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2013年9月18日 第48回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成25年9月18日(水) 9:00~12:00


○場所

全国都市会館「大ホール」


○出席者

山崎、伊藤、井上、内田、岡、勝田、河原、久保田(代理:酒向参考人)、
黒岩(代理:小島参考人)、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、齊藤(正)、鷲見、
高杉、内藤、林、藤原、布施、桝田、山本、結城 の各委員
(岩村、大西、土居、本間 の各委員は欠席)

○議題

1 在宅サービスについて
  ○1 通所介護
  ○2 定期巡回・随時対応サービス
  ○3 小規模多機能型居宅介護
  ○4 複合型サービス
  ○5 訪問看護
  ○6 福祉用具
  ○7 住宅改修
  ○8 介護ロボット

2 施設サービスについて
  ○1 特別養護老人ホーム
  ○2 高齢者向け住まい
  ○3 老人保健施設・介護療養型医療施設

○議事

○吉田企画官 定刻より若干前ではございますが、委員がそろいましたので始めたいと思います。ただいまから第48回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 それでは、カメラ撮影の方々はこれで御退室ください。

(カメラ退室)

○吉田企画官 それでは、以降の議事進行を部会長にお願いいたします。

○山崎部会長 まず、議事に入ります前に、委員の出席状況を確認いたします。

 本日は、岩村部会長代理、大西委員、久保田委員、黒岩委員、土居委員、本間委員が御欠席です。

 久保田委員の代理として酒向参考人、黒岩委員の代理として小島参考人が御出席でございますので、お認めいただければと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山崎部会長 それでは、議事に入りたいと思います。

 まず、事務局より、資料の説明をお願いいたします。

○高橋総務課長 総務課長でございます。

 本日は、資料1「在宅サービスについて」、資料2「施設サービスについて」を用意してございます。前回、前々回の介護保険部会の質疑の中で十分お答えできなかった事項もございますが、これにつきましては10月の介護保険部会で説明できるように資料などを御用意したいと考えております。

 それでは、関係課長から順次説明を申し上げます。

○朝川振興課長 振興課長です。

 まず、資料1をごらんいただければと思います。「在宅サービスについて」です。

 1ページ目でございます。

 まず、個別サービスに一定程度共通することを総論として整理してございます。

 1つ目の○でございますが、今後、在宅におきまして重度の要介護者、独居や夫婦のみの高齢者世帯、認知症の高齢者が増加していくことを踏まえますと、通常の訪問介護や通所介護等を普及していくことも重要でございますけれども、それに加えまして毎日必要に応じて複数回利用者と接することが可能なサービス、あるいは生活支援サービス、そういったものの普及が必要である。また、これを実現するための適切なケアマネジメントの普及が必要である、そういう課題でございます。

 2つ目は、在宅サービスに関しまして、1つ目として、個々の事業所単位だけではなく、広く事業所間で連携し、事業運営できる仕組みの構築。2つ目として、地域で不足している看護職員等の人材を柔軟に配置できるような連携体制の構築。3つ目として、介護事業者が地域における生活支援サービスに積極的に取り組むことができる体制の構築、そのような方向で見直しを検討し、地域における人材確保あるいは包括的な支援体制の整備を進めていく必要があるのではないかとしてございます。

 2ページ目、ここからそれぞれのサービスごとでございますが、その1つ目がデイサービス、通所介護についてです。

 現状と課題のところの1つ目の○は、まず、デイサービスの利用者、利用者全体のおおむね3分の1、3人に1人が利用している。費用額につきましても、1.4兆円と全体の15.6%を占めている。

 2つ目の○でございますが、通所介護につきましては、機能訓練に重点を置いたもの、レストパイト中心のもの等々、さまざまなサービス提供の実態がある。

 3つ目の○で、特に小規模の事業所につきましては、その増加が顕著な状況にある。

 4つ目の○は、いわゆるお泊まりデイサービスにつきまして、お泊まりの環境が十分でない等の問題点が指摘されているということでございます。

 3ページ目の論点でございますが、○1は、通所介護につきましては、事業内容の自由度が高く、さまざまなサービス提供の実態があるため、事業内容を類型化し、それに応じて報酬にめり張りをつけることを検討してはどうか。

 ○2は関連しまして、柔軟な事業展開を促進する観点から、サービス提供実態を踏まえた上で人員基準の緩和を検討してはどうかということでございます。

 ○3~○5が1つの固まりですが、○3は、事業所が増加しております小規模の通所介護につきまして、少人数で生活圏域に密着したサービスであることから、運営委員会等を通じた地域との連携や運営の透明性を確保するために、市町村が指定・監督する地域密着型サービスに位置づけてはどうか。

 ○4は、その小規模の通所介護の選択肢の一つとして、2行目ですが、人員基準等の要件緩和をした上で、通常の通所介護事業所のサテライト事業に位置づけることや、小規模多機能型居宅介護の普及促進の観点から、その小規模多機能のサテライト事業所に位置づけることも可能としてはどうかとしております。

 一旦8ページ目をごらんいただきまして、今、申し上げたことを概念図であらわしたものでございまして、左側に現行がありますが、報酬上の区分として、今、大規模型、通常規模型、小規模型とありまして、さらに制度的に認知症対応型と分かれていますけれども、このうちの小規模型、定義についてはこれからよく検討する必要がありますが、これについて右側に3つ矢印が出ておりますが、地域密着型あるいは通常のデイサービスのサテライトあるいは小規模多機能のサテライト、こういった3つの分類に分けていくことを考えたらどうかという提案でございます。

 戻っていただきまして、3ページ目の○5でございます。地域密着型に位置づける場合、市町村の事務が増大いたしますので、移行に際しまして事業所指定の事務、運営推進会議の開催頻度等、事務負担の軽減もあわせて検討するべきではないかとしております。

 最後の○5は、2段落目、利用者保護の観点から、お泊まりデイサービスについて、届け出、事故報告の仕組みや情報の公表を行い、サービスの実態が把握され、利用者やケアマネジャーに情報が提供される仕組みとするべきではないかとしてございます。

 4ページ以降は参考資料がついてございます。

 6ページ目、宿題もいただいていることに対するお答えでございますが、今の通所介護でどんな加算が算定されている状況にあるかを資料としてお付けしております。

 9ページ目、こちらは東京都が既に独自にお泊まりデイサービスにつきまして届出公表制度ということをやっておりまして、右上の箱にありますように一定の届出の条件をかけて、東京都のホームページで公表する。その効果として事業所の実態把握であるとか、利用者の安全確保であるとか、ケアプラン作成の情報として選択、活用するとか等の効果を期待してこういう仕組みを既に設けているという御紹介でございます。

11ページ目、2つ目でございますが、定期巡回・随時対応サービスについてです。

 1つ目の○は、最後の文末のところでございますが、定期巡回サービスにつきましては、さらなる普及促進を図っていく必要がある。

 2つ目の○で、このサービスについては、徐々に普及は進んでいるものの必ずしも十分な状況ではなくて、市町村、事業者、ケアマネジャー等がサービスについての理解を深めていくとともに、地域のニーズを正しく把握していくことが重要である。

 3つ目の○は、看護職員の確保や訪問看護事業所との連携が参入の障壁の一つと言われている現状におきまして、その利用者のうち訪問看護を利用している人は、今、3分の1程度という状況です。

論点としましては、引き続き立ち上げ時の機器購入の補助などを行っていくとともに、一層の普及啓発、必要な規制緩和を図るべきではないかとしまして、1つ目の○は、自治体、事業者、ケアマネジャー、看護関係者を中心にサービスの普及啓発を徹底していくのではどうか。特に潜在的な需要を明らかにしていくためにも、後で見ていただきますが、埼玉県や横浜市の例に見られるような自治体による普及促進の努力が必要ではないかとしてあります。

 2つ目は、看護との連携が困難な状況があるというデータがありますが、それを踏まえまして事業の実施状況のさらなる把握に努めるとともに、連携のあり方等を検討していくことが必要ではないか。

 3つ目の○は、定期巡回・随時対応サービスの導入に合わせて、昨年度の平成24年の介護報酬改定で導入されている20分未満の身体介護という報酬区分があるのですけれども、一日複数回サービス提供できる選択肢として、その要件等のあり方を検討していくことが必要ではないかとしております。

 以降、しばらく参考資料が続きますが、14ページ目、自治体の定期巡回・随時対応サービスについての取り組み事例として埼玉県と横浜市の例をつけております。

 埼玉県は、このことに関します検討会を開いて、真ん中ら辺にありますが、そこから見えてきた課題として正確なサービス実態を伝えることの重要性、あるいは地域包括やケアマネジャーへ実例を伝えることの重要性という課題を抽出し、箱の下に書いておりますが、行政の役割として、利用者、ケアマネジャー、事業者をつなぐという役割のもと、キーパーソンへサービスを周知していく、いろんな説明会や意見交換会を実施していく、そんな取り組みをされております。

15ページ目では、Aさん、Bさん、Dさんということで個別のケースごとにサービスの効果などを具体的に示しながら普及啓発をされているという例でございます。

16ページ目は横浜市の取り組みですが、18区ある全区での実施を目指すということで、例えば○4のところで、既に入ってきております事業者の連絡会を発足するとか、○6でありますような事例発表会を開催するとか、そのような取り組みを行ってサービスの普及に努めているということでございます。

 あと21ページ目、先ほどの最後の論点のところで掲げておりますが、20分未満の身体介護という報酬区分についての概要をお付けしております。例えば要件につきまして、1つ目の○である利用対象者、要介護3~5までで、かつ障害高齢者の日常生活自立度ランクB~Cという条件があったり、あるいは2つ目の○で、事業所の体制要件として、毎日、深夜帯を除く時間帯、6~22時まで営業時間として定める。すなわち、その間、職員を事業所に配置するという条件がかかっていたり、そういったところについて緩和できないかというような要請をいただいているということでございます。

22ページ目からが3つ目、小規模多機能型居宅介護についてでございます。

 現状・課題の1つ目の○は、2行目の真ん中ら辺からですが、在宅生活の限界点を高めるため、今後もサービスのさらなる普及促進を図っていく必要がある。

 2つ目の○で、このサービスは「通い」を中心に「訪問」や「泊まり」を組み合わせるというサービスでございますが、少し訪問の提供が余りにも少なくて通いに偏っているといった実態も見受けられるということです。

 3つ目の○で、今後を展望しますと、在宅で重度の要介護者等がふえていくことを踏まえますと、訪問を強化する必要性も高まっていくであろうと考えられます。

 4つ目の○は、今後、地域包括ケアシステムを担う中核的なサービス拠点の一つとしての役割の拡大も求められていくであろうと考えられます。

 論点としましては、○1では、課題に対応しまして訪問の機能を強化する方策、25名の登録定員の弾力化などを検討してはどうか。

 ○2は、地域への取り組みを強化するということで、登録された利用者だけではなくて、地域住民に対する支援を積極的に行うことができるよう、従事者の兼務要件の緩和などを検討していってはどうかということ。

 ○3は、看護職員の効率的な活用の観点から、人員配置について他事業所との連携との方策を検討してはどうか。

 ○4は、法律改正事項ですが、要介護認定の申請代行という仕組みがケアマネジャーの事業所等には認められてございますが、ケアマネジャーが配置されております小規模多機能について今は認められておりませんので、それを認めてはどうかということです。

 ○5は、先ほどのデイサービスのところで出てきた話と同じ話ですけれども、小規模のデイサービス事業所が小規模多機能型居宅介護のサテライト事業所に移行できるように検討したらどうかということです。

 ○6は、ショートステイを広げていくという観点で基準該当のショートステイという仕組みがありますけれども、今、基準該当のショートステイの事業所が併設できるサービスがデイサービスとかに限られておりますので、それを小規模多機能型居宅介護事業所にも拡げたらどうかということでございます。

 以降、しばらく資料が続きます。

28ページ、29ページを見ていただきますと、こちらは小規模多機能事業所が地域にいろんな生活支援サービス等々、地域づくりの拠点として機能している例、大牟田市と美瑛町の例をつけさせていただいております。

 さらに31ページ目には短期入所生活介護に関して緊急時の受け入れなどについての要望が多いという参考データを挙げてございます。

 小規模多機能については以上です。

○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 それでは、引き続きまして38ページ、複合型サービスについて御説明させていただきます。

 現状・課題、論点をまとめてございます。

 まず、現状・課題ですが、複合型サービスの利用者7割が要介護3以上の中重度者であるということでございます。

 現状とでございますが、サービス導入の効果としましては、事業所内の医療ニーズの高い利用者に対して看護が提供できるということが掲げられております。

 4つ目の○ですけれども、複合型サービス参入の理由につきましては、同様に医療ニーズの高い利用者が増加をしていたためということが最も多いということ、同時に、その裏返しになるのかもしれませんけれども、参入時に逆に困難だということが看護職員の確保ということでございます。

 論点を3つ掲げてございます。

 1点目でございますけれども、今、申し上げましたような現状あるいは課題に対応する形になりますが、医療ニーズへの対応にフォーカスを当てておりますけれども、さらなる充実といたしまして、医療機関との連携の強化でございますとか、地域ニーズに合わせた登録定員の柔軟な運用等を考えてみていいのではないかという問題意識でございます。

 2つ目の○ですけれども、開設前、小規模多機能型の居宅事業所なのか、訪問看護事業所なのかによりまして対応の仕方が少し異なっているという実情があるようでございますので、その他についてどう考えるのかということでございます。

 3点目、これは創設した直後の段階でございますので件数的に余り伸びておりませんけれども、その一つの背景としまして、自治体における御認識でありますとか、メリットにつきまして理解されていない現状があるということをどう考えるかでございます。

39ページ目、複合型サービスのイメージ図、先ほど御説明させていただきましたが、従来、複合型サービスの御説明としましては、どちらかといいますと左側半分、事業所と自宅の関係について御説明する形をとっておりましたけれども、今回、先ほど申し上げましたように、地域における医療機関との連携等を踏まえて、右側のような地域における連携あるいは多施設の連携、こういったことも考えていく必要があるのではないかということでイメージ図を今回修正させていただいております。

 その関連で40ページ目に、これは自治体の御認識、必ずしも十分ではないといったことも含めまして、複合型サービスを利用することによってどんなことが実現できるのか、どういう効果があるのかということを改めて4点にまとめておりまして、○1○2○3○4はごらんのとおりでございますが、総じて在宅の生活の継続を支援していくということが実現できるようになるということを少し明確にしたほうがいいのではないかという問題意識でございます。

41ページ目、先ほど申し上げましたとおり、件数自体は創設直後でございます。本年6月末日の時点で73事業所、こういった状況でございます。

 以降、幾つかチャート、データがございまして、42ページ目、冒頭申し上げましたとおり、比較的中重度の方の利用者が65%程度であるというようなことでございますとか、43ページ目、複合型に参入していただくに当たりまして、もともと小規模多機能なのか、訪問看護ステーションなのか。小規模多機能の事業所を運営していたという件数が圧倒的に多いということでございまして、その開始後の効果といたしましては、看護職の訪問による医療ニーズへの対応等を掲げられているということでございます。

44ページ目、同様にどういった医療ニーズへの対応の状況があるのかということでございますけれども、浣腸・摘便とか、医療ニーズに関しましてこういった形で対応できているということでございます。

 以降、46ページ、47ページ、48ページ、算定の状況でございますとかサービスの状況、同様なチャートでございます。

48ページは、特に医療ニーズへの対応ということで特別管理加算という算定の報酬がございますけれども、これは特別な管理、より高い医療ニーズに対応しているということですが、大体10%前後で算定割合は推移しております。件数自体は伸びておりますけれども、施設の開設数、サービスの数がふえているということですので、割合的には訪問看護ステーションと比べますと大体半分ぐらいの対応状況であるということでございます。

4748、参入の障壁あるいは整備移行に関しましてこのようなことになっておりまして、冒頭申し上げましたとおり、医療ニーズへの対応ができているということの反面、看護職の確保が難しい。

