ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会(第253回) 議事録(2013年10月30日)




2013年10月30日 中央社会保険医療協議会 総会(第253回) 議事録

○日時

平成25年10月30日(水)9:00~11:06


○場所

於 厚生労働省専用15・16会議室(12階)


○出席者

森田朗会長 印南一路委員 関原健夫委員 牛丸聡委員 西村万里子委員 野口晴子委員
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井圭子委員 花井十伍委員 石山惠司委員
田中伸一委員 伊藤文郎委員
鈴木邦彦委員 安達秀樹委員 中川俊男委員 万代恭嗣委員
長瀬輝諠委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
丹沢秀樹専門委員 宮島喜文専門委員 福井トシ子専門委員
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 佐々木医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 診療報酬基本問題小委員会の今後の在り方(案)について
○ 公知申請とされた適応外薬の保険適用について
○ 在宅医療(その4)について〔続き〕

○議事

○森田会長

 皆様、おはようございます。ただいまより第253回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。

 まず委員の出席状況について御報告いたします。本日は、藤原専門委員が御欠席です。また、西村委員、関原委員は、おくれて到着されるということでございます。

 また、局長、審議官も、現在、国会にいらっしゃっているということで、おくれて来られるということでございます。

 次に委員の交代について御報告いたします。嘉山孝正委員、西澤寛俊委員、北村善明専門委員、森清一専門委員におかれましては、1026日付で退任され、30日付でそれぞれの後任として、中川俊男委員、長瀬輝諠委員、宮島喜文専門委員、十河功二専門委員が発令されております。今回発令された委員の方々からは、みずからが公務員であり、高い倫理観を保って行動する旨の宣誓をいただいております。

 それでは、早速でございますが、新しく委員となられました、中川委員、長瀬委員、宮島専門委員から、順に一言ずつ御挨拶をお願いいたします。

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 日本医師会の副会長をしております、中川俊男です。

 1号側の皆さん、公益側の皆さん、何よりも事務局の皆さん、御指導のほど、よろしくお願いいたします。

○森田会長

 ありがとうございました。

 続いて、長瀬委員、お願いいたします。

○長瀬委員

 長瀬でございます。ひとつよろしくお願いいたします。

○森田会長

 宮島専門委員、よろしくお願いいたします。

○宮島専門委員

 宮島でございます。よろしくお願いいたします。

○森田会長

 ありがとうございました。

 また、委員の異動に伴いまして、小委員会及び部会に属する委員につきましても、異動がございます。

 小委員会及び部会に属する委員につきましては、中医協の承認を経て、会長が指名することとされております。委員のお手元に新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある小委員会及び部会の名簿の案をお配りしてあると思います。

 この案について、御承認いただければ、このとおり指名したいと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○森田会長

 特に異議がないと思われます。ありがとうございました。それでは、そのように指名させていただきます。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 まず初めに「○診療報酬基本問題小委員会の今後の在り方(案)について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 それでは、資料中医協総-1をごらんいただきたいと思います。「診療報酬基本問題小委員会の今後の在り方(案)」でございます。

 まず最初に設置の趣旨等が書いてございます。

 「(1)目的」のアでございます。経緯でございますが、平成3年7月に診療報酬に関する多岐にわたる基本的諸問題について、中長期的観点に立ち、幅広い視点から論点整理を行い、あらかじめ意見調整を行うため、中医協に診療報酬基本問題小委員会(以下「基本問題小委」という)を設置したということがございます。

 その下の参考に書いてございますが、総会は中医協の最終的な意思決定。

○森田会長

 医療課長、済みません。

○白川委員

 済みません。1号側に資料が全くございませんので、ちょっとお待ちいただけますか。

○森田会長

 済みません。1号側に資料がないということです。向こうもないそうです。

○宇都宮医療課長

 済みません。失礼しました。

○森田会長

 事務局、急いで資料を御用意していただけますか。

○宇都宮医療課長

 それでしたら順番を変えて、資料中医協総-2などはございますか。

○森田会長

 資料中医協総-2があるならば、公知申請の適応外薬のほうを先にやりましょう。

○宇都宮医療課長

 中医協総-2はございますか。

○森田会長

 中医協総-2の資料はございますね。わかりました。

 失礼しました。それでは、議題2から先にいきましょう。「○公知申請とされた適応外薬の保険適用について」。これは報告事項でございますけれども、これを議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。薬剤管理官、どうぞ。

○近澤薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 それでは、中医協総-2をごらんください。「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」でございます。

 こちらのほうは、従来より、薬事・食品衛生審議会で事前評価が終了し、公知申請して差し支えないとされたものについては、保険適用を受けております。

 2の(1)でございますが、1018日開催の薬食審第二部会において、事前評価が終了して、同日付で保険適用されたものとしまして、以下のようなものがございます。

 バンコマイシン塩酸塩。適用は右側の丸1丸2のようなものの追加。

 組み換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)は、右側にあるような、下線を引いたところの変更をしております。

 おめくりいただきまして、乾燥抗HBs人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン。先ほどのB型肝炎ワクチンと併用するグロブリン製剤でございますが、こちらのほうも、右側にあるような用法・用量の変更が、適用外ということで、公知申請して差し支えないということになっております。

 続きまして(2)でございますけれども、28日の薬事・食品衛生審議会の第一部会において、事前評価が終了しております。パミドロン酸二ナトリウム水和物ということで、こちらのほうは、骨形成不全症に保険適用が認められております。

 それぞれ18日付、28日付で保険適用されております。これは事後報告でございます。

 以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。

 特にございませんので、本件に係る質疑はこれぐらいにいたします。

 資料のほうは、まだでしょうか。

(資料「中医協 総-1」配付)

○森田会長

 皆さん、お手元に届きましたでしょうか。

 それでは、もう一度、医療課長、お願いいたします。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 大変失礼いたしました。

 それでは、中医協総-1でございます。

 1の「(1)目的」に経緯が書いてございますが、平成3年7月に診療報酬に関する多岐にわたる基本的諸問題について、中長期的観点に立ち、幅広い視点から論点整理を行い、あらかじめ意見調整を行うため、中医協に診療報酬基本問題小委員会を設置したということでございます。

 その下の参考に書いてございますが、総会は中医協の最終的な意思決定。

 小委員会は、特定の事項について、あらかじめ意見調整を行うため、中医協に設置。支払い側委員と診療側委員は同数となってございます。

 「(2)委員構成の変遷」とございますが、平成3年の発足当初、支払い側、診療側、公益、それぞれ4名でございましたが、15年に看護の専門委員の追加、19年に法改正による公益委員の増に伴う委員の追加がございました。21年に現行の体制となったわけでございます。

 「(3)現行の体制とした理由」を書いてございます。総会の委員とほぼ同一になったわけでございます。

 (ア)でございます。基本問題小委において、診療報酬本体の改定の原案づくりを行うに当たって、できるだけ幅広いバックグラウンドの委員の意見を反映するため。

 (イ)それまで基本問題小委で審議した内容をまた総会で説明した上で審議していたが、ほぼ同一の委員とすることにより、総会の審議を効率化するためということでございます。

 ただ、このとき、特殊な事情がございまして、下の※に書いてございますように、平成2110月の委員交代に際しまして、中医協が1カ月間開催できなかったことがございまして、一番佳境に入る時期に1カ月開催できないということで、平成22年度の改定まで時間がなかったという状況がございます。24年のときには、このままの体制で、総会で行ったということでございます。

 1枚おめくりいただけますでしょうか。2ページでございます。今後に向けての案でございます。

 失礼いたしました。その前に3ページに関連組織の図がございます。

 一番上に中央社会保険医療協議会総会がございますが、真ん中に小委員会と書いてございます。特定の事項について、あらかじめ意見調整を行う必要があるとき、中医協の議決により設置とあります。

 その左側のほうに、診療報酬基本問題小委員会とございます。今、御説明したようなことがございますが、その下に開催の回数がございます。平成19年、20年、21年、これらについては、あらかじめの意見調整などということで、改定の年には二十数回、改定の直後の年には10回という感じでございますが、22年度、23年度は0回、24年度は5回というように、議論の中身がほとんど総会と同じでございます。

 右側の括弧に総会の回数がございますけれども、基本問題小委を開かずに、総会で議論してしまったという経緯があるところでございます。

 お戻りいただきまして、2ページでございます。こういった状況でございますが、先ほど申しましたように、平成22年度のときには、特殊事情もあったということでございますけれども、これを今回見直してはどうかということで、案を示させていただいております。

 (1)でございますが、来年度の改定に向けた議論。

 これにつきましては、アに書いていますように、これまで総会、専門部会、分科会を中心に議論を進めてきている。

 これから、改定の議論が本格化する中で、基本問題小委で診療報酬本体の改定の原案について議論した上で、ほぼ同一の委員からなる総会でまた議論を行うことは、効率的ではないと考えられる。

 そういうことで、26年度の改定に向けた議論については、前回改定と同様、基本問題小委ではなく、総会で議論することとしてはどうかということでございます。

 (2)は来年の改定以後についてでございますけれども、基本問題小委については、総会とは別に論点整理を行い、あらかじめ意見調整を行うことができるよう、平成19年の体制に戻すこととしてはどうかということでございます。

 その上で、基本問題小委における検討事項について、次のような観点から、改めて整理することとしてはどうかということでございます。

 診療報酬本体の改定の原案について、基本問題小委で議論した上で、当該原案を総会で議論する。

 基本問題小委で議論する中長期的な課題については、既存の分科会との役割を整理した上で、平成24年7月18日の基本問題小委に提出された、支払い側委員の意見や診療側委員の意見、平成26年度診療報酬改定に向けた議論等を踏まえて整理するということでございます。

 参考として、4ページは、今回の委員変更に伴う小委員会の名簿。

 5ページは、21年の現在の小委員会の形にしたときの遠藤会長の御発言。

 6ページと7ページは、今、最後に御説明しました、平成24年のときの支払い側、診療側の意見をつけているところでございます。

 説明については、以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、御質問、御発言等がございましたら、どうぞ。

 安達委員、どうぞ。

○安達委員

 幾つか確認だけさせていただきます。

 3ページですけれども、今の御提案だと、それぞれの分科会の報告というのは、まず基本問題小委員会で討議をされて、総会に上がってくるという手順になるということでよろしいでしょうか。確認のための御質問です。

