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2013年10月9日 中央社会保険医療協議会 総会(第250回) 議事次第

○日時

平成25年10月9日(水)10:12~12:23


○場所

於 厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

森田朗会長 印南一路委員 関原健夫委員 牛丸聡委員 西村万里子委員 野口晴子委員
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員
田中伸一委員 伊藤文郎委員
安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員
堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
丹沢秀樹専門委員 北村善明専門委員 福井トシ子専門委員
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 佐々木医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○先進医療会議の検討結果の報告について
○診療報酬改定結果検証部会からの報告について
○外来医療(その3)について
○その他

○議事

○森田会長
 おはようございます。ただいまより第250回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 まず委員の出席状況について御報告いたします。本日は、花井十伍委員、万代委員、藤原専門委員が御欠席です。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 初めに「○先進医療会議の検討結果の報告について」を議題といたします。報告事項でございます。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。どうぞ。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 中医協総-1-1と中医協総-1-2を用いまして、御説明させていただきます。
 中医協総-1-1でございます。これは、先進医療の新しい技術につきましての定例の報告でございます。
 1ページ目でございますが、技術名が、腎機能障害を伴う患者を対象としたリーナルガードによる造影剤腎症防止でございます。
 適応症が、冠動脈形成術、末梢動脈形成術などカテーテル治療を受ける造影剤使用患者で、腎機能が中等度、高度障害でございます。
 技術の概要でございますが、19ページをお願いいたします。19ページに図もございます。
 概要のところにございますとおり、腎臓内の灌流を術前から増加させて、造影剤を早く洗い流しまして、自動的に輸液を調節して、体液バランスも保つことによりまして、造影剤腎症発生率等を低下させるというものでございます。
 評価でございますが、7ページにございますとおり、先進医療技術評価審査部会では、条件付き適となっております。
 これは幾つか宿題が出ておりまして、回答については、17ページ、18ページにございます。モニタリング実施体制の責任者の明確化、効果安全性評価委員の報告様式等々、これらにつきましては、全て回答しており、先進医療会議で審査いたしました。
 また、協力医療機関との関係で、腎臓内科がない医療機関での対応は大丈夫かという御指摘に関しましても、協力病院との連携を密にして対応するということで、全ての宿題事項について回答しております。
 2ページをお願いいたします。先進医療会議でそういった全ての状況を踏まえまして、議論した結果でございますが、社会的妥当性等々、全て問題ないということでございまして、総評として適という結論になっておるります。
 これが1つ目の技術の問題でございます。
 次が中医協総-1-2でございます。こちらは先進医療Bの申請に必要な数例以上の臨床使用実績の効率化についてでございます。
 これに関しましては、3ページ目から4ページ目にかけてですが、23年5月18日の中医協で既に御議論いただいています、先進医療の制度見直しの中で、4ページにありますとおり、2のところでございますが、数例の実績の効率化について、既に合意をいただいているところでございます。
 具体的な方法論につきましては、6ページ以降、資料をつけておりますが、先進医療会議等々で議論を続けてきておりまして、具体的な中身が先進医療会議で決まりましたので、御報告をするものでございます。
 表紙に戻っていただきまして、先進医療の数例の効率化の申請ができる医療機関の要件を1に書かせていただいております。
 早期・探索的臨床試験拠点整備事業または臨床研究中核病院整備事業の対象病院は、一番下の四角囲いの中に書いてあります15病院でございますけれども、こちらにつきましては、数例以上の臨床使用実績がない場合であっても、申請は可能ということでございます。
 2ページ目をお願いいたします。数例の実績がない場合の協力医療機関の要件といたしましては、今、示しました15病院の範囲で、協力体制を組むことができるように考えております。
 3のところでございますが、その評価、4番目の必要な症例数、必要な症例数に達した場合の継続の可否の評価につきましては、先進医療技術審査部会において定めまして、その結果を踏まえて、最終的には先進医療会議で先進医療としての継続性を評価する。その際には、先ほどの15病院以外のところも、協力医療機関として入ってこられるという形で運用をさせていただくということで、案ができておりますので、この形で進めさせていただくという御報告でございます。
 説明は以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 個別的なルーチンのケースと制度に関する御報告でしたけれども、ただいまの御説明について、御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 1つだけ確認をさせていただきたいんですが、新規の申請が挙がっている中医協総-1-1の先進医療評価療養への適用ですけれども、このケースは、近年、確かに臨床的にいろいろ問題にはなっているところなので、ぜひやらなければならないことなんですけれども、いつごろをめどにこの技術について保険償還の可否を決めることになるのか、その議論というのは、普通されないんですか。この前、お聞きしたことと関係するんですけれどもね。
○森田会長
 事務局、お答えください。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 この技術につきましては、中医協総-1-1の20ページにございますとおり、薬事承認を目的にしておりまして、今回の臨床研究や先進医療の結果を踏まえて、さらに企業にて治験を検討して、薬事承認を取得するという形を考えておるところでございます。ですので、保険償還ということになりますと、材料ということであれば、薬事承認取得後に、いわゆる材料専門組織の議論を得まして、また中医協にお諮りする流れになってくると理解しております。
○森田会長
 安達委員、よろしゅうございますか。
○安達委員
 ありがとうございます。
 基本的にそれでよろしいんだとは思いますけれども、前回の中医協でもお尋ねをして、意見も申し上げましたが、先進医療のいわゆる保険外併用療法のうちの評価療養にかかわるもののかなりの部分が、1年を超えても未妥結のままでいる。つまり結論が出ないということは、そのままいくと、実質上、混合診療の容認と似たようなことになってしまいますので、評価療養をやる場合には、およその結論を出すまでの時間的な経緯も条件に入れて決めていただきたい。これはまた別のところでするべき議論だと思いますが、今、ここで意見だけ申し上げておきます。
○森田会長
 その点は、事務局、よろしくお願いいたします。
 続きまして、嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 中医協総-1-2の先進医療のところなんですが、こういう提案を私もずっとしておりまして、5施設、10ぐらいの病院が事業対象になったんですが、従来これ以外の大学で、得意の分野を各大学が持っていたときには、先進医療を申し込んで、それをやっていたわけですが、こういう整備をしたということは、今後、反対に抑制にならないのかという危惧も一部学会から出ているものですから、そのことをお聞きしたいんですが、先進医療はこれだけしかできないんですか。それとも、従来のように、手挙げで、ある研究で非常に進んでいる大学等々ができるという道は十分に残されているんですか。
○森田会長
 事務局、お願いします。
○佐々木医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 今の御質問でございますが、今回の中医協総-1-2の報告案件に関しましては、現在でも多くの医療機関から先進医療の申請は広く受け付けておりますけれども、数例以上の実績が、その医療機関であるということを条件として、申請をしていただいているところでございます。ただし、今回、御提示した15病院につきましては、その医療機関での経験がなくても、申請ができるという取り扱いにするものでございまして、従来申請を受け付けていた経験がある、技術を持っている医療機関からの申請をできなくするとか、そういうものではございません。
○嘉山委員
 こういう整備は非常に大事だと思いますし、私も賛成はしますけれども、ただ、科学技術というのは、個人につくんです。ですから、余りにもリジットに固定すると、抑制になりかねないので、その辺は、今後、運用していって、見直し等々をやっていただければと希望したいんですけれども、御意見はどうですか。
○森田会長
 それはそういう御意見でございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
 それでは、御質問もないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとさせていただきます。
 続きまして「○診療報酬改定結果検証部会からの報告について」を議題といたします。
 これも報告事項でございますが、診療報酬改定結果検証部会の牛丸部会長より御報告をいただきます。引き続きまして、事務局より補足をお願いいたします。
 それでは、牛丸部会長、どうぞ。
○牛丸委員
 検証部会長の牛丸です。
 平成24年度に実施しました、特別調査6項目につきまして、今般、その調査結果に対して、診療報酬改定結果検証部会として評価を行いまして、最終的な報告書を取りまとめましたので、報告いたします。
 後ほど事務局より説明いたしますが、その前に私から若干補足といいますか、説明をさせていただきます。
 毎回言っておりますが、前回の改定、平成24年度改定に関しまして、その効果を調査する特別調査として11項目行われました。そのうち6項目が平成24年度に実施されました。残る5項目が平成25年度に実施されております。
 24年度に実施されました6項目の結果ですが、概要、速報という形で、こちらの総会には既にお出ししております。2月27日、4月10日、5月29日、6月12日の4回にわたりまして、6項目の概要、速報をお出ししました。それをさらにまとめ、検証部会の評価を加えたものが、本日お出ししました本報告書になります。
 お手元の中医協検-1-1が「平成24年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成24年度調査)の本報告案について」。それから、中医協検-1-2から中医協検-1-7、厚いものがございます。この全部で本報告書になります。
 厚いほうですが、例えば一番上の救急を見ていただきたいんですが、12ページに図表7がございます。前に総会にお出しした速報、概要のときには、図表しかなかったと思います。今回は各図表の上に、その図表の内容、結果を文章としてつけました。これが今回新しいことです。
 それから、途中、自由記述ということで、回収しました調査の中に自由に記載していただくところがありまして、概要、速報にはそれが載っておりませんでしたが、今回この厚いものの中には、それを入れてあります。
 厚いほうに関しては、今、申し上げた2つの点が速報の段階のものとは違います。
 さらにそれをまとめ、検証部会の評価を加えましたものが、中医協検-1-1になります。
 中医協検-1-1は、後で事務局から御説明がありますが、構成だけ、今、お話をしておきますと、6つの項目に対する結果が出ておりますが、どれも形が同じでして、例えば2ページの2の救急を見ていただきますと、(1)が目的、(2)が調査方法及び調査の概要、(3)が回収の状況、(4)に主な結果が出ております。
