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2013年9月18日 第71回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録について

職業能力開発局

○日時

平成25年9月18日(木)


○場所

合同庁舎5号館 厚生労働省専用第18・19・20会議室(17階)


○議題

(1) 雇用保険制度(学び直しの支援措置)について
(2) 求職者支援制度について
(3) 平成26年度職業能力開発局重点施策と概算要求の概要について(報告)
(4) その他

○議事

○小杉分科会長 定刻になりました。定足数に達しておりますので、ただいまから「第 71 回労働政策審議会職業能力開発分科会」を開催いたします。

 本日はお忙しい中、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。本日は所用により浅井委員、澤田委員、高倉委員、豊島委員、大隈委員、諏訪委員が御欠席です。なお、水町委員、林委員については、まもなく見えるとの情報です。更に、水町委員は所用により途中退席させていただきます。

 議事に先立ち、新たに公益委員に就任され、今回が初めての参加になる方を御紹介いたします。原委員です。

○原委員 日本女子大学の原です。よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 また、事務局にも人事異動がありましたので、紹介させていただきます。山田能力開発課長です。

○山田能力開発課長 よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 さっそく議題に入ります。議事次第にありますとおり、本日の議題は「雇用保険制度 ( 学び直し支援措置 ) について」「求職者支援制度について」「平成 26 年度職業能力開発局重点施策と概算要求の概要について ( 報告 ) 」です。以上 3 件となります。

 まず、「雇用保険制度 ( 学び直し支援措置 ) について」です。内容について、事務局から説明をお願いいたします。

○青山能力開発課企画官 資料 1-1 として、「職業能力開発分科会学び直し支援措置の論点 ( ) 」を出しております。経緯を申し上げますと、前回 8 1 日本分科会において、訓練に関わる現行制度、現状の資料を示し議論をいただきました。ちなみに前回の分科会の資料について、委員の皆様の机上にファイルにして置いてありますので、必要に応じ活用いただければと思います。

 今回は、前回の議論と、先週の 13 日に行われた職業安定分科会雇用保険部会で提示された論点案を踏まえ提示させているものです。今申し上げた雇用保険部会については、先週 13 日の金曜日に開催されたもので、雇用保険制度に関する論点 ( ) を提示したもので、その 1 つの学び直しについては現行の教育訓練給付の効果を踏まえつつ、学び直しに資する訓練を受ける場合には給付率を引き上げること等の論点案を提示していたものです。今回それも踏まえ、職業能力開発分科会の論点として、その対象となる学び直しに資する教育訓練のあり方等を提示するものです。

 資料を具体的に説明します。「 1 訓練のあり方」。就業や転職、キャリアアップに真に資する学び直しとして、現行の教育訓練給付の対象となる教育訓練も踏まえ、以下の点をどのように考えるかになっております。 1 つ目のポツ。支援すべき対象者の捉え方として ( 在職者・離職者、正規雇用労働者・非正規雇用労働者等 ) とありますとおり、それらの属性によって訓練の有り様も異なるのではないかという趣旨で書いております。

2 つ目のポツ。そういう属性も踏まえた教育訓練あり方とあります。 ( 例えば専門職大学院等の高度で長期の教育訓練、専門学校等の再就職・転職等に真に資する専門的、実践的な教育訓練を対象に含めることについてどのように考えるか ) という形で例示させております。

3 つ目のポツ。学び直しの支援措置の趣旨を踏まえ、就職やキャリアアップに真に資する教育訓練の確保のあり方。最後に、前回御議論、御指摘もありました文部科学省との適切な連携等に必要な教育訓練機会の整備、つまり受皿制度のあり方といった点です。

 「 2 訓練の効果を高めるための方策」です。本人のキャリアアップに真に資する必要があることから、受講の前に、ジョブ・カードも活用しつつ本人がキャリア・コンサルティングを受けることを前提とすることなど、適切な訓練へのマッチング方策や訓練の成果を確実にするための方策についてどのように考えるかとしております。

 「 3 その他」。これまで御提示した受講する本人への直接な支援とは別に従業員の学び直しを支援する事業主に助成するものとして、現行も事業主への助成制度として実施しているキャリア形成促進助成金・キャリアアップ助成金の支給対象等についてどのように考えるかという論点も併せて掲げております。

 以上ですが、裏を御覧ください。先ほど申し上げた 13 日の雇用保険で提示された論点 ( ) の資料を付けております。

1 つ目の○、教育訓練給付の効果を踏まえつつ学び直しの訓練を受講する場合の給付率の引き上げや成果が上がった場合の追加給付といった点を掲げております。 2 つ目の○、 3 つ目の○は、先ほどの能開分科会の論点とほぼ同様ですので省略しますが、このようなものとして提示され議論されております。

 以上が論点案です。忌憚なく本日御議論いただければと思います。御参考に資料 1-2 で論点案に関わる現行制度等の資料を参考資料として付けておりますので説明します。

 資料 1-2 の横向きの資料の 1 ページで、これは前回と同様の提示になります。現行の「教育訓練給付の概要」です。真ん中のほうの下線部にあるとおり、被保険者か、被保険者でなくなってから 1 年以内の者、つまり離職してから 1 年以内の者が指定された教育訓練を受け終了し、被保険者要件の所定の要件を満たした場合に、訓練に要した費用の 20 %相当額、上限 10 万円の給付金を支給するものです。

2 ページで、「教育訓練給付の対象となる教育訓練の指定基準の考え方」です。公的職業資格や修士等学位等の取得を目標としたもの。それに準じて効果の測定が可能な訓練といった内容で、原則 1 年以内の訓練期間のものを対象としておりますが、大学院修士等や資格に直接繋がる課程等には 3 年以内のものまで広げております。ただ、給付の対象となる受講費用は 1 年のみというのが制度の内容です。 2 ページの下半分は、これまでの指定基準等の変更ですので省略させていただきます。

3 ページで、「教育訓練給付の指定講座」の分野別対応等です。全体で 8,541 講座を指定しておりますが、分野的には輸送・機械運転、医療・社会福祉、専門的サービス、事務、情報等の分野になっております。これについて、より具体的なデータが次の 4 ページです。今言ったような分野別に講座、数、内訳等も示しておりますが、特に一番右の欄に各分野ごとの対応する講座の受給者数を掲げております。受給者数で見ますと、真ん中の医療・社会福祉・保健衛生の分野が 57,000 人強で一番多く、続いて輸送・機械運転、専門的サービス関係の社労士や税理士等の資格にも繋がるもの、事務といった順に多くなっております。

 また、論点案に大学院等も掲げておりますので、その関係で内訳について下の表に取り出して記載しております。指定講座数として大学院の修士、専門職学位課程等に多いですが、内容的には社会人向けに職業に役立つものとして開講されている、いわゆる MBA といわれる経営・会計のほか、社会福祉、保健衛生といったもの等があります。

5 ページは教育訓練給付の現行の指定講座の分野ごとに代表的な目標資格ごとの講座の 一例を示しているものです。受講者にとって処遇、転職、就職等の職業上に役立つ受け取られていると思われる主なものを掲げておりますが、内容的に個々の講座ごとに通学・通信は別、開講は昼・夜・土日、訓練期間等について紹介しております。いろいろありますが夜間・土日・通信といったものもあります。訓練期間について、原則 1 年以内という基準もありますので、数か月のものが多いですが、例えば真ん中の段の一番下にある保育士等は終了すれば資格や受検資格が取れるものとして、所管大臣が指定した養成施設の訓練課程の指定も受けており、その関係で養成施設に関する基準を踏まえ訓練期間を 24 か月、つまり 2 年間になっている、こういうものもあります。訓練の内容については以上です。

6 ページは論点案に示された訓練効果を高める方策関係の制度として、キャリア・コンサルティングの概要を付けております。キャリア・コンサルティングは左上にあるように、「個人が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練等の能力開発を効果的に行うことができるよう個別の希望に応じて実施される相談その他の支援」のことですが、この相談に当たるキャリア・コンサルタントは現在 8 万人強を養成し、企業、ハローワーク等の労働力需給行政機関等で活躍しているところです。

7 ページは、キャリア・コンサルティングでも活用しうる「ジョブ・カード制度の概要」です。これは職業訓練の前に職務経歴等を記入して、コンサルタントにも用いるといった活用方法のほか、訓練終了後に訓練終了についての評価を記入し、その後の就職等に役立てる活用方法もありますという御紹介です。今回の論点でも揚げている訓練前に使う場合に関わるものかと思っております。

8 ページは企業への助成について現行制度の概要です。 8 ページが中小企業の事業主が行う訓練等への支援を行う「キャリア形成促進助成金」です。前回も出しておりますので詳細は省略しますが、このようになっております。

9 ページは、もう 1 つの助成金になる「キャリアアップ助成金」です。非正規労働者をキャリアアップさせる事業主に人材育成の取組も含めて支援する助成金です。これらの助成金について学び直しを支援する場合に、どのように支援を行うかが論点案として提示させるものです。

10 11 ページが文部科学省の取組に関連する資料として出しております。 10 ページは前回ほぼ出したもので飛ばします。 11 ページを御覧ください。文部科学省で検討中の学び直しのプログラム開発の内容を二つの流れで示しております。三角形の左の「マル1中核的専門人材育成型」で、これは専修学校、大学等と産業界が協働してプログラムを開発するもので、今年度いくつかの職業分野で全国的な標準カリキュラムを作成する予定と聞いております。来年度それを活用し各地域の専修学校等において、地元の企業や業界団体等のニーズを踏まえた「オーダーメード型教育プログラム」を開発・実証する予定でいると聞いております。