 もう一つは、基本問題小委員会と総会の人数が違う。それぞれの人数の数は別にして、同数でやることは意味がないというのは、そのとおりだろうと思いますので、いいと思いますけれども、基本問題小委員会で一定の原案結論を得て、総会に上げられた場合、総会でその他の委員の御意見等によって、基本問題小委での原案決定を覆すということもあり得るか。

 この2点の確認の御質問です。

○森田会長

 医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 1点目でございますが、分科会で議論されたものについて、現在はそのまま総会にきていますけれども、基本問題小委で御議論いただいて、それから総会という順番になるかということでございますが、それについては、そのとおりでございます。そういった順番になるということでございます。

 2点目の基本問題小委で議論した結論について、総会で覆ることがあるかということでございますけれども、先ほど御説明申しましたように、基本問題小委では、あらかじめ意見調整を行うということですので、基本的には基本問題小委の結論が総会でも承認されるような形になるとは思いますが、総会ではメンバーが加わるということでございますので、修正されるということは当然ございますし、また、場合によっては、基本問題小委の中で、支払い側、診療側の意見が一致せずに総会に上がってきたときに、小委とは違った結論になることもあり得るということではございます。

○森田会長

 よろしゅうございますか。

○安達委員

 ありがとうございます。

 もう一点だけ確認させていただきますが、この位置づけですと、基本問題小委だけの単独開催という日程も組まれると理解してよろしいですね。

○森田会長

 医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 さようでございます。

○森田会長

 よろしゅうございますか。

○安達委員

 ありがとうございます。

○森田会長

 ほかにいかがでしょうか。中川委員、どうぞ。

○中川委員

 今と同じ種類の質問ですが、1ページの(3)の(ア)になりますけれども、基本小委と総会でメンバーが同じだということのいい面は、できるだけ幅広いバックグラウンドの委員の意見を反映するためとあります。人数がふえたということは、それがよかったんですね。揚げ足を取るわけではないですけれども、絞るということは、できるだけ幅広いバックグラウンドの委員の意見を反映しなくなるのかという心配があります。

 3ページの今のものをごらんください。基本小委での結論が総会で覆ることはあり得るという医療課長の御返事ですが、専門部会はどうでしょうか。例えば薬価専門部会であるとか、検証部会などでの結論が、総会で覆ることがあってもいいという考えですね。いかがですか。

○森田会長

 医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 3ページにございますように、診療報酬改定結果検証部会以外については、支払い側、診療側、公益側ですけれども、それぞれのサイドから、委員が出ておりますので、ある程度事前の意見調整という側面はあるものと思っておりますので、基本的に専門部会の結論は総会では覆るものではないと思います。ただ、先ほど申しましたように、状況によっては、専門部会の中でも合意が得られなくて、そのまま総会にきたというケースについては、あり得るということでございます。

○森田会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 私が心配しているのは、基本小委の人数を絞ったことです。専門部会もそうですが、総会というのは、承認が主な機能になってしまう、形式的なものになってしまうのではないかという心配があるんですが、その辺のところは、よくよく注意をして、考えていただきたいという要望でございます。

○森田会長

 ありがとうございます。

 万代委員、どうぞ。

○万代委員

 私も全く同意見でございます。今の課長の説明ですと、基本問題小委で特に分科会の議論を調整して、総会に報告して、その上で承認という形になりますと、総会そのものの意味が、分科会に関する議論についてほとんどなくなってしまうということと、それで人数を絞るということになりますと、中川委員がおっしゃるように、幅広い議論が制限されてしまうことになりかねないと危惧しますので、このところは、そのまま素直に認めるわけにはいかないと思います。効率的に審議するということは大賛成でございますけれども、それとこれとは別だと思っております。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。白川委員、どうぞ。

○白川委員

 小委員会、専門部会、分科会と総会の関係について、2号側から幾つか指摘がありましたし、必要であれば、総会でさらに議論を深めて、内容を一部修正するということは、総会が最終的な決定機関でございますので、当然あると思います。

 ただ、消費税分科会の提案に対して、消費税分科会に属している総会の委員から、それを覆すような発言があったことが、ずっと心の中にとどまっておりまして、申し上げたいのは、専門部会、小委員会あるいは分科会で幅広い見識をお持ちの先生方が議論をして、一定の結論を出した。そういう事実は尊重した上で、総会でさらに議論を深めるというスタンスだけは、私自身の自戒も込めて、委員としては守っていくべきだということをあえて申し上げたいと思います。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ほかによろしいでしょうか。

 それでは、特に御発言がないようですので、本件につきましては、こういう方針でいくということで、承認をしてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○森田会長

 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明のありました件については、中医協として、この方針を承認するということにしたいと思います。

 2番目のアジェンダは既に終了いたしましたので、本日最後のアジェンダになりますけれども「○在宅医療(その4)について〔続き〕」を議題といたします。

 この議題につきましては、前回1023日からの続きでありまして、中医協総-3「在宅医療(その4)」の「1.機能強化型在宅療養支援診療所・病院の要件等について」~「3.在宅医療における注射薬や衛生材料等の提供」の部分までは、既に議論を行っておりますので、本日は残りの項目について、議論をお願いしたいと思います。

 本日も大部ですので、項目を2つに分けまして、まず「4.在宅医療における薬剤師の役割」と「5.在宅歯科医療」について議論いたしまして、その後で「6.在宅医療における患者紹介等の事例」と「7.在宅医療を専門に行う保険医療機関」を議題としたいと思います。

 資料の説明は、先日行われておりますので、早速、質疑に入らせていただきたいと思います。

 それでは、まず最初のパートですが「4.在宅医療における薬剤師の役割」「5.在宅歯科医療」、資料でいいますと、93ページから128ページまでに相当いたしますけれども、これにつきまして、御質問、御発言等がございましたら、手を挙げていただきたいと思います。

 最初に石山委員、どうぞ。

○石山委員

 4の項目で1点教えてください。スライドの105109の関係です。

 スライドの105で、夜間・休日の開局という話題が載っておりますけれども、救急とかいろいろなケースがあると思うんですが、こういうニーズは具体的にあるんですか。ここでは、あくまでアンケート上で24時間開いていただいたほうがありがたいということを患者が回答したということであって、本当に実需としてあるのかどうかは、はっきりしません。その辺は調べたことはございますか。

○森田会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○近澤薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 こちらのほうは、あくまでも薬局に来ていただいた患者さんにオープンでアンケートをとって、望むものは何ですか、薬局に求める機能は何ですかという形でとっただけですので、具体的事例、こういうことがあってということではなく、あくまでも休日・夜間に開局していれば望ましいということの単なる回答でしかございません。

○石山委員

 逆に三浦先生にお聞きしたいんですけれども、こういうケースはあるんですか。

○森田会長

 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員

 私どもも在宅をやっている薬局から、いろいろと情報を収集したり、実際にアンケート調査をしたりしています。その中で、在宅を行っている薬局において、実際、夜の9時以降に緊急の対応をしてくださいというのは、年に数回あるかないかだと聞いています。

 実際問題として、これは在宅だけにかかわらず、私たちも24時間電話等で相談応需をしています。場合によっては、薬局のシャッターを開けるということも、対応の仕方としては考えていて、形態を持っています。24時間対応している薬局も非常に多いんですが、実際に調剤を行うということは、年に一度、二度あるかないかというのが現実ではあります。

○森田会長

 石山委員、どうぞ。

○石山委員

 ありがとうございました。

 実需の面で見たら、滅多にないという理解でよろしいわけですね。

○三浦委員

 はい。

○石山委員

 わかりました。

○森田会長

 安達委員、どうぞ。

○安達委員

 その話が出ましたので、関連で一言だけコメントさせていただきます。石山委員が御指摘になった105のスライドの下のブルーの濃いものが患者さんのアンケート結果で、夜間・休日の開局を望む方が患者さんは結構おられるということです。

110ページは、論点として、24時間対応の評価、あるいはそれを規定するという提案があるわけですけれども、患者さんが夜間・休日に薬局が開いていることを望むというのは、医療保険制度の中での薬局の役割の話なのかどうかということは、極めて曖昧なのではないかと思います。むしろ、医療保険の中で、薬局が夜間対応してくれることを望むのは、在宅医療をやっている医師がほとんどなのではないか。確かに余り頻度がないということは、我々も実感として思います。

 注射薬は大体処方箋を出していても、医療機関は持っていますが、内服薬は調剤化しているところがある。緊急で往診に行った結果、内服薬が緊急で必要な場合というのは、確かに可能性としては存在するわけで、そういうことがあれば、それは医療保険の世界です。だけれども、患者さんが夜間に開いていることを望まれるのは、別の理由ではないかと思いますので、こういうところで、わざわざ赤線でこれを囲って、あたかもこれが理由であるかのようにして、110ページの提案が出てくるということは、この2つのデータの使い方、読み方は違うのではないかという異論は感じますということだけ、関連で申し上げておきます。

 鈴木先生、済みません。

○森田会長

 鈴木委員、関連してですね。どうぞ。

○鈴木委員

 関連もございますが、110ページの論点のところにあります地域の薬局との連携を図りつつ、単独の薬局による対応を原則としてはどうかというのは、意味がよくわからない文章です。単独がメーンなのか、地域の薬局との連携がメーンなのかがよくわからないのです。今のような話を具体化していく場合、単独がメーンなのか、それとも地域との連携がメーンなのでしょうか。

 話によりますと、人口200万ぐらいの市で3カ所ぐらい開いているところもあるようですが、だからといって、残りの何百カ所も、連携に入っていれば、全部同じように評価するということになると、それは難しいのではないかという話になりますし、その辺はもう少し具体的に見えてこないと、議論が進まないのではないかと思います。

 別のところでございますが、95ページでございます。薬剤師による一層の在宅の推進が求められるということですが、これは前にもお話しましたけれども、94ページのタイトルを見ますと、薬局におけるということで、調剤薬局に限定された話になっておりますが、ここでは薬剤師ということになっておりますので、これは病院や診療所の薬剤師の在宅の推進も求められると理解してよろしいのかどうかを、確認させていただきたいという質問がございます。

