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2013年7月8日 第6回今後のがん研究のあり方に関する有識者会議議事録

○日時

平成25年7月8日(月)
16:00~18:00

 

○場所

ホテルフロラシオン青山2階芙蓉東
(東京都港区南青山4-17-58)

○議題

1 開  会

2 議  題 
 (1)今後のがん研究のあり方について
 (2)その他

○議事

○岡田推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第6回「今後のがん研究のあり方に関する有識者会議」を開催いたします。
本日は、お忙しい中、また猛暑の中、構成員の皆様方、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
本日の構成員の皆様方の出席状況について御報告いたします。
本日は、野木森構成員、小松構成員から御欠席との御連絡をいただいております。
また、事務局に異動がございましたので、御報告申し上げます。
厚生労働省健康局長の佐藤でございます。
○佐藤局長 御紹介いただきました健康局長の佐藤敏信でございます。
7月2日付で矢島の後にまいりました。実を言うと、第2次対がん、つまり「がん克服新10か年戦略」ができるときに課長補佐をしておりましたので、戻ってきたという感じでございます。この間、考えてみると、ちょうど20年たっているということになるわけですから、余りにも昔のこと過ぎて、ちょっと浦島太郎状態ですけれども、またゆっくり教えていただきながら勉強したいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
○岡田推進官 続きまして、経済産業省商務情報政策局長の富田でございます。
○富田局長 御紹介いただきました経産省の商務情報政策局長の富田でございます。
6月28日付で着任をいたしまして、実は、1年3カ月ほど前までは商務情報政策局の審議官を拝命をしておりました。そういう意味では、しばらくぶりに戻ってまいったということでございますが、がんの関係は直接担当させていただいたことはございませんでした。いろいろ勉強させていただきながら、経産省として、やるべきことをしっかりやってまいりたいと考えております。どうかよろしくお願い申し上げます。
○岡田推進官 続きまして、厚生労働省審議官の牛尾でございます。
○牛尾審議官 6月1日付で審議官を拝命した牛尾と申します。
この直前に国立がんセンターの理事長特任補佐として6カ月間、在籍させていただきました。それは今日のこのがん研究のあり方につなげるべくということで配置されたと理解しています。どうぞよろしくお願いいたします。
○岡田推進官 続きまして、厚生労働省健康局がん対策・健康増進課長の椎葉でございます。
○椎葉課長 7月2日付でがん対策・健康推進課長を拝命いたしました椎葉でございます。
よろしくお願いいたします。
○岡田推進官 続きまして、文部科学省大臣官房付の阿蘇でございます。
○阿蘇大臣官房付 阿蘇と申します。
7月10日付、あさってですけれども、研究振興戦略官に着任予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○岡田推進官 続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元にお配りをさせていただいております資料の御確認をよろしくお願いいたします。
まず、座席表、議事次第のほか、資料1といたしまして「第5回有識者会議等での主なご意見」。
資料2「今後のがん研究のあり方について(報告書案・暫定版)に対する『がん対策推進協議会』からのご意見」。
資料3といたしまして「今後のがん研究のあり方について(報告書案)」でございます。続きまして、資料4「今後のがん研究のあり方について(報告書案)におけるキャッチフレーズについてのご意見」でございます。
また、参考資料1といたしまして、本有識者会議の開催要綱をおつけしてございます。
また、構成員の皆様方には、事前に資料3の報告書案について御確認をいただいて御意見をいただいておりました。構成員の皆様方に事前共有させていただいた版からの見え消し版もお手元にお配りをさせていただいております。御参考いただければと思います。
また、これまで同様、これまでの会議資料につきましては、ファイルにとじた形で机上配付をさせていただいております。こちらもあわせて御参照いただければと思います。
以上でございますが、資料に不足、乱丁等ございますでしょうか。ございましたら、事務局までお申し出ください。よろしいでしょうか。
それでは、以上をもちまして撮影のほうは控えていただきますよう、お願いいたします。
以後の進行を堀田先生、よろしくお願いいたします。
○堀田座長 皆様、こんにちは。きょうはちょっと手狭で、和気あいあいと顔を突き合わせて議論ができる最後のチャンスと思います。きょうで一応、取りまとめをさせていただくという方針でおりますので、最後にいろいろ皆さんから御意見をいただきたいと思っております。
