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2013年8月22日 第25回独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会議事録
○日時
平成25年8月22日(木)13:00~14:21
○場所
厚生労働省専用第12会議室
○出席者
永井部会長、内山部会長代理、福井委員、藤川委員、斉藤委員、花井委員、三好委員 |
○議事
(以下、議事録)
○内山部会長代理
定刻になりましたので、ただいまから第25回独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
本日は、祖父江委員、本田委員が御欠席です。なお永井部会長が所用により到着が遅れるということでございますので、それまでの間、部会長代理の私が議事の進行をいたします。それでは本日の議事について、事務局から説明をお願いいたします。
○政策評価官
本日の議事について御説明申し上げます。本日の議事はお手元に配布しています議事次第のとおり、国立成育医療研究センター、国立循環器病研究センター、国立がん研究センターの3法人についての御審議という形になります。
当該3法人については、財務諸表に関する意見と平成24年度、前年度の総合評価についての御審議となりまして、3番目になります国立がん研究センターについては、長期借入金に係る報告が追加され3つの議題となります。
審議の進め方について簡単に御説明申し上げます。まず最初に財務諸表に関する意見については、担当委員であります藤川委員のほうから御報告を頂きまして、それを踏まえて御審議をいただき、その次に総合評価として前回皆様方に評価いただきました個別評価の結果に基づき、起草委員に起草いただきました総合評価の案と評価シートの「委員会としての評定理由案等」について、御審議をいただくという形で進めていただければと思っております。
また、皆様の御記入いただきました評定記入用紙については、御参考いただけますようにお手元にお置かせていただきますので御活用いただければと思います。なお法人ごとの説明、議論が行われた中で、修正等がありました際の注意点を申し上げます。修正については、お手元の赤鉛筆で修正をお願いしたいところです。修正があった場合には、同じくお手元に置いてあります付箋を貼っていただければと思います。
机上配布してあります「個別項目に関する評価結果(未定稿)」がございますが、そちらはお付けいただきました評定をS~DをSを5点Dを1点という形で、点数化したものでございます。各委員の所は空欄になっておりまして、お手元に配布している資料には御自身のお名前だけが記載された形になっています。
評定記入用紙について部会終了後回収しますので、机上に置いておいていただきたくお願いします。事務局からは以上でございます。
○内山部会長代理
ありがとうございました。それでは議事に入ります。まずは総合評価書、財務諸表に関する意見については、起草委員の方々にはお忙しい中、御尽力いただきましてありがとうございました。始めに、国立成育医療研究センターについて審議いたします。最初に財務諸表に関する意見について審議に入ります。財務諸表については、独立行政法人通則法第38条に基づき、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣が承認をすることとされております。それでは、財務諸表について藤川委員から御説明をお願いいたします。
○藤川委員
財務諸表に関する意見を申し上げます。まず検証の方法から説明します。平成25年7月24日、当センターの経理担当者に対し財務ヒアリングを実施し、資料の閲覧及び質問によって財務諸表の内容を検証したところ、特に問題となる事項は見受けられませんでした。また、会計監査人である新日本有限責任監査法人の独立監査人の監査報告書に加え、監査の概要及び結果について、参考となる事項が説明されている監査結果説明書を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。
更に監事の監査報告書を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。以上の観点から独立行政法人国立成育医療研究センターの平成24年度の財務諸表につき、申請どおり承認することが適当であると考えます。
また、現状を踏まえまして中期目標期間終了時における収支相償の達成見込みについて、コメントを付したいと思います。中期計画の目標値は、経常収支率100%以上とされていますが、平成22年以降の経常収支率は3期連続100%超、3期累積では経常収支率104%であり、計画達成状況は良好と言えます。
今後、修繕に係る費用の増加が見込まれているとのことではありますが、当年度は施設基準の取得や患者数の増加等により、診療事業における収支率は108.8%と、前年比4.7%増の大幅な改善が見られることなどから、中期計画の達成は十分に可能な水準にあると考えられます。以上です。
○内山部会長代理
ありがとうございました。ただいま御報告いただきました、国立成育医療研究センターの財務諸表について、御意見等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、平成24年度の財務諸表に対する意見としては、資料1-1の案のとおりで修正意見はないようですので、これを取りまとめ厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○内山部会長代理
ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。それでは部会長の永井先生が今お着きのようでございますので、これからの進行は永井部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○永井部会長
遅くなりまして失礼いたしました。国立成育医療研究センターの総合評価について審議をいたします。審議に入る前に前回配布されました、業務実績評価シートの記載内容に修正がございましたので、法人から説明をお願いいたします。
○国立成育医療研究センター総務部長
総務部長の井坂でございます。どうぞよろしくお願いします。