48ページ目、自治体の現在での御認識といたしましては、開設希望事業者がないとか、理解が難しいといったことが掲げられておりまして、このあたりは課題かと考えております。

 引き続き49以降に訪問看護につきましてまとめてございます。

 現状・課題、論点でございますが、まず、現状・課題でございます。

 1つ目の○ですが、医療ニーズの高い利用者が増加してきているということ、それと相まって2つ目の○ですけれども、基本的にステーション数、利用者数は増加傾向にございます。特にステーション数につきましては、後ほどチャートができますが、近年の増加は著しいものがありますが、トータルで見ますと、提供事業者数はふえているのですけれども、医療機関からの提供に関しましては減少傾向にあるということでございます。

 3つ目、看護職のマクロの数字でございますが、全看護職員の2%が訪問看護ステーションの就業者。

 4つ目、やはり事業所の規模の問題がございまして、規模が大きいほどサービス内容は看取り等に対応できている、収支の状況も比較的良好であるということでございます。

 それらを踏まえまして論点を2つ掲げてございますけれども、1つ目は、全般的に訪問看護サービス、訪問看護職員の需要、こういったものが増大することは間違いないということで、その確保をどう考えていくかということでございます。

 これまで基本的には幾つかの取り組みをしてきておりますが、新たな取り組みとして、例えば次の2つのようなことをやっていく必要があるのではないという問題意識を持っております。

 従来からやっていることも含めてですが、1点目の黒ポツでございますけれども、普及啓発を行うとともに、新卒の看護職員に関しましても訪問看護ステーション等、訪問看護サービスの従事を促してはどうか。実際に今従事している方についても、さまざまなICTとか活用した、あるいは業務の効率化で定着支援をしてはどうか。

 2つ目の黒ポツでございますけれども、そういったこととともに、訪問看護ステーション、後ほど出てまいりますが、小規模が多いということも踏まえまして、困難事例の共有でございますとか、技術支援等を行うような拠点のステーションの整備を考えてみてはどうか。

 ○の2つ目でございますが、都道府県がこういった地域の実情を踏まえまして、一定程度計画的にサービスの提供について検討して、介護保険事業支援計画に盛り込む必要があるのではないかということを問題意識として持っております。

 以降、関連する資料を簡単に御説明しますと、51ページは仕組み、概略でございます。説明は省略させていだきまして、52ページです。

 冒頭申し上げましたとおり、利用者数は着実に伸びております。右側の棒グラフでございますが、トータルとして訪問看護ステーションは着実にふえております。一方で、医療機関からの提供事業者数は減少傾向にある。

53ページ、これは数字でお示ししておりますけれども、利用者数はふえています。特に軽度者に関する利用者がしいて言えば増加傾向にあるのかなということでございます。

54ページから以降、さまざまな事実関係の数字をお示ししておりまして、54ページ、実施サービスでございますとか、55ページは利用者数の増加の状況、特に医療処置に関します数字の状況をお示ししております。

56ページ、特別管理加算、これは医療ニーズの高い方に対する対応ということですけれども、先ほど別の複合サービスのところで触れましたが、訪問看護ステーションに関しましては、特別管理加算について大体2割ぐらいの算定状況である。ターミナルケア加算につきまして、0.4%前後である。

57ページ、看護職員の状況でございますが、マクロの数字でございますが、全看護職員3万人の2%程度であるということでございます。

 一方で、58ページ、地域によりまして大きく偏在があるというのが実態でございます。

 1つ目の○に書いてございますが、従事者数につきましては都道府県別に見て最大4倍程度の差があるということでございます。こういったことに対してどう取り組んでいただくのかも課題になっているのかなということでございます。

5960、このあたりは従来お示ししております、あるいは従来から出されております需給関係あるいはサービス量の見込みでございます。

 最後、2点ですが、61ページ、62ページ、先ほど総論のところで御説明いたしましたが、事業所の規模によりまして、やはりサービスの内容でございますとか経営状況が大きく変わってきております。

61ページにお示ししておりますのは、上から帯グラフ、下にいくにしたがって規模が大きくなるというのを4つ掲げてございます。総じて規模が大きくなるほど看護職員当たりの訪問回数、訪問件数とかみとり、早朝対応等が充実をしてくるということでございます。

62ページ、同様に、大きな規模になるほど経営状況が良好ということでございます。円グラフは現状で見て規模別のシェアでございますが、小規模、大体5人未満のところが半数越えで6割程度になっているということでございます。

 訪問看護サービスは以上でございます。

○朝川振興課長 続きまして、63ページからが福祉用具でございます。

 現状・課題のところは論点と重なりますので省略しまして、64ページの論点のところを見ていただきますと、(1)で福祉用具専門相談員、これは貸与事業所などに配置されている職員ですけれども、その質の確保についてということです。

 昨年度、平成24年度から福祉用具サービス計画書をつくるということが事業所に義務づけられておりますが、それを踏まえまして、2行目のところですが、福祉用具専門相談員の指定講習がありまして、その内容の見直しを今検討してございます。その見直しを踏まえまして、専門相談員の要件を見直してはどうかということで、65ページをごらんいただきますと、上半分に福祉用具専門相談員の指定講習の中身、カリキュラムが書いております。

 比較的簡便なものでございますが、ここの中には福祉用具サービス計画について学習する時間が今のところありませんので、それについて内容を入れ込む見直しをしようと今年度検討しております。それを踏まえて、下半分ですが、現在、福祉用具専門相談員になるため、3つの要件が定められていまして、どれかを満たすものということで保健師を始めとした法定資格のものか、(2)にありますヘルパーの研修を修了した人か、あるいは福祉用具専門相談員の指定講習を修了した者となっておりますが、この講習の内容にサービス計画を入れ込んで見直すということを踏まえまして、ヘルパーにつきましては、今後、見直し後はこの講習を受けていただいて専門相談員になっていただく、そのように見直したらどうかというのが64ページ目の1つ目の○でございます。

 2つ目の○は、新しく入ってくる人についてはそういうことでよろしいかと思いますが、既に従事している専門相談員もいらっしゃいますので、そういった方々も必要な知識の習得、能力の向上に努めていくべきことを明確にしたらどうかというのが2つ目です。

 3つ目は、今2人配置が必置になっているのですけれども、少なくともそのうちの1人について、専門性向上の観点から、より専門的知識、経験を有する者の配置を促進していくことについて検討してはどうかとしてございます。

 (2)は、複数の福祉用具を貸与する場合の価格についてということで66ページ、左側の図の一番上にありますとおり、福祉用具の貸与については、ほかのサービスと違いまして自由価格になっておりますので、その価格は事業者が定めて都道府県に届け出ることになっています。表にありますとおり、種目ごとに自分の事業所では幾らで貸与するということを届け出る仕組みになっています。

 その下、赤い丸で囲ってあるところですけれども、この中で例えば車椅子関連でいきますと、車椅子本体とクッションとテーブル、それぞれ価格は定まっているわけですけれども、それをまとめて貸す場合、まさに8,000円と2,000円と1,000円を足した合計額でしか今貸せないことになっておりまして、例えば3つ組み合わせたときには共通経費みたいなものがあるので、事業者としては少し減額をして貸すことができるということなのですが、それが今認められていない仕組みになっています。

 したがって、右側にありますように、例えば2種類貸与時には合計額から幾ら減額するとか、3種類貸与時には幾ら減額するとか、そのような減額の届け出をして、低い額で貸せるような仕組みに見直したらどうかというのが64ページ(2)の提案の内容でございます。

 (3)は福祉用具貸与のみのケアプランについてということで、昨年度開いておりましたケアマネジャーのあり方検討会の中間的な整理の中で、例えば福祉用具貸与のみ行うような簡素なケースについては、ケアマネジャーの月々のモニタリングのあり方を見直したらどうかということが提起されております。単品利用で安定しているようなケースは専門相談員のほうに任せたらどうかというような内容でございます。

 運用上の改善事項につきましては、これも現在、保険者の取り組みとして介護給付費通知書ということで、福祉用具の価格、要介護者御本人が借りられた価格を通知するとともに、それとあわせて都道府県の実勢価格あるいは全国の実勢価格をあわせて通知する、そういうような取り組みがされております。その取り組みにつきまして、これは保険者が取り組まなければ通知はされておりませんが、また個別の要介護者ごとに通知を行っているわけですが、ホームページ上で福祉用具の価格情報を公開することにしたらどうかということで、今運用上の改善を図っております。ただ、この際、福祉用具は先ほど申し上げましたとおり自由価格ですけれども、例えば消毒をしっかりやっているところとそうではないところがあったとしたときに、それは価格に反映されますので、価格の高低のみで判断するだけではだめなのだという留意事項などもしっかり記載した上でそういう公表をしていこうと考えているというところでございます。

 以降、関連資料をつけております。

74ページ目からが住宅改修についてでございます。

 ほかの給付メニューと違いまして、償還払いの仕組みで、住宅改修を行ったときには要介護者御本人が市町村に請求するという形になっています。3行目のところですが、それと関連しまして、住宅改修を行う者、もしくは住宅改修を行った者について特段何か基準をかけるとかそういう規定はございません。

 2つ目の○ですが、多くの保険者からは、そういう指定制度の仕組みをとっておりませんので、事業者に対する指導が難しい、あるいは技術・施工水準のばらつきが大きいという課題が挙げられております。

 論点としましては、2行目の最後のところからですが、市町村が例えばあらかじめ事業者の登録を行った上で、住宅改修費を支給する仕組みを導入できるよう検討してはどうかということでございます。

75ページ目、今の仕組み、現行左側は真ん中に事業者がいますけれども、利用者が住宅改修をして工務店にお金を払ったら、その9割分を保険者に償還払いの形で請求するという仕組みになってございます。

 事業者Bのところに赤丸を付しておりますが、あらかじめ事業者Bから市町村のほうに登録をしておいていただければ、お金の支払いは現物給付の形で行えるようにする。そのかわりに右下にありますとおり、保険者から事業者に一定程度の指導、研修、そういったことを可能にする、そんな仕組みを保険者の任意で導入できるようにしたらどうかという提案でございます。

 最後、79ページ目、8番として介護ロボットについてでございます。

 福祉用具にかかわる介護ロボットにつきましては、要介護者の自立支援の観点からも、介護の人材、また介護従事者の腰痛問題等への対応としても、さらに成長戦略という観点からも、福祉用具、特に介護ロボットの活用を進めていくということが重要であると認識しております。

 一番下の今後の方向性のところでございますが、介護ロボットにつきましては、従来福祉用具として想定していないようなものも出てくると考えられますので、保険給付対象とする際の考え方について、今後、専門家を交えた議論を行って方向性を定めていくということを考えてございます。

82ページ、3年に一度、福祉用具の対象品目を見直すことをしておりますが、その流れを整理しております。左側、保険者あるいは事業者、企業、利用者、さまざまなところからの意見・要望を集約しまして、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会という検討会でその内容について審議をし、その結果を給付費分科会に報告し告示改正という流れになってございますが、この流れで今までどおりの形でなかなか判断しづらい介護ロボットも出てくる可能性がありますので、その辺をこの検討であらかじめ取り扱いを検討しておいたらどうかということでございます。

88ページ目に介護分野の介護ロボットの開発、経産省とともに今こういう重点5つの分野を定めて取り組みを進めているということの御紹介でございます。

 在宅サービスは以上でございます。

○高橋高齢者支援課長 引き続きまして、高齢者支援課長でございます。資料2の御説明をさせていただきたいと思います。

 別とじになっております資料2「施設サービスについて」という資料をお手元にお出しいただければと思います。

 1ページ、まず特別養護老人ホームの関係でございます。

 現状・課題でございますが、特養入所者に占める中重度の要介護者(要介護3以上)の割合をとってみますと、年々上昇しておりまして、平成23年では約88%となっているところでございます。また、特養入所者の平均要介護度も年々上昇しておりまして、平成23年で3.89となっておるというところでございます。

 一方で、軽度の要介護者の割合でございますけれども、1、2の方の割合ということで、平成23年では約12%となってございまして、一定程度の方が入所していただいているということでございますけれども、その大きな入所理由としまして、介護者不在、介護困難、住居問題といったところが6割以上を占めているという状況になっているところでございます。

 在宅で要介護4または5の方の特養の入所申込者の人数ということでございますけれども、21年の調査になりますけれども、約6.7万人という方が入所申し込み、在宅で要介護4、5ということになっておりまして、こうした重度の要介護者の特養ニーズにどのように応えていくかということが大きな課題になっているという状況でございます。

 また、特養入所者のうち、低所得者の方が全体の約8割を占めているという状況でございまして、低所得の高齢者の方が多く御入所されているということでございます。

 重度の要介護者の割合が増加してきている中で、特養で最期を迎えられる高齢者の方が入所者の6割超を占めているということでございまして、特養における看取り介護加算の算定日数も徐々に増加してきているという状況でございます。

 2ページ、以上のような現状と課題を踏まえました論点でございます。

 1点目の○といたしまして、特養への入所を希望されながら、在宅での生活を余儀なくされている高齢者の方が数多く存在しているといったことを踏まえまして、特養については、中重度で在宅での生活が困難である要介護者を支える施設としての機能に重点化を図るべきではないだろうかということでございます。

 また、そのためには、既入所者の継続入所にも配慮しつつ、特別養護老人ホームへの入所を要介護3以上に限定するべきではないかということでございます。6ページをごらんいただきたいと思います。要介護状態区分別の状態像、一般的に使っている図でございますけれども、排せつとか一定の身体介助が必要になってくるという部分、要介護3以上の方に特にそうした日常の身体介護の必要性の度合いが増してくるということがございますので、中重度としている部分について要介護3以上に限定するという考え方はどうだろうかと考えているところでございます。

 2ページ目、論点のところにお戻りいただきたいと思います。

 2点目の○でございますが、特養の重点化に伴いまして、特養で最期を迎えられる、そうした選択をされる高齢者の方が増加していくということになっていきますので、今後、特養においては看取りを行うことのできる体制をより一層強化していくべきではないかということ。

 3つ目の○、論点といたしまして、あわせまして、軽度の要介護者を含めた低所得高齢者の住まいを確保していく必要がありますけれども、どのような取り組みを進めていくべきだろうかということでございます。この点については、次の2のところで資料の論点を御説明させていただきたいと思います。

 以上が国民会議の報告書にも触れられている部分でございまして、2ページの一番下のところで国民会議の報告書の中でも特別養護老人ホームは中重度者に重点化を図り云々と記載されているところでございます。

 また、論点の4つ目としまして、このほかということで、これまで特養については個室ユニット化を推進してきているところでございますけれども、現状、多くの多床室が存在しているということ、また、一定数の自治体において地域の実情に応じて多床室を認めて整備をしてきているという現状を踏まえまして、多床室の場合でありましても、高齢者の尊厳を保持するという観点から、プライバシーの保護に配慮していくべきと考えるけれども、どうだろうかということ。この場合、多床室におけるプライバシーの確保をどのように図っていくべきかということでございます。

 3ページ以降、資料をつけさせていただいております。9ページ、特別養護老人ホームの入所申込者の状況についての資料を掲げさせていただいております。全体で42.1万人の申込者がいる中で、要介護4~5の申込者の方が約18万人、また先ほど申しましたように、そのうち在宅の方で入所を待ってらっしゃる方が6.7万人いらっしゃるという状況でございます。

13ページ、特養における看取り対応の状況でございます。特養では、約7割の施設で入所者や家族の求めに応じて看取りを行っていただいているといった状況でございますし、14ページで算定日数とか算定件数も増加してきているということでございます。

17ページ、個室ユニット型施設の整備ということで、7割以上といった目標を掲げてやってきておりますけれども、平成22年の時点で4分の1、25%ほどが個室ユニット化されているということでございます。

18ページにありますように、各自治体の条例ではさまざまな規定がされているということでございます。

19ページ、利用者負担の面から見たものでございますが、居住費等の関係でどうしても補足給付で軽減をした後で比較しても多床室のほうが利用者負担は低いということがあって、実態として相当程度多床室が御利用されているという状況になるということでございます。

