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2013年9月12日 平成25年度第7回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会議事録
○日時
平成25年9月12日(木)10:00~12:00
○場所
厚生労働省 専用第23会議室(6階)
東京都千代田区霞が関1-2-2
○議事
平成25年度第7回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会
日時 平成25年9月12日 ( 木 )
10:00~
場所 厚生労働省専用第23会議室(6階)
○中根臨床研修指導官 定刻より若干早いのですが、先生方皆さんお揃いですので、ただ今から医道審議会医師分科会医師臨床研修部会を開催いたします。本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日は小森委員、山下委員から所用により御欠席との御連絡をいただいております。また文部科学省医学教育課からは平子企画官にお越しいただいております。以降の議事、運営につきましては部会長にお願いいたします。桐野先生、よろしくお願いいたします。
○桐野部会長 それではまず資料の確認をお願いします。
○中根臨床研修指導官 お手元の資料の確認をお願いいたします。上から議事次第等の束です。事務局提出資料 1 、医師臨床研修部会報告書(たたき台)です。次の束が別添、医師臨床研修部会における主な意見、続きまして事務局提出資料 2 、今後のスケジュール ( 案 ) 、 1 枚紙です。なお毎回のとおり先生方には青いファイルで参考資料集を用意しております。不足等ございましたら事務局にお申し付けください。引き続きよろしくお願いいたします。
○桐野部会長 それでは議事に入ります。本日の議題は事務局提出資料 1 のたたき台を中心に御審議いただくということになっております。どうぞよろしくお願いします。
○田村医師臨床研修推進室長 それでは事務局提出資料の 1 、医師臨床研修部会報告書の ( たたき台 ) について説明をさせていただきます。本たたき台につきましては前回の会議で御議論いただきました医師臨床研修制度の見直しの方向性についてと項目については同じです。その中で前回は現状、論点、方向性と 3 つが書いてありましたが、今回は現状、課題、見直しの方向の 3 つに整理しています。現状については前回と同じですが、特に方向性につきましては前回までは主な意見を並列した形になっていましたが、御議論いただいた結果を踏まえて一つの方向性ということで見直しの方向をまとめて整理しました。それから論点をなくした代わりに、どうして見直しの方向になったかを分かりやすくするために、課題という項目を設けた次第です。それでは見直しの方向を中心に各項目ごとに説明させていただきます。
まず「基本理念と到達目標について」の基本理念についてです。 1 ページの下に見直しの方向がありますが、現在の基本理念は重要であり堅持することが適当である。なお「プライマリ・ケア」の具体的な内容、これは省令には出てこないで施行通知の段階で出てくるところですが、医療界においてその解釈が統一されるよう、補足を加えることも考えられるという結論になっています。
2 ページ目、「到達目標とその評価」についてです。この点については課題から説明させていただきます。到達目標における「経験すべき症状・病態・疾患」等につきましては、当該項目を「経験する」ことが基本になっており診療能力の評価が十分ではない。また到達目標が基本理念や社会情勢等を踏まえると、必ずしも適切ではない部分があるとの指摘があるところです。また○の 2 つ目として評価手法が各病院によって異なっていることにより、臨床研修修了者の到達度に差異が生じる可能性があるということがあります。また到達目標のあり方については、卒前教育や新たな専門医の仕組み等の動向を十分に踏まえる必要がある。
このような課題を受け、見直しの方向としては、到達目標は、社会情勢等を踏まえつつ、その内容を見直す必要があり、臨床研修の評価につきましても、現在の評価手法が各病院で異なるため、何らかの標準化が必要である。ただ、この到達目標や評価手法の見直しにつきましては、卒前教育や新たな専門医の仕組みの動向を踏まえつつ、今回、平成 27 年の見直しではなく、次回、平成 32 年の見直しに向けて別途、臨床研修部会の下に検討の場を設けて見直すこととする、そういった結論になっているところです。
「臨床研修全体の研修期間」についてです。この点については 3 ページに見直しの方向があります。現在の臨床研修の基本理念、また現在の卒前教育の状況等を踏まえますと、現行の 2 年以上で差し支えないと考えられる。ただし将来的には卒前教育の充実や評価手法の標準化等の状況を踏まえ、現在の期間を見直すことも考えられるという結論にしています。
「基幹型臨床研修病院の指定基準について」です。まず研修プログラムの診療科についてです。この点につきましては課題を御覧ください。研修診療科につきましては短期間で複数の診療科をローテートするのではなく早めに専門的な研修を開始すべきという指摘がある一方で、基本的な診療能力向上の観点からは、平成 22 年度の弾力化以前の 7 科目必修に戻すべきという指摘もあります。また平成 22 年度の弾力化以後は、産科、小児科の領域等の一部において履修率が低下、また自己評価が低下したというようなデータもあるところです。ただ、これに対して、一方で必ずしも診療科目を前提に考えるのではなく、到達目標を達成することを目的に、基本的な診療能力の修得が可能となる症例等を経験し、それらが適切に評価されることが望ましいとの指摘もあるとなっています。
これらを総合的に勘案して見直しの方向で、研修診療科をどうしていくかということにつきましては、次回の見直しに向けて到達目標と一体的に見直すことが考えられる。これは研修診療科が到達目標と連動する部分があるということも踏まえてということです。それから次回の見直しに向けて領域ごとの履修率や、引き続きデータを蓄積して検討を併せて進めていく、そういった結論にしているところです。また、現在でも到達目標は変わっていないのですが、一部領域等における履修率が低下したという指摘があります。この点は到達目標が適切に達成されるよう注意を促していくべきであるという形にしています。また各診療科ごとの研修期間につきましても、到達目標、研修診療科を今後どうするかということと、一体的に見直すことが考えられるという結論にしています。
「必要な症例」についてです。この点につきましては基幹型病院の必要な症例ということで、見直しの方向のところを御覧ください。到達目標の達成に向け必要な症例を確保するため、症例数につきましては何らかの基準は必要であると考えられる。症例数を確保するという観点から「年間入院患者数 3,000 人以上」という現在の要件が絶対的な基準であるとは言い難いところはありますが、当面は「年間入院患者数 3,000 人以上」の要件は維持しつつ、当該基準に満たない病院についても良質な研修が見込める場合には、書類審査だけではなくて、訪問調査といったことで評価する等の対応が考えられるという結論にしています。また他方「年間入院患者数が 3,000 人以上」の病院であっても、研修の質の確保から研修内容等が適切に評価されるべきであり、何らかの第三者評価が必要であると考えられることから、研修病院の努力目標として、この第三者評価の位置づけを強化することが考えられるということにしています。
「指導・管理体制」についてです。見直しの方向として、研修プログラムの一層の充実に向けて、現在プログラム責任者については指導医であることが前提となっておりますが、さらにプログラム責任講習会の受講を促進する等、プログラム責任者の育成を強化する必要があるということを、 1 つ見直しの方向として挙げております。それから現在指導医の配置につきましては内科、外科や小児科、産婦人科、精神科の 5 つの診療科で配置するという形になっておりますが、適切な指導体制を有するということからすると少なくとも必修、これは病院独自に必修としたのを含めて、必修科目の診療科にはすべて指導医が必要であるという形にしてはどうかということを書いています。
募集定員の設定方法についてです。地域の医師確保は近年の医療を巡る重要な課題であり、臨床研修制度のあり方を検討する際にも、地域医療に一定の配慮を行うことは必要であるということが総論的なところです。これを踏まえて、その下の研修希望者に対する全体の募集定員数についてです。研修医の地域的な適正配置を一層誘導する観点から、現在約 1.237 倍となっているところですが、当初は 1.2 倍程度とし、将来的に 1.1 倍程度に向け、状況を踏まえながら暫時減らしていくことが適当であるという結論になっています。
各都道府県の募集定員の上限についてです。これは平成 22 年度の都道府県上限を設けてからの激変緩和措置については都道府県上限及び各病院のいずれも、予定どおり平成 26 年 3 月をもって廃止すべきという形にしております。ただし、臨床研修導入後、研修医数が都市部で減少し、地方で増加するという傾向が現在もあるところですが、その点を踏まえると都市部の定員をさらに削減することについては、都市部から他県への医師派遣の役割等も踏まえ、慎重な対応が必要であるというところもあり、結論として都道府県の募集定員の上限については激変緩和措置廃止後の都市部の状況にも一定の配慮を行いつつ、高齢者人口や人口当たりの医師数等も新たに総合的に勘案して設定する必要があるという結論にしています。各研修病院ごとの募集定員につきましては、現在も都道府県が都道府県上限の範囲内で調整することが認められているところですが、今後地域枠や医師派遣、産科・小児科等の状況をも踏まえつつ、都道府県が各病院の定員を調整しやすくする等、都道府県が一定の柔軟性をもってさらに調整できるような仕組みが必要であるという結論にしています。また大学病院につきましては、当該都道府県内外に多くの医師を派遣しており、医師派遣の実績を、現在も考慮した定員の設定は行っているのですが、より考慮した定員の設定が求められるという形にしているところです。