 主な結果というのが、先ほど参照していただいた厚いものの中から、検証部会として重要だと思われるものをピックアップして、こういう結果がありましたということを羅列したものでございます。
 (4)の後に今度は(5)が入ります。それが検証部会としての評価であります。今回、次期改定に向けて検討する上において、重要だと思うことを、さらに主な結果から引っ張り上げて、それに対して評価を下したものが(5)です。(5)を読むときに、また数字が出ている、あるいは図表が幾つもあるので読みにくいかと思いますが、これはあえて入れさせていただきました。何でこんなことが言えるのかと思ったときに、これはこのページのこの図表に基づいているんですということで、部分的に(4)の主な結果と重複する部分がありますけれども、(5)のところで、あえてもう一回入れました。こうすることによって、確認ができるということで、少々読みにくいかもしれませんけれども、そういう形でつくらせていただきました。
 6項目、全部同じような形でまとめました。その内容については、後で事務局より説明いただきます。
 もう一つ、先ほど申しましたように、25年度調査が5本行われています。こちらはそろそろ回収が終わり、結果が出てくるところです。これも何とか改定の議論に間に合わせようということで、これから、順次、総会にお出ししますが、それは概要、速報という形でお出しすることになります。ただし、きょうお出しした6項目のような本報告書の作成はできません。ですから、今、申し上げたような追加部分はなくて、単なる図表が載るということですけれども、それでも議論には資することができると思います。5項目に関して、このような形の本報告というのは、全ての改定が終わった後になると思いますので、先になります。
 きょう24年度調査の6項目に関して、検証部会としてつけ加えました、まとめました本報告書をお出ししましたので、それに対して見ていただきたいと思います。なお、大部なものですから、きょう御意見はないと思いますし、読むことがなかなかできないと思いますけれども、いずれそれぞれのテーマに関して議論するときに、これが使われると思いますので、そのときに本報告書にこういう解釈があったけれども、それはどうかというところで、また参照していただければと思います。
 それでは、事務局より報告書案について御説明いただきますので、よろしくお願いいたします。
○森田会長
 それでは、事務局、補足をお願いいたします。
○竹林保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 牛丸部会長からいただきましたとおり、私からは中医協検-1-1という資料を説明させていただきたいと思います。
 この資料の構成につきましては、今、部会長から御説明があったとおりでございまして、私からはそれぞれの調査の「(5)検証部会としての評価」という部分について、かいつまんで御説明させていただきたいと存じます。
 最初に救急の関係の調査でございますけれども、10ページ以降が(5)でございます。
 一番下に丸1として、小児救急の関係でございますけれども、11ページのイをごらんいただきたいと思います。新生児特定集中治療室管理料を算定している施設において、病床利用率や平均在院日数が減少しているのは、退院調整部署の体制充実が図られ、新生児特定集中治療室退院調整加算の算定件数も伸びた効果があらわれているということ。
 その下のウでございますが、前回の改定で新設されました小児特定集中治療室管理料は、本調査では届け出施設が1施設もなく、施設基準が厳しいとの指摘もあり、今後の動向を注視する必要があるとされております。
 続きまして、丸2でございますが、後方病床における取り組みに対する評価でございますが、前回の改定で救急搬送患者地域連携受け入れ加算の引き上げ、あるいは要件緩和などを行いましたところ、紹介加算、受け入れ加算ともに、24年4月以降に届け出施設が大幅に増加して、算定件数も増加していることから、救急搬送患者に関する地域連携に一定の効果があったとされております。
 丸3といたしまして、二次救急医療機関等の救急外来に関する評価についてですが、12ページのウをごらんいただきますと、平成24年4月以降にトリアージを導入したと回答した医療機関の比率が高かったことから、24年度改定が院内トリアージの導入促進に大きく貢献しているなどとされております。
 丸4精神科救急に関する部分でございます。アのパラグラフの下段部分ですけれども、精神科救急搬送患者地域連携紹介加算の新設によりまして、ほかの医療機関への転院が円滑に行われるケースがふえたかどうかについては、効果が明確になっていないということで、今後の動向を注視する必要があるとされております。
 救急に関しては以上でございます。
 続きまして、在宅医療の実施状況及び医療と介護の連携状況調査につきましては、(5)ということでいえば、22ページ目をごらんいただきたいと存じます。
 22ページの下のほう、オでございますが、クリニカルパスの活用、あるいは退院調整部門による早期退院調整、連携などの効果として、ほかの施設との連携の重要性について、院内のスタッフの理解が深まったなどの声が多く挙がっておりまして、一定の効果が認められる。
 23ページ目のケでございますけれども、在宅医療における緊急時の病床の確保につきまして、平成24年4月以降の半年間で、在宅患者を連携医療機関に緊急入院させようとして、入院できなかった経験を有する施設が、機能強化型在支診で3割近くあったということで、緊急入院のための病床確保は依然として課題になっている。
 24ページ目のセでございます。3行目以降ですが、患者さんは、医療機関同士で連携して、夜間・緊急時の対応体制を整えていることに安心感を高めている一方で、ほかの医療機関との連携の効果として、24時間体制の負担が軽減されたと回答した割合が決して大きくないことから、連携体制を構築することが、24時間体制の構築を推進することには、必ずしも寄与しない可能性もあるなどとされております。
 在宅医療関係は以上でございます。
 続きまして、訪問看護の関係でございますが、(5)の評価の部分につきましては、32ページ目以降でございます。
 ここでは33ページ目をごらんいただきまして、一番下にクというパラグラフがございますけれども、退院直後の医療依存度が高い状態の要介護被保険者などについて、退院直後の2週間に限って、医療保険での訪問看護が提供できることになった効果として、改定前後で特別訪問看護指示書が交付された利用者数、利用回数がそれぞれ増加していることから、訪問看護の推進に効果があった。
 34ページの上のほう、コでございますけれども、患者の試験外泊時における訪問看護の評価につきまして、改定前と比較しまして、試験外泊時の訪問看護を実施したという回答の割合が大きく伸びておりまして、診療報酬改定を機に入院中の外泊日における訪問看護を実施する事業所がふえたと考えられる。
 その下のサでございますけれども、標榜時間外の訪問看護につきまして、早朝、夜間、深夜などの訪問について、介護保険と同様に評価することとしたところ、こうした時間帯の計画的な訪問看護の実施状況について、改定後に大きな伸びが見られた。
 同じページの一番下、セですけれども、24時間連絡対応加算の届け出割合につきまして、訪問看護ステーションの規模が大きくなるほど、高い結果となった。また、経営面で見ても、職員数が多くなるほど、改定前と比較して、収支がプラスになったというステーションの割合が高くなる傾向が見られたなどとされております。
 訪問看護については、以上でございます。
 次に在宅における歯科医療と歯科診療で特別対応が必要な者の状況調査の結果についてです。(5)の評価の部分は46ページ以降になります。
 丸1としまして、在宅歯科医療についてでございますが、47ページ目のオをごらんいただきますと、歯科訪問診療に関する連携状況につきまして、課題としまして、中ほど辺りから最後のところ、歯科訪問診療に関する情報の周知が重要とされております。
 また、その下のキでございますが、患者調査につきまして、歯科訪問診療を実施している歯科医師を知ったきっかけとして、入居している介護施設等に来てくれた、ケアマネジャーの紹介などとなっておりまして、必要な患者さんに適切に歯科訪問診療が提供されるためには、家族等の関係者に対する歯科訪問診療の周知と理解が重要などとされております。
 48ページ目の丸2特別対応が必要な患者に対する歯科医療の関係でございますけれども、これにつきましては、49ページ目のキをごらんいただきたいと思います。特別対応が必要な患者を受け入れる上での課題としまして、診療に時間がかかる、採算が合いにくい、全身状態の管理が必要になるなどの回答が多かったことから、そのパラの一番下ですけれども、特別対応が必要な患者に対する歯科診療の負担を軽減するための方法を幅広く検討していく必要があるなどとされております。
 丸3歯科医療に関する医療機関サイドの意向調査でございますが、50ページのエでございますけれども、歯科訪問診療及び特別対応が必要な患者の歯科医療を始めるために整えてほしい環境といたしまして、診療に適した装置・器具をそろえるための支援が最も多く、そのほか、診療報酬上のより一層の評価などが挙げられていたということが紹介されております。
 歯科に関しては以上でございます。
 次に医療安全対策や患者サポート体制の評価の効果の調査でございます。(5)の評価の部分は58ページ目以降でございます。アからエが算定要件の緩和などを行いました、感染防止対策加算に関する部分でございます。
 58ページ目の一番下のイでございますけれども、感染防止対策加算1あるいは2を届け出ている病院の施設基準の届け出時期が、診療報酬改定直後の24年4月が最も多かったという状況です。
 59ページ目に移って1行目でございますが、加算1、2の届け出施設の大部分が、医療安全管理部門とは別に、専門の感染制御チームを設置している状況がありました。このような積極的な取り組みの結果として、エでございますが、新規入院患者1,000人当たりのMRSAなどの感染者数が、平成23年4月から9月と比較して大きく減少していることから、感染防止対策の促進効果はあったものと考えられるとされております。
 オからキが患者サポート体制充実加算についてでございますけれども、60ページのキをごらんいただきますと、患者調査結果においても、相談窓口での説明などがわかりやすかった、あるいは窓口を利用した結果、問題や疑問・不安が解決したという、前向きな回答が多くございまして、患者相談窓口は評価されているようだとされております。
 また、栄養管理実施加算につきましては、下のケでございますけれども、有床診療所に対する調査結果では、平成24年3月31日時点で、加算の届け出が行われていなかった診療所は86.7%ございました。その理由として、最も多かったのが、管理栄養士がいないということでございますが、これら医療機関の54.4%が、25年度末までに管理栄養士の確保について、めどが全く立っていないという状況であることから、対策を検討する必要があるとされております。
 医療安全対策などについては、以上でございます。
 続きまして、最後に後発医薬品の使用状況調査につきまして、(5)の評価の部分は71ページ目以降でございます。
 24年改定で実施されました、後発品の使用促進策に関してでございますが、72ページ目をおめくりいただきまして、一番上丸1としまして、保険薬局の後発医薬品調剤体制加算についてでございます。
 アのパラグラフの中段以降ですけれども、後発品の調剤率の数量ベースの平均値が、平成24年4月に1カ月で2.1ポイント増加したのは、新しい加算制度が4月から導入されたためと考えられる。
 イでございますけれども、後発医薬品調剤体制加算を算定している保険薬局数の割合が、平成23年度調査結果よりも増加していることから、この加算の存在が保険薬局の後発医薬品調剤の増加に貢献している面を把握できるなどとされております。
 丸2でございます。一般名による記載を含む処方箋を交付した場合の加算についてでございますが、同じページのイでございます。6行目辺りから、一般名で処方された医薬品のうち、61.9%が後発品を選択していることなどから、一般名処方による後発品の使用促進効果はあったと考えられるとされております。
 73ページ目のキでございますけれども、患者さんの一般名処方の処方箋の認知度について、知っていたというのが49.2%でございますが、加算の導入が24年4月、調査の実施が同年8月であることを考えますと、認知度は高い水準にあると考えてもよいだろうということです。
 74ページ目のケでございます。一般名処方について、薬局の薬剤師から受けた説明内容の回答状況から、患者さんが一般名処方を理解する上において、保険薬局の薬剤師による説明が重要となるなどとされております。
