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2013年9月25日 第26回社会保障審議会議事録

政策統括官(社会保障担当)

○日時

平成25年9月25日(水)14:00~14:57


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

委員(五十音順)

伊豫雅臣委員 加藤静子委員 加藤達夫委員
河村小百合委員 見城美枝子委員 木間昭子委員
白波瀬佐和子委員 神野直彦委員 菅家 功委員
永井良三委員 西村周三会長 本田勝彦委員
山崎泰彦委員

事務局

唐澤政策統括官(社会保障担当) 原(徳)医政局長
石井雇用均等・児童家庭局長 原(勝)老健局長
木倉保険局長 香取年金局長
福本参事官(社会保障担当) 吉田内閣官房内閣審議官

○議題

1.企業年金部会の設置について
2.社会保障制度改革国民会議報告書及び「法制上の措置」の骨子について

○配布資料

資料1 企業年金部会の設置について
資料2-1 社会保障制度改革国民会議 報告書(概要)
資料2-2 社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく「法制上の措置」の骨子について
資料2-3 社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく「法制上の措置」の骨子による社会保障制度改革の工程表(平成29年度まで)
資料2-4 社会保障制度改革推進法(平成24年法律第64号)(抜粋)
資料2-5 社会保障制度改革国民会議 報告書  ~確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋~

○議事

○西村会長 それでは、定刻になりました。きょうはお忙しいところをお集まりいただいてありがとうございます。

 第26回の「社会保障審議会」を開催したいと存じます。

 まず、前回の総会以降に新たに委員に御就任いただきました方を御紹介しておきます。放送大学教養学部教授の宮本みち子先生に委員に御就任いただきまして、きょうは御都合により欠席でございます。

 カメラはここで退室を願いたいと思います。

 

(カメラ退室)

 

○西村会長 きょうは急遽の開催ということで出席者が少のうございますが、定足数は10名で今12名おられるということで、永井先生がおくれてこられるということで13名になる予定でございます。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 きょうは2つ議題がございまして、一つは「企業年金部会の設置について」というものでございます。もう一つは、「社会保障制度改革国民会議報告書及び『法制上の措置』の骨子について」という議事でございます。

 まず、議事1について、事務局から資料を御説明いただき、その後、御審議をお願いしたいと思います。「企業年金部会の設置について」という議事でございます。

 それでは、資料に基づいて事務局から説明をよろしくお願いします。

 

○年金局長 お忙しいところ、ありがとうございます。年金局長でございます。

 資料1をごらんいただきたいと思います。

 3ページに法律の概要がございますが、さきの通常国会におきまして公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律ということで、厚生年金基金制度につきまして、その見直しを行うという法律が成立いたしております。この法律は、平成26年4月、来年の4月を施行ということで、現在、施行に向けた制度設計の準備をしてございます。

 法案の概要を1ページに書いてございますけれども、基本的には厚生年金基金につきましては一定の経過措置を置いてこの制度を廃止するということになっているわけでございますが、この中で一定の基金に関しましては、厚生労働大臣が特例解散という形で一定の解散の認定を行うというような措置を講ずるということになってございまして、その場合には、あらかじめ当社会保障審議会の意見を聞くということが法定されているところでございます。

 現在、施行の準備に入っているわけですが、今般、この基金制度の見直しとあわせまして、今後、公的年金制度全体のあり方の議論を踏まえながら、厚生年金基金以外の確定拠出年金、確定給付、あるいはその他の企業年金制度につきましても、全体のあり方について議論を進めていくという必要がございます。そのような観点から、社会保障審議会に企業年金3階部分の年金制度につきまして御審議をいただく専門の部会を設置していただいて議論していただければとお願いしているところでございます。

 この企業年金部会でございますけれども、きょう御了承いただければ、本年秋にも部会を設置いたしまして、まずは改正法の施行に向けまして政省令含め制度設計についての御審議を賜りたいと思っております。おおむね開催頻度は月1回程度ということで考えてございます。

 また、企業年金制度全般、厚生年金以外のDBDC等の企業年金制度全般のあり方につきましても、来年が年金制度本体の財政検証の議論がございますので、それと並行しまして、その後、企業年金部会において御議論いただきたいということで考えてございます。

 以上でございます。

 

○西村会長 ありがとうございました。

 それでは、この部会の設置について御意見がございますか。

 今、説明があったように、社会保障審議会の意見を聞くということになってございますので、企業年金部会を設置し、そこで議論していただくという感じでございます。よろしゅうございますか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○西村会長 それでは、この部会の設置について御了承いたしたいと存じます。

 議事2に移ります。「社会保障制度改革国民会議報告書及び『法制上の措置』の骨子について」。この議題について、内閣官房社会保障改革担当室から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○内閣官房内閣審議官 内閣官房の社会保障改革担当室でございます。よろしくお願いいたします。

 きょうはこのような社会保障審議会で御報告いただく機会をいただきまして、ありがとうございます。本日は、時間の中で、昨年8月の社会保障制度改革推進法以降の現在の動きについて概略を御説明させていただきたいと思います。