小児科・産科特例プログラムにつきましては、現在定員に対してマッチ医者数が半分程度であるとか、研修修了後に小児科・産科を希望するものは 7 割程度であるとか課題はあるところですが、小児科・産科医の確保に一定の効果があったものと考えられますので、必修診療科をどうするかという議論が今後になったというところもありますので、現時点での廃止は時期尚早であるという結論になっているところです。
地域枠への対応です。 8 ページに見直しの方向があります。総論としては地域医療の安定的確保の観点から、地域医療への従事が要件となる地域枠の学生について一定の配慮が必要と。そのためには都道府県の裁量を拡大するという形での対応はどうかという形になっています。具体的には各研修病院の募集定員の設定方法で、先ほどの全体の総論でも出てきた話と同じですが、都道府県が上限の範囲内で各病院の定員を調整しやすくするという仕組みを導入していこうということです。ただし地域枠と学生のマッチング、これは現在地域枠か一般枠に関わらずマッチングには参加してもらっているのですが、やはり医師養成過程における基本的診療能力の向上という観点から、地域枠か一般枠かに関わらず、公平な競争を重視すべきである。地域枠は特に地方で設けられているところが多いですが、地方では各病院の定員に空席がありますから、当該の地域内でアンマッチになることは想定されにくいこともありますので、結論としては原則地域枠の学生も一般枠の学生と同様マッチングに参加して公平な競争のもとで病院を選択することが望ましいという結論になっています。
「研修医の処遇等の確保」の観点です。この点では課題として制度導入後、研修医の処遇は向上していますが、極端に高額とか少額の給与を支払っている病院もまだ現在一部にあるというところです。この結果見直しの方向としては極端に高額、少額の給与を払っている病院に対しては第三者評価等を中心に適切にされていくことや、そういった病院に対して補助金をさらに削減することが考えられるという結論になっています。
「その他」として臨床研修病院群の構成についてです。この件は前回の会議で結構議論があったところで、大分肉厚に書き込んでいます。まず課題として、病院群によっては、全国に協力型病院や協力施設が広がっており、また必ずしも研修医の受け入れ実績が見られないような協力型病院等も含まれているという実態が現在あります。そういった制度の基本理念やあるべき医師養成の姿を踏まえつつ、望ましい病院群のあり方について、明確化が必要であるとしています。
その結果見直しの方向です。まず 1 つ目として臨床研修病院群の構成については、基本理念や到達目標を踏まえ、基本的診療能力の向上に資するよう、様々なバリエーションの頻度の高い疾病の経験が可能となるような群の形成が求められる。さらに、病院群全体で、研修の質が確保できるようなプログラムや指導体制が整っていることが重要で、第三者評価等で病院群全体の研修内容を適切に評価する等の工夫が求められるとしているところです。また、病院群の形成に当たっては、地理的な範囲の観点からも現実的な内容とすべきで、現在の施行通知では「同一の二次医療圏内又は同一の都道府県内にあることが望ましい」とされているところですが、仮にそれらの地域を越える場合には、例えば生活圏を同じくする県境を越えた隣接する二次医療圏であるとか、医師不足地域における協力型臨床研修病院及び協力施設との連携や、何らかの正当な理由がある場合に限り認める等、一定の基準を設けることが望ましいという形にしています。また協力型臨床研修病院につきましては、研修実績も十分に考慮して病院群を構成する等、現実的な内容としていくことが求められるという結論にしています。
何回か出てきている第三者評価です。これまでも多少議論が出てきているところですけれど、現在は研修病院の指定基準として、将来、第三者評価を受け、その結果を公表することを目指すという形にされているところです。この点につきましては見直しの方向にありますように、研修病院の規模等に関わらず、研修の透明性や質の向上の観点から、何らかの第三者評価が必要であると考えられ、将来目指すとされている研修病院の努力目標として位置づけを強化することが結論になっています。また将来的なことではありますが、評価基準の明確化や研修病院側の調査負担等にも配慮しつつ、その辺を解決できれば研修病院の第三者評価を義務づける方向とすることも考えられるという結論にしています。
都道府県の役割についてです。 11 ページに課題と見直しの方向があります。これも先ほどの募集定員のところで書いたものと重なる部分がありますが、地域医療の実情を踏まえた地域医療の安定的確保に向けて、募集定員の調整等において都道府県の調整能力を強化すべきと指摘があり、見直しの方向としては地域枠、医師派遣、産科・小児科等の状況を踏まえ、都道府県が上限の範囲内で各病院の定員を調整しやすくする等、臨床研修制度における都道府県の調整能力を強化する必要があるという結論になっています。
指定の際の制度運用上の問題です。細かいところですが見直しの方向の 1 つ目で、基幹型臨床研修病院の指定の際に、研修医の受入実績が 2 年間ないことにより、指定を取り消された病院について、現在は翌年すぐに再申請することも可能になっているわけですが、その再申請につきましては、改めて協力型臨床病院として一定期間の実績を積んだ上で再申請すると見直すことが適当であるとしています。また指導医講習会の受講につきまして、指導医の必修要件となっていますが、現在は運用の際に指導医講習を受講予定であるというものでも認めてきているところがあるわけですが、指導医の養成も進んできたことを踏まえますと指定医の再申請に際しては、講習会を受講済みであるということが前提であるべきということが結論としています。
「中断及び再開、修了」についてです。 12 ページの真ん中に課題があります。現在出産育児や研究、留学等キャリアパスが多様化している中で、現在の中断の仕組みにつきましては原則として病院を変更して研修を再開することが前提になっており、柔軟性に欠けるという指摘があるところです。その結果見直しの方向としては○の 2 つ目にありますように、出産育児や研究、留学等多様なキャリアパスに対応できるよう、現在の中断以外に必要に応じて研修を一旦休んで、一定期間後に再び同じ病院で研修を再開することができるような、そういった制度設計も考える必要があるという結論にしています。また特に女性医師の関係につきましては、○の 1 つ目にありますように、臨床研修病院で出産育児の支援体制の整備をさらに進めるべきであり、そのために、配偶者を含めた休暇取得に対する職場の理解の向上や、キャリアパスを主体的に考える機会を促す必要があるということを新たに加えています。
「その他」、地域医療の安定的確保につきましては、再掲で最後の報告書の案になった段階で整理して載せさせていただこうかと思っております。
研究医養成との関係については見直しの方向を御覧ください。現在でも、一部の大学で既に自助努力により臨床研修と時間外等を利用した大学院における研究を平行して行うことも可能になっているところです。先ほどの中断の議論と重なりますが、研修を一旦休んで一定期間は基礎研究を行い、再び臨床研修に戻ってくるというような、臨床研修と研究をより円滑な形で行き来できるような仕組みを構築することが必要であるということが結論になっています。
14 ページ、「医師養成全体との関係」です。これは前回までは関連する医学教育等となったのですが、最終的な見直しの方向が医師養成全体のことを触れていますので、ここだけタイトルの項目を変更しました。結論としては見直しの方向にありますように、臨床研修制度のあり方につきましては、どのような医師を養成すべきか踏まえた上で、卒前教育における診療参加型の臨床実習の充実や、大学間における取組内容の標準化等の状況、新たな専門医の仕組みの検討状況等を踏まえつつ、卒前教育、国家試験、専門研修、生涯教育との連続性の観点から、総合的に検討を続けていくべきである。特に卒前教育の充実に伴う臨床研修の見直しについては、今後も卒前教育の動向を注視し十分な検討が望まれるという結論にしているところです。
以上のたたき台をもとに審議いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○桐野部会長 御意見を頂きたいと思います。全部を検討の対象にすると内容が多いので、 4 つに分けてお願いします。まず、 1 ~ 4 ページの (2) 「必要な症例」までを 1 つの区切りとします。あと、 5 ~ページの「指導・管理体制」から 7 ページの「地域枠への対応」、 3 番目には 5) 「研修医の処遇等の確保」から 11 ページの○4「制度運用上の問題」まで、最後は、 3 「中断及び再開、修了について」から最後までとさせていただきます。最初の 1 ~ 5 ページの一番上の段までについて、御意見がありましたらお願いします。
○神野委員 資料の中で、卒前教育の問題とかまだこの中で決まっていないようなことがある以上は、残念ながら 32 年見直しまでの先送りがある程度あるのは、しようがないかなと思います。卒前教育とか到達目標がしっかりと決まった時点で、次の話になるという流れに関しては賛成いたします。
「基本理念」の 1 ページの一番下の「プライマリ・ケア」の話ですが、これは分かりにくいから外そうという話が、以前にはあったような気がします。ただ、今の時代にプライマリ・ケアが分からないというと、正直、委員の見識と常識を疑われるような気もいたします。もちろん、時代とともに用語というのは変わってくると思うのですが、ここで、あえて外す理由というのはないのではないかと思います。プライマリ・ケアは医療者だけではなく、国民にも浸透している言葉だと思いますので、ここはあえて残して、私たちはプライマリ・ケアができる医師を作るのだと、アピールしたほうがよろしいのかなと思います。
○桐野部会長 基本理念に、「プライマリ・ケアの基本的な診療能力」というのがあって、プライマリ・ケアが分かりにくいではないかということがいろいろ言われたと思います。プライマリ・ケアとは何かということをまとめた文言が、恐らく必要になると思います。それについては、最終的な報告書には注釈のようなものか、何々を意味するということを言うのか。ただ、そこを余り細かく書いてしまうと、必修の科目に、何で俺のところは入っていないのだという議論になりますので、そこをどう書くかはとても難しいと思っているのです。
