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2013年10月15日 第8回全国健康保険協会業績評価に関する検討会

保険局保険課全国健康保険協会管理室

○日時

平成25年10月15日(火)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省専用第22会議室(18階:国会側)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○議題

業績評価の議論
 1.健康保険(1.保険運営の企画 (6)的確な財政運営 など)
 2.船員保険
 3.組織運営及び業務改革

○議事

○末原全国健康保険協会管理室長 おはようございます。

 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第8回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。

前回に引き続き本日も全員に御出席いただいております。

全国健康保険協会からは小林理事長以下、関係理事等の皆様に御出席いただいております。

本日は、前回に引き続き全国健康保険協会の業績評価を行うため、協会からの事業報告についての議論を行います。前回同様活発な意見交換がなされることを期待しております。

それでは、土田座長、よろしくお願いいたします。

○土田座長 おはようございます。

 それでは、議事に入ります。

最初に、きょうの議事内容及び配付資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

○末原全国健康保険協会管理室長 議事内容及び配付資料の説明をさせていただきます。

 本日は、前回の検討会で取り上げた3テーマ、保健事業、事業主との連携、医療費適正化、これ以外について議論いたします。

 1つ目は健康保険、保険運営の企画、的確な財政運営など。

 2つ目に船員保険。

 3つ目に組織運営及び業務改革。

 この3点について議論いただきます。

なお、本日の議論の進め方といたしましては、前回と同様に、資料2「全国健康保険協会業績評価検討会 説明資料」に基づきまして、協会から各項目について説明をいただき、その後、資料1の評価シートと突き合わせを行いながら質疑、議論をお願いしたいと考えております。

次に、資料についてですが、資料1及び参考資料1から5につきましては、前回の検討会で配付したものと同一の資料となりますので、引き続き前回の資料をごらんいただければと思います。

なお、今回新たに配付させていただく資料といたしましては、先ほど申し上げました説明資料、1が健康保険、2が船員保険、3が組織運営及び業務改革となります。

また、これとは別に、今回補足資料を2種類配付させていただいております。

まず、補足資料の1つ目は、前回の検討会において小西委員よりモニターアンケート、事業主アンケートの内容等をごらんになりたいとのお話がございましたので、これらの資料でございます。

次に、補足資料の2つ目は、学会発表等の資料となっておりまして、資料2「保険運営の企画 (4)調査研究の推進等」の項目に対応するものとなっておりますので、ごらんください。

本日、これらの資料を新たに委員の皆様方のお手元に配付させていただいております。

以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、何か御質問などございましたら。よろしいですか。

 それでは、早速議事に入りたいと思いますが、その前に、ただいまお話のありましたモニターアンケート及び事業主アンケートにつきまして、全国健康保険協会のほうから簡単に御説明をお願いします。

○篠原企画部長 企画部長でございます。

 それでは、補足資料1と補足資料2、前回お話がございましたアンケートの関係の御説明を簡単にさせていただきます。

 まず、補足資料1「モニターアンケート調査報告書」をごらんいただきたいと思います。

 協会けんぽのモニターは140名ほどいます。モニターさんなので、自由記載を中心にいろいろお願いをしているということがございます。

前回話題になりました保険料の関係につきましては、6ページ「保険料率について」、質問を3つほどしています。

まず、問4の関係です。これは前回も御説明いたしましたけれども、協会発足以来、保険料率は上がり続けてきたのですが、平成25年度に初めて据え置きということになりまして、その辺の評価について聞いたものであります。

「十分評価する」「評価する」とありまして、「評価する」については54%という数字が出ております。

問5はその理由で、後ほどごらんいただきます。

 7ページの「問6.今後の保険料率に関するお考えとして、最も近いものはどれですか」ということで、「全国平均10%を維持してほしい」というのが42%で、一番高くなっている。

それに続いて「これ以上の負担は耐えられないので、何としても下げてほしい」という答えが32%ほどございました。

先ほどごらんいただいた問4の理由については、問5でお聞きしています。これは自由記載なので、後ろの「モニターアンケート調査 自由回答集」の11ページをごらんいただきたいと思います。

「十分評価する」「評価する」「あまり評価できない」、それぞれについて理由を聞いていまして、「十分評価する」に回答した理由として、一番上に「医療費がたかくなっている近年。据え置きになっただけでもスバラシイ」というのがあります。

後ほどごらんいただければと思いますけれども、被保険者の生の声というのがそれぞれある。こういったことでモニターを活用しているという1つの例です。

 補足資料2「事業者アンケート報告書」をごらんください。

これも昨年、署名とかそういった活動と並行して事業者の方にアンケートをしたということで、1枚めくっていただいて、2ページの一番下に合計回収数がございまして、1万1,590件の回収ができたということです。

 調査結果は3ページ目からになります。

医療保険者ごとに異なる保険料率について、どう考えるかといった問いを立てまして、選択肢が4つありますけれども、2番目の「使う医療費は同程度なのに、保険料率に格差があるのは公平ではなく、国は協会けんぽへの公費投入を拡大して、差が拡がらないようにすべき」といった答えが最も多かった。4分の3近くを占めているという結果でございます。

4ページです。今後高齢者医療の負担は増えていくけれども、あなたのお考えに近いのはどれだということで、「○3高齢者も現役のサラリーマン・事業主も負担は限界であり、公費による支援を増やすべきだ」というのが半分を超える数になっています。

5ページ目です。長期的に増え続ける医療費について、一番近い考えはどれかということですが、「○2医療の内容を見直し、効率化を進めて医療費の伸びを抑制すべきである」というのが多く、4分の3を超えるぐらいの結果が出ています。

こういった形でいろいろ質問をし、これも自由記載が後ろにたくさんございます。字が細かいのですけれども、後ほどごらんいただければと思います。

 説明は以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 それでは、改めて業績評価の議論に入りたいと思います。

 きょうは、前回取り上げました項目以外の項目ということになっておりますが、具体的には、先ほど事務局の方から説明がありましたように、最初に健康保険、保険運営の企画、的確な財政運営ということでございます。2つ目は船員保険、3つ目は組織運営及び業務改革という3点になります。

それでは、最初に健康保険、保険運営の企画、的確な財政運営などにつきまして、全国健康保険協会から簡単に御説明をお願いいたします。

○篠原企画部長 それでは、資料2「1.健康保険 1.保険運営の企画 (6)的確な財政運営など」という説明資料に従って御説明をさせていただきます。

 その下に同じタイトルで【参考資料】というのがございますので、適宜参照していただければと思います。

まず、説明資料をあけていただきまして、「保険運営の企画 (4)調査研究の推進等」について御説明いたします。

「評価の視点」といたしましては、「中長期的な視点から、医療の質の向上、効率化の観点を踏まえた調査研究を行っているか。また、医療費分析マニュアル等を拡充し、支部における活用を推進しているか」ということでございます。

これは、前回アクションプランの中で情報の収集、分析、提供といった観点からいろいろ事業を進めるということを御説明いたしまして、その内容とかなり重なっておりますので、適宜省略をしながら御説明をさせていただきます。

まず、「事業報告(概要)」のところですが、「『医療の可視化』に関する国内外の論文等を収集し、報告書としてまとめました」というのは、前回御説明したとおりです。

2番目の○です。「都道府県医療費の状況」等についてのデータは、前回も御紹介いたしましたけれども、参考資料の1ページから6ページということで、前回は最初の2つだけごらんいただきましたが、本部においてこういった医療費の分析を行っているということでございます。

 説明資料の2ページ「24年度における調査研究事業の学会等への発表事例」でございます。

 各支部で学会発表等、そこに記載のとおりでございますけれども、先ほど御紹介があった追加資料1と2、青い色になっているものは、山梨支部のほうで学会に発表したときのスライドそのもので、御参考までにお示ししてございます。

追加資料3は、学会発表資料そのものではないのですが、山梨支部で取り組んだ医療費の分析ということでございますので、御紹介させていただきます。

追加資料4は、本部のほうで行ったものでございまして、これも公衆衛生学会のほうに発表したということでございます。

説明資料の3ページに、いつどこの学会でどういう内容を発表したかというのを整理してございますので、ごらんいただければと思います。

4ページ目の「自己評価」というところでございますが、自己評価はAとさせていただいてございます。

これは、前回も御説明いたしましたアクションプランの中で情報収集、分析をしようということで、論文を収集し、報告書をつくったとか、あるいは先ほどごらんいただいた医療費の分析を本部あるいは支部でもやってございますし、また、統計解析ソフトウエア(SPSS といったものもぜひ協会で活用しようということで、分析手順書をつくって、その手法の共有化を図るということなど、着実に成果を上げたということでございまして、「評価の視点」に沿って十分評価される内容になっているのではないかと考えてございます。