 お手元の資料で2-1~2-5まで5種類の資料を用意させていただいております。多少順番が前後することをお許しいただければと思います。

 まず、資料2-4が、今、申し上げました社会保障制度改革推進法の抜粋でございます。昨年8月、消費税を初めといたします税制の見直しと社会保障改革というものを一体で行う、いわゆる一体改革ということで、関係する立法措置があまた行われました。その中で、特に今後の社会保障制度についての議論を深めるべしという当時の自民、公明、民主、3党の合意によりまして行われた議員立法として、社会保障制度改革推進法が昨年8月に成立を見たところでございます。この推進法には、お手元2-4で書かせていただきましたように、今後の改革の基本的な考え方でございますとか、個別制度に関する基本方針が掲げられますとともに、2つの流れが盛り込まれました。

 1つは、社会保障の有識者の方々にお集まりいただく国民会議を平成25年8月21日までの期限で設置をして御審議を賜ること。

 2つ目に、その検討結果に基づいて政府が社会保障改革についての法制上の措置を講ずることという2つのことが昨年の8月の時点で決められたところでございます。

 それを踏まえまして、昨年11月から実質の議論を始めていただきました社会保障制度改革国民会議がことしの8月6日に検討結果を報告書として取りまとめていただき、それを安倍総理に手交していただいた。その報告書そのものがお手元の資料2-5であり、その概要が2-1でございます。

 お手元の分厚い資料2-5の一番後ろには、具体的な国民会議に御参集いただきました慶應大学の清家会長を初めとする委員の皆様方、あるいはこの間、昨年11月から20回にわたる御議論をいただきました経緯なども盛り込んでございますが、この分厚い資料2-5をめくっていただきますと冒頭へ「国民へのメッセージ」が出てまいります。

 2枚目の最後を見ていただきますと、国民会議の会長であります清家会長のメッセージということで、有識者の方々の審議の結果としての大部の報告書の冒頭に、今回の国民会議における委員の方々の御議論あるいはそれに込められた会長の思い、そして国民の方々へのメッセージというものがまとめられてございますので、またお時間のあるときに御一読いただければと思います。

 このような有識者からいただきました御報告、大分にわたるもの、概要が2-1でございますけれども、いわゆる社会保障の今後の基本的な考え方を総論的としてまとめつつ、少子化対策、医療・介護、年金という4つの分野を3つの固まりにした御報告をいただいたところでございます。この御報告に基づいて、幾つかの社会保障改革の方向性について、政府として先ほど申し上げました改革推進法に求めるところの法制上の措置を講ずるべく、次のステップに進んだというのが事実経緯でございます。

 法定期限は8月21日ということでございましたが、ことしの8月21日の時点で国会は開かれておりませんでしたので、いわゆる法制上の措置として期待されている法律を提出するという形までは至りませんでしたが、お手元の資料2-2、この国民会議の方々からいただいた報告書の内容を踏まえて、今後政府として取り組むべき改革を閣議決定の形で文書にさせていただいております。それが2-2でございます。

 この資料2-2の1枚目、下から3分の1あたりのところ、「政府は」というパラグラフがございますが、この本骨子に基づいて、改革推進法の規定に基づく措置として社会保障制度改革の全体像及び進め方を明らかにする法律案を次期国会冒頭に提出するということを内閣としてお約束しているところでございます。

 具体的には、2ページ目から少子化対策について、2ページ目の終わりから医療制度。この医療制度というものについては、医療サービスの部分と医療保険というファイナンスの部分と両方が書かれてございますが、それが5ページまで続いております。また、この医療のところには難病とお子さん方の難病、いわゆる小児慢性特定疾患についても盛り込まれておるところでございます。5ページ目から3つ目の固まりの介護保険についての記載があり、6ページ目に年金について、国民会議の方々の御報告を踏まえた政府としての方向性を掲げてございます。

 6ページ目には、「二 改革推進体制」「三 その他」と書いてございますように、今回の改革を進めるに当たっての政府としての体制の問題あるいは財源の確保や地方公共団体等との協議を行うということを閣議決定し、政府の意思として今後進めることにしてございます。

 色紙になっておりますが、A3の2-3をごらんいただきますと、今、御紹介させていただきました骨子について、少しビジュアルに並べかえてまとめてございます。横が、いわゆる工程表と書かせていただいておりますように、25年、26年、27年、28年、29年。今回の改革につきましては、先ほど申しました一体改革ということもあり、また、社会保障の安定的な財源を確保することで社会保障の持続性を高めるということもある中で、消費税の引き上げプログラムなども念頭に置いて、当面25年度から29年というところをスケジューリングさせていただいております。

 それぞれの項目について、字が小さくなってございますが、この全体の工程表の中に薄い紫で幾つか書かれておりますことが、先ほど御確認いただきました法制上の措置の骨子として掲げております項目を並べかえておりますので、ここに書かれております項目を検討しながら、赤い三角にそれぞれまとめておりますようなタイミングで、例えば上から2つ目、医療サービス等の提供体制という関係分野で申し上げれば、紫の部分に書かれております検討項目に検討を加えながら、29年、上の青い横棒を見ていただきますと、必要な措置を29年度までを目標に順次講ずるとなっておりまして、その一環として赤い三角、必要な法律案を26年、来年の通常国会への提出を目指すという形になってございます。