 それから、103ページでございます。在宅を実際に行っている保険薬局の情報を提供することが、特定の保険薬局への誘導の禁止に反しないことにしてはどうかということのようですが、例えば複数そういった機関があれば、そのリストを示して、この中から選んでくださいというのはいいと思いますが、複数ある中で、ここに行きなさいというのは問題だと思いますし、結果的に1カ所しかなければ、リストを示せば、そこだということにはなるんでしょうが、そういったことで、今まで特定の薬局を指示することを厳しく制限しておきながら、こういうときには認めるというのは、整合性に欠けると思いますので、この辺の要件等は、しっかり議論していただきたいと思います。

 以上でございます。

○森田会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 先ほどの105番に戻らせていただけますか。薬剤管理官にお聞きしたいんですが、繰り返しになりますが、赤枠をつけた意味は何ですか。

○森田会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○近澤薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 今回、在宅で薬剤管理業務を充実させるところをメーンにしておりますので、ここでポイントして挙げたいのは、24時間対応する体制という意味では、夜間・休日の薬局の対応として、薬局自身が対応するという意識が低いということを強調したいというのが、ここでのポイントとして、赤枠でくくっているということでございます。

○森田会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 管理官、その1つ上の在宅業務というところを見てください。患者さんが薬局に求める機能で、数パーセントしかないんです。薬局側が考えている在宅業務は60%もあります。このギャップは何かということをまずお考えいただきたいということです。

 それから、上のほう、OTCの販売、OTCに関する相談というのは、こんなに高くあります。そうすると、※1はOTCに関する相談がメーンだと考えるのが普通ではないですか。もちろん安達委員が言ったように、夜間・休日に在宅したときに、内服薬がないというケースはあると思いますが、主にはこちらのほうだと考えるのが、自然な発想ではないでしょうか。赤枠を根拠に110番で評価をしてはどうかというのは、かなり無理筋だと思います。ぜひお考え直しいただきたい。

○森田会長

 薬剤管理、どうぞ。

○近澤薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

105ページのギャップに関しましては、まさに御指摘のとおりでして、薬局あるいは薬剤師がやっている在宅業務が、患者さんになかなか伝わっていないということもありますので、そういう意味では、これから情報提供などを充実させて、もっと在宅業務に力を入れるようなことを考えていきたいと思っております。

OTCに関しては、まさにそのような御指摘があるのではないかと思っております。最終的に110ページなどの論点に書いてございますのは、在支診なども含めて、24時間対応するということを、薬局の在宅業務としてもっと取り上げてほしいという意味で挙げておりますので、105ページに赤枠でくくったことだけで、論点として、こういう方向性を出しているわけではありません。全体的に薬局でやってもらいたいことということで、書いてございます。赤枠の解釈につきましては、中川委員が言われるとおり、拡大的な意味もあるということで、そこは間違えないように、今後、説明したいと思います。

○森田会長

 三浦委員から手が挙がっております。どうぞ。

○三浦委員

 先ほど鈴木委員からもお話があったと思いますが、スライド95であります。これはチーム医療の推進に関する検討会の報告書の中で、医療技術の進展とともに、薬物療法が高度化している。薬剤師が主体的に薬物療法に参加することが有益であるが、在宅医療を初めとする地域医療においても、薬剤師が活用されていないということで、話の流れが始まっていると理解しています。

 その下の薬剤師が十分に活用されていない業務を改めて明確化して、活用を促すべきであるということについては、病院の薬剤師も同じではないかと思います。

96ページでありますが、在宅患者訪問薬剤管理指導の実施をどのぐらいしているかということで、手を挙げている、届け出を出している薬局は4万2,000程度あるけれども、実際にそういう業務を行っているところは4,000薬局程度であるということです。

97ページにおいては、そうはいっても、介護のほうでは、在宅も多少進んでいるということです。

 スライドの99、これまで以上に、在宅業務を実施している薬局の周知の仕組みをつくるべきであるということについては、私たちもそのとおりだと思っています。

 先ほどの103ページの論点でありますけれども、○の上のほうですが、在宅患者訪問薬剤管理指導を実施する意向がある薬局について、何らかの方法でこれをきちっとお知らせしていく必要があるということは、私どももそのとおりだと思います。

 その後、文書及び口頭にて情報提供することと書いてありますけれども、文章等について、いろいろな方法でお知らせしていくというのは、そのとおりだと思いますが、全ての患者さんに口頭でやっていますと、例えば20歳の方が風邪を引いて、薬をお渡しするときには、かえって失礼に当たる場合もあるかと思いますので、そこはTPOをきちっと考えてやったほうがいいという気はしています。

 その下のほうですが、保険医療機関において、処方箋の交付にあわせて患者に保険薬局の地図を配付する際に、情報提供することについてどうかということでありますので、これは患者さんによる薬局の選択がもちろん大前提でありますが、実際に東京都内でも幾つかの区で、医師会と薬剤師会あるいは行政等がタイアップしながら、そういうマップをつくって、幾つかの薬局で、こういうところがちゃんと対応できますということがわかるようにしています。そういう地図であれば、特定の保険薬局を誘導するものでなければ、問題はないのではないかと考えております。

 それから、スライド110の論点でありますが、24時間対応については、先ほどからいろいろと御指摘等がありました。実際の対応ですが、夜の9時以降については、回数はそれほど多くはないけれども、きちっとした対応ができるような状況をつくっておくことにおいては、連絡があればちゃんと対応できるということは、ぜひ必要であると思います。

 その前の107ページ、108ページにありますけれども、在支診のところの要件に準ずるものであるとすれば、私たちもそういうことに対応していかなければならないというのは、理解できる、問題ないのではないかと思います。

 例えば108ページの下に在支診があって、右横に薬局が書いてあります。これはかかりつけ薬局機能と私どもも呼んでおりますので、常に対応できる体制を整えておくことについては、このとおりではないかと思います。

 論点の2つ目、また、医師以外に、訪問看護師やケアマネジャーへの情報提供について、規定することとしてはどうかということでありますけれども、重要なことは、関係職種間による相互の情報共有だと思います。いろいろな情報共有の仕方があるかと思います。実際に患家に備えつけてある連絡ノートなどを活用することも、1つの有効な手段ではないかということもありますので、その辺もあわせて今後考えていくべきではないかと思います。

 私からは以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 最初の私の質問は三浦先生にはお答えいただいたのですけれども、近澤さんにはお答えいただいていません。それが1つです。

 もう一つ、先ほどの110ページの論点、地域の薬局との連携ということなのですが、実際の状況を考えてみますと、病院の薬剤師から調剤にそういった依頼をすることもあり得ると思いますので、病院の薬剤師も可能であるとすべきだと思います。

 この2点についてお答えいただきたいと思います。

○森田会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○近澤薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 鈴木委員から御指摘のありました、95ページのところですけれども、病院の薬剤師もどうなのかということで、病院の薬剤師も当然在宅の診療報酬がございますし、チーム全体として、薬剤師がやるべきところをしっかりやっていただくということでは、病院の薬剤師にももちろんやっていただいています。

 あと、病院の薬剤師に関しては、病棟業務もございますので、その充実も含めて、チーム医療の中で、貢献していただきたいと考えております。

 それから、110ページの地域の薬局との連携を図りつつということですけれども、地域の事情によっては、病院の薬剤師と実際に退院する前にカンファレンスを一緒にやって、退院した後、薬局が診る。あるいは1回目は病院の薬剤師さんが在宅を診て、その後を引き継ぐということがございますで、こちらの連携も状況にあわせて視野に入れていきたいとは考えております。

○森田会長

 花井十伍委員、どうぞ。

○花井十伍委員

105のスライドにおいて、患者からの在宅業務への期待に落差があるという指摘があって、これは現状を反映しているということで、よくわかるんですが、例えば110のスライドで、課題と論点が載っています。

 ここから質問と意見なんですが、今、病院でのチーム医療において、薬剤師さんのありがたみというのが、かなりわかってきている過渡期にあるとは思うんですけれども、1つは電カルの影響も大きくて、電子カルテによって、各チームで患者さんの状態を共有しているというところが、結構大きいと思います。

 ところが、在宅になりますと、様子が違ってくるところがあるので、患者からすると、情報の共有という意味においては、在宅のチーム医療における、ナースであって、薬剤師さんであったり、かかりつけ医であったり、また、後方支援病院の薬剤師さん、お医者さんという人たちに、服薬状況とか、そういうものを把握してもらっているということに安心感があるので、病院のチームのように、濃密な感じでは難しいんですが、基本的にはアナロジーの形で、在宅もチーム連携していただくのが、患者からは一番いいだろうと思います。

 一部、取り組みとしては、患者さんの同意を得て、病院が薬局に患者の検査データを提供しています。現状はこれもばらつきはあるんです。しかしながら、やっているところはそれを十分にそしゃくして、連携をとっているケースも一部あるようです。そういったことが進められていくと、薬剤師さんがかかわってくれることの価値がわかってくるという側面もあるかと思うので、105のスライドの落差というのは、私としてはエールを送って、今後、期待します。それに応えられるかどうかというのが、問われていると思います。

 質問ですが、今、言った観点から、現状、紙で書くと情報共有となるんですが、これは評価するとか、しないという問題とは別に、在宅において、例えば患者さんの検査結果であるとか、場合によってはカルテかもしれませんが、そういう情報の共有とか連携というのは、現状どの程度まで進んでいると、事務局としては認識されているかということを質問したいと思います。2号側の先生方も実情を知っていれば、教えていただけたらと思います。

 以上です。

○森田会長

 まず事務局からお願いできますか。医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 具体的にどのぐらい進んでいるという数字までは把握してございませんけれども、今もちょっとお話が出ていましたが、例えば患者さんのベッドサイドにそれぞれの職種がみんなで記入していくような手帳というか、書き込んでいくカルテのような、そういう形で情報共有をしているケースもあれば、また、今、病院の電子カルテのお話が出ましたけれども、タブレット型のパソコンなどを使って、情報を完全にIT化して共有しているという地域も聞いたことがございます。ですから、それぞれの地域で、まだアナログ的なところ、あるいはかなり電子化が進んでいるところ、いろいろあるとは思うんですけれども、それなりに工夫して、情報共有はなされているのではないかと思ってございます。