 もう 1 つが「マル2高度人材育成型」です。これも産業界との協働による「オーダーメイド型」の大学院レベルの高度な教育プログラムを開発することで、来年度開発する予定と聞いております。この内容で聞いておりますのは、学位に向けた長い課程というより、 120 時間以上であれば様々な機関で社会人向きに組み立てられる履修証明プログラムといった形式で土日・平日夜間等の社会人向きに環境に配慮した形で開発することを予定していると聞いております。こういったことを引き続き検討を進めて参りたいと思います。資料 1-2 は以上です。

 資料 1-3 で、前回の当分科会の議論です。これは簡単に説明します。 2 番目の○、 3 番目の○にあるように教育訓練機会の整備、対象範囲の問題。 4 番目の○は対象者像のあり方。最後のほうのキャリア・コンサルティングの関与が必要といった御意見がありました。

 資料は以上です。最後に口頭で恐縮ですが、先週 13 日金曜日の雇用保険部会における議論を御紹介します。先ほど裏に書いてある論点を示した際の御議論で、中身の前に労使の委員方々から、雇用保険部会と能力開発分科会の役割分担を明確にすべきという意見があり部会長から事務局において両者の連携をしっかりすべきという御指示をいただいております。

 また中身について、雇用保険部会では、学び直しに限らず、雇用保険制度の複数の論点を示しておりますが、その論点同士の関係について、労側のほうから基本手当水準の回復を求めるという御意見。公益委員の方から、流動性の高い雇用が増え産業構造が変化する中で、失業に備え基本手当を充実させるのか。それとも失業をせずに労働移動実現できるように訓練を充実させるのか、議論が必要ではないかといった意見をいただいております。

 論点案は、訓練費用についての支援をする給付になっておりましたが、労側のほうから合わせて離職者が学び直しをする期間中の生活支援給付も検討すべきという意見が出ております。また訓練の中身関係について、現行の教育訓練給付との違いを明確にした上で整理すべきといった御意見、文部科学省との連携を取ってメニューの整理を進めるべきという御意見もいただきました。今回の論点で提示していますが、訓練を受けるに当たり、キャリア・コンサルティングといった形で関与しコントロールすべきという意見もございました。資料等の説明は以上です。

○小杉分科会長 ただいまの説明に関して、御質問、御意見はありますか。

○新谷委員 今日が実質 2 回目のこの分科会での議論ということですし、また、先ほど雇用保険部会の論議内容も御紹介いただいたわけですが、改めて、労働側として、学び直しの検討に当たっての考え方を申し上げたいと思います。

 学び直しの支援措置という話がもともとどこから出てきたのかは、これは前回も資料が配られましたが、 6 14 日に閣議決定をされた「日本再興戦略」の中に組み込まれたわけです。

 これは労働側も使用者側も委員が出ていない検討会議の中で、突然、労使が関与しない中で出てきて、政府が政策として確定をされたわけです。もちろん、私ども労働側としても、労働者が公的な支援を受けながら、自己啓発をしながら能力を高めていくという意義は非常に尊重したいと思っているし、これからも論議を深めていきたいと思っていますが、今日示された論点とも関係しますが、この財源をどうするかという視点がスポーンと抜けているのではないかと思っています。

 これは雇用保険部会の論議とも絡んでくるのですが、今、雇用保険において労使が積み立てている保険料を、学び直しに使おうではないかという意見が出ているようですが、この学び直しの在り方については、先ほども御紹介いただいたように、雇用保険制度全体の中でこの財源をどう使うかという論議がまずあるべきだと考えます。私どもとしては、雇用保険制度ですから、失業というリスクに対して労使で保険料を積み立てて、それで社会的なセーフティー・ネットを張っているわけですから、そのセーフティー・ネットの充実に、まずはこの財源を使うべきであると考えます。そこが確定した後に、この学び直しに財源を投入するのかしないのかという論議がなされるべきであり、初めから学び直しに雇用保険の財源を使うことありきではないと、私どもとしては考えています。

 ですから、今日示していただいた資料 1-1 の論点の中に、これは雇用保険部会の論点になるかもしれませんが、本当は財源の在り方という問題があって、これは全額国庫であるのか、 2 事業であるのか、雇用保険の労使の保険料を使うのかといった点について、本当は論点が設定されることが必要ではないかと思っている旨、改めて申し上げておきたいと思います。

○小杉分科会長 この点は雇用保険部会との関係ということで、何かありますか。

○青山能力開発課企画官 そもそも雇用保険制度全体の話に係るかと思うので、雇用保険部会の事務局に伝えて、もちろん当分科会も関わるけれども、主に雇用保険部会でまずは大きく議論していただくものかとも思っているので、両分科会同士でよく連携を取らせていただいて、論議として認識したいと思います。

○上原委員 論点の 1 ページにあるように、対象者が非常に広範です。在職者・離職者、正規雇用労働者・非正規労働者等とあって、対象者が非常に多いということ。それと、学び直しする目的というのか、例えば在職者が転職を目的に行うのか、離職者が就職を目的に行うのか、在職者が自分のキャリアアップのためにこういうのを受けるのかというところが非常に幅広くて、中身でそれぞれ財源も違って然るべきではないかと思うのです。だから、その辺は 1 回マトリックスか何かで整理していただいて、その上で議論したほうが議論が集中できると思います。

○小杉分科会長 はい、ご尤もだと思います。

○青山能力開発課企画官 おっしゃるとおりでして、多分、対象者の状況とか、対象者が今後どうしようとしているのかによっても、訓練内容も違ってくると思うので、我々もいろいろシミュレーションをしてみて、また、それらの別というのか、関係が分かる形で分かりやすくお示ししていく形で作業を進めたいと思っています。

○上原委員 もう 1 つ、関連でお話すると、平成25年6月14日に閣議決定された、日本再興戦略を読むと、成長戦略の一環で話が出ていて、そういう意味では、学び直しの方向の 1 つが成長産業という形。エネルギーや先端産業など、そういう指向があるのが 1 つ。もう 1 つは、自分が感じるのは、今は建設業などは非常に人手が足りないことを言われているわけで、需給のミスマッチしている部分です。建設業の人件費も、オリンピックや復興の需要があるにもかかわらず、今までの公共投資が減ってきたが故に人手がない。その辺は訓練をして、非常に時間がかかる話でしょうが、オリンピックはまだ先ですが、そういう市場のニーズを見ながら対応することも非常に重要ではないか。その 2 つです。

○小杉分科会長 的確な論点だと思いますが。

○新谷委員 今ほど上原委員がおっしゃった点には本当に同感でして、これは財源によって対象となる層が違ってくると思いますし、訓練の内容も違ってくるのではないかと思います。既存の訓練のシステムの中で、こういう新しいものをどう位置づけていくかという内容を、マトリックスの形式で整理すべきと思います。今日は教育訓練給付の内容も出していただいていますが、前回は公共訓練のものも出していただいているので、一体どこが違っていて、どこが同じであるのかに関する対比表ができると、もう少し論議が進みやすくなるのかと思いましたので、事務局には準備をお願いできればと思っています。

 もう 1 つ気になるのが、冒頭にあったように雇用保険部会でもこの論議はしていて、ここの分科会では訓練の内容をやるということですが、労政審で建議をまとめる時期はばらばらになるわけではなくて、これは同じ時期にまとめないと、多分、制度としては固まってこないと思っています。

 そうすると、雇用保険部会の論議では、来年の通常国会に改正法案を出したいという御意向が示されているので、年内建議になると思います。そうすると、こちらの訓練の内容についても、年内にある程度固めないといけないと思っています。そのときに雇用保険のほうで財源を含めて議論を固めたとしても、こちらの分科会のほうで訓練の内容について、受皿となる教育機関なりプログラムなりがある程度固められなければ、制度は作ったけれどもどこで学んだらいいのだ、ということになりかねないと思うのです。

 そういった意味では、今日示していただいた資料 1-2 の最終ページに文科省の学び直しの資料が出ていて、これも分かりにくいのですが、ただ文科省としても、今走りながら受皿となる学び直しのプログラムを、文科省所管の大学や専修学校を対象として検討しているわけです。ですから、こちらの検討との同期を取っていただかないと、もちろん厚労省は厚労省のほうで、いろいろなネットワークの中で教育機関のほうとはつながりをお持ちなのでしょうが、メインとなるのは文科省のルートだと思うので、文科省の検討とタイミングを是非合わせていただかないと間に合わなくなる可能性があるので、厚労省としても検討を急いでいただきたいと思います。

 もう 1 つのお願い、お願いばかりで恐縮ですが、まだここの皆さんは、在職中に学び直しをするということが一体どういうことなのかというイメージがつかみきれてないと思うのです。いろいろな層に分けて考えようというのは、論点として今日示していただいているのですが、例えば正規社員の方が夜間の大学とか大学院に行くというイメージについても、これは企業がお金を投入するなど企業が理解をしてくれていくタイプと、そうではないタイプといったように幾つかあると思います。 1 週間のうち 3 時限か 4 時限かだけ講義を取って、土日に講議を取って、 2 年間学習をして卒業といったような、具体的にイメージができるモデルを是非示していただきたいと思います。

 それは正社員だけではなくて、非正規雇用労働者の方々が専修学校に行って、もっと実践的なスキルを身に付けるとかいったことも含めて、検討の早い段階でそういった、「学び直し」と言われるもののモデルをポンチ絵か何かで書いていただいて、今後の論議のたたき台になるものとして早く出していただきたいと思います。

○青山能力開発課企画官 全てしかと承りました。スケジュールの点については、雇用保険部会が年内を目途にとりまとめでございますので、もちろんこちらも歩調を合わせて同じタイミングと思っているので、余り時間がありませんので、早々に具体的なものをお示しして御議論をお願いしたいと思っています。文科省との関係については、先ほど申しました来年度概算要求でやるものを主に考えているようですが、一部、すでに始めている事業もあったり、いろいろ計画中だと思うので、よく話を聞き、かつ、よりいいものになるようにお互いに相談しながら、協働して訓練を策定していく作業かと思っており、そのように努めてまいります。