それでは、早速議事に入りますが、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○山下課長補佐 それでは、事務局より資料の説明をさせていただきます。
まず、資料1をごらんください。資料1としましては、前回の会議であったり、その後、構成員の先生方からいただいた主な御意見としてまとめてございます。ここは代表的なものを御紹介させていただきます。
まず、1ページ目、一番下の「全体について」というところの3つ目ですが、本報告書にて研究の具体的内容についての目標設定を行うのではなく、各研究事業や研究課題等で個別の明確な目標を設定することの必要性について、報告書に明記してはどうかといった御意見。
そして、2ページ目では、「新たながん研究戦略の位置づけについて」というところの1つ目ですが、「研究戦略」における見直し規定については具体の記載を行うべきという御意見。
そして、中段に移りまして、「求められる研究について」の「これまでの成果」のところですが、これまでの具体的研究成果について記載をしておりましたが、何々が開発された等のoutputの記載が多く、成果をさらに整理をして、患者に届いたoutcomeについて記載をするべきといった御意見。
そして、飛びますが、4ページ目の下の段でございますが、「研究の効果的な推進のための基盤について」という項目の1つ目で、研究のマネジメントに関する記載を充実させるべきであり、「研究全体のマネジメントなど、各省連携した管理体制が重要」という記載を追加してはどうかといった御意見。
そして、5ページ目の一番上になりますが、「研究の効果的な推進のための基盤について」というところで、難治性がんについての記載が抜けておりましたので、こういったところに「RTR(Reverse Translational Research)の環境整備」等の項目を追記してはどうかといった御意見があったかと思います。
続いて、資料2をごらんください。前回会議の後、6月19日にがん対策推進協議会が開催されまして、前回の本有識者会議で用いた資料について御報告をして、御意見をいただきました。簡単に紹介をさせていただきます。
まず、求められる研究の事項についてですが、1つ目、2つ目、そして6つ目のポツにあるように、治療の副作用対策であったり、支持療法に関する記載、そして、がん教育に関する研究の推進について充実させる必要があるのではないかといった御意見をいただきました。
また、その下の7つ目、8つ目ですが、小児がんの研究に関して、「就学など社会的問題について社会の理解を得るための普及・啓発等に関する研究」であったり、「緩和医療の研究」、そして「終末期の小児がん患者及びその家族のための支援、及び、最適な環境整備に関する研究」等について追加してはどうかという御意見をいただきました。
そして、高齢者のがんについてですが、認知症等の併存疾患を考慮した研究であったり、「安らかに最期の日々を送れるための看取り」に関する項目が重要ではないかという御意見をいただいたところでございます。
そして、裏を見ていただきますと、2つ目、3つ目の○で、就労の問題について、患者目線での社会的問題と企業目線での支援負担の両面理解からの研究が必要ではないかといった御意見や、企業アクションの活用、拡大に向けた研究といった御意見をいただいたところでございます。
また、1ページ目に戻りますが、4つ目、5つ目の○といったあたりで、踏み込んだ、一歩進んだ考え方として、障害者のがん検診やがん治療についての研究であったり、患者の立場からは高額医療対策についても言及することが必要だと考えるといった御意見をいただいたところでございます。
資料2に関しては以上です。
こういったことを踏まえまして、資料3を作成させていただいております。先ほど紹介させていただいたように、資料3については、6月28日に構成員の先生方にその時点のバージョンを共有させていただきまして、追加、修正の御意見をいただいたところでございます。前回の御意見で段落ごとに○でくくったような記載をしていたところですが、それを文章にすること、そして項目立てを明記して行うことといった御意見を踏まえて記載をしております。
「今後のがん研究のあり方について(報告書案)」といたしまして、まず「はじめに(「基本計画」に基づく新たながん研究戦略)」といったところで、がんの現状について記載を行うとともに、これまでの3つのがん研究戦略の経緯について記載をしております。
1ページ目の下の段では、3つ目の戦略の間に基本計画が策定されまして、現在、この1ページ目の下の3つの基本計画の全体目標に沿ってがん対策というのが進んでいることについて記載をしてございます。
そして、2ページ目をめくっていただきますと、黒く四角で囲っている項が2つありますが、これは「がん対策基本法」、そして「がん対策基本計画」におけるがん研究の位置づけについて、そのまま記載するという格好で掲載をさせていただいております。
そして、2ページの下から2つ目の段落ですが、平成26年度からの新たな「がん研究戦略」については、「基本法」「基本計画」を踏まえ、我が国全体で進めるがん研究の今後のあるべき方向性と具体的な研究事項等を明らかにし、がん対策の推進を一層加速させることにより、「基本計画」で掲げられた先ほどの3つの全体目標の達成に資する必要があるというふうに記載をしております。