○森田会長

 よろしいですか。

○花井十伍委員

 これは意見ですけれども、ある種ITというのは重要になってくるところもあると思います。一部、今、おっしゃられた事例は、西日本のほうで聞いてもいますし、そこは患者さんからも好評と聞いていますので、そういう方向性も踏まえて、本当の意味で、在宅でもチーム医療という形が患者さんに提供できるような方向で、今後いろいろ検討いただけたらと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 花井圭子委員、どうぞ。

○花井圭子委員

103のスライドです。質問と意見ですけれども、下の論点の2つ目の○のところです。地図を配付する際に、管理指導を行う保険薬局の情報を提供すること等については、とありますが、地図といった場合、イメージが湧きません。先ほど鈴木先生もおっしゃいましたが、地図の中には、特定の薬局だけなのか、あるいは地域の薬局が全部書いてあって、その中で、在宅患者訪問薬剤管理指導を行うことをつけ加えるという意味なのか。それが1つです。

 それから、特定の保険薬局への誘導の禁止に反しないことを明らかにしてはどうかとありますが、誘導の禁止に反しているか、反していないか、どこでチェックするのか疑問としてあります。、誘導を禁止した経過とか、そこを尊重すべきではないかと思いますので、その辺りをもう少し詳しく教えていただければと思います。

 以上です。

○森田会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○近澤薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 誘導の経緯は、医療機関からどこどこの薬局に行ってくださいという形で、そもそも指定をされて行くということで、患者さんが自分で薬局を選ぶことができないような状況になっていることがあるので、そうではなくて、自分の好きな薬局に行けるように、要するに医療機関と薬局が連携して、最初からそこの薬局に行って、調剤をしてもらうんだということがないようにするのが、そもそもの目的だったと思います。

 今回ここに書いてあるのは、全体的にイメージしているのは、先ほどもお話がありましたように、地域の医師会と地域の薬剤師会が連携して、地域医療として取り組むことになるので、そういう意味では、市の単位なのか、町の単位なのかはわからないんですけれども、そちらの中で、薬局の地図などを配付するわけですから、その中に、特に在宅をやれるような薬局はこういうところですと書いておくと、患者さんとしては、近いところ、あるいは今までやっていたところは、在宅ができるのかどうかということがわかって、在宅にいくことに関して、もう少しスムーズにできるようにということを考えて、このようなことを記載させていただいております。

○森田会長

 このパートですけれども、ほかにいかがでしょうか。特に御質問がないようでしたら、次の項目に移りたいと思います。

○堀委員

 会長、済みません。歯科のほうもよろしいですか。

○森田会長

 どうぞ。

○堀委員

 歯科の資料に沿って、何点か発言させていただきたいと思いますし、必要なところは、事務局からも御説明を頂戴したいと思います。

117ページでございます。支援診療所の施設基準が書いてありまして、ここのところについて、歯科としましても、支援診療所の割合がまだ少ないということで、さらにこれを充実して、在宅歯科医療を推進する方向性については、賛成をしております。

 その上で、この施設基準について、2点ほど問題意識がございます。

 まず5番目の要件でございますが、後方支援の機能を有する病院歯科との連携ということが要件になっておりますが、地域によっては、診療所と病院歯科の距離があるために、なかなかこの連携がとれない、要件をクリアできないことがありまして、地域による支援診療所のばらつきが出てくる原因の1つだろうと思っております。

 3番目の要件であります、歯科衛生士の配置は、以前にも御指摘しましたが、充足状況が十分ではないということで、意欲はあってもできない診療所も多いということです。支援診療所の仕組みができてから、時間が経ちました。支援診の役割や機能の検討を進める中で、必要な施設基準の変更等についても、見直しを検討する必要があるのではないかという問題意識を持っております。

120ページは歯科訪問診療を行う際の問題ということで、ここも2点ほど意見を申し上げたいと思います。

 ちょうど真ん中辺りのグラフで、医療保険と介護保険、いずれも請求の確認等事務処理が困難という回答が40%前後ございます。我々の認識では、介護保険優先という考えに縛られ過ぎていて、特に給付調整の部分でわかりにくいところがあると思っておりますので、今回の改定におきましても、少し整理をお願いしたいと考えております。

 それから、この前の改定と同じなんですが、時間、コストの問題が多く出ておりまして、歯科の場合は、在宅において、管理加算の評価等も少ないということで、地道に行う在宅診療が不採算になりやすいと考えております。積極的に在宅に参加できるような、さらなる評価を求めたいと思っております。

123ページは、過剰な訪問診療ということで挙げられているデータだと思っておりますが、基本的に日本歯科医師会としても、こういった不適切な事例であるとか、後ほど出てきますが、過剰な診療については、一貫して排除するべきであると申し上げておりました。その方向は基本的に変わらないところで、それを踏まえた上で、数字の出し方について疑問があるということを申し上げます。

123ページに、アンケート調査の結果、1日歯科医師1人当たりの数が120人という、あり得ない数字が出てきているということであります。これだけの数字になりますと、例えば1年分の数字と1カ月の数字を記載間違えしたのではないかとさえ考えられますし、こういったアンケート調査の外れ値をもって、診療報酬でどうするかという議論にいくのは、ちょっと乱暴ではないかと思っております。こういったケースは、以前から申し上げておりますが、個別に調べていただいて、対応するべきではないかと思っております。

 それから、120人という数字なんですが、122ページの数字、1医療機関の1カ月の2,400件という数字を単純に1カ月20日で割って、1日120人と出していますので、正しくは1医療機関当たりの数が120人のはずなんですが、なぜかこのページでは歯科医師1人当たりになっているということです。例えば医療機関に10人歯科医師がいれば、1人当たりは12人、これも私は多いのではないかと思いますが、そういったことが正しい表記だと思いますので、この辺りは、出し方についても、いかがなものかという気がいたしております。診療報酬で云々という前に、こういったことは個別に確認して、その結果による対応をお願いしたいと思っております。

125ページでございますが、これは以前の中医協の議論でも御指摘申し上げましたが、在宅の歯科で本来密接に連携をしたい、医科の在宅現場あるいは訪問看護の現場からの紹介が乏しいということで、毎回この結果が出ております。

127ページにあるとおり、訪問診療に歯科が加わることで、口の中だけではなくて、全身的な状況の改善にも資するという知見があります。今回の改定では、そういったことも踏まえて、医科の在宅医療、あるいは訪問看護から、積極的に歯科と連携をとっていただくようなインセンティブなど踏み込んだ工夫をお願いしたいと思っております。

 それから、以前、花井圭子委員から、連携が進んでいる地域の実例の資料を出してほしいという御要請がありまして、今、作業を進めております。機会を見て、中医協に御提出をしたいと思っております。

 最後に128ページの課題と論点で、2点ほど申し上げたいと思います。

 課題の(1)につきまして、主として在宅とありますが、これは居宅の誤りではないかと思います。後から確認をお願いしたいと思います。在宅を中心にする歯科訪問診療を実施している支援診療所に特化して、これを評価するとありますが、居宅を中心に在宅を頑張っている支援診以外の診療所もあります。そちらの評価もあわせて、これはぜひ検討をお願いしたいと思っております。

 最後に論点(3)でありまして、ちょっと意味がわかりかねるところがございますが、基本診療料を算定することをどう考えるかとあります。訪問診療では、基本診療料を算定しない原則だということを言われているのではないかと思いますが、歯科の場合、医科と違って、訪問診療の仕組みはありますが、往診の仕組みがありません。したがって、そういった特徴も踏まえて、このところは慎重に議論をお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 これにつきまして、歯科医療管理官、どうぞ。

○田口歯科医療管理官

 歯科医療管理官でございます。

 最後の論点のところで、主として在宅という書き方になってございますけれども、歯科の訪問診療料には、時間と建物での人数で区別をさせていただいております。

 例えば歯科の訪問診療Iの場合、集合住宅のようなものでも、1人の患者に対して訪問診療を行った場合には、居宅扱い、訪問診療Iの算定になります。ここは言葉の定義が非常に難しいところでございますけれども、あえてここでは在宅という形で、まとめさせていただております。

 (3)の基本診療料を算定するということでございますけれども、現在、20分未満の場合には、基本診療料を算定して、歯科の訪問診療料は算定できないという形になってございます。算定告示上で20分未満の場合、基本診療料で算定する旨の規定等がないということもございますので、20分未満の歯科訪問診療を実際に行った場合には、新たに訪問診療の類似型をつくった上で、対応できないかどうかということで、この論点を提示させていただいたということでございます。

 以上でございます。

○森田会長

 堀委員、よろしゅうございますか。

○堀委員

 確認ですが、課題と論点に書かれています、主として在宅という意味は、居宅という理解でよろしいですね。

○田口歯科医療管理官

 はい。

○堀委員

 わかりました。

○森田会長

 ほかにいかがでしょうか。

 特に御質問がないようですので、次の項目に移りたいと思います。

 「6.在宅医療における患者紹介等の事例」と「7.在宅医療を専門に行う保険医療機関」について、資料で申し上げますと、129ページから最後のページまででございます。

 これにつきまして、御質問、御発言がありましたら、どうぞ。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 前回、総論を申し上げさせていただきましたが、在宅は最先端のところをどんどん上げていって、東京スカイツリーのようにするのではなくて、裾野を広げていって、富士山のようにしていく必要があると思います。裾野が広いほど、上は安定するというのが一般的な考え方ですので、ぜひそのような方針で臨んでいくべきだと思います。

 その観点で148ページを見ますと、機能強化型在支診・在支病、通常の在支診・在支病、それ以外の在総管、特医総管の点数が載っておりますが、これを見ればおわかりのように、同じことをしても、在支診・在支病以外ですと、半分の点数しかとれないという格差がございます。医師会の先生方も、最期に近い段階になって、なかなか負担が増えるというお話ができないという声も多いので、むしろ裾野を広げて、少しずつ多くの先生がとれるという方向で、それ以外と書かれておりますが、通常の先生方の在宅、これが緊急往診や看取りの3分の1を担っているわけですから、ここの評価をするべきだと思います。

 その上で、論点のところでございます。173ページでございますが、最近、不適切事例が明らかになってきているということで、そういったものを排除しなければならないということは、我々も十分に認識しておりますので、(1)(2)(3)ということですが、(1)については、そういう方向でいかざるを得ないと理解しております。

 また(2)についても、箸の上げおろしまで決めるのはどうかと思いますが、きちっと記載をするということも、不適切事例を排除するためにはやむを得ないと思います。我々医科にとって、時間の記載はやむを得ないとしても、時間を要件にすることは行き過ぎだと思いますので、そういうものは入れるべきではないと思います。