先般、御説明をいたしました実績評価シートに一部誤りがありましたので、修正をよろしくお願いします。お手元に配布しております実績評価シート正誤表に基づいて御説明します。
シートの30ページの周産期医療部分ですが、母体搬送の受入れ件数について誤りがございました。正しくは、左側にありますように平成23年度は107件、平成24年度が114件というのが正しい数字です。訂正をよろしくお願いします。
51ページの人事システムの最適化について、医療クラークの人数に誤りがありましたので、訂正をお願いします。正しくは、平成23年度12名で24年度も12名という数字になりますのでよろしくお願いします。
裏面ですが、それに伴いまして評価の視点の所ですが、やはり医療クラークの数が平成23、24年度ともに12名と御訂正をお願いします。大変申し訳ございませんがよろしくお願いします。以上でございます。
○永井部会長
ありがとうございます。国立成育医療研究センターの起草委員であられます内山部会長代理から総合評価書案について、おおむね10分程度で御報告をお願いいたします。
○内山部会長代理
国立成育医療研究センターの平成24年度の評価結果について、講評を述べさせていただきます。評価に当たりましては評定の結果、各委員の評定コメント、また前回の7月31日の御議論の内容などを踏まえ、平成24年度の業務実績について、中期目標に掲げられた内容に照らし総合評価書を取りまとめています。
全体の評価としましては、理事長のリーダーシップの下、昨年度に引き続き職員の意識改革が進められる中、現場の裁量・権限の拡大等を通じた業務運営の効率化、国民に対するサービスの質の向上、財務内容の改善を図るための積極的な取組が行われまして、経常収支率について継続して100%以上維持していること。
研究・開発においては、小児に対する医薬品の用法・用量の不明確さ、採算性の低さから生じる開発の遅れなどに対して、小児医薬品・医療機器開発を行うための環境を整備するため、小児領域に特化した治験基盤である「小児治験ネットワーク」を小児病院間で構築し、その運用を開始したこと。
センターが担当する研究分野で最も重要な使命である再生医療の確立として、ヒトES細胞3株を樹立し、ヒトES細胞の将来的な移植治療への応用を目指し、医薬品医療機器総合機構、国立医薬品食品衛生研究所との共同で、革新的医薬品・医療機器・再生医療製品の実用化に向けた促進事業を開始したこと。
肥満やメタボリックシンドローム研究の有用なツールとして、ヒトES/iPS細胞から脂質・糖代謝改善作用を持つ、褐色脂肪細胞を作成することに成功したこと。
医療の提供については、年間「小児肝移植症例」は、世界最多となる46例を実施し、生存率98%と良好な成績であるとともに、高度先駆的医療である 「双胎間輸血症候群に対するレーザー手術」を68例実施するなど、最新のEBMに基づく成育医療を提供したこと。
病院所属で研究所や臨床研究センターで研究を開始する医師、大学又は企業に所属して、センターで研究に従事する研究者など、様々な人材交流を推進するとともに、研究所研究員の中で顕著な英文業績を上げている者に、上級研究員の称号を与える等の取組を行っていること。
こういったことを踏まえると、平成24年度の業務実績の評価に当たり、センターは、平成22年の独立行政法人化のメリットを生かし裁量性を増しつつ、研究・開発及び医療の提供において、総合的に見れば期待された取組がなされている。このように自立したセンター運営が有効に機能している点について高く評価している。
3年目の業務実績の評価については、中期計画5年間の折り返し地点に差し掛かった所であり、引き続き目標達成に向けた取組を期待する。以上でございます。
○永井部会長
ありがとうございます。では御質問、御意見等をいただきたいと思います。よろしいでしょうか。ヒアリングのときに私がお聞きした入院患者数が増えているが、病床利用率が低下しているというのは、ベット数が変化したということですね。3年連続で黒字を達成した理由とはどういうことだったのでしたか。そこはどういう努力をされたか。
○国立成育医療研究センター理事長
前回も少しお話しましたが、7対1の看護師さんの増員を図ることによって、ベットの1名当たりの収益を上げたということと、厚生労働省の支援によるものだと思いますが、医師の数が12人以上いる施設ですと、集中治療する場合の単価を引き上げていただきましたので、そういうようなことも非常に大きな黒字化の要因の1つではないかと考えています。これは大変感謝すべきことと思っております。
○永井部会長
いかがでしょうか。
○福井委員
大学教授になって出ていく研究者は、毎年おられますでしょうか。
○国立成育医療研究センター理事長
昨年は2人で、今年も今、教授選に入っている方がいらっしゃいます。
○福井委員
是非そういうように出て行って、若い人がまた入って来るという回転ができると良いですね。
○永井部会長
いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○永井部会長
もし御意見がございませんでしたら、平成24年度の総合評価書としまして、法人及び政・独委に評価結果として通知し、これを同時に公表したいと思います。
この後ですが、誤字、脱字、事実誤認等の修正が必要になった場合の対応につきましては、私のほうに御一任いただければと思います。よろしいでしょうか。そのように進めさせていだきます。最後に理事長から一言いただきますと幸いです。よろしくお願いいたします。
○国立成育医療研究センター理事長
昨年は、いろいろありまして弁明の機会を与えていただいたのですが、いろいろと御評価をいただきましてありがとうございました。まだまだ改善しなければいけない課題はたくさんございますが、やりがいがある仕事でございますので少しずつ頑張ってまいります。御指導をこれからもいただきたいと思います。
前回、御指摘いただきました点も重く受け止めまして、今後のセンターの運営の改善に向けて改善し、努力したいと思います。本日はどうもありがとうございました。
○永井部会長
どうもありがとうございました。委員の先生方には、これまでの意見、報告を踏まえまして、もし修正されたい方は、ここで修正、確定していただきたいと思います。もしなければそのままとさせていただきます。よろしいでしょうか。