続いての段落で、こういったことを踏まえて、本有識者会議を設置し、3ページ目に移りますが、計6回の検討を行い、以下の提言を取りまとめたという形で続きの記載へとつなげております。
そして2番ですが、今後のあるべき方向性として「目標とするがん医療と社会の姿」を記載してございます。ここで、国民の立場から、どういったがん医療と社会の姿が求められるか、そして、そのためにどういう研究を進めていくべきかというような議論の展開でして、今、がんと闘い、ともに生きる患者とその家族にとって共通の思いは、まず第1にがんの根治であるということから、5行目に移りますが、がんによる死亡者数を減少させるために、アンメットニーズの高い難治性がんの根治を目指すことの重要性について改めて認識する必要がある。その後、がんの死亡率を低減するための治療法の開発であったり、ドラッグラグ、デバイスラグの解消について求められている旨の記載をしてございます。
そして、2つ目の段落からは、がん患者とその家族は、がんと闘い、ともに生きる中で、同時に身体的苦痛を初めとするさまざまな苦痛とも闘っている。こうした苦痛の軽減について取り組む必要がある。そして、そのためには、低侵襲な診断法、治療法の開発等であったり、診断のための検査や根治を目指した治療に伴う苦痛が少しでも軽減されること、そして、がんそのものによる苦痛を軽減するための治療法が開発されることなどが求められるといった記載をしております。
そして、次の「また」からの段落ですが、がん患者とその家族の苦痛を軽減するためには、多様化するニーズに対応することが求められており、また、ニーズというのは、小児、働く世代、高齢者等のライフステージであったり、また、個々のがんの特性というところで異なってくることが予想されるため、今後はそれぞれのニーズに応える医療と社会の実現を目指した研究を推進することが必要であると記載をしております。
続いて4ページに移りますが、こういった根治を目指した治療法、苦痛軽減のための治療法に加えて、3つ目の段落になりますが、さらに我が国が直面している高齢多死社会において、がんの予防、早期発見の取り組みが重要である。
予防、早期発見に関しては、日常生活においても、誰もが簡易に実践できる予防法が普及するとともに、最先端の科学技術により、個人が自己の発がんリスクについて把握することができ、リスクを低減するための対応策をみずからの判断で実践できる社会を構築することが求められる。また、特に働く世代を中心として、科学的根拠に基づくがん検診にアクセスできる環境を整えることが求められる。
続いて、国民ががんの疫学や予防、早期発見、診断、治療等に対する正しい知識を持って、自分のこととしてがんを捉えて、予防、早期発見に取り組むとともに、自分や家族ががんになっても適切な情報をもとに価値観に応じた療養生活をマネジメントできる社会を構築することが重要である。
なお、その際提供されるがん治療について、経済的視点も含めて、がん患者とその家族のニーズがどの程度満たされるかが社会全体で共有されることも重要であるという記載をしてございます。
そして、こういったことを踏まえて、5ページ以降、具体的な研究事項等としまして「わが国において推進すべき研究」をまとめてございます。
(1)といたしまして、これまでの研究成果ということで、1つ目の段落の後、「具体的には」というところで、以下の項目を記載しているところでございます。
続いて6ページに移っていただきますと、これを受けて、現在残っている課題ということになりますが、こういった第3次対がんの取り組みにより、がんの年齢調整死亡率は低下傾向にあり、おのおのの臓器別に見ても、膵がん、直腸がん、女性では肺がんや卵巣がんでは横ばいが続くものの、多くのがんで死亡率は減少に転じている。しかしながら、罹患率というのは、粗罹患率、年齢調整罹患率とともに、その度合いは鈍ってきているものの、増加傾向が続いており、激減への傾向は認められない。このことから、研究を含めたがん対策は全体として功を奏してきている部分はあるが、「第3次対がん10か年総合戦略」で掲げた「がんの罹患率と死亡率の激減」というテーマが達成されたとは言いがたいというふうに総評いたしまして、6ページ目の中段からは、がん医療の開発につながる研究については、以下のようなことが課題として挙げられる。
そして、7ページの中段からは、がんの予防・早期発見につながる研究については、以下のポツの項目が課題として挙げられる。
そして、7ページの下の段落からは、充実したサバイバーシップを実現するための社会環境整備であったり、政策につながる研究に関する課題の記載をしているところでございます。
8ページに移りまして、中段ですが、4行の段落で、国際的な視点からの課題として記載をしております。
そして、8ページのその次の段落でありますが、研究全体に関する課題であったり、研究の基盤整備につながる課題として、研究の実施体制であったり、人材育成に関する事項について記載をしてございます。
そして、9ページ以降が(3)求められる研究として、具体的研究事項等、具体の項目についての記載をしているところであります。