続きまして、説明資料の5ページ「1.保険運営の企画 (6)的確な財政運営」について御説明させていただきます。

「評価の視点」は、「直近の経済情勢や医療費の動向を適切に把握・検証しつつ財政運営を行っているか。また、財政基盤の強化のために意見発信を行っているか」ということでございます。

 協会けんぽの財政は、24年度というのはかなり大事な年で、ある意味瀬戸際の年だったということでございますけれども、最初の○に書いてありますとおり、協会けんぽの財政構造というのは、もともと非常に脆弱なものがある。

参考資料の7ページ「協会けんぽの保険財政の傾向」ということで、要するに、収入のベースになる月収は平成15年以降ずっと下がり続けている一方、医療費のほうは右肩上がりに伸び続けているという状況があって、基本的に財政構造は赤字だということであります。

参考資料の8ページです。高齢者医療への拠出金が支出の4割を占めている。青く色を変えてあるところです。こういった構造的な状況にあるということでございます。

説明資料の5ページの下の○です。もともと脆弱な財政構造の中で、リーマンショックの影響、あるいは新型インフルエンザの流行といったことで、21年度末の時点で4,900億円という巨額な累積赤字になってしまったという状況でございます。

そのままでいくと非常に大幅な保険料率の引き上げが必要になるということで、特例措置というのを設けていただいた。

その特例措置の内容は6ページにまとめてございます。22年度から24年度の3年間にわたって協会の国庫補助率を13%から16.4%に戻すというところ。

後期高齢者医療制度への支援金の案分方法を加入者割、頭割りではなくて、総報酬割ということにする。

単年度収支均衡ではなくて、赤字は3年間で解消する。

 こういった特例措置を設けていただいております。

それに加えて、その下にありますとおり、累積赤字を解消するために、22年度から3年連続で保険料率を大幅に引き上げざるを得なかったということでございまして、8.2%から9.34%、9.50%、10.00%、ついに10%というこれまでにない水準に達したということでございます。

その結果、他の被用者保険制度の保険料率との差はかなり拡大をしてしまったということでございまして、参考資料の11ページ、12ページに、ほかの被用者保険との差がどのくらいか、あるいはそれをグラフあるいは比較表の形でお示ししておりますので、ご参照いただければと思います。

 説明資料の7ページです。

そういう状況で、24年度というのは、この特例措置の最終年度でございまして、その時点では25年度以降のことについて何も決まっていないということで、協会のこの措置をどうするかを決めなければいけないという重要な年でございます。

同じページの真ん中辺にある運営委員会というのは、協会の運営に関して、被保険者と事業主の意見を反映させるために厚生労働大臣が任命する委員会でございますけれども、その運営委員会からも、25年度というのは瀬戸際の年度なので、協会として背水の陣だという気構えを持って全力を尽くせといった要請がありました。

8ページ目です。これを受けまして、これ以上の保険料の引き上げは何としても避けなければいけないということで、24年度夏、年末の予算編成、2つの山場に活動を対応させて、政府、国会への働きかけを初めとして、やれることは全てやるということで臨みました。

具体的な要望事項は8ページの下のほうに書いてございます。協会けんぽの国庫補助率を法律本則の上限の20%にしていただきたい。

あるいは高齢者医療制度の見直し。具体的にはそこに書いてあるようなことをお願いしたいということでございます。

実際の取り組みは9ページに整理してございます。

上のほうは要請ということでございます。

実際の要望書等は参考資料のほうにお示しをしてございます。

下の3つは、前回広報のところでも申し上げた意見広告、署名活動、全国大会、請願行動等々でございます。

その関係の資料は参考資料のほうにお示しをしてございます。

前回のスケジュール、いつの時期に何をしたかというのは、10ページに表の形でまとめてございます。

こうしたことの結果、説明資料の11ページをごらんいただきたいのですけれども、25年度の予算概算要求の段階では、予算編成過程で検討するという形になりました。

そして、年末、社会保障審議会の医療保険部会で主に議論が行われていたのですが、そこの結論では、議論の整理というのは1月9日に行われておりまして、「協会けんぽの財政基盤の強化、安定化のための具体的な方策を講じなければならないという意見が多かった」ということで、ここまで何とか持ち込めたということでございます。

最終的には矢印の下になりますけれども、「準備金を取り崩せば保険料率10%が維持できる平成26年度までの2年間、この特例措置を延長することはやむを得ない」といった結論でございまして、協会の要望は実現しておりませんでしたが、諸情勢を考えるとやむを得ないということでございます。

運営委員会におきましても、この結果は「受け入れざるを得ない」というふうにされてございます。

12ページです。

医療保険部会のその結論を受けまして、最終的に政府予算案においても現行の措置を2年延長するということでございます。

また、準備金の取り崩しを可能とすることを含めた健康保険法の改正といったことも国から示されましたので、都道府県単位平均保険料率を10%に据え置いて、なおかつ47支部、都道府県単位の保険料率についても完全に凍結をし、前年度と同率に据え置くこととしたということでございます。

この都道府県単位保険料率の完全凍結につきましては、運営委員会においても評価をされているというところでございます。

この法律自体は、一番下にありますとおり、5月24日に成立をしてございます。

13ページは、24年度の最終的な決算でございます。

24年度決算自体は、結果として約5,000億円の準備金ということになりました。

この準備金が生じた理由は、上の枠の中に書いてありますが、財政再建期間中であったので、もともとかた目に見積もってはいたのですけれども、標準報酬が当初の見込みほどは下がらなかったということと、当初の見込みほど医療費が伸びなかったということで、5,000億円の準備金が生じたということです。

ただ、法令上は、協会けんぽの場合は1カ月分の給付費に相当するものを本当は持っているべきだと。それが約6,000億円なのですが、それにはいまだに達していないということで、協会の赤字構造はなお変わっていないということでございます。

参考資料の10ページは、今のままいったらどうなるかというシミュレーションをした結果でございます。

今、5,000億円積み上がっているのですけれども、27年には準備金が枯渇して、5年後の29年度には最大で1兆5,500億円ということで、兆円単位の累積赤字になってしまうという厳しい状況については何も変わっていないということでございます。

説明資料の14ページです。

財政運営に関する自己評価についてはAとさせていただいてございます。

特例措置の最終年度でございまして、結果として約5,000億円の準備金が生じてございますけれども、協会の赤字構造については変わっていない。

そういうことで、とにかくこれ以上の保険料負担は何としても避けたいということで、24年度、やれることは全てやるという姿勢でさまざまな取り組みを実施してきてございます。

全国320万人もの加入者の方から御賛同の署名をいただいたということなどもございまして、政府、国会を初め各方面に強く意見発信をしてございます。

これまで申し上げてきたようなこういった協会の対応、結果的には2年間特例措置の延長ということになりましたけれども、十分評価される内容ではないかと考えてございます。

続きまして、説明資料の15ページ「2.健康保険給付等 (1)サービス向上のための取組」でございます。

「評価の視点」については、お客様満足度調査、あるいは職員の知識等の向上、申請書等の改善とか、そういったサービス向上の取り組み、迅速な支払い、保険証の迅速な送付に努めているかということでございます。

項目が幾つかございます。

まず、15ページに最初にあるのがサービススタンダードの達成ということでございます。

申請の受付から給付金の振り込みまで10営業日以内を目標にしてございますが、平均所要日数は7.76日で、目標指標の10営業日以内を達成してございます。

24年度は、23年度に比べて平均所要日数は短くなっています。

達成率は99.99%にまで達して、100%達成支部が37支部になったということでございます。

続いて、16ページです。

年金機構から資格情報が協会に来て、保険証送付までの平均日数は、2営業日以内を目標にしてございます。

24年度の平均所要日数は1.45日ということになりました。

その下がお客様満足度調査でございます。

お客様満足度調査は、下の表にあるような5つの項目で実施しておりますけれども、24年度はいずれも23年度の結果を上回って、かなり高い水準に達しているということでございます。

17ページ「主なお客様満足度向上に関する取り組み事例」は、そこにありますとおり、さまざまな取り組みを行ってございます。

その下です。お客様からいろいろ意見をいただいてございまして、そこにあるように、22年度、23年度、24年度は、一旦減ったり、ふえたりという状況がございますが、24年度は23年度と比べて、「苦情」「ご意見・ご要望」、一番下の「お礼・お褒めの言葉」、それぞれふえているという状況でございます。