 イメージについても、確かに在職者、正規、非正規、離職の方の受講形態などが見えないと、それがなかなか本当に使えるのかが分からないと思うので、ここもいろいろ調べて具体的にお示しするように作業したいと思います。

○原委員 上原委員と新谷委員の御意見は私も賛成で、そうした対象者別のマトリックスを作っていただけると、議論も大変しやすいと思っているのですが、この対象者の捉え方の中に、在職者、離職者、正規、非正規も大事ですが、女性という切り口を御用意いただくことはできないかということです。 OJT OFF-JT 、自己啓発、全ての職業能力開発において男女間格差が非常に大きいことは、研究結果からも示されているし、非正規雇用労働者の 7 割ぐらいが女性ということで、この中にかなり女性が含まれると思うのですが、

正規の中で誰が訓練機会に恵まれていないかは女性の正社員だということも実証分析から明らかにされています。職業能力開発機会が少ない女性という切り口も御用意いただいて、またマトリックスを作っていただけたらいいかと思いました。

○青山能力開発課企画官 今の原委員から御指摘がありましたが、女性の支援という趣旨でもということですが、「日本再興戦略」でも、「女性の活躍促進」という箇所でも、「学び直し支援や女性の起業等の促進」が挙げられているので、そこでそれも視野に入れて、例えば育児休業中の女性の復職支援に資する訓練など、女性のライフステージに対応したキャリア形成を支援していく観点も重要だと思っています。今回も論点に専門的な訓練の類型なども掲げていて、こうした女性の方々にとっても、そういう訓練の受講は非常に有用だと思われるのではないかということも含めて、今後、御示唆も頂きながら考えていきたいと思います。

○大久保委員  1 点は、専門学校の話ですが、中核的専門人材育成の事業は、 3 年目になり、これはもともと対象が成長産業をコアにしながら、ミスマッチ的な領域も視野に置きながら分野設定をしているものです。専門学校がコアになりながら、実は大学も参加をしていて、かなり実践的なプログラムを作っているので、この趣旨には非常に近い、適うものをやっているのではないかと思います。私は委員を兼ねて現場の視察も行っているのですが、期待ができるものだと思っているので、連携をとっていただきたいと思うのです。

 もう 1 つは、教育訓練給付金制度は、指定される講座は資格が取れるとか、学位が取れるとかというものを指定しているのですよね。ところが成長産業は、そういうものが余り整っていない。先ほど言った専門学校のものも、実は丸々 2 年間やるばかりではなくて、幾つかのパートに分けて、そのパートだけ受講することもできるようにしていこうという発想です。そうでないと、全員が丸々 2 年間やることになると、その時間が取れない人も多いので、そういうところにも配慮してほしい。

 丸々 2 年やるわけではないということは、資格も学位も伴わないものになる可能性があります。余り資格にこだわり過ぎると、良い講座が一杯あるにもかかわらず活かすことができません。もう 1 回考えてみてもいいのかと思います。以上、 2 点、意見として申し上げたいと思います。

○青山能力開発課企画官 大久保委員のほうが知見が本当におありだと思うので、恐縮ですが、専門学校は、「中核的専門人材」と言って、 19 分野ぐらい成長分野を定めて、農業や福祉など、また資料を次回以降出そうと思いますが、職域ごとにプロジェクト、学校と産業界が作って開発すると聞いています。それはすでに進められていて、今年度はモデルのカリキュラムができる予定だと聞いているので、いよいよ実施かとこちらも期待をしているところです。

 確かにそれは注目したいと思っているし、そういうものの結果、にいろいろな形態の訓練ができるのであれば、資格との関係が必ずしも対応しないのもあるのであれば、そこも含めて御議論かと思っています。今の教育訓練給付は、成果の客観的測定が分かるという趣旨で資格という制度にしているのですが、学び直しに本当に役立つという趣旨で、ここは忌憚のない御議論をいただければと思います。

○冨高委員 論点 2 の「訓練の効果を高めるための方策」について、幾つか確認したいことと要望を申し上げたいと思います。学び直しの実効性を高める視点で言うと、企業やハローワークが学び直しの過程に関与していくことが必要だと思っています。また、先ほど新谷委員からも御発言がありましたように、学び直しのための受皿となる教育機関も急いで整理をしていただきたいと思っています。

 そこで、資料 1-2 4 ページで少し確認したいことがあるのですが、この中で、「教育訓練給付の指定講座概況」が示されていますが、この中の「その他」において「大学院修士課程等」という箇所がありますが、これは具体的にはどのようなカリキュラムで、どのような受講生を対象としているものか、教えていただければと思います。もう 1 個、同じ 4 ページですが、その下の※にある「科目等履修生」という箇所ですが、この科目等履修生の実態についてです。こういったものがどうなっているかを確認したいと思います。

 これらは学び直しの受皿の 1 つとして想定されるので、今の実態が知りたいということです。これを受皿として活用することを念頭においているのであれば、先ほどもありましたが、申込みから受講、修了という一連のプロセスを、どのように回すことをイメージしているのかについて、そのカリキュラムとともに、一刻も早く事務局としてのお考えをお示しいただきたいと思います。この点については強く要望したいと思います。

○青山能力開発課企画官 今、「その他」分野の大学院などの内訳、中身について、御質問がありました。カリキュラムについては、「その他」分野の大学院や大学についてのものですが、特に大学院がこの表の中で博士から修士までが大学院の学位、プログラムですが、これらのうち、 8 割近くが開講する時間帯として夜間と休日が通信となっています。残りが昼間だけです。時間は、こちらも夜間や土日は分かるのですが、時間帯まではデータとして取っていないのですが、いろいろな所から聞いた話ですと、平日の夜間では 6 時半から会社の終わった人が学んでいると。土日であれば、ほぼ一日中とか、そういうイメージと聞いています。

そうなると、 8 割近くが平日、夜間、休日であると、それが受けられるということで、在職者が多いのではないかと思われますが、実際には、給付を受けている人のみのデータが取り出せていないので恐縮ですが、我が指定する講座の修了者全体、給付を利用していない人も含めての全体になってしまいますが、その中で分かる範囲で離職者、在職者を見ると、在職者のほうが多いです。ただ、学生なども入ってしまっているので、実は在職者、学生、離職者で分けると、 4 割、 5 割、 1 割弱ぐらいになるのですが、学生はもともとこの制度の対象にないので、その学生を除くと圧倒的に在職者が多いということは、先ほどの夜や土日という時間帯と符合しているのかと思われます。

 「科目等履修生」などですが、これは普通の学生向けの科目を学生ではない社会人などが取って単位を取れるようにする制度でして、そういうもので 1 年以内のコース化されているものを教育訓練給付で指定しているのです。ただ、これは普通の正規の科目なので、通ってしまうと平日昼になってしまうのですが、結構、通信で提供しているものも多い傾向があります。社会人が通信でこういう科目と履修生を受けて、単位を取っている受講かと思います。これも経営系や社会福祉系、様々な分野があります。

表の中に「履修証明プログラム」とあります。これも併せてお伝えしますが、履修証明プログラムは文科省で大学等において、社会人向けに一連の体系的なプログラムを組むことを推奨している制度で、こちらも指定しています。こちらも社会人向けに開講しており、土曜日のものもあるし、いろいろな時間帯で提供されていると聞いています。

 受講や給付の流れ、給付についてはこの分科会の御議論も踏まえてですが、キャリア・コンサルティングという御議論を尊重するとすれば、キャリア・コンサルティングでその人の職歴を振り返ったり、キャリア・プランを描いたりして、それにマッチする訓練の在り方の相談をし、本人が訓練を選んで、それをハローワークで確認して受講し、かつ、給付もしてもらうのかと、そういうイメージを事務局レベルでは描いています。今後、具体的に考えてお示ししていくこともあろうかと思います。

○小杉分科会長 「カリキュラム」という話もあるので、もし事例でもありましたら、用意していただければと思います。

○三村委員 私も訓練の効果を高める方策でお話をしたいと思うのです。効果を高めるためには、スタートラインのマッチングも重要かと思いますが、訓練中に安心して訓練を継続できる環境作りも重要かと思います。例を挙げますと、適切かどうか分かりませんが、大学院設置基準第 14 条のように企業などで仕事をしている人が、制度として大学院で学ぶことが保障され、さらには、教育公務員特例法では大学院修学休業制度が教員に認められています。 そういった意味で、特に在職者がこうした訓練を受けるときに、支援措置を受けている間は職場等で不利益を被らないなど、法的な措置

とまではいかないかもしれませんが、制度的な形で在職している事業所もある程度それを理解した上で支援していく体制をとっていただければと思います。

○小杉分科会長 事業所の理解も必要ですね。

○新谷委員 少し戻るのですが、先ほどの大久保委員の御発言で気が付いたのですが、先ほど資料 1-2 の最終ページに文科省の資料があって、中核的専門人材の養成のプログラムが既に形を作りつつあると、先ほど事務局からも御報告いただいています。実はこれは私どもが初めて知ったのが、中央訓練協議会で文科省から説明を受けて、当初、何を言っているのか全然分からなくて、改めて文科省から来てもらって、中身の説明を受けて、 2 時間ぐらい話をしてやっと分かったという内容でした。

 その際分かったことは、文科省が進めている中・高等教育の部門でやっておられることは、受講者というか、学生になる人が自分でお金を払って教育を受ける通常の教育行政のスタイルだということです。ですから、ここでやっているプログラムは、今、群雄割拠的に領域ごとに地域限定で進められているのです。例えば、建築だったら、確か北関東のところで検討が進められていたし、別の分野だったら九州の方の地域でやっているといったように。