1つ目の段落ですが、これまで「第3次対がん10か年総合戦略」において取り組んできたがんの死亡率を減少させるための治療法開発について、これは今後もより一層強力に推進することが必要である。こういったことに加えて、患者とその家族のニーズに応じて、患者の負担を軽減した低侵襲な治療法であったり、苦痛を軽減するための治療法の開発に新たに取り組むことが求められる。さらに、予防と早期発見に関する研究に今まで以上に取り組むとともに、これまで取り組んできたがん患者のQOLに関する研究から一歩進んで、社会のあり方といったことも含めた、充実したサバイバーシップを実現するための研究に取り組むことが求められると記載をいたしまして、具体の項目分けをしております。
ここでは(1)から(8)まで分類をしておりまして、まず(1)ですが、がんの本態解明に関する研究ということで前段の文章を記載しておりまして、9ページの下からは、7項目にわたって具体の研究事項を記載しているところです。
(2)ですが、アンメットメディカルニーズに応える新規薬剤開発に関する研究として、11ページの上段になりますが、①から⑥の具体的研究事項を記載しているところでございます。
(3)については、患者に優しい新規医療技術開発に関する研究としまして、11ページから12ページにわたって6項目の具体的研究事項を記載させていただいております。
(4)ですが、新たな標準治療を創るための研究といたしまして、①から④の具体的項目を記載しております。
(5)ですが、ライフステージやがんの特性に着目した重点研究領域といたしまして、1)から4)について記載をしております。まず、小児がんに関する研究として4つの具体的研究事項を記載するとともに、2)では高齢者のがんに関する研究として具体的事項をまとめてございます。3)は難治性がんに関する研究、4)は希少がん等に関する研究として、それぞれの具体的研究事項をまとめてございます。
(6)に移りますが、かんの予防法や早期発見手法に関する研究として、下段の①から④についてまとめているところでございます。
(7)は、充実したサバイバーシップを実現する社会の構築をめざした研究といたしまして、①から③の記載。
そして、最後の研究項目になりますが、新たな医療の普及とがん対策の効果的な推進に関する研究として、前段の記載の後、①から⑦の具体的研究事項を記載させていただいております。
18ページに移りますが、大きな4番「研究の効果的な推進のための基盤」といたしましては、まず、黒枠で囲った記載といたしまして、昨年6月に閣議決定された「がん対策推進基本計画」にこのような記載がなされているところであります。
19ページの黒枠の次に移りますが、今後、大きな3番に記載したような具体的な研究事項の研究を推進していくに当たって、この黒枠の中のような基本計画において掲げられた研究基盤の整備についても、以下の視点から一層進めていく必要があると記載をしまして、まず、19ページの下の段落では、研究推進体制の整備について記載をしております。
続きまして、20ページですが、「国民との協働」ということで、国民が参画できる研究のあり方についての記載をしているところであります。
次の段落では「がん研究者の育成」と題しまして、研究者の人材育成に関する記載をしております。
そして、次の段落からは、さらに、個々の研究を効果的に推進するためには、それぞれの研究分野の特性に着目した以下の基盤整備が求められるということで、20ページの下の段落では、新たな予防法や早期発見手法の開発のために求められる基盤について、そして21ページに移りますが、個別化治療の実現や、創薬・育薬推進のための基盤について、そそして標準治療の開発に不可欠な多施設共同臨床研究推進のための基盤について、そして小児がんに関する研究推進のための基盤、高齢者に関する研究推進のための基盤、難治性がんに関する研究推進のための基盤、22ページに移りまして、希少がんに関する研究の推進のための基盤、そして政策研究の推進のための基盤といった形で具体の研究基盤の整備の項目を記載をしているところでございます。
そして、最後、「5.おわりに」と題しまして記載を続けております。新たに策定される「がん研究戦略」は、各研究において得られた成果を臨床現場まで届けるには一定の期間が必要とされることを踏まえ長期的方向性を明らかにするため、10年を想定して進められることが望ましい。しかし、がん研究の進捗状況であったり、国内外のがん研究の推進状況の全体像、がん患者を初めとする国民のニーズ等を正確に把握した上で、「基本計画」の見直しも踏まえて、「がん研究戦略」の中間評価と見直しを行うことが必要である。
そして、がん研究全体として、長期的視点を持って研究成果を産み出すためには、産官学が一体となって「がんの本態解明研究」と「実用化をめざしたがん研究」とが一体的融合的につながり、推進されることが必要である。また、原因究明・本態解明の研究においては、単なる分子や細胞の研究ではなく、あくまでも疾患研究であるという視点、また、単にがんのみを見るのではなく、ライフステージを初め、患者を全人的に捉える視点を堅持して進める必要がある。そのような戦略的な基礎研究と臨床・公衆衛生研究、政策研究のそれぞれをつなぐため、そして、これらの研究と国や自治体の施策、さらには国民の健康増進行動とをつなぐための基盤を戦略的に整備し、各分野の研究や取り組みが一体となって進められることが重要である。そのためには、各省にて進められるがん研究が明確に切り分けられるのではなく、共通の目標に向かって一体的かつ融合的に連携をとりながら進められる必要がある。