21ページ、特養の居室類型、現行あるものを整理したものでございます。ユニット個室に加えてユニット型の準個室、従来型の個室、また多床室でも準ユニットケア加算をするもの、通常型の多床室、そうした類型があるところでございます。

22ページ、そうした多床室でもいろいろプライバシーに配慮した類型が出てきておりますので、今年度、老健事業におきまして、まずは実態調査、事例研究をさせていただいて、しっかり実態を把握させていただきたいと考えているところでございます。

23ページ、高齢者向けの住まいの関係の整理をさせていただいている部分でございます。まず上のところで現状・課題ということで整理させていただいておりますが、地域包括ケアシステムの構築に向けて高齢者の住まいの確保というのは今後ますます重要になってくると認識しているところでございます。特に軽度の要介護者も含め、自立した生活を送ることが困難な低所得高齢者の皆様が、地域において安心して暮らせるようにするための住まいの確保が喫緊の課題だろうと考えているところでございます。

 また、要介護度というよりは経済上の理由などいろいろな事情で入所される養護老人ホームや軽費老人ホームという住まいの類型がございますけれども、老朽化が進んできているとか、役割とか機能をより一層発揮できるような環境整備が今後必要ではないかということ。高齢化の進展に伴いまして、多様化してきているニーズに見合った住まいの提供ということの中で、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった類型がニーズの増大等も受け、近年急激に増加してきておりまして、今後はこうしたものについて質にも着目していくことが必要であろうということ。住まいに入居される高齢者自身が自分に見合った住まいの選択をしていただけるよう支援する取り組みが必要だということでございます。

 こうした状況を踏まえました論点といたしまして、下の部分でございますけれども、低低所得・低資産高齢者の皆様が地域で安心してお暮しいただけるよう、低廉な家賃の住まいが確保され、また、見守り等の生活支援サービス等が提供される環境を整備していく、そうした取り組みが必要ではないかということ。

 また、こうした取り組みの際には、全国で空き家等も増加傾向にありますので、こうした既存資源を有効に活用するという観点も必要ではないだろうかということでございます。

 2つ目の論点といたしまして、養護老人ホームや軽費老人ホームにつきましては、居住環境の改善ということと、生活支援に関する高齢者のニーズに適切に応えていくために、当該施設の新たな役割、あり方についての検討が必要ではないかということでございます。

 3つ目の論点といたしまして、多様な高齢者向け住まいが整備されていく中で、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の数が近年大幅に増加してきておりますけれども、契約などに際して、入居者が不利益を被ることのないよう、適正な運用を図っていく必要があると考えております。また、入居希望者が自らのライフスタイルや介護ニーズに見合った住まいとして適切な選択をしていただけるような情報提供体制の充実を図っていくことも必要ではないかと考えているところでございます。

 以下、24ページ以降、資料をつけさせていただいております。

28ページ、高齢者向けの住まい、施設の定員数の推移でございます。

 有料老人ホームが上から3つ目の線で表されておりますけれども、右肩上がりで近年急激に増加しているという姿が見てとれるかと思いますし、また、サービス付き高齢者向け住宅、この時点では7万余という戸数になっておりますけれども、8月末時点で122,000戸ということで、こちらも御利用者のニーズに沿って増えてきているということでございます。

32ページ、低所得高齢者の住まい、生活支援事業ということで、これは来年度の概算要求の中でモデル的にこうした事業をやっていきたいということで要求させていただいているものでございますけれども、既存の空き家等を活用しまして住まいを確保すると同時に、訪問とか相談援助とか、いろいろな生活支援サービスを組み合わせて地域において高齢者の皆様の住まいを確保して、また援助していく、そうした事業を立ち上げていきたいと考えているところでございます。

33ページ、養護老人ホームの関係の資料をつけさせていただいております。棒グラフの部分が施設数の棒になっておりますが、これについてはほぼ横ばい。また、赤折れ線の定員数とか緑の在所者数というところについて、老朽化等が進んできているということもあって減少の傾向にあるというようなデータを読み取ることができるところでございます。

34ページ、例えば設置改修から41年を経過しているものが2割というようなこととか、居室の状況も多床室中心になっているという現状とか、入所者の方については、右下のところでございますけれども、半分弱の45%の方は自立の方ということで、要介護の状況というよりは、いろいろな諸事情で御配慮いただいている施設であるということでございます。

35ページ、軽費老人ホームの関係の資料でございます。これも同じように197180年といった3040年ほど前の設置のものが5割近くを占めているとか、軽費B型ですと8割ぐらいを占めているというようなことでの老朽化とか、入所者の状況も同じような傾向が見られるところでございます。

36ページ、養護、軽費老人ホームの関係団体の皆様にヒアリングをさせていただいたときの状況を簡単にまとめたものでございますが、中ほどのところで軽費老人ホームにつきまして、社会の縮図と表記させていただいておりますけれども、精神の関係とかアルコールの関係とか、DVやホームレスとか、いろんな方の御入居があるというとこで、逆に職員の方は非常にノウハウが豊富で、こうしたノウハウを地域に生かしていくというようなことが必要ではないかということ、意外と認知度が低いということで、例えばケアマネの方が軽費老人ホームを知らないといったケースも散見されるというようなことでございます。

 養護老人ホームについても同じような状況でございまして、特に最近、措置控えというか、自治体で措置を控えるといった状況も見られるという声が上げられているところでございます。

37ページはサービス付き高齢者向け住宅の概要をまとめたものでございます。先ほども申しましたように、8月末時点で122,000戸というような戸数になっておりますが、この住宅類型はハード面でバリアフリー構造等の基準を満たすということと、サービス面で少なくとも安否確認、生活相談サービスを提供するということを登録要件として整備してきている住宅類型でございます。

40ページ、サービス付き高齢者向け住宅の入居者像を入れておりますけれども、平均要介護度で1.8ということで、自立から要支援、要介護1、2ぐらいの方までで大体7割弱の介護度の方が御入所いただいているということでございます。

41ページ、平均的な支払額が月々13万余というような額になっておりますが、5万~10万円といった低価格帯から15万円以上というような高価格帯のものまで比較的幅広いサービスが提供されているということでございます。

42ページ、先ほど申しましたようなバリアフリー等という住宅の要件があるだけのものではございますけれども、介護保険サービスの事業所を併設しているという物件が全体の8割強というようなことで、特に訪問介護事業所とかデイサービスセンターなどを併設しているケースが多いということでございます。

44ページ、有料老人ホームの概要でございます。この類型は、左の2のところにございますように、食事、介護、洗濯、掃除等の家事、健康管理、この4つのサービスのいずれか一つ以上を提供するものを有料老人ホームと定義しているものでございますけれども、こちらも32万戸弱ということで近年非常に増えてきているものでございます。

45ページ、平均要介護度が2.2ということで、サ高住よりは若干高いという状況でございます。

46ページ、47ページ、利用者保護の関係の規定、老人福祉法を改正して24年度から施行しておりますけれども、前払い金の返還のルールや権利金の受領禁止とか、47ページのところで前払い金の保全措置ということになっておりますけれども、まだ一部講じていない施設に対する指導とかを講じてきているということでございます。

48ページ、そうしたサ高住、有料老人ホームは、一定の情報の公表という制度は持っていますが、いろいろな類型があるサービスなだけに、消費者の方が自からに相応しいものをしっかりとお選びいただけるような、そういう選択に資するような情報提供が必要であろうと考えておりまして、特に施設自体が介護サービスを提供しない場合については、当該住宅周辺における介護保険サービスの状況なども、そうした周辺の事業所等の状況との連携も今後重要になってくるのではないかと考えているところでございます。

○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 引き続きまして、残り49ページ以降、介護老人保健施設、介護療養型の医療施設につきまして関連する事項もございますので、まとめて御提示をさせていただいております。

49ページ目、現状・課題。老健施設と介護療養型医療施設、それぞれ3点と2点掲げています。まず、老健施設でございますが、3つの○でございます。

 1つ目は、24年度の介護報酬改定で在宅復帰率・ベッド回転率の高い施設を高く評価したところですけれども、こういった施設は増加傾向にございます。平均在所日数につきましても総じて減少傾向があるということでございます。その一方で、こういった復帰率とか回転率の低い在所日数が長期化している施設も存在しているという実態がございますということです。

 2つ目、老健施設から居宅へ実際に退所された方につきまして調べてまいりますと、居宅での生活を継続できているという方が7割おられるということですけれども、その一方で、約1割は元の施設に戻っておられるという実態がありますということです。

 3つ目、老健施設内、看取りの件数につきましては、他の施設、特に後ほど出てまいります介護療養型医療施設と比べて少ないという実態はございますけれども、一方で多くの看取りに取り組まれている施設もあるということで、ばらつきがあるという3点が老健施設でございます。

 介護療養型医療施設につきまして2点掲げさせていただいておりますが、1つ目の○ですが、医療療養病床との機能分化年進んできておりますということで、特に介護療養型の医療施設につきましては、日常的な医療ケアを中心として医療の必要性の比較的低い要介護高齢者が長期療養されているという実態がございますということです。

 2つ目ですが、これは圧倒的な特徴ですけれども、看取り、ターミナルケアを行う件数というのは最も多いということでございます。

 これらを踏まえまして論点を3つ掲げさせていただいておりまして、2つは老健施設、1つは介護療養型医療施設ですけれども、まず1つ目です。地域包括ケアシステムの構築を推進するという意味で在宅復帰でございますとか在宅療養、こういった支援機能については引き続き評価をしていくべきではないか。

 2点目でございますが、その一方でということになりますけれども、退所された方につきましては、短期間で元の施設に戻られるケースが一定程度ございます。このこと自体不適切だという意味ではなくて、老健施設の性質上、こういったことはやむを得ないという部分もございます。つきましては、それらの実態を把握して、さらなる展開といいますか、適切なケアを効率的に提供するということでどういったことができるのか検討する必要がありますというのが老健施設関係の論点でございます。

 介護療養型医療施設に関する論点、3つ目の○でございます。日常的な医療ケアを要する医療介護高齢者、実際に長期療養になっておられるということでございますので、先ほど触れましたが、みとり、ターミナルケアに関する実施が相対的に多いということでございます。

 実態といたしまして、老健施設の一部もこういった機能を担っておられる施設があるということでございます。こういったことを踏まえまして、また、29年度末に予定されております介護療養病床の廃止も踏まえまして、こういった施設が果たしている役割、機能についてどう考えるのかが論点になろうということでございます。

50ページ以降、チャートあるいは数字で資料をお示ししております。

 簡単に御説明しますと、まず50ページ、冒頭申し上げましたとおり、24年改定で特に在宅復帰率・ベッド回転率の高い施設について高く評価させていただいたということですけれども、類型としてA、B、C、特にAというのは在宅強化型老健、Bは在宅復帰・在宅療養支援加算を取得している施設、Cはそれ以外と分けています。大体のシェア、ボリューム感としてはこんな感じだということでございます。

51ページ、近年、特にここ1~2年の傾向といたしまして、こういった在宅復帰率あるいはベッド回転率の高い施設が増加してきているということでございます。

52ページ、そういったことも踏まえまして、3つの類型A、B、Cについて、在所日数を見てみますと、実は全ての施設について在所日数が減少傾向にあるということで、全体的に一定の取り組みがなされているということが見てとれるということでございます。

52ページの右側の棒グラフでございますが、実際平均在所日数という形をとっておりますけれども、冒頭も触れましたが、施設によって例えば1年6月超えあるいはそれ以上の在所日数となっているような運営が実際問題一定程度あるということでございまして、これをどう考えるのかということが論点になります。

53ページに老健施設に関しまして先ほど2点目の論点に触れましたが、退所後の居所につきまして詳細に調査をいたしました。その結果をまとめたものでございます。一番上の帯グラフでございます。老健退所後に直後の居所としてどういうところがあるのか。まずは居宅に約2割、一般病床に4割ということでございます。そこで、それぞれの内訳につきまして、その後1カ月どうなったかということを調べてみます。それが2段目の帯グラフでございます。そのことをまとめたのが資料に緑の囲いで2つ○をそれぞれ掲げておりますが、まず居宅に帰られた方のうち約7割、これは下の帯グラフで言うと65.3%になっているところですけれども、引き続き居宅生活を続けられている。では、残りの居所の変化があったという方はどうなっているかということですが、そこについてさらに内訳を円グラフで見ますと、元の老健に戻られたという方が約半数ということになっております。こういったことをどう考えるのかでございます。

 一方、右側半分、一般病床に関しまして退所された方でその後1カ月で居所の変化があったかということでございます。やはり同様に緑の枠で囲った右下に2つ○をまとめていますが、一般病床への退所者4割は引き続き入院を継続されているということでございます。その一般病床の退所の約5割、その後、1カ月以降に居所の変化があって、そのうち6割は元の老健に戻られているというとこでございます。こういった意味で元の老健に戻られる方が少なからずおられるということですが、こういったことをどのように捉えて今後展開していくのかということでございます。

54ページ、55ページは参考でございます。これは異なる資料を幾つか組み合わせておりますので一概に数字だけをとって比較することは適切ではないと思いますけれども、24年改定以降、例えば肺炎とか尿路感染症につきましては、老健施設の施設内で対応していくということを充実しつつあると考えていいのではないかということでございます。

55ページ、特に在宅機能を高めている老健施設につきまして、先ほどのチャートでいきますとAというようなカテゴリーに該当しますけれども、こういった施設につきましては、短期入所療養介護とか通所リハのみならず、訪問リハとか訪問看護についても重点的に取り組んでおられるというのが見てとれるということでございます。

 残り56ページ目、これは老健施設、介護療養施設に合わせまして看取りやターミナルケアについてまとめています。異なる数字を組み合わせておりますので、数字を一概に比較することは難しい部分がありますが、わかりやすくするために数字の取り方を合わしています。その上で一番上の表の左側ですが、看取り、いわゆる死亡対象者数を見てみますと、介護療養型医療施設が一番多い。同様にターミナルケアについてもそういうことでございます。その一方で、下半分ですが老健施設につきましては、相対としては少ないということですが、多くの看取りに取り組んでおられる施設もあるということでばらつきがありますということで見てとれるということです。

 最後、58ページ、療養病床の機能分化が近年進んでいますということ、日常的な医療ケアの取り組みについてまとめてございます。これも異なる資料を合わせております。見やすくするためにまとめておりますので、一概に数字だけ捉えるということではないのですけれども、医療療養、介護療養、それぞれ経時的に見まして、一定の機能分化が進んでいるのかなというのが医療区分の状況で見てとれるということです。

 下半分ですけども、日常的な医療ケアの実施率も介護療養型の施設が頻度といいますか、実施の傾向としては大きいということでございます。

59ページは御参考までに老健施設に関する改定の内容でございます。

 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 それでは、今回の資料に関して御自由に御発言ください。

 多くの委員が御発言されますので、要領よく御発言いただけますよう御協力をお願いします。

 最初に、事前に資料として意見をお出しになっている方からお願いいたします。

 勝田委員、どうぞ。

○勝田委員 まず、意見として2つございます。

 一つは、在宅サービスの2番目、定期巡回・随時対応サービスについてです。地域包括ケアの目玉として導入されたが、現在進んでいません。なぜなのでしょうか。

11ページ、13ページにもありますように、第5期介護保険事業計画では、2013年度は283保険者が指定し、利用者1万2,000人と見込まれていますが、実際は158保険者、これは56%しか指定がなく、利用者も3,609人で計画の3割程度となっています。

 また、60ページのサービス利用の見込みなどについてでは、2014年度の見込みは2万人、2025年には15万人という数字が示されています。これはなぜなのでしょうか。在宅介護のニーズにマッチしていないのではないか。本来ならば、住みなれた地域で安心して介護が継続されることですが、実際の利用者はサービス付き高齢者住宅の入居者が多いという現実があります。訪問看護に限って言えば、18ページにもありますが、集合住宅の利用は73.1%にもなっています。市区町村の事業者指定が進まず、利用者が増えない理由については、もっと実態を精査した上で論点を整理する必要があると考えます。