18ページの上のほうに主な御意見の内容をお示ししてございます。

18ページの下半分「インターネットによる医療費通知の利用件数」ですけれども、23年度から24年度は減少傾向にあるということでございます。

19ページ「任意継続被保険者の口座振替率」については、ほぼ横ばい、27.1%が27.6%という結果になってございます。

20ページです。以上のことについての自己評価はAとさせていただいております。

サービススタンダードをしっかり達成した上で、なおかつ年々向上してきているということございます。

保険証送付までの平均日数についても、2営業日以内という目標を達成してございます。

満足度調査は、先ほど申し上げましたとおり、それぞれ向上して、研修をしたりして、さらにこの水準を維持・向上させるための努力をしてございます。

21ページ、医療費通知の利用件数については若干減少傾向なので、引き続きサービスの利用の促進を図りたい。

口座振替率についても、口座振替の促進に努めていきたいということでございます。

続きまして、22ページ「2.健康保険給付等 (2)高額療養費制度の周知」ということでございます。

高額療養費の現物化が始まって、これを周知して支給手続の簡素化を推進するといったことでございます。

その下が表になっておりますが、高額療養費の支給件数自体は前年度より減少している。高額医療費の貸付件数も前年度より大幅に減少している。これは限度額適用認定証の利用の拡大を図った効果ということで、発行枚数が大幅に増加をしている。したがって、現金というのが減って、現物給付というのが着実に伸びているということでございます。

23ページです。さらに、窓口で限度額を払ってしまったにもかかわらず、高額療養費を未申請、申請されていない方については申請の促進を図っている。しかも、申請内容をあらかじめ印刷した上でお送りしているということでございます。

自己評価としてはAとさせていただいてございます。限度額の適用認定証の発行枚数が前年度と比較して13.4%増加した。それに対応して、現物ではない現金のほうが着実に減少しているということでございます。今後ともその周知を図っていきたいということでございます。

24ページ「2.健康保険給付等 (3)窓口サービスの展開」の関係でございます。

これは、地域の実情を踏まえて、窓口、あるいは郵送化の進捗状況等を踏まえて、外部委託の活用など、効率的、効果的に窓口サービスを提供しているかということでございます。

ホームページを活用した広報によって届出書の郵送化を促進したということでございます。

その上で、利用者の少ない窓口については、縮小・廃止について検討をしているということでございます。

一番下にありますとおり、郵送化率は年々上昇傾向で、24年度の郵送化率は73.7%ということになってございます。

25ページです。この点の自己評価はBとさせていただいております。

郵送化率は引き続き上昇傾向にございますし、これまでで最も高い数字が25年3月には出ているということで、今後とも促進をしていきたいということでございます。

御説明は以上です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問などございましたらお願いいたします。小島委員、どうぞ。

○小島委員 要望1点を含めて。

 1つ目は、「調査研究の推進等」を説明いただいた。自己評価はAということだが、各種情報の分析手法の研究、あるいは学会等での発表という形で取り組んでいることは評価をしたいと思っています。

これからの課題としましては、医療費分析等をどう具体的に事業活動に生かしていくのかだと思う。そのためにも、各都道府県支部の職員の分析手法、あるいはそれをどう具体的な事業なり活動につなげていくかという取り組みがこれからの課題だと思いますので、そのための研修、あるいは徹底をぜひお願いしたい。

2つ目は、協会けんぽの的確な財政運営のところです。特例措置が2年間延長されたことで、署名活動あるいは要請活動の取り組みを評価して、自己評価がAになっているが、この取り組みについても評価をしたい。

とりあえず2年間は今の保険料率10%でいくが、それ以降どうなるかが極めて重要な課題だと思う。

先ほど、国庫負担の引き上げ、あるいは後期高齢者への支援金のあり方の見直しについて説明があったが、これは大きな制度改正が必要で、この壁はなかなか厚いなと思うが、引き続き頑張っていただきたい。

個人的には、私も4月から再雇用になり、賃金が下がっているので、保険料率の10%は、実感として極めて負担感が高い。そういう意味では、協力したいと思っております。

補足になりますが、連合総研で毎年「経済情勢報告」を出しているのですが、間もなく発刊される。その中で「税と社会保障」の分野が1項目書いてあり、医療保険の財政、特に協会けんぽの財政逼迫の状況について説明しております。また、「社会保障国民会議」報告にある支援金の在り方なども紹介しています。

以上です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 協会のほうから何か御意見ございますか。よろしいですか。

○貝谷理事 はい。

○土田座長 ほかに御意見、御質問がございましたら。古井委員、どうぞ。

○古井委員 今の小島委員のお話の分析結果の活用の続きです。

追加資料4の15161718ページ、見開きで4スライドあるページをごらんいただきたい。

15ページからのところを拝見しますと、健診を連続して受けている人とそうでない人での構造を捉えた結果だと思います。

左側の1516ページ目を見ると、健診を継続して受けるほうが有所見率が非常に低い。この結果からも、継続した受診というのは重要だと思うのですが、一方で、17ページ目を見ていただくと、健診の回数が0回、1回、2回、3回、連続というところで大きく差がありまして、これは健診が意味ないというわけではなくて、一番右の3年ずっと連続しているという人の中には、恐らく入院の人が非常に少ないという構造だと思うのです。

要するに、保健事業というのは、健診を継続して受けるというのが前提ですが、健診というのを健康づくりの起点としてなく、いかに被保険者が継続して健康づくりをするか。事業を線にして継続していかないと、健診を受けただけでは意味がないと思っていますので、ぜひ調査研究の結果から、小島委員がおっしゃったように、具体的な保健事業効果的な構造にしていくほうに生かしていただけるとありがたいなと思います。この分析は構造的によく見られていると思いますので、ぜひ事業の組み立てのほうに生かしていただければと思います。

○土田座長 非常に貴重な意見だと思います。どうぞ生かすように考えてみてください。

○貝谷理事 はい。

○土田座長 ほかにございますでしょうか。野口委員。

○野口委員 今、話が出ましたように、これは事業主側からの1つのお願いというか、希望というか、問題があります。

健診の場合は法的に決められて、全員に健康診断をしなければならぬわけですけれども、これは全額が事業主持ちなのです。

今、健診項目がだんだんふえてきまして、それによってはだんだん上がってくるわけですが、平均しますと、健康診断は1人当たり7,000円から9,000円ぐらいかかるわけです。けんぽの場合においては事業主が全部持っているわけです。

共済関係、例えば地方公務員さんとか国家公務員さんは、ほとんど全額が区なり都、最終的には国なのでしょうけれども、それがお持ちになっていて、個人負担というのは全くないのです。

事業主の場合も、個人は負担をしませんので、事業主が全部負担をしているという形になっているわけです。

最終的には財政的な問題もありますでしょうけれども、ちょうど消費税等が上がった状況でございますから、その段階におきまして、法で決めているならば、全額を負担とか保障していただきたいというところまでは言いませんけれども、事業主、個人に対して少しでも、何%からは保障していただきたいという形の考えです。

これは前々から問題でございまして、きのうも実は私どもの区の総務関係と衛生関係の連中とやり合ったのですが、あの人たちは「ほとんど払ったことがございません」などと言っているのですけれども、特に我々のような中小零細企業におきましては大変な負担額になっているわけです。

それが法で決定されておりますから、嫌だと逃げるわけにはいかないわけでございまして、協会もそうですが、左のほうにおられる政府のほうもその点を十分にお考えいただきまして、御検討いただきたいという形でございます。

健診関係も25年度、26年度、あと2年ぐらいは何とかもつけれども、これはもたないなどというような形の書き方ですが、これも消費税の値上がりの段階において、3年でも4年でも長くしなければいかぬなという感じはします。

結局、最終的には今の10%から11%、12%にしなければいかぬという形の中にいて、上げること自体を考えておられたらかなわないという形です。これはあくまでも私のほうから政府のほうへ、10%以上上げたら皆保険はなくなるという形でお話をしているわけですけれども、どこまでそれを政府側のほうで考えられているのか、その点はわかりませんが、協会けんぽに入っている中小の事業主は大変な負担率になっておりまして、その点をどうかひとつお考えいただきたいという形でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○貝谷理事 御意見を頂戴しまして、ありがとうございました。

 今、御意見が2つございまして、1つ目のほうは健診の、特に事業者側の御負担の話でございました。この点について、現状の制度だけ御説明申し上げたいと思います。

事業者のところでいろいろ健診をやっていただいております。年1回必ず行うようにというのは法律で決まっておりますが、基本的な原則は労働安全衛生法、いわゆる労安法ということで、私ども医療保険とは別の労働法制の中で、昔からそれは年1回やるようにと決められておりまして、これはどの事業所でも同じように全額事業主負担となっていると承知しております。

今、野口委員御指摘のとおり、全額事業主側の負担でございますので、民間の事業者は民間の事業者の方が全額負担していただく。

それから、今のお話のような行政である区、都、国の場合は、事業者という形での行政が全額を負担するという意味でございまして、制度的には恐らく同じような扱いではないかなと思います。

ただ、労安法の体系ではそうなっておりますけれども、それとは別にもう一つ健診が我々の世界の関係ではございまして、20年以降、我々のような医療保険者ができるだけ加入者の健康を維持しようということで、健診なりをやる。あるいはそれに付随する保健指導をやっていくという体系が新しくとられました。これは最近なわけです。この世界で我々は一生懸命頑張っているということでございます。