 厚労大臣がガイドラインをつくったらどうかということを言っていらっしゃるようなのですが、そういったものがない中で、ここまで来てしまっておりますので、そういったものをきちっとつくっていくという方向も重要ではないかと思います。

 (3)の療担規則の話ですが、前回、我々を規制しても、紹介業者のようなところを規制しないと、意味がないのではないかというお話もさせていただきましたが、我々が中医協の議論の中でできるものとしては、療担規則で我々は経済的な利益の提供ができないということを、言葉巧みに紹介業者に迫られたときに、それを最後のとりでに断ることができるとすれば、こういったこともやむを得ないと思いますが、紹介業者とか、言葉巧みにすり寄ってくる方々を規制するということも、ぜひ行っていただきたいと思います。

176ページ、在宅医療を専門に行う保険医療機関でございますが、これも前回お話させていただきましたが、今までのお話から考えましても、今後はかかりつけ医が在宅医療の中心的存在になっていくということは、我々医師会としても推進しているわけです。

 そういった中で、外来をしないで、地域のさまざまな活動もしないで、在宅専門に特化していく存在をどうするかということですが、現状、そういったものが、一定程度、大都市部にはあるということです。それをすぐに禁止することができないというのは、我々もわかっておりますが、中長期的には、そういった先生方にも外来診療をしていただき、地域医療にも参加していただき、できれば医師会にも入っていただいて、一緒に地域包括ケアを推進していく、我々の仲間になっていただきたいと考えておりますので、この時点で在宅専門の診療所を別枠で認めるとか、そういう話は、今後のかかりつけ医中心の在宅推進の流れを見れば、ふさわしくないのではないかと考えます。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。石山委員、どうぞ。

○石山委員

 在宅医療の患者紹介等の項目ですけれども、私は昨年来から医療現場における不正請求や事故等について、いろいろ質問をしてまいりましたが、マスコミ的にこれだけいろいろ取り上げられているということは、まさに鈴木先生が朝日新聞の紙面でコメントされたとおり、氷山の一角ではないかと理解しております。

 その中で、何点か意見と質問があります。スライド158160に医科と歯科の訪問件数の最大値が載ってございます。患者紹介に係る不適切事例のうち、具体的事例として報告が挙がったのは、20ケースだというお話ですけれども、事務局におかれましては、関係行政か、地元の医師会の方か、それは私にはわかりませんが、この事例のトレースをしていただいて、今後の指導等を強化していただきたいというのが1点です。

 2点目は、今、鈴木先生もおっしゃったように、スライド140に対応策が載っておりますが、ここでは診療報酬による対応だとか、療担規則等による対応だとか、いろいろ載っておりますけれども、この方向で議論を進めていただきたい。これは意見です。

 3つ目は、先ほどの堀先生の項目にもかかわるんですけれども、スライド116117に歯科訪問診療の要件や在宅歯科診療所の施設基準などが載ってございます。これについては、厚労省のコメントもそうなんですが、医科についても、患者の状態や時間を書くかどうかについて、いろいろと議論があると思いますけれども、データの記録は必要なので、医科のケースにおいても実施していただきたいと思います。

 そこで、厚労省に意見を伺いたいんですけれども、情報提供を要件とする案が示されておりますが、普通、医療の世界ですと、家族の方は素人です。例えば親父さんはこういうケースだから、どうだ、こうだと言われても、普通の方はその情報の正否が判断できません。我々もいろんな病名を言われても、風邪ならわかりますけれども、細かい話になるとわかりませんので、医師と患者・家族間の情報格差をどうするのかをお聞きしたい。

 もう一点、情報提供の仕方で、独居認知症の患者の方には、どうやって必要な情報をお伝えするのか。親族の方に情報を提供するのか、この辺の具体的な方策なりを伺いたいということです。

 3点、意見と質問ですけれども、お願いいたします。

 以上です。

○森田会長

 医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 1点目は、158160ページのような、算定割合が非常に多いところのトレースというお話だと思いますけれども、これはあくまで在宅医療の調査の事例でございまして、現場で不適切な状況があるとか、そういった情報があれば、指導などをすることについては、厚生局なりでも行っているところでございます。このケース自体がそれに当たるかどうかというのは、また別なんですけれども、そういった状況が疑われるような場合には、我々も適切に対応していくということだと思います。

 あと、施設基準などの記載が必要ということもございました。

○石山委員

 これはそのとおりだと思いますけれども、3つ目の点、特に認知症の方とか、親族のことです。

○宇都宮医療課長

 情報提供のお話ですね。

○石山委員

 はい。

○宇都宮医療課長

 これについては、一律にどういうやり方でというのは難しいんですけれども、認知症の方についていえば、医療のほうでも、特に高齢者で介護保険を使っていらっしゃる方などであれば、ケアマネジャーさんであるとか、そういったところと十分に連携させていただきます。当然御家族がいれば、御家族に対する御説明をきちんとするということは、言うまでもないんですけれども、介護側と連携する中で、きちんとした情報をお伝えしていくという話ですとか、あるいは本当に状況がひどい方であれば、御存じだと思いますが、成年後見制度のようなものもございますし、また、そういったことについては、それぞれ地域包括支援センターのほうで、その辺の手配・調整などもしているという理解でございますので、そういったものの活用なども考えられると思ってございます。

○森田会長

 石山委員、よろしゅうございますか。

○石山委員

 わかりました。

 あと、1点、鈴木先生がおっしゃったので、お聞きしたいんですけれども、患者紹介の話で、どうも悪いのは紹介業者だという感じです。ただ、紹介を受けるほうも受けるほうなのではないんですか。これは非常に単純な話です。

○鈴木委員

 そういうお話は、客観的に聞くとわかるんですが、例えば振り込め詐欺がなぜなくならないのか、どうしてあんなものに引っかかるのかと思うのですけれども、実際に電話がかかってくると、普通の方ほど引っかかってしまうのです。そのくらい、言葉巧みに来られるのだろうと思います。ですから、そこは分けて考えていただければと思います。

○森田会長

 安達委員、どうぞ。

○安達委員

 石山委員の御指摘は、我々が心するべきことだろうと思っております。明らかに医師の基本的倫理観等々の判断に属する部分がある程度あって、我々の中で、そういう勧誘を受けたときに、鋭敏にセンサーが働いているかどうかということが、問われる問題でもあるということは、間違えなくたしかだろうと思います。

 しかしながら、一方で、紹介する業者のほうは、ある意味悪質と言えるような囲い込みをやっていて、入居者に対しては、歩けるのにもかかわらず、通院できるのにもかかわらず、来てもらったほうが楽でしょうという条件設定をしながら勧誘をして、言わば患者さんのフリーアクセスも阻害しながら、事業を進めるという側面があります。

 もとを絶たなければだめだという意味では、紹介業の中に、例えば皆保険制度のような、公的な運用をするものについては、それを対象としてはならないという形の法的な措置をされることと、療担規則に書くことと、双方向性で両方ともやらないと、完全には根絶できないのではないかと思っております。

 前にも御紹介いたしましたが、私の知る限り、例えば私は京都府医師会の内部の経験しかございませんが、こういう勧誘が来たということが、今、我々が共有システムとして持っている医師会員のメーリングリストに流れて、全員がその意識を共有した。つまりそんなことはあり得ないだろう。基本的に医師の倫理観に抵触する話だという意見が多数を占める中で、私の把握している限りでは、京都府の会員はそれに応需した医療機関はないようです。ですから、この取材をされた記者の方にも、取材を申し込まれましたけれども、京都府は応需している医療機関はないという認識でしたので、そちらのほうはということで、取材は受けておりませんが、そういうことなんだろうと思います。

 ですから、これは両方とも規定されないといけない。どちらが一番強いのかといったら、そういう囲い込みをした上で、歩ける人にまで往診を要請するというような類いの、医療の公的性格に全く思いをいたさない営業体系の中での新しい業種という捉え方の中でやる方に対しての禁止ということも、我々は必ず必要だろうと思っております。そういうことだと思います。

○森田会長

 石山委員、どうぞ。

○石山委員

 今、安達先生のお話でかなり理解はできたんですけれども、鈴木先生のお話ですと、医師の方というのは、人権、識見、全て最高だと理解しておりましたので、その辺はきちっとやっていただきたいと思います。

○鈴木委員

 非常に高い評価をいただいて、ありがとうございます。我々もぜひそうありたいと思っております。

 ただ、在宅というのは、未開拓の分野でもありまして、どんな行動が望ましいのか、それこそガイドラインみたいなものがないのです。入院とか外来というのは、長い歴史の間でそれができているわけです。在宅はこれからつくられていくところだと思いますので、我々の指針となるべきガイドラインを、我々も一緒になってつくっていって、それに沿って、安心して医療ができるようにしていきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。

○森田会長

 この件ですか。矢内委員、どうぞ。

○矢内委員

 私からも、保険医療機関による患者紹介料の支払いについて意見を若干述べさせていただきます。今後の人口構造の変化を見据えますと、当然のことながら、在宅医療、訪問看護をさらに推進していかなければならないと思いますが、報道等にありますように、先ほどからも出ておりますが、患者を囲い込んで、医療とは言えないような行為で利益を得るという、いわゆる患者紹介ビジネスは、在宅医療であるとか、訪問医療の現場を頑張って支えている方々、あるいは制度全体に対する影響、信頼を落とすものではないかということで、厳しい対応が必要だと思います。

169ページを見ていただきますと、課題のところに、保険医療機関が患者の紹介を受け、紹介料を支払うこと自体は、現行制度上は違法とは言えないとありますが、これは法令上特に規定がないということだと思います。したがって、保険医療機関の収益は、診療報酬という公費であり、その公費を使って、公費に対して紹介料を充てるというのは、医療機関としては当然認められない行為だと思うので、これは療担規則で速やかに規定を改正していただきたいと思います。

173ページの論点にもありますように、在宅医療は量も必要ですが、今、質を重視する局面になってきているのではないかと思います。在宅医療の絶対量を増やすという必要性は十分に認めますが、質の悪いものも含めて増やしていいということではないと思います。悪いものを増やしていってもしようがない。したがって、ここで示されている評価体系、いろいろと具体的に示されていますが、そういう方向性については理解できます。