○神野委員 正にそのとおりでありまして、先ほど申し上げましたように、今、常識化しているプライマリ・ケアはあえて注釈等は必要なく、時代とともに、いろいろな考え方もあっていいのではないかという気がいたします。
○桐野部会長 いかがでしょうか。
○小川委員 今の御意見に反対なのですが、要するに何が問題かというと、皆さんプライマリ・ケア、プライマリ・ケアとお話をするわけですが、先生の言っているプライマリ・ケアと、私の言っているプライマリ・ケアと、誰かが言っているプライマリ・ケアが全然違う内容で、自分勝手に解釈されて使われているところが、問題なのです。
ですから、要するに「プライマリ・ケア」という言葉そのものが、皆さんのコンセンサスを得て同じことを言っているわけではなくて、違った御都合主義で、その方の都合のいいように解釈されているから、混乱が生じてくるのだということだと思います。
○神野委員 あえてもう 1 回言わせていただきますが、「基本的な診療能力」の所に係ってくる言葉です。基本的に、前々回に部会長もおっしゃいましたが、研究医であろうが、特別な専門医であろうが、これぐらいのことは知っていてくださいというのを国民が望んでいるわけですので、それがプライマリ・ケアということではないかと私は思っています。ただ、これをこうだ、こうだと規定すると、先ほどおっしゃったように、必修科目などに関係してきますので、あえて解説は不要ではないかと思うところです。
○清水委員 基本的な考え方は神野先生と同じですが、小川先生がおっしゃったように、この言葉を聞く者の考え方が異なってしまうことは困ると思うので、桐野先生がおっしゃったように、ある程度の注釈は必要かなと思っています。その注釈の言葉が、基本理念に基づく基本的臨床能力とは何かということを表しているのだと思うのです。
そういう意味でいうと、事務局提出資料 1 の別添の今までの議論をおまとめいただいた中の 2 ページの「理念としては」という所に、「ファーストエイド」ということばがありますが、うちの研修医たちに聞いても、プライマリ・ケアという言葉から何を連想するかというと、ファーストタッチにおける能力というようなことを皆さんおっしゃいますので、その辺が妥当な線かなと、私自身は思っております。それなので、そこがぶれないという意味での注釈は、ある程度は必要かなというのが私の意見です。
○桐野部会長 この 2 年間の初期臨床研修期間で、プライマリ・ケアの能力が十分に養成できるのであれば、総合診療医の専門医化というのは起こらないはずなので、本当の意味でのプライマリ・ケアの専門家、教育もできる専門家としては、とても足りないのです。ただ、基本的な診療能力を備えた医師ということを意味するのであればと。
だから、持っているイメージが確かにずれるので、これは基本的な診療能力を持っているということを、プライマリ・ケアだとここでは解釈しているのだということしか言いようがないのです。プロの総合診療医として現場に立ち向かうような能力は、とても 2 年間では無理だと思います。この問題については、ほかに御意見はございますか。
○河野委員 今、先生がおっしゃったとおりで、「プライマリ・ケア」という言葉の中には、専門性が大分含まれてきているわけです。ただ、「基本的な診療能力」という言葉に被さってきている言葉なので、ここにおける位置付けについては、余り問題ないのではないかと思います。
ただ、確かにいろいろなニュアンスで捉えられて、プライマリ連合学会の定義を読んでみますと、後ろの文言が付いていて、座りは悪くはないのではないかという気はするのです。ただ、確かにいろいろな解釈があるので、一言注釈を付けることには賛成です。
○桐野部会長 医政局長通知の中の文言を、そのまま日本語として見れば、プライマリ・ケアの基本的な診療能力ですから、プライマリ・ケアという大きなものの中の基本的な部分ということであると理解すれば、これはよく書けていると思います。
○小川委員 例えばこの間、厚生労働省で行った専門医の検討会では、「頻度が高い、広い領域の疾病と障害等について、適切な初期対応ができる」という具体的な文言も出ていますから、一人歩きするような文言を使わないで、具体的に書き込んだほうがよろしいような気がします。
○中島委員 様々な解釈があるというところが、最初から議論を聞いていて、本当はよく分からなかったのです。「プライマリ・ケア」という言葉は文脈の中で意味が決まってくる言葉ですから、単独で使って何か意味が出てくるようなものではありません。そうしたら意味が大きくばらついてしまいます。だけれども、文章の中で書けば、何ら問題ないのではないかと思います。だから、もし補足を加えるとしても、極めて簡潔に書かないと全体のバランスが崩れると思います。
○桐野部会長 確かに、ここではプライマリ・ケアの基本的な診療能力であって、「プライマリ・ケアの能力を身に付ける」と書いてしまうと、混乱を起こすと思います。
小川先生が少し言われたのですが、プライマリ・ケアというものを専門医制度の検討会でどう考えるかということも話に出ていて、あの報告書にどう書いてあったかは覚えていないのですが、それを援用するというのは 1 つの手かもしれません。
今、中島先生が言われたように、確かにこの議論は厄介だと思っていたのは、議論し始めるととても難しいのです。ですから、文脈の中で決まる言葉であって、しかもプライマリ・ケアの能力ではなく、その中の基本的な診療能力ですから、理解は十分できるかなとは思います。ただ、どうしても二義性を多少持ってしまうと思います。
これについては、確かにいろいろ議論はあるし、どうしてもプライマリ・ケアをどう考えるかということであれば、他の審議会などで書かれたものがあれば、それを使うということぐらいにして、余り難しい議論はしないということでいいですか。
5 ページの上までについて、そのほかに何かございますか。
○清水委員 到達目標の見直しの方向の所ですが、今回ではなく、次に別の会を持って見直すことを考えるという方向性なのだと思いますが、 1 つは、次の会がどういう条件下でそれを見直していくのかということは、この部会からフレームを提示したほうが、次の会が見直しやすくなるのではないかと思っています。
例えば今の 200 何十項目の到達目標の全ての項目を、どのような条件下で取ったり、付け加えたりするのかということです。
この前のワーキンググループの中で、コンピテンシーという言葉が出てきて、「コンピテンシーに基づくような評価項目に変えたほうがいいのではないか」という御提案もあったかと思うのですが、コンピテンシーという言葉自体が、いろいろと誤解を招く言葉なのかもしれませんが、そうではなく本当に到達目標の 1 個ずつすべて経験が必要なのかというのが、 1 つあります。
それと現在の医療の体制が 10 年前と少々変わっていることも踏まえる必要があるのかなと思っています。というのは、 10 年前と比べますと、在院日数も非常に短くなりましたし、入院で診なくて外来で診るような疾患、化学療法にしても外来に変わりましたし、デイサージャリーなども増えましたので、そういうことも変わってきているのかなと思います。全てを入院でレポートを書かなければいけない疾患にしておくのは、うちのような一般の市中病院でも困難になっているところがあると思うのです。そのような意味合いで、どういう条件で見直すのかという御提案を、この部会からしていただいたほうが、次の会が開かれやすくなるのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○桐野部会長 それは、今までに余り深く議論していないですね。見直しをするに際して、ワーキンググループがいろいろなペーパーを出していますが、その中では、私はよく知らないのですが、コンピテンシーという言葉を出して、今までの見方と違った考え方で、到達目標の組替えをしてはどうかというような意見があったように思います。それをどこで、どういう方向でということで、どのようにまとめていくかですが。
○河野委員 今、いわゆる選択科目等との対応でも、到達目標が問題になっているわけです。それは 1 つには、到達目標がかなり細分化され、具体的にされすぎているのではないかという気もします。アメリカなどを見てもそうなのですが、より包括的な到達目標のほうが、今後のプログラムのいろいろな対応をしやすいのではないか。
到達目標が非常に具体的になっているがために、かえって現場で混乱をしているような印象がありますので、もしそういったような議論がいただければと思います。
○桐野部会長 到達目標については、コンピテンシーという言葉もありますし、あるいは評価が比較的きちんとできるようにするためには、多少は簡素化の方向も含めて、しかしきちんとした評価を、例えば EPOC のようなものを使って評価をする方向で考えてはどうかということも議論されていたように思います。
○國光医師臨床研修専門官 御参考までに、ワーキンググループで到達目標とその評価について、どういう論点、コンピテンシーの定義を書いておりますので、御紹介させていただきます。
青ファイルの 5 ページを御覧ください。こちらが到達目標とその評価についての論点、次の 6 ページに意見が書かれています。
まず、コンピテンシーを重視すべきだ、到達目標と評価の在り方という意味で、コンピテンシーを重視すべきだという御意見が多かったということです。訳として、定型的な日本語訳というのはないのですが、ワーキングの合意としては、例えば「知識、技術、態度などを統合した能力であって、かつ行動として観察できる能力」ということで、行動として、見える化として観察できることが大事だという御議論が、随分あったところです。
6 ページです。到達目標の中で、どういう御意見があったかといいますと、コンピテンシーが重要であるということや、例えば発熱であると、原疾患が非常に多様であって、適切な鑑別診断や除外診断のような点から、目標の設定を工夫すべきではないかということです。あるいは卒前教育との連続性に配慮し、分娩は卒前の臨床実習で経験するなど、卒前の実習の促進によって、卒前卒後の関係も変わるのではないかという御意見がありました。また、高齢化に伴い、認知症への対応についても、もっと配慮したほうがいいのではないかということや、モデル・コア・カリキュラムとの関係、ワーク・ライフ・バランス、男女共同参画の観点、医師としてのキャリア、プロフェッショナリズムの辺りの整合性を取るべきではないか。