 だから、教育・訓練を行う分野と拠点が全国的に埋まるのかどうか定かには分かりませんが、今の状況から見ると、とても全国展開できそうもない状況でやっているように受け取ったのです。それは、例えば学会の横同士で統一のプログラムを作るとかではなくて、できる大学、できる専門学校が個別にエントリーして、その地域でのプログラム開発をすることにとどまっています。一方で、財源問題とも絡んでくるのですが、これが仮に雇用保険の財源を使うことになれば、そういうサービスを受けられる地域は、偶々それがあったらいいじゃないかという話ではなくて、広く、あまねくユニバーサル・サービスとして展開できるものでないと、これは雇用保険の財源を使えないと思います。

 ですから、もし文科省のプログラムに乗るということであれば、我々はそれが全国展開できるかどうかも念頭に置いて検討を進めないと、これに乗った途端にある地域しかサービスが受けられないことになってはちょっと困りますので、行政のスタイルも問題としてあるのだとは思いますが、財源の問題とも絡んでくるので、そこも注意して見ておいていただきたい旨を申し上げておきたいと思います。

○小杉分科会長 少しだけ意見を言わせていただきますと、ただ、労働力需要は地域によって間違いがある部分もあるので、ある程度の柔軟性が必要かと。あのプログラムの特徴は、地域の需要と提供側が一緒に新しいプログラムを作ることなので、それぞれの地域の労働力需要の問題も織り込もうというところもポイントなので、完全にユニバーサルというのは、少し困難があるかと思うのです。

○新谷委員 財源との関連でも考えるべきだと思うのです。これは国庫を投入するとか、あるいは受講者の費用負担は自己負担が高くて自分で学ぶのだということでやるのだったらいいのですが、仮に雇用保険の財源をある程度投入するということであれば、例えば東京や大阪や福岡など、大都市は受皿があっていいけれども、では地方の人は全くそういう受皿の機関がありませんよねと。そうしたことが許されるのか。一部の大都市だけ雇用保険のお金が投入されるということであれば、これは公平性の問題からいっても、雇用保険の財源を投入するべきではないという判断に傾きますので、そういった意味での全国展開性があるのかどうかを、是非、議論の視点として入れておいてほしいということです。

○小杉分科会長 分かりました。

○青山能力開発課企画官 そういう視点で文科省と調整、相談していきたいと思います。今聞いているのは、確かもともと地域的に始まったもので、今年度はモデルカリキュラムは全国標準で作れということでやっているとは聞いています。まだできていないのですが、それを踏まえて来年、確かに各地域でやるのですが、なるべく全国展開したいという思いは文科省さんも思っていらっしゃると聞いていて、今の御意見も踏まえて、なお、それが一層各地域できちっと展開されるように、我々としても働きかけをしていきたいと思っています。

○大久保委員 これは本来、雇用保険部会に質問することですが、非正規の人たちが教育訓練給付金を使って自己啓発をして、それで正規の職に早く就きたいと考えたときに、現在の教育訓練給付金の支給要件期間のルールがありますね。つまり、非正規で働きながら次のステップを目指したいと思っても、取りあえず初回でも 1 年、その後は 3 年たたないと、これは制度を活用できないのです。

 多分、教育訓練給付金制度より後に雇用保険の加入者の対象拡大が行われて、比較的短いところまで非正規を拾っていったと思うのですが、その 1 年たたないと使えないことについては、それは検討には入ってないのですか。つまり、ここに書いてあるのは、増減率の引き上げと追加支給の件が検討要件だと読めるのですが、そこについては質問したいのですが。

○土肥職業安定局雇用保険課調査官 それについては議論がいろいろあるとは思っていますが、雇用保険ですので、……で、ある期間が一定程度ないと給付は受けられないのが、これまでの考え方だったと思います。また、訓練についても、雇用保険だけではなくて、今は求職者訓練もあるし、公共訓練もあるし、今後、その中で非正規の方をどう拾っていくのかを考えていくのかとは思っています。

○上原委員 先ほどもお話をしたのですが、需給です。教育訓練だから、例えば企業に勤めてそれを発揮してもらわなくては意味がないわけです。保育士さんが非常に多い、 5 万何人とどこかに出ていました。この間もニュースでやっていましたが、保育士さんの例で言うと、潜在的に福祉大学などを卒業して出てくる人たちが 2 3 万人いるらしいです。ところが、既に資格は持っているのだけれども、様々な事情で働いていない人たちが 50 60 万人いるというのです。

 例えばそういうところを教育訓練しても、供給過剰になるわけです。だから、そういう出口について、もう少し責任を持つことは、どちらかというと、職業能力開発だから、出口の総仕上げみたいなものをどこかと連携を取ってやらないと、需給バランスがおかしくなってしまうのが心配です。

○青山能力開発課企画官 もちろん、そのとおり一生懸命訓練を受けた結果、就職できたり、キャリアアップして、労働者が能力を発揮できないと意味がないので、そういう点も踏まえて訓練の在り方は検討し、また御議論いただきたいと思っています。

○小杉分科会長 私からも一言言わせてください。私はキャリア・コンサルティングの所に、実はそういう役割がある程度必要ではないかと。キャリア・カウンセリングではなくてコンサルティングにしているのはそういうところがあって、労働力需要について地域の事情、情報をきちんと伝えられる能力は、実はコンサルティングの中には必要だと思うのです。その辺を是非強化していただければと思います。

 よろしければ次の話題があるので、よろしいですか。それでは、「求職者支援制度について」、事務局から説明をお願いします。

○青山能力開発課企画官 では、第 2 の議題の資料について御説明いたします。資料 2-1 をお開きください。これも前回の 7 1 日の当分科会の御議論や、 13 日の雇用保険部会提示の論点 ( ) を踏まえ、「求職者支援制度に関する論点 ( ) 」を提示させていただいています。これは既存の制度ですので、現行制度の課題などを踏まえて論点を提示しております。

 「 1 訓練への誘導」とあります。これは必要な方が受講できるよう、制度の周知や訓練への誘導についてどう考えるかです。

 「 2 求職者支援訓練の質、量の確保」です。労働市場の状況や地域ニーズをより一層踏まえた訓練の設定方法をどのように考えるか。また、本制度の対象である非正規雇用の経験しかない方、生活困窮者といった受講者の属性を踏まえた訓練分野・内容の設定や訓練の枠組みについてどのように考えるかということです。現在、 3 か月から 6 か月の間で事務系や介護などの様々な分野の訓練を設定しておりますが、こういう方々が受けやすい内容や、訓練期間などを考えていくことなのではないかといった趣旨の記述になっております。

 この場合、現在、訓練の認定の仕方として訓練計画数を上回る申請があった場合に、過去実施の訓練などの就職率などの高い順に設定しておりますが、その結果、就職について、率という数字ばかり追求しているのではないかという指摘もあることから、そういった認定方法について検討する必要がないかというように書かせていただいております。

2 つ目のポツです。訓練実施機関が、必要な訓練を十分実施できるよう、受講者の出席状況や就職実績に応じて、訓練機関に支給している認定職業訓練実施奨励金のあり方をどうするか。また、訓練の質の確保向上といった点、更に現在も不正行為には十分対処しておりますが、様々な適正、不適正の対応もあることから、そういった対応も含め、適正な訓練のための方策をどう考えるかということも書かせていただいています。

3 つ目のポツです。出席要件ですが、出席要件は本人に支給する受講給付金の要件として言われる課題ではありますが、やむを得ない理由による欠席の取扱い、遅刻の場合などの欠席のカウント方法をどう考えるかという点も書かせていただいています。

 「 3 安定した就職に向けた支援等」です。より安定した就職につながるようハローワークや訓練実施機関による就職支援についてどのように考えるか。また 2 つ目のポツは、先ほど就職の率ばかり追求するといった御指摘を紹介しましたが、それに関連して、就職の内容をよく見て、それに応じた取扱いをどう考えるかという視点も書かせていただいています。

 論点は以上ですが、その裏に 13 日の雇用保険部会で示された論点 ( ) を提示しております。ほぼ同様のものとなっておりますが、訓練部分は当分科会のほうがより突っ込んで書いてあります。雇用保険部会マターの話として、例えば 3 つ目の○の受講給付金の金額や支給要件の話とか、最後の財源についても、こちらのほうは記述がございます。以上が事務局の論点案ですが、忌憚なく御議論いただければと思います。

 これも資料に出しております。こちらの資料については、前回の分科会のお尋ねも踏まえて確認した実態などをまとめたものです。資料 2-2 1 ページをお開きください。このページは求職者支援を受けて就職した人の雇用形態と雇用期間の関係です。前回、雇用期間の定めなしの割合が全体で 6 割以上ある一方で、雇用形態で見ると、正社員割合が低いことについて実態を見るべきとの御指摘もありました。そこで、その両者のクロスも確認したところ、このページにありますとおり、例えばパート、アルバイトでも約 7 割が「期間の定めなし」と報告しています。雇用期間の長さの傾向で見ますと、下の表ですが、パートのほうがアルバイトよりも長い傾向にあることが分かります。参考として、実際に、「就労構造基本調査」による雇用者全体で見た「雇用形態別雇用契約期間の定めの有無」を挙げました。パート、アルバイトそれぞれ 4 割弱が「定めなし」という回答になっています。

 こうした就職状況をどのように把握しているのかということについての資料が 2 ページ以降です。これは 2 ページの図にありますように、受講者本人が訓練終了後 3 か月以内における就職状況を訓練実施機関に報告し、訓練機関がそれをまとめて高障求機構の支援センターに報告することになっております。本人が就職が決定した場合には、ハローワークに報告することになっております。