 医療機関については、140ページを見ていただきますと、先ほどからも意見が出ておりますが、医療機関については、療担規則で対応できると思いますが、患者を紹介して、紹介料を受け取っている施設サイドに規制がないということは、問題だと思います。これらの不祥事を、全体として実効あるように解決するためには、こういったところへの対応も必要ではないか。ぜひ全体として実効性ある形で、不適切な事例に対して対処できるような、そういうものが機能するような体制をつくっていただきたいと思います。

 これに関連しまして、これは中医協マターではないですが、柔道整復あるいはあん摩、はり、きゅう、こういった療養費払いで保険給付しているものがございますが、ここもいろいろな不適切事例があると思います。これらについても、制度的な対応をしていただけたらと思います。そういったこともお願いしたいと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。御意見ということで、承っておきます。

 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

 私からも紹介ビジネスにつきまして、意見を述べます。我が国は、皆さん御存じのように、国民皆保険を堅持しているわけでありまして、こうした皆保険制度を悪用したようなビジネスは、法律上でも取り締まるべきだと思います。

 おかしな話ですが、私どもの市民病院でも、たまにお見えになる方が、7割ももらっているから、自分の3割分はいいのではないかとおっしゃられる方がいて、何ともならないお話があります。こんなことは絶対に許すべきことではないと思っております。

 不適切に思われるビジネスがあった場合、調査しておいていただくわけですが、実際に厚生労働省が素早い対応をして、こういうことについて、どういう見解を持ってお話をしていただけるのかを明らかにしていただきたいと思っております。各地方の厚生局がどう対応されるかはわかりません。先ほども歯科診療所のお話がありましたが、実態がどうだかわからない。診療所に10人お見えになるのかわからない。これは8月28日の件でありますので、こんな特異なものについては、幾つか全国に散見できるならいざ知らず、これはわずかのことであります。こうしたものは、しっかりとすぐに調査をし、素早い行動をし、国民に知らしめていくべきだろうと思っております。

 もう一つは、表記のお話でありますが、主治医というお話と、ここにかかりつけ医という表記がございます。これが混在しておりますので、せっかく医師会の先生方も、かかりつけ医という御努力をなさってみえましたので、ここでは主治医ということよりも、かかりつけ医という表記を使っていただいて、少し分けていただいたほうがいいような気がします。最近のものを見ていると、そんな気がいたしております。

 以上であります。

○森田会長

 今の件ですか。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 私どもは、従来から、かかりつけ医機能と言っておりますので、1号側の先生にもそう言っていただけるのでしたら、これからの議論を、かかりつけ医という表記で統一することには、我々も大賛成でございます。

○白川委員

 名前について、1号側で見解が一致しているということはございません。今のことは、伊藤委員の御発言ということで、御勘弁いただければと思います。

○森田会長

 花井圭子委員、手を挙げていらっしゃいます。どうぞ。

○花井圭子委員

 ホームページを見ていましたら、住宅会社のコマーシャルに、サ高住のことが出ておりまして、退院後の受け皿として機能しとか、患者様の囲い込みが可能となりますということが、堂々と書かれているんです。紹介料をもらう医師に対しての規制もそうなんですけれども、こういう会社とか、前にも言ったんですが、サ高住のあり方は、中医協ではなくて、介護のほうだと思うんですけれども、国交省と厚労省が一緒につくったと思うんですが、あり方に問題があるとすれば、何らかの規制をかけるということをしなければ、医師個人の話ではないと思いますので、ぜひ全体的な構造の中で、どうしていくかということを考えていただきたいと思います。

○森田会長

 ありがとうございました。

 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員

 スライドの169の対応(案)の下線部分、上から3行目でありますが、保険医療機関が、患者の紹介を行う者に対して、患者の紹介を受ける対償として、紹介料等の経済上の利益を提供することを禁止してはどうかと書いてあります。

 それから、スライド173の論点の(3)の2行目以降、患者の紹介を受ける対償として、紹介料等の経済上の利益を提供することを禁止することについて、どう考えるかとございます。

 このことについてですが、これは患者の紹介料に該当するかどうかはわかりませんけれども、例えば保険薬局と福祉系施設においても、似たようなケースが見受けられると、私どもは聞いています。福祉系施設の入所患者さんの処方箋を一括して依頼することの見返りに、利益供与や施設内の業務を担当するように求められることもあると聞いておりますので、保険薬局においても、仲介者の有無にかかわらず、対価を支払って患者紹介を受けるような行為は禁止するものであるということを、私どもとしても、明記していただいたほうがよいと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 先ほども申し上げましたけれども、企業的に営利目的で大々的に行うような不適切な事例については、一貫して排除をお願いしたいと申し上げてきましたし、そういった観点で、診療報酬で規制をするというところも、一定の理解をして、会員に対しても協力も求めてきたところです。

 資料を拝見しますと、10年ぐらい前から、診療報酬で規制をするという仕組み、ディスインセンティブをかけるということはやられてきていますが、本当に実効性があったのかどうかということが気になっておりまして、イタチごっこをしているところもあるのではないかと懸念をしております。診療報酬で規制をするということについては、当然いいところもあるかもしれませんが、地道にやっている適切な訪問診療についても、一定のブレーキをかけてしまうという側面もありますので、抑止の効果と悪影響については、慎重に御検討いただきたいと思っております。

 先ほども話がありましたけれども、不適切事例はこれまでも個別に何とか対応できないのかということでお話をして、法的にはなかなか難しいと言われておりますが、その観点で再度検討する余地がないのか、改めて事務局には御検討いただきたいと思っています。

 そういったことからしますと、先ほどから出ている患者紹介ビジネスに対して、療担規則で規制をするというところは、診療報酬で規制するよりは、ずっと本質的ですし、適切な訪問診療には影響がないということを考えますと、一定の考える余地があるところだと思っています。

 さらに申し上げたいのは、これは中医協マターではないかもしれませんが、例えば医療法では、営利を目的としたものは禁止しております。ですから、診療所、病院の開設に当たって、都道府県知事が認可をするときに、都道府県知事は営利を目的とするものについては、認可をしないと、はっきりと決まっております。こういったことが形骸化しないような施策がないのかどうか、これも検討をお願いしたいと思います。

 保険医の指定については、6年に1回更新があります。そういったときに、営利目的か、あるいは開設者がどうかということについても、しっかりと把握をして対応する、そういった視点と一緒にお願いできないかということを1つ要望しておきたいと思います。

 1点だけ、165ページです。先ほどから出ています、情報提供のことが書かれていますが、これについては、歯科では特別な歴史がありまして、平成18年の改定で、文書提供が在宅にも入っております。結果として、非常に煩雑で、臨床医療の円滑な提供ができないと、全国の臨床現場からの意見が出まして、1年後には廃止になって、20年改定では18年度改定で入った文書提供が廃止になりました。そういったことで、歯科の臨床現場には、文書提供について非常に問題意識がありまして、特に今回は医学的な見地ではなくて、抑制の視点から入るということについては、恐らく相当な抵抗があると思います。

 さらに歯科におきましては、通常、算定される医学管理であります、歯科疾患管理料あるいは歯科疾患在宅療養管理料には、既に文書提供が義務づけられておりますので、訪問診療自体に文書ということになりますと、屋上屋を重ねるような弊害があるということで、ここは慎重にお願いしたいと要望しておきたいと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 田中委員、先に手を挙げていらっしゃいました。どうぞ。

○田中委員

 きょうは時間がありそうなので、発言させてもらいます。

 たくさんの意見が出て、特に診療側の先生が、そういう強い問題意識を持たれているということに、非常に安心感を持ちました。

 今、さまざま議論されている医療施設の不適切な事例の中で、皆さん問題意識はある程度共通していると思いますので、具体的にどういうことが、こういう不適切な事例を招かない、そういったことは許さないという仕組みになるのかということを考えていく必要があろうかと思います。

 私の意見です。これはいろいろあるわけですけれども、今、既に意見もありましたが、特に認知症の方を相手にしたビジネス、あるいは発達障害の方とか、患者御本人の意思の確認が非常に難しいケースにつけ込んで、こういうものがビジネスとして入り込むということは、容易に予想がつくわけです。医療が抑止的になったら困るんですけれども、そういったところの一定の確認、チェック機能をしっかり仕組みとして入れないと、そういうところが不正の温床になっていく、一番弱いところにそういったものが入り込んでいくだろうと思います。

 特に御本人の意思が反映されにくいケースの患者さんに対しては、具体的に考えていただきたいですし、これは介護なり医療、自治体と連携をした1つの政策の中で考えないと、中医協の中で議論できる問題ではないと思います。人の弱みにつけ込んだ医療ビジネスを許さないチェック機能の構築を強く要望します。

 もう一つ、堀委員がおっしゃったように、いろんなことが予想されるわけですけれども、例えばニュースなどを見ていて、ここの資料の中にも書かれています。135のスライドとか、いろいろ書かれていて、これが本当だとしたら、情けない。多くの国民はそういうふうに思うわけです。ですから、これが事実なのかどうなのか。調査に限界はあると思うんですけれども、明らかに不適切な事例があるという状況、あるいはそれが法令違反とは言えないということであったとすれば、どういうルールが必要なのかを、医療行政の中でよく斟酌をして、基本的には指導していっていただきたいと思います。

 先ほど花井圭子委員がおっしゃっていたような、ああいうあからさまな表現については、個別的に指導していく。社会全体が適切に監視をしているんだということを具体的に進めていっていただきたいと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 花井十伍委員、どうぞ。

○花井十伍委員

173のスライドの論点の(2)に、患者等への説明と同意の確認を行うこととし、以下、家族等へ説明をすることを要件にという文章がありますが、これは普通の先生方にとっては、箸の上げおろしで、当たり前のことです。当たり前のことを書かざるを得ないというのは、非常に残念な状況だと認識しています。

 質問と意見なんですが、かねてから言っているように、診療報酬明細書の交付を推進してほしいということは、お願いしていると思います。診療所では十分に進んでいないこともあり、月に何回か訪問する場合、毎回は煩瑣だというのは理解するので、月1回交付するとか、明細を患者さんが受け取ることによって、ある種こういうものの抑止力になると思います。だから、この機会に明細の交付の推進をお願いしたいというのが1点です。