評価手法におきますと、非常に評価手法が多様化していまして、もう少し標準化したほうがいいのではないか。 EPOC なども含めて、標準化が必要ではないかなどの御意見があったところです。
○桐野部会長 ワーキンググループはとてもよく議論していて、そこで言われているのは、単に、これは経験した、これは経験したということをチェックリストでやっていくだけではなくて、その経験から各研修医が何を学び、どういう技術を身に付けたかということを、総合的に評価できるような仕組みのほうがいいのではないかということだと思うのです。
ですから、恐らく言葉に書くとしたら、ここで言われていることを主にいうと、いろいろな症例を経験したというだけのチェックリストではなくて、もう少し実際の到達目標に書いてある、基本的な能力を獲得しているかどうかという観点から見ていく必要があるというのと、時代の変化に応じた到達目標の見直しをする必要があるという観点ぐらいかなと思いますが、どうでしょうか。
○神野委員 そういった意味では、平成 27 年の次回見直しが終わってから、次はどうするのですかではなくて、省にお願いしなければいけないのかもしれませんが、もっと早いうちから EPOC 等の評価手法も含めて、制度設計されたほうがいいのではないかと思います。
普遍的な話ではありませんが、例えば英国での研修医と指導医を見ると、ネット上ですが、掛け合いというか、ここまでやりました、それはどうなのかと質問があったりします。もちろん指導医も大変だと思いますが、教育とはそのようなものだと思いますので、全体の設計図というのは、お題目だけではなくて、そろそろ見直すべきなのかなと思います。
○桐野部会長 ということは、 32 年見直しに向けて、できるだけ早くスタートしてくださいということになると思います。
○清水委員 今のチェックリストではなく、行動目標として観察できるものが妥当であるという点についてですが、私はとても賛成です。今、学生たちはログブックと言われているようなチェックリスト的なものを使っていると思いますが、研修医はその上をいくものだと思うので、よく言われていますが、 dose の部分を評価するポートフォリオのような形式の評価法とか、 ACGME が使っているルーブリック評価のようなものを考えられたらいいのかなとイメージしての発言でした。
○中島委員 この問題に関しては、基本的には賛成ですが、今、行われているものが余りに細分化されすぎている。どの科を研修するかということが偏っているのではないか。もっと患者の状態、症状を取り上げて、そこに焦点を当てていかなければいけないのではないかということですね。
では、何をもって、それを経験したということができるかという判断の基準になったときに、また科に戻ってくるのです。これを戻らずにやろうとしたら、かなり劇的な変化を起こさないと、それはできないと思うので、ワーキンググループでの議論では、是非その辺りをしっかりやっていただかないといけないだろうと思います。
○桐野部会長 今の御発言を含めて、少し報告書の案を付け加えて、修正するということでお願いします。
そのほかにございますか。例えば評価について、「何らかの標準化が必要である」と書いてあるのですが、到達目標が今の在り方と変わってくればこの辺りも相当影響してくるので先生が言われたように、経験症例をチェック、チェックするというのと違う方式がいいといって、ではどうするのだと言われたら、困ってしまうことはあると思います。
そのほかは、必要な症例の所はいかがでしょうか。
○吉岡委員 3 ページの見直しの 2 つ目の○に、「将来的には、現在の期間を見直すことも考えられる」とあります。ここが、 14 ページ「総合的な評価の見直し」の方向とも大いに関係します。この部会で議論している最も基本的なことは、初期臨床研修の 2 年間を独立したものとして捉えないということです。ポイントは国家試験のあり方です。どの時期に、どこまでやるのかが、煮詰まってきつつあるとは思いますが、国試の目標やあり方が明確にならないと、この臨床研修の位置付けは大きく変化してしまうことになります。学生諸君は、非常に敏感で、どうしても国家試験が大きな気掛りになるという感じがします。要するに、卒前からの連続的な教育や研修を踏まえた上で、現在の「研修の期間の見直しも考えられる」というよりは、「見直していく」というぐらいの一歩踏み込んだニュアンスのほうが、これまでのこの部会での議論に近いのではないかと思います。
○桐野部会長 5 ページまでについて、そのほかにいかがですか。
○小川委員 2 番目の「基幹型臨床研修病院の指定基準」ですが、この間も少し議論になったことなのですが、極めて高度な専門病院が基幹型病院に指定されているということは、先ほどの臨床研修の到達目標、基本理念とかなり懸け離れる話になると思います。その問題に関して、ここのどこに書き込めばいいのですか。例えば「極めて専門的な専門病院に関しては、基幹型としては好ましくないので指定をしない」とか。
○桐野部会長 そこは言い方が難しいです。基幹型にする場合に、今は一応 3,000 人という、根拠はかなり十分でない。
○小川委員 ですから、例えば 3,000 人という患者の数はそれはそれでいいのですが、それとどの診療科を回るかという議論を切り離して、基本的には専門病院ではなくて、総合病院でなければ、基幹型としては妥当ではないと思うので、それはどこかに書き込んでいただきたいと思っています。
○桐野部会長 それは私も御議論を伺っていて思ったのですが、非常に狭い、ものすごく狭いのですが、症例数はたくさんあるという所が、一般論として基幹型に向いているかというと、初期臨床研修の基本理念から考えれば、到達目標としている項目のかなりの多くの部分を、自院では研修可能でないと。非常に狭い範囲については、高いレベルで研修ができるけれども、ほかの部分は他の協力型にお願いするという形では、基本的な精神としてどうかなと思いますね。
○小川委員 具体的には、国立がんセンターも、国立循環器センターも、基幹型の研修病院にはなっていないわけで、これは見識が非常に高いということだろうと思いますが、当然 3,000 人以上の入院患者はいるわけで、いろいろな科の先生方もいらっしゃると思います。
これは初期臨床研修の理念と、到達目標とはかなり離れるので、これは、今回の見直しできちんと整理をしたほうがいいと思います。
○桐野部会長 これは一般的な診療において、頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるような研修をしなければいけないということになれば、その項目の多くの部分を研修可能な病院である必要があるということは、書き込んでもいいのではないかと思いますが、それはいかがですか。では、具体的にどうかと言われても、どこで切るというわけではないので、ちょっと難しいですけれども。
○押淵委員 前回の審査をした過程で思ったことなのですが、こういった指定基準そのもので縛るのは現在のところでは難しいかと思いますので、第三者評価の結果を待って、更に踏み込んでいくという方式を取ったほうがいいのではないかと思います。
○桐野部会長 現在は、この件についての具体的な縛りはないので、評価を待ってとなっていますが、これは平成 27 年度以降にどうするかという議論なので、平成 27 年度以降も現状のまま、 3,000 例以下については訪問調査でチェックするということで、 3,000 人以上については縛りはないのです。それは、ちょっとどうですかということについては、ここで議論をすることなので、そのときに判断の根拠となるようなルールは、今のところはないです。
今の小川先生の御意見も含めて文書に起こしてみて、次回以降に配布をすると。
○神野委員 今の基幹型は、カリキュラムの 8 か月以上をやるのが基幹型ですよね。この期間で、何か縛れるかなという気もします。例えば、 2 年間のうちの半分の 1 年以上、その病院で本当にできるのですかという見方はあるかなと思います。
先ほど来の議論のとおり、専門病院は、本当は後期研修で専門医を作るための病院なので、初期を一生懸命やるという無駄な努力、やらなくても、よそで初期臨床研修の終わった人を入れて、専門医を作るのが専門病院の役割ですよね。
それでも初期臨床研修で基幹型をやるためには、 1 年の半分以上をそこでできるのかという見方で、ある程度判断してよろしいのではないかと思いますが。
○桐野部会長 ここは、また次回以降に検討いただくことにします。
○中島委員 書くときの書き方の問題が 1 つあります。今、河野先生がおっしゃったことでいいとは思うのですが、今、高齢化社会になっていっているわけで、最後はみんな死ぬわけです。亡くなるときにどうなるか、心肺、腎機能。大体、心臓が止まる、呼吸ができなくなる、おしっこが全く出なくなる、そういうことなのだから、そういう所は非常に基幹的なことをやっているのです。 1 年でも 2 年でもその病院に行けば勉強ができるのです。しかし、眼科、耳鼻咽喉科、そこへ最初から行っても、余り命には関係ないですね。プライマリ・ケアの基本的な修練にはならないのです。そこを上手に書き分けてください。
○桐野部会長 5 ページの上までですが、そのほかにございますか。
○清水委員 先ほどの期間のことですが、吉岡先生が「現在の期間を見直すことをもう少し強力に推し進めたら」とおっしゃっていただいて、それは私も賛成なのですが、期間を見直す際にこの間も議論になったかと思うのですが、卒前教育の充実があって、その充実の程度によって、期間が縮められるかもしれないという議論があったかと思います。大学の卒前教育がものすごく充実したときに、何らかの評価をしていただいて、本当に期間が縮められる程度に、卒業時の質が変わっているかを改めて評価した上で、研修期間を変えていただくのは全く問題ないかと思いますので、その方策を入れていただけると有り難いかなと思います。
○吉岡委員 私ども、全国医学部長病院長会議の部会で議論している流れからいきますと、先生のおっしゃる卒前教育については、単に外圧によって改正するというよりは、日本の医学教育がより診療を重視した形にシフトしていこうという方向に変わりつつあります。