 続きまして、その下丸3でございますが、医療機関における後発品の使用体制加算につきましては、加算を算定したと回答された医療機関の4割から5割は、24年4月以降に加算の届け出をしているという点で、加算の見直しの効果なのかもしれないとしつつも、その絶対数が小さな値にとどまっているということが指摘されてございます。
 74ページ目の一番下のパラグラフ以降が、24年度の改定項目以外の関係、すなわち後発医薬品について、薬局、医療機関、患者さんの意識などの分析でございます。
 75ページ目の「丸1 保険薬局に関して」ということで、その下のアでございますが、5行目辺りからですけれども、1品目でも変更不可となっていない処方箋のうち、1品目でも先発品を後発品へ変更して調剤した処方箋の割合が27.3%ということで、平成23年度の調査結果から大きく増加しており、保険薬局における後発品の変更調剤は一定程度進んでいると推察できる。
 76ページ目の「丸2 医療機関・医師に関して」でございますが、ページの下のウでございますけれども、診療所・病院に1年前と比較して外来診療における後発品の処方の変化を尋ねたところ、診療所・病院とも、過半数が多くなったと回答していることなどから、医療機関の外来診療における後発品の処方も進んでいることが把握できるとされております。
 また、お医者様の後発品の処方行動に関しまして、77ページ目のカでございますけれども、医師が処方箋の変更不可欄に署名する大きな2つの理由として、患者さんから要請、後発品の品質についての不安がございまして、患者さんの意識を変えていくこと、後発品の品質の不安を解消させることが必要などとされております。
 78ページ目の「丸3 患者に関して」でございますが、これにつきましては、79ページ目のキでございますけれども、後発品を使用するに当たって重要なことについての回答結果として、薬代が安くなるということもありますが、後発医薬品の品質効果、医師、薬剤師の薦めに要約できるなどとされております。
 80ページの「丸4 三つの調査結果の関連付け(項目によって)」ということで、保険薬局、医療機関、医師、患者という、3つの主体全てから考察した部分でございます。これにつきましては、82ページ目のツでございますが、一番下の行でございますけれども、今回の調査結果を見ますと、保険薬局、医師、患者から、後発医薬品使用促進のために大切なこととして、同じことが挙げられていて、それは厚生労働省による後発品の品質保証が十分であることの周知徹底であるとされております。
 83ページのナでございますけれども、この問題に関して、厚生労働省はさらに取り組んでいくことが必要であるなどとされております。
 大変雑駁でございますけれども、資料の中身の概略は以上でございます。
○森田会長
 どうもありがとうございました。
 ただいま御説明いただきました調査結果をもとに、どのような改定を行うべきかということにつきましては、今後、論点ごとに議論してまいりたいと思っております。したがいまして、ここでは、ただいまの調査結果の御説明について、御質問等がありましたら、お願いいたします。改定についての御意見ではなくて、ただいまの報告についての御質問をお願いいたします。
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 質問といいますか、意見でありますが、後発医薬品調査における保険薬局調査についてでありますけれども、63ページの中段から下段にかけてでありますが、保険薬局の後発品の調剤に関する考え方として、積極的に取り組んでいると回答したのが29.5%でありますが、薬の種類によって取り組んでいる、例えば抗てんかん剤の一部など、変更するには慎重を期するものもあるということも理解した上で、種類によっては取り組んでいると回答しているところが54.1%でありますので、多分83.6%が取り組んでいると読み取れると理解しています。ただ、より積極的に取り組むためにも、例えば後発医薬品の品目の整理とか、価格のばらつきの解消、一般名処方をよりふやしていただくことによって、薬局における変更調剤というよりも、選択することができる調剤にしていただくことが望まれると考えております。
 以上です。
○森田会長
 これは意見でございますね。ここでは改定に関する意見というよりも、今回の調査についての御見解ということでございますね。
○三浦委員
 はい。
○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 同じく意見でございますが、60ページを見ていただきますと、有床診療所の管理栄養士問題の結果がございます。これを見ますと、管理栄養士の確保がかなり難しいという結果が出ております。この文章においても、最後に対策を検討する必要があるとありますので、これを尊重していただきたいと思います。
 その下でございますが、療養病棟あるいは有床診療所の療養病床も含みますが、こういったところの環境加算あるいは環境改善加算の届け出が、行われていないところがかなりあるということで、これも最後のところに、経営上の問題等から療養環境の改善に具体的に着手できていない施設も多くあると考えられると書いてあります。1号側の方には、何でいつまでもこんなことができないんだと責められるわけですけれども、それだけ中小医療機関の経営が厳しいという結果だと思いますので、これも改善を求めるのであれば、それができる環境を整えていただきたいと思います。
 75ページでございますが、これを見て、薬剤師さんも同じことを考えていたんだなと思いました。丸1のウのところですが、後発品について、薬剤師さんも品質に疑問がある及び効果に疑問があると思っていらっしゃる方がいることがわかりました。
 その上で83ページになりますが、ツやナのところに、厚生労働省による後発品の品質保証が十分であることの周知徹底が大切だということが、繰り返し述べられておりますが、これが十分でないことが大きく全体に影響していると思いますので、本当の意味での品質保証を周知徹底していただきたいと思います。
 以上です。
○森田会長
 ただいまの御意見ですけれども、それは論点ごとに議論していく段階で、御発言いただきたいと思います。本日の説明についての御質問はよろしいですね。
○鈴木委員
 はい。
○森田会長
 わかりました。
 ほかにいかがでしょうか。西澤委員、どうぞ。
○西澤委員
 調査の結果について、幾つか質問したいと思います。
 22ページの「(5)検証部会としての評価」のカですが、24年度診療報酬改定ではということで、従来のもののほかに、機能強化型が出ている。「しかし」以下ですが、在宅医療調査で得られた547施設のうち、機能強化型在支診は94施設、機能強化型在支病は39施設にすぎなかった、とあります。ということは、機能強化型がほかの施設に比べて回答率が悪かったというニュアンスで聞こえますが、強化型とそれ以外の数、その中で回答した施設の回答率で、本当に強化型が少ないのかどうか、数字を教えてもらえればと思います。
○森田会長
 これは、事務局、お答えいただけますか。すぐにわかりますか。大丈夫ですか。どうぞ。
○竹林保険医療企画調査室長
 済みません。それぞれのカテゴリーごとの回答率は、すぐ出てこない状況でございますけれども、ちなみにということで、24年7月の時点での届け出の数で申し上げますと、連携強化型在支診は2,604、連携強化型在支病が264という数字になってございます。これら全てに調査票がいっているわけではございませんので、回答率ではございませんが、届け出の状況としては、以上でございます。
○西澤委員
 現在、届け出している在支診、在支病、その中での強化型を見ますと、回答率でいうと、ざっと見ただけで、強化型のほうが高いのではないかと思います。それは後で数字を教えていただければと思います。ここは「にすぎなかった」という表現で、強化型の回答率が悪いようなイメージで書かれておりますが、絶対数が少ないのは当然なので、この辺りの書きぶりは変えていただければと思います。回答率が低いのと、強化型の数が少ないのと、その辺りの関係を明確にしてもらえればと思います。
 23ページですが、コとサで見ますと、機能強化型における実績ですが、これは両方とも、比較して、増加したという結論になっておりまして、この2つは機能強化型がしっかり役割を果たしていることを証明している文章だと思います。ほかのところでは、前回の診療報酬改定で強化型をつくった意味がある書き方をしていますが、ここに関しては、あえて評価していないということが気になります。
 下の看取りも同じだと思っています。
 24ページのセのところで、24時間対応に患者は満足しているが、医療機関に尋ねると、連携の効果として、24時間体制の負担が軽減されたと回答した率が大きくないから、連携体制を構築することが、24時間体制の構築を推進することには寄与しないと書いてあります。連携ということなので、機能強化型の医療機関のことだと思って、先ほど調査票を見てみましたが、回答しているのは強化型とそうでないものとが全部混じっております。その中での比較で見ると、強化型のほうが、連携して負担が軽減されたという率が高いのです。と言うことで、今回の評価は私から見ると間違っているのではないかと思いますので、もう一回、検証部会で検討していただいて、本当にこの評価どおりでいいかどうかを考えていただいて、後で修正があるならしていただきたいと思います。
 以上です。
○森田会長
 この点については、いかがでしょうか。
○牛丸委員
 今の段階ですぐにお答えはできないのですが、承っておきます。
○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。
 今の点、先ほどのデータもそうですけれども、事務局で確認をしていただきたいと思います。
 特にほかに御質問がないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りにさせていただきます。
 本日の調査結果を踏まえて、平成26年度診療報酬改定に向けて、これから検討を進めていくということでございますので、よろしくお願いいたします。
 さて、次に「○外来医療(その3)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 それでは、中医協総-3をごらんいただきたいと思います。「外来医療(その他)〈主治医機能について〉」でございます。
 最初のほうは、これまでのおさらい的なものでございます。
 2ページ目は、外来医療の役割分担のイメージでございます。
 3ページ目は、医療機関別1日当たり入院外医療費ということで、病院の外来でも、まだ医療資源の投入量が低い患者さんが存在するということ。
 4ページ目は、先日の中医協でも御報告させていただきました、次期診療報酬改定における社会保障・税一体改革関連の基本的な考え方のところからつくった絵でございます。一番下のところ、赤い文字で、外来医療、身近なかかりつけ医を受診し、必要に応じて大病院等を紹介する等の体制の整備ということが書かれてございます。
 なお、この図の左側のいわゆる杯型の絵の病床数でございますが、これまでは平成22年のデータでございましたが、今回24年の新しいデータに数値が変わってございます。本日の議論とは関係ございませんが、参考までに申し上げておきます。
 5ページ目は、外来医療の機能分化の連携の粗いイメージ図。
 6ページ目は、本年1月に示させていただきました、外来医療の課題と論点についてでございます。
 7ページ目は、本年6月に示させていただきました、主治医機能の強化の課題と論点についてでございます。
 8ページ目から各論でございますが、主治医機能の強化についてということです。
 9ページ目は、対象医療機関と対象患者についてでございます。
 10ページは、日ごろから相談・受診している医師・医療機関へ期待することということで、主にアクセスのよさ、それから全人的かつ継続的な診療と書いてございますが、信頼できる先生が必要という状況でございます。
 11ページ目でございますが、高齢になるほど、平均傷病数や通院者率が増加するということが示されてございます。
 12ページ目、主な傷病の総患者数ということで、高血圧、糖尿病等が多いことが示されてございます。
 13ページ目は、高齢化社会が進展するに従って、65歳以上の認知症の高齢者が増加しているという状況が、予想されているということでございます。
 14ページ目、病院の種類別に見た外来患者の複数科受診の状況ということで、大きい病院になるほど、やや複数科受診がふえているという状況でございます。
 15ページから服薬管理についてということで、いずれも以前に示させていただいた資料でございます。
 16ページ目は、重複投薬・相互作用防止加算についての算定状況でございます。右側のグラフの上のところに、参考として小さく書いてございますが、処方箋料の算定回数5,099万回ということで、これを分母にして考えますと、率としては、非常に低いということでございます。