 このような形で並べかえておりますように、先ほど御紹介いたしました閣議決定では、それぞれの制度の改革の内容、検討項目とスケジュールをまとめているというところでございまして、この項目、スケジュールのもとで今後は当社会保障審議会を初めとする関係者の方々のさらなる議論を深めていただくとともに、政府・与党という形で議論をし、それぞれの定めております、我々が今お約束しております期限に向けて法律という形で国会に御審議を賜るということを政府としてはスケジューリングしているという状態でございます。

 同様に、医療保険あるいは難病対策、小児慢性特定疾患対策、介護保険、公的年金制度についてもそれぞれ書かれてございますが、これについてはまた後ほど御意見があれば必要に応じて御紹介することとし、構図としてはこのようになっているということを御理解いただければと思います。

 最後、ノンペーパーでございますが、今、新聞報道等でもございますように、内閣といたしましては、安倍総理大臣において、法律に掲げてございます消費税の引き上げについての政府として一定の判断を近々示すということになりますけれども、それにあわせまして、このような形で社会保障制度改革の細部を詰め、必要な臨時国会に向けての法案、いわゆるプログラム法と言っておりますような、個別の項目ではなくて、全体としてのそれぞれの制度ごとの検討項目とスケジューリングを明らかにした法案を国会に提出し、それを踏まえて、来年度以降の国会で個別の制度の改革を議論するというステップを踏んでまいります。当面、社会保障としては、消費税の引き上げが満年度化した2017年を念頭に、今回、法律で盛り込んでおります5%の引き上げの中、1%相当、2.8兆円程度を社会保障の充実に使うということを政府として念頭に置きながら、今後、個別の制度の具体化、詳細化に進めてまいりたいと思っております。

 私の報告は以上でございます。

 

○西村会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等、伺いたいと存じます。

 どうぞ。

 

○菅家委員 報告書が出てもう日が随分たっておりまして、私自身は医療保険部会に所属しておりまして、医療保険部会の中で報告いただきまして、その際に随分発言させていただきまして、そういう意味では少し間があいたなという感じを受けております。

 お話ししたいのは、そもそも社会保障・税一体改革といいますのは、民主党政権のもとで議論がスタートされて、昨年の2月に大綱として閣議決定されて、途中、三党合意等修正等がありましたけれども、今日に至っているという一連の流れのこの時点だと考えております。

 そういう意味で、昨年2月に閣議決定された大綱の中では、今ほど説明のございました消費税5%を何のために引き上げるのかということについて、きちんとした考え方、目的が明らかになっていたわけでございまして、4%については社会保障の安定化、持続可能性を確保するため。そして1%、2.7兆円程度につきましては社会保障の充実に使うのだということがきちんと方向性として打ち出されているかと思っております。

 その流れの中で、子ども・子育ての支援でありますとか、年金制度の改善につきましては既に法律案が通っているわけでありますけれども、2.7兆円の大宗を占める医療・介護の充実、およそ1.6兆円程度と言われておりましたけれども、これについては、今ほどいろいろと説明がございましたけれども、具体的な中身についてはこれから決めるというのが実態だと思っております。そういう意味では、増税が来年4月から開始をされるということでございまして、税法の中で増収分については全て社会保障4経費に充当すると法律に明記されているわけでありますので、そのことがいまだ法律的には担保されていないという現実について率直に見る必要があるのではないかと思っておりまして、そういった関係について、いま一度御説明をいただければと思っております。

 大綱の中にもございましたし、国民会議の報告書の中にもあったわけでありますが、総合合算制度は極めて重要な制度だと考えておりまして高く評価するのでありますけれども、これについて先ほど説明のございましたプログラム法の中でどういった扱いになるのか、この具体化に向けた検討スケジュール等についても明らかにしていただければと思います。

 以上であります。

 

○西村会長 2点、御質問が出たと思いますが、まず事務局から。

 

○内閣官房内閣審議官 ありがとうございます。今、菅家委員からも御紹介がございましたように、今回の消費税あるいは社会保障の改革というものは、社会保障制度の安定的財源を確保しながら重点化あるいは効率化を進めるのと財政の健全性を高めるというものを一体的に進めるという形になっているわけでございまして、消費税の引き上げ分については消費税法において全て、いわゆる制度化された少子化対策、医療・介護、年金というものに使うという意味で使途は明確になっていると思います。

 その上で、既に制度化されている子ども・子育ての分野、あるいは年金に加えて、医療・介護について、より使い道あるいは方向性について明らかにすべきではないかという問題意識があってこそ、今回の国民会議における御議論であったり、あるいはそれを踏まえての法制上の措置という形に流れはつながっておると私どもも思っておりますので、その点につきましては、委員の御指摘と私どもの認識は一致していると思います。

 その上で、医療・介護の具体的な使い道につきましては、報告書のレベルにおいては、例えばサービス提供の充実に今後の消費税の増収分を充てるという考え方などが明確になっておりますし、個々の分野を細かく御紹介すれば、消費税の増収を踏まえてというような形での使途が明確になってございますが、それを担保する制度につきましては、先ほど御紹介させていただきましたようなそれぞれの制度の見直し、改正スケジュール、あるいはそれを踏まえての施行というものも絡んでまいります。また、今回の社会保障の充実という分野については、消費税の増税分だけではなく、自らが生み出す財源、いわゆる重点化、効率化と言われるような部分も合わせて考えていくということになってございますので、全て消費税の増収分については社会保障に充てるという基本的な考え方、枠組みの中で、具体的な部分については報告書に書かれてございます方向性なり考え方を今、具体化するべく、御参加いただいております部会を初めとして御審議いただいているものでございます。そういうところでの議論をより見やすくする、あるいは明らかにしながら、消費税の使い道が社会保障のどこに当たったのかということを国民の皆さん方に我々政府もきちっと御紹介あるいはPRしながら進めてまいりたいと思っております。

