように、そこから多分、具体的指示というのが出てきたのだと思うのです。包括的指示であれば特定看護師さんとなるのでしょうけれども、特定の看護師さんができ、そうでない一般の看護師さんは具体的指示をやりましょうという縛りをつけたのだと思うのです。
それは何かというと医療の質の担保です。それは国民からも見られている国民の目線で見る医療の担保。これは皆さんもそうだと思いますから、(2)の上の○と下の○とでは違うことがないと、ここに書いてありますように(2)の下のほうの○に各医療現場において配慮するよう厚生労働省による周知が必要であるというようなことであれば通達でいい。そういうものでない特定行為をやってもらうに当たっては、こういう研修制度が必要な特定看護師さんにやってもらう。そうでない人には縛りをつけるということで、やはりそれを議論したと思います。議論してこのことに関してはお国としての国民が納得するようなガイドラインなり、そういうものをやはり出していただいてやろうということです。ですから、何もどこでも一生懸命やろうとしているところを抑えるわけではなくて、質の担保には必要だろう。津々浦々どこの病院でもできるような制度をここでつくったということでは私はないと思います。
○星委員 最後まで私は先生とわかり合えなかったような気がして残念なのですけれども、私は危ない行為を何の研修も受けずにやっていいんだということをここに書けと言うつもりは全くないです。私もそんなことは言っていないです。ただ、箸の上げ下ろしまで一々厚労省に言われてたまるかという思いがあるわけです。自分たちでやっている努力と、どんな議論でこれから通知がまとまるか、この内容を示された指針が策定されるかわかりませんけれども、少なくともここの我々の議論の中で指針という言葉は1回も出てきていないです。この手の話として。
つまり、特定行為を行わせるための指定研修については議論しました。しかし、危ない行為がやられている、しかし、それは現にやられているものをできるようにしなければいけないという話は、ここで便宜的に使いますが、本当に包括的な指示のもとに行わせようとすれば、やはりこの研修を受けてもらわなければいけないんだと思うのです。それはそれでいいのです。そのとおりです。ただし、具体的な指示でこの41行為、これからふえていくかもしれませんけれども、その行為にかかわることをしている人が改めて研修を受ける。それはなかなか大変だね。でも、それでも私は研修をもう一回受けるべきだとも思っています。
したがって、これを厚労省が指針として出すかどうかというところに文脈としては尽きているわけです。我々の議論の文脈は。つまり厚労省が指針を出すということはどういう意味かということです。我々が今までいろんなことでやってきた研修の中身について、今度は厚労省が口を出すことになるのです。そして我々が例えば何かそういうことをしているときに、彼らは指針に基づいた研修内容かどうかということを見に来ることも可能になるわけです。いちゃもんをつけられるのです。あるいは診療報酬に載るかもしれません。わかりませんというのが1つと、この指針が出るまで、そうなると我々は具体的な研修ができないということになるのです。あれから言えば。だって指針の策定があって、それに基づいてやれというのであれば。
ただ、あくまでガイドラインなんだ。それは国が示すとか何とかということではなくて、どういうものなのかというのを明示しないでいきなり指針というものが出てきているから、我々からすれば一体何のこっちゃと。議論していないよと。厚労省がと書いてあるのですから、どういう中身のものをどんな時期に、どんなふうにするのかという議論や、その中身のことを全く議論しないでここにいきなり厚労省による指針の策定といって、これを親会議に上げて我々の議論の結果ですというふうな出し方は、少なくとも我々は議論していないのだから、私としてはそれは「うん」とは言い難いと言っているのです。研修をすること、質を担保すること、一定の水準に保つこと、それは大賛成です。しかし、これは厚労省の指針によるべきなのかどうなのかという議論はしていないのだから、ここにいきなり書かれたってこういう議論になるのは当然です。
○前原委員 言っていることは同じなのかもしれませんけれども、確かに指針ということに関して、お上や何かをコントロールしようというふうな、そういうふうに見えるという先入観はなくしていただいて、医療安全のことに関して、医療のことに関して、お上がかかわるからそれはけしからんというのは、それはそれ以前の話でありまして、お上ではなくてこれは国民が受ける、患者さんが受ける医療の質を担保しなければいけないというのは誰もが考えることでしょう。
