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2012年3月22日 第9回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会議事録

○日時

平成24年3月22日(木) 18時00分~20時00分


○場所

厚生労働省18階 専用第22会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館


○議題

1 薬害教育教材の活用事例について
2 「薬害に関する資料収集・公開等の仕組み」のあり方について
3 その他

○議事

〇衛藤座長 皆さんこんばんは。定刻になりましたので、ただいまより、第9回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会を開催いたします。
 皆様には、お忙しい中の御出席をいただきありがとうございます。
 本日は、倉田さんから少し遅れるとの連絡をいただいておりますが、構成員全員の方の御出席をいただいております。
 本日は、まず、平成22年度に本検討会で御議論いただきました中学生向け薬害教育教材の活用事例として、最近行われました授業の例を御報告いただきたいと思います。
 その後、昨年7月から検討を進めております「薬害に関する資料収集・公開の仕組み」の参考として、事務局で薬害に関する資料の所在状況について調査を行ったとのことですので、その調査結果について報告を受け、その後、議論を進めていきたいと思っております。
 議事に入ります前に、資料の確認をお願いいたします。事務局からの御説明をお願いします。
〇牧野調整官(医薬品副作用被害対策室) お手元の資料をごらんいただきまして、議事次第、座席表、名簿がございまして、資料1、2が、本日の薬害教育教材に関するヒアリング資料でございます。次に、資料3として、アンケートについてとりまとめた資料を用意しております。それから、参考資料として、前回検討会の資料の抜粋として論点をつけております。
 そのほかに、机の上に当日配付の資料を幾つか載せております。1つは、「中3公民・薬害問題学習について」という資料でございます。それから、別にクリップどめになっておりますけれども、「中高生公開講座ワークショップ「薬について一緒に考えてみませんか?」」という資料も机の上に別に配付しております。そのクリップどめをめくっていただきますと、その下に「薬害って何だろう?」というパンフレットを配付しております。これについて少し説明させていただきますと、これは、今年度4月に初版として出させていただいたものから、最低限の字句修正だけを行いまして、24年度版として刷り直したものでございます。これを来年度、中学3年生に使っていただこうということで、今月からまた全国の中学校に配布いたしております。その次に、そのパンフの下に1枚紙でアンケートをつけております。これは、今回、パンフレットを中学校に送付する際に、事務局で、このアンケート用紙をはがきに印刷して送っておりまして、中学校の先生に書いて送り返してもらおうということで、全部の中学校に送っております。これを事務局で回収いたしまして、後日、また、結果について御報告させていただきたいと思っております。
資料については以上ですけれども、もし不足がありましたら、お知らせください。
〇衛藤座長 不足はありませんか。
 なお、薬害教育教材に関しては、財団法人いしずえから、当検討会あてに改訂の御要望をいただいており、構成員の皆様には、先日、事務局からお配りしたとおりでございます。
 本日の活用事例のお話も踏まえながら、機会をとらえて、教材の見直し等についても今後検討していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日、薬害教育教材の議題もございますので、文部科学省の方にも参加していただいておりますので、事務局から御紹介をお願いいたします。
〇牧野調整官 文部科学省から、初等中等教育局教育課程課の西田係長と、スポーツ・青少年局学校健康教育課竹下係長に御参加いただいております。よろしくお願いします。
〇西田係長(文部科学省) 西田です。よろしくお願いします。
〇竹下係長(文部科学省) 竹下です。よろしくお願いします。
〇衛藤座長 よろしくお願いします。
 それでは、本日の議題に入ります。
〇栗原構成員 今日の運営に関しての要望ですけれども、今日せっかく現場の社会科の先生がお見えですから、事務局の方はどうお考えか、後半の議論にも、話題によってはお話を伺えたらいい場面があるだろうと考えられますので、そういう考え方でお願いできたらうれしいと思うのですが、いかがでしょうか。
〇牧野調整官 本庄先生のお時間があれば、是非、御参加いただければと思いますので、よろしくお願いします。
〇本庄参考人 特に忙しくはないので構わないのですけれども、そんな大した発言ができなくても構いませんね。
〇衛藤座長 それでは、よろしくお願いいたします。
 運営に関しては、よろしいでしょうか。
 まず、薬害教育教材を活用した授業の事例を2つ御報告いただき、その成果や今後の課題などについて、意見交換を行いたいと思います。
 本日は、京都府の立命館宇治中学校の社会科教諭で、今年2月に、中学3年生に対して「薬害問題学習」の授業を実施された本庄豊様にお越しいただいております。
 本日は遠いところをお越しいただき、どうもありがとうございました。
 また、本検討会の構成員であります望月さんと花井さんも、今月、山梨県甲府市において、甲府市薬剤師会が主催する中高生向け公開講座「薬について一緒に考えてみませんか?」の講師をされたということでございます。
 そこで、まず、本庄さんと望月さんから、それぞれ15分程度ずつ、授業の実施状況や、授業を実施してみての御感想などをお話しいただき、その後、御自由に質疑応答等を行いたいと思います。
 それでは、まず本庄さんから御説明をお願いします。
〇本庄参考人 京都の立命館宇治中学校の本庄と申します。
 早速ですが、去年の4月に「薬害って何だろう?」というこのパンフレットが配られて、学校というところは、実はたくさんパンフレットが来るのですね。特に4月、多いときは15種類ぐらいいろいろなところから来るということで、ぱらぱらとめくって、生徒に配って終わったり、あるいは、そのまま実は配らないものもあるということです。ところが、この「薬害って何だろう?」というパンフレットをめくってみたら、非常にいい内容だと驚いたのですね。何が驚いたかというと、薬害の被害者の声がしっかり載っているということ、これが、このパンフレットを使おうと思った決定的なところです。学校いうところは大変忙しいので、このパンフレットをどう使おうかということでずっと悩みながら、実はこのパンフレットを机の下に置いておいたのです。それで、このパンフレットを使おうと思って、実施したのは今年の2月、先月の話です。
立命館宇治というところは、立命館の付属中学校・高等学校ということで、ほぼ全員が立命館宇治高校に進み、それから、立命館大学に進むというので、2月のこの時期に3時間でできたのは、これは付属校だからということなのです。これは公立学校の場合でしたら、多分実施しようとしたら、2学期ぐらいにはやっておかないと、保護者からちょっと批判も出ると。入試の前に問題じゃないかということで出るということだと思います。もし、これを普及するのでしたら、社会科・公民の教科書にこの薬害問題が1行でも2行でも3行でも載っていることがあると、学校としたら非常にやりやすいと、小さなことですけれども、そんなふうに思いながら実践をしました。かつて、ハンセン病のパンフレットも非常によかったということで、厚労省のパンフレットは大変練られてつくられているなということはいつも感じています。今回、そういう場があるということで、今回ちょっと見させてもらおうかなと思ってやってきました。
このパンフレットを見て、そして、授業計画を立てさせてもらいました。生徒の感想文が載っている資料を用意しましたが、この印刷されたレジュメに沿ってお話をしていこうと思っております。
資料1を見てください。薬害の問題でも、いろいろな問題でも、どちらかというと授業をすると、子どもたちが「かわいそうだ」とか、「大変だ」とかという感想文をよく書いてくるのですね。この薬害の問題もそうでした。厚労省のこのパンフレットの特徴は、勿論、証言のところとともに、5ページに薬害を生み出す仕組みとか、なくす方向性みたいなのが書かれていた。これが非常に社会科として使いやすかった点です。ここがないと、言ってみたら道徳の授業になってしまうということです。つまり、社会の仕組みに迫って、社会の仕組みについて考えさせるという、これは社会科本来のねらいにこのパンフレットがうまく合っていたと思いました。
3時間扱いで実践をしようと思いました。目的については、3点書かせてもらいました。薬害根絶に向けて、歴史と現状について学ぶということです。繰り返し起こるのはなぜかということを考えさせる。それから、3つ目は、薬害被害者家族から直接話を聞いて、どうして防ぐのかについて学ぶという、この3点です。
たまたま京都府南部に、陣痛促進剤の被害者家族だった勝村さんとMMRに関連する、おたふくかぜワクチンの副作用被害者を家族に持つ栗原さんがお住まいだったということもあって、非常に近いところにいるので来ていただこうということになりました。
3年計画で、このパンフレットに基づく授業をしようということで社会科の方で決めまして、今年はその1年目ということで、今、総括の段階に入っています。
「指導計画」を見ていただくと、1時間目は、今年呼ぶのは勝村さんと決めまして、勝村さんの著書である『僕の「星の王子さま」へ』の抜粋をして生徒に読ませました。資料の与え方ということで、この本は大変いい本ですね。非常にわかりやすい。子どもたちに、中学校3年生たちにこの抜粋を与えましたら、約30分ぐらいじっと黙って見ていたというぐらいよく集中をしました。今回の場合は、ほとんど黙読という形でやりました。黙読に併せて、勝村さんにお手紙を書いたというのが、これが1時間目です。書いた手紙はいろいろあったのですけれども、1人の女の子の心情の変化がわかるということで、白い方の資料を持ってきました。ある生徒の感想文の変化ということで、薬害被害の問題で、陣痛促進剤の奥様の様子をずっと書かれたものを見て、そして、子どもたちの感性としては、「読んでいても苦しい」という感想を寄せています。