 17ページ目、多剤投与の影響についてということで、国立長寿医療センターと東大病院のデータがございます。
 18ページ目、参考ということで、1人当たり内服薬の種類。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設のほうが、特定施設よりもやや低目の傾向があるということ。
 19ページでは、それぞれのサービス事業所における利用者の状態ということで、特養、老健施設、特定施設の順に、要介護度の軽い人が多くなっている。逆にいうと、重い人が少ない傾向にあるということでございます。
 20ページ目、診療所及び200床未満の病院における処方箋料、処方料の実施件数が示されてございます。
 21ページ、施設の常勤換算の薬剤師の数でございます。それぞれの下のほうに、一般病院の数及び一般診療所の数が示されておりまして、割り算をしますれば、一般診療所のほうが薬剤師の配置率がさらに少ないということでございます。
 23ページから健康管理のことでございます。
 24ページは、市町村のがん検診の項目の説明でございます。
 25ページは、がん検診の受診率の推移でございます。
 26ページは、がん検診受診率の国際比較ということで、乳がん、子宮がんについては、我が国は低目の傾向にあるということでございます。
 27ページ、かかりつけの医師がいるほうが、いないよりも、がん検診の受診率が高目の傾向があるということでございます。
 28ページ目、米国との比較で見ますと、特に胃がん、肺がんなどにおいて、我が国のほうが、早期に発見される割合が高い状況でございます。
 29ページは、特定健診・特定保健指導の概要。
 30ページは、特定健康審査の説明でございます。
 31ページは、特定健診・特定保健指導の実施状況が、保険者別に年次推移で示されてございます。
 32ページは、受動喫煙防止対策の状況でございます。
 33ページは、近所の診療所に期待すること。日常的な病気の診療以外として、夜間、休日の時間外の医療に対応する、あるいは健康の相談に乗る、病院への紹介を適切に行うなどが、高い率となっているということでございます。
 35ページ、介護保険制度の理解と連携についてでございます。
 36ページ目は、丸1が高齢者の増加、丸2が認知症の高齢者の増加、丸3が世帯主65歳以上のうち、単独や夫婦のみの世帯の増加、丸4が都市部と地方との増加の比較をしてございます。
 37ページ、病院や一般診療所が行う介護保険による在宅サービスの実施状況が示されてございます。棒グラフにあわせて、パーセント、率が示されてございます。
 38ページは、介護保険制度における要介護認定制度の説明でございます。
 39ページは、その流れが図で示されてございます。
 40ページ目は、全国の自治体を対象に調査したもので、要介護認定に係る主治医意見書に関する負担などについてのデータでございます。
 41ページ、介護保険法における指定居宅サービス事業者の特例として、みなし規定のあるものが示されてございます。
 このほかに、短期入所療養介護、複合型サービス、これは小規模多機能サービスと訪問看護事業所が合わさったものでございますが、これらについても、みなしではございませんが、届け出によって医療機関が行うことができるということでございます。
 43ページ目は、居宅療養管理指導についての説明でございます。
 44ページ目は、参考として、短期入所療養介護について、これを実施していないと言った施設について、その理由が示されてございます。申請手続が煩雑とか、設備基準が満たせない等々が示されてございます。
 45ページ、在宅医療の提供及び24時間の対応についてでございます。
 46ページは、在支診、在支病の届け出の推移でございます。
 47ページ、在宅医療の提供状況として、主治医として在宅医療を提供している患者数です。1施設当たり強化型、それ以外、それぞれについて示されてございます。
 48ページ、緊急時の往診に関して、強化型の在支病、在支診において、緊急往診の実績がないところが存在する一方で、強化型ではない在支診等において、実績がそれなりにあるところが存在するということでございます。
 49ページは、みとりについても、同様の状況が見られるということでございます。
 50ページは、日医のデータでございますが、在宅医療の緊急往診について、在支診以外の診療所でも、緊急往診を行っているところが3割ぐらいあるということでございます。
 51ページ、みとりについて、在支診以外の診療所でも行っているところがあるということでございます。
 52ページは、時間外対応加算についての説明と届け出状況でございます。
 53ページは、一般診療所の救急医療体制の状況と休日夜間急患センターの状況でございます。
 以上を踏まえて、54ページ、主治医機能についての概要、対象医療機関と対象患者が書かれてございます。
 55ページ、服薬管理等ということで、今の状況が示されてございます。
 こういったことを踏まえまして、56ページでございますが、主治医機能の強化に係る論点について。課題として、外来の機能分化のさらなる推進の観点から、診療所や中小病院の主治医機能を持った医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対し、適切な専門医療機関等と連携することにより、継続的かつ全人的な医療を行うことが重要である。
 主治医機能としては、アクセスしやすい医療機関であること、服薬管理、検診等の受診勧奨、気軽に健康相談できること、介護保険制度等の理解、在宅医療の提供及び24時間の対応等が期待されるということです。
 論点として5点示してございますが、外来の機能分化における主治医機能のあり方を踏まえ、診療所や中小病院を対象とし、対象患者については、年齢による区分は行わないこととするとともに、高血圧症、糖尿病、脂質異常症や認知症を有する患者を対象とすることについて、どう考えるか。
 服薬管理について、患者が通院している医療機関を全て把握するとともに、処方されている医薬品を全て管理することが重要であり、診療所や中小病院において、院内処方等により、医師みずからまたは配置されている薬剤師等が、一元的な服薬管理を行う体制について、どう考えるか。
 健康管理について、健康診断・検診の受診勧奨を行い、その結果等をカルテに記載するとともに、評価結果をもとに患者の健康状態を管理し、また、気軽に健康相談できる体制について、どう考えるか。あわせて、たばこ対策を行うことについてどう考えるか。
 介護保険制度について、要介護認定に係る主治医意見書の作成や居宅療養管理指導等の介護サービスを提供すること等について、どう考えるか。
 外来から在宅医療までの継続した医療の提供を行い、また24時間の対応を行うことについて、在宅医療への積極的な関与及び夜間の連絡先も含めて、患者に対して説明と同意を求めること等についてどう考えるか。
 こういった5点について、論点として示させていただいております。
 説明は以上でございます。
○森田会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 時間の節約も兼ねてですが、全体を通して言うべきことを順番に申し上げます。
 21ページは、意見というか、感想だけです。診療所に薬剤師が少ないのは当然でありまして、薬剤師を置けるだけの診療報酬上の評価を、診療所は受けているとは思っておりませんということでございます。
 26ページで、がん検診の受診率の国際比較があって、日本は受診率が割と低いという結果になっています。しかしながら、28ページでは、以前の再掲でもありますが、日本は早期発見が多いということになっている。この2つのデータを合わせると、どういうことになるのかというと、前回、前々回にも示されましたように、日本は費用は安いんですけれども、受診回数が多くて、少しでも症状や異常があれば、検査の対象になっていることから、早期発見の程度の率が高いという結果を生んでいるんだと思われます。その結果の裏返しとして、がん検診の受診率が低いということも言えるのではないかと思います。そういう結論に至ることについて、私どもが現場でやっている診療所の医療について、矛盾を感じません。むしろ、そういう説明のほうが正しいのではないかと思いますということを申し上げます。
 それから、7剤投与に関する部分で、以前のデータが再掲されました。これについては、もう一度、異論を申し上げます。例えば老健施設や特養と高専賃やサ高住との患者さんの比較だけをして、特養や老健のほうが少ない傾向がある。私たちは7剤規制の撤廃を求めるわけでありますけれども、それに対する、言わば事務局としての反論は十分ではないと思います。このデータを本当に示すなら、それぞれ対象になった施設の入居者の疾患数や疾患の状態、年齢分布等々、詳細な分析をしないと、真のエビデンスにならないということは、前回このデータが出たときに申し上げました。にもかかわらず、もう一度使っておられますので、これは異議として抗議を申し上げます。
 特に後ろのほうで、何回にもわたって、今日の主治医機能というのは、複数の疾患を持つ患者に対して、一元的に全人的に管理するという定義がされているわけです。そういう定義をしておきながら、今日の薬価算定の状況も踏まえた中で、7剤規制を継続しようという意思が、このデータにはあらわれているのではないかと思いますけれども、これは大変大きな2つの主張の矛盾であるということを、改めて指摘させていただきたいと思います。
 最後に56ページの論点、特に(1)は、新たな包括的な点数設定等における必要性ということも、事務局の提案として意味しているのでしょうか。つまり高脂血症、糖尿病、脂質異常症、認知症等について、主治医機能を評価する観点から、包括的な点数をここに提案されているという理解でいいのか、そこまで至らないのか、そこは事務局の御見解をお伺いしたいと思います。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 最後の点について、事務局、お願いします。医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 最後の点でございますけれども、先ほどお示しさせていただいたように、主治医機能と申し上げましても、単なる疾患の治療だけではなくて、日ごろからの健康相談、あるいは健康管理、介護保険の仕事等、非常に多岐にわたっていて、患者と信頼関係をつくりながら、健康を維持増進していくというか、そのような機能があると考えてございますけれども、現行の診療報酬の出来高の考え方の場合、そういった予防的な観点等々はなかなか評価されていないことがございます。そういう中で、主治医機能をどのように評価していくかという議論ではないかと思ってございます。
○森田会長
 安達委員、よろしいですか。
○安達委員
 お答えをいただいたような、お答えをいただいていないような、認知症は初めてなんですけれども、高血圧、糖尿病、脂質異常症については、現在も包括点数が生活習慣病に関するものとしてあります。これが、今、ほとんど使われていないと思います。実質上は算定されていないと思うんですが、その理由も分析した上で、あえてこういうものを出させて、包括点数をやりませんかという提案なんですかということを、私はお聞きしたんです。
○森田会長
 医療課長、お願いします。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 確かに生活習慣病の管理料について、余り算定されていないということがございます。そういう中で、さらに高齢化が進んでいって、またデータで示させていただいたように、認知症の高齢者の方も増加するという状態に対しまして、地域包括ケアをどういうふうに進めていくかという観点から、診療報酬として何ができるかということで、今回これまでの管理料とはまた違った観点で、主治医機能として示させていただいたということでございまして、こういったものを総合的に見ていくことについて、御議論いただきたいということでございます。
○安達委員
 今、ここで、これを議論して、結論を出すわけではないんですね。
○森田会長
 もちろんここで結論を出すというよりも、いろいろな御意見を聞いて、この後、個別的に議論をする予定でございます。
○安達委員
 私ばかりで申しわけありませんが、私の意見のけりをつけさせていただきますが、この4つのうち、特に認知症については、臨床現場では、認知症の大半が専門の医療機関へ行かれるんですけれども、個人開業医の中にも、認知症について、今まで治療経験や学識経験がある方、そういうものを持った方たちが複数おられます。これが病院とやりとりするときに、そちらの診療所のほうでは、非常に手間がかかるんだけれども、算定できる点数がないという矛盾点みたいなものは、従来から京都でも指摘をされております。そういった点を含めての設定だと思います。