例は悪いかもしれませんけれども、専門医のことに関しても各学会はいろんな学会があります。たくさんある学会でみんなが専門医だ、専門医だと言っているところは、それは国民目線からすると、その専門医とは何なんだというときに、それも質の担保をするために国とお上が出てくるのはいけないかもしれないけれども、何かの物がないと、それはやはり押し並べて基準というか、そういうものがないと信用ならない。そこで第三者機関なり、それは任命するのでしょうけれども、そういうことだと思います。
ですからこれは厚労省の指針でなくても、そのハードルというものを津々浦々どこの病院でもできる研修で、研修を受けていない一般の看護師さんもできるような行為というものは、私は特定行為ではないと私は思います。
そして、それができないとした場合でも医療界には混乱は起きないと思っていますけれども、そのためのハードルとしてこのような書き方になったのだろう。前半の○と下の○との違いはそういうことだと私は理解しています。
○竹股委員 認識の問題だなと思いながら伺いました。
私は厚労省は当然、国民の医療安全に関する責任を持つ場所だと思っています。今回の医行為は実際に最終的に実践するのは看護職です。それも指示のもとで実践するわけです。ですから言ってしまうと、看護師にはそういう意味での裁量権はないわけです。そうしたときに私はやはり厚労省が安全の担保を行い、そこを基盤にして我々は看護職としてこの行為を引き受けて、責任を持って行いたいと思っておりますので、その厚労省が口出しするとかいうところの意味合いが私には理解し難いのです。
○神野委員 先ほどから星委員がおっしゃるような、例えば皆さん厚生局の監査を受けたことはありますでしょうか。看護担当審査官が大抵どこかの社会保険病院の元看護部長さんですけれども、来て、微に入り細に入りカルテをひっくり返して一人一人の看護師を面接して、厚労省はこんなことを言っているのに書いていないじゃないかと言って丸一日絞られるのです。ここで微に入り細に入りの指針をお出しになると、それに従って厚生局の看護担当審査官が末梢へ来て大変いろんなことをおっしゃる。これはなかなか我々としては、そういう意味があって星委員はおっしゃると思うのです。
なのでここでの指針の中身がわからないで議論しているので、いわゆる微に入り細に入りの指針なのか、それとも特定行為の研修制度の実施を見ながら、参考にしながらの研修をやりなさいとか、そういう指針なのかというところがないままで議論していても、なかなかこれは難しいかなと思うので、その辺のニュアンスとして手とり足とりなのか、それともこういうことを参考にしましょうとか、医療安全考慮した研修をすることという指針なのかという、その辺の指針のあり方とか、それをおっしゃるように議論していないから、今、私の意見としては微に入り細に入りではないような出し方というのはありなのかなと思います。
○有賀座長 それで先ほど私は看護課長さんに、そういうふうなガイドラインみたいなものがあれば、それに従ってというふうに言ったのはそういうことなのです。厚生省のお役人たちに箸の上げ下げまでわかるわけがないのですから。
○岩澤看護課長 微に入り細に入りは想定していません。
○星委員 想定していませんでもいいのですけれども、ここに私たちの建議として指針の策定という具体的な行為をお任せにします。あなたの言葉を信用してと言われても、私はお任せしませんと言っている意味です。したがって、その取り組みが期待されるというのはいいですよ。学会や各病院や一定の基準、一定の質が担保されるような取り組みが必要だ、期待されるんだというのはいいですが、指針の策定というのはその行為を受けて厚労省はこんなことがなくたって勝手に指針が策定するのでしょうから、勝手に指針が策定できるわけですけれども、我々がそこに水を向ける必要は全くなくて、一定の質が担保されるような取り組みが必要だということでいいのではないですか。
それを厚労省がやるのか、学会がやるのか、それぞれの病院同士がやるのか、みんながお互いに経験するのかというのはさまざまなことなのです。それが全部厚労省の取り組みというものに委ねてしまうように見えるのは、全く私からすれば反対だと。現場の取り組みがあっての、そして、その積み上げの結果としての一定の指針なり一定の水準を担保するためのメルクマールというのは出てくるかもしれないけれども、それをいきなり頭からどかんとやるのは、私はやり方としてそもそも気に入らないし、そういうことであるべきでないと思っているのです。わかりますか。したがって、ここに具体的な厚労省が指針を示すというようなことをここに書き込むことに関して言えば、議論もしていないし、指針の内容もわからないという中で、具体的ではありませんというあなたの言葉を信じて、そうですかと言うわけには私としてはいかないので、指針の策定という具体的な行為を落としてもらえれば、あるいは厚労省によるということも落としていただいて、一定の水準を保つような取り組みが必要だというところでどうでしょう。