 2つ目の意見です。

 施設サービスの「1 特別養護老人ホームについて」です。2ページの論点で「入所を要介護3以上に限定するべきではないか」については反対です。現行でも入所基準があって、重度優先が実施されています。3ページにあるように、2011年度の利用者の平均介護度は3.89です。わざわざ要介護3以上と限定する必要はないと思います。待機者42万人として、希望しても利用できない人たちが多数存在していますが、論点では軽度の要介護者を含めた低所得対策の低所得高齢者の住まいの確保が必要としていますが、施設サービスの提供と住まいの確保とは別問題です。あえて要介護3以上に限定して被保険者の選択の権利を狭め、国民の不安と不信を拡大することには反対です。

 質問が4つございます。

 まず、意見1にも付随することですが、これは、前々回も一度質問したことがあるのですが、回答がありませんでしたので再度行います。ことし4月9日に公表された総務省の高齢者の社会的孤立の防止対策などに関する行政評価・監視です。

 この結果、定期巡回・随時対応サービスのモデル事業は、事業実績が低調な例として挙げられています。特に2009年度末のケアコール端末などの利用状況では、購入台数1万3,127台に対して利用者数は3,836人で29.2%となっています。そして、その中でも、補助金交付したけれども、そのうちの73事業所において効果が発現していない事態が見受けられるという指摘もございます。

 この利用されていないケアコール端末などは倉庫に保管されたままとなっているという指摘がありますが、例えば2013年度の地域介護・福祉空間整備推進交付金では、定期巡回・随時対応サービスの事業所の立ち上げの際に必要な情報通信機器の購入経費として一事業所あたり1,000万円という予算が示されています。実際、この通信機器というのは、倉庫に積み上げてあるケアコール端末などを利用はできないのでしょうか。財政が厳しい現在、このようなことがそのまま放置されていいとは思いません。モデル事業を行っている一事業所1,000万円という予算を示されていますが、現在までの利用状況はいかがなのか、これについて事務方に御質問したいと思います。

 また、次の在宅サービスの総論の現状と課題についてですが、毎日必要に応じて複数回利用者と接することが可能なサービスと生活支援サービスの普及が必要とあります。これは私たち在宅介護をする者にとってもとても大切なことだと思っておりますが、この具体的なサービス内容とは何なのか、また、その生活支援サービスは介護保険制度の給付なのか、地域支援事業なのか、それ以外なのか、確認したいと思います。

 3つ目です。在宅介護についての全国実態調査を行うべきと考えます。昨今の独居や高齢者のみの世帯、認知症や地域間格差も大きい、そういう中で第6期の介護保険の事業計画が立てられ、それに向けたニーズ調査が行われようとしています。これは市町村に任せずに2025年に向けて早急に実態調査を行い、ニーズに合った対応をするべきと考えます。また、その際、認知症の人と特に調査から漏れやすい若年期認知症の人についても項目としていただきたいと思います。

 最後になりますが、在宅サービスの「1 通所介護について」です。

 この間、8年間で約2.5倍に増えた小規模事業所を地域密着型サービスに位置づけ直す論点が出されています。在宅介護を支える通所介護は、小規模事業所の多くでは認知症の人への対応がよいと私たちは聞いています。そういう中で、あえて市区町村指定に見直すメリットとデメリットについては、どのようにお考えなのかお示しいただきたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 続きまして、齋藤訓子委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 机上に配付させていただいております。訪問看護の体制につきましては、本日の資料にもお示しいただいておりますけれども、やはり規模の大きさが安定的なサービス提供、夜間の対応、24時間対応、看取り等々に大きく影響しているものと思われます。ただ、御指摘のように、5人未満の小さな事業所が多いので、地域を面で支えていくということを考えていきますと、体力のあるステーションが小さなステーションのカバーをしながら、36524時間体制を構築することが可能だと思っております。ですので、ぜひ論点にあるような機能強化型あるいは拠点型、名称はいろいろとあると思いますが、そういったステーションの創設を検討すべきだと思っております。

 訪問看護や介護施設で働く看護師の人材確保につきましては、確保ができないのでサービス参入が難しいという御指摘をいただいております。特に訪問看護につきましては、今後、需要が増加していきますので、どうやって確保していくのかは非常に大きな課題でございます。

 今までは事業所の自助努力で採用してきたという状況でございますけれども、努力だけでは限界に来ているのではないかと私どもも思っております。職能団体としても多様な人材を確保するための養成カリキュラムの見直しであるとか、研修体制の構築については今努力している最中でございますけれども、やはり国策として何か対策を立てていかないといけないのではないかと思っております。

 そういった意味におきましては、今、助産師を地域に派遣するという出向モデルが構築されようとしているのです。そういった仕組みも参考にしながら、病院で働いているナースたちでこれから在宅に来たい方とか、病院でケアを受けた患者さんたちがどうなっているのかということを見ていく上においては、病院から訪問看護事業所やその他の介護保険事業所に出向するという考えも一つあるのではないかと思っております。ぜひそういった検討を行っていただきたい。

 複合型サービスの普及につきましても、御指摘のように非常に参入が厳しくて、現在、私どもにはいろんな相談が来ておりますけれども、やはり市町村に開設したいといっても、申請が認められないケースもございますし、ローカルルールが邪魔をするというような状況もございますので、今後、好事例の紹介などを取り組んでいただきながら、市町村の理解を深めていくという方策は必要だと思っております。

 都市部においてこれから爆発的に高齢者がふえてまいりますし、施設をつくるといっても土地がないという状況になりますので、やはりこういった複合型サービスにも空き家の活用をぜひ進めていっていただけないかと思っております。登録定員の上限、宿泊サービスの定員の規定などの緩和の検討については、私どもは賛成したいと思っております。

 特別養護老人ホームにつきまして、要介護度が重度の方々をもし優先的に入れるとすると、現在もそうですけれども、要介護3以上ということであれば、私どもが心配しているのは、そこでの医療提供体制あるいは看護、介護体制をどうするかということです。現在でも夜間の救急呼び出し、救急搬送等があり、東京都の事例ですと、高齢者施設からの救急搬送のうち約40%が夜間帯という状況がありますので、今の人員体制で本当に可能なのかどうか、あるいは外づけで何か医療サービスを付加するようなシステムをぜひ検討すべきではないかと思っています。

 もう一点、訪問看護のところに戻るのですが、49ページ、本日の論点で、都道府県が今後の需給等のニーズを計画の中に盛り込んで、都道府県が地域の実情を踏まえたサービス確保のための施策を策定し、介護保険事業支援計画に盛り込むという案です。これはぜひ実施していただきたいと思っております。

 ただ、この場合、やはり市町村からの訪問看護サービス必要量の積み上げを行って盛り込むと思いますが、そもそも市町村が実態をわかっていないと、都道府県の計画に盛り込むことが難しいのではないかと考えております。そこで、ぜひ今後の検討の議題にしていただければと思いますけれども、訪問看護の事業所の指定を市町村に移譲することをあわせて検討していただけないかと思っております。

 今、少しずつ中核市とかでは指定権限おりてきていますけれども、それをもっと発展させる形で訪問看護ステーションの指定を全て市町村に移すということもあわせて検討課題ではないかと思っております。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 続きまして、齊藤正身委員、お願いします。

○齊藤(正)委員 前回、リハビリに関する議論がありましたので、発言したかったのですが、どうしても出席できず残念だと思っていましたけれども、議事録を確認させていただいた際に、発言のチャンスを与えていただいたことを知りました。ありがとうございます。そのお話をしたいところですが、本日は個々のサービスに関する議題ですから、リハビリに関しては改めて機会をいただければと思っています。

 ただ、その中で、本日の議題の中でもリハビリにもかかわる部分がありますので、その事項について発言したいと思います。

 私は、高齢者リハビリテーション研究会のメンバーでもありました。当時、課題の一つとして、漫然と提供されている効果のないリハビリはいかがなものかという痛烈な御批判があって、それを正面から受けた側でありますが、これに対して、その後、報酬改定等で専門的な評価に基づく計画的なサービス提供が求められるようになった。これは皆さん御承知のことだと思うのですが、しかし、前回の報酬改定等の影響もあってだと思いますが、結果的に再び漫然と行われているリハビリテーションのようなものが急増しているということを私は危惧しています。

 実際にマシントレーニング等を使っている中で体調変化が起こってしまったけれども、主治医が知らないとか、そういうケースも出てきておりますので、やはり何らかの手を打っていかなければならないのではないかと思っています。

 資料をごらんください。資料は通所介護における個別機能訓練は、専門職の直接対応でなくても、個別でなくても算定できるようになっています。報酬の話なのでこの場ではどうかとも思ったのですが、しかし、わかっておいていただいたほうがいいかと思いあえてお話しします。しかも、時間の規定はありません。何分やらなければいけないという規定もなく、要件がそろえば2つの加算を同時にとれるようになっています。ということは、通所リハビリの個別リハ加算を点数が上回ることになってしまう。

 今まで通所介護と通所リハビリの違いは何度も議論されてきましたが、同じ通所サービスとして1日でも長く自宅での生活が続けられるようにということを目指していることには変わりはないわけですから、同じテーブルの上で整合性を考えた議論をする必要があると私は思っています。

 そんな中で資料の下の図を見ていただければと思いますが、2です。介護保険制度が始まる前の通所系サービスを左側に示しています。このとき行われていた通所機能訓練事業、これは今の機能訓練とは形が違いますが、医師の意見書つきの6カ月限定の事業でした。それがだからといって比較ができることではないのですが、制度は違いますけれども、そのほかの例えばデイサービスはA~E型と類型化をされていて通常規模、小規模あるいは認知症の方用というような形、老人保健施設のデイケアと病院のデイケア、診療所のデイケアは役割が違っていたと思いますが、そういう中で、デイサービスは類型化されてデイケアも提供母体によって役割も分かれていたわけですけれども、通所系サービスがどうあるべきかという再考が求められているのだろうと思っている今、別々な議論をするのではなくて、類型化はもちろんですが、一元化も含めたあり方を根本的に見直す必要があるのではないかと思っています。場合によっては、介護保険制度以前の考え方も取り入れることもありだと思います。国際的に見ても、デイケア、デイサービスを別々に議論している国はありませんので、やはりデイケアとデイサービスが連携をとれるような、連携がとれていると聞いたことはほとんどありませんし、別々に運営されている状況もありますから、デイケアで短時間の短期集中的なリハビリを行ってデイサービスと連携をとるとか、そういうことを評価していただくような方策を考える必要があるのではないかと思っています。

 そのときのリハビリテーションのあり方についてはまた機会をいただいて提案させていただきたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 それでは、続きまして、老人福祉施設協議会のほうから、桝田さん。

○桝田委員 お手元の資料で説明させていただきますけれども、きょうの私どもの意見ですけれども、桝田としての委員というよりも全国老人福祉施設協議会の福祉施設のみんなの意見集約と思ってお聞き願えたらと思います。

 まず、特養ホームでございますけれども、厚労省の資料でもございます。入所判定基準に基づきまして年々要介護度も高くなり、重度化している実態がございます。それを踏まえた部分としまして、特別養護老人ホームというのは老人福祉法に基づく施設でございます。地域の事情によってセーフティネットとしての役割を果たすべく、その対応があって、軽度の要介護者、1、2の方の入所も行われております。ここの部分が一番重要な部分で、措置等云々、いろんなことがございますけれども、実態としまして市町村が措置をすることはほとんどない実態があります。介護保険の適用をもって市町村としてどうしても放っておけない方の救済措置を特養に求めてくるという実態もございます。

 2番目のことですけれども、軽度要介護者の中で身体機能は結構高い。でも、認知症のBPSD等でどうしても在宅で生活ができないというケースの方が結構おられます。その方が特養ではなくてほかの施設を選択しなければならないというケースが起こった場合、所得の問題もございますし、もう一つは、対象施設として例えば3番に書いていますグループホームの選択しかなくなりますと、逆に1カ月の介護費用というのは3~4万高くなる。そこの部分を考えても、効率性の問題から言うと矛盾することが起こってまいります。

 そういう点から考えますと、やはり特養で要介護1から入れる。実態として入所判定基準に基づいて重度な方が大部分入られるけれども、一部どうしてもやむを得ない状況の方について1、2の入所があってしかるべきだろうと。そこはここの決めています入所判定基準を見直す等によって厳格な運用ということも可能でございますけれども、施設のほうに任すべきだろうと。

 そこで法的に云々という問題がございまして、もし変更するとかということがございましても、実態に応じた裁量的な施策をとっていただきたいというのが私どもの要望でございます。あと特養の場合ですけれども、重度化してまいっていますので、○4に書いていますけれども、特養の医療体制というのは健康管理という形でそのままの状態になっております。医療ニーズに対応した特養の医療、看護のあり方について検討が必要な時期に来ているのではないかと思っております。

 あと、3ページ目、特養の多床室の問題でございます。やはり低所得者層の方、国民年金で施設入所がどうしても必要な方の場合というのは特養しか今選択肢がないケースが非常に多い局面でございます。その中でユニット型一辺倒になりますと行き場のない方が出てまいります。そういう意味で、プライバシーに配慮した多床室がこれから必要だと。その中で、いろんな施策の中で、いわゆる多床室をつくることが物すごく制限されております。そこらの分で再検討をお願いしたい。

 軽度の要介護者に絡んでまいりますけれども、住まいの問題として、低所得高齢者の住まいの問題で、やはり養護老人ホーム、軽費老人ホームが一つの生活の要介護1、2の方を含めた軽度な方の生活の場として必要な場合がございますけれども、そこらが今資料にございますけれども、養護老人ホームでは措置控え等がございまして、ベッドがあいているという状況もあります。ニーズがあるけれども、市町村が入所させないというケースとか、老朽化しまして受けられないと、多床室ばかりで余りにも住環境が悪過ぎて定員いっぱい受けられないという状況もございます。そこらの部分をこれからの部分として、特養と養護、軽費というのは一体的に検討すべき問題だと思っております。

 以上のことにつきまして、地域包括ケアをこれから進める中で、やはり施設の重要性という、それが基点となるべき問題というのは地域では、地方では特に重要な問題と思っております。ですから、そこらのある資源を有効に活用する形をお願いしたいと思っております。

○山崎部会長 結城委員、どうぞ。

○結城委員 発言要旨はレジュメをつくってきましたので、それに沿ってお話ししたいと思います。

 まず、私見から述べさせていただきたいと思います。

 在宅系サービスですけれども、今回、住まいの問題とか施設に絡んで出ていますが、そもそも介護保険サービスは純市場であって完全市場ではないので、事務局の提案でいくとすごくモチベーションの高い善良な事業所を結構モデルにしていて、これは非常に推進すべきだと思っていますけれども、供給が過度な需要を生むという混合介護について視点が足りないのかなと今回の資料を見て思っています。

 今後、今いろいろ現場を歩いていると、不適切なビジネス体系が法には何とかグレーゾーンだけれども、モラル的にまずいようなものがあるのかなと思いますので、その辺を規制についてきちっと議論していくべきだと思います。

 2つ目、論点として挙げられたお泊まりデイについては、非常に質のいい一生懸命やっているところもありますし、実は質の悪い保険外の夜の部分、相当悪いところもあります。これは法定外部分と言えども保険給付と併用しているのが実態のビジネスモデルですので、こういう悪い部分について東京都などはいろいろ考えているようですけれども、全国一律で考えていかないと結構利用者にとってデメリットが生じると考えますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 小規模デイの指定権限等について、今回、市町村に対する負担が非常に多く見受けられる改革でございますので、小さい自治体では1人ないし2人でかなりの事務を担当していますので、その辺のところを伺いながら、段階的に権限を移譲していくことを考えるべきだと思います。

 4番目、ほかの委員からもありますが、定期巡回、随時に関しては、とりあえず1年半たっておりまして、実績から見ると余り芳しくないと思います。これは私個人的にも立ち上げのときに三菱UFJの関係で検討会の委員の一人でありました。その委員の立場として私の感想としては、1年半たって、これは余りうまくいっていないと私も思いますし、これは私も責任があるのかもしれません。その意味では、別途検討会を設けて再構築を図るべきだと思います。