これをもちまして、国立成育医療研究センターの平成24年度、実務実績評価に関する意見の取りまとめを終わらせていただきます。
評価書には評価結果の別添として評価シートの集約版が添付されておりますが、本日評定記入用紙の確認、修正を行っていただいたところによりまして、評価シートの集約版の内容が変更となる場合には、その内容については私に御一任いただければと思います。場合によっては個別に各委員の御意見をいただくことがあるかと思いますので、そのときはよろしくお願いいたします。
国立成育医療研究センターの審議は以上となります。ここで法人の入替えを行いたいと思います。どうもありがとうございました。5分間休憩ということでさせていただきます。
(法人及び所管課入替え)
○永井部会長
それでは続いて国立循環器病研究センターについて審議を始めさせていただきます。最初に「財務諸表」につきまして藤川委員から御説明をお願いいたします。
○藤川委員
それでは「財務諸表」に関する意見を申し上げます。まずは検証の方法からお伝えいたします。平成25年7月24日、当センターの経理担当者に対し、財務ヒアリングを実施し、資料の閲覧及び質問によって財務諸表の内容を検証したところ、特に問題となる事項は見受けられませんでした。また、会計監査人である新日本有限責任監査法人の独立監査人の監査報告書に加え、監査の概要及び結果について参考となる事項が説明されている監査結果説明書を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。更に監事の監査報告書を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。
以上の点から独立行政法人国立循環器病研究センターの平成24年度の財務諸表につき、申請どおり承認することが適当であると考えます。
また、現状を踏まえて、中期目標期間終了時における収支相償の達成見込みについてコメントしたいと思います。
中期計画の目標値は経常収支率100%以上とされていますが、平成22年は104.5%であったものの、平成23年以降は100%割れに終わっています。3年分の累計額では100.1%と計算され、3期累積で辛うじて達成という状況です。セグメント情報における診療事業損益に着目しますと、大幅な改善が見られますので、中期目標期間終了まであと2年ですが、必ずしも達成が難しい水準ではないと思われ、引続き達成に向けての努力が必要であると考えます。
なお、当年度の決算においては、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」の改正に伴う資産除去債務関連の処理として、損益計算書上、減価償却費が1億円強、臨時損失が3億円強計上されているほか、今後も数年にわたり毎年1億円程度の減価償却費の計上が見込まれています。
これらの費用等は、中期計画策定時には想定されていなかったものであり、当センターにおいては損益計算書に影響を及ぼす機器が、他のセンターに比べ多く所有されていたことから、当該費用等の処理が今後の計画達成を左右することになりますので、留意が必要と思われます。以上です。
○永井部会長
ありがとうございました。それではただいまの御説明に御質問、御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。もし御意見がないようでしたら、平成24年度の財務諸表に対する意見としては、資料2-1の(案)のとおりで修正意見なしということで進めたいと思います。これを取りまとめ、厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○永井部会長
御異議がなければそのように取り扱わせていただきます。続いて、平成24年度の業務実績に関する総合評価についてです。審議に入る前に、前回配布された「業務実積評価シート」の記載内容に修正がありましたので、これについて法人から御説明をお願いいたします。
○国立循環器病研究センター企画戦略局長
机上配布資料の「実績評価シート整合表」を御覧ください。104と、106ページのコンプライアンス室長の任命についてですが、私どもは平成25年3月に、コンプライアンス室長として外部から弁護士の方を非常勤として招聘して、強固な内部統制を図ることになり、私どもの原案ではNC初のコンプライアンス室長として書かせていただきましたが、大変申し訳ありませんが、再度確認をしたところ、初ではありませんでしたので、「初」を削除させていただきたいということです。104、106ページとも同様の表現がありますので、同じように削除ということでお願いします。
○永井部会長
ありがとうございます。報告書(案)について、私が起草委員ですので私から報告させていただきます。
まず、国立循環器病研究センターの平成24年度の評価結果について講評を述べさせていただきます。評価に当たりましては、評定の結果、各委員の評定コメント、また、前回8月5日の御議論の内容等を踏まえて、平成24年度の業務実績について、中期目標に掲げられた内容に照らして、総合評価書を取りまとめております。
全体の評価としては、理事長のリーダーシップの下、昨年度に引続き、職員の質の確保と組織の活性化、業務効率化の更なる推進、研究開発推進基盤強化、重症・超急性期医療体制の更なる強化、外部資金の積極的活用、建替設備の検討などの積極的な取組が行われましたが、運営費交付金の削減も重なり、結果として、経営に結び付かず、年度計画に掲げる経常収支に係る目標を達成できなかったと考えられます。
研究・開発につきましては医療クラスター棟の活用により、企業との共同研究の件数は年々増加しており、ANPのがん転移予防効果の発見、研究倫理と臨床倫理の問題を総合的に対応するため、研究倫理研究室を発展的に解消し、医学倫理研究室を設置したこと。
臨床検査部のISO15189認定など、信頼性の向上にも努めたこと。ペプチド・タンパク質の新規同定、生理作用や作用機序の解明等から、新規医薬品・治療技術の創出に向けた研究、テーラーメイド医療を目指す循環器疾患のゲノム疫学・病態生理の解明に関する研究。再生型小口径血管の開発についての研究、吹田コホート研究、ANPのがん転移抑制の研究等、センターの強みをいかした多くの領域の研究を実施したこと。