 それから、前の高血圧症、糖尿病、脂質異常症について、今ある包括の点数というのが、なぜ算定されないかというと、これはいずれも継続的に管理するものですから、今、要件として、毎月1回受診のたびに、指導箋を出せということになっているんです。ですけれども、そんなに変わった指導なんてないわけです。継続的に管理しているんですから、同じ中身になるんです。患者さんの側からは、同じ中身で指導箋をもらっているのに、指導箋には変更がないのに、毎月、出来高の検査をしない月の点数よりは、支払いが多いのかというような不評が聞こえてくる中で、皆さんが算定を控えているというのが、現実だと思います。ですから、それは条件の設定の仕方にもよると思います。我々は出来高が基本でというのが主張の第一ではありますけれども、主治医機能という視点をもとにして、包括点数をつくるとすれば、最終的には出来高との比較の上で、点数設定というものが一番大切になりますので、それがないと本格的には議論できない話だと思います。
 もう一つだけお願いしますが、7剤規制の話です。一元管理を複数の疾患を持つ患者さんに対してするということが、主治医機能だとうたいながら、一方では、7剤規制は必要だと読み取れる。私は不十分だと申し上げておりますが、データをお出しになる。この2つの事務局としての見解の間の齟齬みたいなものについては、どういうふうにお考えになっているんでしょうか。複数の疾患を見ても、7剤以内でやれるんだという御見解なんですか。
○森田会長
 この点、医療課長、お願いします。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 7剤とか、具体的な数値はここでなかなか言えませんけれども、少なくとも複数の医師にかかっている場合、それぞれの医師が診療している疾病に対して薬を出しているわけですから、それがときには重複するようなことも十分にあり得ると思います。そういうものについて、できるだけ一元的に管理すれば、少なくとも重なっているような薬などは、除かれるわけですから、複数の場合に比べて、薬剤の数が減るということは、当然想定される話ではないかということでございます。
○安達委員
 済みません。最後にもう一つだけ言わせていただきます。もう一つは、調剤薬局での重複投与の指摘というのは、物すごい少ないんです。5,000万回以上あって2万回ぐらい。そういう状況がある中でも、事務局としては、今のような主張になるんですか。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 もちろん、今、薬局で、いわゆるかかりつけ薬局として、そういう状況をちゃんとチェックして見ていただくことになってございますが、先ほどデータでごらんいただきましたように、そういった率が低いということが出ているわけでございます。薬局として、あるいは薬剤師として管理していただくというのは、当然でございますけれども、医師としても処方箋がございますし、治療の主体は医師でございますので、医師として、ちゃんとそういうことに気を配ってやっていただく、そういう両面から、無駄な重複投薬などを防ぐという観点が重要ではないかと思います。
○森田会長
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 ありがとうございます。
 幾つか質問、確認、意見になるかもしれませんが、お願いしたいと思います。
 今、最後に安達委員がおっしゃった重複投薬の防止加算についてでありますが、確かにこれを見ると、全体の0.05%ということで、算定している数が非常に少ないということであります。我々が疑義照会の調査を行う限りでは、大体3%前後疑義照会をしていて、そのうちの6~7割は処方変更が行われているということであります。これでは何でこういうふうに少ないのかというと、算定要件にもかかわることだと思います。例えば1枚の処方箋の中で、疑義が発生した場合、問い合わせをして、処方が変更になる、あるいは中止になる。これは算定要件に入っておりませんので、そういう意味も含めて、算定要件の見直しをしていただければと思います。
 私がお伺いしたいことでありますが、基本的に主治医機能の強化ということについては、全く異論ありません。その中で、スライド55と56の服薬管理について質問等でありますが、55ページにも56ページにも、一元的な服薬管理を行う体制が重要とありますけれども、この表現では、いま一つ、どういうイメージを持って書かれているのか、理解できないところがありますので、まずこのイメージを教えていただきたいのが1つです。
 それから、ここで説明している一元的な服薬管理というのは、例えば誰がこれを行うことをイメージしているのかも含めて、教えていただきたい。
 服薬管理の説明の中で、院内処方等とありますが、この「等」は何を指しているのか。主治医機能とは、院内処方を行っている医師に限られることではないはずだと我々は思っています。我々としても、保険薬局、薬剤師もかかりつけという機能により、主治医と連携対応しながら、一元的な服薬管理を初めとする役割を担っていると理解しておりますが、今回、提案されているものは、そのようなケースも含まれていると理解していいのかどうか、確認したいということです。
 先ほども課長からもお話があったとおり、医師には処方権、薬剤師には調剤権がありますので、これは確立しているものであります。もう一つ、薬剤師等の「等」についても、この「等」は何を意味しているのかということもお知らせし教えていただきたいと思います。この文章全体を見て、院内投薬を決して否定するものではありませんけれども、全体として、方針転換と受け取られかねない、こういう表現は避けるべきではないかと思いますが、この辺もいかがでしょうか。
 以上です。
○森田会長
 医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 この表現はわかりにくかったということで、それは申しわけなかったんですが、院外処方についての方針を変更するという意図は全くございません。つまりかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師が、きちんと服薬管理ができるということであれば、それはさらに進めていただくということでございまして、こちらのほうにございます、例えば院内処方等というのは、院内処方及び院外処方が当然入ってくるということです。
 それから、配置されている薬剤師等というのは、配置薬剤師ではなくて、薬局等の院外の薬剤師を含むという意味でございまして、そこはわかりにくかったのではないかと思います。
○森田会長
 よろしいですか。
○三浦委員
 ありがとうございました。
○森田会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 今のところでございますが、院内処方等ということですけれども、院外処方が随分普及したと言われていますが、実際、3分の1の先生方はまだ院内処方であります。地域性もかなりありまして、近畿地方などでは、院内と院外が半々です。福井県などでは、まだ3分の2が院内処方だという状況もございます。院内処方は、今まで、院外に比べて、非常に格差をつけられて来ましたので、そういう意味では、院内処方を見直そうという動きが出ることは、それはそれでいいと思いますし、院外処方はすでにかなり行われているわけですから、それももちろん否定するものではないということだと思います。
 それと、論点のところでございますが、主治医機能の強化について、我々はかかりつけ医機能と言っておりますが、その具体的な要件に至るようなものが書かれております。中身については、我々も理解できるものが多いのですけれども、もっと大きな枠組みとして、かかりつけ医をどのような形で考えているのか、よくわからないところがあります。
 我々としましては、以前からも言っておりますように、かかりつけ医というのは、複数の疾患があれば、複数のかかりつけ医がいるというのが、我が国のやり方でありますし、医療制度、医療提供体制というものは、その国の歴史的経緯や文化を背景にできたものだと考えられます。一橋大の猪飼先生によると、我が国の医療制度は、明治中期以降、「所有型」といって、病床を持って開業するというスタイルで発展し、現在、中小病院、有床診療所が多い姿になっております。しかも、専門医が開業するということで、診療所のレベルが高いということが、低コストで、きめの細かい医療を充実できた、今日までの原動力と考えられますので、これは今後の超高齢社会においても生かすべきだと考えております。今後の超高齢社会では、そういった有床診療所、中小病院の入院のベッドも使いながら、在宅も入院も、あるいは施設の入所も活用した仕組みをつくることが必要であり、それが日本型の高齢者ケアシステムだと考えております。
 その中でのかかりつけ医機能でございますので、例えばイギリスとか、オランダとか、北欧のような形を主張する方もいらっしゃいますが、私どもは直接訪問調査をして、報告書もつくっており、オランダは、イギリスよりは多少よくやっているような部分もありますが、医療制度はそれぞれその国の歴史や文化を背景にしてでき上がったものです。ヨーロッパ型というのは猪飼先生によれば「身分型」で、家庭医と専門医が分断されているのですが、今、それが問題になっています。医療費抑制のために病院のセカンダリケアを診療所のプライマリケアに下ろそうとしているのですが、両者が分断されているので、下りないという問題が起きているのです。我が国の場合は、そういったことが起きないというメリットがございますので、こういったことも生かすべきだと考えております。
 我々としては、複数の疾患があれば、複数のかかりつけ医があり得るということを前提に、かかりつけ医機能をどのように充実したらいいか、そういう道筋で考えていただきたいと思いますし、私どもは本年7月に在宅医療の研修会を中央で開いた後、今年度中に全都道府県で研修会を実施していただきたいとお願いしており、こういったことを毎年続けながら、かかりつけ医機能を充実させていこうという取り組みをしております。
 一世紀以上の我が国の歴史的経緯を踏まえた形で、かかりつけ医機能を充実していく。そして、我が国のピーク時には40%にも達する、世界に類を見ない超高齢社会を、中小病院や有床診療所のベッドも使いながら、既存資源を活用して乗り切っていくことが、私は唯一の道だと思っております。例えば総合診療医については、どういうものを意図しているのかわかりませんし、イギリスやオランダの家庭医みたいなものを想定されている方もいらっしゃるのかもしれませんが、それは我が国ではあり得ない話だと思います。これは病院の機能分化のところも同じですけれども、何かを一度に大きく変えようとすると、必ず大きな摩擦や混乱が起きます。この問題に関しては、かつての外総診や後期高齢者診療料のときの失敗という大きな教訓があるわけですから、これを踏まえて、現実的に前に進むように、後押ししていただくような、改定にしていただきたいと考えております。
○森田会長
 ありがとうございました。
 嘉山委員、先に手を挙げていらっしゃいましたので、どうぞ。
○嘉山委員
 今、鈴木先生がおっしゃったことと同じなんですけれども、要点を述べますと、制度を変えるときには、光と影が絶対に出ると思います。今回の論点、56ページの(1)(2)(3)について、いろいろと議論をしたいと思います。
 (1)でいいますと、主治医機能のあり方を踏まえというのは、前にも白川先生から、こういうものは、開業の先生でごらんになったらいいのではないかという質問があって、安達先生は、それに関して、今、やっていますと答えています。ただ、このときの問題は、ある国の家庭医がこういうことをやっているんですけれども、そこには影があるんです。それはどういう影かというと、専門家に一度も診せないで、こういうものを開業の先生のところでまず診てしまうと、そこで囲ってしまうと、すごくレベルの低い医療をやる。レベルの低い医療を国民がやってもいいのかということになりますと、これは問題なので、事務局に聞きたいんですけれども(1)はどう考えるのか。
 今、急性期でも、高血圧でもいろんな型があります。糖尿病でもいろんなタイピングがあります。認知症でもいろんなタイピングがあって、1回専門家に診せてから、こういうことをやれというのであれば、現在やっているので、どう考えるか。やっているので、それよりは、最初の診断するところの病院との関連をどう考えるのか。これは事務局に聞きたいと思います。これが第1点です。本当にこれをやってしまうと、先進国ですけれども、ある国のように非常にレベルの低い医療になってしまう。