○有賀座長 実はそうとしか理解できないのです。前原先生が何と言おうと。だってそれが医療者だということを前提にしていますから。
○前原委員 それはわかります。だから変なところに議論が行っている。
○有賀座長 だから明治維新の後だったらいいですよ。でも民主日本になって長いのです。
○前原委員 それはお上だ、厚労省だ、指針ということに関して少しアレルギーがあるのではないかと思いますけれども、要は簡単なことは特定行為のこれを。
○有賀座長 先生、アレルギーではなくて、国家観の問題です。
○前原委員 わかりました。特定行為のこれの質なり安全を担保しましょうということです。それの書きぶりを直すべきだ。私は何も厚労省による指針の策定をお願いします。というのは私は言っていませんし、ここでも議論したことはないし、指針はどうなるかということもやったことがない。それもまさしく星先生と同じ意見で、ですからそれを努力義務で終わるものの特定行為というのはそうではない。一般看護師さんと特定看護師さんとの境は学会なり各病院なり各診療所なりで担保するものではなくて、ある程度標準のものはやはりどこかで、では今どこですかと言った場合、このワーキングかもしれませんけれども、国で担保してもらいたいという意味です。ですからその各医療現場で頑張っているのはわかりますけれども、最初の○は一般の看護師さんはです。それが主語です。その人に対してはどうするかということが書いてあるだけなのです。そこに対して何も、私に言わせるといちゃもんだと思います。この議論の中からすると、そんなふうに思います。
○星委員 これは作文ではないのです。
○真田委員 確かに厚労省の指針の策定というのは、今回の明文化で出てきたのは確かかもしれないですけれども、やはり看護側から考えて、私たちとしては質を一定に担保するためには、特定行為という今まで医師がしてきた医行為をする限りは、それも研修なくしてする限りは、ある一定の国からのこういうふうな方向性でやってほしいというような、やるというような指針。その内容はどうあれ、具体的なことを書くか書かないかは別にしても、あってほしいとは思います。
○星委員 私は全くそう思いません。したがって、これをこのまま出すのであれば、私は席を立ちます。私は反対です。議論していない。それに、議論するなら時間が足りない。本当にこの指針を書かせるのだったらどんな指針にするのか。
つまり研修の内容についてはいろいろ議論をしてきました。これについてもそれなりにまだ決まっていない部分はあるけれども、それなりの議論をして、そういうものを制度として考えることはやってきたつもりですが、それ以外の看護師さんはどのぐらいやるかはわかりませんし、実際にどのぐらいの分量で、どのぐらいのことをやるのか全くわからないですけれども、ただ、現実にやられている人たちに改めて指針に基づく研修をしなければいけないということを意識させる。つまりそういうメッセージを伝えるとすれば、多分それは間違いなのです。
したがって、一定の水準を確保するための研修なしにやることは危ない行為ですよということは言っているのだから、一定の研修の内容については看護協会が示してもいいですし、それぞれの学会が示したっていいし、それぞれの病院が示してもいいのですけれども、そういうものについての取り組みが期待されるということについて言えば、私は全く間違いなくて、国としてはこういうことを支援します。その一環として指針を出すかどうかわかりませんけれども、私は出すべきではないと思っているが、それを支援するようなことをしてもらうことが大いにあっていいと思います。つまり、そういう研究事業にお金を出すとか、そういうことを厚生省が取り組む。それはどうぞやってください。ただし、指針を出すということでみんながお上に任せてそれで安心ねというようなことではないことを我々は言いたいのです。
これは我々の問題です。厚生労働省に決めてもらう問題ではないのです。そもそも。しかし、一定のことについて、つまり指定研修についてはそれなりのことが必要です。つまり一歩踏み込むからだ。しかし、ここは一歩踏み込んだ話ではないのです。そういう線引きをちゃんとしておかないと、何でもかんでも厚生省の指針に基づいた研修が必要だみたいなことにされてはたまらないと思います。
○有賀座長 先ほど私が国家観と言ったのはそういうふうなことなので、そういう意味で星先生と私とは多分、席をどう立つか、先生はぱっと立てばいいのでしょうけれども、私はどうやって立つかよくわかりませんけれども、やはりこれは医療者が医療者であり続けるための基本的な話なので、明治の初めだったら私は政府に言われても仕方がないと思います。そういう文脈です。結局、教育をしたり受けたり、そういうふうなことからすると、ここはどういうふうに読むべきなのですか。つまり教育という仕組みをつくるのは国家の大事な仕事だと私は思いますけれども、それから、どういう教育をしなければいけないかという、これは教育勅語に従ってやるのかどうかということも含めて、国家としての方向性がありますので、それはそれでいいのですけれども、こういう研修の一定の質が担保されるようにというふうなことになると、これは現在においてはさすがに文部省がそこまでは言ってはきていないと思うのですが、大滝先生、いかがですか。