医療の提供については、診療科横断的に多職種によるチーム回診を継続的に実施しており、多角的に病状把握・評価をしていること。連携登録医療機関の増加や、脳卒中・心筋梗塞の連携パスの完成により、退院後の医療サービスを安定的に受けることができるよう整備を進めておられること。植込型補助人工心臓へのブリッジ例の保険償還が認められ、在宅管理が増加したため、人工心臓外来を開設して、対応されていること。心移植実施患者の冠動脈狭窄へのバイパス手術を国内で初めて成功され、移植後の治療も充実させることができたこと。
こうしたことを踏まえると、平成24年度の業務実績の評価に当たり、センターは平成22年の独立行政法人化のメリットをいかし、裁量性を増しつつ、研究・開発及び医療の提供において、総合的に見れば期待された取組がなされていると考えられます。このように、自立したセンター運営が有効に機能している点について高く評価をすることができます。
3年目の業務実績の評価については、中期計画5年間の折り返し地点に差し掛かったところで、引き続き目標達成に向けた取組を期待したいと思います。以上です。
ただいまの総合評価書(案)について、御意見がおありでしたら御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
○藤川委員
評価結果(案)を拝見しましたが、この中に幾つか「運営費交付金の削減」という言葉が出てきており、個別評価の際に御説明いただいたプレゼン資料に、経常収支が去年と比べてどうだったかという比較が出ております。対平成23年度比4億5,100万円と書いてあるのは、損益計算書ベースではなくて、決算報告書ベースというキャッシュベースで書かれていたものですから、それを踏まえて比較的評価の際に運営費交付金の削減ということを書かれている部分があるのですが、実際はPL上で考えると、7,900万円の減少しかなかったかどうか議論はありますが、そうなっておりますので、その辺りを御説明をいただけたらと思います。
○国立循環病研究センター企画経営課長
今の御質問については、4億5,100万円の運営費交付金の減というのは、キャッシュでの減額というのは間違いはありません。
それに対して、PLベースで運営費交付金収益の減少は8,000万円弱になっております。これには幾つか事情があります。1つは独法化2年目の平成23年度に運営費交付金による特にトレーニングセンターを充実させるために、多くの固定資産を調達しました。その結果、資産見返運営費交付金のほうに回ってしまい、運営費交付金収益自体は減少していたというのが平成23年度です。それに対して、今回、個別評価のときに御説明した研究推進、これは正に研究費ですので費用が立ちますし、運営基盤確保については退職手当が減少しておりますので、正に費用です。臨床研究推進の3,800万円についてもそうですし、給与費の減額についても全て費用、PLをいためる部分の運営費交付金の減少ということですので直接的に書かせていただきました。確かにキャッシュとPLのところで話は違うのですが、平成23年度の収益が少なかったというのは、固定資産の調達が多かったところに起因するものですので、実質的に運営費交付金の金額面での減少が平成24年度はひびいたかと思っております。
○藤川委員
内容として中期計画で比較しているので、減っているのは確かなので問題なしとはするのですが、一応、御説明のときはここはPLの話をしていますので、PLベースで今後は理由を書くようにしていただきたいと思います。
○永井部会長
それは修正の必要はないのでしょうか。
○藤川委員
それは別にいいです。
○永井部会長
よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。この間病院長先生に外来の話をいたしましたが、いかがでしょうか。私はまた別の所で同じような話をして、まず、私の足元の自治医大でもまだできていないのですが、分院の埼玉医療センターはそれを行うようにしました。やはり、待ち時間が減った印象があるということです。
○国立循環器病研究センター病院長
先日、その問題を御指摘いただいて、8月6日、7日、8日の3日間、心臓と脳、人工血圧及び代謝の内科専門外来、担当医師45名の外来に受診した再診予約者1,079名の待ち時間調査を実施しました。その結果を御報告します。
まず、従来30分枠の先頭者のみで取っていた、従来と同じ取り方で待ち時間を取りますと13.8分となり、平成24年の21.3分よりは格段に改善しておりました。
○永井部会長
そこの計算の13分というのは、何から13分ですか。
○国立循環器病研究センター病院長
30分枠の先頭の人が。
○永井部会長
先頭と言っても、例えば9時~9時半で3人入っていた。その計算の仕方を教えてほしいのです。
○国立循環器病研究センター病院長
30分枠に何人か入っているうちで、例えば10時~10時半の枠の中で、最初に診察を受けた人の待ち時間が、10時からどれだけ遅れていたかということを以前から調べております。
○永井部会長
先頭の人が13分。
○国立循環器病研究センター病院長
調べていたのです。それは、以前一時30分程度の時代から、平成21年、平成22年、平成23年にかけては10分程度まで縮まっていたのが。
○永井部会長
そもそも開始でしょう。それは全部でないといけない話でしょう。スタート時間の話ですよね。
○国立循環器病研究センター病院長
スタート時間です。
○永井部会長
それは待ち時間ではなくて、外来開始時間ではないのですか。
○国立循環器病研究センター病院長
診察開始時間までです。
○永井部会長
各30分ごとの先頭者。
○国立循環器病研究センター病院長
その枠の中での予約で、最初に診察をした時間。
○永井部会長
そんなには遅れていないですね。
○国立循環器病研究センター病院長
それが、平成24年度は20分を超えていたのが、先日の調査では10数分に戻ってました。ただ、これは御指摘のように先頭者だけの話ですので、適正な待ち時間調査ではないと。全症例に関して調査したところ、結果は25.2分でした。
○永井部会長
先頭が13分なら、2番目、3番目はもっと待っているわけですね。
○国立循環器病研究センター病院長
そうですね。そこは今まで不適切な調べ方をしていたということで、その後、25.2分を早急に対応すべきものと認識して、どのような対応の仕方をすべきかということでシミュレーションを2つやりました。