この授業に際して、最初に、自分は何グラムで生まれたのかとか、あるいは、自分の名前はどういう意味を持っていたのかとか、どんな病気をしたことがあるのかということで、よその話ではなくて当事者だということをできるだけ意識させたいということで、こういう導入にして感想を読ませたということです。4ページを見ていただいたらわかるのですけれども、非常に率直な感想ではあるのですけれども、当事者性は弱いのです。だから、よその話だということですね。「本当にすごい」とか、あるいは、「いつもポジティブに過ごしてください」とか、こういう感想を寄せています。
2時間目については、直接、勝村さんに来ていただいて、この感想文を事前に送って読んでもらいました。
最初にDVD、これはNHKの「福祉の広場」に勝村さんが出ているところを10分ぐらい見せて、そして、勝村さんのお話を聴きました。勝村さんは陣痛促進剤の被害の様子を、被害者の心情の部分ではなく、なぜ起こったのかとか、あるいは、枚方市民病院との訴訟のことも含めてかなり具体的に語っていただいたり、あるいは、その中で病院側がどう変化していったのかとかを語ってもらったということで、非常に子どもの感想が、「価値観がゆらぐ」と、「常識的な疑問」とありますが、副作用と薬害は全く別のもので、薬害によって被害に遭っている方はたくさんいるということは、「私に驚きを与えました」。1時間目の授業のときは、「本当にすごい」「大変だ」「かわいそうだ」と言った子が、これは同じ子です。事実を知った中で驚いて、医療に対する価値観がゆらぐという、この部分の子どもの感想を書いてきました。6ページを見ていただくと、「医療というものが善から少し悪に変わりました」と、善悪の判断に自分が揺れているのですね。それから、もう一つは、「この事実を次の世代に伝えていきたい」「二度と起こらないようにする必要があると思った」、こういうような感想を書きました。だから、実際に被害者の家族を呼ぶことによって意味が違ってくると思います。
このパンフレットをどう使うかという部分での話をさせてもらいます。
済みません。ちょっと飛んでしまいました。勝村さんを呼んだのは3時間目で、このパンフレットを使ったのは、資料1の5ページ目です。このパンフレットは、非常にいいパンフレットですけれども、すべてを網羅したパンフレットというイメージがあって、どうしたら子どもたちとこれをやろうかということで、ちょうど6人の被害者の証言が載っていたということで、中学校は36~40人ぐらいのクラスです。大体どこの学校も適正規模の学校だと、6つの班に分かれています。これが常識的なところです。だから、これはちょうど6つあるので、一つずつ、1班はスモンの問題、2班はサリドマイドの問題、3班はHIVの問題ということで、6つの班に分かれて、この被害者の声を読ませて、そして、薬害についての発表をさせました。5ページです。私どもで資料も多少寄せながら、基本的にはこのパンフレットの紹介を6つの班からさせるという、こういう1時間の授業を勝村さんが来られる前にやっています。3時間目に勝村さんに来てもらってお話を聴いたという、こういうような授業展開をさせてもらいました。
別紙のパンフレットの7ページに、「薬害って何だろう?」で、すべての学習を終えた後、この子が書いた最後の感想文です。この感想文を見てもらいますと、「自分がどんなに現状を知らずに過ごしていたのかがわかりました」ということで、知らないということはよくないんだな。このパンフレットによっていろいろなことを知ったんだと。その後、「ああ、悲惨だ、ああ、かわいそうに、このような二言を入れた感想を書くのは、本当に被害者の方や家族の方、遺族の方にとても失礼だと思います」と、こういう感想を寄せました。「今日習った以外の薬害もたくさんあります。どこで私たちが被害者や加害者になるかわかりません」。今回の授業で、薬害の被害と、なぜそれが起こるかを習った上で、自分としてどうやって生きていこうか。そして、まだ不十分ですが、萌芽的なことですけれども、中学生なので、「社会のことを考える授業になった」と、こういう感想文をこの子が寄せています。
実は、もう一時間やっているのですね。うちの学校で、2か月に一遍ぐらい法教育の研究ということで、弁護士さんを呼んで出前授業を実験的に京都の弁護士会と協力してやっています。それが3月2日にやったのです。そのときに、京都のスモンの弁護団の方がおられて、女性の方で、ちょっとお名前を忘れましたけれども、かなり古い写真なども見せながらスモン薬害について1時間勉強しています。
子どもたちにとってみたら、合計4時間この問題で今回授業をさせてもらったということです。私自身がこのパンフレットを使ってまず思ったのは、パンフレットそのものは非常によくできているのではないかということが1点です。このパンフレットにいろいろな注文はあるのですけれども、ただ、今回、パンフレットとともに、厚労省のパンフ紹介みたいな案内が送られてきたけれども、指導案とか、ワークシートとか、学校現場で使えるようなものがなかったので、実は、立命館学園の各学校にも連絡したのですけれども、実際授業としてかなり活用したのは私の学校だけだったのですね。だから、これに何か指導案、簡単な指導案でいいですので、A4で1枚の指導案とか、あるいは授業3時間でこんな計画でやれますよとか、いろいろなことがあったら活用できるのではないかというのが1点です。
もう一点は、ワークシートをこの資料の中に入れさせてもらいましたけれども、ワークシートがあると、教師は意外と伝えやすいということなのですね。もしよければ、この「薬害って何だろう?」のホームページからダウンロードできるような資料があったら非常にありがたいなということを思いました。
パンフレットの中身については、とりわけ1~2ページの年表の部分も、なかなか活用自身は難しかったのですけれども、公民の学習の中でよくやる学習で、「私の20世紀年表」「家族の歴史を調べよう」とか、年表をつくってみようという実践があるのですね。あるいは、「私が生まれてから今までの日本で起こった出来事を調べてみよう」と。このときに活用できるなということを1つ思っています。
3~4ページが一番よかった点で、これは実際にうちの学校にアドバイスいただいた栗原さんも勝村さんもおっしゃっていましたけれども、証言を出すのはかなり大変なことなのではないかなと私は思っています。こういうところに顔写真も入って証言を出したというのは非常に勇気ある行動で大変だったのではないかなと思うのですけれども、そういうことが子どもたちはこの証言で薬害についての問題をとらえることができたなと思っています。
最後のところで、薬害はなぜ起こったのか、あるいは、どうしたら起こらないような社会になるかというところは、私自身の理解が不十分なこともありますけれども、国と製薬会社、国民、医療従事者、薬局等が、みんなで努力すればいいという、こういう図式になってしまわないかなということで、一つひとつの薬害について、例えば私の今実践した陣痛促進剤の問題の場合は、枚方市民病院という医師の受けとめ方の問題とか、あるいは、情報公開の問題ですね。情報が公開されていたらこういう問題は起こらなかったのではないか。そういう中で、診療明細が公開されていくというところで、この辺のことだと、子どもらは非常に落ちてわかりやすいですね。だから、多分、一つひとつ実践していくとなると、例えば来年度はMMRについてやるわけですが、そのときには、それぞれの薬害についての社会の仕組みに即した部分のわからせ方があるのではないかなということで、その辺はこれからもう少し研究をしていきたいなと思っています。
また、学校でこれが配られたときに、例えば1つの提案ですけれども、これを是非活用してくださいというような、実際の被害者の方の声などを、このパンフレットが梱包されて送られてくるわけですが、その一番上に書類があるわけです。その下とかに、是非、そういう声も入れていただくとか、あるいは指導案を入れていただくとか、少しいろいろな工夫をする中で、これだけのすばらしいパンフレットを活用していく一つのきっかけになるのではないかと思っています。
この程度でよろしいでしょうか。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、望月さんからお願いします。
〇望月構成員 お手元の横むきのスライド4枚分が1ページに印刷されている資料に従って御説明をさせていただきます。
 資料2は、指導計画になります。私の方で、甲府市薬剤師会から、薬の負の側面としての薬害について子どもたちに薬剤師会として学んでいただく機会をつくりたいという相談を受けまして、薬剤師ですので、今の立命館宇治中学校のようなわけにはいかず、一応私も指導計画を何とかつくってみた方がいいのではないかということで、資料2のような指導計画をつくりました。
 最初、目標がすごく欲張ったものになっていまして、それも含めて、千葉大学の高橋(浩之)構成員にもちょっと御相談をさせていただいて、御指導をいただいて、修正はしたのですが、それでもまだ、例えば「2.指導のねらい」とか、こんなにたくさん並んでいて、この辺は私が薬剤師会の皆さんと議論を重ねたのですが、なかなかコンセンサスがうまくつくれなかったところではあります。それでも、素人の集団ですけれども、こうした形でまず指導計画を立てて、次のページに、大体どういう指導事項について、どれだけの時間配分で、どのようなツールを使ったりして、あるいはディスカッション形式にするとかという形でつくって、最終的にどう評価をして、これの成果をどう発表していくかということをつくっていただきました。これに従ってやっていくのですけれども、被害者の声を聴くというところで、花井構成員にもお手伝いをいただきました。
お手元にあるような題材の設定に関しましては、まず、「薬害にはどのようなことがあったのか、どうして起きたのか、防ぐために私たちはどうしていけばよいのかについて考える」という設定にしてございます。
2.の「指導のねらい」は、ここに書いてあるとおりたくさんですが、基本的には、「薬害って何だろう?」のパンフレットの中のテーマを全部列挙したみたいな形になっています。
対象は、中学生だけではなく高校生も含めて、甲府市内の中高生に公募の形で募集をいたしました。ですので、実際に集まった中高生は、こうした医療とか薬とかそういったものにかなり関心の高い中高生になっています。