 そういう意味では、先ほど申しましたように、大きな枠組みでは2.7兆円というよりも、最近では消費税が平年度化する2017年の数字で1%、2.8兆円という言い方を政府としてはしておりますけれども、この2.8兆円部分については充実に充てるとともに、それ以外のところについても幾つかの見直しを通じて、確実に消費税の引き上げ分が国民の方々に還元できるという形に委員の皆さん方の御審議も踏まえながら努力してまいりたいと思います。

 総合合算制度の関係につきまして、まず、ざっくりと申し上げれば、国民会議における議論の段階でも、総合合算制度の必要性あるいは有意性ということについては触れていただき報告書には盛り込まれておりますが、政府としてそれを踏まえた法制上の措置として整理する際には、既に総合合算制度につきましては消費税を含めた税制抜本改革法の中で、低所得者対策としての給付付き税額控除などとあわせて、既に政府に対する検討が義務化されております。

 そういうことも踏まえて、整理として今回新たに重ねては書いてございませんが、総合合算制度については政府としての課題であるということは変わっておりませんので、その中で進めてまいるというのが基本でございます。具体的なスケジュールについては、今後の検討いかんによりますけれども、やはり1つ念頭におかれますのは、総合合算制度のもとになります個々人の方々の給付歴あるいは負担歴というものを合算すると考えますと、一定の番号、マイナンバーという形で番号制度ができましたけれども、あれの本格施行のスケジュールもにらみながら細部を詰めていくということでございますので、これからそのあたりの動きも見ながら、政府全体として、それぞれのつかさつかさで検討を進めたいと思っております。

 

○西村会長 菅家委員、よろしゅうございますか。

 

○菅家委員 はい。

 

○西村会長 この会議は国民会議の委員をされました先生方が大勢おられるのですが、きょうは神野先生、永井先生、山崎先生、3人御出席でいらっしゃいます。もし何か補足をしていただくことがございましたら、一言賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。特になければあえてとは申しませんが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○神野委員 社会保障関係では特にありません。

 

○西村会長 よろしゅうございますか。

 それでは、その3人も含めて引き続き御質問をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。

 神野先生、社会保障関係以外ではございませんか。

 

○神野委員 税制改正その他、行く末が見えていないので、その点ぐらいだけですので。社会保障関係であればきちんと確保していただければ。

 

○西村会長 そういう御要望ということですね。わかりました。

 ほかにいかがでしょうか。

 白波瀬委員、どうぞ。

 

○白波瀬委員 改革の方向としては非常に賛同できることが多いのですけれども、今、委員のほうからもありましたが、どうしても財源確保の点で不安が残ります。事実、このような改革が本当に実現できるのかといった思いを持っている方は少なくないのではないかと思うのです。報告書の概要のところでは、社会保障というのは社会保険方式が基本であるということを確認されているわけですけれども、財源確保についての記述が不十分だと感じました。実現可能性という点から、工程表の中の内容と連動させた財源確保についての情報も盛り込んでいただくと、国民にとってもわかりやすく、将来に向けた不安感を少しは払拭できるのではないでしょうか。

 以上です。

 

○西村会長 では、よろしく。

 

○内閣官房内閣審議官 委員の御指摘を踏まえて我々も頑張りたいと思いますし、その意味では、今回、少なくとも次のプログラム法にもつなげるべく、8月21日に政府として閣議決定いたしました骨子の中には、今後の改革推進体制として、このような今回おまとめいただきました方向性をある意味で時間軸の中でいろいろな改革メニューを置いてございますので、きちっとフォローしながら進めていく。それは社会保障ということでもあり、安定財源の確保ということも含めてだと思いますけれども、進めていくという形になってございますので、政府としてはそのような形で取り組んでまいりたいと思います。

 

○西村会長 どうぞ。

 

○政策統括官(社会保障担当) 白波瀬先生から御指摘いただきまして、ありがとうございます。お話のように、財源をきちんと確保しなければいけないのですが、去る9月10日に、社会保障一体改革の関係大臣会合を開催いたしまして、改めて消費税の1%分を社会保障の充実に充てるということを確認いたしました。

 その金額につきましては、これまでは2015年の時点で10%になったときの消費税の規模、2兆7,000億円というものを充実に充てると言っておりましたが、2015年は年度の途中に10%になりますので、満額の税収は入ってまいりません。そこで、財務省によりますと、満額の税収が本当の意味で入るのは2017年度ということのようですけれども、2017年度の消費税の1%の税収は2兆8,000億円になるということのようでございます。したがって、消費税の1%、2兆8,000億円については、社会保障の、つまり4分野の充実に使うということが関係大臣で改めて確認されておりますので、今後はその中身をどういうようにしていくかを明らかにしていくのが我々の仕事だと思っております。ありがとうございました。