 どのような報告かという中身は、 3 ページ目です。左側の表が本人が訓練機関に報告する内容です。下半分が「就職状況」を書く欄ですが、更に真ん中から下のほうに、「雇用形態」の欄があり、正社員、パート、アルバイト等に○をつける。また、その下に「雇用期間」の欄があり、雇用期間の定めのなし、ありを選び、ありの場合には期間を書くという形です。就職の内容については以上です。

4 ページです。「訓練の実施」、具体的には訓練を認定する際に当たっての毎年の訓練計画を定める仕組みを説明する資料です。これは労使や民間教育訓練機関のために御参画いただいている中央訓練協議会という場で、毎年次の年度の訓練規模、分野別割合、基礎コース・実践コースの割合などを御議論いただき、これを基に訓練計画を策定しております。これは中央レベルでやっているほか、その内容を受けて、「地域訓練協議会」という各都道府県でも協議会を設け、各地域ごとの訓練計画を定めております。これらの分野における検討では、成長分野や全国、地域での求人ニーズといった流れも踏まえて御議論いただき、計画に反映しているところです。

5 ページです。「求職者支援訓練の実施訓練機関からの意見・要望」です。これは JILPT にお願いしている訓練実施機関向けのアンケートの自由記述に多く書かれた意見を整理したものです。前回も資料で一部出しておりましたが、「現場の声をもっと確認すべき」という御指摘もあったことから追加をしております。下線部です。一部を御紹介しますと、例えば上のほうの項目では、訓練の柔軟な設定、レベルに達していない人への対処が必要だとか、地域の実情に合わせるべきといった御意見が出ております。

 「受講者の確保」については、前回掲げた受講者が集まらないといった意見が多いですが、それに関連して、認知度アップの取組をハローワークにも行ってほしいとか、訓練機関自らによる広報の制限が厳しいといった意見も出ております。また、「受講者の状況」として、基金訓練時代よりも真剣になったという一方で、先ほど、論点でも書いておりますが、就職率を重点に訓練を選定されると、就職が難しい層を受講させることに不安を感じるといった意見も出されております。その他、「就職支援について」のハローワークとの連携とか、奨励金の支給額についての不満、採算が取れないなどの意見を掲げております。

6 ページです。求職者支援制度のデータではないのですが、前回、求職者支援制度の資料でお出しした「求職者の雇用期間の定め・雇用形態」のデータと同じようなデータが公共訓練にはないのかという話がありましたので、確認して提示させていただいています。前回お出しした対応する「求職者訓練」についてのデータがその裏にありますが、公共職業訓練はもう一度 6 ページを見ていただきますと、施設内と委託では多少傾向が異なっており、施設内のほうが期間の定めが多かったり、常用が多かったりしております。雇用形態は求職者支援では正社員、パート、アルバイトとの別で聞いている形とはちょっと取り方が異なっておりまして、無期と 4 か月以上雇用を指す常用という形で取ったりしていますので、比較しにくくて恐縮ですが、御留意いただければと思います。

 資料 2-2 は以上ですが、資料 2-3 は資料の御紹介だけを簡単にいたします。これは先週の 9 13 日の雇用保険部会で出ましたその他の資料です。時間の関係で詳細は省略しますが、制度を受講している方の属性を様々な視点で分析したものですので、御覧いただければと思います。時間の関係で省略します。

 資料 2-4 をお開きください。資料 2-4 は前回の分科会の意見です。前回ですので簡単に申し上げますと、就職支援のあり方、出席要件のあり方、訓練コースのあり方、政策の実態、中身、訓練機関の問題としての御意見があったものです。

 資料 2-5 は前回口頭での御紹介になった、雇用保険部会での 7 30 日までの御意見を整理をしたものですので、前回口頭でも御説明しているので、これ以上の説明は省かせていただきます。

 最後に先週 13 日の雇用保険部会での御意見を口頭で御紹介します。先ほど今回の分科会の論点の裏にお見せした、雇用保険部会での提示された論点案そのものについては、御意見はなかったのですが、全体の話としては、学び直しと同じですけれども、雇用保険部会と当分科会の役割分担を明確にすべきとの意見があり、部会長からよく連携するようにという指示が学び直しと共通の話としてありました。また、先ほどの資料 2-2 で示したものと同じ内容を提示しておりますが、それを踏まえて御議論があり、就職の内容の実態や把握方法、雇用形態や雇用期間などについて、より正確に把握するための方法をもっと検討すべきではないか。これらは正確には受講者本人がちゃんと分かって回答していないのではない部分があるのではないかという趣旨で、もっと正確に把握するための方法を考えるべきという意見が出ております。資料 2 関係は以上です。

○小杉分科会長 ただいまの説明について御意見、御質問をお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。

○富高委員  2 点について申し上げたいと思います。まず、資料 2-1 の論点の 1 つ目の「訓練への誘導」です。これの「受講者の属性なども踏まえ訓練受講が必要な方が受講できるよう周知や訓練への誘導のあり方についてどのように考えるか」というところなのですが、現在の周知誘導のあり方がどのような状況にあるのかという点が分かるような資料があれば、示していただきたいと思います。今後、具体的な議論をするに当たって、現状把握というのが必要だと思いますので、是非お願いしたいと思います。

 もう 1 点は違うところなのですが、資料 2-2 の前回も御質問をさせていただいたところなのですが、 1 ページ目の「就職者の雇用形態・雇用期間について」という所です。ここの、例えばアルバイトの所で見てみますと、一般的にはアルバイトは期間の定めがある雇用と捉えることが多いのではないかなと思うのですが、資料では「期間の定めなし」というのが 7 割近くに上っているとなっています。この点について少しどうなのだろうというのが、印象としてあります。

 一方で、 6 ページを見てみますと、「公共職業訓練における就職者」ということだと思うのですけれども、同じように左右で、「雇用期間の定め」と「雇用形態」ということでお示しいただいています。こちらのほうについては、両者に不整合は余りないかなというようにパッと見てそういう印象があります。この 1 ページと 6 ページを比較して、データの信憑性という意味でどうして差が生じるのかなと考えますと、 3 ページに記載されている求職者支援訓練の調査表の作り方とか記載の仕方という所に少し問題があるのかなと思っております。特にこの教育機関のところですが、設問のあり方というのが、求職者支援訓練のほうと、先ほど見ていただいた公共職業訓練のほうの調査で一致しているのか、それとも違っているのかということが気になります。この点について、事務局に確認させていただきたいと思います。

○小杉分科会長 誘導と調査ですね。

○青山能力開発課企画官  1 点目の話は、また次回、資料を工夫したいと思います。簡単に申し上げますと、もちろんハローワーク自らで、いろいろな訓練のコース案内を提示したりします。ただ、ハローワークに来ない方もいらっしゃるので、福祉部局と連携して、福祉事務所にいろいろ置いてもらったり、様々な広報誌に載せてもらったり、いろいろ労働局レベルで周知については努力していますが、中身などをお示ししたいと思います。

2 点目は、就職状況報告書、求職者支援訓練では雇用期間の定めがなし・あり、ありの場合平成何年から何年何月までを聞いているのですが、公共訓練も基本的に本人が施設に出すことは必要ですし、雇用期間は定めなし、 4 か月以上、 1 か月以上 4 か月未満、 1 か月未満という選択肢を示していまして、雇用期間はどれに該当するかという質問ですので、パッと見はそんなに変わる感じはしません。ただ、なぜ、公共のほうが確かに合っているように見えるのは、常用という概念が 4 か月以上の有期も含んでいたりするので、多分、正社員よりは広いのかなと思いますので、元々合いやすいのかもしれない。それは多少想像ですので、もう 1 回何か分かるか見てみたいと思いますが、いずれにしても、求職者訓練にしても、なかなか本人が「雇用期間の定めなし・あり」という表現で、どこまで雇用契約期間の定めなし・ありという趣旨を捉えているのかというのが、それ以上はっきり分からないところはあるのが正直なところです。

○小杉分科会長 この調査では十分捉えられなかったのかもしれないというように理解してよろしいでしょうか。「就業構造基本調査」が例に出ていますが、そこの分からないというのが、「期限に定めがない」に足すと、かなり近くなるかなと、そんな感じがします。

○大久保委員 データの議論が出ているのですが、求職者支援制度の成果が上がっているとか、上がっていないとか、うまく機能しているとか、機能していないとか、目標を達成しているとか、達成していないとかというのは、一体何の数字をモニタリングすることによって測るのでしょうか。そこがちょっと曖昧なままになっているような感じがします。

 つまり、これは期限の定めのない雇用に就かせることが目的なのですということであれば、このデータを大事にしなければいけないですし、あるいは雇用保険の加入者になれるような職に就かせることが目的なのですと言えば、そのデータをちゃんと取ることだと思うのです。そこはどれをモニタリングすべき数字なのかということが、ちょっと曖昧なままになっているかなということを懸念しています。もしそれが期限の定めのない雇用にすることを目的とせず、別の切り口を目的として見るべきものであれば、この質問はあまり意味がなくなってしまうのです。もし考え方があれば教えていただきたいと思います。

 もう 1 つは、期限の定めのある雇用か、定めのない雇用なのかということを働いている本人に聞くというのは、私は無理があると思っていて、その考え方自体が一般に馴染みがないのではないかと思うので、聞くのであれば、もっと別の聞き方にする必要があります。定めがあり・なしと、常用雇用かどうかということと、正社員かパートタイマーかという、 3 つの言語が混在してしまっている状態でもありますので、そこについては労働者が正しく理解して回答できる質問設定にするべきではないかということと 2 点、意見と質問です。