○大滝委員 確かに、課長もおっしゃいましたように、実際に細かくつくるというのは技術的に無理といいますか、内容がどんどん新しくなりますし難しいと思います。ここでは、指針という形で出されたものがどういう影響をあたえるかという議論だと思います。私は先ほどから、この件について今まで議論しなかったかどうかを思い返したり、前の記録を見たりしていました。私が以前に話題にしたのは、研修を施設で受ける人だけではなくて、そのほかの人たちが具体的指示でいわゆる特定行為を行う場合も、各現場で、それから、研修を受けた人でも、実際にその現場でやるとなったときにはその直前にやはり各現場で、もう一度確認のための研修とチェックを受ける必要があるだろうということは、頻繁に話題にしましたし、それについてほかの先生からも同様の御意見をいただいていたと思います。ですから、その点については、厚生労働省もそれを推奨するということは出していただいたほうが良いと思います。この41行為全てについて網羅的にどういった指針が出るのかについては、議論はしていないと思います。
○英委員 上の場合は指針という話になっています。下の一般の医行為に関しては厚生労働省による周知という言葉になっていて、いずれにしても厚生労働省による関与というものが出されていて、あるいは私も現場がチーム医療を推進するという立場で考えると、もう既にうまく回っているところで新たに一定の指針に規定されなければいけないというのは、やや窮屈のような気がしてなりません。
それに対して一方で全く各現場がばらばらで、研修の質が担保できないという危険性を考えるのであれば、この下の文言である周知というような、例えば文言を統一させていくことは可能ではないかと、文言的にいけるのかどうかわからないですけれども、そんなふうに感じて、あえてここは2つを分けて、こちらは指針でやって、こちらは周知であるというふうに変えた理由は何なのかなと思った次第です。
○簑原医事課長補佐 各委員の方々、御意見をお聞きしていると、質が担保されるようというところまでは恐らく皆さん合意をいただいているかと思います。その後、クレジットなども含めて誰がやるかというところは、それぞれ医療機関なり医療団体なり各医療関係者の方々、例えば専門医であればオートノミーの中でやるということをやっておりますけれども、そういう形で国が絶対に厚生労働大臣名として指針をつくるかどうかは置いておいて、研修の質が一定程度オールジャパンの中で担保されるような取り組みが行われればいいということではないかと思いますので、文末としては研修の一定の質が担保されるような環境整備のための取り組みが行われるべきであるという形があれば、それが例えば医療関係団体の方々でそういう指針をつくるという結論になるかもしれませんし、そこはいろいろやり方があるかと思いますので、そういった形でどうでしょうかということでございます。
○有賀座長 だからそういう仕組みをつくる指標があって、そこにどういうふうに厚生労働省がコミットするかという話はいろんな読み方があるかもしれませんけれども、少なくとも上意下達みたいなものがおりてきて、その文章に従ってというふうな話ではなくなるので、そういうふうなことならそれでいいのではないかと私は思います。要は星先生もそうでしょう。
○星委員 はい。
○有賀座長 3ページ(2)の下の○ですけれども、各医療現場において配慮するよう厚生労働省による周知と言うのですが、これは配慮してねということを厚生労働省が何かお手紙を出すことを意味しているのですか。その言葉が一般国民からすると難しいので、ちょっと教えてください。
○簑原医事課長補佐 静脈注射を診療の補助の範囲内に入れるという話を通達で出させていただいたときに、各医療機関でちゃんと研修してくださいということを通知でお示しをしておりますので、その内容は特に示しておりませんけれども、そういう取り組みをちゃんとやった上でやっていただきたいということを同じように示すということでございます。
○星委員 余り効力がないお手紙ですけれども、局長の通知が来るのですね。
○簑原医事課長補佐 そういうイメージであります。
○有賀座長 でも、その通知によって静脈注射ができるようになったのでしょう。だから効果はあるのでしょう。