 

○西村会長 よろしゅうございますか。

 

○白波瀬委員 はい。

 

○西村会長 私からも、要するに、今の説明で新たな消費税をもととする財源の確保ということに対しては、ある程度安心感があると理解いたしましたが、従来の財源が削減されるといったようなことがないかということは心配しておるのですが、その点はいかがですか。

 

○内閣官房内閣審議官 御案内のように、社会保障そのものの財源については、高齢者3経費という形で従来消費税の対象とはしてございましたが、それを超える所要額になっている。政府全体としての財政需要の中で社会保障が大勢を占め、そのやりくりに苦慮しているということから申し上げれば、財政的な心配、財政的な非常に厳しい状況にあるというのはまぎれもない事実だと思います。

 その上で、これまでも社会保障をやりくりしてまいりましたけれども、今回の一体改革のフレームの中では、先ほど来申しております1%の2.8兆円を子ども・子育て支援、あるいは低年金の方々に対する一定の配慮などに充てるということと同時に、例えば典型で申し上げれば、ここ数年、長年の課題でありました基礎年金を2分の1に国庫補助を上げるための所要財源を政府としては恒久的な財源を確保できずに、そのときそのときでやりくりしていたものを今回の5%の充実1%以外の部分、単純に差っ引きすれば4%相当分の中から捻出するといいましょうか、充当するというスキームを今回つくることができましたので、そういう意味では社会保障の財源についても従来の部分、いわゆる安定化と言われるような部分についても今回大きく寄与できる、また逆に言うと、そういう形になっているということは申し上げられるかと思います。

 ただ、やはり長い目で見ると、これからの社会保障というものは、年間1兆円と言われておりますように大きなオーダーで国家財政の中でのウエートを増し続けてまいりますので、金の問題だけではないと思いますが、財政的な側面からも社会保障というものについて引き続きの御議論を社会保障審議会においてお願いしたいと存じます。

 

○西村会長 どうぞ。

 

○政策統括官(社会保障担当) 今回の一体改革では、充実のほかに効率化と重点化もすることになっておりますが、効率化と重点化の浮いた財源も社会保障に充てるという枠組みがつくられております。したがって、それについても当然我々は社会保障のために確保するというスタンスで臨んでいきたいと思っております。

 

○西村会長 なかなか期待できるお話、引き続きやりくりもぜひ努力していただきたいと思います。

 ほか、委員の皆さん、きょうは比較的少人数でございますので、どうぞ少し時間がございます。この際、言っておきたいということもございましたらぜひ御発言も含めて賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○山崎委員 実は、この国民会議の報告書の中で、消費税以外に財源を必要するということが書かれておりまして、それは子ども・子育て支援については本来1兆円強の公費を要するのだけれども、消費税で約束されているのは0.7兆円だということですから、非常に私自身不安に思っておりまして、何とか全力を挙げて一般財源でということになるのでしょうが、これを確保していただきたいと思います。

 

○西村会長 特に今のは事務局、よろしゅうございますか。頑張りますと。

 永井先生、いかがですか。会議の感想も含めて御自由に御発言いただいてもよろしいかと思います。

 

○永井委員 私は主に医療関係のことで発言させていただきましたけれども、この問題はなかなか難しいのです。消費税が追加されれば問題が解決するわけではなくて、大事なのは、いかに持続性を担保するかということだと思います。特に日本の医療提供体制というのは市場原理ではありません。かといって社会主義でもなくて、そのはざまで独自のシステムをつくらないといけない。ですから、市場が決めるわけでもないし、政府の通達1本で決まるわけでもない。そうすると、どうするかということで、私はこれからデータをとにかくたくさん集めて、それをもとにして当事者が議論して持続性のあるシステムをつくらないといけないということを何度か発言させていただきました。

 消費税増税分が診療報酬や基金に全部消えてしまうのではなくて、持続性を担保するためのデータを継続して集められるインフラの整備に使っていただきたいと思っています。

 以上です。

 

○西村会長 どうもありがとうございました。

 

○見城委員 質問でもよろしいですか。

 

○西村会長 もちろん、よろしゅうございます。

 

○見城委員 質問させていただきます。2025年、団塊の世代の全員が75歳以上になるという、数字では何度聞いても現実は大変なことだというのを実感している一人です。病院完結型から地域全体で治し支える地域完結型にという御説明をどなたかにしていただきたいのです。というのは、私もいろんな地域に行って現状を見ていますと、東京だから逆に療養する場所が遠くて難しかったりする都会ゆえのマイナス面と、地域内で非常にうまくまとまって、ごく近くで療養型のところに入ることができて、本当に地域の中で一生を終えていくようなうまいシステムも見るのですが、やはりいいことばかりではなくて、その地域自体に力がなくて、地域で支えられない、だから大分前に事件が起きたような、大阪から、群馬の施設へ入れたら、火事になって大変な死亡者を出しました。ああいうような地域ではどうにもならない、そういうようなことも現状で起きているので、地域全体で治すという支える地域完結型というのをここに書かれた以上は具体的に、ビジョンがあるのだと思いますので、お願いします。

 

○西村会長 それは事務局、ぜひお願いします。

 