ここの健診の費用については、協会けんぽの加入事業者の方々が保険料負担をしていただいている中から所要の費用を出しておりますが、実際の加入者、働いている方々御本人の負担ができるだけ小さくなるように我々も意を用いてやっておりまして、働いている方御本人はそれほど大きな負担でない形でやっていただいております。

御家族のほうは、医療保険のほうだけなのですけれども、私どもの保険料を財源にいたしまして、負担をできるだけ抑える形で健診なり保健指導というものを実施しております。そういう意味では、今、野口委員御指摘のとおり、健診に当たっての事業主の負担をできるだけ軽くするという取り組みについては、引き続き医療保険サイドでもそういう形で頑張っていきたいと思っております。

ありがとうございました。

○野口委員 少子高齢化の中におきましては、熟練した従業員が健康をあれしたためにやめるとか休むということになりますと、会社側にとっても大変な負担になるわけですから、その点は十分わかっておりますけれども、昔から考えますと、診療内容がだんだん多くなっています。

前は医者の健診とレントゲンと体重と目と身長ぐらいだったのですけれども、このごろは血液をとるようになりましたから、血液をとりますと、肝臓だとか腎臓だとか、結局、内部の循環関係の問題も出てきますから、それに沿って1人当たりに対する事業主の負担率が高くなってきているということで、大変な高さなわけです。

これが法で決められておりますことは十分にわかっておりまして、だからしているわけですが、高過ぎて健康保険に入れないとか入らないというところが出てきていることは間違いないのです。その点を考えた上において検討もしていかなければならないなという感じがします。民間のほうのその点をどうかひとつ。

健保担当とか、いろんな形の健診のところがたくさんありまして、大きなところは自分の会社の中に直接来ていただきまして、検査の内容を全部会社の中でやれるというところもございますが、大変少ない人間の場合においては、例えば区で言いますと、法人会だとか、東商だとか、区の中における職業安定関係の労働センターというところでやっているわけですけれども、やっているところによってそれぞれ内容も違うものですから、金額も1人当たり1万円ぐらいのところもあるわけです。もちろん、場所的な形も取られるというところもあると思います。

ですから、かかる内容は同じでも支払う金額は違うという形も出てきますし、それから健診内容なり診療内容によっては同じ金額でやってくれるところもあるという形になってきて、小さな企業、特に零細企業におきましては自分のところでできませんから、そういうところへ頼みに行く、高いからなかなか大変だということになって、事業主が自分のところの従業員に対して、積極的にこういう健診関係に有給するという形が少なくなってきているということは間違いないわけです。

その点がだんだん高くなってきていることは間違いない。年に一度と言っても1万円近くかかりますと大変な金額でございますし、100人の従業員がいれば大変な金額になるわけです。ですから、ある程度の負担に対して、政府側のほうで少しでも援助していただければありがたいなという感じは各事業主から出ていることは間違いございませんので、改めて各団体でそれを持ってまた御請求なり御要請に上がろうという感じはしております。

○土田座長 ありがとうございました。

 今のは、労働安全衛生法のあれとは一応区分しているわけですね。

○貝谷理事 はい。基本的に役割分担ということで、労働安全衛生法のほうは、法律上の法定義務ということで長年続いている。そこは全然変わっておりません。

ただ、そうはいっても、同じ事業所で保険者もやるし、事業主もやるということは非効率ですので、事業主健診をきちっとされた事業所については、我々が必要なデータをいただいて、御本人の健康づくり、保健指導に役立てるという取り組みをしております。これは前回お話しして、そのデータをいただく率が数%なので、まだこれからなのですけれども、そういう取り組みを強化しなければいけないと思います。

それと、先ほど説明が漏れましたが、野口委員の最初の御意見の中で財政問題についても言及がありました。その点について一言だけ御説明申し上げます。

野口委員がおっしゃるように、もう10%が限界だというのは、ここ数年、各事業者の方々から強く強く御意見をいただいております。おっしゃるように、26年度までは何とかもつけれども、27年度以降は、今の制度がそのままで、それから10%保険料率を前提にすると赤字になります。これではもちませんので、今年、来年と国のほうにもお願いをして、財政構造を変えていくということが必要だと思っております。

なおかつ、今、野口委員のお話の中でありましたように、消費税を5%から8%に引き上げていく、あるいは10%ということが法律の中で決まっておりますけれども、消費増税による財源ということも別途政府の中であるわけでございますので、我々協会けんぽとしてのお願いとしては、新たに増収がなされた部分をぜひ医療のために、振り向けてほしいということをあわせてお願いしているところです。

以上でございます。

○野口委員 よろしくお願いします。

○土田座長 ありがとうございました。

 ほかにございますか。どうぞ。

○小西委員 小西でございます。

2つございます。

説明資料の15ページです。これはデータの内容の確認という意味の質問でございます。

15ページの下の表に達成率とございます。99%達成をしているということでございますが、この達成率はどういう算式、要素で計算しているのでしょうか。

と申しますのは、非常に単純に見ますと、その上の平均所要日数は、目標が10日で、7.7日なり7.8日なりということでありますから、これから見れば、達成率は78%なのかなとか、そんなふうに見比べたときに、99%はどういう意味合いなのだろうかというのが1つでございます。

○春山業務部長 今の小西委員の御指摘に対しまして、この達成率でございますが、サービススタンダードと申しますのは、申請書を6つ指定しておりまして、いわゆる傷病手当金、出産育児一時金等々でございますけれども、全体の加重平均を掛けております。ですから、何百万件になりますが、一件一件について、10日以内に行ったかどうかというのをやっておりまして、1件でも欠けていれば100%を切るということでございます。平均所要日数は、何日で申請書を処理しているかということでございますけれども、ともかく1日でも超えている申請書が1件でもあれば、サービススタンダードの達成率は100%にならないということでございます。

○土田座長 よろしいでしょうか。

○小西委員 つまり、達成率は総決定件数のうちの10営業日以内の基準を達成した件数の割合で、限りなく100%に近い、平均所要日数は一件ごとの処理日数の平均値で、概ね7.8日ということですね。ありがとうございました。

 2つ目は、説明資料の7ページ、8ページのところです。財政基盤強化に対する取り組みですけれども、8ページのところ、あるいはほかからも見られるのですが、「やれることは全てやる」というところです。

ちょっと言葉がきつくなるといけません。ニュアンスはともかく、自己努力といいましようか、そういうことで申し上げますと、協会としてどういう施策を打っていくかということだと思うのですが、私は少し不慣れなために入り口の議論で質問あるいは意見を申し上げることになるかもしれません。

例えば健診とか保健指導といったことも、行き着くところは財政基盤の強化ということに寄与する、そういう具体的な施策ということであろうかと思うのですが、そういう意味で、財政基盤の強化ということについて、こういった施策を打って、結果としてこんな効果を目指しているというところが読み取れるとわかりやすい、協会としての説明もそれがいいのではないかなと思っております。

膨大なと言っては適当でないのですが、多岐にわたる全体を読み込んで理解できることだと思いつつ、どんな施策について、要約すればどういうことなのだろうか、それがわかりやすくされるといいなと思いました。

以上でございます。

○土田座長 どうぞ。

○貝谷理事 ありがとうございました。

 きょうの資料ではそこが十分用意できていなかったなと思いました。

 口頭で恐縮なのですけれども、財政基盤の強化ということで、私どもは要請を中心にやってきております。今、小西委員のほうから自助努力というお話がございまして、国の制度改正に頼らずとも自分たちでできる話があるはずだということだと思います。

それについて若干申し上げますと、一番効果が大きなのはいわゆるレセプト点検で、保険者として医療費そのものについて厳しい目を入れて、チェックをすべきところはチェックをしていくということかと思います。これも年間300億円程度で、額としては大変大きな額になっております。

もう一つは、最近テレビでも出ておりますけれども、医療機関から出されます処方箋の中で先発薬から後発薬、ジェネリックに切りかえてもいいよというのが6割ぐらいあるわけです。6割ぐらいのそういう可能性がある処方箋については、できるだけ薬局で切りかえてほしい。ジェネリックを推進しようということをやってきておりまして、これもここ数年間の累計では100億オーダーの効果を上げてきております。

また、今、お話のとおり、中長期的には、健診を行ってわるいところは早期に治していく。それの端緒になります健診、さらに保健指導ということで、これは直ちにその効果額というものは出ませんけれども、制度が狙っておりますように、我々としても中長期的な効果を期待して頑張っているというところでございます。

その他もろもろ適正化というのは、我々ができる部分というのはもちろんあるわけでございまして、努力してきておりますが、ただ、私どもが財政構造を変えていこうというときの規模のオーダーからいたしますと、数百億オーダーというのは絶対額としては大きいわけでございますが、私どもの全体の収支が今、8兆円を超えておりますので、8兆円というベースからいたしますと、期待されます財政上の効果というのは、必ずしも保険料を左右できるようなレベルには至っていないということでございます。そうはいってもさはさりながらやるべきことをやりつつ、8兆円という財政規模に対応するための一つのあり方としては、制度改正が必要だということで、前回ときょう御説明したような取り組みをやってきているということでございます。