 (2)(3)なんですけれども、現在、がんに関して、ここに健康管理等々があります。先ほど安達先生がおっしゃった28ページは、私ががん対策推進協議会で出したんですけれども、日本のがんの成績は、今やステージ1、2だと、5年予後は70%です。ほとんどのがんは、ステージ1、2です。ですから、早期発見されているんです。ところが、今、言ったヨーロッパの先進国は、健診を勧めるとお金が出るようになっているんです。それは日本と違ってフリーアクセスではないので、フリーアクセスでないからこそ、健診が必要なんです。あれは影なんです。フリーアクセスではない影が、健診を勧めるような制度をつくらせているんです。ですから、鈴木先生がおっしゃったように、何かあるときには、それを何とか補おうという機能が働いているわけです。それを壊してしまうと大変なんです。
 私はここで事務局に聞きたいんですけれども、将来的にはフリーアクセスを抑えて、健診を勧奨すれば、それで済むと思っているのか。一番のプライオリティー、優先度は、日本のフリーアクセス制度は、がんの成績をよくしている。結果は28ページで出ています。健診制度というのは、早期発見するのが目的なんです。健診率が低くても、結果がいいということは、間違えなくフリーアクセスなんです。これを壊してしまうと、結果が悪くなります。つまりあるところに光を当てて、そちらはいい、そちらは光った。だけれども、影でばんと来られてしまう。(1)(2)(3)の中で、一番恐いところは、今のフリーアクセス制度を壊して、医療レベルを下げて、医療費は少なくなるかもしれないけれども、国民はあっぷあっぷする。そういうことにならないかということを、お答えしてもらいたいんです。
 (1)に関して、事務局は、急性期の病院と診療所や中小病院との関係をどう考えているのか。それから、インセンティブを将来つけるのか。インセンティブをつけると、開業の先生方は、健診をやれやれと言います。例えば今、胃がんの健診を全部あのとおりにやってしまいますと、日本にある内視鏡は足りなくなってしまうんです。日常医療に影響が出るという数字が出ています。そういうことまで考えているのか。結局あるところには光を当てたんだけれども、影が大きくなってしまって、今より悪い結果になる。そうなったら困るので、この辺はレギュラトリーサイエンスでやってもらわないと困るんですけれども、その辺の御意見を事務局にお聞きしたいです。
○森田会長
 医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 御質問を2点いただいたと思います。
 1点目は、家庭医が抱え込んでしまうというお話がございましたけれども、そういった事態は基本的に想定してございません。以前、安達委員なども中医協の中で御発言されていましたけれども、日本の開業医の先生というのは、基本的に大学病院などの大きな病院で、それなりの専門性を磨いて、その後、開業していらっしゃる先生が多いということですので、海外の病院の医師と開業医とが、教育段階からはっきり分かれているというケースとはかなり異なるのではないか。そういう中で、主治医、診療所の医師として、患者さんを診察されたときに、当然自分の専門であれば、自分でそのまま診療されることもあるでしょうし、必ずしも自分の専門でない場合には、適切な医師を紹介するという機能が主治医機能として重要ではないかということでございますので、1つの診療所にずっと抱え込むというイメージはございません。むしろ適切に紹介をしていただくことが、重要な主治医機能であると考えております。
 (3)の健診を勧めるとフリーアクセスが抑えられるというのは、いま一つ、よくわからなかったんですが、いずれにしましても、自分の医療機関で、健診なり、日ごろの健康管理をするということもあると思いますし、また、そうではなくて、例えば職場健診なり、あるいは地域の健診をお勧めして、そういうデータなどもきちんと記録した上で、日ごろの診療をしていただく。そういう継続的な診療をしていただく、場合によっては、一次予防的なものも含めて、機能として発揮していただく。そういうものについて、海外では受診を勧めるとお金が出るとおっしゃいましたけれども、診療報酬の場合は基本的にそういうものはございませんので、先ほどの安達委員の質問にお答えしたように、予防的なものも含めて、総合的な評価をどうするかという話につながってくると思います。
○森田会長
 どうぞ。
○嘉山委員
 (3)は何もフリーアクセスを健診でと言っているわけではなくて、将来的にフリーアクセスを抑制するための1つのバーターとして、インセンティブ等々をつける可能性があったら困るということで、質問したわけです。
 あと、56ページの(1)に関しては、日本語がよくわかりません。これはどう考えるかと書いてあるんですが、何をどう考えるのかということなんです。これはみんなやりなさいということですか。よくわからないんです。日本語になっていない。主語もないし、誰が対象にするのかよくわからないんです。佐々木さん、あなたが書いたんですね。日本語になっていません。これを問題として出したら、どれが主語ですかと言われても、わからないと思います。
○森田会長
 事務局、お願いします。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 曖昧な文章でわかりにくかったかもしれません。今後、主治医機能を評価するときに、こういった患者さんを対象とする主治医の評価について、中医協としてどのように考えるかという意味でございます。
○森田会長
 どうぞ。
○嘉山委員
 以前にこういうふうにやってもらったら、医療費もいいし、患者さんも便利だし、いいと白川先生がおっしゃって、それに対して、安達先生がこれは現実にやっていますとおっしゃいました。今さらここにどう考えるかと出てきているので、先ほど言ったように、急性期を抑えて、ここだけでやってしまうのかという意味で、私は聞いたんです。実際もうやっているんです。だから、どう考えるかの「どう」はどうなのか。何を思っているわけですか。ここが一番の真意だと思います。
○森田会長
 医療課長、お願いします。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 これまでの仕組みとして、今、やっているという話がございますけれども、今後、主治医機能として、来年の改定に向けて、具体的なこういった機能の評価ということを考えたときに、どのような評価の仕方を考えるかという意味でございます。
○森田会長
 矢内委員が手を挙げていらっしゃいます。どうぞ。
○矢内委員
 主治医の機能を強化するという方向性については、是認するということを前提にして、意見を述べさせていただきます。
 スライドの54ページの主治医の機能について、また55ページの服薬管理から在宅医療の提供及び24時間対応といった評価要素を、主治医機能として期待したいということは、おおむね理解できます。
 ただし、56ページの論点の(2)、先ほどもお話が出てまいりまして、説明があったので私も理解できたのですが、あえてもう一度申し上げたいと思います。服薬管理について、院内処方等という例示が出ていますが、既に医薬分業が定着してきているわけで、そういう流れと合致する方向、すなわち医薬分業と矛盾しない方向で具体的にいろいろ検討していただく。先ほどもそうだという御説明だったので、あえて言うまでもないかもしれないのですが、もう一度、私からもそういう方向で検討していただくのがいいのではないかと、意見を述べさせていただきたいと思います。
 それと56ページの(3)の健康管理、(4)の介護保険制度の理解という点につきましては、主治医の方々に限らず、医療関係者ということであれば、期待されるというより、当然やっていただかなければいけないことなのではないか。あるいはやっていただいていることなのではないかと思うので、したがって、主治医の機能の要件の1つとして、このことだけを取り出して、医療保険で評価するというのは、少し疑問を感じる次第です。
 特に健康管理につきましては、現在、我々保険者といたしましても、レセプタのデータ、あるいは健診データ、そういった医療情報をベースにして、特定保健指導であるとか、糖尿病の重症化予防事業であるとか、いろいろ取り組んでいるわけでございまして、今回、主治医の機能として、受診勧奨の結果などをカルテに記載するとか、その結果をもとに健康状態を管理するとおっしゃっているわけでありますが、せっかくの情報が医療機関だけで閉じてしまっては、効果がないのではないか。医療機関のこうした情報は、保険者にも共有できるような体制づくりを工夫していただくことが重要ではないか。健康管理を今度の主治医の要件として加える場合には、このような要素をあわせて検討していただいて、そうなると、ただ単に取り出して殊さら評価するということではないと思いますので、こういった要素もあわせて検討していただければと思います。
 以上です。
○森田会長
 御意見ありがとうございました。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員
 主治医機能の強化は結構だと思いますが、非常にハードルが高いと思います。例えば先ほども出ておりましたが、服薬の管理につきましては、私ども患者の立場からいえば、診療所と薬局の連携で、重複の投薬などを防いでいただければ結構でありますので、そうしたところを連携によって解決していただければいいわけで、主治医の先生方に責任だけを持たせるというのは、いかがなものかと思います。
 それから、健康管理にしましても、市町村との共同の事業であります。ので、お医者様主治医だけにそれを任せてしまうわけではなくて、市町村が広域で取り組むとか、もう一つ違うステージがあるのではないかと思います。
 私ども患者の立場で申し上げますと、慢性はそれで結構でありますが、突発性の脳卒中などを患って、退院をされるときに、その後の生活など、退院調整、退院カンファレンス、こちらに主治医の先生が入っていただければ、患者としては安心して退院した後の生活が送れるのではないか。そうした視点を主治医の機能の中に入れていただければ、病診連携も進むし、多分いろんな効果が出てくると思います。この視点がないのであれば、主治医強化ということであれば、急性期のときから普通の生活へ帰っていただくときに、一緒に指導いただける、一緒に取り組んでいただける、こうした機能を主治医の機能の1つに加えていただければ、ありがたいと思います。
 以上であります。
○森田会長
 御意見ありがとうございました。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 主治医機能の強化という考え方については、ここにおられる方、ほぼ皆さん、特に異存はないと思うのですが、ここは中医協でございますから、それと診療報酬上の評価をどう関連づけるのかがはっきりしないために、嘉山先生も質問されましたが、議論が少しずれる可能性があると心配しております。
 私のイメージは、廃止になりましたが、後期高齢者診療料や終末期相談支援料という点数です。要は、ここにある3つの慢性疾患や認知症を持つ患者が、特定の診療所あるいは中小病院と契約し、疾患に関連する服薬管理、健康管理、あるいは24時間対応等については、契約した月々の診療報酬の中で賄っていただき、それにかかわらない部分がございますので、他の疾患に対し薬が必要であれば、処方箋料を請求していただく、あるいは専門医等への紹介が必要な場合は、紹介料を別途取るとか、これが正しいかどうかわかりませんが、そういう具体的なイメージがないと、なかなか議論が進まないと思っております。現在、事務局はどういうイメージをお持ちなのかということを、まず説明いただきたいと思います。
○森田会長
 事務局、お願いいたします。医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 今、幾つか御意見も含めていただいたんですけれども、白川委員の御質問に答える前に、そちらに少し触れさせていただきます。服薬管理については、先ほど申し上げましたように、今の医薬分業の方向を変えるということではないんですが、そうはいっても、薬局がなかなかない地域では、どうしても医療機関でやらざるを得ない地域もあるということとか、あるいは医薬分業が進むがゆえに、医師自身の薬に対する関心というか、そういうものを失うというと、ちょっと言い過ぎなんですけれども、そういうことがないようにというか、主治医としては、当然ほかの先生が出している薬も把握した上で、どういう治療をしていくかという認識は必要ではないかということを含むということでございます。まさに医師と薬剤師がちゃんと連携して、そういった服薬管理をしていくことが重要だと思います。
 それから、介護の関係についてもお話が出ましたけれども、例えば介護関係の枠組みであれば、御家族、要は介護をしている方が、急に介護をできなくなったときの緊急ショートステイという枠組みがあるんですが、そういうものを知らないと、本来適切でなくても入院させてしまうようなケースが出てしまったり、そういうこともあり得る。やはり介護も医療も両方わかった上で、患者さんやこの御家族にはどういったサービスを提供するのが一番適切かということをちゃんと判断していただくのも、主治医の機能ではないかということでございます。