人的資源と物的資源は、講師は、花井さんと私が2人行きました。あとグループディスカッションをしましたので、9グループつくりましたので、タスクが9人、あと、会場係と事務局で、このぐらいの人数の人的資源を使いました。物的資源は、ビデオカメラの撮影をいたしましたが、参加者の同意のもとで撮影をさせていただきました。あと、その他諸々です。資料は、日本学校保健会医薬品教育冊子(くすりの正しい使い方 中学生版)と今回の厚生労働省の薬害資料(薬害って何だろう?)の2種類を使っていきました。
当日の参加は、応募者からちょっと減りまして、59名の中学生と高校生です。中学生がそのうち14名でした。
ワークショップの流れは、「薬の正しい使い方」を、中高生が今年の4月から中学で学習指導要領がスタートするということですので、薬についてまず少し知識を持ってもらおうということで15分間、これは講義で、私の方でさせていただきました。
2.が「代表的な薬害、歴史について知る」で、これは、先ほどの年表の中で細かく解説されていないスモンとサリドマイド、四頭筋短縮症を例にとりまして、私の方でその概要について説明をさせていただく講義を15分した後、この年表を見ながら、スモールグループディスカッションを20分という形で行いました。
ここでなぜ講義を入れたかと申しますと、これは中学校の教員の方にこの指導計画を立てる段階でちょっと御相談をさせていただきまして。この冊子このままですと、中学生が読んでも理解をするのがかなりハードルが高いということで、多少かみ砕いた形でサポートする支援の講義が必要だろうということで入れさせていただきました。
3.が「薬害被害者の方から直接お話を聴き、苦しんできたことを知り、どのように被害者の方が考えているのかを知る」で、これで花井さんにお話を20分いただいて、その後、子どもたちが花井さんにいろいろな質問をするという形で、対話ということで20分、トータル40分用意しました。
4.が「なぜ薬害は起こったのか、薬害によりできた制度について知る」で、薬害が起こって、それを改善していくためにいろいろな法律や制度ができたというところを知るという、ここは私の方で15分間簡単な講義をさせていただきました。
その後、5.の「薬害はどうすれば防げるだろう?」をスモールグループで討議をしてもらうという形で、これを30分間とりまして。
最後が、「まとめ」の20分間という形になっています。
最初の「代表的な薬害、歴史について知る」のプロダクトとしては、薬害発生についての共通点を考えるということで、このパンフレットの2ページの「学習のポイント」の2を利用して、薬害発生について、いろいろな薬害をここで学んだ上で、共通点の作業を進めてもらいました。こんな形でグループに分かれて作業をして、でき上がったプロダクトを発表し合って、4グループと5グループで大きなPをつくりましたので、その4グループ、5グループで発表をし合って、こんなふうなプロダクトができています。
ちょっとお手元の資料は見づらいのですが、例えばAグループは、薬害発生の共通点として、国が無責任とか、製薬会社が無責任とか、情報が不足していたとか、あるいは、対策がおろそかだった、外国との情報格差があった、薬に対する信頼度の大きさ、これは余りにも信頼し過ぎて過信していたのかもしれないということだと思います。こんなふうなことを子どもたちが、薬害の問題が起こった共通点として引き出してきたという形になります。Bグループでも、やはり国とか、いろいろ問題が見つかったときには、早目に回収をした方がいいとか、そんなことが出されています。
その次が、薬害被害者の方の話を聴き、対話をするということで、花井さんに進めていただいた部分になります。ここで花井さんのお話を聴いての意見を集めております。1つ目が「薬害被害者の方はどのようなことに苦しんできましたか」、2つ目が「薬害被害者の方は薬害についてどのように考えていましたか」です。これについては、花井さんのお話を聴くのと併せて3~4ページの被害者の方の声を使ってまとめていったものになります。子どもたちの意見としては、「被害者に対する偏見や差別が問題である」「病気が社会に正しく認識されないことで苦しんできた」「治療法が見つかるまでは、いつ死ぬかわからないという恐怖があったのではないか」「若くして亡くなってしまう可能性や実際に亡くなった家族に対する悲しさ」というようなことを、この花井さんのお話等々から、被害者の方はこんなところで苦しんできたのではないかということを子どもたちが感じ取ったということになるかと思います。
2つ目は、「薬害被害者の方は薬害についてどのように考えていましたか」で、1つ目が「一度落ち込むが、前を向いていく。社会がどうあるべきかという姿勢で歩いている」「薬害再発防止をしたいという気持ちが強く思われているのではないか」「薬害をこれ以上社会に広めてはならないと考えていらっしゃるのではないか」「もう二度とこのようなことが起きないようにしたい。絶対にこのことを風化させてはいけないと思っていらっしゃるのではないか」「自分の不運を嘆くだけでなく、経験を次に生かしてほしいという前向きな意識がある」ということを、薬害被害者のお話、あるいはここのパンフレットの中から子どもたちが感じ取ったと思います。
2つ目のプロダクトは、「どうすれば薬害が起こらない社会になるのだろう」、それと、もう一つは、「今の高校生・中学生の自分たちにできることは何か」ということをスモールグループで討議をしてもらいました。国民の立場、医療従事者の立場、製薬会社の立場、それから、国や医薬品医療機器総合機構の立場で、それぞれのグループが1つの立場になって考えるということで議論を進めてもらいました。国民の立場だったら、自分が飲む薬についてよく知るとか、薬を使った人の話を聞くとか、正しい情報をくれる人、相談できる人を見つけるとか、副作用が自分に出てしまった場合は情報を公開するとか、そんなことが薬害の起こらない社会につながっていくのではないか。あるいは、医療従事者だったら、患者に対して、海外の情報を含めてしっかり説明をする、患者の様子を国や製薬会社に伝える、患者と製薬会社を結びつけるというようなこと。あるいは、製薬会社だったら、少しでも薬剤の危険性がわかった時点で製造を停止するとか、PMDAや他の企業と協力して薬をつくることで問題点や改善点などを見つけやすくするとか、開発段階での検討をきちんとやるべきであるとか、いろいろなことをそれぞれに考えてくれます。国の立場では、責任を明確化するとか、薬の販売や承認のときに、海外の意見も参考にするべきだとか、外国と薬についての情報を共有し合う。副作用が報告しやすい、情報が伝わりやすい制度をつくる。国同士で、よかった情報や悪い副作用があらわれたなどという自国でこれを踏まえてもっと話し合いの場を持つべきであるというようなことを言っています。Aチームが、自分たち中高生としてできることとしてはどんなことがあるかというと、自分なりに薬害に対する考えを持ち、薬害が起こらないような社会をつくっていけるよう自分から行動を起こす。ただ受け取った薬を使うだけでなく、自分でもその薬がどのような薬剤か考え、副作用もあるかもしれないなどを考えながら薬を使う。国・医療従事者・国民・製薬会社それぞれが持っている情報を共有し合い、薬害を未然に防ぐ。国民一人ひとりが薬害について関心を持つ。というようなことを今の自分たちにはできるかもしれないというようなことに到達しているという感じです。Bチームも似たようなことが書いてあります。Bチームの「私たちにできること」は、一人ひとりが意識と知識を持つ。正しい情報をそれぞれの立場が共有する。あるいは、麻薬などのダメ絶対教育のような薬の教育を学校でするというようなことに到達しています。
終了後、受講者にアンケートをとらせていただきました。まず、「今日参加してどう思いましたか。どのくらいの気持ちか書いてください」ということで、「とてもよかった」を6にして、「つまらなかった」を1にしたときに、評価6が53名で、とてもよかったと思ってくれた子どもたちが多かったということになりました。
「薬害についてどのようなことを考えましたか」の主な意見です。後でお読みいただければいいと思いますが、主立ったところを言いますと、「私は今までこんなにたくさんの薬害があることを知らなかったので、とても勉強になりました。」、「製薬会社や医師、薬剤師など全員が協力することで薬害は減らせると思いました。」、「副作用は避けられないことだけど、死ぬときまで障害が残ったり、死に至ったりするような副作用がある薬品を見て見ぬふりをして、野放しにしておく。絶対にしてはならないことだと思った。」、こんなふうなことを子どもたちは感じてくれたようです。
それから、「今後、薬害が起こらない社会の仕組みのために、あなたにできることは何だと考えますか」ということで、一番最初に出てくるのが、最近らしいなと思ったのは、「携帯のアプリで薬の情報や使用方法などがわかるようなものがつくれたらよいのではないか」などというのもありましたけれども、2.の「・」の2つ目ですが、「薬害被害者の話に耳を傾け、そのようなことが二度と起こらない社会を協力してつくり上げていくことだと思いました。薬に対する意識と知識をきちんと持って、様々な面から考えていきたいです」。3つ目のところですが、「薬について説明を読むことなどささいなことから、薬を使ったりもらったりするときにその薬に関して関心を持つことや、他人と自分の持っている情報を共有する」ということで、情報をどうとらえていくか、共有化とか公表とか、そんなところに結構関心が行っているようでした。
タスクの方の感想です。とても小さな字で申し訳ないのですが、今回、3時間かけてやったのですけれども、「時間配分はよかったのではないか」ということ。それから、中学生にとって、前半のテーマ、つまり、薬害と副作用の違いがわからないことにとてもこだわった中学生とかもいまして、前半のテーマが中学生には作業がなかなかしづらかったかなというグループがありました。でも、同じ中学生でも、ほかのグループは、作業はうまくいっているというお答えもありました。高校生は、まずほとんど問題がないというお話でした。それから、国の立場で物を考える、国はどうすればよかったのかというようなことが、中3以上だと、国というとらえ方ができるのだけれども、中1、中2も今回入っておりましたので、その子たちには難しいのではないかということです。それから、今回、花井さんに直接お話が聴けたので、それがとても効果的だったのですが、そういうことができる場合ばかりではないので、DVDなどの視聴覚教材とかそういったものをうまくつくっていただけると、授業に活用できるのではないかという御意見がありました。