○星委員 あります。ですから、これは次の文章はこれでいいと思うのです。つまり配慮するように各医療機関に厚生労働省がお願いしますと。つまり、そういう配慮をすればできますよというふうに見えるわけです。これはまさにそれぞれの医療機関で配慮してねという話ですから、なるほどという話で、上の話とは全く違うので。上の話はそれなりの危険性のあるものについて特定行為として特出ししたので、これについては一定の研修が必要だよねと。ここまでは我々も具体的な行為でやるにしてもという話はしているのです。
だから、今おっしゃったように環境整備とかいうような言葉で、それぞれのみんなの取り組みを期待しますというのであれば、みんなの取り組みをしてくださいということを我々から申し上げて、その一環として厚労省がどんな取り組みをするのかというのは厚労省側の考え方だろうと私は思います。ですから、そういうふうにしていただければ、早く帰れそうなので、席も立たずにおります。
○有賀座長 また細かなことなのですけれども、上の○は2行目に「ただし、医療安全の観点から」と書いてありますね。下のほうは「医療安全の配慮の観点から」というのは、医療安全に対して配慮するということが必要なのでということなのでしょうが、配慮という字がまたその下にも「配慮するように」という動詞で出てくるのですが、これは上と合わせれば「医療安全の観点から配慮するように」でもいいのではないかという気がするのですけれども。
○星委員 誤植だと思います。「医療安全への配慮」としないと日本語としては合わないですからね。でも、医療安全の観点と書いてあるから医療安全の観点でしょうね。
○有賀座長 どうぞ。
○竹股委員 確認なのですけれども、今、星先生がおっしゃられたニュアンス、下の○ですが、研修等を実施するなど。つまりこういう医行為、今後それを広げていかせるときに、研修等を実施することを配慮するよう周知するという意味でよろしいと私は思っておりますけれども、ちょっとニュアンスが今、違っていたので確認です。
ニュアンスは、厚労省が周知するのは、その行為をともかく頑張ってやってくださいというような周知であればというふうにうがっておりますが、聞こえてしまいましたので、私はそういうことをするときにはきちんとした研修を行った上で、それを行わせるというか、広げていくというようなことの周知というふうに、そこに強調があると認識しておりますが、いかがでしょうか。
○有賀座長 この文章はそういうことでしょう。
○簑原医事課長補佐 静脈注射のときにどういう内容をお示ししたかということをお読みさせていただきますと、静脈注射は診療の補助に入るということをお示しした上で、ただし、薬剤の血管注入により体への影響が大きいことには変わりはないということで、医師または歯科医師の指示に基づいて、看護師等が静脈注射を安全に実施できるように医療機関及び看護師等各養成校に対して、次のような対応について周知方お願いしたいということで都道府県あてに出したものでございますが、医療機関においては看護師等を対象にした研修を実施するとともに、静脈注射の実施等に対して施設内基準や看護手順書の作成、見直しを行い、また、個々の看護師等の能力を踏まえた適切な業務分担を行うことということをお示ししておりますので、そういったことをお示しするということでございます。
○星委員 実はこの下のほうが影響が大きいのです。上のことよりも。あるいはもともとのこの制度よりも。つまり、この過程で示された、これは看護師さんがしてもいいよねというふうに分類されて、かつ、41行為に入らなかった行為がどこまで羅列して、どこまで出すかはわかりませんけれども、それを厚労省が出して、これは看護師が診療の補助として行われる業務ですよということを静脈注射1個であれほど大騒ぎしたのに、今度は100行為か何かわかりませんが、そういうものが出ていって、これはやれますよ。ただし、やるならそれなりの覚悟と努力をしてくださいねという形で出ていくのです。ですから、それを実際にやれますという話と、やりますという話は別で、これを診療の補助の範囲に入っていますということと、その病院でその患者さんにその看護師さんでさせるかというのは、全く別の次元の問題なのですが、それを盾に、つまりこれは我々の診療の補助の行為ではありませんからしませんということは言えなくなるというのは、そういう側面もあって、非常にこれは社会的な影響が大きいと思います。
ですから、最終的にここでの行為名をこれからお出しになるのだとすれば、相当程度考えてやらなければいけないと思います。ですから、そこについてはそういうことを周知することも必要だねという議論はしてきましたので、つまり、どきどきしながらやっているのではなくて、これは診療の補助の範囲に含まれるよねという話は一定程度しましたが、そちら側の、つまりローエンドのほうは切り取っていないというか、一番こちら側のことだけをやってきて、ずっとやってきているので、残りの部分について言うと余り丁寧な議論をしていませんから、そういう意味ではこの指針ではなくて、通知を出す際の行為の示し方には特段な配慮が私は必要だと思いますから、それは言っておきます。しかし、本当に影響が大きいということも一方で事実だと思います。