○青山能力開発課企画官  1 点目の制度の成果をどうはかるかにつきましては、計画目標的には就職率を目標としては持っております。ただ、中身で無期雇用が何割にしようという目標までは定めておりませんで、まずは就職支援の制度ですので、まず就職させるのが重要かと我々も思っています。ただ、期間の定めのない所などもここでデータを出していますのは、より安定した雇用にいっていただくのが望ましいのは確かなので、そういうことも関連指標として、これまでいろいろと用いてきていると認識しております。もちろん、制度の受け入れ上、究極的には雇用保険に加入する方になってもらいたいという思いがあるのですけれども、こうでないといけないとかまでは今のところ目標で持っているわけではないと思います。

 あと、 2 つ目の話はおっしゃるとおりかと思います。どうしても就職状況は、本人が会社に勤めていますので、結局、本人からたどらなければ分からないので、本人から聞いていますけれども、本人が理解し、答えられるような工夫を考えていかなければいけないと思っております。

○大久保委員 確か前に聞いたときに、日雇い労働であっても就職率に入るという話だったのですが、本当にそれを含んだ就職率がモニタリングの数字であっていいのかと、少し疑問に思います。一般的に就職率を見ると、間違っていないと思うのですが、そこに日雇いが入っていますと聞くと、本当にその取り方でいいのかなと不安になるのですが、それについては、皆さん、御意見はいかがなのでしょうか。

○新谷委員 大久保委員の御指摘は重要な御指摘だと思っていまして、実は雇用保険部会で私も同じことを聞いております。この制度を作ったときに、やはり雇用保険の切れた方、雇用保険の適用を受けられなかった方に訓練をして、再び労働市場に戻っていただく、その仕組みを作ったわけですから、この制度の政策評価というのは労働市場に戻られた率を 1 つのベンチマークとして見るべきではないか、ということで制度を作ったはずなのです。

 おっしゃっているように、それは必ずしも正規雇用であるとか無期雇用である必要は当然ないわけでありまして、望ましいのは、財源は雇用保険が 7 割負担しているので、雇用保険の被保険者に戻っていただくというのがあるべき姿ではないかと私は思います。そのときに就職率が重要な指標になっているはずなのに、改めてこの資料の 3 ページで、こういう形で就職率を測っていたのかというのを見ますと、この制度の評価の大きな基盤というか、基準が揺らいでいるのではないかという懸念があるわけです。

 大久保委員がおっしゃったように、アルバイト、例えば 1 週間だけアルバイトしましたと。それをもって就職とみなすのかということなんです。そこは何も定義がありませんというのが雇用保険部会での御回答でしたが、「たった 1 週間アルバイトしただけで就職しました」というものまでカウントに上げてしまうというのが、果たして妥当なのか。この制度には国費も含めて巨額な公的リソースを投入しているわけですよね。税金も 20 何%投入していますし、労使の保険料であとの部分を見ているわけですから、やはりもう少し評価の精度を上げるべきだというように思いますので、評価指標のあり方については是非検討していただきたいと思います。以上です。

○大野委員 ちょっと似たような話で恐縮ですが、この就職状況報告書の、雇用機関の定めがあり・なしというのを、受講者本人が書くときに、一般的な受講者というのは、雇用機関の定めがあり・なしとかというのは理解しにくくて、一般的にはパートタイマーであれば、契約書があると思うのですけれども、契約書の中に期間が書いてあって、それが期間だと思えば、「あり」の所に書くと思うのですが、それが反復更新されるかどうかというのは経営者から言われていないのが一般的なので、「反復更新される」という期待があれば、私は、「なし」に書くのではないかと思いますので、やはり聞き方の問題もあるのではないかと思います。

○青山能力開発課企画官 今の御指摘も含めて、聞き方も考えたいと思います。あと、新谷委員が言われた、アルバイトの扱いと精度を上げるという点につきましては、重要な御指摘だと思いますが、どのように就職を捉えるかという、非常に重大な論点として、我々も重く受け止めて検討し、御相談したいと思っております。

 別の視点で申し上げますと、ある程度公共と比べても何となく雇用の期間が短いように見えるのは、特に細かい定義とかがないという話のほかに、論点にも挙げていますとおり、訓練機関が訓練の認定を取る際に前の就職率の数値がかなり影響している。結局、次の認定を取ろうとすると、就職率を上げるということに一生懸命になる。すると取りあえずの就職を一生懸命学校側が促した結果、どうしても質の問題があとになってしまうみたいな部分は、ときどき言われる話でございまして、認定の際に就職率ばかりを気にして追い込まれてしまうような状況も含めて検討するということで、こういう問題の対処にもつながるかなと我々事務局では思っております。

○三村委員 恐らく今後求職者支援制度を受ける方にとって就職率は大きな関心事だと思うのです。それが先ほどのように数日間のアルバイトもはいっているなどとは考えないで見ていると思うのです。これだけ高い就職率で、常用雇用に近い形で雇用されるのだと思い込んで受講すると、そこにだいぶ齟齬があって、失望感も大きいと思うのです。その辺の精査も重要かと思います。

○小杉分科会長 ほかの御意見をお聞きしたいと思いますが。今の調査の話、何をもって成果とするかという話がありましたが、ほかにございませんか。受講期間、過去の就職率をコース認定に用いているということが、また 1 つ、見掛けの就職率というようなものを作ってしまっているということもあるかと思います。その就職の定義をどうするかというところも、はっきりさせていくということも大事だと思います。ほかに御意見ございませんか。では、この件については取りあえずここまでとして、また最後に時間がもしあるようでしたら、もう 1 回振り返っていきたいと思います。

 それでは、「平成 26 年度職業能力開発局重点施策と概算要求の概要について」の報告です。お願いいたします。

○尾形総務課長 資料 3 に従いまして、「平成 26 年度予算概算要求の概要」を説明いたします。最初に総括表があります。一般会計、復興特会、労働保険特会の 3 つに分けて計上しています。対前年度の増減では、一般会計で 46 億円増やしています。これは専ら優先課題推進枠、いわゆる特別枠での要求増です。復興特会はいろいろな御議論がありましたこともあり、絞って減っています。労働保険特会は約 100 億円の増額を見込んでいます。トータルで見て、 1,750 億円程度の要求額になっています。

 次のページを御覧ください。今回の概算要求に当たっての考え方、ビジョンを簡単に御説明したポンチ絵です。日本再興戦略の中で、私どもにとっては大きかったことですが、人材育成に非常に大きな焦点が当たったということです。左肩の「ビジョン」にあるとおり、久しぶりに、「人材こそが日本が世界に誇る最大の資源」ということが言われました。こういう理想に対して、現実は、人的資源がなかなか形成困難な状況になっており、若者、女性中心に活用されていない。対策として、マル1、マル2、マル3、とありますが、特に我が局の関係では、若者などがもっと自分の能力を活かせるようにするということに特に焦点が当たっています。

 それを受けまして、能開局の主な施策として、下の段のとおり、 3 つの項目に分けて考えていくとしています。まず、「若者、女性の活躍促進」。これはどういう人たちを対象にするかということです。どういう所へということで成長分野。また、安倍政権の中で焦点の当たっている製造業・建設業を含めてのものづくり分野。それから、本人の希望に応じた複線型、多様な働き方を実現できるようにしていく必要がある。この 3 点を柱とした今回の予算要求になっています。

 次のページはその中身の説明です。第 1 ~第 7 の柱を立てています。第 1 ~第 3 が先ほどのポンチ絵と重なる部分です。「第 1 若者・女性の活躍促進」です。まず若者です。 (1) は、先ほど御議論いただいた学び直しの問題です。補足しますと、「また」に続く所で、サポステを卒業して就職し、更に成功した人がいるということが話題になっていまして、そういう人たちを今後も作れないだろうかということで、新たに、サポステの支援を受けて就職した人を学び直しにつなげる事業をやっていこうということが新規に盛り込まれています。

 次に、 (2) 就職活動から職場で活躍するまで総合的なサポートです。これは労働市場への入口の対策と御理解いただきたいと思います。 ( 一部推進枠 ) とある最初の 2 行が推進枠で要求している新規事業です。これは就職活動を行う際に、コミュニケーション等の問題で困難がある人たち、新卒応援ハローワークやジョブ・サポーターなどが出て行っても、彼らのノウハウをもってしてもうまくいかない人たちがいる。こういう人たちに新たなノウハウをもって、きめ細かな対応をする、体験的な職業訓練をするなどを 1 つの方向性として、推進枠で新規要求したいというものが、この最初の 2 行のものです。

 それから、ジョブ・カードで実践的な職業訓練機会。また、これも新規ですが、若手社員の訓練を行う。特に震災被災地を中心に若手社員の訓練を行う中小企業団体への支援。キャリア形成促進助成金を想定していますが、個々の中小企業ではなかなかできないことを団体でやる場合にも支援ができるようにすることを考えています。

 次のページです。 (3) ニート、フリーター等、言葉は別として、労働市場に入った後でいろいろな問題がある方々ということです。 ( 一部推進枠 ) という表示があり、一番大きいのはサポステです。サポステは従来からやっているものなのになぜ推進枠なのかということに説明が要ると思います。実は、サポステについては平成 24 年度の補正で基金のほうに組み換えて 60 億円の査定を頂いた経緯があります。平成 25 年度一杯で基金が終わりますので、それを普通の財源に戻さなくてはなりません。そのため、推進枠を使ってサポステ事業をこちらに戻させていただきたい。ただ戻すだけではなく、ここでも「体験」がキーワードになりますので、今度は、「体験先コーディネーター」の配置等にシフトした事業を展開したいと思っています。

 もう 1 つは、雇用勘定です。「また」以下を御覧ください。先ほども公共の委託訓練の話がありましたが、さらに、実際に産業界のニーズに合ったものにしていく、特に地域における産業ニーズに合ったものにしていくため、産官学のコンソーシアムでカリキュラム開発をし、モデル的に委託訓練をやっていくことも考えています。