○小西委員 ありがとうございました。

 施策に対する成果というものが把握される、概数であったとしても把握されるということが大事なところだと思います。

また、協会の施策などと私が簡単に申し上げても、施策というものが手にあって、その施策の結果がみずからの手の動かし方いかんで達成できるというものでもない。つまり、被保険者の実情なり動向というものがあってのことだと思いますので、そういう意味では、そういった関心を持ちながら、そういうことも世に説明をしていただくということではないかなと思いました。

ありがとうございました。

○土田座長 どうぞ。

○古井委員 今の小西委員の御意見に賛同します。参考資料の16ページ目に署名活動のことが大きく出ていますが、これと同時に、協会けんぽの被保険者それぞれが署名活動をするときに、例えば我々は健診も受けるよとか、我々も頑張るから社会全体で応援してくれといった意識がもっとあらわれてもいいのではないかと感じました。協会さんが努力され、被保険者、事業主の方も頑張っているのに、それがこの書面上に出ていないのではないかなという気がしています。

少なくない民間病院の職員が協会けんぽに入っておりまして、先日、ある同僚の病院に行ってきたときに、医師や看護師たちの勉強会で、協会けんぽのことを初めて知ったということがありました。健康保険の仕組みを知ることで、医療従事者も終末期なども含めて医療や予防のあり方を改めて考えることもあると思うので、料率の話だけではなくて、協会さんがやられていることをわかりやすく示されたらいいのではないかと思います。

○土田座長 ありがとうございました。

 協会けんぽの場合は、財政構造あるいはリスク構造が財政上、非常に大きなウエートを占めておりますので、したがって、協会の中でできることのウエートは確かに限られているということは承知しておりますし、そこで国に要望したい、あるいは国が果たすべき役割というのは依然として大きい。これは回答を求めませんよ。したがって、国庫負担の増額ということも当然視野に入れる形で対応していかざるを得ないのではないかと思っておりますが、そういうことを含めて今後検討し、あと2年間のうちに何らかの回答を出さなければいけませんので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

よろしいでしょうか。

それでは、次の議題に進みたいと思います。

次は船員保険についてですが、これも全国健康保険協会のほうから御説明をお願いしたいと思います。

○長門理事 船員保険担当理事の長門でございます。

私からは、被保険者が約6万人、被扶養者が約7万人、合わせて約13万人の加入者にサービス提供させていただいています船員保険について、御説明をさせていただきます。

けんぽ本体と比べますと、規模的には非常に小さな事業規模ですが、我が国の物流の中で重要な役割を担う海運業、あるいは水産業等におけるその重要性から、船員の方については独自の制度がございます。

お手元の「2.船員保険」という説明資料と「2.船員保険」【参考資料】という2つの資料で御説明をさせていただきます。

表紙をめくっていただきまして、1ページから2ページでございます。

今回評価をいただきます項目は15項目ありますが、総論的なものと各論的なものが混在しております。

1ページから2ページは、総論として保険者機能の総合的推進についての項目でございます。

この点については先週の健康保険におけます取組みと同様で、船員保険におきましても、加入者との距離、さらには事業主の方との距離を縮め、加入者の視点に立ったサービス向上を図るという取組み。加入者の方々の健康づくり、健康増進の支援といった取組み。さらには医療費の適正化対策の推進による効果的で質のよい医療の提供。そういう3本の柱に沿って事業を実施させていただいております。

具体的な取組みについては、時間の関係もありますので、3ページ以下の各論の項目において、24年度におきます特徴的な取組みを御紹介する中で御説明をさせていただきたいと思います。

3ページから4ページです。

「保険運営の企画・実施」の2つ目の評価項目として情報提供・広報の充実ということがございます。

この点につきましては、加入者との距離、事業主の方との距離を縮めるため、ホームページや関係団体の機関誌を活用しました広報を24年度は強化いたしました。

ここに数字が出ておりますが、23年度に比べまして約3倍の関係団体の御協力をいただき、広報件数もそのような実績になってございます。

また、ホームページにつきましても、年度末にリニューアルを行いまして、アクセス件数が、4ページの下の件数を足し込みますと、23年度の12万件から15万件強と約2割の増加が見られております。

さらには、3ページの2つ目の○でございますが、制度についての御説明、あるいは事業の運営状況についての御説明した「船員保険のご案内」「船員保険通信」、そういった冊子を作成いたしまして、それぞれ1万部、6万5,000部という配付を行っております。

こうした取組みを積極的に進めたことから、5ページ、自己評価としてはAとさせていただいております。

6ページからが評価項目の3項目め、「ジェネリック医薬品の使用促進」についてでございます。この点については、けんぽ本体におくれて、船員保険では24年度において初めてジェネリック医薬品の使用促進の取組みを行うことができました。

事業規模が非常に限られておりますので、実際に発送いたしました通知は3,000通弱でございますが、通知をお送りした方々の24.2%、約4分の1の方がジェネリック医薬品への切りかえを行っていただき、けんぽでは、平成24年度は2回通知を行っておられますが、けんぽの1回目通知の切替率とほぼ同じような成果が上がっています。

また、ジェネリック医薬品について御説明したチラシと、そのチラシにジェネリック医薬品の使用を希望される場合に薬局、医療機関等で提示いただくカードを刷り込んだものを約5万枚作成し、医療費通知あるいはジェネリック医薬品への切りかえ促進の通知を差し上げる機会に同封いたしまして、ジェネリック医薬品に対する理解の促進と、実際の利用のしやすさを支援する取組みを行いました。

7ページに評価を書かせていただいておりますが、この項目についても自己評価はAとさせていただいております。

8ページは、船員保険におきます財政運営についてでございます。

○のところに書いてございますように、収入が487億、支出が459億で、約28億円の黒字。安定的な財政運営を行うことができました。この背景には、先ほどけんぽからも若干御説明がありましたが、保険給付が想定よりも伸びなかったこと。標準報酬がわずかですが増勢にあり、保険料収入が堅調であったこと。また、私どもの事務費も効率化を図ったこと。そうしたことでこういう結果になっております。

この点についての自己評価としては、9ページに書かせていただいていますが、安定的な運営が本来の姿でできたということで、Bの評価にさせていただいております。

10ページ、「保険運営の企画・実施」の5項目めです。

船員保険につきましては、平成22年から現在の制度になっておりますが、それ以前の積立金等もありました関係から、現在、準備金が約300億円超ございますが、このうち約300億円について安定的な運営を行うということで、満期保有の日本国債で運用いたしております。10ページ中ほどにありますように、23年度の総利回りで見ていただきましても、24年度末の数字が23年度の数字を上回るという実績を上げることができております。もちろん、これは年度によって運用環境も変わりますので、数字が上回ればよいというものではないと思いますが、そういう着実な成果が上がったということで、Aの評価とさせていただいております。

11ページからは、評価項目の大きな柱の2つめである、保険給付の円滑な実施に関する項目が6項目ございます。

最初の項目は11ページからでございますが、給付の適正かつ迅速な支払い。これは次の項目とも一部重なりますが、迅速な支払いにつきましては、12ページの一番下のところに書いておりますが、サービススタンダードの達成が12カ月のうち9カ月は100%。全体で6,308件の申請があった中で、決められた所要日数内で処理ができなかったものが5件だけありましたが、全体の平均でも99.99%という達成状況で、給付を受け付けてから10営業日以内に振込みを行うという目標に対して、6.04日でサービスを提供することができているという状況でございました。

また、適正な給付ということにつきましては、11ページから12ページにかけてでございますが、大きく2つの取組みをいたしました。

1つは柔道整復の関係で、多部位・頻回受診の加入者の方に対しては文書の照会を行い、給付費の適正化を図ることができました。

船員保険におきましては、船員保険独自の制度でございますが、船上での労働という特殊性に着目しまして、船上で病気になられた場合には、職務外の病気であっても、下船後は3カ月は医療費を10割給付するという制度がございます。それが下船後の療養補償でございます。この制度については、乗船中に発症した職務外の傷病を対象とするわけでございますが、乗船前から罹っておられた病気についてこの制度で10割給付を受けられて、後で返還金が生ずるケースが実際にございます。そうしたことについて制度の周知を図って、給付の適正化を図るという取組みをさせていただきました。