これは私自身の感想です。まず、冊子の構成はとても適切な構成になっていた。この流れに沿ってワークショップを流していくことで子どもたちが最後にあのような意見や感想を出してくれるところに到達できたという意味では、構成は非常に適切でした。ただ、内容が、中学3年生のレベルでは、少し難しいかなと感じました。
それから、花井さんのお話を聴いたことが、子どもたちに薬害に対する理解を非常に深めることにつながったという意味では、被害者の直接のお話と対話がとても効果的でした。ただ、直接は無理かもしれませんので、ビデオなどで聴けるチャンスがあるといいかなと思いました。
それから、3つ目ですが、生徒が自ら考え、討議する形を取り入れるのは結構効果的な方法だったかと思います。ただ、今回は、本当に知らない学校の子どもたちがグループで一緒になりましたので、最初、アイスブレイクをもうちょっと入れればよかったのですが、時間の関係で入れられなかったので、1回目のワークのところは、ちょっとだけディスカッションの盛り上がりが少なかったところがあります。ただ、普通の学校でやる場合は、同じ学校の中ですので、そこが省けますので、こういった形は取り入れやすいのかなと思います。
4つ目が、中学・高校の先生と薬剤師の両方がかかわることがより理想的ではないか。それは私の考えですが、少なくとも薬剤師だけでこういった薬害教育の内容を構成することは、私はとても難しくて、今回、高橋(浩之)構成員のアドバイスをいただいたり、それから、地元の中学校の先生にアドバイスをいただいて、子どもたちの発達段階がどこまで受けとめられるかということも考えながら指導計画もつくりましたので、そういう形も必要かな。もし薬剤師の人たちがやろうと思うときには、必ずそういう中・高の先生と一緒にした方がいいですし、逆に、中・高の先生がもし必要があれば、薬剤師等に相談をしていただければ御支援できるところもあるかなと思いました。
以上です。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 花井さんから補足説明があるようでしたら、お願いします。
〇花井構成員 今、望月構成員からお話があったとおりですが、資料2の「指導のねらい」の部分ですね。2.の下にたくさんあって、結構これは難しいのではないかと私も最初は思ったわけです。2つの意味でちょっと懸念したのです。1つは、そもそも薬害と副作用は込み入った議論になるのですね。そういう込み入った話がどう伝わるのかということと、それから、薬剤師会という職能集団がそれをやることによって、また、薬というコンテクストに寄っていて、これを中学生・高校生にどうするのかなという懸念を実はちょっと思っていたのですけれども、ふたを開けてみますと、今紹介があったように、むしろ、資料2の2.の「指導のねらい」がかなりの部分達成できたという驚きがありました。
 私も、当事者の話ですけれども、時間が20分ぐらいの話ではあるのですけれども、確かに被害自体を伝えなければいけないという思いもあるのですが、ある種、薬害は薬の話ではなくて社会の話なので、薬害というテーマをもってみんなで社会をどうつくっていくのかと、こういう観点に軸足が置かれるように、被害者も単に被害を訴えるということではなくて、薬害被害者も、それを経験したことを糧に社会を変えようとしたということが伝わるようにお話をさせていただきました。
 全体としての感想ですが、今回のワークショップは非常によかったと思うのですけれども、1つは、授業で、どこで取り扱ってもらえるか。保健体育的でもあるし、社会科的でもあるというところで、どちらかというと社会科的だと思いますが、今回も、最初に医薬品についてちゃんと説明してもらい、それを土台にして、社会と薬を考えるという構成になっていたところが、結果として、非常に優れた構成になったのではないかと思います。
 それから、教材については、今回、かなりのリソースをかけて準備をしてやったわけですけれども、お忙しい教育の現場でこういうことを達成しようと思うと、もうちょっとかみ砕いたツールを用意した方が扱いやすいかなと思いました。具体的には、先ほどあったような映像、ユーストリームを用意しておいて、それを使えるとか、そういったことがあれば、より授業を行いやすいかなと思いました。
 以上でございます。
〇衛藤座長 ありがとうございます。
 それでは、2つの授業についての説明をいただきましたけれども、ここまでの説明について、御質問・御意見を皆さん御自由にいただきたいと思います。いかがでしょうか。
〇倉田構成員 お二方ともどうもありがとうございました。大変楽しく聴かせていただきました。御苦労様でしたと申し上げたいと思います。
 望月構成員にちょっと伺いたいのですけれども、先ほど、薬剤師の方たちだけでも無理だろうし、学校の先生だけでも無理ではないかと。薬剤師の方たちに力を借りながら教育としてはやっていくのがいいのではないかというお話を伺いましたが、これは学校薬剤師ですか。薬剤師さんたちもいろいろいらっしゃると思います。
〇望月構成員 それぞれの学校で一番アクセスしやすいのは、そこの学校の学校薬剤師だと思います。今回は、薬剤師会全体でしたけれども、学校薬剤師の方と、TDのような形も一つの形としてはあるかなと思います。
〇衛藤座長 いかがでしょうか。
 本庄さん、今の御発表で何か御感想があれば、聞かせていただけますか。
〇本庄参考人 今の薬剤師とのかかわりですけれども、実は、立命館宇治の授業は、宇治の薬剤師会が見学をされたということがあります。先ほどのスモンの弁護士さんの出前授業と併せて、実は、薬学部の学生による授業をしていただいたり、あるいは、来年度2回目になるのですけれども、薬剤師さんに授業をしてもらおうということを考えております。被害者の方、薬剤師の方、学校が以前に比べて、外部講師を呼びやすい環境に今はなっているので、宇治の薬剤師会に来ていただこうと思っています。
 ただ、その場合に、事前の打ち合わせや何かをしっかりやってないと、丸投げみたいな授業になってしまうという危惧もあります。
 それから、先ほど、NHKの「福祉の広場」のDVDを見せたということで、もし、このパンフレットに1つ映像資料がついていれば、使用率は、今は10%ぐらいだと思いますけれども、6~7割になると思います。実は法務省で裁判員制度についての授業をしてくれということでパンフレットが送られてきたときに、DVDが入っていたのですね。これは非常に現場で使いやすい。出演された方がちょっといろいろ問題を起こされて、そのDVDを回収することになりましたけれども、つくるのはなかなか大変だとは思うのですけれども、一つDVDがあると随分違うなと思います。
 ただ、薬害の場合は、全体として学習すること同時に、何か一つに絞って、授業としたら学校は考えさせる。多分、すべての薬害を満遍なく学ぶのは、高校生にとっては、それはそれで非常に意味がありますが、中学生ぐらいの段階だと、なかなか自分が当事者になり切れないで、知識としては入ってくるけれども、すとんと落ちないというところで、そういういろいろなDVDとかの活用も含めて、薬剤師さんとか、いろいろなことが、多分アンケートをとったら出てくるのではないかなと思います。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 そのほかいかがですか。
〇大杉構成員 本庄先生、今日はありがとうございました。2点お伺いしたいのです。
 1点目は、ワークシートがあればいいなとおっしゃられたと思うのですけれども、このパンフレットで、「学習のポイント」と書いてあるところがあると思うのですけれども、それを使われて御自分で問いかけが設定されてワークシートをつくられていると思うのですけれども、実際に、「学習のポイント」がこのパンフレットで授業をしたり、あるいは、ワークシートをつくっていく上で、どのくらい有効であったかというのをお聞きしたいのです。「学習のポイント」なしでパンフレットを見たときに、学校での授業はどのようにこのパンフレットを使って授業をしようかということを考えられると思うのですけれども、この「学習のポイント」があることによってどのくらい授業化しやすかったかなというのが1点。
 もう一つ、パンフレットの5ページ目の左下に「社会の仕組み」というところがあると思うのですけれども、社会科の公民の経済の学習の内容の構成は、薬害ということではないのですけれども、一般化して言うと、市場の働き、市場経済と、もう一つ国の政府の役割という2つの内容で構成されていると思うのですけれども、それが基本原則で学習をしているわけですけれども、薬害を勉強するときにはこういう仕組みで勉強すると。もう一つ、それぞれの薬害に合ったものがあればいいなという御指摘であったと思うのですけれども、その場合、この構造がどのくらい役に立つと思われるかというのをお聞きしたいのです。
 2点お願いします。
〇本庄参考人 1点目ですけれども、「学習のポイント」は、どちらかというと中学生向けには非常に難しかったのですけれども、このポイントがあったおかげで、教師の指導という点では非常に本質を突く指導ができたということです。「学習のポイント」は、高校生とか、大学生を含めて、教師を含めたポイントではないかと思います。このほかに別に指導書がついているのではないので、この「学習のポイント」がないと、どういうポイントで授業をしたらいいのかということが教師がわからなかったという点では、非常に有効だったと思います。ただ、子どもたちにとっては、もっと別の、あるいは子どもたち向けの質問とかワークシートとかがある方がいいのではないかと思います。教師自身が薬害について詳しくないという現状があるわけで、そんな中で、切り口としては非常によかったですけれども、ワークシートとして何か別のものがあればよりいいと思います。