 それから、質問です。関連しますが、結局お金のやりとりがあるはずです。これは集金業務です。例えば施設が一括して集めたりとか、そういうこともあるんですか。そういうところは、実態として、事務局はある程度把握をされているのかどうか。もし事務局で把握しているものがあれば、教えていただきたいと思います。

○森田会長

 医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 今のところ、報告として、施設が一括して集めるというケースについては、聞いておりません。ただ、先ほど出てきた事例の中で、週2回以上は必ずかからなければいけないとか、そういった診療の仕方に統一的なものをつけている場合がある。そこまでしか、現在のところは、把握できてございません。

○花井十伍委員

 わかりました。

 今後その辺の状況を調べていただくとともに、重ねてですが、明細書については、これを機に、推進していただけるようにしていただけたらと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 安達委員、どうぞ。

○安達委員

 最後のところの在宅医療を専門に行う保険医療機関について、いわゆるそういう医療機関にも、外来応需機能を求めるか否かということが、1つの論点として提出されているものだと理解いたします。

 我々は、以前から何度も申し上げておりますけれども、在宅医療というのは、かかりつけ医の機能の延長だと思っておりますので、かかりつけ医が家族関係もわかり、その人の今までの疾病背景もわかる形で、在宅医療を担うということが、一番いい形なんだということを前から主張しておりますし、実際そう感じているところであります。

 一方では、都市部などが多いんでしょうけれども、実際に私は見たことがありませんが、報道などを読むと、例えば朝になると、在宅診療所からは、一斉に数台の車がばっと出て行く、そして、夕方に帰ってくるということが報道されていて、言わばビジネスライクに在宅医療をやっている。これも社会的な要望からすれば、必要な1つの活動であることは理解をいたします。

 その中で、強化型在支診は3人の常勤医師の配置が条件ですが、それ以外にパートの医師の方々を雇用して、そういう人たちも含めて、たくさんの在宅を担って機動的にやる。そうすると、例えば在宅医療を受けている1人の患者さんからすると、先週来てくれた医師と、2週間後あるいは1週間後に来られた医師は違うかもしれない。それは何が違うのかというと、かかりつけ医の延長ということは、お互いに顔が見えていて、気心が知れている。ですから、そこで初めて出てくる訴えがあると思います。医師が来ているというだけで、医師が変わって、ただ医療の提供を受けているということからは、決して見えてこない状況が見えるというのが、かかりつけ医の機能の延長としての在宅医療の特徴ではないかと理解しております。

 そういう意味でいうと、ここに論点が設定されていますけれども、在宅医療を主とした業務として行われる、診療所、保険医療機関についても、外来の機能は持たれるべきだろうと思います。つまり日常の在宅医療ではない患者さんに対しても、一定の応需をして、そういう方たちが、いわゆるかかりつけの患者さんになる。その中でのノウハウも学んでいただく必要があるだろうと思いますし、医療提供の姿勢として、そういう姿勢を持っていただくことも必要なんだというのが、我々の意見です。

 事務局に御質問があるのは、176ページの論点の考えられる要件案(例)として、ポツが4つありますが、3つのポツはあれとして、3番目のポツ、患者が外来受診できる連携医療機関の確保はどういう意味ですか。在宅医療を行う専門医療機関は、外来を持たなくてもいい、ほかの外来機能を持っている医療機関と連携していればいい、そういう意味での例ですか。

○森田会長

 医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 これはあくまでも例として挙げたものですので、こうしろということではないんですが、今、安達委員が御指摘のように、必ずしも自分のところで外来ができなくても、十分に情報共有されている、あるいはその患者さんが在宅に入る前、外来にかかっていたときには、そちらの先生にかかっていたけれども、在宅に入らなければならなくなったときに、もともと外来をやっていらっしゃった先生は在宅をやっていなくて、要は協力して在宅専門にやっていらっしゃる先生にお任せというか、そういうケースもあるということでございまして、いろいろと考えられるものを挙げたということでございますので、これについて御議論いただければと思います。

○安達委員

 そういうことを考えておられるんだとすると、別の意味でまた問題があるかもしれません。ある意味では、外来をやっている医療機関の患者さんを連携で囲い込むことになるわけです。そういうことなので、この例は余りにも不適切な気がして、何の意味がわからなかったので、お尋ねしましたが、あくまでもプランの1つだということですから、これは要件として消したほうがいいのではないかと思いますし、むしろストレートに、在宅を主に行う保険医療機関においても、保険医療機関がみずから外来機能を持つことというのも、要件の1つの例として掲げていただいたほうが、議論がしやすいと思います。

○森田会長

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 今の安達先生のお話でございますが、在宅医療を担う医師は、かかりつけ医的な方が理想であろうというのは、十分に理解しますし、私もそういうふうに考えます。ただ、現実問題、少数の医師で在宅医療を担い、かつ24時間、緊急対応もというのは、医師の負担が大き過ぎるということで、いろいろな工夫をしていこうというのが、今回あるいは前回の考え方だと思っております。したがって、在宅専門の診療所がいいか、悪いかというのは、もう少し突き詰めて議論をしなければいけないとは思いますが、今、在宅医療は、歯科、薬局を含めて、体制をつくっていこうという段階でございますので、余り固定的な考え方に捉われないほうがいい。トライアルみたいなこともあるでしょうし、いろいろな形態が地域によってあり得ると考えております。

 外来機能を持ちながら、在宅もその先生が診ていくのが1つのいいモデルだとは考えられますが、一方では、ときどき医師は変わったとしても、24時間面倒を診てもらえることを望む患者もいると思っておりますので、この辺は、今後もう少し議論しながら、要件も議論させていただければと考えております。

○森田会長

 安達委員、先にどうぞ。

○安達委員

 白川委員の御意見も理解しております。ですから、そういうニーズがあることは理解した上でと先ほどから申し上げております。

 ただし、在宅で患者さんに接するということは、患者さんにとっては、来る医師だけが医療的な側面として頼りですから、その中で、訴えやすい環境をつくることも大事です。外来でかかりつけ患者さんと接触をするという経験が、医師の中にも求められることなので、そういう意味では、かかりつけ医が1人で、自分のかかりつけ患者さんを診ようということを申し上げたのではなくて、在宅を主にされるところも、そういう経験を積んでいただいて、在宅医療をぜひやっていただきたいという意味では、専門にやる医療機関においても、一定の外来機能はあったほうがいいのではないかということを申し上げました。補足しておきます。

○森田会長

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 今の話については、最初にも申し上げさせていただきましたけれども、すぐに在宅専門の先生を禁止するとか、そういうことではなくて、徐々に地域における仕組みの中に溶け込んでいくような形で、収斂していけばいいと考えております。これからの議論ももちろん必要だと思います。

 それと、先ほどから、不適切事例を排除するために、保険医療機関のみを規制していくという話が進んでいるのですが、確かにこの場では、そういう議論しかできないのはわかるのですが、私が直接見聞きした例も含めて、相手方を規制することも考えていかないと、この問題の解決はなかなか難しいと思います。振り込む方に注意を促しても振り込め詐欺がなくならないのと同じだと思います。

 例えばサ高住も国交省との共管だということですが、あっという間に10万戸にふえてしまい、目標は60万戸だそうですけれども、これからもどんどんそうしてハードがふえていった場合、ソフトである医療や介護のサービスの部分が追いつかないということもあると思います。不適切事例がこれ以上ふえないように、厚労省全体あるいは他の省庁等も含めて相手方の規制を考えていただきたいと思います。

140ページですけれども、考えられる対応案として、療養担当規則による話が出ましたが、診療報酬についての対応は、一部の診療報酬だけをどんどん上げていったところに目をつけられたということもあると思うので、先ほど言いましたように、在宅の裾野を広げていくということが重要だと思います。

 もう一つは、そうはいいながらも、在宅医療の推進という方向性は、損なわないような形で行ってほしいということをお願いしたいと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 まだ意見はございますか。白川委員、どうぞ。

○白川委員

 今の不適正事例の件で、いろいろな委員からお話が出ました。法的に現在は問題ないということではありますが、あえて申し上げます。診療報酬の2割ぐらい紹介料を払う例が出ておりまして、実際には何割払っているか、我々は承知しておりませんが、2割払ってももとがとれるというのは、診療報酬が高過ぎるということになりかねない。もう一つは、2割分を払ったのを取り返すために、過剰な診療をしているのではないかと疑われるということでございます。

 法律違反でないとしても、在宅にかかわる診療報酬項目については、中医協がこれから議論、点数づけしていくわけでございますし、もう一つの過剰診療ではないかという件については、厚生労働省できっちり調べて、正していただくということだと思います。

 これは我々1号側の委員からも、何人かから発言がありましたが、以前から、この中医協でも申し上げております、茨城県の日本医科大学の不正事件のときにも申し上げましたが、患者からの情報は、我々保険者のほうに随分入ってくるんです。今回の不適切事例についても、新聞に載ったからわかったわけですが、どなたかからの情報でだんだんわかってきたのだと思います。

 保険者に入ってきた情報をどうしているかというと、厚生局に連絡する仕組みになっております。保険者は一生懸命そういう情報を、もちろん自分のところで若干調べた上で連絡するのですが、厚生局が一向に動いてくれないということで、保険者側は怒っておりますし、半分は諦めております。そういう情報は、厚生局に言ってもしょうがないし、らちが明かない。こういうことになると、負のスパイラルみたいになっていって、ますます不適切な事例が横行するということになりかねません。前にも申し上げましたが、厚生労働省におかれては、そういう事実があるのだということを踏まえ、もう一度、チェック体制を構築していただくよう、改めてお願いを申し上げます。

○森田会長

 どうぞ。

○白川委員

 日本医科大学と間違えてしまいました。東京医科大学です。大変失礼いたしました。

○鈴木委員

 日本医大は実在しますので、間違えないようにお願いします。

○白川委員

 失礼いたしました。

○森田会長

 そこは訂正していただきます。

 石山委員、どうぞ。

○石山委員

 今、白川先生がおっしゃったので、不適正事例はこれ以上言うつもりはないんですけれども、前段の安達先生の在宅医療専門の議論です。まだ主治医機能について一生懸命構築している時期に、外来を求めるかどうかという議論は、まだ必要ないのではないか。それ以上に主治医機能の充実なり、方向なりが、本当に固まった後に出てくる新しいテーマだと思っております。したがって、現段階では、在宅医療、訪問医療を含めて、主治医、かかりつけ医機能をどうやって充実させていくかというほうに議論を集中させたほうが、得策ではないかというのが、私の意見です。