1つは、来られた患者さんに対して全て10分枠で予定を並べた場合はどうなるか。もう1つは、それぞれのドクターによって診察の早い方、遅い方がおられるので、ドクターの対応時間に応じて予約時間を少し加減するシミュレーションをやってみました。
その結果、2番目のシミュレーションでは待ち時間は5分まで短縮しました。
○永井部会長
それは小まめに分ければそうなるはずですね。
○国立循環器病研究センター病院長
ということで、その方法を今後導入したいと思っています。
○永井部会長
30分だったら、3人に分けるということではないですか。
○国立循環器病研究センター病院長
ドクターの処理能力に応じて、10分の方でしたら、10分、10分、10分でいいのですが、例えば、12分の方は1時間に5人入るように。
○永井部会長
そうです。そうしないと、人によって違いますから。診療科によっても違います。
○国立循環器病研究センター病院長
人による違いを加味した予約時間設定の入れ方に変える予定にしています。
○永井部会長
私が東大病院でやったのは、自分で宣言するわけです。自分は1人何分で診るかと。3分の人もいれば、10分の人もいれば、20分の人もいる。1枠がそれぞれ何分にでも調整できるようにしておくわけです。
○国立循環器病研究センター病院長
我々の施設の電カル上は5分単位です。それが最小単位です。
○永井部会長
多い人は3分という人もいると思うのです。
○国立循環器病研究センター病院長
今回調べた管理では、平均的な対応時間が一番短い人でも6分ぐらいでした。ですから、5分枠の設定でいけると思っています。それを長い短いを組み合わせて、各人の処理能力に応じた形で予定を入れる。
○永井部会長
あとは我々の場合、4時とか5時の最後の枠は仕方がないので何人でも入れてもよいとしたのです。そうすると、今度7時、8時、9時までやる医師が出てくるのです。それは本当は病院長の了解が必要です。8時まで診療してよいのかどうか、もし診療してよいのであれば、8時まで予約を入れればよいと思うのです。そこはどうなっているのか。
○国立循環器病研究センター病院長
今回の3日間の調査では、一番長い人でも6時には終わっており、大部分は3時過ぎには終わっていますので。
○永井部会長
そうしたら6時までの枠を作るべきではないですか。
○国立循環器病研究センター病院長
多分、御本人の処理能力に応じて枠を取っていけば。
○永井部会長
それは6時でも予約はできるのですか。
○国立循環器病研究センター病院長
それは可能です。
○永井部会長
そうですか。普通は4時ぐらいでも事務的に切ってしまうものですから。
○国立循環器病研究センター病院長
それはかなり特別な方ですので、できれば外来運営という意味合いから、5時頃には終わるようにセットはしたいと思っています。
問題が2つありまして、それは電カル上ではすぐにできるのですが、1つは13か月先まで既に予約が入っているので、その対応をどこかの時点から入れ直しをしないといけないということです。もう1つは、各人の処理能力がどれぐらいかということを教えてあげないといけないと思っています。
○永井部会長
それは大体個人みんな知っているはずです。経験的に自分は1人何分で診ているか。
○国立循環器病研究センター病院長
今回、診療の開始時間と終了時間を人海戦術で調べたのですが、電カルで患者さんのカルテをと開いた時間と閉じた時間がコンピュータ内に残ることができるようで、ある人のカルテを開いてから次の患者さんのカルテを開くまでの時間が各個人で求められますので、それは絶えずドクターにはフィードバックしたいと思っています。
○永井部会長
いろいろ工夫してやってみていただければと思います。
○国立循環器病研究センター病院長
どこか切りのいいところから、その体制に移したいと思います。
○永井部会長
前にもお話したように、特定機能病院の外来を減らすべしという圧力が相当強く、昨日も報道されていたと思いますが、紹介状がない場合には保険がきかないようにするという意見があるのだそうです。それは少し乱暴だと思うのですが、いずれにしても、特定機能病院の外来を減らしてほしいということなのです。常に待ち時間のことを言われます。私は外来患者を減らして、特定機能病院の運営ができるかという心配があります。今の体制でも、十分もっと短い時間でたくさんの患者さんを診られると思います。そういう努力をされないと、特定機能病院の役割や機能を制限されることが起こってくるのではないかと思います。何か先生方、御質問等はありませんか。よろしいでしょうか。
○斎藤委員
かるしおレシピの本が非常にヒットしたというのは伺いました。また、8月19日の『朝日新聞』に載っていましたが、今度はコンテストをなさるということでした。こういうユニークな創意工夫をこらした努力は、ほかのナショナルセンターでは拝見しておりません。6ページで「高く評価する」とお書きいただいていますが、「ユニークな創意工夫をこらした努力をして」というような文言を付け加えていただけたらと考えたのですが、いかがでしょうか。
○永井部会長
分かりました。少し具体的な修正については、御意見を反映できるように御一任いただければと思います。ほかにありませんか。そうしましたら、多少修正を加えた形で、平成24年度の総合評価書として、法人及び政・独委に評価結果を通知し、これを同時に公表したいと思います。よろしいでしょうか。それでは橋本理事長から一言御挨拶をいただけますか。
○国立循環器病研究センター理事長
理事長の橋本です。この度も先生方におかれましては膨大な資料を読み込んで、非常に大局的な視点から今回は大変高い評価をいただきました。これは我々がやってきたことを認めていただけたという思いがございます。その中にもう少し中長期的な視点で、例えば財務の問題を含めてこうすべきであるという大変貴重な御意見をいただきました。これは2年度目もそうでしたが、頂いたコメントがその後のセンターの改革に多いに寄与していると感じております。本当に大変御苦労なお仕事だと思いますが、ナショナルセンターの発展のために先生方の御尽力がいきていると思っております。大変感謝しております。
一方で、今回いただいた高い評価は、来年は大変だぞというメッセージを含んでいると思いますので、これに甘んぜず、御指摘いただいた点をもう一度しっかり見直して、我々が進むべき方向をしっかり見て、次年度に臨みたいと思います。