72 週という固定したものではなく、その辺を見直す機会と、臨床実習重視という方向性で見直すとしています。これには 5 年間はかからないと思います。
もう 1 つは、 CBT と OSCE が行われ、スチューデントドクターという称号というところまで決めつつある状況を考えると、卒前教育の中でプレ国家試験的なことがほぼ終わるわけです。次の話は、全て国家試験の置き方の改正です。こういうことをこの部会で決めるわけではないけれども、これをあるべき姿とした議論をたくさんしてきたので、そこをきちんと推進するという方向を示してほしい。国家試験の在り方について、早く、もっと明確に、方向性を持ってもらいたいという意味で、私は期間の見直しにつながるべしと考えます。
○桐野部会長 これは結構大きな議論で、最終的には臨床医学という観点で、能力の高い医師を早く作ったほうがいいかどうかという議論にもなります。前から私は気にしています。つまり、非常にいい臨床教育をして、 24 歳でかなりできる状態にするのか、それとも、例えば一般的な教養教育も含めて、基礎医学も含めて、 26 歳で出来上がりにするのかというのは、医学部長会議ではどういう議論になっているのですか。
○吉岡委員 私 1 人が医学部長会議を代表しているわけではないので、先生方の中からも御発言いただきたいと思います。いまの流れでいきますと、臨床能力をより重視しようという流れが 1 つあります。一方、将来研究者として最先端の研究をやっていただくことについては、もちろん双方に優れている人はいるでしょうけれども、双方向性を同時に求めるということについては、なかなか難しいと思われます。
そうすると、より研究マインドを持った高校生たちを、どのようにして採用していくか。そして、 6 年間でどういう教育をやるか、更に引き続いて大学院教育をどのようにやるのかということは、文部科学省を中心に、あるいは医学部長病院長会議を中心に、「研究医枠」を 1 つのモデルとしてやっています。学部教育の中のコースをある程度オプショナルにしていかなければなりません。ただし、マジョリティーとしては、より診療能力を重視した卒前教育が大きな流れであることには間違いないと思っています。一般教養教育あるいはリベラルアーツをあえてどういう置き方をするかについては、それぞれの大学の考え方とか、置き方にかなり依存しています。結果として、期間が短くなっていることは否めないです。そこは先生のおっしゃる危惧というか、心配事の 1 つかもしれません。
○小川委員 もともとこの議論は、 CBT 、全国共用試験が本格実施されて、全国共用試験の到達目標と国家試験での到達目標と、さらには初期臨床研修修了時の到達目標がほとんど変わらなくなってしまったところに問題があります。片や医師不足ということが騒がれていて、あるいは研究力が低下して、論文数は世界 2 位から 5 位に転落したということもあって、そういう中で、何でもう少し効率よく有能な医師を養成できないのかというところから、始まっています。従って、全部連動しているのです。卒前教育、卒業したときの国家試験の在り方、さらには初期臨床研修の到達目標と連動しているのです。
そこに追加させていただきたいのですが、今回の見直しの報告書のたたき台の中に、「国家試験の在り方を将来的に考える」というような文言は入らないでしょうか。これは医道審議会医師臨床研修部会ですから、初期臨床研修のことを議論しているのだけれども、初期臨床研修のことだけを切り出して議論しても、余り有益ではないです。
先ほど来ずっと話が出ているのは、卒前教育が変わったら、これも変わるのだということもお話をされているわけです。医学生涯教育の中の 1 つの部分として位置付けるとすれば、この部会としてもリクエストとして、卒前、卒後教育の充実と発展に基づいて、国家試験も見直すというような文言が入れば、よりすばらしい報告書になるのではないかと思うのです。
○桐野部会長 国家試験の在り方についてまでは、この部会の任務の範囲外なのですが、それに言及することは不可能ではないと思います。国家試験の今後の検討の状況にも関連することは間違いないです。ただ、それを見直しをしてほしいとまでは、この報告書には盛れないです。
○小川委員 先生のおっしゃっているとおりだと思います。ただ、言及だけはしてほしい。
○田村医師臨床研修推進室長 14 ページの最後の所で、医師養成全体の話がこの部会では何回も出てきておりますが、「卒前教育、国家試験、専門研修、生涯教育との連続性の観点から、総合的に検討を続けていくべきである」とありますので、この表現でよろしいのか、もう少し強化したほうがいいということでしたら、そのことを御検討していただければ有り難いと思います。
○中島委員 最後のところで申し上げようと思っていたのですが、ずっと小川先生、河野先生、吉岡先生、皆さんがおっしゃっていることは、臨床医の養成に向けて舵を切ったけれども、一方では研究医が足りなくなっている。この研究マインドを持った臨床医という、非常に曖昧な言い方で逃げているわけですが、この両者を確保しようとすれば、最終的な到達目標をそれぞれが思い描くことができなかったら増えないのです。ということは、教授という席に、研究教授と臨床教授を置けばいいのです。そういう大胆な発想と変革というものが、文部科学省で行われない限りは、これは私は言うだけに終わると思います。
○桐野部会長 ただ、一部の大学では特任教授という形で、非常に研究オリエンテッドな方を教授にして、複数の教授を置くようなことは、国立大学でもやられるようになってきました。
○中島委員 そのように変わったところは変わりました。
○桐野部会長 これはやり始めると相当時間が掛かりそうなので。
○中島委員 きりがないです。
○桐野部会長 次回にすることにして、少し気になるのは小川先生がおっしゃったことと少し関連するのですが、 3,000 例以上の症例を持つ病院でも、非常に特殊なものをどう考えるかという話でした。逆に、 3,000 が絶対でも何でもないのですが、 3,000 を切ってきて、 500 でもいいのかという議論になるのです。どこから難しくなるかというのは、非常に難しくて、現在でも基幹型の中には 1,000 数百例で、評価についてもクリアして、立派にやっておられる所はあります。
その場合に、これも同じように到達目標とする部分の大部分を、基幹型としてはやれなければならないということからして、余りにも少ない所については、この件について多少書き込んだらどうかと思うのですが、同様に到達目標の多くの部分の研修が可能である必要があるということですね。これは当たり前なので、書くこともないという気もするのですが。非常に少ない所は訪問調査を受けているので、いろいろな努力をして、それができる状態にあると私は理解しております。
○中島委員 その 3,000 人という数値の目標で、今までは新規の申請で入院が 1 年間に 3,000 人に満たない病院については、自動的に切り捨てていたのです。だけれども、今後これが出た以後は、 3,000 人に満たなくても、一応は訪問して調査をしましょうという意味ですね。
○田村医師臨床研修推進室長 そういうことも含めてです。
○中島委員 含めていますね。
○桐野部会長 そうしないと、今までの 3,000 人以下でやっておられた所は既得権になってしまうのです。それは平等の原則に反するということです。ただ、そのときに、どのような病院でも、 3,000 人以下でも、訪問調査をすればどんどん申し込んでくださいということは、ちょっと困りますし、現実的にも訪問調査のキャパシティもあるので、一定の要件をどうすればいいかというのは、ちょっと検討が必要かと思いますが、少なくとも、症例が満たない場合でも訪問調査を受け入れることと、到達目標の多くの部分が実際に研修できるという条件は、どうしても必要だと思います。それから、かなり厳しい訪問調査のチェックを受けるということですね。
時間の制限もありますので、このことについては、また次回に新しい文言が加わったところで御意見を頂くことにして、今度は 5 ページの「指導・管理体制」から 9 ページの一番上までについてお願いします。
○清水委員 5 ページの指導管理体制の所で、 2 つ提案というか確認していただきたい所があります。まず、見直しの方向の 1 つ目の○の「プログラム責任者講習会の受講を促進する等」ですが、確か吉岡先生もおっしゃってくださったと思いますが、そろそろ必須としてもいいのではないかというような意見があったかと思います。それについて、今回はそこまでではないかもしれませんが、将来的に必須とする方向で考えるなどのような表現をしていただけると有り難いかなと思います。といいますのは、今、大学の医局に属さない研修医たちがキャリアプラン上フローティングしている問題があったかと思うのですが、やはりその辺りもきちんとプログラム責任者がフォローする必要があるということをうたわれていますので、そのような表現を付け加えていただけると有り難いかなと思います。
2 点目は、 2 つ目の○の指導医体制の所で、ローテーションする診療科ごとに指導医を置くことを条件としていただくのはとても有り難いかと思うのですが、指導医の要件が指導医講習会を受講することという一文と、 7 年という期間しかなく、どこの指導医講習会でどのような講習を受けてきたかという点については、全く勘案されていないところがあります。資格認定にある程度の責任を伴うのかなと思いますので、その担保をどのようにするのかが大切ではないかと思います。
私も、いろいろな講習会に行きます。厚労省の名前で、指導医講習会でどのような講習をやっているのかのアンケートを取っていらっしゃるのかと思いますので、もしその結果などを提示いただけると、嬉しいかと思います。
○國光医師臨床研修専門官 御指摘いただきました指導医講習会のアンケートについては、平成 24 年度の 1 年間のみ、やはり指導医講習会の御指摘が多いこともあり、厚生労働省から指導医講習会開催者に対して、受講者に対してアンケートをしてほしいということで、取っております。その結果についても、少し検討させていただきたいと存じます。
○桐野部会長 そのほかにいかがでしょうか。