 2点目ですけれども、社会の仕組みのこの部分で、公民学習の中でどの場所でやろうかということを多分悩まれると思うのですね。例えば、経済学習の中で、今、悪徳商法の問題という授業はよくやるのですね。悪徳商法の問題でも、家庭科でやると、悪徳商法に引っかからない心がけとかいう形になったり、あるいはその方法などです。社会科の場合は、こういう悪徳商法が出てくる社会の構造とか仕組みに迫っていかないといけないということで、そうなってくると、経済学習の中での国や市場とかを含めた部分でやらなければいけないと思います。公害問題も含めて、実はこの時期に実施したのは、ちょうど中学3年生が公民学習を終えて、最後に、自由なテーマ設定をさせて学習をする。言ってみたら、1年間の学習のまとめという意味でこの薬害学習を今回は実施しました。
地球環境について考えてみようとか、いろいろなことがあるのですけれども、この実践は全国的には結構広がっていると言うとおかしいですけれども、ちょうど受験の時期にさしかかった時期に、教科書が終わった中で、全体のまとめとして何をやっていこうということで、薬害の問題を今回はやりましたけれども、様々な現代の問題でやったりするときに、この図は当然必要になるのです。ただ、先ほど、薬剤師さんの方で、それぞれの立場に立って考えてみたらどうなのかというところで、これはかなり深い問題になってくるし、あるいは、争点にかかわる問題になってくるので、図としては必要だとは思うのですけれども、どこでどういうふうに、なぜこれがうまく機能しなかったのかというところで、もうちょっと違う落としどころがないかなと思いました。
子どもたちの感想を見ると、国や製薬会社や医療みんなそれぞれ注意して頑張ろうという、この感想、認識にならないようにという点では、しっかり一つひとつの事実に即して学んでいくということが必要かなと思っています。指導案などがダウンロードできたら勿論いいのですけれども、簡単な指導案が一番最後のページにちょっとでも載っていると、教師は非常に使いやすいというふうにも思ったりします。
 以上です。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見はございますか。
〇手嶋構成員 今日、本庄先生が来てくださって、現場の声を私も直接聴いて、最初に一番に被害者の声が載っていると言われたことが私は本当に意味がある言葉だったなと、本当によかったと思っています。確かに数行ですけど、被害者の声が6名、私も入れて入っているのですけれども、内容はもっと話したいというのが本当はあるのです。ほんの数行で書いているのですけれども、皆さん本当言い尽くせないほどの話をしたい。だけど、これは載せられないのですけれども、現場の生徒さんの声を直接聴けたのは、本当に参考になりました。ありがとうございました。今後とも御活躍していただきたいと本当に思っております。ありがとうございました。
 望月先生の今日のすばらしい話を聴いて、私は本当にさすがだなと思って感心しました。花井さんと話をして、花井さんも言われましたけれども、薬害は社会問題と、そのテーマは今後ともずっと追求して、そして、その社会問題は、「薬害って何だろう?」というのにもう少し踏み込んで書き込んでもらえたらというところが私にはあるのですね。原因が何となくここら辺、はっきり最終的な追求までは載ってない。何か中途半端で終わっているというのが私たちの気持ちの中にはある。厚労省の方々も、この少ない行数でまとめてつくっていただいて、本当にありがたいと思っています。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
〇栗原構成員 お二人のお話本当にわくわくしながら、実は現場でも参観させていただいたのですが、ありがとうございました。
 仮に、このパンフレットが厚生労働省のホームページ上で紹介されているあの場所で、先生方の実践の紹介が可能だとした場合に、そのための御協力などをいただけるものでしょうか。
〇望月構成員 甲府市の薬剤師会は、多分全面的に協力してくださると思います。今回のこれも、公表することも了解をとっておりますし、あと、例えば花井さんの話のDVDとか、別のところで使えるかもしれないとかというので撮らせていただいていますので、そういったものも利用できるかもしれません。
〇本庄参考人 紹介していただくのは結構ですけれども、社会科で、今日の議題を受けて、もう少し検討をしたものをということで。あるいは、もし実際にこれに使うワークシートをつくれということだったら、また、教科会で検討をしながら進めることも可能だとは思います。
〇衛藤座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがですか。
〇河野構成員 先ほど、現場の先生方が、薬害を数多くの先生方が取り上げて授業をしてもらうためには、教科書に1行でも載れば、もっとやりやすいのではないかというお話があったのですけれども、ということは、それは新学習指導要領の中に「薬害」という言葉が一言でも入っていくと、そういった教科書に載っていくというバックボーンがあってやりやすくなるということでしょうか。
〇本庄参考人 全くそのとおりですね。
 例えば薬害だけではなく、様々な四大公害の問題も含めて教科書に書かれていることが決定的なのですね。うちの学校は付属校なので、比較的そういう制約はないのですけれども、私も公立学校に20年以上勤務をしていた体験からすると2つですね。1つが教科書とか指導要領に使われているということは、言ってみたら実践をしていく上で非常に大事な点です。
 それから、もう一点は、受験という問題になってきたら、教科書に載ったら、必ずテストに出るのです。例えば、今、私は公立学校で薬害の授業をこの時点でやっていたらとしたら、多分、保護者の方から、こんな試験に出ない問題をやってどうするのだという非常に狭い見方ですけれども、それはかなり切実に出てくるということで、学校現場で教科書に書かれている内容があれば、本当にいいなと思います。逆に、この実践を広げていくことで教科書に書いていただけることもまたあるかなと思っています。
〇河野構成員 ありがとうございます。
 望月先生のところのようなものも、指導者に対して今度やったりしますと、現場の先生方はこういったものを取り上げて、薬害の授業がやりやすくなるのではないかなと思いますので、何かお二人の話がミックスしたものが何か非常にいい形で表現できればいいのではないかなと思いました。
〇栗原構成員 本庄先生に伺いますが、今回、社会科、今後3年間取り組んでいただけるということでありがたいのですが、社会科・公民3年生ではないところでの扱いは可能でしょうか。可能だとしたら、中学校の中で例えばどんなふうな場面で扱うことができるか。
〇本庄参考人 2点あると思います。1つは、道徳の授業の中でできないかというのは思っています。ねらいは社会の仕組みの部分ではなく、実際に、先ほど手嶋さんがおっしゃいましたように、もっと被害者の声をしっかり聴きたいというような場合は、本当に被害者に寄り添うという点でも、しっかりと道徳の時間に薬害問題は多分1~2時間かけてできる問題だろうと思っています。その場合は、どちらかというと、子どもたちの心情的な理解に重点を置きながらやっていくということになっていくだろうと思います。
 もう一点は、「総合的な学習の時間」の中で取り組むことも可能かなと思っています。ただ、いろいろな場面で、例えば外部の講師を呼んできて話を聴く機会も比較的学校の中でもありますし、そういう中でお話を聴くことは可能だろうと思いますね。もし映像資料などがあると、一斉に全校で見せることもできますし、いろいろな扱いができるのではないかなとは思っています。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
〇矢倉構成員 望月先生と本庄先生のお話を伺って、生徒たちにわからせるために大変な御努力をなさったのではないかなと。これが現場に戻った場合に、教師たちがそういう努力がこの忙しい時間の中でできるだろうか。せっかくこれだけ立派なパンフができ上がっているのに、これが活用できなかったら非常に残念だなという思いがするのですよ。では、これをうまく活用するにはどうしたらいいのだろうかということを考えなければいけないと思うのです。これは文部科学省もそうだろうと思いますし、厚生労働省もそうだろうと思うのですが、先ほど本庄さんがおっしゃいましたように、これが例えば社会科の教科書の中に例えば四大公害とかそういうものなどが載っておりますね。すると、これは受験にも出てきますでしょうし、必死になって勉強するのですね。ところが、公害と同じように薬害もそういう取扱いをしなかったら、これは非常に指導しにくい。本当に教師たちがいろいろな努力をしなければ教えられない状況ではないかなという気がするのですよ。だから、そこら辺は文部科学省へ、私たち薬被連は随分前から学習指導要領の中に薬害の教育を入れてくださいとかそういったものを載せてくださいと。以前はあったのですからね。それが消えてしまっているわけですから、このパンフがその副教材として生かされるためにも、社会科の教科書の中にそういった内容のものが入っておれば取り組みやすいのではないか、効果的になるのではないかなという気がいたしました。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 文部科学省から今日お二人お見えで、学習指導要領とか教科書の話とか、保健体育の方にも関係するかもしれませんので、今日の授業実践の御感想も含めて、西田係長、竹下係長から一言ずついただけますか。
〇西田係長(文部科学省) 文部科学省の初等中等教育の西田と申します。本日は、お二方の先生方の発表をいただきましたのは非常にありがたいと思っております。
いろいろ御意見をいただきまして、特に教科書に載っていれば扱いやすいということで、こちらの方で把握していますのは、教科書の状況ですけれども、社会科、中学校は来年度から新しい学習指導要領による教科書が使われていくわけですけれども、その中では、教科書7種類あるうちの5点は薬害についての記載があるということになっておりまして、更に、高校の公民・政経の部分については15種類あるわけですけれども、すべてについて何かしら薬害の記載があるということになっております。皆さんもう御承知おきのことかもしれませんけれども、高校の学習指導要領の解説の中にも、新しい学習指導要領においては、薬害について記載されましたので、高校については、そういった中で指導されることは当然あり得ると思いますし、中学校も、今、本庄先生に御指導いただいたように、社会科の公民で扱うこともできますし、こういった薬害という題材を取り扱う中で、経済・社会とか、その中での国の役割、市場経済の限界等、そういった社会問題を扱う題材の1つとして薬害を取り扱う。そういう中で、社会に対する考え方が非常に深まる。実際に、御発表いただいた中で、生徒のいろいろな感想を御紹介いただいたように、感想めいたところから、自分自身のこととしてとらえる。まさに社会に参画する一人としてとらえる、いろいろな見方があると思いますけれども、そういった生徒の感想を見ていても、非常に一つ有効な題材であるとは思っております。