これは評価に直接関係ないかもしれませんが、プレゼンでも余り強調できなかった部分は教育です。大学は研究、診療、教育としっかり3本柱がありますが、私はナショナルセンターも教育というのは3本柱の1つだと思っております。これは大学と違った形で専門の医療者を育成する、そして将来に向けての人材を養成していくという大きな使命があると思っています。この中で外形的なことは簡単に申し上げられますが、教育の結果というのは10年後、20年後になると思いますので、なかなか評価の対象にはならないと思います。私どもが心掛けてやってきていることを少しだけ申し上げます。
1つは、やはりナショナルセンターですのでオールジャパンでいきたいと。そのために若い人を全国から集めて、還元していくことによって、日本の専門医療の均霑化が将来的に図れるだろうという思いのもとに、可能な限りオールジャパンの体制でやっていきたいと思います。
そういう中で、いろいろな所から来たレジデントをどう教育するかということがありますが、最初のときから申し上げておりますが、縦割の教育制度を改めて可能な限り横断的なものにする一方、縦もとても大事で、OBというか、先輩から脈々とずっとつながった人間関係というのは将来のキャリアパス、あるいはその人のものの考え方にまで影響してくる部分がありますので、縦の部分も重視しないということではありませんが、中にいる縦だけではなくて、更に上の縦と横との関係をいかに構築していくか。これはレジデントデイや、そこでいろいろな表彰をしたり、教える側を表彰したりしてモチベーションを上げたり、それを内部、あるいはOBにもアピールできるような体制を作ってやってきております。
レジデントの数をこれ以上増やすことは余りよくないと思いますが、専門修練医というものはレジデントが終わって更に2年間、本来であれば、スタッフとして良い条件で赴任できるような人たちが、更に2年間の研修を積む人たちです。平成22年度に比べて倍増していることは、我々としては大変嬉しいことです。そういう人たちが将来の日本の専門医療を担っていくと考えております。
そういう中で、独法化して、国立大学もそうだと思いますが、一番問題なのは、どうしても経営ということを考えなければいけない。その中で診療も経営が全面に出たような診療体制になって、アカデミックな面がどうしても疎かになる。実際、目の前の診療ができて、患者さんがたくさん来ればいいという風潮が無きにしも非ずです。これはこの部会でも、我々の所の論文数が増えていないということで御指摘を受けています。数だけの問題ではないということも御評価をいただいておりますが、やはり、アカデミックフィジシャンというか、将来を担える臨床医を育成したいということで、前回も申し上げましたが、若い人たちに応募させて研究費を毎年出しております。これは上司がやっている仕事を手伝うのではなくて、それ以外の仕事で応募しろとしておりますので、それがすぐ成果にはならないかもしれませんが、若いときにアカデミックな臨床研究、あるいはもう少しベーシックなところにまで踏み込んで、自分の手でやっていくという教育をすれば、将来それがいきてくるのではないかと思います。教育という点もナショナルセンターの1つの大きな使命と思ってやっておりますので、次回はこの点について良い成果が発表できるように努力したいと思います。改めて、委員の先生方の大変高い御評価と、非常に建設的な御意見を頂いたことに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
○福井委員
今の話に関連して、循環器病センターから大学の教授になって出ていく先生方は何人ぐらいいるのでしょうか。
○国立循環器病研究センター理事長
数え方によりますが112人です。
○福井委員
それは大学教授になって、今まで設立以降ということですね。
○国立循環器病研究センター理事長
ちなみに脳神経外科は五代の部長がいて、それぞれ京大、チューリッヒ大学、京大、長崎大学、今度は九州大学の教授になっております。
○永井部会長
よろしいでしょうか。それではこれまでの意見、報告を踏まえて、委員の先生方には個別評定の修正を行いたい方は、ここで修正、確定していただきたいと思います。特になければ結構ですが、よろしいでしょうか。
これをもちまして、国立循環器病研究センターの平成24年度業務実績評価に関する意見の取りまとめとします。先ほどと同様に評価シートの集約版について修正が必要となった場合の対応については、部会長に御一任いただければと思います。国立循環器病研究センターの審議は以上です。ここで法人の入替えを行います。どうもありがとうございました。
(法人及び所管課入替え)
○永井部会長
お待たせいたしました。これから国立がん研究センターについての審議を始めます。初めに、財務諸表について藤川委員から御説明をお願いいたします。
○藤川委員
それでは、財務諸表に関する意見を申し上げます。
まず、検証の方法について説明いたします。平成25年8月8日、当センターの経理担当者に対し、財務ヒアリングを実施し、資料の閲覧及び質問によって、財務諸表の内容を検証したところ、特に問題となる事項は見受けられませんでした。
また、会計監査人である新日本有限責任監査法人の独立監査人の監査報告書に加え、監査の概要及び結果について参考となる事項が説明されている、監査結果説明書を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。更に監事の監査報告書を閲覧し、特に問題となる事項が見受けられないことを確かめました。以上の観点から、独立行政法人国立がん研究センターの平成24年度の財務諸表につき、申請どおり承認することが適当であると考えます。
なお、現状を踏まえまして、中期目標期間終了時における、収支相償の達成見込みについてコメントいたしたいと思います。中期計画の目標値は、経常収支率100%以上とされていますが、平成22年以降の経常収支率は3期連続100%超、3期累積では経常収支率は103.3%であり、計画達成状況はおおむね良好であると言えます。
しかしながら、経常利益、計上額が徐々に減少してきている中で、コスト削減も限界がある上、新たな高額医療用器機備品の取得がセンター運営にとって必要であることや、中央病院の大規模修繕が必要となる時期を迎えていることなどから、修繕費の発生や、減価償却費の増額なども想定されます。したがいまして、中期計画の達成に向けて、一層の努力が必要になるものと考えます。以上でございます。