○吉岡委員 7 ページで、桐野先生から具体的な数値目標をお出しいただいたかと思います。私も、この数字は根拠ははっきりしないですが、妥当性はあるだろうと思います。将来的に、暫時減らしていくというのは、これは見直しごとの 5 年とか 10 年とかのスパンなのでしょうか。それとも、当初の 5 年の中の 1 年ごとのスパンを想定するのかによって、随分違うと思いますが・・・。
○桐野部会長 これは、次の平成 32 年見直しまでの 5 年間に関する文書ですので。
○吉岡委員 5 年以内ですね。
○桐野部会長 はい。
○吉岡委員 はい、分かりました。
○桐野部会長 ここについては、これまでも数字だけで、実態はどうなるかはよく分からない状態で、ただ、 1.237 を 1.2 として、うまくやればそれほど逆激変をしないでできるのかなという感じがあります。逆に言えば、激変緩和はもうしないということです。更に逆に言えば、激変緩和措置を取り外しても、これまで徐々に軌道修正をしてきていますので、大きな逆激変にはならないと思います。 1.237 から 1.2 倍程度にして、ここのところを具体的にどうするのかまで言うとすれば、 1.2 から 1.18 、 1.16 と徐々に倍率を下げていきながら、ただしアンマッチの状況をきちんと観察し、アンマッチが増えるようであれば少し速度を落とす、あるいはそこで止めるようなことを考えてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○吉岡委員 数値ははっきりしましたが、初めから 1 年毎に 0.02 ずつ刻んでいくと言うのは、いかがなものかと思います。 5 年間の 1 つの目標として、大体想定できますので、具体的に余り細かく刻まないほうがいいと思います。
○桐野部会長 ただ、 1 つの見方として、アンマッチの状況を見ながらということでよろしいですか。
○吉岡委員 非常に大事だと思います。特に、地域枠云々の所も、都道府県での事情に差が出てくる可能性も無きにしも非ずですから、少し慎重にしたほうがいいだろうと思います。
○桐野部会長 分かりました。
○小川委員 今の吉岡先生のお話は、非常に重要なことです。やはり具体的なロードマップを入れるべきです。吉岡先生もおっしゃっていましたが、将来的に 1.1 倍はいつを目標にすると言うような事です。 10 年先か、 20 年先か、 30 年先かということにもなり兼ねません。ですから、基本的には次回の見直しの 5 年後を目途に、 1.1 倍程度に向けて、先ほど桐野先生がおっしゃったアンマッチ等の状況を勘案しながら、きちんとしたロードマップの年数を入れていただければと思います。実際にアンマッチ等があって、非常に問題が多くてできなかったというのはあり得る話だと思いますが、どこを目標にするのかだけはきちんと書き込んでいただければと思います。
○桐野部会長 これは、この 5 年間ですので、 5 年間でさしたる支障もなく徐々に安定的に移行するようであれば、 1.1 という意味です。それではいけないということであれば、また変えればいいと思います。これまでの議論でいえば、 1.2 から非常にゆっくり、ゆっくり 1.1 に変えていけば、特に都市部で変化があるので、都市部についてはいろいろと工夫をしていただく必要があるかと思います。
○中島委員 今のことは、毎年消費税を上げるのによく似ているなと思って聞いていました。気になったのは、 7 ページの各都道府県の募集定員の上限の所で、高齢者人口や人口当たりの医師数を総合的に勘案して設定する必要があると。こんなことができるのですか。式をつくるしかないとは思うのですが、プロだからできるのですかね。
○中根臨床研修指導官 紙ファイルの 50 ページを御覧ください。これが現在の都道府県別の募集定員の上限の設定方法の計算式です。現在は、各都道府県別の人口分布の割合、あるいは医師養成数の割合とを比較して、多いほうを選んだ上で、○3の地理的条件、現在は AB ありますが、一部の都道府県には加算措置をしている状況です。ここに、例えば先ほどただの人口ではなく、高齢者人口あるいは地理的要件の A の中の面積辺りの指数を勘案していますが、面積辺りだけではなく、人口当たりの指数等を勘案しながら、別の計算式にという趣旨で記載している文書です。
○中島委員 分かりました。
○桐野部会長 ここの問題は、地理的条件のところにどれぐらいの案分をするかであり、現在もこれは○3の地理的条件に全部で何人ぐらい案分をしているのですか。これは、随分前に始まったことですが、いかがですか。確か、 3 、 400 人ぐらいですか。
○中根臨床研修指導官 先生方のお手元には資料はありませんが、平成 25 年度の募集定員の設定時点においては、面積辺りの加算が全国で 350 程度、離島人口の加算措置は全国で 250 程度です。
○桐野部会長 600 ということですね。
○中根臨床研修指導官 合わせると、それぐらいになろうかと思います。
○桐野部会長 ですから、その 600 名ぐらいの方々の枠については、そういう案分をしていると。つまり、非常に面積が広くて医者が少ない所や離島が多い所には、その分多めに上限を配るということで、それに対して面積辺り離島の人口だけではなく、高齢者人口割合や人口辺りの医師数も勘案し、大体似たような数を案分するようにしてはどうかということだと思いますが。この条件については、地理的な条件に高齢者人口割合や人口辺りの医師数などを今回は加えると。 2 項目を 4 項目にしてはどうかという案です。ほかにいかがでしょうか。
それから、地域枠への対応などはいろいろ議論はあったのですが、大体委員の先生方の御意見にほとんど差がなく、これでいけるだろうということです。ただ、いろいろと心配もあり、ここには既に書いてありますが、県において不具合やうまくいかないケースが起きた場合において、県が県の上限枠の範囲内である程度調整できるとしないと、うまくいかないのではないかという心配があります。これは、そのようにしてはどうかと思います。例えば、ある県において本当はその県の中で研修をしたいと思って真面目にマッチングに応じたら、アンマッチになってしまった研修生がいて、それについては上限の範囲内で県がどこかに研修先を決めることになりますが、それはやむを得ないと思いますが。
○清水委員 今の点ですが、各県ごとにそういうものを調節する機関があるかと存じますが、それがうまく機能している県と、余り機能していない県があると思いますので、きちんと県で、そういうものが機能できるような仕組みをつくるようにという一文を加えてもいいのではないかと思います。
○桐野部会長 いかがでしょうか。よろしいですか。次は、 9 ページの「研修医の処遇等の確保」「その他」です。ここには、臨床研修病院群の構成、あるいは第三者評価、都道府県の役割制度運用上の問題等があります。
○吉岡委員 事務局にお尋ねします。臨床研修病院群を奨励する、あるいはそれが望ましいような表現は、どこにもないのでしょうか。要は、無理に単独で基幹病院にするという方向性と、これまで随分長く議論をしてきたのは、やはり病院群というものがとても大事なのだということだったと思います。どちらかというと、無理に基幹病院を志向されているなと思う病院がちらほらありました。そういう事例に対して、できるだけその基幹病院を中心に有効な病院群をつくることがよりふさわしいのだと明確にしたいと思います。我々の意図から言うと、そういうことがあるべき姿に近いのだというような方向性をこれまでは特には示していませんか。
○中根臨床研修指導官 青いファイルの 144 ページを御覧ください。現在の規定通知です。これは、基幹型の指定基準の一環で書いてありますので、基幹型は協力型あるいは協力施設、又は大学病院と連携して臨床研修を行うこと云々。その下の、臨床研修病院群を構成する関係施設相互間で密接な連携体制を確保していること。その場合は、 ( ア ) 、 ( イ ) の 2 つの記載を規定しております。
○吉岡委員 病院群の形成という方向性で進むことがよりいいという表現だと、これまでの議論はかなり吸収できるのではないかと思うのですが。
○神野委員 先ほど清水先生がおっしゃった都道府県の役割は、 11 ページの課題の所に調整能力を強化すべきと、少し書いてありますよね。これでいいかどうかというのはまた別の問題ですが。それから、今の病院群の話で、非公開で前回までやって来た中で、基幹病院で何年かいない病院に関しては取消しということがあったわけです。協力病院に関しては、受け入れの実績等に関しては何ら制限をかけていないわけですよね。本当に動いているかどうかという実態は、少し見る必要があるのかなという気がします。
昨今の病院群の範囲の話ですが、今説明があった中では、「二次医療圏又は同一の都道府県」という文言があります。実態として、先程来問題点として出てきますように、非常に広範囲にやっている所がたくさんあります。しかし、都会の病院で地域医療としてへき地医療を経験させる、あるいは災害地の医療を経験させるということで、地域医療研修として協力病院を設けている実態もあるわけです。そこといわゆるチェーン病院における北海道から沖縄まであちらこちら回るのと、何か区別する方策はないのかと思えてなりません。そうすると、都道府県を離れるとか、少なくとも地域から離れて余所へ行くときには、例えば地域医療研修を主とするといった制限があっても、もしかしたらいいのではないかと思います。
○吉岡委員 神野先生の御意見ですが、私はこれまで審査をしてきた中で、誰が見てもあれは申請者がこれだけ多くの病院で研修させると思ってるとは思えないわけです。彼らも解っているわけです。ということは、これまでこういう申請の仕方をしている限り、今後もそれを続けなければならない、新しく追加申請するときも全部記載しなければならない、減らすことは出来ないという前提を、この申請は求めているのではないかと、思い込んでいる可能性もあると思うのです。ですから、書き方の上で、確実に、あるいは強く研修の可能性がある協力病院のみの記載が前提であるということを言ってあげたほうがよいと思います。彼らも何もあれだけ書かなければいけないと思っているとは思えない節もあります。
○桐野部会長 そのほか、いかがでしょうか。