〇竹下係長(文部科学省) 学校健康教育課の竹下でございます。今日は、貴重な実践をお聴かせいただきまして、ありがとうございました。
 まず、私ども学校健康教育課は、子どもの健康を管理する課でございます。その観点から、現在、医薬品に関する教育を学習指導要領の中・高に位置づけまして、中学校・高校の授業で取り扱っております。この内容は、いわゆる医薬品の容量・用法をきちんと守ることによって、正しい3要素を、簡易な疾病は自分の力で治すことができるようにする子どもを育てると。一方で、用法・容量を守らないと副作用を起こす薬も悪影響を及ぼすことがあるということの知識に該当しているということで、保健の学習。
 今日の実践をお伺いしますと、本庄先生は、一つのパンフレットから社会の仕組みという観点を見出されて、それを社会科の授業として薬害教育に取り組んでおられたと。私は聴いていて、これはきちんとしていて、授業として成立していらっしゃる、まさに社会科の授業だなと思うことではびっくりしました。薬害に関する学習が、このような観点できちんとして子どもたちに社会感覚として整理されていらっしゃる。まず1つ目に、教材をこういうふうに教師の力で子どもに魅力あるものに変えて、そして、子どもにしっかりと学力として身につけさせるというこの授業の見事さに非常に感動したところでございます。
 一方、望月先生の授業を見させていただくと、非常に子どもの活動が多いのですね。そして、子ども自身の気づきが多い。その中で、自分の生き方として薬害の問題をとらえていこうという、どちらかといえば、「総合的な学習の時間」的な活動で、子ども自ら問題意識を持ち、様々な活動や体験を通して自らの問題としてとらえていくという、その可能性を感じました。
そういう意味で、2つの実践は可能性を持った、非常にすばらしい実践だと思います。今までの話の中でも出ましたように、薬害の問題は、どのような目標で行くのか、どのような内容で攻めるのかによって教科領域が変わってきます。ここについて、今日は非常にたくさんの勉強をさせていただいたところでございます。自分の健康という観点でいけば保健学習ですね。ところが、社会の仕組みで、なぜこういう問題が起きたのか、こういう問題が起きないような社会をつくっていくにはどうするのかというのは社会科です。これが被害者の悩み・苦しみ、自分の健康、みんなの幸せな生き方という観点でいけば、道徳という学習も出てきます。それぞれがどのような目標を掲げて、どのような内容を組み立てるかによってこの問題がどのような学習として成立するのかという部分もまた可能性として楽しみなところでございます。
一方、先生自身もおっしゃったように、学校には様々な機会があります。健康問題に関しても、薬害の問題もありますし、性の問題も様々ありますし、いろいろなものがあります。一方で子どもたちは、限られた時間を生活していますから、すべてを学習として取り込むことはなかなか難しいという現実もあります。ですから、先ほどの問題とか、これからいかに大事なエキスをしっかりと見極めて、そして、どのように子どもたちのよりよい生き方につなげていくのかというのは、私たちも一緒に考えていかなければいけない大きな問題だと考えております。
本日は、本当に貴重な勉強をさせていただきました。ありがとうございました。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 薬害教材の活用事例に関しましては、ほかに御発言はございますか。
〇大平構成員 今日は、特に中学・高校で、難しい課題だろうと思うのですけれども、意欲的に取り組んでやっていただけるのは大変ありがたいことだと思っております。
 ただ、先ほど、薬害教育の中で、一つ薬の安全性の問題が根底からひっくり返るような、そういう見方での問題提起もあったわけですけれども、もともとが薬に対してのいろいろな問題、副作用の問題もありますけれども、健康と結びつけたところで、多分、薬教育は小学校ぐらいのところから始まっているのだろうと思うのですね。そこが今回の薬の教育というものがきちんと位置づけられている中で持ち上がってきて、それに対して、もう少し社会性を持って、そして、見方が育ってくるような仕組みがこれからは必要なのではないか。大きな消費者教育の中での問題点もありますし、それから、こういった被害が起きたときの命の大切さとかそういうものを考える場合に、道徳の教育の中できちんと取り上げていく。それが段階的に成長に沿って、ある程度きちんとシステム化されていくことが大事なのかなと思いました。今たくさん薬の情報とか、いろいろな情報が出ている中で、子どもたちもそういう社会で生きていく中で、情報の選択とかそういうのも含めて、小さいときからの教育の中で育っていき、そして、また、それがもう少し社会の仕組みの中をのぞけるような、中学で、薬の安全はどういうふうなことを習ってきたかなというところを振り返りながらできるような仕組みで薬害という問題をきちんととらえてもらえるともっとありがたいかなと思いました。
〇衛藤座長 ありがとうございます。今後の方向性まで示していただいたかと思います。
 そろそろ時間が来ておりますので、1番目の薬害教育教材の活用事例についての議論は終わりにしたいと思います。
 本日御報告いただきました内容につきましては、今後の教材の改善などの検討に役立てていきたいと考えております。貴重なお話をいただき、どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 昨年の7月から本検討会で「薬害に関する資料収集・公開の仕組み」について検討をいただいております。その参考として、事務局で、薬害に関する資料の所在状況について、アンケート調査を行ったということでございますので、それについて、まず御報告をいただきまして、その後、調査結果をもとに、「薬害に関する資料収集・公開の仕組み」が、どのような目的で、どのような資料を収集するべきか等、前回の検討会で示された論点も参考にしながら、御自由に御議論をいただきたいと思います。
 それでは、まず事務局から説明をお願いします。
〇牧野調整官 資料の説明に入ります前に、今日、本庄先生から大変貴重な資料をいただいたのですけれども、生徒さんの名前が入っておりますので、メインテーブルにお配りしていますけれども、取扱いにちょっと御注意いただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、資料3の説明をさせていただきたいと思います。
 「薬害に関する資料の所在状況等に関するアンケートについて」ですけれども、今、座長から御紹介いただきましたとおり、今までの議論の中で、薬害に関しての研究あるいは学んでいく、それから、情報発信していくというような、そういう資料収集・公開の仕組みをつくっていくに当たりまして、そもそもどのような資料があるのかと。収集の対象となるような資料が、どのようなものがあるのかということを少し具体的に把握するために、事務局でアンケートを行うことにいたしました。1枚目の「2 調査内容」ですけれども、調査に当たりましては、薬被連とはばたき福祉事業団の御協力を全面的にいただきまして、まず、薬害に関する資料として、どういうものを保有しているのかと。それから、仮に、その仕組みができるとした場合、どのような資料が提供可能かという、大きく2つに分けて調査をいたしました。
調査内容については、何枚かめくっていただいて、5ページ辺りをごらんいただきたいのですけれども、例として、財団法人いしずえの回答票がそのまま載っておりますけれども、網かけ部分が質問部分でございます。非常に簡単な質問ですけれども、「薬害に関する資料として、どのようなものを保有していますか。」資料の内容を書いてもらう。それから、「保有量」、「目録を作成していますか」。それから、2番目に、「仮に薬害に関する仕組みができた場合に、どのような資料が提供可能ですか」。まず、「原本は提供可能か」。それから、「原本を提供できない場合に、写しを提供可能か」、「写しも含めて提供できない資料がある場合は、その資料の内容を教えてください」という形で御記入いただきました。回答の内容は、各団体非常に丁寧に書いていただきまして、イメージをつかんでいただくのに、この回答をそのまま見ていただくのが一番わかりやすいと思いましたので、すべての団体の回答票を添付させていただきました。それぞれは説明いたしませんけれども、ごらんいただければと思います。
 資料の1枚目に戻りまして、調査方法は、非常に簡単ですけれども、薬被連を通じてアンケート票を配布してもらいました。それから、はばたき福祉事業団に調査をお願いしたということです。これらを事務局が直接回収してまとめたものでございます。この回答票をまとめた概要を4番以降に書いております。
 まず、回答があった団体数は、10団体でございます。回答票は11枚ついているのですけれども、栗原さんからMMR被害児を救援する会の代表としても御回答いただいたのですけれども、そのほかに、京都島根ジフテリア事件関係の資料の収集状況について御報告いただきましたので、回答票が1個多くなっております。
 10団体の回答の概要は、資料の保有量についてざっと見たところ、これは自由回答ですので、まとめるのはなかなか難しかったのですけれども、団体によって、保有量にかなり大きなばらつきがあったということでございます。3ページをごらんいただきたいのですけれども、これは各団体の回答を少し簡略化して見やすくしたものでございます。例えば、3ページの上の段に、「大阪HIV薬害訴訟原告団」と「はばたき福祉事業団」、これはHIVの関係ですけれども、かなりたくさんの資料を保有されているというのが一目でわかるかと思いますけれども、右下の方に「スモンの会全国連絡協議会」、「京都スモンの会」につきましては、特に連絡協議会の方は、一番下に書いてありますけれども、法政大学の大原社会問題研究所に寄贈されたこともありまして、かなり保有量が少ないということで、薬害によって資料のばらつきがかなりあることがわかりました。