○永井部会長
ありがとうございました。ただいま御報告いただきました、国立がん研究センターの財務諸表につきまして、御意見等ございましたら御発言をお願いいたします。ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。御意見ないようでしたら、平成24年度の財務諸表に対する意見として、資料3-1の案のとおり、修正意見なしとして、これを厚生労働大臣に提出したいと思います。よろしいでしょうか。
(了承)
○永井部会長
続きまして、業務実績に関する総合評価について審議をお願いいたします。この国立がん研究センターの起草委員は福井委員でいらっしゃいますので、御報告をお願いいたします。
○福井委員
それでは、講評を述べさせていただきます。評価に当たりましては、評価の結果、各委員の評定コメント、また、前回7月24日の委員会での御議論の内容などを踏まえまして、平成24年度の業務実績について、中期目標に掲げられた内容に照らして、総合評価書を取りまとめました。
全体の評価としまして、理事長のリーダーシップの下、昨年度に引き続き、職員の意識改革とともに、組織運営体制の見直し、現在の裁量・権限の拡大等を通じた業務運営の効率化、国民に対するサービスの質の向上、財務内容の改善を図るための積極的な取組などが行われ、経常収支率100%以上が維持されております。
研究・開発につきましては、厚生労働省の早期・探索的臨床試験拠点整備事業に、全国5拠点の1つとして採択されたことに伴いまして、中央病院と東病院の横断的組織である早期・探索臨床研究センターを設立し、Phase1グループ、医師主導臨床試験支援グループ、トランスレーショナルリサーチグループが連携しながら、First in Human試験、未承認薬を用いた医師主導試験、トランスレーショナルリサーチを推進されています。6つのナショナルセンターによるバイオバンク運営協議会を先導し、オールジャパンのバイオバンクネットワークの構築を進められ、ナショナルセンターバイオバンクネットワークプロジェクトとして、情報公開等の対外的活動を開始されました。肺がん手術組織のゲノム解析を行い、新規ドライバー遺伝子としてRET融合遺伝子を同定され、肺腺がんを対象としたゲノム関連解析により、新規感受性遺伝子座、BPTF及びBTNL2を同定されたことなどが高く評価されます。
医療の提供につきましては、先進医療として、経皮的肺癌ラジオ波焼灼法をはじめとした、7種類の治療を提供するととともに、センターのみで受けられる高度先駆的な治療として、眼内腫瘍に対するルテニウム小線源治療をはじめとした、21種類の治療を提供されています。
総合内科に「がん救急科」を併設し、がん患者に併存する慢性疾患の管理から、がん救急まで、シームレスな対応を目指されています。がんと診断したときからの患者やその子どもを含めた家族への支援体制、がん患者さんの生活の不便さを解消するための支援の取組も行われています。
こうしたことを踏まえますと、平成24年度の業務実績の評価に当たり、センターは平成22年の独立行政法人化のメリットをいかし、裁量性を増しつつ、研究・開発及び医療の提供において、総合的に見れば期待された取組がなされていて、自立したセンター運営が有効に機能していて、高く評価されると思います。
3年目の業務実績の評価については、中期計画5年間の折り返し地点に差し掛かったところであり、引き続き目標達成に向けた取組を期待いたします。以上です。
○永井部会長
いかがでしょうか。前回もお聞きしましたが、コンプライアンスのところは、内部統制の改善ということで、随分いろいろと手を打たれていらっしゃるということでよろしいでしょうか。
○国立がんセンター理事長
実は24年度は私が就任した年でありますが、私ども執行部の半分ぐらいはここに費やしてきたつもりであります。独法になって、折り返し地点ではありますが、見直しすべき点が多々あり、研究費の適正問題も手を打ってきた中で、研究費の預け問題、不正問題が発覚してきた経緯がございます。いわば不祥事とも言えるのですが、国時代の話が今、発覚したということであって、今起こったことではありませんので、そこは誤解なきように。
○永井部会長
それは大丈夫です。
○国立がんセンター理事長
例えば先ほどの統制の問題で、B評価を頂いておりますけれども、昨年よりも評価が下がるという点については、私ども、何をしたらいいのだろうかというのが実はちょっと途惑っているところであります。
○永井部会長
いかがですか。恐らくこれは、発覚は今であっても、それまでの間、気が付かなかったというのは、何か改善の余地があるのではないかということだと思うのです。その辺りをもう一度お考えいただければと思うのですが。あと、少しSが減っているのですが、限りなくSに近いAというのが複数ございます。ですから、余りそこは気になさらなくてもよろしいと思います。
○国立がん研究センター理事長
これは絶対評価とされておりますので、そこは厳しく受け止めたつもりでございますが、がんセンターだけを経年的に見れば、評価が下がってきているのが確実ですので、私の至らなさであります。
○永井部会長
大事なのはゴールですから、最後のところでグッと上がってきたというのが非常に良い評価になるのではないかと思いますが、途中は余り気になさらなくてもいいのではないかと思いますが。
○花井委員
がんセンターは相対的にいうと、からくなっている。最初から評価している中で、やはりリソースも、論文数なども非常にあれなのですが、結局絶対評価というところで、運営費交付金も一番多く入っている所で、結果的には、からいように見えてしまうというところがあると思うのです。やはり期待が大き過ぎるというところもあるのではないかというのが1つと、今回盛り込むかどうかは別として、途中というか、普通は第1期計画を続けてということだと思うのですが、途中でということで、そういう意味ではかなり内部ガバナンスを、手を入れているというのが見受けられて、それが本当に効いてくるのに時間的なタイムラグがあると思うので、そこはやはり例えば企画、戦略室によるガバナンス評価というところは、特に今回アウトカムがない部分が難しいので、評価というのが、かなりこの辺期待がある。もしかしたら期待自体をある程度盛り込むということはあるのかと思いますので、がんセンターは期待が大き過ぎるというところが入っているのではないかと思います。以上です。