評価としましては、13ページのほうに書かせていただいていますが、サービススタンダードの達成が着実に図られていること。

柔道整復等については給付の適正化が徹底された、そういう数字が出ておりますので、これについても自己評価はAとさせていただいております。

14ページからが保険給付等の2つ目の項目でございます。

先ほども若干触れさせていただきましたが、サービス向上の取組みということで、1つは、加入者の方々の意見・ニーズを把握して、サービス提供できているかということです。

具体的な項目としては、保険証の迅速な交付、サービススタンダードの達成、そうした目標指標を掲げて取組みをいたしました。

サービススタンダードは、先ほども申しましたように、24年度は、23年度から数字が着実に改善し、所要日数も1日以上短縮することができている。

次の15ページに参りまして、保険証の発行に関してでございます。任意の被保険者については、数字が前年度を若干下回りましたが、3営業日以内という目標に対して、2日ないし2日強の数字でサービスが提供できているという状況にございます。

昨年御指摘いただきました加入者の方々の意見・ニーズの把握に関する取組みについては、お客様の満足度調査を実施しておりますが、健康保険と違いまして、船員保険の場合は、全国を一括して東京の本部で事務処理を行っています関係で、調査は対面ではなく郵送でのアンケート調査になっております。その関係で、昨年、回収率が約10%ということで、もう少し数字を引き上げるべきではないかという御指摘をいただきました。

16ページの折れ線グラフをごらんいただければと思います。委員の方の資料では色つきのグラフになっていると思いますが、真ん中の山吹色のグラフが全体の数字です。24年度は、12月からアンケートはがきを送付する際に、回答される加入者の方に対して、協力依頼の文書を別途同封いたしました。

また、ホームページにも協力依頼のお願いを掲げまして、その結果、最終的に24年度は13.3%までアンケートの回収率が上がってきております。

15ページの表をごらんいただければと思います。

 4項目でお客様の満足度を伺っています。職員の応接態度については、23年度に6割近く満足いただいていたものが少し下がってしまった点は残念でしたが、残りの3項目については、ようやく半分程度に改善してきました。

この調査は5つの選択肢でアンケートを行っておりまして、「普通」という回答もございました。25年度は「普通」という選択肢を廃止いたしまして、「満足」「まあ満足」「まあ不満」「不満」という4つの項目で調査をいたしていますが、現時点までの状況を見ますと、満足度、良いほうの評価2つの割合が全体の8割、9割になるような経過が出てきておりますので、数字としては、「普通」がある中ではこういう数字であったのかと理解しております。

自己評価としては、お客様満足度のアンケート等について、回収率の改善等を図っていく必要があること。

職員の接遇については、残念ながら昨年より少し数字が下がっていた点がございましたので、評価としてはBとさせていただいております。

ちなみに、アンケート調査の回収率については、いろんな専門業者等からのヒアリングでも大体2割ぐらいが目標ではないかという指摘をいただいております。

また、これはやや古いデータになるのですが、平成18年の東工大大学院の研究の中では、郵送のアンケート調査では回収率は十数%ぐらいという指摘もございましたので、けんぽにはちょっと及びませんが、船員保険の限られた条件の中では一定の取組みをさせていただいていると思っております。

18ページからが3項目め、「高額療養費制度の周知」についての項目でございます。

これにつきましては18ページから19ページに書かせていただいておりますが、5月と11月、被扶養者資格の確認のお願いをする際、あるいはジェネリック医薬品の通知をする際に、高額療養費制度の周知のリーフレットを個別に加入者の方にお送りさせていただいています。

また、ホームページにも特別の項目を立てて広報いたしました。

あわせて、高額療養費の未申請の方に対して、24年度は本格的に支給申請の勧奨を行いまして、18ページの下にありますように勧奨件数も大幅に伸びております。

そういったことで、この制度周知については、次の19ページに書かせていただいていますが、自己評価はAとさせていただいております。

20ページからは「被扶養者資格の再確認」です。

これについてもジェネリックと同様で、24年度は初めて被扶養者資格の再確認を行うことができました。その実施に当たりましては、船舶所有者の方々の全面的な協力をいただき、20ページの2つ目の○に書いてございますが、就職などにより被扶養者から外れていく、被扶養者資格を失っていく方々で、18歳を超えた方々を中心に資格確認をさせていただきました

実績といたしましては、約4万名の方について、船舶所有者の方を通じてリストをお配りし資格確認をさせていただきました。

その結果、423名の方が資格を喪失されていることが確認されて、その結果、高齢者の医療費制度への支援金の額を約2,500万円節減することができました。

なお、これについての評価は、21ページですが、Bとさせていただいております。

22ページからが保険給付の5項目め、「レセプト点検の効果的な推進」についてでございます。

これにつきましては、22ページのところに資格点検、外傷点検とあわせて、目標といたしまして内容点検効果額を掲げておりますが、24年度は23年度に対して大幅に点検効果額が増額しております。約39%の増となっております。

その理由といたしましては、次のページに書かせていただいておりますが、先行しておりますけんぽ本体の査定事例について担当職員で勉強会等を行いまして、その成果を職員間で共有し、点検のレベルを上げていったこと。

また、協会内部で実施しております実務研修に積極的に職員を参加させて、一人一人の技量の向上を図っていったこと。

そうしことで、レセプト点検については前年度額を大幅に上回ったことから、自己評価はAとさせていただいております。

保険給付の最後の項目は、「無資格受診等の事由による債権の発生抑制及び早期回収」です。

保険証の回収につきましては、24ページ中ほどにございますが、23年度の95.2%から95.7%と、わずかではございますが、回収率の引上げを図ることができました。

債権の回収につきましては、これまでは十分な取組みができておりませんでしたが、24年度は初めて裁判所を通じた支払督促を実施いたしまして債権回収に努めました。

その結果、現年度分の債権の回収は、23年度の81.7から82.9と、わずかですが改善いたしました。ただ、過年度も含めますと回収率は決して望ましい状況にはないので、この点については引き続き取組みが要るかと思いますが、数字が改善している点を評価して、25ページ、自己評価はAとさせていただいております。

3つ目の柱は、「保健・福祉事業の着実な実施」についてですが、4項目ございます。

「保健事業の効果的な推進」につきましては、26ページから28ページまでと29ページから34ページまで、この2項目をあわせて評価いただいたほうが良いかと思います。

26ページからの部分では、主として健診の実施機関、保健指導の実施機関の拡大といった取組みをいたしました。

26ページにも書かせていただいていますが、船員保険は、協会けんぽ以上に規模の小さい、さらには全国に広域的に分布している事業主の方々が多いものですから、なかなか数字が出てまいりません。

そういう中で、27ページからでございますが、先ほど話題になっておりました労働安全衛生法で健診が義務づけられておりますように、船員法でも乗船に当たって船員手帳に健診結果を記載し、証明を受けるような制度がございます。これが労働安全衛生法で言う健診に相当するもので、そうした健診の実施機関が地方運輸局によって全国で約1,400指定されておりますが、これらの機関に生活習慣病予防健診の実施機関となっていただくよう働きかけを行い、24年度は11機関の増を図ることができました。

さらに、ここには数字を書いておりませんが、25年度は75機関の増を図ることができまして、24年度における実施機関の拡大の取組みが成果を上げてきております。

保健指導の実施につきましては、船員保険会に中心となって実施いただいておりますが、それ以外の実施機関にもお願いしまして、29の実施機関の拡充を図ることができました。

ただ、健診の実施率については、改善はしておりますが、飛躍的な改善は見られてはいないので、評価としてはBにさせていただいております。

29ページでございます。

健診の取組みについて、ここでは広報の取組み、受診手続の簡素化、それからこれは被扶養者の特定保健指導についてでございますが、利用者負担の軽減、大きく3つの柱で健診の受診率や保健指導の実施率向上を促すための取組みを行いました。

広報につきましては、29ページに「船員しんぶん」と「船員ほけん」というものを書いておりますが、「船員しんぶん」については、被保険者個々人に直接送られる版において、初めて広報の掲載を行い、より身近に健診、保健指導の情報を得ていただくという取組みをいたしました。

30ページのところに書いてございますが、出前健康講座や、食生活をテーマにした健康情報の小冊子の配付、さらにはオーダーメードの情報提供。

オーダーメードの情報提供については、参考資料の2~3ページに一部その抜粋を載せておりますが、健診を受診していただいた方の健診結果をお知らせする際に、男女別、健康に関する意識の差で9パターン、運動と食事の関係で6パターン、掛け合わせまして全体で108のパターンを設定して、それぞれの方の診断結果に応じた情報提供の冊子を送らせていただくもので、詳しい内容は、むしろ古井委員のほうがよく御存じかもしれませんが、そうした取組みをさせていただいております。

受診手続の簡素化については、被保険者の方々に対して、これまでは受診券発券に当たって事前に申請をしていただいておりましたが、24年度からは申請がなくとも受診券を全員に配付するという形に改めました。

利用負担についても、資料にありますような形で引下げを行いました。

そうした取組みを進めておりますが、32ページからございますように、数字としてはまだまだ取組みを強めていかなければならない数字となっておりますので、評価としてはBとさせていただいております。

35ページは、加入者の健康に対する意識の向上についてでございます。

船員保険では「生涯健康生活支援事業」を23年度からの3カ年において重点的に実施しているところでございます。先ほど御説明したような取組みと重複しますので御説明は割愛しますが、健康意識の向上を図っております。