また、新たな「がん研究戦略」に基づいて進められる研究は、国民の視点に立って、これまでのがんによる死亡率の減少に加えて、がん患者とその家族のニーズに応じた苦痛の軽減といった観点を重視し、研究者間でもこういった認識を共有した上で推進される必要がある。
加えて、各研究事項等において目標設定を常に明確に行うとともに、その成果を国民の視点を含めて客観的に評価し、その評価結果を適切に次の課題設定に還元することによりPDCAサイクルを構築し、限られた研究資源を有効活用して最大限の効果を産み出すことが求められる。
今後、「基本計画」にて掲げられた全体目標の達成へ向けて、省庁連携のみならず、産官学連携を確保した上で、必要な研究資源が確保され、総合的かつ計画的に推進されることが求められると記載をしております。
そして、最後のページですが、今後のがん研究のあり方についてということで、報告書案に記載したような内容を1枚の概要版にまとめたものをつけさせていただいております。
以上です。
○堀田座長 ありがとうございました。
前回会議から、がん対策推進協議会が開かれて、そこでも御意見いただいていますし、この間、メール、あるいは直接事務局がお会いして、先生方からさまざまな御意見をいただいたものを、それぞれバージョンを変えて、恐らく10回ぐらいは改変してきただろうと思いますが、お手元のものが最終的に本日の段階でまとまったものでございます。前回の見え消しのものは、構成員の手元にはありますけれども、その前の有識者会議で出したものと比べると、随分変わっているという状況でございます。
本日は、これに基づきまして御議論いただくわけでありますが、先般、協議会で出したときにも、患者委員を中心にいろいろ御意見もいただいています。門田会長からその辺の議論を御紹介いただけませんか。
○門田構成員 先月の19日に、新しいメンバーとすれば初めてのがん対策推進協議会が開催されました。その席に、前のここで配られたもの、その前の段階のものが資料として渡され、それについて委員の皆さんから意見を頂戴したというものが、先ほど事務局から御報告のありました資料2であります。これは、内容的なこと、あるいは位置づけということ、全体的な説明をさせていただいた後の流れの中でのあれよりも、文面に対しての御意見を頂戴したということでございます。
そのときのインプレッションとすれば、新しい患者代表者が5人ふえまして、患者会員の人たちが非常に活発な御意見を述べられたということなのですね。患者さんたちは、ここで見ていただいたらわかりますけれども、がん対策推進基本計画の内容を研究的に進めていくというふうな捉え方をされました。そういった意味で、基本計画全体に挙げられていることについての研究的な要素を書き込む必要があるのではないかということでございました。基本計画の全体の中の大きな対策と、それから、その中の1つの項目としての研究というふうな位置づけの説明もほとんどなしの話でございましたので、そういうふうな御意見が多かったのかなと思います。
そういった意味で、そこの意見を全て頂戴して、こちらに橋渡しするというのが私の仕事というよりも、皆さんに挙げていただいたものを構成員の皆さんに見ていただいて、それを参考にしていただけたらということでございます。そういった意味において、少し整理をするというのか、がん対策基本計画的なことについての御意見を多くいただいたと思いますので、そのあたりを研究の中にどういう形で加味するかということは、じっくり読めば、その内容としては、幾つかのところは入っておるのではないのかなと思っております。そういった意味で、私、きょうは、こういう御意見がございましたということで、それ以上のこととして御報告するものではないのかなと思っております。
以上でございます。
○堀田座長 ありがとうございました。
この会議は患者代表の方は眞島さんしかいないという状況で、協議会のほうにはもう少しおられましたし、その間にも、国立がん研究センターとしては、患者会の御意見も伺って、それを反映すべくやってまいりました。きょうは全般を通じてお話を得たいのですが、これまで5回の議論と、それから、その間もいろいろな情報交換をしながらやってまいりまして、大筋のところが大体、共通認識ができてきたのかなと思っている次第であります。きょうは資料3に基づきまして、何か追加の御意見とか、あるいは全般的な感想も含めてで結構であります。特に医学やがん研究にそれほど専門でないという方からも、ぜひ御意見賜ればと思う次第であります。いかがでしょうか。
まずは、専門的な話をし出すと発言しにくくなりますから、余り専門でない立場で結構ですので、せっかくの御参画の方に御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。例えば、南さんとか、道永さんは専門家でないとは言えないですね。上谷さん、いかがでしょうか。どうぞ。