 以上です。

○安達委員

 御指摘の点はよく理解できます。ただ、非常に急速なスピードで、大規模化した、在宅医療を専従にする医療機関が、特に都市部ではふえてきて、しかも、それが1つのビジネスのようになり、例えば不適切事例にあるような、紹介を応需するというケースや、同一建物を中心にして、在宅専門医療機関の一部は、いわゆるサクランボ摘み的なところがある。つまり軽症者をたくさん集めて、掛け合わせれば大きな利益が得られる。でも、重症者にはなかなか対応してくれないということがある。

 先日のその4の前半でありましたように、例えば強化型在支診でも、急変時は救急車を呼んでくださいなんて、患者さんに言っているところがあるというのは、その1つの事例です。

 そういうこともあるので、もちろんかかりつけ医の機能と並行することは、委員が御指摘のとおりですが、今回の改定の中では、少なくとも対応できるものについて、一定の結論を出さないと、次の2年後になると、相当様相が変わってしまうということを、我々は懸念しておりますので、先ほどの意見も申し上げました。

○石山委員

 わかりました。基本的にどういう網をかぶせるか。この辺については、今回の方向に向けて議論を進めて、結論を出すべきだというのは、同じ意見です。

 以上です。

○森田会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 先ほどの白川委員の3割も払っているんだから、診療報酬が高いというのは、ちょっと短絡的ではないかということを、1つ感想として申し上げたいと思います。

 それと、在宅医療を専門にする医療機関のところで思ったんですが、一般用医薬品のインターネット販売のときに、実店舗のない薬局はだめだという要件にしたんです。在宅医療を受けている患者さんは、どこの先生が来てくれるのかということでいえば、きちんとした診療所があって、そこで外来応需機能を果たしていて、あの先生が来てくれるんだということは、非常に大事なことだと思います。自分のところに来てくれる先生が、電話の向こうにしかいない。今でいえば、クラウドコンピュータから先生が来るということでは、在宅医療を受けている患者さん、御家族の不安は解消できないのではないか。事務局、176ページは、受ける側の患者さんの立場から、安心する在宅医療という観点から、いろいろ要件を考えていただきたいと思います。

○森田会長

 関原委員、どうぞ。

○関原委員

 今の点ですけれども、これだけ在宅専門の先生がふえているのは、既存のかかりつけ医、主治医では十分対応できない、ワークしていないから、マーケットとして出てきていると思います。実際、私は東京都内に住んでいますが、たくさんの人が在宅専門のお医者さんを利用しいますし、24時間、365日回ってきてくれるというのは、幾ら主治医や開業医の先生にお願いしても、ニーズが全て達成されるわけではないということから、ふえてきていると思います。

 もちろん在宅医に外来があったほうがいいんですが、それによって、在宅医療全体のキャパシティーが減ってくる、ふえない。つまりニーズはどんどんふえるけれども、それに対する供給体制が十分に賄えないのではないかと思いますので、もう少し今のまま進んでいっていいという気もしております。

 一方、コミッションを取るとか、ひどい例はたくさんありますけれども、全体の中で半分もあるということではなくて、量から見れば、普通に真面目にやっている在宅の人が圧倒的に多いと思いますので、不適切事例については、適正に対処するとしても、それをもって、今、ふえている在宅専門の医療機関に対する制限が大きくなることについては、これから大いに議論していかなければいかぬと思います。

○森田会長

 ありがとうございました。

 まだございますか。田中委員、どうぞ。

○田中委員

 在宅医療について理解を深めたいので、話をしますけれども、実態がかなり先行しているということは、承知していないという前提で話をしますが、何となく私の中のイメージでは、例えば夜間とか休日の診療所に詰めているお医者さんというのは、ほとんど地域の先生です。開業医の先生だったり、病院の先生だったりするわけですけれども、例えば在宅医療を専門に行う機関ですが、患者の立場からしたら、いつも同じ先生ではないかもしれないけれども、地域の先生がそこにいらっしゃるというのは、安心感につながると思います。それが、今、現実に在宅医療を専門に行う事業者がいっぱいあって、実態が違うのであれば、そこをどういうふうに対処していくかということは、必要だと思います。

 各委員からさまざまな意見が出ていますけれども、患者の立場からすれば、かかりつけ医、いつも診てもらっている先生に、夜中の2時、3時に電話できるかとか、本当に救急のときは救急車を呼びますけれども、かかりつけ医の機能を補完するという意味での在宅医療のニーズというのが、これからどんどんふえてくるということであれば、今のかかりつけ医なり主治医の機能とどういうふうに連携するべきかを考える必要があると思います。在宅医療専門機関とかかりつけ医・主治医機能を別々のものとして考える必要はないと、患者の立場では考えます。どちらにしても地域にいる先生に診ていただければ、患者としては一番安心だと思います。

 実態をわからずに発言をしていれば、御容赦いただきたいと思います。

○森田会長

 ありがとうございました。

 万代委員、どうぞ。

○万代委員

 不適切事例につきましては、長々とやるべきではないかと思いますし、粛々と対応することで、医療側も医療を正していくということだと思います。

 それへの対応といたしまして、療担規則と診療報酬上で対応してはどうかという提案ですけれども、まずは堀井委員がおっしゃったように、療担規則のほうで縛るのが第一だと思います。もちろん診療報酬上何かの規制をかけるということについても、必要だと思います。

 その中で、165ページに在宅患者訪問診療料の件が歯科と並べて掲示されています。これも三段論法的に、先ほど来の新聞報道による不適切事例がある。さらに159ページあるいは158ページの辺りで、訪問件数が多いというデータが示されまして、そこのところに何らかの不適切な状況があるのではないかということから、それを防ぐために、あるいはそれを規制するためにスライドが出ていると思いますし、166ページの対応(案)が出ていると思います。

 この中で、歯科と並べて、医科の診療が全く同じかというと、そうではないだろうと思います。歯科の診療と医科の診療は少し違いまして、特に在宅の患者さんに対する診療については、例えば血圧をはかるとか、体を診察するだけではなくて、いろんな指導が入るだろうと思います。それが短時間で済む場合もあるでしょうし、長時間で済む場合もあるということからすると、時間要件のところは、歯科が20分以上ということで、あたかも医科のほうにも20分以上という制限を入れようという目論見にも思えますけれども、それについては、反対でございます。従来から申し上げていますように、時間で全て規定できるのかということでございます。

 もちろん先ほど認知症がある方に対して、患者さんの同意をどう取るかという議論もありましたけれども、そういったことも含めまして、同じ内容の診察をしても、人によって、物わかりのいい方、悪い方もおられますし、そういった意味では、時間で一律に規制するというのは、非常に問題があると思います。

 関原委員がいみじくもおっしゃつたように、現行で一生懸命在宅をやっている方のことを考えれば、時間要件を要件に持ち込むということは、かえって、訪問診療の芽を摘んでしまう。角を矯めて牛を殺すような結果になるのではないかと恐れます。その分、例えば記載要件とか、患者への情報提供というものは必要でございますから、そういったことでやっていく。時間は、記録、データとして重要だという議論がございましたし、それに反対するつもりはございませんけれども、それを要件にすることは、在宅の医療を委縮させてしまうのではないかと思います。

 今後、具体的な点数なり、要件の設定が入ると思いますけれども、事務局においては、そこのところも十分に勘案いただいて、時間の要件を入れることによって、訪問診療が委縮しないということも十分考えた形にしていただきたいと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 今、御発言があったとおり、歯科も20分が適当だとは思っているわけではありません。今、万代委員が言われたように、診療行為を時間で縛るということについては、かねてから、やむを得ない措置という理解をしておりました。前から、こういったことについては、本質的ではないと繰り返し申し上げて問題提起をしているところでありまして、今回の改定では、あわせて御検討いただきたいと申し上げておきたいと思います。

○森田会長

 ありがとうございました。

 石山委員、どうぞ。

○石山委員

 縛るか、縛らないか、要件は別にして、通常の世界ですと、いつ何時に伺って、この方を5分診たというのは、記録としてとるのは当然だと思います。何か不手際があるんですか。それを書くことが大変なんですか。万代委員は前にもおっしゃいましたけれどもね。今、バー(-)が入っていて、厚労省の方がどう考えているかはわかりませんけれども、記録というのは、とるものなのではないんですか。

○万代委員

 勘違いしないでいただきたいんですけれども、私は時間を記録することを受け入れないと言っているのではありません。一定程度以上の時間でないと算定できないという要件にするのはまずいと申し上げているのであって、データとして、時間を記録すること自体には全く反対しておりません。

○森田会長

 ありがとうございました。

 大分長く議論してまいりましたけれども、ほかに御発言ございませんでしょうか。どうぞ。

○鈴木委員

 在宅専門の診療所について、1号側、公益の先生からも御意見があったので、いかがなものかと思いますけれども、在宅に熱心に取り組んでいる先生方の中でも、在宅専門で企業的にやっていらっしゃるようなところに対する批判というのは、強いのです。ですから、本来のかかりつけ医の在宅を推進するという方向性を損なうようなことは、去年が在宅医療元年だそうですから、ことしは2年目で、まだまだこれからの話ですから、早い段階で方向性はしっかりと決めておく必要があると思います。今、あたかも、そういうものを新たなジャンルとして認めるということは、するべきではないと考えております。

○森田会長

 ありがとうございました。

 それでは、この議論はそろそろ終わりにしてよろしいでしょうか。

 本日いろんな御意見が出ましたし、1号側、2号側で活発な議論がされたと思います。ただ、基本的な方向はそれほど違わないようにも思いましたので、きょう出た御意見を踏まえて、今後さらに議論を深めていければと思っております。

 本日は異例に早く終わったような気がいたしますけれども、議題は以上でございます。

 次回の日程につきまして、事務局からお願いします。医療課長、どうぞ。

○宇都宮医療課長

 医療課長でございます。

 次回はあさって11月1日を予定してございます。よろしくお願いいたします。

○森田会長

 ありがとうございました。本日の総会はこれにて閉会といたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線3288)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会(第253回) 議事録(2013年10月30日)

ページの先頭へ戻る