○内閣官房内閣審議官 まず、国民会議の事務局を務めた立場から3点ほど申し上げた上で、必要に応じて厚生労働省のほうから補足をと思います。

 まず、お手元の資料2-5の報告書全文のところでございますが、1つ目に、今、見城委員からおっしゃっていただきましたように、25ページをお開きいただきます。もう多くの委員の方々はお目通しいただいているかと思いますので、改めて申し上げる形になります。25ページのところで今おっしゃっていただいたような病院完結型の医療から地域完結型への医療ということの具体的な流れを取り上げていただいております。

 ここをごらんいただきますと、例えば医療と介護は一体的に改革が必要である。その意味では、確かに言葉としては病院完結型の医療とか、地域完結型の医療という言葉に書かれてございますが、25ページの2つ目のパラグラフにありますように、急性期医療を中心に集中していたところから、受け皿となる地域の在宅介護なども集中しなければいけないということでございますとか、真ん中辺のパラグラフのところからちょうど病院完結型、地域完結型と書いてございます5~6行後に、いわゆる川上に位置する病床の機能分化という政策展開は退院患者の受け入れという川下の政策と同時に行われるべきであるというような一体的なものが必要だということが書かれてございます。

 その流れの中で、具体的に28ページの(4)から続くのですが、医療から介護へ、あるいは病院施設から地域、在宅へというものが先ほど少し表現が重なる部分もございますが、病床の機能分化というものと退院患者の受け入れ体制の整備が一緒になければいけないし、逆に、川下に位置する在宅ケアの普及というものが急性増悪時に必須となる短期的な病床の確保という川上政策と同時に行われるべきであるという考え方が書かれてございます。

 その意味では、医療というのだけではなくて、医療と介護というものをどうやって考えていくか。急性期から退院後の受け皿まで考えていくのが基本的なコンセプトであり、それがあるからこそ2829ページに向けて、特に29ページの冒頭には委員の中の強い言葉から出てきていますが、いわゆる従来、介護保険の流れの中で語られることの多かった地域包括ケアシステムは、介護保険制度の枠内では完結しない。ですから、おっしゃっていただいていますように、地域でといった場合には、地域の中でも医療から介護受け皿という方々までがある程度一体となって流れの中でやらなければいけませんし、政策も医療の政策あるいは介護の政策ということではなく、両方必要ではないかというのが国民会議の中で非常に強く認識された提言かと思います。これが1点であります。

 その流れの延長を突き詰めてまいりますと、今、最後に見城委員から御発言がありましたように、実は医療・介護でも完結しない。既に包括ケアという中では住まいという問題や食事を初めとする生活支援ということまで厚生労働省周りでのいろいろな研究会、検討会では御提言いただいていると承知しておりますが、今回の国民会議の報告書におきましても、例えば11ページに戻っていただきますと、真ん中辺に「(6)地域づくりとしての医療・介護・福祉・子育て」というものがあり、一番下のほうのパラグラフの中では、医療サービス、介護サービスだけでなく、住まいや移動、食事、見守りなどを考えていく。つまり、ここまでくると、コンパクトシティーというハードの問題も、あるいはサービス連携というソフトの問題も含めてまちづくり全体にも取り組まなければいけないような時期に来ているのだと。あるいはまさに今委員におっしゃっていただいた2025年を展望すると、それが必要なのだということが国民会議の議論あるいは報告書における強いメッセージだと思います。

 それが1つ目であって、では、それをどうするのですかということになった場合には、まさにまちづくりまで含めて視野に入れてのサービス提供でありますので、個別論のところで、例えば医療の機能分化ということからすれば、報告制度を通じて見える化をして、地域医療ビジョンのものをつくれないか。地域包括ケアという分野については、幾つか既に指摘されている検討課題をこなしていく必要があるのではないかという、だんだんブレークダウンしていくとそういう形になるわけですが、それぞれの課題に今後取り組む際にも、今、御紹介したような全体像の中で何をしなければいけないのだということの問題意識を強く政策当局も持たねばなりませんし、それぞれ実際に現地で動かしていただいている方々にも共有していただきたい。そうすると、地域に対して人がいるのかとか、見える化というところにうまくできるのかという次なる実施段階に進む形になると思いますので、それについては、それぞれ介護保険あるいは医療法を初めとする医療制度の中での議論を通じて、こういう仕掛けができればそれがより具体化するのではないかということの議論が求められていると思います。

 そこまで申しますと少し長くなりますので紹介を略しますが、それにつながるような幾つかの方向性がこの国民会議報告書には盛り込まれていると事務局としては受けとめておりますので、それをどういうように制度化するか、政策化するか。そして、実際に地域の方々で動かしていただけるかということについては、今後ともいろいろと御議論もいただきたいし、政策当局として政府を挙げて取り組んでまいりたいと思っています。

 

○西村会長 事務局、まだ補足はございますか。よろしゅうございますか。

 では、永井委員のお話を伺った後で。

 