 前回の夜間対応24時間で会計検査院が指摘しているように、このまま進んでいってしまうと無駄遣いを指摘される懸念もありますので、ぜひとも再構築を図ってきちって検討すべきだと思います。

 福祉用具の論点に関しましては、福祉用具を1品ないし2品だけやっている場合、ケアマネジャーを立てるべきなのかどうかという議論ですが、もし福祉相談員等のケアマネ有資格があれば、そういう人が報酬をやってもいいのかなと思っています。

 6点目の看護師不足については、診療報酬とか医療制度と介護制度全体的で介護士をどういうように配置すべきかという議論をしないと、介護分野に人材が来ない、医療と介護で取り合いになっていると非常にまずいのではないかと思っています。特に訪問看護師さんというのは、自分で判断をしたりして、あと家族とのコミュニケーション能力とか、技術的にも非常に求められるところがありますので、ぜひともその検討をお願いしたい。

 なお、新人看護師への啓発という論点がありましたけれども、私も看護学部の教員でちょっとだけ授業に携わりますけれども、なかなか新人の新卒の看護師を訪問看護師にやっていくというのは、よほど優秀な人材であれば別ですけれども、これはなかなか難しいのではないかというのが私の意見です。

 施設系サービスの今回論点になっている入所要件の中重度化ですけれども、私は要介護度3というのは現実的に問題があると思いますので、反対です。国民会議で中重度と言っている以上、現場では要介護1までを軽度、中度を要介護2、3、重度を4、5というのが一般的な理解だと思っていますので、もし国民会議の議論を参照するのであれば要介護2とするのが妥当かと思います。実際、認定は非常に地域間格差があって、認定自体を今回はいじらないようですので、要介護3でいくと非常に危険だと思いますので、要介護2を述べたいと思います。

 多床室の件ですけれども、新設の特養の居室に関してはプライバシーに配慮しながら多床室をふやすべきだと思います。これについては後で追加の質問をさせていただきます。

 高齢者の住まいについては、サ高住をふやしていくことは私も反対しませんけれども、生活支援員という役割、少し介護の業務をふやしていかないと、今は今回事務局の統計により軽度の方が入っているので、年数がたっていくと重度化していくと思います。そうしていった場合に、結局は高齢者住宅で住めないという危険性もありますので、きちっとした介護付きではないので、あくまでもサービスということなので、その辺も4~5年とか重度化を見据えた施策が必要かと思います。

 なお、看板上、高齢者住宅といったビジネスモデルも一部に見られ、空き部屋という推奨も私はいいとは思いますけれども、これを許してしまうと、先ほど冒頭に申したように、供給が過度な需要を生んだり、あとは囲い込みとか保険給付を商売にしながら保険外のところでやっていくという貧困ビジネスやグレービジネスを広げる危険性があるので、その辺をきちっと議論すべきだと思います。

 例えば住宅型有料老人ホームの一部には、囲い込みをやったりとか、寝たきりや経管栄養の専門の方を入れる、一部そういうビジネスも見受けられますので、その辺もきちっと精査する必要はあると思います。なお、介護型療養病床の議論については、受け皿を考える上で2017年度末の廃止は無理だと思いますので、必ず廃止の延期は絶対必要かと思います。

 なお、事務局への質問です。Q1として、保険給付に絡む保険外サービス自体に何らかの規制を設けることは法的にできるのか、できないのかを御質問します。

 追加で2つ目で、資料2の17ページ、これはユニット型個室を推進していくということは、私も別に反対はしませんが、実際的に70%という数字はほぼ不可能だと現状では思いますので、70%を事務局としては見直していくのかどうか、もし見直していくのであればどの程度の数字を考えるのかどうか、以上2つを質問させていただきたいと思います。

 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、ここでまとめて事務局からお願いいたします。

○朝川振興課長 振興課長です。

 まず、勝田委員から4点ほど質問をいただいております。

 1つ目は、定期巡回サービスについてです。実績とか検査院との関係とかを質問されているわけですけれども、まず、実績としましては、昨年度、補助金を140カ所に出しておりまして、今年度、現時点で63カ所、合計しますと二百数カ所に補助金を交付しているという状況でございます。

 この補助金は、御指摘を受けているケアコール端末も対象ですけれども、それ以外のさまざまな備品の購入なども含んで1,000万円という単価を設定しておりますので、そのケアコール端末とそれ以外のもの、それぞれ御活用いただいているという状況です。

 利用の状況については様々だとは思いますけれども、コール対応がしっかり提供できることによって、やはり利用者さんの安心にもつながっていると思いますし、サービスを担っている人たちの連携の確保にもこういう補助金は資しているものと考えています。

 検査院に指摘されております適正な利用につきましては、1つは全国の部局長会議の場で適正な執行について周知に努めてきているということ。あるいは現に補助金を内示する際、適切に厳格に査定を行うということに努めてきているということでございます。

 いずれにしましても、定期巡回のサービス、結城委員からの指摘にもありますが、今回も資料1で論点を提示させていただいているとおり、よく実態を踏まえさせていただいて、制度的対応を含めて普及に向けた検討をしていきたいと考えています。

 勝田委員の質問の2点目ですけれども、毎日複数回利用することが可能なサービスという具体的なサービス内容は何なのかという点につきましては、例えば念頭に置かれますのは、今の定期巡回サービスもそうですし、小規模機能多機能もそうですし、複合型サービスもそうですし、あるいは20分未満の身体介護のようなサービスもあると思います。生活支援サービスのほうは、ここで言葉として使っていますのは、介護保険の保険給付の対象になっていないような生活支援サービスを念頭に書いておりますので、そういったものは保険給付というよりも、どちらかいとうと介護保険制度の中で提供するものとしては地域支援事業ということでございます。

 質問の3につきましては、こちらも御指摘はしっかり踏まえさせていただきながらということですが、市町村の計画を策定する際のニーズ調査、あるいは全国的にも集計しており、いろんな給付の実態、実績、さまざまなデータはありますので、今後、今までもこれまでの介護保険部会でも御説明させていただいておりますが、見える化とか、そういう取組を進めていきますので、対応していきたいと思います。

 質問の4につきましては、地域密着にするメリットの話ですけれども、資料1の8ページ、上の箱にありますとおり、そもそも小規模のデイサービスは利用者の人数も少ない形でやってらっしゃいますので、比較的サービス提供エリアも日常生活圏域という狭いエリアにあると思います。

 そういう中で、一番上の○にありますとおり、地域密着型のサービスは地域との連携、具体的に言えば市町村と、あるいは地域の住民の方々との連携、そういったことがとりやすくなる仕組みでございますし、運営の透明性も確保される仕組みでございますので、そういう枠組みの中で地域あるいは市町村と密接に連携しながら、サービス提供をしていっていただく、そういったことをねらいとして地域密着型にしたらどうかという提案をさせていただいております。

 もう一つ、私の関係では、結城委員からQ1ということでいただいている御質問があります。これは御意見のほうにも書かれておりますが、例えばお泊まりデイサービスにつきまして考えますと、日中の通所介護サービスと連続的あるいは密接にかかわりながら夜間のサービスの提供が行われているというものがいわゆるお泊まりデイサービスだと理解しております。したがいまして、利用者の適切な選択であるとか、サービスの質の維持であるとか、そういう観点から一定程度の規制はあり得るのではないかということで、今回も提案としましては、届け出とか情報の公表とか、そういう一定程度の規制を入れていったらどうかという提案をさせていただいております。

 これはサ高住についても基本的には同様に考えることができると思います。外付けのサービスと密接にかかわり合いながら住まいを提供しているということでございますので、一定の枠組みのもとで取り組んでいただく必要はあると考えております。

○高橋高齢者支援課長 それでは、私から、特養、住まいの関係についての御質問、御意見についてお答えさせていただきたいと思います。

 まず、勝田委員、桝田委員、結城委員からございました特養につきまして要介護度3以上に重点化することについての御議論でございます。

 特養につきましては、常時の介護を必要とされて、また、特に居宅においてこれを受けることが困難な方に介護福祉施設サービスを提供するためのものでございますので、重要な公的社会資源として有効に活用を図っていくことが必要であろうと考えているところでございます。

 説明の際にも引用させていただきましたけれども、入所申込者が42万人いらっしゃって、なおかつ在宅で要介護4、5の方が6.7万人いらっしゃるという状況を踏まえますと、一定の要介護度で限定をしていくことが必要ではないかと考えているところでございます。

 また、結城委員から要介護1のところで切って2以上に重点化するという考え方もあるのではないかということでございました。要介護1の特養入所者の方は全体の3.1%という状況でございます。在宅での生活を余儀なくされて入所を希望されている高齢者が数多く存在しているということとの関係で、一定の重点化の効果を考えますと、要介護3以上ということが適切ではないかと考えているところでございます。

 また、桝田委員から認知症との関係について御指摘がございました。認知症につきましては、特養自体の今の入所者の方の9割以上が認知症の方となっておりまして、また、要介護認定者全体で見ましても、要介護5の方で9割、要介護4の方で8割が認知症の症状、日常生活自立度ローマ数字2以上で見てございますけれども、認知症の症状があるということを踏まえますと、特養の入所を希望されている要介護度が高い方の多くも認知症症状を有しておられるということとあわせて検討していかないといけないと考えているところでございます。

 また、御指摘がございましたように、グループホームや介護保険施設、介護保険サービス全体として適切なサービスが提供されるように制度全体の設計をしていく必要があろうと考えているところでございます。

 いろんな現場の御懸念、御実態ということがございました。今後、制度見直しの詳細について検討する中で、そうした点についても十分に検討して制度の議論を深めてまいりたいと考えているところでございます。

 齋藤委員と桝田委員から、特に特養の重点化が進んでいく中での医療提供体制や看護体制の関係の御指摘がございました。特養は重度化が進んできている中で、私どもとしても介護施設における看取り等の推進、またしっかりした医療、看護体制を確保していくことは大変重要な課題であると考えているところでございます。

 既に平成24年度の介護報酬改定の中で在宅療養支援診療所等の外部の医師が特別養護老人ホームで看取りを行った場合について評価するといった改善を行ってきているところでございますけれども、昨年度、また今年度、齋藤委員からも御指摘がございましたように、調査事業の中でも医師、看護職員の勤務実態とか看護職員のいろんな勤務の状況、そうしたことの調査もさせていただいているところでございまして、適切に実態把握を行いながら、今後必要な措置を考えていきたいと考えているところでございます。

 また、桝田委員からございました多床室の関係でございます。現実として多床室がかなり多く提供されている、またプライバシーに配慮した多様なものが出てきているということがございますので、御説明でも申し上げましたように、まずは実態把握をきっちり行いたいと考えているところでございます。

 桝田委員から、養護老人ホーム、軽費老人ホームの関係での御指摘もいただきました。特に介護度というよりは、経済的な理由、対人関係の関係等々で在宅での生活が困難な方の受け入れ先という両施設でございますので、大変重要な役割を果たしていただいていると思っているところでございます。これについても今年度の老健事業の調査研究事業の中で養護老人ホーム、軽費老人ホームに求められる役割や位置づけを改めて整理するということと同時に、新たな役割、機能のあり方についても検討していきたいと考えておりますし、また来年度の概算要求の中でもバリアフリー化など環境改善に必要な経費について一定額の改修費の要求を行っているところでございます。

 次に、結城委員から御指摘がございました高齢者向け住まいの関係で、生活支援員の責務というところでございます。サービス付き高齢者向け住宅につきましては、委員御指摘のとおり、介護付きではなくてサービス付きだという整理での住宅の供給になっております。現状、状況把握サービスと生活相談サービスについて必須サービスと整理しておりまして、一定の資格とか研修等を修了した福祉関係の知識、ノウハウがある方について常駐していただくという制度になってございますけれども、御指摘のように、では、提供している相談サービスとかの質の問題などいろいろ御懸念もあろうかと思います。法施行後の実態や委員から御指摘なども踏まえて、今後検討課題の一つとさせていただきたいと考えております。

 また、看板上、高齢者住宅とうたったビジネスモデルということでございます。高齢者住まい法の中では、名称の使用制限の条項がございまして、何人も登録住宅以外の賃貸住宅、また有料老人ホームについて登録サービス付き高齢者向け住宅、またはこれに類似する名称を用いてはならないという規定を置かせていただいているところでございます。しっかりとした運用を図っていければと考えておるところでございます。

 資料の17ページの御質問でユニット、個室の7割についてどう考えるのかでございます。この7割という目標につきましては、平成26年度の目標ということで設定させていただいておりますけれども、御指摘のように22年時点で25.4%ということですので、なかなか難しいというか、達成は難しいということは認識しておるところでございます。

 ただ、高齢者の方の尊厳とか終の棲家ということを考えますと、目指すべき方向として個室ユニットの整備をしていくということについては旗を掲げていきたいと考えておりまして、今後、次期介護保険計画の中でどういった目標設定をするかということにつきましては、そうした観点を踏まえながら検討させていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○榎本介護保険計画課長 勝田委員の御質問で、質問3で在宅介護についての実態調査を行ってニーズに合った対応をすべきという御質問を頂戴しておりますが、地域におけるサービスの提供体制の整備につきましては、市町村において地域ごとのニーズを踏まえながらサービス量を見通して計画を策定しながら体制整備を進めていただいているところでございます。

 その際に、御指摘のございましたように、地域の高齢者のみ世帯、認知症、そういったような状況などもよく把握しながら進めることが重要だというのは全く御指摘のとおりでございます。このため第5期の計画の策定のときから、日常生活圏域ニーズ調査を推進しておりまして、また、次期第6期に向けても既に各市町村における実態に応じた実施の働きかけを進めているところでございます。引き続き御指摘を踏まえながら働きかけを進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 それでは、御発言をお願いします。できるだけ簡潔にお願いしたい。

 伊藤委員、お願いいたします。

○伊藤委員 ありがとうございます。そうしましたら、まず、1つ質問で、あとは意見とさせていただきます。

 通所介護のところで、通所介護だけではなくて小規模多機能のほうもそうですが、人員配置の緩和、人員基準の緩和による問題が出てきます。私としてはなぜそうなるのかなと考えます。人の確保が困難だと見て、むしろ少ない人で対応する方針にしてしまうのかという印象を持っています。人材確保についてはとにかく手を抜かないでやってもらうというのが大前提だと思っています。特に、通所介護はもともと事業内容の自由度が高くてさまざまなサービス提供の実態があり、柔軟な事業展開を促進する観点から人員基準の緩和を検討してはどうかということになっていて、きょうの説明でも何のために人員基準の緩和が必要なのかが明確に説明されていないと思いますので、そこについてはさらなる説明をいただきたい。

 お泊まりデイについては、前から指摘されている安全性、環境の確保という点での問題がありますので、ここに東京都の要求が出ていますが、十分な職員体制の確保、防火体制の整備、利用者の尊厳が保持された環境を確保するというような観点での人員基準、施設基準を設けるようにしていただきたいと思います。

 看護職員について定期巡回も複合型サービスも連携先が十分確保できない、連携先の人は足りないということで、全て看護職員の確保がネックになっています。これについても第7次看護職員の需給見通しの議論の中で、既に訪問看護の確保のために単独で研修することが難しいとか、乳幼児の保育への対応が困難だという点など、こうしたことに対応して定着確保を進めていくことや事業所規模の拡大も指摘されています。今回の提案では新卒の就職支援の提起もありますが、先ほど結城委員からも指摘があったところで、新卒というより、経験が非常に大きく影響する分野だと思いますので、むしろ定着確保、復職支援での対応が必要だと考えています。

 あと福祉用具ですが、これは以前の部会に意見を出しておりますので、公定価格化を検討すべきということはもう一度言いたいです。福祉用具における保険給付のあり方に関する検討会では、外れ値については情報公開での対応になったのは理解していますが、この情報公開で実際利用者が利用するサービスを変更することがどれだけ起きているのかについて、また実際の価格選好が起きるのかについて非常に疑問を持っていますので、今後の議論に当たっての資料提供をいただきたいと思います。