○上谷構成員 報告書をいただいて、私どもはいつも活動団体として動いておりますので、こういう研究テーマを発表された暁に活動していくという、そういう方向なのですが、これをいただいたときに思いましたのは、よくわからないのですけれども、予防というエリアが、今まで1次予防という表現をしてあったのが、予防という形で大きくなったのではないか。その中には1次予防もあるし、2次も3次もあるのではないか。その辺から考えると、予防法を考えるという形になっているのですが、予防と早期発見というのは、予防のほうが1次予防より先なのではないだろうかというところで、では、公衆衛生的な部分での予防対策をどのように研究していったらいいのだろうかというところを疑問に感じております。もちろん死亡率が一番多くなっているわけですけれども、その数値にならないような1次予防の対策が大事だと思っておりますし、特にこの中では、読みますと、予防については、生活環境面で見ますと、たばこと飲酒という形が出ておりましたけれども、全般の食習慣、生活習慣というところをもう少し研究しながら、こういう形でというふうにしたらよろしいのではないかと思いますし、「健康日本21」で言っておりますたばこというところの捉え方と、この有識者会議の中でのたばこという捉え方は若干ずれがあるのではないかなというふうにして文章を読ませていただきました。
○堀田座長 ありがとうございます。
南さん、いかがでしょうか。
○南構成員 私も、非常に幅の広い話を、このように複数回の推敲を経て、非常にわかりやすくまとまってきたと思います。大きなことで言えば、これまで気になっていた点は、2枚紙の資料1で先ほど挙げていただきましたけれども、1ページ目の一番下にあった、この報告書で具体的な目標を何か設定するのか、そうではなくて、各研究事業や、それぞれの課題に個別に目標を設定することの必要性をうたうのかということは、かなりこの報告書の位置づけは違いますので、そこがはっきりしたということは非常によくなったと思うことと、それから、これまでの成果のところで、これをやった、あれをやったと、いろいろあったのですけれども、それでどういうふうになったのかというところが非常に整理されてよくなったという意味で、私は、全体として非常に読みよく、わかりよくなっているという印象を受けます。また後ほど、もし気がつけば御指摘させていただきますけれども、大きいところではそこが非常に読みよくなったなと思います。
○堀田座長 ありがとうございました。
そのほかにも御意見、自由にいただければと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。
○門田構成員 1点、気になると思ったのが、がん対策推進協議会、あるいは基本計画との関連において、今回、皆さん御存じのように、基本計画の中では、緩和ケアを「診断時から」という表現をあえてしてきている。その中には2つの意味があると私は考えているのですが、1つは、身体的な苦痛、あるいは治療に伴う云々ということではなくて、それより前に、がん告知から含めて考えていく、そういう緩和ケア的な精神を持って患者を診るのだということと、それから、「緩和ケア」という単語を使う限りにおいて、いつもターミナルケアと間違えられるということ、これは大きく社会にアピールするべきではないかと、こういうディスカッションがあって、あれになったのですが、今回、例えば、3ページの20行目を見てみますと、「がん患者とその家族はがんと闘い、ともに生きる中で同時に身体的苦痛をはじめとする様々な苦痛とも闘っている。」と、「様々な」というのが追加になっているのですが、その後を読んでみて、「こうした苦痛の軽減には、低侵襲な診断法、治療法の開発等により、診断のための検査や根治を目指した治療に伴う苦痛が少しでも軽減さるとともに、がんそのものによる苦痛を軽減するための治療が開発されることが求められている。また、こうした治療の前後で家族全体での生活の質が」云々と書いていますが、ここの文章も、身体的苦痛ということがメーンに書かれているような気がするのですね。
それと、次のページの5行目に「一方で、根治が困難な状況では緩和的治療が適切に実施され、いずれの場合も日常生活を大きく変えることなく、体への負担」云々、こういう文章になっていますので、基本計画の精神と、何か表面的に少し身体のほうに偏り過ぎているような感じがするので、ここをちょっと修文したほうがいいのかなと。今ごろ言って申しわけないのですが、そのつもりで読み直したら、こう感じましたので、よろしくお願いしたいと思います。
○堀田座長 ありがとうございます。
全人的なという視点でもう少し整理する必要があるという御指摘かと思います。ありがとうございます。
そのほか、お気づきの点はいかがでしょうか。細かいところに入り込んでしまうとなかなかまとまりませんので、大づかみなところで、考え方はどうなのかというところで皆さんのコンセンサスを得られればと思う次第であります。
眞島さん、いかがですか。
○眞島構成員 最初のバージョンから比べますと、見違えるように、非常に整合性もとれて、読みやすくなったなという印象があります。特に懸念していましたのは、門田先生もおっしゃっていましたけれども、協議会で策定された新5カ年がん対策推進計画との整合性がきちんととれた形でもってがん研究がなされるのかどうかというところでしたが、これを読んでいただくと、研究者の方も、今のがん対策基本法、それから、がん対策推進計画ががん研究に対して何を求めているのかというのが非常にわかりやすく書かれている。