○永井委員 私もこれは非常に難しい問題だと思います。先ほどお話ししたように、市場が決めるわけではないのです。また、地域によって随分特性が違いますから、それぞれの事情に応じた計画を立てないといけない。自治体も住民も医療関係者も同じテーブルに着いて議論をしなければならない。そのときにデータが必要だということです。データを見ながら、うちの地域はどうしようかということを当事者が膝を突き合わせて考えないといけません。行政としては、恐らく診療報酬とか地域医療再生基金、そういうもので誘導することもできるだろうと思います。当然、消費税はそれにも使われると思います。これまでのように医療機関が生き残りをかけて頑張ってきました。特に都会ではそうですが、地域の連携は必ずしもうまくいっていないのではないか。むしろ僻地の、一度医療崩壊を経験したようなところのほうが実はシステムはできているように見えます。それをこれから都会でもっと真剣にそういうシステムを取り入れていかないといけない、そのためにもデータが必要です。

 

○医政局長 医療と介護の連携のところは非常に重要だと思っておりまして、医療のほうは、どちらかというと医療計画を都道府県がつくって、県の全体を眺めながら2次医療圏という単位で日常の医療は見ていこうというような流れで来ていました。

 その一方で、福祉の介護の分野につきましては、市町村が主として単位となってやってきた。市町村も今合併が進んでいるところと進んでいないところとたくさんありさまざまですので、いろんな考え方があると思いますが、ただ、医療と介護を真に連携させるためには、計画レベルでも連携した形で県が市町村のことを見、また市町村が県の医療のほうを見と、その中で整合性を持っていく必要があるだろうと考えています。ただ、制度的には県と市町村と分かれていますので、そこをうまく連結させるような仕組みを検討していきたいと考えています。

 

○西村会長 どうぞ。

 

○見城委員 医療と介護が大体分かれているのがおかしいくらいで、人の一生を考えますと医療と介護はつながっているものです。それが大体現在の状況では、ある日突然医療のほうから終わりましたと、介護のほうで今度は探してくださいというようなことですが、本当に団塊の世代が75歳に全員なったとき、トップは80歳位近くになるわけですから、長生きしている親の世代をまだ介護しているかもしれません。自分たちも介護が必要という状況になっている。今までにない日本の状況が来るということで、本当に具体的に連携というよりも1つにしていただきたいと思います。これは実際体験してみると1つになるのが一番だろうと思います。

 それで特に介護保険に関しては、自動的に介護保険を納めていきますので、そういう状況にありながら、果たして介護保険で自分たちの老後が人生として生きてきてよかったと思えるのかどうかということではなかなか悲観的な意見が多く、その辺に対する具体的な介護保険をこうして納めていただいているかわりにこういう人生があるというか、最後のほうの生き方があるということは、よりきちんとアピールしていただきたいと思います。

 これは多くの方から、介護保険は取られてしまうけれども、それはいつ取り返すのだと。本当にそういう話が出ているのです。それは今後にかかるだろうと。では、それが消費税を上げて社会保障で賄われていくとしても、本当に生きてくるのかというような国民の不安と不信がここは一番集中していると思います。ですから、ぜひ具体的で、なおかつ、かなり具体的な情報発信、自分たちの5年後ぐらいから10年先がある程度何か描けるような、プランニングできるような形で発信していただきたいし、そういう制度にしていただきたいと思います。

 

○西村会長 私から御参考までにと思うのですが、この報告書にも若干載っておりますが、今のお話のキーワードは在宅医療ではないかと思っております。在宅でありますと、必然的に介護・医療が合体化していろんなサービスを提供するという方向になる。

 最初、見城委員がおっしゃったように、厚労省では大都市部の高齢化についても会議を開いておられて、きょう、埼玉県もおられますが、東京都、埼玉県、もちろん三大都市中心に5回ぐらい会議を重ねておられて、間もなく報告書が出ると、そちらから御報告がありますか。

 では、お願いします。

 

○老健局長 せっかくの機会ですから御説明をさせていただきます。老健局長でございます。

 これから2025年あるいはそれ以降に向けて、特に都市部のところで高齢化が急速に進むということで、今、西村会長からお話がございましたように、検討会を開催いたしまして、先週の金曜日に最終回をやりました。まだ若干文言の修正がございますので最終版は発表しておりませんけれども、報告書全体についておおむね合意が得られたと思っております。

 そこで言われていますのは、都市部の保険者については、危機感を持って、できることは全てとにかく全力で総力を挙げてやるということが一番の主張でございますが、そのときに報告書で強調されていますのは、都市部だと地域のつながりが弱いとか、土地がなくて特養とかといった施設がつくりにくいとか、そういった弱みみたいなことばかりが言われているけれども、そうではなくて、むしろ都市部にはいろんな強みがあるのだと。特にこれから高齢者のイメージが変わると思いますけれども、団塊の世代の方々が中心になってきますと、恐らくもっと元気な、活力のある高齢者の方々が地域にたくさん出て来られます。あるいは都心にはいろんな交通インフラだとか住まいの物的な整備だとか、いろんなメリットもありますから、都市部の強みを活かした地域包括ケアの構築を目指せというのが検討会の結論でございまして、参画した都市部の保険者の皆さん、誓いも新たに、これからやるぞというようなことをおっしゃっていましたので、頑張ってやっていきたいと思います。