 特養については、一定の中重度で在宅生活が困難な人の施設という位置づけについては、一定の理解はできます。しかし、現に入所している人や、今後の要介護度、日常生活自立度の変化などに不安を抱えている人も実際にはいると思いますし、どこを境界とすべきかについては、さらに専門的な検討をしていただきたい。

 また、低所得者向けの高齢者住宅の整備確保の状況を踏まえて、対象者を絞るという点については対応すべきだと考えています。

 高齢者向け住まいについて、空き家の確保、活用も提案されていますが、耐震性や安全性の度外視というのは絶対あってはならず、脱法ハウスの問題も指摘されている中で、特に契約上の問題や日常生活自立度の変化もありますので、高齢者についての安全性をよく考えて対応していただきたいと思います。

 これで最後です。介護療養型医療施設の29年度末の廃止方針に関して、23年の改正介護保険法の説明の際、この方針は変えないというように老健局が説明していたと思いますので、ユニット化の方針もそうですが、方針をころころ変えるようなことはしないで、政府の信頼性にもかかわると思いますので、計画的に29年度末の廃止に向けた対応をとるべきと考えます。

 以上です。

○山崎部会長 齊藤委員、どうぞ。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。在宅系で3点、施設系で2点申し上げたいと思います。できるだけ手短にお話をさせていただきます。

 お泊まりデイでありますが、需要が非常に高いサービスと思っております。ただし、実態がよくわからないという点があって、これまでもさまざまな問題が指摘されております。きょうの資料では、東京都、大阪府から自治体からの提言、要望が出ているわけでありまして、これを受けとめていただきながら利用者の安全面や環境、処遇面において全国一律の基準というものを設けるべきであろうと思います。

 定期巡回・随時対応であります。先ほど来から何人かの委員から御意見が出されておりますが、御指摘のとおり、当初計画の3分の1程度の利用状況にとどまっているという事実であります。参入障壁が事務局のおっしゃるように啓発の努力不足でありますとか、事業者のイメージ違いというものもあるのだろうと思いますが、それが主因で伸び悩んでいるのかというのは、いささか少し疑問に思う点がありまして、もう少し深掘をしてみる必要があるのではないかと思います。

 3点目でありますが、訪問看護であります。在宅の重度化対応では、この訪問看護が核になると思いますが、一方、御指摘のとおり、慢性的な人で不足であります。きょうの資料の54ページを見ますと、サービス内容の一部が介護職と重なる点も見られます。そういう意味では、連携と役割分担についてなお一層検討する余地があるのではないかと思います。

 あとで時間があればお答えいただければと思いますが、58ページの資料で、都道府県で従事者数に4倍の格差があるという御指摘で、これは大変興味深い資料だと拝見いたしました。この格差がある要因についておわかりの点がありましたらお聞かせいただきたいと思います。

 施設系について申し上げたいと思います。特養についてであります。

 特養の待機者が多いという中で対象者を今回御意見がありますように中重度に絞り込む方向性については理解ができるわけでありますが、現に入っている方々の対応については十分な配慮を願いたいというのが1点。

 また、結城委員からは、認定結果の地域間の格差があるのでないかという指摘、さらに桝田委員からは、判定基準の問題点も指摘されているわけでありまして、軽度者対応を考える上ではいずれも重要な指摘があると考えますから、慎重な対応を望みたいと思います。

 多床室問題は、現在75%が多床室である。プライバシーの確保についても調査が今進められているということでありますので、これは期待したいと思います。結果を待ちたいと思います。

 地域包括ケアシステムが進むことを期待するわけでありますが、現状、今、道半ばでありますし、特に都市部におきましては、施設整備も並行して進める必要があると考えておりますが、質の点に配慮しながら、やはり量の確保というものも重要な課題であると思いますので、きょうの資料にあります自治体の拠出基準の参酌結果については、現状では尊重したいと思います。

 最後でありますが、高齢者の住まいの問題で、サ高住が広がり、次に低所得者、処遇困難者への対応を急ぐということについては賛同いたします。その中で、養護、軽費の問題が出ておりますが、一般財源化に伴って一部では措置控えであるとか補助金の削減によって非常に運営が困難だというような現場からの声があるわけであります。また、きょうの資料でも説明のとおり、老朽化という一方で、ここでも実は多床室という問題が非常に大きく横たわっておりまして、プライバシー問題で今利用されておられる方が減少する、また入りたがらないという傾向に関しては非常に憂慮するものであります。今後、処遇困難事例が増加すると考えられますので、このような社会資源が有効に活用されない実態は極めて問題がありますから、養護、軽費の低所得者のセーフティネットの機能というものを再評価して、これに対する支援策というものをもう一度考えてみる必要があると思います。

 最後でありますけれども、高齢者ハウスの構想が今回出されておりまして、NPOを含めた多様な事業主体の参入が考えられているようであります。利用者から見ますと、安全、環境に十分配慮して、いわゆる貧困ビジネス化しないという前提の中で、やはり歯どめ策となる基準が、これを進めようとすれば必要ではないかと思いますし、また、養護、軽費の持っておられるノウハウや専門性というものが関係者の皆様の御努力で十分生かされるように御努力いただきますよう御期待を申し上げる次第であります。

 以上であります。

○山崎部会長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 施設サービスの特別養護老人ホームについて、事務局提出資料によりますと、特養入所者の平均要介護度は3.89、約9割の方が要介護3以上になっており、特養に対しては在宅生活が困難な重度の要介護者の方の生活、介護を支える機能が今後ともより一層期待されます。

 急激な高齢化により介護に対するニーズはさらに高まりますので、介護保険を今後とも持続可能な制度としていくためには、限られた財源の中で選択と集中の考え方、メリハリのある対応は避けられないと考えます。まずは介護重度者の対応を基本に考えるべきではないかと思います。特養については、事務局提案のとおり、3以上の要介護者に対象を絞るなど、中重度者への重点化を進めるべきであると考えます。

 以上です。

○山崎部会長 小島参考人、どうぞ。

○小島参考人 では、私から、都道府県の立場からまた何点か申し上げたいと思います。

 まず、在宅サービスの関係では、小規模の通所介護について、地域密着型サービスとして市町村の指定にするという方向については、私も賛成したいと考えています。これというのも、事務局が説明したように、やはり地域のニーズを把握しているのは地元の市町村というのが一番最適であるのかなと思っております。

 ただ、昨今、小規模の通所介護事業所というのは、空き家を改修して1階の部分をデイサービスにして、2階の部分をお泊まりサービスにする、そういったような事業所が増えてございますので、市町村の指定になれば、当然消防法と一体となった指導ができるというようなことも期待できますので、そういったメリットもあるのかなと思いますし、また地域密着サービスとなれば、運営協議会で諮って承認をするというような手続も必要になりますので、そういった一定の制限をかけられるということもあるのかなと思っております。

 ただ、一方では、市町村の事務の負担が増えるということもありますので、そういった部分については、例えば運営協議会での承認をある程度形式化するとか、そういったものをもう少し配慮していただければありがたいのかなと思っております。

 また、今回のお泊まりデイサービスについて、何らかの基準を設けるべきである。介護保険外のサービスとはいえ、併設されたサービスでありますので、例えば届け出をするとか、そういったもので大阪府、東京都が言っているような状況になれば、都道府県としても指導がしやすくなるのかなと思っているので、この辺はよろしくお願いしたいと思っております。

 次に、介護ロボットの関係でございます。今回は福祉用具の範疇にということですが、介護ロボットは何も福祉用具だけではなくて、デイサービスであったり、または施設介護においても使われているものもありますので、こういった介護ロボットの活用について、一定の報酬上での評価をお願いしたいなと、こういったことが介護ロボットの普及推進の起爆剤になるのではないかと思っておりますので、あり方検討の際には用具として位置づけだけではなくて、全般的に介護の現場で使うものとして活用を検討いただきたいと思っております。

 次に、施設サービスの関係でございますけれども、今回の特養の要介護3以上に入所を厳格化する。この点については、私どもも賛成したいと思っております。と申しますのは、神奈川県内では、あるいは県で入退所指針というものを福祉施設の協議会とともに作成いたしまして、原則、要介護3以上の方を評価して家族の介護力であるとか、入所の必要性、そういったものの点数化をして、当然優先入所を決めてございます。

 ところが、現実には、資料にもございますように、平成23年度で特養の新規利用者のうち、要介護1、2の割合ということで、神奈川県においても十数パーセントの方が要介護1、2で入っている。では入退所指針があっても用をなしていないのかというとそうではなくて、これはあくでも他府県の施設に入っている方が住所地特例の結果、神奈川県に給付費の請求が来ている。したがって神奈川県内で幾ら厳格化しても、他府県の施設で要介護1、2の方が入ってしまっているのでは平等という意味でもおかしいのかなと思っていますので、やはりここは法律による厳格化をお願いしたいと思っております。

 先ほど、福祉施設の協議会の方から老人福祉法上での特別養護老人ホーム等々のあり方があるのだというお話もございました。当然、今回の資料の中でも、養護老人ホーム、軽費老人ホームといった老人福祉法施設の数値等も出ているわけですけれども、特に軽費老人ホーム、養護老人ホームについては、今、運営費自体が一般財源化して、セーフティネットとは言われても、都道府県の単独事業として措置しているという実態でございますので、早急にあり方を検討していただいて、都道府県のほうにお示しいただきたいと思っています。

 そうでないと、私どもとしては、養護老人ホームはシェルターとして一定の機能は必要だと思っていますので、今後とも維持は考えてございますけれども、軽費老人ホームについては、昨今のサ高住または有料老人ホーム、かなり低廉なものも出てまいりましたので、何も低所得者対策というだけで軽費老人ホームの必要性を論じることはなかなかできないのかなと思ってございますので、軽費老人ホームをいずれは養護老人ホーム化するとか、措置施設化するとか、そういったセーフティネットとして必要であるならば、そういったあり方を示していただきたいと思っております。

 あとこれは全般に対して言えることでございますが、先ほど齋藤委員からデイケアとデイサービス、一元化したらどうかというようなお話もございましたが、介護保険施設の中には運営主体にまだ規制がかかっている業態がございます。特養については社会福祉法人、老人保健施設については医療法人、また通所リハについても医療法人となってございますので、こういった部分を今株式会社の参入であっても全然問題ない部分がございますので、基準さえしっかり遵守していただければ、運営主体についても見直しをしていただければありがたいと思っております。

 あと1点、先ほど特養について要介護3以上に厳格化と言うのですけれども、実はこれも社会福祉法人が設立して特養をつくるという法人はかなり今ふえてきているわけでございますが、法人設立、また土地利用調整を考えますと、4年間かけて初めて新設できるのです。それだけ時間をかけてつくる関係もありまして、都市部においては、どうしても地域内でつくり切れない、そんなことから東京都さんでは、例えば伊豆方面へとかいろんなことが出ているようでございますけれども、そういった問題もありますので、住所地特例を含めて、もう一度その辺は見直していただければありがたいのかなと思っています。

 以上です。

○山崎部会長 酒向参考人、どうぞ。

○酒向参考人 ありがとうございます。まず、通所介護についてです。3ページ目にございます論点○1にあります通所介護の事業内容を類型化してめり張りをつけていくという方向性は支持したいと思います。

 また、○4にございますが、看護師不足などの実態を踏まえ、各種のサービスが連携して効率的に事業運営しサービスを提供するという方向性も支持したいと思っています。全般的に通所介護につきましては、7ページにあるとおり、小規模事業所が過半数を占めるということでございますので、全体として非効率なサービス提供を許しているという実態があろうかと思います。次回の介護報酬改定において、小規模事業所の設置を必要とする地域事情があるかどうか精査していただきたいと思います。

 2番目でございますが、介護ロボットについての論点でございます。79ページのところで今後検討していくとお示しいただいているところでございますが、スケジュール感が今あるようであれば教えていただきたいと思います。

 最後に、特養の関係でございます。特別養護老人ホームへの入所要件を要介護度を踏まえ厳格化するという方向性は支持したいとい思っております。あわせまして、経済的な要件も検討すべきではないかと思っております。支払い能力のある方は、要介護度が高い場合でも別のサービスを活用していただくという方向性もあろうかと思います。特養は非常に公共性の高い福祉サービスを提供するという性格をもう少し重んじていただきたいと思っています。

 以上です。

○山崎部会長 河原委員、どうぞ。

○河原委員 それでは、私は在宅サービス2点、施設サービス1点だけ意見させていただきます。働く者の立場から、今回資料を拝見させていただいて気がついたところでございます。

 まず、総論の1ページのところですが、総論的には今後の在宅サービスの方向ということについて大まかな骨太の考え方が示されたと思います。在宅サービスに関して柔軟な運用と規制緩和の体制づくりが提案されているということです。私は、チームケアにおけるサービスが円滑に、かつ、また質の低下を招かない限り、人員基準等の規制緩和を進めていくことは賛成です。現場では、人員基準に必要な立場の者が離職して切羽詰まった事業所の運営困難による急激な雇用変化が現実的にはあります。以前から利用者にとっても働く人にとっても私は問題点だと考えておりました。

 したがって、人員基準や設備基準、運営基準等の規制はサービスの質あるいは質の向上等を十分検証した後、必要最小限にしていただいて、事業者の自主性をもっと尊重することが私たち働く側としても働きやすくなりますし、質のよいサービスの提供につながるのではないかと思います。

 総論の○3に書いてございました。介護事業者が生活支援サービスに取り組むということで、ここで積極的に取り組むということが書いてございましたけれども、なぜここだけ積極的なのか、何か意味があるのだったら教えてほしいと思います。ただ、生活支援サービスにかかわるものは介護の専門職が、現実には今兼務しております。私は兼務することは結果として生活支援サービスの質の向上につながると思います。

 結城先生がおっしゃっていた供給は過度な需要を生むということに十分注意しながら、私はこの取り組みを支持したいと思います。

 流れとして地域によってサービスの低下を招かない、新しい地域支援事業の運用ということはございますので、私はこの点からも必要な取り組みではないかと思います。ただし、働く者にとっては、賃金に大きく影響するサービスに対して市町村、保険者が設定する報酬水準のあり方が心配です。非常に気になりますので、この辺の適切な水準のあり方につきましては、国の関与も多少必要なのではないかと思います。

 施設サービスにつきましてですが、これは総論ということの中で少し細かくなりますが、2ページの論点で看取りを行うことのできる体制をより一層強化していくべきではないかとありました。賛成です。ただし、特養の施設だけではなく、看取りにかかわる施設全てにぜひ体制の強化をお願いしたいと思います。私どものクラフトユニオンがことしの3月にアンケート調査を実施しました。この中で看取りのことについても聞いております。看取りの対応はしたくないとする理由の中には、医療的知識がない、看取りの研修がない、精神的なダメージが大きい、もっと現実的な話としては、利用者や家族との接し方がわからない。こういった声が多くありました。現場で働く者は、約半数以上の者は、看取り覚悟はしておりますので、体制の強化の中にはこうした現場の意見も反映していただきたいと思いました。

 私からは以上です。

○山崎部会長 岡委員、どうぞ。この後で事務局からまとめてお願いします。

○岡委員 初めに、事務局に御質問が1点ございます。小規模型通所介護事業所を都道府県が指定する大規模、通常規模型と市町村が指定する地域密着型の通所介護等に再編、移行することにつきまして、このような単なるサービス機能の細分化は、その後の事業所数の動向やサービス提供実態に対する国によるフォローアップがなければ需要の増大を招き、保険給付費用の著しい増加につながるおそれもあると考えております。

 介護保険財政の観点に立てば、サービスの細分化に当たっては、それなりの経済効果の想定があってしかるべきと考えておりますが、これら地域密着型通所介護の報酬水準についてどのような方向性を考えているのかお聞かせいただきたいと思います。

 続いて意見です。まず、住宅改修についてでございますが、改修事業者の登録制を進めることに異論はございません。問題は、住宅改修の専門家の育成や活用について、制度的な枠組みが整っていないことにあると思っております。