○河野委員 今の御議論に全く賛成なのですが、大学病院などでもかなり協力病院が全国に広がっています。かつ、私も大学病院にいたときの目線で言いますと、やはりその中に少し離れていても、いわゆる研修医が行きたいなと思うような名前の病院が入っていると、実績とは別で研修医が来るのですよね。ただ、実績はゼロかというと、評価のときに、例えば毎年行っていなければ駄目だとなると、これは例えば大学病院などの人数や研修医等を考えると、あれだけの人数は絶対無理ですよね。量的な評価の案配が、実績を評価するときに結構微妙となります。 2 、 3 年に 1 回行っているのか、あるいは毎年はまずあり得ないと思いますから、そういうものまで切っていくと、もともとの病院群の理念にまで影響してきてしまうところがあるのかなと。考え方として、病院群の実績重視で、実際やれる研修、それも平常的な研修の中で、その他病院群はあるべきと考えるのか、それとも病院群というもっと根本的な可能性を踏まえて病院群を考えるのかによって、全く組立て方が違ってしまうと思います。今言ったような評価もですね。その辺りのところを今まで私も聞いていないので、もしここの書きぶりを考えるのであれば、そのようなことを踏まえた議論が必要かなと思います。
○桐野部会長 今、何人かの先生が言われたことについて、今までは病院群の中の協力病院の評価は、具体的にどうなっていましたか。
○國光医師臨床研修専門官 今の施行基準上は、基本的に基幹型は 3,000 人以上であるとか、基幹型で 8 か月以上研修するという外形的な基準は幾つかあります。協力型に関しては、基本的には基幹型を中心とした病院群の中で評価をする。具体的には、症例数が救急患者が何千人以上病院群にいるなどの評価になっていますので、協力型のみで何か絶対的なこれがあるということは、もちろん医療安全等のスペックは前提にはなるのですが、特に明確な外形基準があるということではありません。
○桐野部会長 それを、より具体的にこの報告書案の中で文言にするというのは、例えばどのようになりますか。
○中島委員 来年から、病棟機能報告の制度ができてくるわけですよね。これを、協力病院についての条件を付けるに当たっての何らかの方策にしていく。まだ、はっきりしていないものを使えるかどうか分かりませんが、難しいでしょうか。事務局が難しいと言われていますので、取り下げます。
○桐野部会長 今の件は私も部会長としてどうまとめるのか難しい。委員の先生方にも少し考えていただいて、次回以降に回しましょう。
○田村医師臨床研修推進室長 10 ページの見直しの方向に、その議論に関して、「協力型研修病院については、研修実績も十分に考慮し病院群を構成する等、現実的な内容とすることが求められる」という記述がありますので、これを更に、もし書き換える、あるいは詳細にする必要があるのであれば、これを前提にして御意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小川委員 理念になってしまうのかもしれませんが、今お話をいただいた○の上の所に、地理的範囲等を書いていただいているわけです。この中に、臨床研修病院群はどうあるべきかについては、「地域で連携して医師養成、良医を養成する観点なのだ」ということがどこかに入らないと、理念が抜けてしまっています。ただ単に、二次医療圏でどうのこうの、あるいは生活圏を同じにするのならば、県境を越えてもよろしいと。これは、まさしくそのとおりなのですが、基本的な理念としてはやはり地域で医師、良医を養成するためにやっている臨床研修病院群の促進なのだということがどこかに入らないと、画竜点睛を欠くのではないかと思います。
○桐野部会長 同一の二次医療圏又は同一の都道府県にあることが望ましい、あるいはそれに準ずることが望ましいと。他県の非常に隣接した場所が基本ですよということを少し言った上で、それでもなおかつ遠い所に研修医を派遣するような場合には、また個別の説明責任は向こうにあるのだということを分かるような文章を入れますか。
それは、決して無理なことではなく、頭から遠隔地の研修が駄目だと言っているわけではなく、十分実りのある研修ができるシチュエーションでプログラムが組まれているのであれば納得できますが、ただやみくもにいろいろな所にネットワークを張り巡らせるのは、少しいかがなものかということだろうと思うのですが。
○神野委員 賛成です。飽くまでも、協力型というのは、基幹型の補完代替をするというか、弱いところを強くするという意味合いで、いろいろな所にメニューづくりをするはずなので、協力型は補完代替機能だというのは、ここでコンセンサスを付けておいたほうがよろしいのかなと思います。
○桐野部会長 今の 9 ページから 12 ページまでですが、次に移りましょうか。 12 ページの「中断及び再開、修了について」「その他」です。「中断及び再開、修了」について今回の中断は、他の施設に移ることを前提とした中断だけではなくて、休めるという仕組みを入れるということだと思います。今日は山下先生が来ていないのですけれども、研究医の養成については、こんなものかなと思うのです。
○吉岡委員 大学の立場から申しますと、臨床研修期間といえども研究医の養成も考慮していくというのは、とても大事な視点です。研究医は、おおむね大学院教育・研究が中心になると思われます。所管の文部科学省の立場、あるいは大学独自のプログラム、 GP 等のプログラムが文科省に採択されて工夫しているという実態があります。その点に及ぶような話までは、この部会では無理な話であろうと思いますが、優秀で意欲的な臨床研修医の場合に、研究に一定の時間を割くことについての可能性とか、ある種の余裕を考えているということは、これまでの議論の中での大事な視点であったと思っています。
○桐野部会長 これは結構難しい。初期臨床研修制度の基本精神から言えば、全国単一プログラムで、 26 歳までは基本的診療能力の養成に全力を注いでそこまで行きなさい、そこから先は自分で道を考えなさいという方向なのです。しかし研究を志す一部の方にとっては、それだけではもう両方できないというところがある。では、片方はいい加減でいいかということについては、いい加減でいいというのは絶対に言えない。それについては各大学でいろいろ工夫をして、それなりのプログラムをお考えいただいて、あとは大学の御判断を信頼するという言い方しかできないですね。つまり、それぞれの大学の研修プログラムでは、初期臨床研修を修了せしめる義務があるわけです。また一方で、大学としては医学部出身の研究者が足りないだけではなくて、もう教育者が養成できないというゆゆしい事態ですので、それはそれで別問題だというように、涼しい顔をしているわけにはなかなかいかないと思いますけれども、どうでしょうか。
○小川委員 もう 1 点やるとすれば、今の大学の医学部学生は、大学を卒業して国家試験を通ったら、初期臨床研修をやらなければならないという常識になってしまっているのです。例えば大学を卒業してから基礎医学に行って研究をして、学位を取った後でマッチングに参加してもいいというプロパガンダを、個々の大学で言ってもなかなか学生には効かないのです。そういう話はしているけれども、そういうものがなかなか浸透していかない。そうなると、やはりもうちょっと上の組織から、例えば臨床研修制度をやっている厚生労働省から、そういうメッセージを在学中の学生に与えるようなことはできませんか。
○桐野部会長 それは現状でも十分可能ですね。
○田村医師臨床研修推進室長 厚生労働省のホームページに、研修医を希望する方にという Q&A みたいなものがあって、研究を志している人、今は臨床研修をやらないで、診療に従事したくなったらやるということでも結構ですというのはうたってあります。
○小川委員 書いてあるでしょうけれども、結局は学生がそれを見ていないのです。ですから強力にそういうものをプロパガンダするようなパンフレットを、厚生労働省でお作りになって、各大学の学生に周知するように出していただければ。
○桐野部会長 それは各大学でも十分可能ではないですか。
○小川委員 各大学でもやっているのですけれども。
○桐野部会長 やっているのですか。
○神野委員 厚生労働省は医系技官の募集のポスターをいっぱい貼ってありますから、同じようなことかもしれませんね。これはワーキンググループの時代からのそもそも論ですけれども、やはり研究医を増やすときは、処遇の問題を解決すべきだということがまず第 1 ですし、臨床研修が終わってから研究医になったらアルバイトができるけれども、先に研究医に行ってしまうと、アルバイトもできなくてどうするのかという生活の問題が耐えずあるわけです。ですから、やはりその辺のところの解決が大きいのではないかと思います。
もう 1 点は全く別の視点です。今、医療機関は広告規制があって、過大広告をすると叱られるじゃないですか。しかし臨床研修医募集に関しては、結構過大広告が横行しているわけです。これは研究医のところにも関わってくるのです。ある大学では、当大学の臨床研修プログラムを通ったら、大学院に同時に行けるから、医学博士が 2 年早く取れると。それを広告されるのは、やはりいかがなものか。それは本末転倒で、研究医を作るのと違うはずです。これは研究医だけの話ではないですけれども、広告について何らかの規制というか、「ちょっといかがなものか」ということを言うような機能は必要なのかなという気がいたします。
○清水委員 私も、昨今の学生は昔に比べたら、基礎研究に行かれる数が少ないのはすごく危惧していて、前にも申し上げました。ただ学生たちと話をしていると、自分の一生のどこかで試験管を振る期間があってもいいと思う方はいらっしゃるのです。どこかの議論で、卒後 2 年たったのでは too late であるという議論がありましたけれども、今でも大学の中で、そういうシステムを作ってくださっているとは思いますが、やりたいと思っている方たちに、それができるということをどこかできっちりと、もっと大々的にプロパガンダするのは、確かにいい方法ではないかと思います。このシステムの中で考えると、研修期間中も研修を中止して、また再開できるというようなことをうたうのは、とてもいい方法ではないかと思います。そういうことに今の若者たちは敏感なのです。