(4) (5) はキャリア・コンサルティング等の話です。 (4) キャリア教育等の推進では、まず、キャリア・コンサルティングで培った我が省のノウハウを活かして、大学あるいはそれ以外の高等教育機関にプログラムを提供するというようなことをやっていきたい。また、 (5) は以前にもやっていましたが、費用対効果も考えて、新たにインターネットを通じたキャリア・コンサルティングをやっていきたいというものです。

 若者に続いて、女性です。育児休業を取得する者の復職支援、これもキャリア形成促進助成金の拡充で対応したい。

 若者、女性ときて、 3 番目は障害者です。この度、法改正がありましたので、それと連動して、精神障害者への手厚い支援。それから、多様なチャネルを確保するという方向性にのっとって、委託訓練の規模の拡充などをやりたいと思っています。

 「第 2 成長分野・ものづくり分野」についてです。まず、 1 番です。額を見てお分かりいただけるとおり、公共職業訓練と求職者支援訓練 ( 安定局部分は除く ) を合算したものです。公的訓練といわれる枠組み全体をもって、こういったコンセプトでやっていくというものです。

2 番、ものづくり立国の推進です。今年度から、「ものづくりマイスター」という制度を立ち上げています。今までにも「現代の名工」といったような制度で表彰はしてきましたが、これは表彰するだけではなく、高い技能を持った熟練の人たちに後継者を育てることに携わってもらおうというものです。今年度は立派な職人を育てることをお手伝いしていただいていますが、来年度からは学校へ行って、教師も含めて、ものづくりという仕事の魅力のようなものを伝えてもらうことを考えています。

 併せて、 3 番の建設人材について、建設は先ほどミスマッチ産業、ミスマッチ分野の 1 つと認識していますので、認定職業訓練制度の拡充として、ここも一部新規の内容を考えています。

 「第 3 多様な働き方の実現」についてです。多様な働き方もいろいろありますが、 1 つの企業で安定して働くという以外に、いろいろな所で自分の能力を試していきたいという方も一部あるだろうと思います。そういう人たちが十分に活躍していただくだけの環境にないということもあります。そのための 1 つのツールとして、職業能力の「見える化」をやっていきたいというものです。現在も、検定制度や職業能力評価基準のようなものはありますが、外部労働市場型の労働者のことを考えるとやや十分ではない。改めて業界検定のようなツール策定等を行うことやジョブ・カードの活用などを今回は考えてみたいということです。

 これに関連して、派遣労働者のキャリア形成支援も働き方の 1 つとして考えたい。ここは安定局と連携してやっていくということで、能開局部分は僅かこれだけの金額です。新たな派遣法改正の議論の中でも派遣を安定した雇用形態の 1 つとして育てていくという話が出ていますので、そういったことの側面支援をやっていきたいというものです。以上が今回の再興戦略を受けたメリハリの部分です。

 第 4 、第 5 以下は、従来から重要だと思われている項目に沿って、「再掲」も含めて説明いたします。第 4 は、キャリア・コンサルティングを使ったいろいろな環境整備です。第 5 は、セーフティネットという意味でも公的訓練が位置付けられるということです。第 6 は、派遣部ができて以来このようなカンバンを掛けるようになっているのですが、非正規という観点で、能開局の事業を括るとどうなるかという立て方です。最後の第 7 は、国際協力の観点で、技能実習の適正化として 3.6 億円。また、 APEC ASEAN という枠組みを通じての技能移転を図るということです。以上が全体像です。

 最後のページは、優先課題推進枠についてで、先ほどからの説明をまとめて申し上げますと、サポステで 44 億円、就職活動に困難を有する学生への支援として 2.6 億円を要求しています。以上です。よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 今の説明について御質問、御意見を受けたいと思います。いかがでしょうか。

○新谷委員 ただいまの内容に関して、ジョブ・カードの推進の取組についてお聞かせいただきたいと思います。前回もジョブ・カードについて論議させていただきましたが、その新規取得者数が目標に届かなかったこと、また、 2020 年の 300 万人に向けて取組を進めていると思いますが、今回は 22 億円の予算を要求されるということです。先ほども御報告にあったように、職業能力の「見える化」のツールとしてこれを使うということです。公正な採用機会のためには、こういったツールを使っていくことも大事なことだと思いますし、これがデファクトスタンダードになって、就職のときにはジョブ・カードがないと良い就職ができないというところまで持っていければ非常にいいと思いますが、何せ目標が未達になっていますので、 22 億円の予算を要求されて、目標の到達に向けて、今後どのように取り組まれるのかをお聞かせください。

 もう 1 点です。最後のほうに出てきましたが、「外国人の技能実習制度」についてです。これは法改正がされましたが、労働基準局ではまだまだ法違反の摘発が続いていますし、制度本来の目的どおりに運営されているのかについて法務省の出入国管理政策懇談会でも話題になっています。出入国管理政策懇談会では、外国人の技能実習制度について分科会を作って検討されると聞いています。この部会では職業訓練というカテゴリーの中で位置付けられていますので、法務省の検討と厚生労働省の能力開発行政との関係でどのように連携を取っていくのか、いかないのか、もしお分かりならば教えていただきたいと思います。

○河野実習併用職業訓練推進室長 新谷委員のジョブ・カードに関する御質問にお答えします。御指摘のように、昨年度末で 100 万人という目標を設定していましたが、達成できませんでした。私どもの努力が不足していたと思っております。原因としては、この 5 年間、主に訓練の受講者を中心にジョブ・カードを交付してきたということがあります。平成 24 年度からは雇用型訓練、日本版デュアルシステム以外の公共職業訓練、平成 23 10 月からは求職者支援制度でも活用していただいています。

2020 年に 300 万人の目標を設定していますが、必ずしも目標を達成するために普及促進するのではなくて、ジョブ・カードの機能を活用して、一般の求職者の方の就職支援を図り、結果として交付の拡大を図るということだと考えております。その前提として企業サイドへのジョブ・カードの存在自体の周知がまだまだ不足していると考えていますので、来年度は、「ジョブ・カードセンター」という、事業主団体に委託している拠点で、訓練だけではなく、一般の企業に対する周知を拡充することを図ることができるような体制の拡充といったことを考えています。また、安定局とも連携して今年度から進めております、ハローワークにおける一般求職者へのジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングの推進なども更に進めたいと思っています。いずれにしましても、労働市場において、社会のインフラとなることを目標に掲げ、職業能力の「見える化」のツールとしても活用していただけるように関係課とも連携しながら進めたいと思っています。

○尾形総務課長 技能実習の問題については、正に新谷委員の御指摘のとおり、入管政策の中での位置付けと厚生労働省における訓練政策、 ODA といいますか、技能移転政策としての位置付けとの両方があります。従来これを外国人受入れ制度だという見方からいろいろな議論がされてきていますが、これまでもいろいろな局面で常に法務省と厚生労働省が連携を取り合って、前回の法改正も両省で内容を十分に調整したもので制度改正を行った経緯があります。入管政策という意味では入管法があり、入管法自体は入管局専管ではありますが、当然、入管政策の中でも外国人労働者の受入れに関わるような部分につきましては、労働市場を所管する当省との調整は不可欠だと思っていますし、制度上もそういうことが担保されているものと理解しています。入管局とは今後も入管懇での議論を見通した上で十分に調整していきたいと思っています。

○新谷委員 ジョブ・カードについては期待を込めて取組をしていただきたいという意味で紹介させていただきたい話があります。ある経済団体、経団連さんではありませんが、その会合で、有名な人材育成コンサルタントを経営している社長さんと話をする機会がありました。そのときに、ジョブ・カードが話題になり、「あれは労働市場では役に立ちません」とおっしゃっていました。先ほども申し上げたように、労働市場の中ではインフラになる、あるいはデファクトとして、これがないといい就職ができないというぐらいにまで高めるための周知なり、プロの方に対する内容の理解促進などをやっていただく必要がある。今、「ハローワーク等とやる」とおっしゃっていましたが、もう少し上のほうから攻める方策も考えて展開していただきたいと思います。

○小杉分科会長 良い御示唆ではないかと思います。ほかにございますか。

○上原委員 第 9 次職業能力開発基本計画というものを、ここで議論して、そのときのタイトルが「成長が見込まれる分野の人材育成と雇用のセーフティネットの強化」ということになっています。成長関連の項目とセーフティネット関連の項目については、幾つかに分散していますが、中身を見ると、あのときもよく分かりませんでしたが、「能力開発の雇用創出機能」というもの、「総合調整機能」と書かれているようなもの、それから、評価システムというものもあって、中身は 4 本ぐらいの柱になっています。成長に関わるものが幾つかあったり、何となくこれはセーフティネットだというものが分かるものや、どちらにも入らないようなものもあります。その辺のウエート付け、局としての戦略が、例えば半々なのか、どうなっているのか教えていただきたいと思います。

○小杉分科会長 成長とセーフティネットについて、どうぞ。

○尾形総務課長  9 次計画において柱立てにしたこと、また、改めて今回の要求の柱立てにも「成長分野」や「セーフティネット」という言葉があったりしますが、一言で言いますと、物事を別の見方で見ているということです。セーフティネットという機能はもちろんですが、セーフティネットという意味で、新たに離職した方々を中心に労働市場に戻そうとしたときに、どこに戻すのかということを考えると、成長分野を中心に戻すということが産業ニーズに合った訓練政策の在り方だろうということです。 1 つの訓練政策を別の見方で見ると、そういう見方ができるという考え方で柱立てをしていると御理解いただきたいと思います。私どもとしては、雇用者の側と労働者の側、事業主と労働者の側それぞれにとってプラスになるような方向で、公的支援を深めていくことが究極の目的なので、両方が立つような表現が同じウエート付けになっているとお考えいただいてもいいかもしれません。