それから、文章の書き方なのですけれども、今、患者はどういう思いでがん治療に当たっているのかということを冒頭に持ってきていただいています。がん患者には、がんの根治を先生方には目指していただきたいという願いがあります。それをきちんと書き込んでいただいたことは本当にありがたいなと思って、お礼を申し上げたいと思います。
以上です。
○堀田座長 ありがとうございます。
それでは、別に専門家と指定するわけではありませんが、自由に御発言いただきたいと思います。
野田先生。
○野田構成員 途中、大きく項立てが変わったところで、1と2に大きく分かれていたり、そういうときに、ちょうど切れ目によく来ていたのが予防なのですね。予防が大きくなったり、2つに分かれたりしていて、今、ここに来ているので、特に言葉が括弧に残っているのは、(6)がん予防法や早期発見手法に関する研究というところに、タイトルとしては予防が残っているので、整合性がとれる限り、ここに予防のものは集めたほうがわかりやすいということは間違いがないと思うのですが、そういう目で見ると、この小項目が①のところでいきなりどどどっと大きい、遺伝情報や感染の有無、疾患罹患というふうに具体例の記述になっていて、先ほどおっしゃられたような1次予防、2次予防、そして診断へというような流れのところがちょっと見えにくいので、中身としては問題ないのだけれども、書き方をもう少し丁寧にしたほうがいいかなと思いました。予防のところ、重要なので、それをちょっと。
○堀田座長 一般的な教科書では、例えば、本態解明、予防、診断、治療をやって、その後のサバイバーシップという流れになるのだけれども、この研究項目の項目立ては、途中で予防というものを1、2と分けて後ろへ持ってきて、その流れが今ここにはあるのですが、基本的には、やはり本態解明とそれに基づく疾患の根治というのが王道で、そこはやはり外せないなと。もちろん予防、あるいは早期発見といったことが今後とても重要になるということで、今までそこの視点が薄かったのを強調してきたと、こういうのが言えると思うのですね。
○野田構成員 そうです。治療をやられている先生に治療が王道だと言われると、ははーっとしか言いようがなくなってしまうのだけれども、これからの王道は予防への道が開かれないといけなくて、その点では、(6)に集まったので、前のほうで、要するに、エビデンスを探したり、マーカーを探したり、技術を開発するというところを、予防のため及び診断、治療のためというのを並べてきているので、前のほうには両方並行して入っているので、一番集まっているここをもう少しわかりやすく書くということで対応できると思うのですけれども、順番としては後ろにあっても構わない。今、先生おっしゃったように、順番はこの位置づけでいいのかなと思います。
○堀田座長 ありがとうございました。
そのほか、御意見いかがでしょうか。米田先生。
○米田構成員 言葉としての確認をさせていただきたいのですが、「がん教育」という言葉が、資料2や、先ほど門田先生が説明されたところにも何カ所か出てくるのですけれども、この「がん教育」というのは、患者に対して正確ながんの治療法や、発症のメカニズムなどをきちっと説明して、将来的には患者が治療法を選ぶような時代を想定している、そういうところまでの教育なのでしょうか。
○堀田座長 どうぞ。
○野田構成員 協議会では、繰り返し、繰り返し、特に前期のときにがん教育のディスカッションが行われました。それは、国民、子供、全てに関するがんの教育です。その中に、今、米田先生が言われたようなものも当然含まれるのですけれども、もっと広いニーズでがん教育を捉えてディスカッションしていたので、そういうものに関する研究はということが、この間のこの質問だったと思います。
○堀田座長 決して知識だけを与えるということではなくて、そういったものを抱えながら生きていくという、生きる意味というような教育にむしろ重点があるのではないかと思います。
南さん。
○南構成員 今、ちょうど言葉のお話が出ましたので、先ほど門田先生が言われました、例えば「緩和ケア」という言葉ですとか、その言葉によって、持つ印象が非常に多様といいますか、同床異夢みたいな言葉があると思うのですね。「がん教育」も、今、はっきりとした定義を伺うと、なるほどと思うのですが、患者への教育のことなのかなと思う方も当然あったりすると思いますので、そのあたりは、せっかくの報告書ですので、何かの形で言葉に関してはまとめていただくとか、そういうことは可能ではないでしょうか。
○堀田座長 ありがとうございました。確かに言葉が、とる人によって違うとか、あるいはひとり歩きするというのは余りよくないので、その辺は必要に応じて何か注釈をする必要があるかもしれませんね。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。中釜さん。