○永井部会長
ほかに御意見ございませんでしょうか。もし御意見ございませんでしたら、平成24年度の総合評価書として、法人及び政・独委に評価結果としてこれを通知するとともに、公表したいと思います。もし誤字、脱字等ございましたら、座長一任で修正させていただきます。よろしいでしょうか。
○国立がん研究センター理事長
全NC共通のことだと思うのですが、ここのところ運営費交付金が毎年10%カットされています。中期計画そのものが、それに基づいて立てられているのに、実際減額になり、業務が減ったかというと減っていないのです。特にがん対策情報センターは、ものすごく幅広く多くのことを新規に行わなければならない中で、業務が飽和状態になり、これ以上私は仕事をさせるのが危険だと思っています。そういう状況に追い込まれてもなお、まだつぎ込まなければいけないというところを、どうか評価委員会の先生方に御理解いただいて、別口になるかもしれませんが、あげていただければ有り難いと思います。
○永井部会長
特に昨年来の震災による予算削減、これは十分企業側が理解しておりますので、長い目で見ていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○花井委員
今の点も参考のコメントは直接評価してはいけないのですけれども、前政権の全てを踏まえて見直しに着手して、その点についてもいろいろ検討が進んでいたところで、今政権がそれを一応凍結して、今後のことを考えるというようになっているようなので、ここでできることは限られていると思うのですが、そういう所を見て、先生方にも、強くいろいろな方面で主張していただいて、今政権がどういう方向性を示すかどうか分かりませんが、やはり私見としては、総人件費を大枠でかぶせて下げろというのは、合理的ではないというのは、皆さんそういうお考えだと思いますが、是非そういうところもあらゆる方面で主張していただけたらと思います。
○永井部会長
よろしいでしょうか。では、最後に理事長から一言お願いします。
○国立がん研究センター理事長
今すでに。
○永井部会長
もう一言。
○国立がん研究センター理事長
どうも厳正なる評価をありがとうございました。先ほどの繰り返しになりますが、絶対評価とは言え、がんセンターに対する期待、あるいは要求度の高さというのは、身にしみて感じるところであります。今後とも、中期計画をきちんと達成して、なおかつそれにとどまらず、がんセンターの独自性をしっかり出して国民に貢献してまいりたいと思います。引き続き、見守っていただければと思います。ありがとうございました。
○永井部会長
どうもありがとうございました。委員の先生方におかれましては、今の意見、報告を踏まえまして、個別評定を修正されたい方はここで修正してください。よろしいでしょうか。もしよろしければ、これをもちまして、国立がん研究センター平成24年度業務実績評価に関する意見の取りまとめといたします。評価シートの集約版は、修正が必要になった場合には座長一任で対応させていただきます。なお、本日御審議いただきました各法人の総合評価と財務諸表についての意見につきましては、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づき、当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、政・独委への通知・公表の手続が行われることになります。
続いて、国立がん研究センターの平成24年度長期借入金に係る報告がございます。これにつきまして事務局から御説明をお願いいたします。
○政策評価官室長補佐
事務局から先に御説明をさせていただきます。年度を通じた長期借入金につきましては、部会の了解事項としており、当該計画に基づく長期借入金の個別の認可につきましては、部会長の一任事項としており、部会には、事後報告する形になっております。平成24年度の長期借入金計画につきましては、昨年の4月に本部会の御了解を頂いておりまして、個別の長期借入の認可につきましてはも、部会長の了解を受けております。本日はこれらの計画に基づく平成24年度長期借入金の御報告になります。事務局からは以上です。
○永井部会長
では、センターから。
○国立がん研究センター特任理事
藤井と申します。お手元の資料3-3、我がセンターの平成24年度の長期借入金の実績について御報告をいたします。今回の借入額は、全額財政融資資金からの借入れでございまして、平成24年度借入金という表がありますが、施設整備の関係で約4,000万円、医療機械整備で約7億7,800万円の合計8億1,800万円という金額となっています。借入れの時期は、平成25年3月29日です。これにつきましては、先ほど説明がありました、平成24年4 月に当部会で了承を頂きました借入金計画の範囲内での借入れとなっています。以上です。
○永井部会長
ありがとうございます。ただいまの御説明の、長期借入金の実績について、御意見がありましたら御発言をお願いいたします。よろしいですか。御質問、御意見ございませんでしたら、長期借入金の実績について報告を承ったということで、当部会としては了承するということにしたいと思います。よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○永井部会長
ありがとうございます。国立がん研究センターの審議は以上です。事務局から今後の予定等、連絡事項について御説明をお願いいたします。
○政策評価官室長補佐
今後の予定等について御連絡いたします。本日御審議いただきました法人の総合評価書につきましては、事務手続を進めさせていただき、後日委員の皆様に確定版を郵送させていただきます。
次回は8月27日(火)、14時より厚生労働省12階専用12会議室で開催されます。議題は、国立国際医療研究センター、国立精神神経医療研究センター、国立長寿医療研究センター、の総合評価となります。以上でございます。
○永井部会長
ありがとうございました。それでは、本日の議事は以上です。長時間ありがとうございました。
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