 次に、1ページ目に戻っていただきまして、「目録作成の有無」を確認したところ、これもまとめるのはなかなか難しかったのですけれども、資料のジャンルごとにお聞きしたのを大ざっぱにまとめますと、目録を作成している団体と、してない団体が分かれていることでございます。かなり作成しているなという団体が4団体です。作成されてないのではないかという団体が6団体でございます。
 次に2ページ目に移りまして、「薬害に関する資料収集・公開等の仕組み」への資料提供の可否ということでお聞きしたのですけれども、書籍・印刷物については、何らかの形で提供は可能という回答がほとんどでございましたが、団体によっては、自分のところで原本を置いておきたいというところも多くて、かなりの部分は写しというところもあったかと思います。また、薬害という問題自体は非常に個人のプライバシーにかかわることもあって、個人のプライバシーにかかわるところについては「提供不可、あるいは「慎重な検討を要する」という回答が見られたところでございます。
 それから、映像資料に関しては、これは写しの提供でも全く問題はないと思うのですけれども、提供可能という団体が非常に多かったということでございます。
 一方、映像以外の実物資料は、提供可能というところと提供不可というところが半々ぐらいに分かれたというような状況でございました。
 こういう各団体の状況を見ながら、資料収集・公開の仕組みをどのようにつくっていくかというところを御議論いただければありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 それでは、ここまでの説明に対する御質問あるいは資料収集・公開の仕組みそのものに対する御意見があれば、御自由にお願いします。
〇矢倉構成員 意見ではありません。補足説明をさせていただきます。
 今回のアンケートにつきまして、ここに、京都スモンの会とスモンの会全国連絡協議会という2つの名前が書いてありますが、私が考えましたのは、スモンの会全国連絡協議会に京都スモンの会もその中に入っておりますので、なるべく共通しているものは避けていこうと。だから、京都にあるものは載せていこうということで、ス全協と京都スモンの会の共通物が非常にたくさんあると御理解していただいた方がありがたいと思います。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。
〇手嶋構成員 2年間検証会議をしていただいて、その中で薬害研究資料館をつくっていこうという最終提言が出されていたと思います。今日、本庄先生が話をされて、生徒の声を聞いたので、「大変だ。これは医療の価値観が変わっていった」その後の言葉が、「次の世代に伝えていくことが必要だ」と。子どもでもこのことに気がついている。確かに、今の時代、国の予算のこととか、私たちでさえ、それを考えなければいけないような事態が起きたのですけれども、でも、ちょっと考えてみませんかね。こういう薬害の研究資料館をつくって、次の世代に伝えていかなければいけないと、その子どもが気がついたぐらいです。だから、将来、また、何かどんどん文明は進化していって、そして、いろいろな未知の領域に踏み込んでいくのですね。その中で、どんな薬害があるかもしれません。そういう薬害の再発防止のためにも、こういうことは絶対に忘れてはいけないと思うのです。薬害研究資料館をつくろうというのが、そして、それが将来の重大な薬害のその防波堤として、その一端になればと私たちは思っています。再発防止、恒久対策、口で言うのは本当に簡単です。国もお役人の方も私たちもみんな、だけど、それを実践していくのは大変。だから、そこを話し合って、是非、将来の子どもたちのためにも、将来の日本人のためにも薬害は絶対忘れてはいけないし、それを今止めないといけないので、その研究として、私は資料館をつくっていただきたい。是非、皆さんにお願いしたい。よろしくお願いします。
〇衛藤座長 歴史から学び、薬害を再発防止できるような機能も持つべきだという御意見が含まれていると思います。
 そのほかいかがですか。
〇矢倉構成員 薬害は、この副読本に6つの被害の方々が記載されているのですけれども、内容的には、非常に淡々と、余り深刻さを出さないように、生きているという実態を載せている方がほとんどですけれども、実際の被害者はこんなものじゃないよと。本当に死ぬ間際に、例えばスモン患者のある人は「厚生労働省の役人さん、キノホルムを飲んでみてください」と言って死んだ。それほど悲惨なものなのですね。ですから、薬害のことは、この副読本が非常に立派に構成されていますけれども、被害者の実際の声は、本当はこんなことで死にたくないんだよと、ずっと一生1秒たりともしびれや痛みや失明から切り離されなかったんだよという叫びが、これが薬害なんだと思うのですね。だから、それをきちんと受けとめられるような、後世にも伝えていけるような、そういうものをきちんと残していかないといけないのではないか。これが薬害の歴史から学ぶことになるのではないかと思うのです。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
 ほかには、御意見はございますか。
〇花井構成員 薬害の資料館がどのようなものになるかというのは、まだとりまとまってないようですが、どのような機能を有すべきかというのはこれまで議論があるところだと思います。1つは、この資料に基づいて過去の薬害の歴史から教訓を学びとるための基礎的なものを固めておくということがあると思うのです。研究をするにせよ、いろいろなことに使うにせよ、それにアクセスできる体制が必要であるということですが、1つ申し上げておきたいのは、ここに、いろいろな団体に資料はある。それはそれでひとまずいいとして、例えば文献などでも、薬害関連はほとんど廃刊になっているものが多いですね。これを、今だったらネットがありますので、中古市場で集めれば、たまに個人売買者から僕もマニアックに買い集めたりしているのですけれども、そういった失われる文献をまずかき集める作業と。
それから、もう一つは、先ほどの被害を伝えるということですけれども、例えば、これは被害者一人ひとりで、許可を得た被害者の映像を撮っていくという、資料をつくる話ですね。これは、被害者はどんどん高齢化をしていく部分もありますし、それから、亡くなっていく部分もあるわけですね。ですから、時間的に余り余裕がないところは、何らかの形でそういう被害者の映像を撮りためていくというような作業は着手してほしいなと。あと、失われる文献を、団体が提供してもらう分には、最後まで団体が保管しているのですから、そんなに急がなくても大丈夫ですけれども、市場にあって、失われつつあるものについて集める作業を何か前倒しでできないのかなというふうなことを今思います。だから、失われていくものについて、ちょっと急ぐものについて、ある程度何かの対策を検討していただきたいなと思います。
〇衛藤座長 ありがとうございました。新しい御提案だと思います。
 そのほかはいかがですか。
〇望月構成員 アンケートをとられるときに、原本の御提供とか、あるいはコピーの御提供とかをしていただけるかどうかという問いかけのところに関連して、それをどういう目的でどういう使い方をし、どういうところで保管・管理をするかという、そういう想定の形を伝えた上でそういう調査をしたのか、ただ漠然と行政の方で集めるから提供してもらえるかという形で調査をされたのか。その辺がどういう問いかけをされたのかがよくわからないので。
〇牧野調整官 お配りしたのは、この資料についている調査票だけです。
〇望月構成員 そうすると、「仮に薬害に関する資料収集・公開等の仕組みができるとした場合、貴団体からどのような資料を提供可能ですか」という質問ですか。
〇牧野調整官 そうです。
〇望月構成員 私は、自分が資料の整理が悪い人で、すぐにどこかへいってしまったりとか、あるのだけれども、どこにあるのかわからなくなるというタイプの人なので、本当は、先ほどから話に出ている貴重な資料が失われて紛失されたりとかしないようにすることと併せて、薬害研究に利活用されるということの2つが、今回、どういう形の研究資料館が想定されるのかわからないのですけれども、その2つは、何かきちんと担保できる形になれるという前提があれば、御回答が余りにも、提供しないとか、一部だったらコピーで提供できるとかという団体が多かったので、今考えようとしている資料を集め、きちんとした保管・管理をしつつ活用していただくという仕組みに対して、うまく趣旨とか御理解をいただけてないのかなとちょっと思ったのですが、実際にアンケートを御回答された各団体の皆さんがどんなふうに考えていらっしゃるのか。
〇衛藤座長 大平さんいかがですか。調査を受けた側の立場として。
〇大平構成員 今御指摘の点ですけれども、1つは、概要がまだ決まっていないこととか、機能としてどういう機能を持たせるかとか、それから、本当に実現可能なのかどうか、そういう規模的なものとか、また、運営の問題とか、これは少し段階的に考えながら進めていかないと、提供できますよと言っても、それが本当に収まるものなのかどうかとか、私たちの考えているものと合うものかどうかとか、そういうものをもう少し議論して、そして、それの中でアンケートをとると。これは多分所在がどうなっているかというのを漠然と聞いたアンケートだと思うのですけれども、それがもう少し煮詰まった段階で、きちんとどういうものが提供でき、そして、どういうものを展示したいですとかという、逆に被害者団体からの提案を聞くようなアンケートをとっていくことも大事かなと思います。
薬害資料館の構想は、被害者全体の共通の課題でもありますので、そこは異論がないと思うのですけれども、どういう形で、本当に実現性のあるような形で私たちの被害を伝えていくことができるか。また、ここの機能には書いてないのですけれども、研究機能というところでは、被害者のいろいろな調査とか、現在生きている患者さんとか、遺族の方のいろいろな調査も、ここできちんとやれるような規模で本当は行っていただきたいなというところがあります。それを含めると、もう少し詳細な議論をきちんと煮詰めて、それに沿った形で皆さんのいろいろなコンセンサスで提供してもらえるものがそこに必然的に集まってくるだろうと私は理解しました。