最後でございます。3738ページです。

船員保険では福祉事業という事業がございます。具体的には、洋上にいます船舶において急病等になった船員の方に、陸上の医療機関から無線を通じて応急の手当て等について助言し、支援するような無線医療事業とか、実際に洋上に救急に出向く洋上救急医療救護事業、さらには保養施設の利用支援といった事業を行っていますが、これについても着実に実施ができたこと。

さらには、38ページの2つ目と3つ目の○ですが、無線医療事業については、これまでその実施を担っておりました船員保険病院について、運営主体が平成26年度から変わりますことに伴いまして、移行に向けてのプラスアルファの取組みをいたしました。

また、保養事業については、国で所有されている福祉センターがこれまで4つございましたが、249月に、このうち3つが廃止されることとなったことに伴って、私どもにおいて新しい福祉事業の検討を行うようにという御指示がありましたので、その取組みを開始いたしました。

そうした事業計画に当初なかった、プラスアルファの取組みをしたということで、自己評価はAとさせていただきます。

ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がございましたらお受けします。

 どうぞ。

○小島委員 質問と意見です。

一番初めの「保険者機能の発揮による総合的な取組みの推進」の中で、オーダーメードの「情報提供冊子」ということで、参考資料に一部が抜粋されています。これは健診をしたときに、その結果通知とあわせてその分析を本人に知らせるということで、この取組みは非常にいいのではないかと思います。単に検査結果から医療機関への受診を勧めるというものではなくて、自分がどういう健康状態にあるのか、参考資料の3ページのグラフで自分の健康状態を把握することができるということは、被保険者にとって極めて重要なデータではないかと思います。

質問ですが、3ページにある本人の内臓脂肪あるいは中性脂肪のグラフの中で順位があります。この、順位のつけ方は、1位から100位までと下のほうに説明がありますが、1位をどういうふうに決めているのか。年齢・性別によって数値はある程度幅があるので、その幅のなかに入っていれば1位になるとしているのかなと思うが、この順位のつけ方についての質問です。ぜひこういうことをもっと積極的に進めていただければと思います。

これは生活習慣病健診をした人に配付をしたということで、実績として1万5,650人となっています。事業所でやっている健診の情報を取り込んだものについては、今のところやっていないのですか。そこをこれからどう考えていくのかというのが質問です。

広報のところです。船員組合でも健診等の必要性について、「船員しんぶん」に掲載しているということなので、これからも労使とも積極的に取り組みを進めていただければと思います。

以上です。

○土田座長 いかがでしょうか。

○長門理事 このパターン分けと順位なのですが、委託しております委託先のノウハウに関わるところもありますので、具体的にどういう算式で出したかということの詳細なご説明は、難しいところもありますが、今もお話がありましたように、健診結果について、正常値との乖離度で良し悪しを並べていって、その分布の中で順位づけをされているというものでございます。

もう一点、先ほどのご説明の中では飛ばしてしまったのですが、資料の31ページをごらんいただきたいと思います。

ちょうど今の時期に最終の数字の取りまとめをするものですから、最後に書き入れるつもりでおりましたが、31ページのところで数字を1カ所書き漏らしております。中ほどの「船員手帳健康証明書 23年度(速報値)19.6%→24年度(速報値)」の横が空欄になっていますが、ここに「20.8%」と入れていただければと思います。

速報値そのものが今週いっぱいぐらいかかるので、もう少し増えるかもしれませんが、33ページのほうの表に書かせていただいておりますように、船員手帳の健康証明、いわゆる労働安全衛生法に相当する部分の健診の証明の取得分については、24年度は20%を目標に取り組みましたが、24年度は目標の20%を超えることができましたので、ここについては成果が上がったと思います。

ただ、33ページの表の一番右上の「37.6%」という数字を11月に国に報告するわけですが、船員手帳の健康証明のデータ、24年度に終わられた方のデータは、今年に入ってからいただきます。ですから、データをいただいた段階では年度が終わっていますので、例えば保健指導を受けていただくような働きかけをするということが今まではできませんでした。

今までは年度が終わってからこの証明データをいただく取組みをしていましたが、25年度からは上期が終わった段階、下期のなるべく早い時期にこの手帳の証明データ、持たれている方の情報をいただくように取組みをしてみようと思っております。

ただ、それが生活習慣病予防健診と同じように次のステップにうまくつなげていけるかどうかというのは、これから始める話であり、船員の方々、この証明を持っておられる方々というのは、まさに船に乗って大丈夫だということで仕事をされている方々ですから、保健指導等に移行していただくのはなかなか難しいかなと思いますが、そういう取組みでそこのところを補っていけないかということを検討したいと思っておりいます。

○土田座長 よろしいですか。

○小西委員 はい。

○土田座長 どうもありがとうございました。

ほかにございますか。どうぞ。

○古井委員 今の順位の話は東大のグループで10年前から研究して参った成果をご活用いただいているのですけれども、例えば内臓脂肪とか血圧といった値から健康度の高い集団・人からの距離、変移の度合を捉えているものです。現在は複数の検査値をあわせて捉えることで健康年齢を算出することを検討していて、実年齢は60歳なのだけれども、あなたの健康度からみた年齢は54歳ですといった具合の動機づけの手法です。

○土田座長 今、船員保険だけですか。ほかはやっていないのですか。

○古井委員 私学事業団さんなど複数で使われています。女性の方はこの順位というのには否定的だが、男性の行動変容には効果的に作用するといった検証を今、研究している最中です。

○土田座長 でも、おもしろいですね。刺激になりますね。

○古井委員 そうですね。

○野口委員 これは、71ぐらいだったら喜ぶのではないの。若い人はちょっとかなわない。

○古井委員 それから、22ページ目のレセプトの点検の効果なのですけれども、昨年、協会けんぽさんにも御質問したかもしれないですが、この効果というのは、点検をする側の人材の質の向上、あるいはシステム面での向上というか、工夫とかそういうものはあるのでしょうか。

○長門理事 24年度において、船員保険の場合、東京支部のレセプト部に協力をいただいて、3名の職員がレセプト点検を実施したところであり、25年度からは、1名増員して4名で実施いたしております。

率直に申しまして、技量は職員によって差がありますので、先ほども自己評価のところで御説明しましたように、私どもの内部の実務研修でありますとか、事例の勉強会、そうしたもので時間はかかりますが着実に経験を積んでいただいて、レベルアップを図るという取組みをさせていただいています。

システムについては、自己評価の最後のところに書かせていただいていますが、船員保険の場合、全体のレセプトの数が140万件ぐらいですので、けんぽ本体と比べると本当にわずかしかないということもありまして、今まで自動点検等は実施しておりませんでした。24年度には間に合いませんでしたが、今年度その検討を始めておりまして、できれば来年度からは自動点検も含めて取組みをしていくようなシステム面の対応もあわせて考えようといたしております。

○土田座長 どうぞ。

○古井委員 感想なのですけれども、18ページ目の高額療養費制度のことは、我々も現場で重症化した患者さんの家族の方が非常に喜ばれているのを聞いていまして、こういう制度が、船員さんだけでなく、公的保険の中にあるというのが周知されるといいのではないかなと思いました。

ありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。どうぞ。

○小西委員 小西でございます。

説明資料の24ページの2つ目の○印の債権回収です。私がちょっと聞き漏らしたと思いますが、係数的なデータとしては、どんな実績、効果であったかということをお願いいたします。

○長門理事 収納率というか、回収率と言ったらいいのでしょうか、現年度のみの数字ですが、23年度が81.7でした。24年度は82.9。わずかですが改善はしております。

ただ、過年度分と、それから船員保険の場合には、以前、労災制度がありましたので、労災制度の中では、賃金の不払いの事業主にかわって保険者である船員保険がその賃金を立て替える制度がございました。これは協会に移行する前のものでございますが、そうした立替え分を債権として承継したものがあるので、そうしたものを含めると、24年度の回収の率は64.4ぐらいまで下がってしまいます。回収に非常に手数もかかりますし、そういう意味では難しい課題と思っていますが、これからそういう取組みも進めていきたいと思っています。

○小西委員 ありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

でも、全体の印象としては、急速によくなってきているという印象を持ちました。

よろしいでしょうか。

それでは、最後のところに進みたいと思います。組織運営及び業務改革につきまして、また全国健康保険協会から説明をお願いいたします。

○篠原企画部長 それでは、説明資料で表紙に「3.組織運営及び業務改革」と書いてある資料をごらんいただきたいと思います。参考資料もありますので、あわせてごらんいただければと思います。

1ページ目は「業務・システムの刷新」の関係です。

業務・システムの刷新につきましては、参考資料の1ページ目をごらんいただくと、全体のスケジュールが書いてございます。これはシステムを刷新して業務のやり方を大きく変えようということなのですけれども、27年1月のサービスインに向けて、参考資料の1ページにありますとおり、基盤の導入の関係とか、アプリケーションの設計・開発業務といったものが順次進んでいくということでございます。