○有賀座長 まあ、それは星先生に言われるとそうかなと思う次第ですが、それはだけれども、この程度には議論はされているという理解ですね。きょう御発言になっておられない方、秋山先生。
○秋山委員 最終確認ですが、先ほどから包括的指示の定義のところで出ましたけれども、定義のところに、特定行為とは医師または歯科医師の包括的指示のもとって、この包括的という言葉を挿入するということですか。それが2ページ目と4ページ目、同じように指定研修の基本的な考え方も、指定研修を修了した看護師は医師または歯科医師の包括的指示のもとの包括的というのも、それぞれの文面にきちんと入れ込んでいくことの理解でよろしいですか。それだけ確認。
○簑原医事課長補佐 少し冒頭のほうというか、1ページ目なりに包括的指示の定義がちゃんとわかるような形で記載をさせていただこうと思いますので、そこは検討させていただきたいと思います。
○有賀座長 あと、小松委員、いかがですか。
○小松委員 特にありませんというのが正直なところですけれども、わかりにくい文章が幾つかあるなということはあって、推敲する必要はあるかなと思っております。例えば4ページ目の2の上から2つ目の○ですが、文章がなかなか切れずに、指定研修とすることから、その区分としてこうこうという形になっておりまして、非常にわかりにくいなということがありますので、どこかで切っていただき、わかりやすい文章にお願いしたいと思っています。
○有賀座長 大元のメッセージを最初に書いて、その後に、その心はだからというふうな書きぶりのほうがいいのではないかという提案だと思います。
○星委員 いろんな人の手が入ってぐちゃぐちゃになってしまっているのです。
○有賀座長 いや、大丈夫ですよ。課長補佐はそういうふうなことをきちんとやっていただけることになっていますから。
ほかにここで前原先生、何か最後にありませんか。
○前原委員 これで最後ですね。これでまとまったという認識でよろしいでしょうか。
○有賀座長 検討状況を上に報告するという観点においては、まとまった。この仕組みそのものが私たちの国の仕組みとしてきちんと定着していくということのためには、まだ単位がどうだという話が。先ほどちらっと聞きましたら、ガイドラインなどを作成していくというか、基本的なスキームが決まった暁にまた議論を重ねていく。そういう話ですね。ちょっと説明してください。
○岩澤看護課長 別添1に研修制度(案)が掲載されているわけですけれども、2ページ目のところに書いてございますが、法改正がされましたら、その後に審議会を設けて、そこで特定行為、また、指定基準、そして指定基準に適合しているかどうかの指定ということは議論していただこうと思っております。したがって、今、座長がおっしゃいました教育内容とその単位についても、その場で決めていただこうと思っております。
○有賀座長 ということで何か。
○真田委員 確認させてください。前回の指定研修について、別添4なのですけれども、別添4の9ページのところで、点線で囲んであるところでございますが、これは先回の会議のときに主な論点がここであるということで、それでやはり外部の評価者が入ったほうが望ましいのではないかと書いてあるのですけれども、これは既にその論議がされた後だと思いますので、この点線をなくしていただいて、望ましいということにしていただいたほうがよろしいのではないかと思っておる次第です。
○星委員 これは最終的に結論していないでしょう。ディスカッションはしましたけれども、1名以上とか云々の話についてはしていないですね。
○真田委員 人数は全くしていないです。外部評価者を置くということに関しては皆さん同意されていたと思いますので、この点線は外していただいて、そういう文章の表現にしていただいたほうが、このワーキングから出す評価の方向としてよろしいのではないかと思います。
○有賀座長 いかがですか。大滝先生もそれでいいですよね。実は国語的には「~が望ましいのではないか」というのは「~だ」ということを言っているようなものなのです。
○大滝委員 外部評価者については私もかなり詳しく御紹介して、特に異論は出なかったと認識していますが、ただ、その認定を全国一律にできるのかということについては、いろいろ難しい点があるので、現場に合った形で制度を考えていくことが重要ではないかというところまでは議論したと認識しております。