 厚生労働省の通達では、住宅改修の理由書を作成できる者として、ケアマネ、OTPT、福祉住環境コーディネーター2級以上の者を挙げておりますが、このうち事実上、医療、福祉、建築、全般にわたって幅広い専門的な知識を有しているのは福祉住環境コーディネーター2級以上の者であります。しかしながら、保険者である市町村では、この資格保有者を理由書作成者の条件として認めていないところも多く、現在、50万人を超える2級合格者の有効活用がほとんど図られていないのが実態でございます。

 改修事業者の登録制を実施するに当たりましては、福祉住環境コーディネーター試験2級以上の取得者を有する事業所であることを条件とすることや、改修事業者の登録制のみならず、保険者である各市町村においても、2級以上の合格者の活用を義務づけるような制度的枠組みへの変更をぜひ御検討いただきたいと思っております。

 続いて、介護ロボットについてですが、将来的な保険適用やその範囲を検討するということであれば、利用者本人の自立支援につながり得るものかどうかなど、保険給付の低減につながる経済的側面を含めたアプローチが必要と考えております。

 続いて、施設サービスについてですが、特別養護老人ホームの中重度者への特化については賛同しますが、その際、資料の17ページにあるような個室ユニット型施設の整備方針を今後も維持することについては疑問を持っております。軽度ではなく重度化した入所者へと重点化するのであるならば、保険財政全体に与える影響、介護の効率化の観点から、施設全体に占めるユニット型個室の割合を一定以上に保つというような縛りをなくし、ある程度施設側が柔軟に対応できるような裁量を持たせるべきと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 事務局からお願いします。

○朝川振興課長 振興課長です。

 まず、順番に、伊藤委員から通所介護の人員配置の緩和について御質問、御意見をいただいています。考え方としましては、少し繰り返しになりますが、デイサービスについては余りサービスの内容面からの規制というか枠組みがない中、サービスの内容が多様になっています。これ自身は別に否定すべきことではないと思いますが、それに応じた人員の配置あるいは報酬の設定、そういったことは考えていかなければいけないという趣旨がまず第一としてございます。

 さらにもう一つは、例えばいろんなサービスでサテライトという仕組みが設けられておりますけれども、サテライトを設けることによって一定程度人員の柔軟な活用ということも可能になる場面もありますので、そういうような手法も含めて全体で事業者の事業が運営しやすくなるように考えていく必要があるという問題意識でございます。

 同じく伊藤委員の福祉用具の価格の通知をしたことによって、事業者を変えた事例がどれくらいあるのかという御質問、御意見だったと思います。価格選好が余り働いていない可能性がないでしょうか、という話だったと思います。事業者を変えたかどうかという直接のデータはないのですけれども、こういう通知をしたその後の状況を幾つか把握されている事例がありまして、そういう中では外れ値の価格を設定している事業所が価格を低下させているという一定程度の効果は見られているところでございます。

 次に、齋藤委員から定期巡回について、これはほかの委員も同様の指摘がありますけれども、普及啓発だけではなく、深掘をすべきであるという御意見をいただいています。当然、制度的な対応も含めて今後報酬設定に向けて検討していく必要があると思っておりますが、やはりそれとともに、普及啓発というのも非常に重要だと思っておりまして、今日も埼玉県と横浜市の実例を挙げておりますが、あのよう自治体が積極的に潜在的な需要を明らかにしていく、そういうような取り組みをされているところでは、他の自治体と比べて明らかに導入されている数も違いますので、そういう意味で普及啓発は非常なポイントだと思っています。

 小島参考人から介護ロボットにつきまして、在宅だけではなくて施設への普及も重要であるという指摘をいただいております。これは私どももそのように考えておりまして、介護ロボットに限りませんが、福祉用具全般について言えますが、やはり施設に適切な福祉用具、介護ロボットが導入されることによって、例えば介護職員の職場環境の改善にもつながっていきますので、今の取り組みとしましては、実証事業を経産省とともにやっておりますが、その中で施設の意見を適切に開発側に伝えるとか、実際使ってみるとか、そういうようなこともやっております。さらに、既存の導入補助金のようなものもございますので、そういった活用も含めながら施設への導入が適切に図られるようなことを考えていきたいと思います。

 次に、酒向参考人から、ロボットに関しましてスケジュール感という御質問をいただいております。経産省とともにロボットにつきまして5カ年計画で取り組みを進めるということで、今年度から本格的に経産省のほうは企業に開発支援をして、私どもの厚労省の施策としては現場の声、介護施設とかの現場の声を適切に企業側に反映させるとか、あるいは実証して使ってみるとか、そういうようなことをやっておりますが、今の状況でいきますと、早いものでは1年、2年の単位で開発される、市場に出てくるようなものが出てくる、そのように伺っておりますので、2~3年かかるものも当然あると思いますけれども、次の介護報酬改定に向けては、一定程度ロボット、今、開発中のロボットについて介護保険の対象にするかどうかを議論すべきものは出てくるものと考えています。

 河原委員から、資料1の1ページ目の○3のところに生活支援サービスに積極的にというところに特段の意味が込められているかという御質問をいただいておりますが、前回、生活支援サービスを拡充していくという御説明をさせていただいた中では、民間事業者から始まってNPO、ボランティア、そういったところまで多様な主体にという話でありますが、やはり最も隣接する領域である介護サービスを提供している介護事業者が積極的に生活支援サービスにも取り組んでいただくことが地域づくりにとっては非常に重要な点であると思います。

 説明の中でも小規模多機能サービスで実際こういう生活支援の方向に取り組みを進めている例を2つほど資料がありますということを御紹介しましたけれども、そのようなことをしっかり取り組みが進むようにしていきたいという趣旨でございます。

 岡委員から、小規模デイサービスについて、新しいサービスの区分けをつくるときに需要の増大をただ単に招いてはいけないという御指摘をいただいて、報酬についてどういう方向なのかという御意見をいただきました。

 報酬につきましては、3年に一度の介護報酬改定に向けて具体的な議論を進めていく必要がありますので、今、現時点で何か方向性があるというものではございません。しかしながら、今回提案させていただいております地域密着型サービスにするというのは、むしろ需要の増大をさせていく、あるいは供給をどんどんふやしていくという文脈で地域密着型にしていこうという趣旨で提案しているものではございませんので、市町村としっかり連携していただきながら、秩序立って小規模のデイサービスをふやしていく、そんな枠組みが導入できないかという趣旨でございます。

 さらに同じく岡委員から、住宅改修に関連しまして住環境コーディネーターの活用、登録制を考える際、あるいは理由書作成の場面でしっかり活用を検討すべきであるという御意見をいただいております。この点、御指摘のとおりでございますので、市町村によっては理由書の作成者になっていないという実態もあるようでございますので、引き続き住環境コーディネーターが有効活用される方策を検討していきたいと思っております。

 最後に、同じく岡委員から、介護ロボットを入れる際に自立支援にしっかり資するように効率化の視点をちゃんと入れながら検討すべしという御意見をいただいております。資料1の81ページ目、これは介護保険制度で在宅の福祉用具の対象にするかどうかの範囲を考える際の考え方を介護保険制度創設時に整理されたものがございまして、現在もこの考え方にのっとってやってきておりますが、特に1番目にありますとおり、介護保険制度の対象にする福祉用具は、要介護者の自立促進あるいは介護者の負担軽減に資するもの、そういった視点で導入していくということでございますので、そういった機能がちゃんと果たされるロボットが入ってくるようなことを考えていきたいと思っております。

 以上です。

○高橋高齢者支援課長 続きまして、高齢者支援課長でございます。

 伊藤委員から特養の重点化の関係で御意見をいただきました。特に現に入所している方とか、どこを境界にして考えていくかということについての専門的な検討という話、また低所得、高齢者向け住まいの整備の状況なども踏まえてというような御指摘をいただいたところでございます。

 また、同様に、特養の重点化に関しまして、齊藤秀樹委員からも現に入所している方の問題、軽度の方の入所状況、認定の地域差の問題なども踏まえて検討してほしいという御指摘をいただいたところでございます。特に既入所者の継続入所については、住まいの安定性ということを考えるとしっかりと確保していかないといけないだろうと考えておりますけれども、御指摘を踏まえまして、今後、制度の詳細の検討に当たりまして検討させていただきたいと考えております。

 また、伊藤委員から、低所得者向けの空き家活用した高齢者の住まい、生活支援の関係で、特に耐震性等の安全性の視点の御指摘をいただきました。しっかりと安全性を確保していくことは当然の前提だと思いますので、御指摘を踏まえて対応していきたいと思っております。

 齊藤秀樹委員から、多床室の関係で、一定数の確保も必要ではないかというような御指摘もいただいたところでございます。私どもとしましても、先ほど御説明させていただきましたように、まずはいろんなタイプのプライバシー配慮型というものが出てきておりますので、しっかりと実態を把握することから始めさせていただきたいと考えているところでございます。

 養護、軽費の問題につきまして、措置控えの問題、一般財源化に伴う補助金の削減等々の課題がございました。また、多床室になっていてなかなか入所者が入りたがらない。特にある意味元気な方が対象になる施設ということもあって、入所が敬遠されるというような実態の話も御紹介いただいたところでございます。

 来年度、予算要求している先ほど御紹介しました施設改修費の中でも、特に軽費は大体個室化されておりますけれども、養護については多床室がかなり残っておりますので、養護老人ホームの個室化への改修といったことも含めまして予算の確保をしていければと考えておるところでございます。

 また、齋藤委員からも低所得高齢者住まいの生活支援事業の関係で御指摘をいただきました。御指摘のように貧困ビジネスなど、そうしたことにつながらないようにというようなこと、また養護、軽費の生活支援サービス等のノウハウが生かせれば非常に有効かと思いますので、御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。

 小林委員、小島参考人から介護保険を持続可能なものとしていくためにという観点、住所地特例との関係で県の取り組みと反するような運用になっているといった御指摘もいただいたところでございます。こうした御指摘も踏まえながら、しっかりと検討していきたいと考えています。

 また、小島参考人からは、軽費、養護の関係でも御指摘をいただきました。先ほども申しましたけれども、今年度の調査事業でもしっかりと新たな役割機能のあり方を検討していきたいと考えておりますので、また自治体の皆様にもお示ししていければと考えているところでございます。

 酒向参考人から、特別養護老人ホームにつきまして経済的要件との関係で御指摘がございました。今、別途補足給付の問題等につきまして支払い能力を勘案してどういうように考えていくかという観点での検討を進めさせていただいておりまして、またこの部会でも、後日ということになるかと思いますけれども、御議論いただければと考えているところでございます。

 また、河原委員から、看取り体制の強化の関係、確かに特養だけでなくいろんな施設で同じような問題が生じてくるという部分もあろうかと思いますので、御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思っております。

 岡委員からは、特養について、個室ユニットについての考え方でございました。ここはいろいろ御議論があろうというところかと思いますけれども、高齢者の尊厳とか終の棲家であるということを考えますと、個室ユニットでケアをしていくということ、これ自体は進めていくべきではないかと考えておりますが、一方で、多床室でもいろんな配慮がされたタイプが出てきているということでございますので、実態を把握しながらまた検討していきたいと考えております。

 以上でございます。

○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 残り2点ほど、訪問看護関係で御質問、御指摘いただきましたので、お答えしたいと思います。

 1点目は、結城委員が先ほど御指摘いただきました、伊藤委員も同様の御指摘ですが、在宅サービスの49ページ、訪問看護について新たな施策の展開ということで例示的にお示ししているのですが、資料が非常に短い文書で表現させていただいたのでやや誤解を招いたかもしれません。あくまで就業支援ということです。

 問題意識といたしましては、看護学校、看護教育課程の卒業時点では訪問看護にかなり高い関心を持っておられる卒業生が多い。しかし、実際に病院とか診療所で臨床に従事された後、なかなか戻ってきていただけないということを踏まえまして、新しいアプローチとして、そういう希望を持っている方に対して引き続きそういう道があるのだということを普及啓発でお示しして就業することを支援するということです。ですから、卒業してすぐにいきなり従事していただくという趣旨ではございませんので、御指摘の点については、私どもとしては大きく認識に違いはないのかなと考えております。

 2点目、御質問いただきました58ページ、地域偏在の話でございます。訪問看護サービスに従事されております常勤換算の従事者数ですが、基本的にまず人口あたりの医療従事者は全般的に北海道から沖縄まで並べますと、東日本より西日本のほうが多いという傾向がございます。このチャート自体はそういった傾向がある程度反映されているものと考えております。

 その上で、例えば人口100万人以下の小規模県につきましては、高齢化率が20%前後だとしますと高齢者はその県でで20万人程度ということになります。ですから、このチャートで言えば実数として数十人規模の従事者になりますので、端的に申し上げますと、地域性、特に相対的に少ない事業所の数の多寡が大きくこの数字に影響を与えていると考えております。引き続き、いずれにいたしましても精査をして、またもし新しい知見が得られましたら御紹介したいと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 内藤委員、どうぞ。

○内藤委員 資料2の11ページと53ページ、ちょうど平成22年の入退所者の状況が11ページに書いてありまして、53ページに平成24年9~11月の退所者の居所ということで、この間、介護報酬改定で老健施設において所定疾患施設療養費というものを新しく新設していただきました。老健施設における医療機能を頭出しとして評価して頂きました。限られたわずかな加算ではありますけれども、老健施設の医療を評価していただくことによって、介護と医療の連携がさらに進むことを我々としては期待しております。今回の資料では平成24年では一般病床へ移った方が41.8%、平成22年は48.9%でしたし、死亡は3.8%。平成24年では死亡が9.3%、これだけで単純な比較は無理かもしれませんけれども、老健施設における医療というものをきちっと提供できるような構造を、無駄のない社会資源として使っていただくことを要望しておきたいと思います。

 老健施設の在宅復帰率について御検討をお願いしたいことがございます。高齢者は当たり前に多様な疾患を持っておりますし、入所者の重度化も非常に進んできております。あるいは新たに骨折とか消化管出血とか血管系の合併症、そういった合併症によって老健施設の医療機能では対応できずに病院への転院が起こっております。ただ、こういう時点で転院となりますと、老健施設の場合は同時に退所扱いになります。在宅復帰率の計算というのは、全ての退所者が分母になります。分子は自宅または在宅系の施設への退所者の合計になります。医療機関への転院は、この分母に含まれていますので、適切に医療を行う、医療機関へのトリアージを行っても転院事例がふえると在宅復帰率が低下するというジレンマが生じております。

 利用者にとっては新たな合併症が起こるということは在宅復帰を目指すという利用目的が中断されて適切な医療を行うという利用目的に変化をしたことになります。当然、老健施設の機能も果たすべき機能も在宅復帰から医療機関へのトリアージに変化することになるわけです。このような利用者特性の変化に伴う医療機関への転院事例は、在宅復帰要件から切り離して老健施設と医療機関とのトリアージとして評価していただけるよう要望いたします。

 老健施設の医療機能を評価してほしいと言いますと、老健施設の施設長さんの中には、眼科の医者が要ると言われたりします。ただ、我々にとっても本当に地域によっては医師の確保が極めて困難です。看護職の確保も極めて困難です。介護従事者の需要が100万人必要だと言われていますけれども、では、供給の体制、あるいは養成の見込み、その辺についてももし各職種について大ざっぱでも結構ですから、ある程度の需要だけではなく、供給についても何か資料とかありましたらお知らせいただければありがたいと思っております。

 以上でございます。

○山崎部会長 藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 通所介護の請求事業所数ですが、現在、都道府県が指定権限を持つ小規模型事業所数は、平成18年には約7,000事業所だったのですが、25年には約1万8,000事業所ということで2.5倍以上も増えているわけです。非常に増加率が高いわけでありますが、この小規模型の中でさらに大規模型、通常規模型のサテライト型事業所については、現行どおり都道府県が指定権限を持つというものでありますが、それ以外については地域密着型サービスとして指定権限が市町村に移っていくわけであります。先ほど何人かの委員からも御指摘がありましたが、この地域密着型サービスにどの程度移行されるかによりまして、市町村に与える事務負担が大きく異なるものと思われます。実際にどの程度の事務が発生するかまだ不明でありますが、移行されるとしても市町村が円滑に事業を担えるよう、十分な財政措置と人的配置のこともしっかり考えて配慮していただきたいと思っております。