うちの病院では、臨床研究で社会人大学院を非入局でできるという方策を採っていて、それをホームページに広告しているのです。もちろん 3 年目以降ですけれども、そういうものを見て、「研究をしたい」と言って応募してくる方がおられるので、そういう方たちの気持ちをくむ方法をシステムとして作っておくのは、すごくいいことだと思います。
○桐野部会長 確かに臨床重視で専門医重視という方向は、マジョリティーについてはそのとおりだと思うのですが、米国のレジデントのプログラムも、多くの場合はレジデント 5 年間のうち、 3 か月、 6 か月はベーシックという基礎の研究に行かせる時期もあるのです。ですから、まるで基礎医学なしの医学というのはありませんから、そういう配慮も多少。しかし、これは初期臨床研修の中の問題というよりは、各大学がどう工夫されるかということです。初期臨床研修自体には到達目標があり、基本理念があるわけですから、それに従ってやっていく以外、やり様がないかなと思います。ですから、ここの書きぶりはこの程度かなと思うのですが、いかがですか。
○中島委員 お尋ねしたいのは「見直しの方向」のところだけを書くのですか。
○國光医師臨床研修専門官 報告書がですか。
○中島委員 報告書です。
○國光医師臨床研修専門官 報告書は現状と課題を踏まえての方向性かと存じますので、基本的にはこのような形で報告させていただいております。
○中島委員 現状、課題、見直しの方向ですね。研究医養成との関係も現状、課題で、長ったらしいのです。この 3 つ目のマルとか課題のマルとか。もう少し単純に明快に言ってください。
○國光医師臨床研修専門官 次回以降検討させていただきたいと思います。
○中島委員 お願いです。
○桐野部会長 ちょっと工夫してください。
○河野委員 「中断及び再開、修了」についてです。「柔軟に制度設計を考える必要がある」という文言の中に、女性の出産・育児とか研究・留学という、健康な方々だけのことが書いてあるのですけれども、実際に病気で中断される人もいるわけです。そんなに多くはなくても、コンスタントにはおられます。そういった人こそ、病院を変更して研修を再開するというのは、かえって負担になります。どこにも病気のことが一言も触れていないので、そこを確認させていただきたいのです。これは病気の方も含めて見直しということを、どこかに入れておいたほうがいいのではないかと思うのです。
○桐野部会長 確かに中断以外に休むという選択肢があるといっても、実際にどうするかということについてまでは、ここには書いていないのです。休修を受け入れる場合のことは、各プログラムに多少書いていただくようにする必要があるかもしれませんね。
○河野委員 中断が 90 日以上になることもあるわけです。そうなると、扱いをちゃんと別途考えておかないと。 1 週間や 2 週間ではないものですから。お願いいたします。
○桐野部会長 そのほかにいかがでしょうか。
○小川委員 戻りますが、地域枠の対応というか、医学部定員増との関係についてです。来春は 100 数十人プラスアルファーになるぐらいですから、大した数ではないのです。再来春になるともっと増えて、どんどん、どんどん増えて、 6 年たちますと 9,041 人から 2,625 人引きますから、 1 学年 400 ~ 500 人増えることになるわけです。ですから卒業生はいずれ定員増によって増える。その中で、まさかこのようなことはないと思いますが、国家試験の合格者数が変わらなければ、定員を増やした意味がないわけです。国家試験の合格者が増えれば、今度は臨床研修候補者も増えるということになりますと、その辺の手当がどこかに書かれていないとまずいのではないですか。
○桐野部会長 それはもともとの出発の基数を、その年の卒業見込者をベースにして、きちんと勘案するような仕組みにしないと、何年も前の卒業生を基数にすると、今後どんどん狂ってきます。特にこれから 4 、 5 年の間は毎年毎年の卒業見込者数をベースにして計算するというように。
○中根臨床研修指導官 補足いたします。資料 1 の 6 ページと 7 ページの上を御覧いただければと思います。先ほど来、先生方には募集定員の倍率のお話をいただいたと思います。 6 ページ一番下のマルにありますように、研修希望者に対する全体の募集定員については、 1. 何倍程度にするという記載方法にさせていただいております。この研修希望者というのは、もちろん入学定員の増減によって変わってくる話かと思っております。
○桐野部会長 基数は卒業見込みと言っても難しいので、 6 年遡ったその入学定員数でいくような形になると。それだと非常に確定的な数ですので。あるいは各大学に卒業見込者を出していただくか。しかし、それは難しいのではないかと思いますね。
○小川委員 それは難しい。
○桐野部会長 この学年はとても留年が多かったということは、多少はあるかもしれませんけれども、ほとんど違いはないと思います。ですから連動して考えていくということでいいですか。
○小川委員 それはそれでいいです。まさか国家試験の合格者が変わらないということはあり得ないですよね。
○桐野部会長 それは開けてみないと分からない。とても勉強しない学年というのもあるかもしれない。
○吉岡委員 凸凹はある。大丈夫ですかね。
○桐野部会長 それでは、もう一遍元に戻って全体を通じて何か御意見があるようであれば、この中のどのポイントでも結構ですので、問題、あるいはもう少し検討を要するという点があればどうぞ。
○清水委員 5 ページの「必要な症例」の上から 2 つ目のマル、「研修医 1 人当たり症例数を中心に、必要な症例のあり方については、到達目標を一体的に見直すことが考えられる」という部分です。ここはどういうことをイメージしているのか、どういうものが必要な症例のあり方としているのかという説明が、ちょっと足りないのではないかという気がいたします。ちょっと考えるとコモンディジーズ、基本理念にある一般的な疾病等の部分に相当する部分かと思うのです。その辺をもう少し加えたらどうかと思います。
○桐野部会長 到達目標については、 32 年改定で見直すと言ってはいるのですが、当面は現在の到達目標が有効で、まだそれで行くということですので、それを基に。これは具体的に何を意味するのかというのは。
○清水委員 見直すときの考え方として、必要な症例のあり方というのは何を意味するのか、もう少し注釈というか、説明を加えておいたらどうかと思います。
○桐野部会長 これは、どちらかと言うと今度の見直しについて、こういうことも考えるような方向でお願いしたいということかと思います。
○清水委員 分かりました。
○桐野部会長 ほかにございますか。
○神野委員 繰り返しになりますが、今回、多くの項目にいろいろな諸条件がありますから、先送り的な項目、プログラムや評価などがあるわけです。次の 27 年が終わってからではなくて、もっと早いうちから次に向かっての評価方法を、是非研究していただきたいと思います。
○桐野部会長 今回のワーキンググループでも、結構エクステンシブに、非常に詳しい検討をしておられるのですが、このワーキンググループの中で何をどこまで見直していくかというところまでは、問題点が据えていなかったのです。今回は到達目標を見直すとか、評価について見直すということをあらかじめきちんと決めた上で、今度の 32 年までには是非、改定に向けての検討をお願いしたいと思います。今回については確かに相当議論しているのですけれども、時間的に及ばなかったというのが正直なところだと思います。
○吉岡委員 絶えず議論の中で、評価のあるべき姿ということで、 1 つの基準的な評価、例えば EPOC という言葉が出てきました。私どもの大学病院では 6 、 7 年前のいろいろな議論、その後の EPOC に対する評価から、かなり難しいという印象を持っており、 EPOC は導入しないと考えつつある状況なのです。これまでのあらゆる評価の中で最も確かだったのが、大学の自己点検評価であるという自負があるのです。第三者的に委員がおられても、年に数回、集まって書類を見て評価するというあり方は、幾ら第三者評価という言葉があっても、あまり実態に沿っていない感じがします。
基幹型を中心とした病院群において、評価のための外部の方も入れることになっていますね。ですから、そこがどれだけ自主的に機能して、きちんとした評価が出せるかが重要なのです。できるだけ現場で自らがきちんと自己評価をしていくように強化する方向でどうでしょうか。より強くし、何もかも厚生労働省が調査に出て行って、お墨付きを与えたり逆に取消したりという形は、私は今後のことを考えると厳しいと思っています。
○桐野部会長 今の評価は EPOC の問題ですから、研修医の評価ということになると思います。これは何がしかの標準化があったほうがいいと思います。全国一本でいけるのかという問題についてはやはり。例えば大学病院のグループと基幹的な、総合的な大きな病院と、もう少し小さめのより現場に近い病院と、全部同じでいいかどうかというのは分からないです。ただ本来の精神は、全国一本という基本的な考えなのです。どのような医師であっても、一般の基本的な診療能力は皆必要だというのが基本理念なのです。
大体時間がきました。だんだん煮詰まってきますので、たたき台の原稿ができたら、事前にお送りいただいてはいるのですけれども、もう少し早めに準備ができれば、委員の先生方にも詳しく読んでいただくことができます。それを工夫して、最終的な形にだんだん煮詰めていくということになると思います。何か言い残したことはございますか。それでは次回以降について、事務局からお願いいたします。
○田村医師臨床研修推進室長 次回は本日いただいた御議論を踏まえて、たたき台から更にブラッシュアップして、新しい項目も入れて報告書の素案のような形、「はじめに」とか「おわりに」も加えたような形で、お示しできればと思っております。また、できれば事前に、なるべく早く委員の皆様にも見ていただいて、充実した審議になるようにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。次の会の詳細な日程等は、決まりましたら追って御連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○桐野部会長 それでは、本日の医師臨床研修部会を終了します。ありがとうございました。
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