〇衛藤座長 ありがとうございました。外部の資料を集めつつ、目指す研究資料館の中身も併せて考えていく必要があるというような御意見だと思います。
 ほかにいかがですか。
〇栗原構成員 今日の参考資料は、11月1日資料1抜粋とあるわけですが、前回11月には、私はかなりしつこくお話ししたと思うのですが、「仕組みが有するべき機能」の中の中核として、研究機能、薬害研究資料館というタイトルですから当然ですが、それが抜けているということを残念に思うのですけれども、そこら辺は何かお考えがあってのことだったのでしょうか。単純に、前回資料抜粋ということなのでしょうか。
〇牧野調整官 済みません。単純に、前回資料の抜粋で持ってきてしまいましたので、それは今までの御議論を踏まえて、研究機能が大切という御意見があったことから、このアンケートをしましたので、その研究機能も前提にいろいろ御議論いただければと思います。
〇栗原構成員 前回もお話ししましたけれども、今日、報告いただいた学校での授業の実践についてなどの取組を交流し合ったり、教育の研究を深めるという、そういう場としての機能も求められるのではないか。勿論、薬害事件という発生の構造を解明するとかいうことが、未解明な部分が多いわけですから必要ではありますけれども、教育に関する実践・交流の場などという意義も考えていきたいなと思いました。
 以上です。
〇衛藤座長 ありがとうございます。
 そのほかはいかがですか。
〇望月構成員 先ほど、大平構成員がすごくわかりやすく状況を説明していただいたので、やっぱりそうだろうなと私も感じておりました。研究資料館がどういう形なのかがわからないと、提供できるとそんなに簡単には言えないでしょうし、そこがはっきりすればそこが変わるのかな。さっきおっしゃっていたように、今回、この調査で一番大事なのは、各団体がどういう資料をどのぐらいの量保有しているかということが明らかになることによって、これを集めて、保管・管理し、公表をしたり、あるいは利用者に活用していただける仕組みをつくるとしたら、人的資源とか物的資源とかが、このボリュームの資料を扱っていく上でどの程度必要になるのかというところは1つ考えられる材料になるのかなと、そんなふうに私は今回のアンケート調査を、先ほど大平構成員に言われて考えました。
〇衛藤座長 ありがとうございます。
 まだまだ考えることが多いようです。
〇手嶋構成員 栗原さんが言われたことは、私も思っていたのですけれども、確かにこの参考資料は薬害肝炎としてもそのまま出されているということですが、先々のどういうふうにスケジュールを組まれるのかというのもちょっとお聞きしたいのです。
 それから、こういうアンケートの資料は、研究とかいうのにはちょっと入ってないような感じで、ただ資料だけという感じで。資料も、大平さんが言われるように、どういう薬害研究資料館になるかわからないのに、ただ出してと言う、そういう話だけであったら、そう集まらないと思うのです。薬害研究資料館と言ったら、やはり皆さんで研修するような施設も中に組み込んでいくだろうし、ハンセンの資料館へ行ったときみたいに、直接語り部の人からお話を聴いたりしましたし。だから、そういうのも各薬害が、9薬害がありますので、人的なそういう派遣も、また、DVDも必要だと思います。そのほかにも、私の頭ではまだ発展性がないのですけれども、いろいろなことを今後討議していけるとは思うのですね。ただ資料だけをちょっと在庫で置いておくというふうな資料館ではないので、9薬害もあるので、これを後世に、そして、みんなに、子どもたちに伝えていかないといけない。みんながこの薬害を耳の片隅にでも、目で実際見て、そして、記憶の片隅にも心に残って、絶対に恒久対策の一つとして薬害にならないようにしていかないといけないので、これは必要なことだと思うのですけれども、そこら辺、厚労省の方々、スケジュールとかそういうことをちょっとお聞きしたいのですけれども、どういうふうに考えておられますか。
〇衛藤座長 では、事務局からお願いします。
〇鳥井室長(医薬品副作用被害対策室) 副作用被害対策室長の鳥井でございます。
 スケジュールの前に、資料の提供可能性につきましては、どのような収集・公開の仕組みをつくるかによって変わってくるというのは当然だと思いますので、もう少し検討が進んだ時点で、また、皆様といいますか、資料を保有されている方と御相談をさせていただくことになろうかと思います。そういう意味で、今回のアンケートにつきましては、現段階ではこういうことだという、あくまで仮のものと御理解していただきたいと思っております。
 それから、スケジュールにつきましては、確かにお気がかりなところだと思います。ただ、現段階におきましては、まずは、どういう資料収集・公開の仕組みをつくるかによってかなり変わってきますものですから、あるいは、だれがやるかとか、あるいは、国の予算的なみたいなものもありますし、その辺りをもう少し詰めた上でないとなかなかはっきりとしたスケジュールは残念ながら出せないわけでございますが、引き続き、もう少し検討すべき論点、これも新しくすることも含めまして、皆様の前に提示した上で、少し議論を深めさせていただきたい。その上で、スケジュールを再度考えさせていただきたいと思っております。
〇大平構成員 検討をして議論を深めるのは大変いいことですけれども、それは、先ほど花井さんが言われたように、時間が経過するだけで、それがいつ実現していくかというところになかなか到達しないと思うのですね。ですから、試みのいろいろな段階として1つ、これは全然私案で提案ですけれども、PMDAとかで、こんな形でできるのではないかとか、そういうサンプル的なものをつくってみて、そして、そこで資料を集めていくとか、そういうことを進めていくことでイメージがふくらんでいくのではないかなと思うのですね。何か作業を進めていかない限りは、多分膠着状態のままになってしまうので、手始めに、一番身近なところではPMDAとかそういうところでやっていただければ一番いいのではないかなとは思うのですけれども、これは本当に提案です。
〇衛藤座長 ありがとうございます。
 薬害研究資料館の持つべき機能とか、具体的な形、あるいは、資料をただ集めるだけでなく、先ほど花井さんから映像資料を撮って確保していくというような、そういった提案とか、2番目の議題の資料収集・公開のあり方に関しましては、やや突っ込んだ御提案も出たかと思いますけれども、本日は、時間の関係でそろそろ終わりにしないといけません。このディスカッションはこれからも続けていくべきものでありますので、これを土台にまた少しずつ進めいかなければいけない、ある意味では急がなければいけないところもあるというような御提案もあったと思いますけれども、本日の討議はこれで一応閉めたいと思いますので、また、次回以降、御議論をいただけたらと思っております。
 では、そういうことについてよろしいでしょうか。
 次回の日程等について、事務局から御案内をお願いいたします。
〇牧野調整官 次回につきましては、また、日程調整して、御連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
〇高橋寛構成員 議論は是非続けていただきたいのですけれども、アクションを起こして、資料は使って何ぼだと思うのですよ。使う目的で資料は生かせると思いますので、例えば提案ですけれども、資料館とかというところはこの後やっていけばいいのですが、今現実問題、このパンフレットを生かすという重要な使命があるように今日私は思ったのですね。ですので、これを授業に取り入れるためのビデオなり、最低限の資料を是非集めるというところから、資料の整理のとっかかりができるのではないかと今日思ったのです。
恐らく皆さんが、簡単に言うと、各団体の資料管理者の中にインデックスはあるのですよ。それをどこかにぼーんと持ってきて、もう一回インデックスをつくるといっても、多分大変な作業になると思うのですね。資料保全という意味はあるとは思うのですけれども。そうすると、どこかに移したときに、あの資料はどこへ行ったかというので、保管するときに何かキーワードをつけながら保管をしていくという作業は、多分膨大な作業が起こると思うのですよ。今大事なことは動かしていくことだと思うのですね。先ほど、花井さんが言っているように、前から言ったように、今の皆さんを残すことが最優先ではないかと私は思うのですね。そうしないと、気持ちといいますか、本当の声が消えてしまいそうな気がするのですよ。だから、是非、それを今残しながら活用するという動きをつくっていただければと思いました。
〇衛藤座長 ありがとうございました。
〇花井構成員 次年度も何月ぐらいまでやるかによって、今の話だと、再来年の予算は8月なので、それまでに、例えば具体的に、資料館になるのか、さっきの薬害の教育になるのか知らないですけれども、例えば映像でしたら、ディレクションする委託費用さえあれば、DVDとかはお金かかりますけれども、ユーストリーム部分であれば、コンテンツをつくる予算だけつけてもらえばつくれるのですね。そういうことだったら、この夏までの予算にそれだけ入れれば、それは教育にも使えるし、資料館にもそれを使えることになるので、ちょっとスケジュール的な話ですけれども、もしそういうことが可能であれば、夏までにその辺のところをまとめるとか、そうすると、予算がつけば、一歩でも半歩でも進むというのが行政だと思うので、ちょっとそこも含めてスケジュールを考えていただけたらと思います。
〇衛藤座長 スケジュールに関しての御要望です。事務局の方で、それを引き取って、また、御検討をいただければと思います。
 それでは、よろしいでしょうか。終わりにしたいと思います。
 本日は、長時間にわたりまして、ありがとうございました。本日の検討会は、これにて終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局総務課医薬品副作用被害対策室
TEL 03-5253-1111(内線2718)

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