 特別養護老人ホームについてでありますが、特養の入所待ちについて、資料の9ページにありますように約42万人にも達しておりまして、このうち在宅で要介護4、5の重度者が約6万7,000人も待っているということであります。そういう中でも、特養を増やすことが困難な現状でもありますので、特養入所数の重点化を図るというのはある程度やむを得ないとは思いますが、ただし、特養に入所できなくなる要介護2以下の軽度者の中には、住宅事情等によりまして在宅介護が困難な者もありまして、その受け皿についてセットで考えてもらわなければ、この階層が浮いてしまうということになりますで、その辺もしっかり議論していただければと思います。

 以上です。

○山崎部会長 布施委員、どうぞ。

○布施委員 ありがとうございます。施設サービスについて意見を申し上げます。先ほど話に出ていましたけれども、ドイツとか韓国で見ますと皆保険制度は給付対象となる要介護度というのは日本で言うと3以上という形になるかと思います。決して日本もそういうようにすべきだということは言いませんけれども、今後、給付費が膨張していく中で制度の持続可能性を考えれば、日本の介護保険制度につきましても、重度者への給付の重点化を図っていく方向が重要と思います。

 そういう点で、施設サービスについての資料の3ページを見ますと、特養ホームの入所者のうち要介護1の入所者が11.8%も占めているわけでございます。4ページを見ますと、都道府県別比較で見ますと2.7倍以上の格差があるということ。5ページを見ると、特養の新規の利用者の要介護1、2の割合が11.7%と変わらないで、かつ都道府県比較の格差は10倍近くになっているという点があります。

 基本的な方向といたしましては、特養への入所は重度者に重点化をして、軽度者については在宅という流れを進めて、全体的に効率化を図るべきと考えます。その点、現状の格差について見直しの余地があるのではないかと思います。

 また、健保連といたしましては、今年の4月の国民会議の席上、要介護度に応じた負担割合を設定することを提案いたしました。例えば軽度者の負担割合を引き上げるなどということを考えながら、こういった方法も含めながら重点化の方策を検討していただきたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 山本委員、どうぞ。

○山本委員 ありがとうございます。在宅サービス関係で手短にします。

 まず、通所サービスですが、小規模通所介護事業の地域密着型への分類ということについては民間介護事業者としては賛成です。このことによって、より一層の地域との交流等きめ細かいサービスが提供できるものと思っています。

 定期巡回については、なぜ普及が進んでいないかという点については、採算性等の問題がかなり大きいのだろうと思います。事業者としては、管理者等の兼務、他事業併設運営等の手法で何とか乗り切っているということであります。この意味から定期巡回関係については、より一層、経営情報等を我々にぜひタイムリーに提供していただきたいと考えています。これは御要望であります。

 同様に、地域密着型事業の中で複合型サービスもなかなか進まないという点がございます。我々事業者からしますとハードルが高い部分がありまして、24時間365日、常時看護師を配置しなくてはならない、ここが非常にネックになっております。そういう意味で複合型については、小規模多機能型居宅介護事業の常時看護師配置加算にプラス1名程度の配置基準で運営できるような緩和をしていただければ、もっと参入事業所の数が増加するのではないかと思われます。ぜひこの点、御検討いただきたいと思っています。

 小規模多機能の関係でショートステイの併設ということが出ておりまして、非常に歓迎であります。ただ、この併設の意味がどういう狙いなのか不明な点があります。小規模多機能型居宅介護事業が在宅サービス、どちらかというとショートステイは施設的な側面をかなり持っています。そういった性格の異なるものが2つを、1つの建物なりにおさまるということから考えると、ショートステイの施設的基準に引っ張られることのないように、基準関係もある程度見直してもらいたいと思っています。

 福祉用具については、減額の届け出という点について非常に歓迎すべきことだと考えます。ただし、行き過ぎた減額等にならないような配慮も必要なのではないかと思っております。

 住宅改修については、相談機能が重要だと思っています。とりわけ我々事業者側からすると、病院の退院あるいは施設からの退所のときの相談体制の充実、これが多分一番現実的に利用者にとって最適なサービス体制を構築することの鍵になってくると思っています。退院、退所時の相談体制、これは病院、施設が主に担うわけですが、そこに重点を置いて体制整備を図ってもらいたいと思っています。既に大きな県立のリハ病院等相談体制が結構構築されていると思いますので、そういうところのノウハウを病院や福祉施設に移転していってもらいたいということであります。

 最後に、施設関係で特養の関係です。先ほど行政の小島参考人から、特養設置は、社会福祉法人でなくてもいいではないかという御意見がありました。私も同様に考えます。さきの改定のときも医療法人の参入が見送られたという経緯があるのは十分承知していますが、地域密着型事業の特養、すなわち小規模特養について、民間事業者が算入できるような措置を講じることはできないだろうかという御要望であります。

 このことによって、地域包括ケアシステムの一層の推進が図られるというメリットがあると考えますし、また、一事業者で看取りまでのサービス提供ができるようにして欲しい。我々事業者としては泣く泣く最後の看取りの部分が担えず、利用者が特養に去っていく。長年付き合ってきた利用者にさみしい思い、その利用者の家族もそんな思いをして見送るという現実があります。そういうところも解消できる。そういう意味からすると、小規模特養の開設を民間事業者へ解放することは、利用者へのサービス充実も図られる。あるいは特養の偏在の解消、中山間地域への特養を配置を可能とするだとか、いろんな効果があると思われます。

 また、もっとマクロで言うとアベノミクスではありませんが、こういった緩和政策による民間の事業者の活性化という新成長戦略として期待もできると思いますので、ぜひ小島参考人と同様に規制の緩和という点からとりわけ地域密着型事業の小規模特養に民間事業者が参入できるような措置を検討していただきたいと思っています。

 以上です。

○山崎部会長 高杉委員、どうぞ。

○高杉委員 ありがとうございます。介護保険がスタートしたとき、介護療養病床の廃止が決まったとき、そして現在、ものすごく状況は違ってくると思うのです。きょうのレポートにもちゃんと出ていましたけれども、介護療養病床というのは医療に行きなさい、あるいは老健に行きなさいという方向づけをされても地域特性もあって動けないところがいっぱいある。しかし、十分な機能を果しておる、あるいは看取りもやっている、医療度も介護度も高い人を見ている、この施設をこのまま廃止に持っていったら大きな不安が生じるだろうと思います。その辺で、制度を変えていくときに変えてはいけないこともあるし、見直すことも必要なことがあるだろう、そのようなことを思っています。

 もう一つ、きょう、サ高住を含めたいろんなお年寄りが入る施設、これは逆に言ったら囲い込みになって、見せたいためにサービスがわからない。入所のときと契約のときには、あるいは解約のときにはきちんと弱者を保護するということになっていますけれども、では中に入ったときにどうなのだろう。これは、我々は最初のときには第三者評価というのをやっていたと思うのですけれども、今は十分機能していない。サービス公表にむしろ自己評価を公開して、それと違ったら文句が出るというような仕組みを私は提案したいと思います。

 もう一つ、その中に外づけサービスがあるときはわかるけれども、内づけサービスの中では完全に密室化してくる、ここをどのように突破していくか。あるいはこれは老人福祉法かいろんなところで理由づけして、要するにチェックが入るような仕組みをどこかでできないかなと思います。

○山崎部会長 鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 ありがとうございます。通所サービスについてですが、サービスの提供の仕方は非常に多様化されていると思いますが、評価やサービスの効果を共有するためにも個別支援計画の充実とケアマネジャーへの提出を必須にしていただきたいと思います。

 また、住宅改修につきましては、登録については賛同いたします。

 身体介護の20分の件ですが、このサービスは非常に生活を支える意味では大事なところだと思いますので、引き続き推進していっていただきたいと思います。

 福祉用具のみのプランのモニタリングについてでございますが、福祉用具のみのサービスには、いろんな事例がございます。例えば手すりと配食サービスといったような、いわゆるインフォーマルを含んでいるような事例。またターミナルケア事例医療の訪問看護と福祉用具というようなケースが混在します。両事例とも生活全般を見る視点と状態変化に迅速に対応することが必要になり、力のあるケアマネジャーがかかわることが多いので慎重に議論していっていただきたいと思います。

 なお、利用者、家族が、病気に関心を持ち自立していくセルフケアマネジメントの視点についても今後はきちんと考えていく必要があると思います。施設のケアマネジメントにつきましては、事業者の理念や整備の基盤によってマネジメント機能が高められたり、または浸透の仕方が違ってきたりすると思いますので、高齢者の要介護状態や生活状況などによって生活する場所が選択できるようにする必要がある。生活課題や支援内容を共有しスムーズな移行体制を整えることで生活の質を維持できる。ケアプランと個別支援計画の関係を整理して介護、看護、リハ等の計画が効果的に総合的に提供されることが必須だと思います。

 最後になりますが、今回、また地域密着型であるとか、市町村の移譲権限についてかなり多く出されていますが、やはりやれることとやれないことをきちんと整理して、利用者に不利益が生じないよう、また、ケアマネジメントが公正中立に行われるような仕事ができる環境整備が必要だと思います。

 以上です。

○山崎部会長 内田委員、どうぞ。

○内田委員 ありがとうございます。まず、通所介護の件ですが、類型化していくのはよいとしても、レスパイト中心というのは一体どんなサービスが提供されるのか心配です。どう考えても利用者中心であるべきですので、ここら辺のところはサービス内容についてはきちんと検討していただきたいと思います。

 デイサービスのお泊まりですが、これは多くの委員から出されたとおり、大変劣悪な環境の中で泊まりが実施されているようなこともありますので、きちんとした規定等で管理されていくべきだと思います。

 定期巡回等の新サービスに参入が少ないという理由ですが、それは訪看等との連携先について問題だということもあるかもしれませんが、やはり参入しないにはしない理由がもっとあるのではないかと思いますので、そこをよく検討していただきたいと思います。

 施設サービスについて、特養入所を要介護3以上にするというのは基本的には反対です。例えば認知症の方で要介護2とか1という方で行動心理症状が非常に活発になっていて、介護者としては苦しい状況があるときに特養を利用できないといったことがあったりします。ですから、それは要介護認定の問題なのかもしれませんが、必要性というもので見るべきで、要介護度で見ていくべきではないのではないかと思います。

 個室ユニットにしていくというのは、基本的はいいかもしれませんが、個室のメリット、デメリットもあれば、多床室のメリット、デメリットもあるわけですので、個室ユニットしかないというような考え方で特養を整備していくというのはいかがなものかと思います。

 施設系についての問題点は、最初、見合ったところに入所したけれども、その後、非常に状態が変わってきたというようなことで、そのときに次のところへ全然移れないというような問題があるのではないでしょうか。養護老人ホームなどは職員配置が少ないのに非常に重たい方々を抱え、かつ、そこから動けないでいるといったような問題もあります。あと利用者によっては老健を転々としてというような状況も生まれて、非常に気の毒な状況にある方もいます。ですから、もっと施設間で情報共有をし、連携をして、それで上手に見合った施設に移れるというのがいいと思います。

 サ高住については、サービスというのがついている、一体どんなサービスなのかというのがよくわからない。利用する側にとっては誤解も生まれてしまいやすいので、気をつけていただきたいなと思います。実際には多くの人が特定施設のように何かサービスもつけないと無理なのではないかと言ってもいますので、十分検討していただきたいと思います。

 最後に、生活支援という言葉ですが、生活支援、いろいろなところで使われているのですが、非常に誤解を生んでおり、例えば宅配弁当や見守り等も生活支援だし、介護職が提供するもっと深い意味での介護も生活支援なので、ここら辺はわかりにくくなっているなと思います。

○山崎部会長 どうしてもということであれば齋藤委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 結局、今いろいろ御意見を伺いましたけれども、やはり鍵は訪問看護の人材確保をどうするかということだと思います。ですので、どうしても齊藤委員から54ページで割と介護的な要素も入っているのではないかということでございましたけれども、1人で訪問して処置をしながらお口の中を見たときに汚いといったら、それはやらなければいけないわけですから、これは御理解いただきたいと思っております。

 私が意見書に書きましたように、いかに訪問看護の看護職を確保するかにつきましては、看護職全体となると以前も言いましたけれども、医政局管轄になりますし、訪問看護の事業運営につきましては老健局が持つということになりますので、どうしてもそこが縦割りの状況の中でうまくいっていないように私どもは印象を受けます。

 ぜひ国策として窓口を一本化して、訪問看護師の確保をどうするのかということはしっかり検討していただきたいと思います。

 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 時間が既に12時を過ぎておりますが、事務局からお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○朝川振興課長 1点だけ、藤原委員ほかの委員から、小規模のデイサービスを地域密着型に移行することに際して、市町村の事務負担について御指摘をいただいております。この点は、私どもも非常に重要な点だと考えておりますので、円滑な移行がちゃんとできるようなことを制度設計の中で考えていきたいと思っております。

○高橋高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。

 藤原委員から、特養に関しまして、特に軽度の1、2の方の住まいとかケアの問題をセットに、大変重要な御指摘だと思いますので、御指摘を踏まえて検討を進めさせていただきたいと思います。

 また、布施委員からドイツ、韓国での事例等も御紹介がございました。確かに日本より先行して導入したドイツ、また最近導入した韓国では、日本で言うと介護3以上の方を対象にして介護保険サービスが構築されているということがございます。こうしたことも踏まえながら検討を進めさせていただきたいと思います。

 軽度の方について、より負担を上げるようなことというようなお話もございましたが、介護保険サービスはサービスの内容に応じて点数価格が決まっていくという考え方をとっておりますので、その点、慎重に検討すべき課題ではないかと考えるところでございます。

 山本委員から、特養の設置主体についての御議論がございました。特養別養護老人ホームにつきましては、終の棲家ということがございまして、その事業の実施に当たりまして、高い公益性や安定性を担保することが必要不可欠だろうと考えておりまして、地域密着型についても同様ではないかと考えておるところでございます。

 また、高杉委員から、サ高住につきまして御提案、自己評価なり公表したらという御提案をいただきました。私どもも情報提供のあり方はどのようにしていくのがいいのか、特に利用者の方の選択を支援するという意味で大変重要な視点だと思っておりますので、御提案を踏まえて検討させていただきたいと思います。

 サービスの内容について、例えば内づけサービス、完全に密室だというお話がございました。アプローチとしては、住まいの観点からのアプローチと、在宅サービスを提供する側からアプローチと両方あろうかと思います。例えば他のサービスを拒むようなフリーアクセスを阻害するような形でのサービス提供が行われているとすれば、これは高齢者住まい法なり、ほとんどのサ高住は有料老人ホームにも当たりますので、老人福祉法の監督規定も使えますので、そうした観点から見ていくということも必要だろうと思いますし、また在宅サービスの内容として過剰なものが行われているということであれば、ケアプラン、ケアマネのところでしっかりとしたチェックもあわせて必要になってくるだろうと考えているところでございます。

 内田委員から認知症の関係での1、2の方でもという御議論をいただきました。先ほども申し上げましたように、要介護度4、5の方、全体でも認知症の方がほとんど8割、9割というような状況もございますので、そういった全体のバランスの中で考えていくことが必要ではないかと考えております。

 また、サ高住につきまして誤解のないようにということ、先ほどの情報提供のあり方等を含めまして検討させていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。

 それでは、予定の時間を少々超えておりますが、本日はここまでとしたいと思います。

 今後の部会につきまして、事務局からお願いいたします。

○高橋総務課長 次回の本部会につきましては、9月25日、水曜日、1619時まで、会場は東海大学校友会館を予定しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○山崎部会長 それでは、これで終了します。御多忙の中、ありがとうございました。


(了)

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