 介護保険のお話が出ましたので申し上げますと、やはり持続可能な制度でなければいけないということが大事でございまして、介護保険が創設されましてから13年たちまして、おかげさまで非常に国民には定着しているのだと思います。したがって、これが今後の介護の中核になっていかなければいけないと思っておりますので、ぜひとも何とか持続可能な制度にする。ただ、それだけではこれからの大介護時代を支えることは難しゅうございますので、やはり自助だとか互助というような取り組みを、インフォーマルないろんな助け合いみたいなことを地域の中でどうやってつくっていくのか、あるいは御自身の介護予防、健康づくり、こういうものをどれだけ広めていくことができるか、これが非常に鍵である。この両方をやっていかなければいけないのではないか。

 今回の制度改正は予防給付から地域支援事業への移行といったようなことが国民会議の報告書にも書いてございますけれども、私はそこで提案されている趣旨は、要支援者に対するケアも大事でございますが、やはり要支援者というのは認定を受けた一部の方でございますので、実はまだまだそこに至らない二次予防対象者でございますとか、あるいは今は元気だけれども、いずれ介護が必要になる人がいっぱいいらっしゃいます。そういう方も含めて、例えばその方たちが地域の中で暮らしていけるようにするために生活支援サービス、見守りだとか配食だとか、そういったものも必要ですし、何よりも介護予防のところで大事なのは、社会参加の機会を多くつくっていく。これは就労から趣味的な活動までいろんなものがあると思いますけれども、そういうような社会参加の場づくりみたいなことも介護保険でぜひ基盤をつくっていきたいという思いがあって、国民会議の議論もそういうことでございましたし、今、介護保険部会でそこのところの議論をしていただいているところでございます。

 

○見城委員 人材確保は大丈夫なのですか。結局、資金を充てても人材がなければ介護というのは動きませんし、現実に見ていましても、高級であればあるほど多数の人材がかけられているということですね。何を高級な介護とするかというと、基本的には建物やそういうものもありますが、医療の質もありますが、本当に最後を見ていますと、人材、つまり、どれだけ看護師、介護士をつけているか。状況が貧しい場合には、そういう人材がなかなか少ないわけです。ですから、その辺はどうなのでしょうか。

 

○老健局長 大変重要な御指摘だと思います。これから2025年に向けて100万人ほどさらに介護の人材が必要だというような試算もありますし、単に量だけではなくて、スキル、技術、そういうものの質の高い介護人材というものが求められていると思いますので、大変重要な課題だと思っています。

 取り組みとしては、処遇改善ということで給与を上げてあげるということが一つの方策でありますけれども、単に給与が上がるだけではなくて、その方にとってのキャリアパスというのでしょうか、この仕事が生涯かけてできる仕事だと思ってもらえるようなキャリアパスなり職場環境なり、あるいは社会的な地位、そういうことにいろんな方面から取り組んでいかなければいけないと思っておりまして、努力していきたいと思います。

 

○見城委員 本当に早急にその辺はお願いします。若い人たちが職場として望んでそういう動きが出ないといけないと思いますし、ぜひ早急によろしくお願いします。

 

○西村会長 どうぞ。

 

○伊豫委員 医療の改革の方向性ということで意見を述べさせていただきたいのですけれども、日本の場合、過度な受診回数とか、そういったものが言われたり、また非常に病院に過度な期待をして、そちらにどんどん受診するというような問題があります。これの背景としては、健康に対する不安が大きく影響していると心理学的には思われるわけです。もう一つは、急性期に人的物的資源を集中的に投入して、その後、早期に家庭復帰、社会復帰ということになりますと、そのプロセスにおいてかなり不安感といいますか、どのように自分が急性期の終わった後、マネジメントすればいいのかということが非常に重大な問題になってくると予測されます。

 したがって、そういう健康とか急性期が終わってから社会復帰していくプロセスで特に重要なセルフマネジメント、そういったものを支える人的物的というよりは、ITなどを用いた形でのサポートシステムというのもあわせて検討していく必要があるのではないかと思います。

 例えば血圧のちょっとした変動であっても、そういうシステムを使えば安全範囲であるということであれば、過剰な受診というのは減らすことができるでしょうし、急性期が終わって再発したのかということに関しても、そういったものを用いてセルフマネジメントしていけるのではないかと思いますので、一部そういうところにも配慮いただければと考えます。

 

○西村会長 どうもありがとうございました。

 時間が迫ってまいりました。あと短い時間でございますが、何か御質問、御意見ございましたら。

 それでは、きょうはちょっと短めでございますが、これでと思います。永井委員が先ほどおっしゃったのですが、報告書の清家会長が序文の最後のところに大変感銘を受ける表現をしておられて、将来の世代にしっかりと伝えるために現在の世代はどのような努力をしたらよいかということをおっしゃっておりまして、永井委員がおっしゃったデータの問題、そういう問題を含めて、当面どうしても高齢の問題に焦点が当たりますが、この高齢の問題を解決することによって将来の世代にいろいろ引き継いでいくことができるような方向を私としては目指していただきたいと思っております。

 きょうは少数でございましたので長めにお話しいただきましたが、これで時間が参りましたので終了したいと思います。

 それでは、事務局にお返しいたします。

 

○政策統括官(社会保障担当) それでは、これで閉会させていただきます。

 次回の会合につきましては、追って御連絡をさせていただきます。


(了)
<照会先>

厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室

代): 03-5253-1111(7707、7708)
ダ): 03-3595-2159

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