 そして、最後の白川委員の御質問でございますけれども、そういったことも含めて、主治医機能として、また、先ほど言いました健診とか健康管理も含めて、主治医の機能として評価するとすれば、これまでの出来高の評価では、当然治療の部分しか評価できないわけですから、そうではない、総合的な評価ということで、先ほども安達委員も触れましたが、必ずしも出来高ではない評価の形もあるのではないかと思います。
○森田会長
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 わかりました。イメージとしては、主治医機能は、包括評価を主体に、それぞれ出来高が発生した場合は、出来高で対応するという組み合わせでやるという考えのようで、私も考え方としては、先ほど申し上げたとおり、そういう方向がよろしいのではないかと考えております。
 その場合、主治医の機能は、ここに書かれております、服薬管理と健康管理と介護保険制度の理解、在宅医療、こういったことで、もちろん治療そのものも含まれるわけですが、これだけでいいかと言われると、私は2つ抜けているのではないかと思っております。
 1つは、日本の診療所は、安達先生や嘉山先生がおっしゃるとおり、かなりレベルの高い診療所が多いと思いますが、専門分化が進み過ぎております。そうはいっても、例えば消化器内科の医師が循環器を診ないかといったら、そんなことはないと思うのですが、専門医への紹介機能というのは、きっちり主治医機能の要件としておくべきだと思っております。
 今、医療保険制度改革の中で、大病院に紹介状なしで行った場合は、一定の定額負担をという方向性がだされているようでございますので、それとの関係もあって、主治医のところで紹介状をいただいて、しかるべき専門医を持つ大病院に行くというルートを確立するという意味でも、非常に必要なことではないかと思っております。
 もう1つは、特に高齢の方々のターミナルケアの問題が、日本の医療費を圧迫している1つの大きな要素と考えておりまして、提案の制度は、年齢制限なしということではありますが、特に高齢の方については、終末期にどういうケアをするんだということはよく相談していただいて、あらかじめ決めておくことも必須ではないかと思っております。それも主治医としては、非常に重要な機能ということで、書き込んでおくべきではないかと思っております。
○森田会長
 ありがとうございました。
 西澤委員、どうぞ。
○西澤委員
 最初に56ページの論点が出てきたときに、これをどのように解釈したらいいかということでしたが、今の白川委員と事務局のやりとりで、要するに包括ということを念頭に置いているということは、理解できたわけです。ただ、論点としては、これは見ただけでは、そうかどうかというのは、なかなかわからない。今の議論の中で見えた。ですから、主治医機能の強化は、我々も当然ですし、日本医師会、四病協でかかりつけ医機能を出しまして、これから我々は責任を持ってそういう機能を担っていくということを、きちっと提言したわけですが、この方向性は賛成です。
 ただ、診療報酬上の評価となると、またどのような形でするかということが、いろいろあると思います。ですから、(1)からの項目、それぞれを個別に評価する場合だったら、どれもいいのではないか。包括で評価するんだったら、これを全てまとめるのか、あるいはこのうちの一部をまとめて、ほかは別なのか、そういう議論をしないと、我々も答えを言いづらいと思います。個別的にいうと、どれもいいと言ってしまうわけです。ただ、これとこれをまとめるのはどうかと言われると、また別だと思います。
 それから、ここに書いてあるだけではなくて、白川委員が言ったとおり、みとりの問題だとか、あるいは一部一番下に在宅を書いていますが、在宅のことをもっと大きく議論するとか、もっときめ細かな、時間をかけた議論が必要ではないかと思っております。
 それと、特に引っかかったのは(2)のところなんですけれども、服薬管理ということと、院内処方というところが、どうしてもかみ合わない。この辺りは、議論の中で、またやっていきたいと思います。
 それと、医師みずからあるいは配置されている薬剤師、中小病院は薬剤師がおりますから、その中できちっとできるのではないかという気がするんですが、診療所の場合、薬剤師がいないということであれば、医師が全部やることになります。これを全部見てしまうと、診療所の先生は、服薬管理等々を全て、本来であれば、薬剤師ができる仕事をも医師がしなければならない、あるいは24時間もしなければならないということになります。今、勤務医の負担軽減ばかりが言われていますが、診療所の先生方もかなり頑張っていると思います。そこにこれ以上の負担をさせるのかということになると、それも論点の1つだと思います。
 そうだとすれば、主治医機能の強化を議論するときには、もう一つ、連携という言葉が入ってくる、あるいはチーム医療という言葉が入る。チーム医療というのは、病院の中だけではなくて、地域におけるチーム医療もあると思います。そういうことも一緒に論点にして、その中での診療所の役割、あるいは主治医の機能の役割がどうか、そういう総合的な議論をしていただきたい。そういう中で、ここは中医協ですから、当然点数で評価するわけですから、きちっとみんなが合意できるようにしていただきたいと思います。医療費をできるだけ効率化という面もあると思いますが、片方では、質という面は絶対に議論から外すことはできない。変わることによって、住民の方々、患者さんに、今まで以上に質の高い医療を提供できるんだ、そういう姿を見せるような改定をしていただきたいと思います。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 済みません、1点だけ、白川委員が今おっしゃったうちの前半の部分は、我々開業医が一番心していることで、自分の専門性を超えて、自分の専門外のことでも、軽症の方は診られるんですけれども、それ以上になったときに、どこまでを診て、どこからは紹介しなければいけないか、これは常に私が心していることですということは、申し上げておきます。
 後半の部分、終末期医療のことは、最近の厚労省の文書に、常に効率化という単語が出てくることは、非常に危険な考え方だと思っておりまして、効率化という言葉は、個人的には好みません。無駄の排除ということが一番正しいんだと思いますけれども、まさに終末期医療のところに無駄があるという白川委員の御指摘は、そのとおりだと思います。
 そのときに、1つ必要なことは、中医協の権限を越えていて、日本の国家としての法制上の中で、リビング・ウィルというものの法制化をきちっとやらないと、大体遠くの親戚が来られるということになるわけです。医学的に無駄だとわかっているけれども、治療をやめられないという悩みを我々は抱えます。
 うちの患者さんたちには、愛知のがんセンター長を務められました大野先生が退官に際してお書きになりました、白血病の専門家ですが『自分で選ぶ終末期医療 リビング・ウィルのすすめ』という本があります。30冊ほど買い込んで、御希望の患者さん方には貸し出しました。半分ぐらい戻ってこないんですけれども、自分の母親も進めて、何十名かのリビング・ウィルを、今、私は預かっています。でも、これは法的権限がないんです。ですので、それが一番大きな問題だと思います。これは中医協の範囲を超えますけれども、ぜひ日本の法制度の中で検討されて、早期にそういう法律ができるべきだろうと思っております。
○森田会長
 花井圭子委員、どうぞ。
○花井圭子委員
 私も主治医機能の強化という方向性については、賛成の立場で、幾つか意見を述べたいと思います。
 介護との連携のところで、幾つか問題が出されておりまして、ここに書かれていることもそうなんですけれども、もう一つ、ケアカンファレンス、地域のケア会議に主治医機能を持った医師が出席するということも、評価の内容としてあってもいいのではないかと思います。
 24時間体制というのは、患者にとって非常にありがたくて、必要なことではあるんですが、主治医機能を持ったお医者さんが全てできるはずもないので、それを地域の中でどういうふうに連携してつくっていくのかということも、議論しなければいけないと思います。もう既にやられているかと思いますが、さらにその体制を確固としたものにする必要があるんだろうと思います。
 それから、24時間やっているところがあることを患者が知る方法です。中医協の話ではないと思うんですが、患者の立場からすると、そういうことがセットで、主治医機能の内容について検討されることが必要ではないかと思います。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 もう12時を過ぎまして、まだ議題がありますので、そろそろ整理をさせていただきたいと思います。
 お手が挙がりましたが、今、挙げられている方の御発言で、大体終わらせていただきたいと思います。
 鈴木委員からどうぞ。
○鈴木委員
 今のお話をずっと聞かせていただいていますと、主治医機能にこれも盛り込め、あれも盛り込めということで、かかりつけの先生も大変だと思うんですが、これは単にかかりつけ医単独の問題だけではないと思います。地域包括ケアの仕組みの中で、かかりつけ医をどう位置づけるか。そして、そこにはかかりつけ医として、有床診療所の先生、200床未満の中小病院の先生も入っているわけです。そこの入院機能も含めて、介護とか、その他地域の中で決めていく話もかなりあると思います。
 例えば24時間対応の問題については、すべて先生1人でということではないと思いますし、終末期の迎え方も地域の中で決めていくようにして、三次救急や高度急性期病院のようなところへ行かないで済むような仕組みをつくっていく中でのかかりつけ医機能だと思いますので、そこはセットで考えていく必要があると思います。だから、かかりつけ医機能だけ切り出して、ここで細かく決めても、全体の地域包括ケアの仕組みの中でどういう位置づけを考えるかという視点が必要であうるということです。ですから、具体的に言えば、200床未満の中小病院、有床診療所、診療所の医師がかかりつけ医機能を持っていて、そういった医療機関が、地域の中で果たす役割も含めた議論をしていかないと、決まらないと思いますので、その辺の整合性をとる必要があると思います。
 私は外国をいろいろ見ましたけれども、わが国にはこれ以外に道はないし、これが最も優れたやり方です。既存資源があるのです。今から病院とか有床診療所を建てなくても、既存資源があります。建てかえをするところもあるとは思いますが、ここを生かして、どうこの数十年間を乗り切るかという議論を総合的にしないと、今度はかかりつけ医に非常に負担を強いることにもなりますので、全体的な議論をする場も必要だし、そういった枠組みの構築が必要だと考えております。
 以上です。
○森田会長
 それでは、簡潔に、田中委員、石山委員の順でお願いいたします。
○田中委員
 簡潔に患者の立場から申し上げますと、主治医の先生がいて、まさにその先生がコーディネーター的となって、その患者さんの治療全般について意見を述べたり、あるいは紹介をしていただいたりというのは、非常にすばらしいことだと思っています。ただ、それが具体的にどういう形でできるのかというのは、きょうの議論を聞いていても、まだ疑問があります。
 例えば端的にいって、かかりつけ医と主治医はどう違うのかとか、主治医の先生というのは個人なのか、あるいは主治医機能を持った医院なのかとか、そういったイメージはまだ漠然としていて、患者の立場からすれば、相談ができる窓口があって、連携をし、全人的な医療と非常にすばらしいことが書かれているんですけれども、それを具体的にどうするのかということは、まだつかみどころがない。今のところ、かかりつけ医と主治医の機能というのは、どう違うのか。ここら辺のところもよく議論をして、さらにほかにも御意見がたくさんあったと思うんですけれども、地域の中の医療、地域の連携というのが、当然必要不可欠であって、それは都心とローカルな地域とか、地域性というのも相当あると思いますから、そこら辺のところは、細かい議論をする前に、枠組みをしっかり議論してから、中身の議論に入っていくべきではないかと思います。
 以上です。
○森田会長
 石山委員、どうぞ。
○石山委員
 主治医の機能については、かなりまとめて述べられていると思いますので、1点、服薬管理のところで申し上げたいと思います。三浦先生と西澤先生が御質問されていたので、大分中身が氷解されたのですが、どうも院内処方等というのがわかりにくかったです。医薬分業についても、今までの方針が変わらないということを、省のほうも述べられているので、その方向で私は結構だと思いますが、内科医の先生が主治医だという前提になりますと、例えば一元管理というのが本当にできるのか。