○上原委員 ただ、政策ですから、中期の計画があるので、それとの整合です。今年は平成 25 年ですから、ちょうど真ん中ぐらいなのです。その評価というか、少しずれていたら見直すのかということも含めてです。おっしゃることは分かりますが、だまされているような気がしないでもありません。その辺の棚卸しが必要なのではないかと思います。

○尾形総務課長 一言、補足させていただきます。 9 次基本計画を否定するということでは全くありません。 9 次基本計画では特に非正規を中心に立てていましたが、実は、それは「若者」という言葉になっているのです。言葉は変わっていますが、焦点にしているところはそれほど変わっていないのです。今回の概算要求のポイントは、今まで以上に政府全体が人材育成に光を当ててくれたということが最大のポイントです。我々が今までやってきたことが否定されているとは思っていません。そういう意味では、 9 次計画は今でも生きていると考えています。

○上原委員 そういう意味では、第 9 次計画のタイトルは大当たりだと思うのです。皆さんの見識が大変深くて見通しが高いのは分かりますが、現状の進行度合いともう少し整合する必要があるのではないかと思うのです。計画どおりにいっているのか、随分変わったのか、その棚卸しがあってもいいのではないかと思っただけです。

○尾形総務課長 改めて 5 か年ということなので、大きな中期目標の中で毎年この年は何をやるべきかというのは、もちろんその年々によってあると思うのですが、全体的な展望と整合性のある形で進めることも念頭に置きながら今後とも進めたいと思っています。

○大久保委員 質問です。 1 の「 (3) ニート・フリーター等の若者に対する能力開発支援等の充実」とあります。これは要するにサポステだと思います。「ニート・フリーター等」というタイトルですが、これは非正規雇用対策のほうには入っていないのですね。フリーター対策と書いてあって、非正規の所で再掲されていないことには何か理由があるのでしょうか。

 それから、サポステは大変良い事業で全国展開されていると思います。ニートというのはいろいろな人がいると思うのです。学卒で未就業で一生懸命努力しているのだけれども、就業の場に恵まれていない人もいれば、メンタルの問題があって引きこもりになってしまった人たちもいる。また、就職する意欲が持てなくて、親の脛をかじりながら安定した職業に就いていない人もいる。いろいろな人たちを一括りして、「ニート」と呼んでいると思います。実際にサポステの事業をやっている現場で、「あなたたちはニートですから支援します」と、「ニート」という言葉を現場で、「あなたはニートです」と言いながら支援しているのですか。受講する人のモチベーションの問題でどうなのか、これは質問として聞きたいと思います。以上 2 点が質問です。

○尾形総務課長  1 点目については、確かに御指摘のとおり、これは私どもの整理の仕方として不十分でしたが、中身の施策である「産学官のコンソーシアムによる多様な職業訓練コースの開発及び訓練実施」については、非正規対策の所にも盛り込まれた形になっています。

○浅野キャリア形成支援室長 支援の現場で、「ニート」という言葉を使っているのか、また、どういった層がサポステでのメインと考えている支援層かということです。まず、支援の現場では、「あなたはニートですか」と言って、ニートならば支援する、ニートでなければ支援しないということはもちろんしておりません。サポステはどういう所かということをいろいろな方に伝えるに当たり、働きたいけれどもどうしたらいいか分からない、働きたいけれども自信が持てなくて一歩を踏み出せない、働きたいけれどもコミュニケーションが苦手だったり、何か不安があったり、課題があったりする、働きたいと思っているのだけれども人間関係のつまづきなどで、退職した後にブランクが長くなってしまった、そのような人たちを対象にしているということを、具体的にこれに該当するような人たちがそうなんですよというメッセージを発信しているつもりです。一方で、「ニート」という言葉のインパクトもあります。今年度、私どもはサポステの周知・広報にも力を入れています。その中で、親御さんが、「もしかしたら、うちの子はニートかも」と心配されて子供に声を掛けるというケースもあるようなので、親御さん向けにという部分では、「ニート」という言葉を使うようなシーンもあります。

○小杉分科会長 慎重に使っているということですね。

○原委員 「第 6 非正規雇用対策の総合的な推進」の 4 の「ジョブ・カード制度の推進」についてです。ここを読むと、ジョブ・カードの普及には重点が置かれている説明になっています。ジョブ・カード制度はもともと政策が作られたときには、キャリコン・訓練・評価が三位一体になった制度であったと思います。ジョブ・カードの部分だけが切り離されて、それをもってジョブ・カード制度として記述されていることに違和感を持ちました。

 三位一体の訓練の重要な部分として、雇用型訓練や有期実習型訓練があると思います。それについては、第 1 1 (2) に書かれているようですが、ジョブ・カード制度の推進が非正規雇用対策と切り離されて書かれているのはどうしてなのか、これに対しても違和感を感じましたので、御教示いただきたいと思います。

○小杉分科会長 ジョブ・カード制度の書き方について違和感があるということですが、いかがでしょうか。

○尾形総務課長 今回の取りまとめの編集責任として申し上げます。ジョブ・カード制度は、原先生のおっしゃるとおり、三位一体のツールであることはそのとおりで、そのパーツ、パーツのどこかだけを切り離してやる、そこだけに光を当てるという趣旨は私どもにはありませんが、確かに御指摘のとおり、学び直しの第 1 の中では、 (2) でジョブ・カードの話が訓練のところだけを特記された形で入っているというのは、見方としてそう捉えられかねないと思います。ここは、 (2) 全体として訓練に焦点を当てて括り出したという編集上の都合で、趣旨としてここだけを取り出して光を当てようということではないことは御理解いただきたいと思います。

○小杉分科会長 補足で何かございますか。編集上の都合で、制度は変わっていないということですね。

○三村委員  1 番の「 (4) キャリア教育等の推進」の所で質問します。「文部科学省や中小企業団体等の産業界と連携・協力してキャリア教育のためのプログラムを開発し」と書いてあります。そのプログラムは大学等でということでしょうか、それとも、そのプログラムは中学校、高等学校等も含めて考えていいのでしょうか。

 現在、 97 %の中学校が職場体験をしていいます。ほぼ 100 %に近い形で我が国の中等教育前期の学校で職業体験が実施されているのです。これは、職業生活への誘導としては非常に重要な在り方だと思います。これは文部科学省主導型でやっているのですが、現場の先生方は事業所の確保に大変苦労しているのです。なぜなら事業所の協力をなかなか取り付けることができない場合があるからです。厚生労働省、あるいは経済産業省もそうかもしれませんが、職場体験を好意的に見てほしいということと、プログラムの開発においても、事業所が中学校に積極的協力する環境を作ってほしい。このようなプロアクティブな対策が今後のジョブ・カードの推進などにもつながると考えています。現在もキャリア教育の専門人材育成事業等もやられていますが、こうした取り組みにおおけるキャリア教育への具体的支援についてお伺いしたいと思います。

○浅野キャリア形成支援室長 このキャリア教育プログラム開発事業で想定しているのは大学だけです。こういう形で予算化する事業としているのは大学の部分ですが、実際には高校の現場において、キャリア教育が課題だということは私どもも共有しています。小学校、中学校や高校のレベルから外部の人材を活用してやっていこうということは、私ども文部科学省ともいろいろとやりとりをしています。

 実際の現場では、キャリア教育に意欲が高いキャリア・コンサルタントもたくさんいますので、そのようなキャリア・コンサルタントが小・中学校、高校のキャリア教育の現場をサポートするような形で関与するということをしています。また、そのための専門人材であるキャリア・コンサルタントについても、学校のこともきちんと学んでもらい、先生方と一緒にプログラムを作っていけるようにするため、今年度は講習しています。これについても、予算の形ではありませんが、意欲がある人たちがたくさんいてやっていこうという流れになっていると私どもは承知しています。

○小杉分科会長 ほかに、皆さんから御意見はございますか。

○大久保委員 「 2 女性の活躍推進」についてです。育児休業後や復職後の能力アップ支援というのは、事業内容としては大変結構なことだと思いますが、これは企業に助成するわけですから、基本的に育休と育休後の復職の話、育休から復職する話ですね。この項目には該当しないのだと思うのですが、 1 回、離職して育児に専念した後に、一定期間たってから復職しようという女性の訓練上の支援というのは、ここには出てきませんが、何か政策的に充実を図るものが考えられているかどうか、お聞きしたいのです。

○福士育成支援課長 ここに書かれているのは、おっしゃられたとおり、「育児休業を取得した者」と「育休から復帰した人」の部分についての助成です。今、言われたような、育休を取ってずっとお休みになっていて、それから復職したということでしょうか。

○大久保委員 一旦、辞めて、もう 1 回何らかの形で、同じ会社でなくていいのですが、復職しようとする女性向けの、公共職業訓練や休職者支援制度など、そういうところでの制度の充実のようなことは考えられているかということです。

○福士育成支援課長 キャリア形成促進助成金の今回の見直しでは、育児休業を取っている期間また、育児休業から職場に復帰した人が訓練をする場合に助成するということを考えています。育児で一度離職して、一定期間後に再就職する人に対してどうするかというのは、この助成金の中では、今は考えていません。

○尾形総務課長 それは、先ほど原委員からも、女性という視点で考えるべきだという話がありましたが、公共や学び直しなどいろいろな場を通じて考えるべきことだろうと思います。今回のこの中に盛り込まれているかというと、育支課長の申し上げたとおりですが、重要な視点だと思いますので、受け止めたいと思います。

○小杉分科会長 ほかに、ここについてございませんか。この後、学び直し支援と求職者支援制度については、引き続き次回も議論していくことになると思います。言い忘れたようなことはございませんか。ないようでしたら、本日の議論はこの程度にさせていただきたいと思います。次回以降の分科会の日程については改めて事務局から連絡いたします。

 本日の議事録の署名委員は、労働者側は新谷委員、使用者側は上原委員にお願いいたします。本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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