○星委員 1点目は「ないか」ではなくて「である」でいいかもしれないけれども、2点目について言うとやはり厳しいねという話をしていました。だからそう書くのだとしたら論点の中に「~が望ましい」でいいのかもしれません。それは望ましいのだから。しかし、その後の客観的な評価を受けた云々の話には、まだまだこれから先の話だし、そもそもこの客観的何とかというのはどうなのかということさえみんな認識していないので、後段は少なくとも「望ましいのではないか」で。
○真田委員 主な論点というこの文章はなくし、点線をなくす。お願いいたします。
○有賀座長 下はどうしますか。提案してください。外すというのも寂しいですね。せっかく議論したのだから。点々が難しいけれども、頑張りたいみたいな話でしょう。
○星委員 だからあえて書いたんでしょう。だからこれを落とすのはかわいそうです。だって外部評価者の話も、そして、一定の水準という話も下にはしましたからね。ただ、難しいという話をしていますね。それは審議会の中で議論していただくことにして、我々とすればそこまで議論しましたということがわかるようにしてください。
○岩澤看護課長 そうしましたら点線を外し、主な論点を削除します。そして、1文目の終わりは「望ましい」。その後に客観的に評価能力を担保された者を外部評価者として任用することについては、引き続き検討が必要というように直したいと思います。
○有賀座長 それならいいですか。
思いのほかエネルギーを使ったような実感があるのですけれども、これは私だけでしょうか。
ほかにもしなければ、これらの議論をもって来るチーム医療推進会議への報告としたいと思います。
細かな文言等については、場合によってまた厚生労働省の担当者から相談があるかもしれませんが、そこら辺は基本的な骨格についての理解を座長がしていることを前提に、ここには何も書いていませんが、ある程度任せていただきたいと思いますけれども、それでよろしいですね。
それから、チーム医療推進のための看護業務ワーキンググループということで今までやってきましたが、第36回ということで、これでとりあえず終わりということになりそうだと思いますので、それを決めるのは親会議が決めて、もっとこれをやれというならば、そこで私がどう抵抗するかは別にして、一旦ここの気持ちとしては閉めたいということでよろしいですね。
長い間いろいろとありがとうございます。つたない人がここに座っていたおかげで大変な目に遭わせてしまってどうも申しわけありません。でもせっかくですので、引き続きよいお友達でいたいと思いますので、その点はどうぞよろしくお願い申し上げます。
原局長から一言賜るというメニューがございました。申しわけありません。お願いします。
○原医政局長 医政局長の原でございます。
大変熱心に、また長期間にわたって御議論いただきまして、どうもありがとうございました。
これからの高齢化社会、未曽有の高齢化社会を迎えるわけですけれども、その中であって医療関係者の数を膨大にふやすわけにもいかない。一定、限られた中で対応していかなければいけない。そういう中であってこのチーム医療というのは非常に重要なことだと思っております。また、その中でも特に医師と看護師のチームというのは中心になりますので、そういう意味で今回の特定行為に関する研修制度、何とか緒に就いたのではないかという形で、これからまた議論が進んでいくと思います。
予定としましては、以上の形で来年年明けの通常国会に向けて法案をつくって改正をしていきたいと思っております。また、実務的にはさらにそれが通った後、研修の具体的な形を制度的につくっていくことになると思います。しかしながら、高齢化社会は待ったなしでどんどん迫ってまいりますので、迅速に対応していきたいと思いますし、また、このワーキンググループで先生方に議論していただいたことが、必ずやそのときには大きな成果になると思います。
また、医療のほうもどんどん変化し続けると思いますので、新たなさまざまな行為についての議論や研修制度あるいはそのほかの形の変更も今後あり得るかもわかりません。また、先生方がそれぞれ活躍されておられる現場でもいろんなことが起こると思いますけれども、今後ともまたいろいろとまた私どもに御指導をいただけたらと思っております。本当に長い間、御議論をいただきましてありがとうございました。
○有賀座長 では、最後に事務局。
○岩澤看護課長 本当に3年半、36回ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○有賀座長 では、本当に終わります。
<照会先>
厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室
看護サービス推進専門官 荒木: | 03-5253-1111(代表)(内線4174) 03-3595-2206(直通) |
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