24年度は、基盤導入業務の基本設計から詳細設計、それからアプリケーション設計・開発業務については、表の上では白くなっているのですが、25年度に基本設計等を始めるための調達を行うということで、24年度はその調達を行ったということになります。

説明資料に戻っていただいて、事業報告として、真ん中あたりにある○のところで、基盤については、24年7月に一般競争入札を実施して、基本設計の後、25年1月から詳細設計に移っているという状況です。

その下の○です。アプリケーションの設計・開発業務は、8月に1回入札をしましたけれども、不調になったので、仕様の見直し等を行いつつ、2月に再度入札公告を実施して、2ページ目の一番上にありますけれども、問題なく受託事業者を決定するに至ったということでございます。

自己評価としては、27年1月のサービスインに向けて順調に進んでいるという評価でございます。

続きまして、3ページ目「組織や人事制度の適切な運営と改革」ということでございます。

「評価の視点」として、本部と支部の関係の強化とか、実績や能力本位の人事の推進、組織風土の定着とか、コンプライアンス、個人情報保護、リスク管理、こういったことをやる。

検証指標として事務処理誤りの発生件数を見るということになっています。

本部と支部との関係は、そこに概念図がございまして、本部と支部の支援・ガバナンス、連携強化のためにさまざまなことを実施いたしております。

4ページのほうではそれを文章で書いてございますが、この絵をイメージしていただければと思います。

4ページ目の真ん中辺の「実績や能力本位の人事の推進」ということでございます。

適材適所、人材育成、組織活性化を目的に、10月に全国規模の配置がえということで、人事異動や内部の配置がえを含めて全体で577名、約4分の1の職員がこれに該当するということでございます。

人事評価要領の改正も行ってございます。

その下の組織風土の定着につきましては、理事長メッセージ等々を行ってございます。

人事制度の改定につきましては、現在検討中ということでございます。

5ページ、6ページは「コンプライアンス、個人情報保護等の徹底」の関係です。

5ページに全体の絵が描いてございますが、実際の説明は6ページにございます。

まず、コンプライアンスの関係は、職員に行動規範の小冊子を配付しているということでございます。

コンプライアンス委員会を開催してございます。

個人情報保護、情報セキュリティーにつきましても、点検を常時実施しています。

個人情報保護等の周知と徹底は、留意事項を企画総務担当者に説明し、伝達研修等で周知徹底を図ってございます。

7ページです。

「リスク管理」の関係は、リスク管理委員会を開催してございます。

7ページの真ん中から事務処理誤りの発生件数でございます。

24年度は23年度に比べて1,600件ほどふえておりますけれども、その理由はその下に書いてございます。

任意継続被保険者の資格記録とか保険料の納付記録について全支部で自主点検を行った結果、1,430件の誤りが判明をしたということでございます。

自主点検の結果でこういったことが出てきたということでございまして、8ページに、その対策として事務処理の手順や確認項目を記しました「事務処理手順書」「申請書管理の手引」を作成いたしまして、発生防止に努めてございます。

掲示板にも事務処理誤りの全件を掲載して、自主点検を実施し、その発生防止に努めているということでございます。

船員保険の関係は、そこに記載の数字のとおりでございます。

9ページです。自己評価といたしましてはBということでございます。これまで説明したものは着実に実施いたしまして、引き続き徹底をしていくということでございます。

次に、11ページをごらんいただきたいのですけれども、人材育成の推進ということでございます。階層別や業務別の研修の実施等々、人材育成の推進に取り組んでいるかということでございまして、端的にどんな研修をやっているかというのは、11ページの表をごらんいただければと思います。

階層別研修あるいは業務別研修です。それぞれの階層あるいは業務に応じてこれだけの項目のことをやっております。それ以外のeラーニング、支部の研修、さらに通信教育による自己啓発、そういったことを進めてございます。

こういったことを着実に実施しておりますので、13ページ、自己評価としてはBということにさせていただいております。

14ページ「業務改革の推進」でございます。

これは、「よりよいサービスの平準化を目指して、各支部の創意工夫を互いに提案・検討できる機会を設け、具体的な改善に取り組んでいるか。業務の見直しに取り組んでいるか」ということでございます。

これは平成21年度からやっているのですけれども、全支部が参加することで、創意工夫の好事例を検討する場として業務改革会議を開催してございます。

先ほど自主点検の結果、事務処理誤りが判明したということがございましたが、24年度はそれに対応して手順書や手引を作成しているということでございます。

15ページ、自己評価といたしましてはBとさせていただいております。

16ページ「経費の削減等の推進」です。

22年度の事務費削減計画を踏まえて経費の削減に努めているかということで、検証指標が3つございます。

事務経費削減計画というのは22年度に策定したもので、22年度予算を基準に、24年度予算を業務経費で4%、一般管理費で8%以上削減するということでございまして、その結果としては、業務経費で14.7%、26億円の削減、一般管理費17.5%、20億円の削減ということになってございます。

経費節減のための取り組みといたしましては、その下の水色のところに書いてあることなどでございます。

17ページは検証指標の関係です。1人当たりの給付業務処理件数が若干減ってございますけれども、高額療養費の現物化の関係でございます。その分、新しい取り組みに人が回っているということでございます。

調達状況は、随意契約の件数、割合とも下がっているということでございます。

消耗品については、紙は減っています。プリント系は、財政基盤強化のための運動等々がございまして、資料作成がふえているということでございます。

18ページ、自己評価としてはBとさせていただいております。

御説明は以上です

○土田座長 どうもありがとうございました。

 それでは、御質問、御意見がございましたら、お願いします。どうぞ。

○小島委員 意見、要望で2つほど。

職員研修については、各レベルにおいて充実した取り組みをしているということですが、それをさらに充実させていただきたいと思います。

協会けんぽの持つ理念や使命については、職員の皆さん全員が常にそこのことを忘れずに、そこを基本にした研修をぜひ進めていただきたいと思います。

各支部あるいはブロックレベルでの会議、事例研修などもやっているということですが、要望としては、都道府県支部の評議員の研修もぜひ検討いただきたい。全国から集めるのが難しいのであれば、6ブロックぐらいに分けて、各支部の評議員の皆さんに協会けんぽの置かれている現状、あるいはこれからの事業の取り組み、各支部の先進事例等についての交流などを進めていただくと、支部評議員会の活性化にもつながっていくのではないかと思います。

連合も毎年1回、秋口に47支部の評議員の中で組合出身の方に東京に来ていただいて、協会けんぽ本部の方から今の実情について報告をいただいて、意見交換もやっております。支部評議員会あるいはブロックレベルでの研修をぜひ検討いただければと思います。

最後に、業務、効率化の取り組みのところです。環境に配慮した事業所、そういう意味でのISO14000シリーズなどもありますので、そういうものへの取り組みについて今後検討いただきたいと思います。

以上です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

今、評議員の研修という提案がございましたが、すぐ答えるというのは難しいかもしれませんが、何かございますでしょうか。

○貝谷理事 大変良い御意見をいただいたと思います。

○土田座長 無視しないで、まともに検討するということですね。

○貝谷理事 はい。前向きに対応していきたいと思います。

○土田座長 よろしくお願いします。

 ほかにございますでしょうか。よろしいですか。

それでは、そろそろ時間が参りました。全体にわたって議論が一応終了いたしました。特に御意見がございましたら承りたいと思いますが、よろしいですか。

今回から評価制度の内容とか方法を改めたのですが、これまでよりもダイナミックに状況が把握できるようになったという感想を持っております。

それでは、最後に事務局のほうから今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。

○末原全国健康保険協会管理室長 本日も貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 さて、今後のスケジュールでございますが、業務評価シートには後日各委員の皆様に御意見及び評価を記入いただくことになりますが、前回と今回の検討会の場でいただいた御意見等につきましては、事務局であらかじめ同シートの委員意見欄に反映した上で、18日までには各委員の皆様に送付いたしますので、委員の皆様方におかれましては、同シートに御意見と評価を御記入の上、11月1日までに事務局宛て御提出いただくようお願いいたします。

その後、事務局にて各委員の皆様方からいただいた御意見及び評価結果を集約した上で、厚生労働省としての全国健康保険協会の業績評価結果を取りまとめたものを委員の皆様方に確認いただきます。

11月末ごろには最終的な業績評価結果を協会に通知するとともに、公表したいと考えております。

よろしくお願いいたします。

○土田座長 どうもありがとうございました。

○野口委員 11月1日。

○土田座長 11月1日まで。要するに、10月の末までということです。2週間ございますので、厳守してくださるようお願い申し上げます。

 何か御質問がございましたら。よろしいですか。

それでは、どうもありがとうございました。これで終了します。


(了)

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