 この場合、調剤薬局の役割というのは、かなり大きいものがあるはずだし、先ほどから各先生がおっしゃるとおり、特に2号側の先生がおっしゃるとおり、お医者様でも薬剤を周知されている、オールマイティーの方というのは、だんだん少なくなっている。そうすると、例えば内科医の方が主治医であっても、患者さんは、例えば耳鼻咽喉科へ行くなど、別の診療科で処方されて、一度に服用すべきでないケースもあるはずで、すべて内科医の先生が把握することは難しいことも想定されます。一元的に服薬管理するという目的であれば、お薬手帳もあるし、IT化がどんどん進んでいく時代なので処方情報の電子化・共有化が有効かと思います。そういう要素も省は考慮して、この管理をやっていただきたいと思います。意見です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 まだまだいろいろな御意見があろうかと思いますけれども、時間もかなり経っておりますので、これぐらいにさせていただきたいと思います。今後、具体的なこと、それぞれの論点について詰めていくことになりますけれども、きょうのところは、主治医という機能そのものについては、否定的な御意見はなかったと思います。ただ、それが具体的にどういうものを含むのかという範囲と、もう一つは、それを診療報酬上どのような形で位置づけるのか、その点については、幾つか御意見が分かれたところがあろうかと思います。その辺につきましては、論点を整理して、事務局から資料を提出していただき、御議論いただきたいと思います。そういうことで、この議論は、きょうの議論を踏まえて、今後さらに深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 アジェンダとして掲げられております議題は、以上のとおりでございますけれども「○その他」がございます。これにつきまして、資料が提出されておりますので、事務局から御説明をお願いしたいと思います。どうぞ。
○一瀬医政局研究開発振興課長
 研究開発振興課長でございます。
 中医協総-4と中医協総-4参考に基づきまして、御説明させていただきます。
 中医協総-4をごらんください。「高血圧症治療薬ディオバン(一般名:バルサルタン)の臨床研究事業」でございます。
 「経緯」をごらんください。東京慈恵会医科大学や京都府立医科大学などが実施しました、ノバルティスファーマ社の降圧剤バルサルタンが、他の降圧剤に比べまして、脳卒中や心筋梗塞を減らしたとする論文につきまして、平成24年に血圧値等のデータに疑義が指摘された結果、学会誌がその関係論文を撤回いたしました。
 また、これらの研究につきまして、ノバルティス社の元社員が、ノバルティス社の名前を伏せて、大阪市立大学非常勤講師の肩書でかかわっていたとの御指摘がありまして、大学及びノバルティス社に対しまして、厚生労働省から事実関係の調査を指導いたしました。
 その結果、東京慈恵会医科大学と京都府立医科大学からは、データの操作が認められたが、大学関係者はデータ操作を行っていないとの調査結果を公表いたしました。
 ノバルティス社のほうは、社員がデータ操作を行ったことを示す証拠は発見できなかったとの調査結果を公表しております。
 そのほかの大学につきましては、現在、調査中でございます。
 「これまでの取組」ですが、平成25年8月に検討委員会を設置いたしまして、事案の状況把握のために、大学やノバルティス社の調査結果の確認ですとか、研究代表者、ノバルティス社元社員などからのヒアリングを行い、また、再発防止策につきまして、検討を行いました。
 また、8月23日には、主な研究機関に対しまして、自主点検をお願いする通知を文部科学省と厚生労働省の連名で発出しております。
 「補足」ですけれども、薬事申請のための研究以外の臨床研究につきましては、現在、厚生労働省としましては、臨床研究倫理指針の遵守を求めております。この指針につきましては、昨年から疫学の指針と一本化するための検討を進めておりまして、その中で研究データの保管など、研究の信頼性確保のための措置を講ずるなどを含めました、中間取りまとめを行っているところであります。
 裏の面をごらんください。
 こちらの上段に書いておりますのが、検討委員会の委員名簿等になります。
 下段をごらんください。検討委員会の中間取りまとめの概要を記しております。
 「○ 事案の背景と問題の所在」です。
 (1)としまして、研究者側の研究動機が講座の結束を強めたいというものであり、医学的研究課題の解明に向けたものではなく、被験者保護の観点から問題がありました。
 (2)として、ノバルティス社の社員が研究にかかわったのは、一個人のかかわりというよりも、ノバルティス社としてかかわっていたと判断すべき実態がありました。
 また、大学及びノバルティス社双方に利益相反管理上の問題がございました。
 両者はデータ操作にかかわっていないことの説明責任を十分に果たしていない。我が国の医学界の信頼性が大きく低下したことに対する責任は両者で負うべきものであるということでした。
 (5)としまして、臨床研究の実施責任者・倫理審査会の対応が不十分で、また、資料が廃棄されていたことにより、検証が不可能であったということがありました。
 これらの問題を踏まえまして「○ 今後の対応と再発防止策」としまして、左側のほうになりますけれども、国は来年の秋を目途にメリット・デメリットを十分に考慮の上で、法制度に係る検討を進める。
 倫理指針の見直しの一環としまして、倫理審査委員会の機能強化と審査の透明性確保、研究責任者の責務の明確化と教育・研修の徹底、データ改ざん防止対策の構築、資料の保管管理に関する体制・ルールの整備を行う。
 また、研究機関と製薬企業の透明性の確保、製薬企業のガバナンスの徹底を図るとしました。
 右のほうをごらんください。「○ その他の重要課題」としまして、(1)誇大広告に該当するおそれがありますことから、国は薬事法上の違法性を十分に検討し、厳しく対応すべき。
 (2)としまして、学会ガイドラインに関連論文を引用した経緯や、利益相反管理状況の検証をすべき。
 (3)が中医協に関連する部分でございますけれども、報告書では22ページに書いてありますので、そちらもごらんいただければと思います。こちらのところは、今回の事案による医療保険財政への影響の評価等について、中医協において検討すべきと考えると記しております。
 (4)としまして、非常勤講師の委嘱のあり方を適正化すべき。
 (5)臨床研究実施機関による自主点検を実施すべきということが、中間取りまとめで書かれております。
 まだ大学の調査が全部終わっておりませんので、引き続き、検討委員会でも状況把握等を行っていく予定としております。
 説明は以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明にもございましたけれども、中間取りまとめに、今回の事案に係る臨床研究による医療保険財政への影響の評価等について、中央社会保険医療協議会において検討すべきという記述がございます。
 これにつきまして、現段階で私の考えを述べさせていただきますと、私自身としましては、総会ではなく、薬価専門部会で御検討いただき、その結果を踏まえて、総会で検討するのが筋道ではないかと考えているわけでございますけれども、そうした私の考えも含めまして、御質問、御意見等がございましたら、御発言いただきたいと思います。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 非常に残念な例ということで、私ども支払い側としても、問題意識を持っていますが、今、森田会長からお話がありましたとおり、まず薬価専門部会で議論すべきであろうというのは、私も賛成でございます。
 ただ、その際に、検討委員会が何を期待されているのかが、いま一つわからないところがあるのですが、想像するに、1つは薬の値段の問題であろうと想定しておりまして、薬価専門部会で議論する際には、ノバルティスファーマ社の薬が出されて以降の薬価の変動、同種の薬の薬価の変動等についての資料をまず出していただきたいと思っております。
 それから、途中で市場拡大再算定が適用されたと記憶しているのですが、その辺の情報もいただきたいと思います。特に申し上げたかったのは、薬価に関する過去のデータを全て出していただきたいということです。
○森田会長
 ほかにございますか。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 この問題は臨床に携わる者にとっても、患者さんに脳卒中にも効くから、血圧も下がるしということで、勧めた経緯もありますので、患者をだましたことにもなりかねない。我々もだまされた。患者さんから、最近、あの薬を飲んでいても大丈夫ですかと言われるんです。血圧は下がるからと言っているんですが、それだけ一般の方にも大きな影響を与えている問題だと思いますので、薬価専門部会で結構ですが、しっかり議論していただきたいと思います。
 年間1,000億以上の売り上げがある、物すごい目玉商品です。非常にこの問題は大きいと思います。我々医療界にとってみれば、指導監査で、重箱の隅をつつくようなことを言わせて、あとは自主返還とか、そういうことをされているわけですので、きちっと対応していただきたいと思います。
 それと、我が国の臨床研究のレベルも非常に問われるような事態だと思うんですが、例えば今後費用対効果の議論をしても、臨床研究の充実というのがベースになりますから、これが危ういということになりますと、結局、危ういデータからは、悪い結果しか出ません。今度の先進医療などもそうですけれども、こういう取り組みも、枠組みをつくるのは結構ですけれども、実際、そのデータを分析するところへお金が回らないとか、そういうことが続いたのでは、絵に描いた餅ということで、日本の経済にも寄与するどころか、逆効果ということにもなりかねませんから、ぜひそういった基礎的な部分もしっかり対応してほしいと思います。
 ちなみに、小さな話ですけれども、18ページに日本医師会の名前が出ているんですが、ここは「社団法人」となっておりますが、現在は「公益社団法人」でございますので、訂正していただければと思います。
 以上です。
○森田会長
 石山委員、どうぞ。
○石山委員
 先ほど白川委員が資料の関係でおっしゃったんですが、その後の薬価の動向は非常に大事ですから、ぜひ提示いただきたいというのと、この薬が市場に出る前に、当然総会なり薬価専門部会に諮っているはずです。そのときのデータなり資料があれば、同時に出していただきたい。
 あと、薬事法の問題でディオバンの広告が誇大広告であった可能性があるようだが、本当にデータがあるか、あるいは厚労省がその資料を持っているかどうかわかりませんけれども、どのような広告を打っていたのか、その辺のデータがあったら、教えていただきたいと思います。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 この件につきまして、事務局から御説明などはございますか。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 特に説明はございませんが、先ほどの収載されるときの話なんですけれども、実際、中医協に係るときに、データということではなくて、類似薬効比較方式なのかどうかとか、原価計算方式なのかどうかというものの資料はありますので、そちらのほうの資料を出させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○森田会長
 どういうデータで、どのように影響を評価するかということを含めて、薬価専門部会で御検討いただければと思います。
 本件はそうした形で、薬価専門部会で検討するということで、御了承いただいたということでよろしゅうございますね。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 ありがとうございました。それでは、そのように進めていただきたいと思います。
 12時半近くになりましたけれども、本日の議題は以上で終了でございます。
 それでは、次回の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。
○宇都宮医療課長
 次回は10月中旬を予定してございます。決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いします。
○森田会長
 どうもありがとうございました。それでは、本日の総会はこれにて終了いたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線3288)

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