○中釜構成員 がん研究者の人材育成に関して、20ページの基盤のところで書かれていて、がん研究の継続的な推進には人材の育成が重要であると書かれています。そのためにということで、5行目あたりにある、文科省の取り組みとして、がんプロフェッショナル養成プラン、これが非常に大きく貢献しました。特に腫瘍内科医の育成や教育に貢献したのは事実なのですけれども、同時に厚労省の取り組みとしても、対がん推進事業の中で、リサーチレジデント制度というものがあり、そういう人を育ててきたということもあります。、ここは特に省庁の切り分けを主張する必要はないのかもしれませんが、厚労省が取り組んできたものの延長として、例えば、トランスレーショナルを推進するような人材育成などについても、もう少し丁寧に書かれて、厚労省としても取り組んでいくのだという姿勢を示していただけるといいのかなと思います。
○堀田座長 事務局としてはどうですか。
○岡田推進官 どのような書きぶりかということもあわせて検討させていただいて、しっかり記載させていただきたいと思います。
○堀田座長 そのほか、いかがですか。石井構成員。
○石井構成員 資料2の「がん対策推進協議会での主なご意見」で、求められる研究というのをたくさん挙げられておりますけれども、各項目については、一応、今度の新しい報告書案の中には、ある程度は反映させていただいているのでしょうか。例えば、小児がんに関しては、就学の問題、それから、緩和医療の研究の問題が挙がっていますし、高齢者がんについては認知症と併存疾患を考慮した研究、それから、看取りの項目等が挙げられていますが、これに関しては、報告書案の中には追記はされていないということでよろしいですか。
○岡田推進官 個々に協議会でいただいた御意見の中で、反映させられるものについては反映させていただいている部分もございますし、先ほど門田会長からも話がございましたように、個別施策的なところについて、反映が難しいと事務局で考えている部分については、まだ十分反映できていない部分もございます。本有識者会議で御議論いただければ、その辺についてもありがたいと考えております。
○堀田座長 今のお答えでいいですか。
○石井構成員 ということは、有識者会議でこれを反映させるかどうかを検討するということになりますかね。
○堀田座長 この中で、どうしてもこれは書き込む必要があるということであれば、御提案いただければ、それは考慮の対象になると思いますし、拾えるものは拾ってきたということかなと思います。また、がん対策推進協議会は、私もメンバーで、その日は中座させていただいたのだけれども、メンバーがそっくり変わったものですから、ここの議論を踏まえて発言したわけではないので、その辺は少し勘案して取り扱う必要があるかなと思います。
どうぞ、石川構成員。
○石川構成員 (5)のライフステージやがんの特性に着目した重点研究領域というのが1つ大きな点だと思うのですけれども、小児がん、高齢者のがん、難治がん、希少がんとあって、①②とあるのですけれども、その中身が、紋切り型みたいな、例えば、未承認薬云々という行政的なこととか、割と同じようなことが書いてあるような感じで、それぞれの、小児がんや高齢者がん、難治がん等々で一番大事な点が何であって、どこが目指されるべきなのかというのが、いまひとつ具体的にこの記載ではわからないのではないかと思いました。
○堀田座長 その辺はどうでしょうか。何か御意見、感想。実は、もっともっと重複しているものを大分集めてきて、ようやくここになったという感じだったと思うのですね。例えば、アンメットメディカルニーズであるとか、あるいはドラッグラグは何度も何度も書かれていて、それはそれだけ重要性があったということでありますが、できるだけそれをまとめてきたのは事実であります。もう少しわかりやすくしろということですかね。
どうぞ。
○石井構成員 逆の方向で、適用薬や未承認薬の実用化を目指した臨床研究として、例えば、小児がん、難治がんというふうにやるという方法もあるし、このようなやり方で各項目を挙げるというやり方になるわけですね。だから、これでよろしいのではないかと思いました。
○堀田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○野田構成員 まさに今、石井先生の言われたことを踏まえた上で石川先生は言われたのだと思うのですけれども、縦糸と横糸、どちらから切ってもダブるところは出る。ダブるところが出ているところで、余りダブった繰り返しに見えずに、その領域だけをもう一回見直して、重要なものからきちんと主張されているか、文を丁寧に見ようというのが石川先生のあれだったと思うので、その見直しはしたほうがいいと思います。
○堀田座長 ありがとうございました。
そのほかの御意見。祖父江先生。
○祖父江構成員 報告書案の最後のまとめの図なのですけれども、これを見て、真ん中あたりの「わが国において推進すべき研究」の8つの項目立てが、今後、中心的な項目立てになっていくと思うのですけれども、最後に「新たな医療の普及とがん対策の効果的な推進に関する研究」とあるのですが、新たな医療だけではなくて、予防とか、早期発見とか、あるいは大きな枠組みの話なので、がん対策ということで始まって、がん対策の効果的な推進と評価に関する研究とか、医療が先に立っているような気がするので、全体の対策にかかわるまとめの分野であるという印象のほうがよろしいのではないかと思うのです。
○堀田座長 要するに、項目立てとしてという話ですね。(8)の最後のところですね。ですから、ページ数で言うと17ですかね、この中身がそれであらわせるかどうかと、こういう話だと思います。
○祖父江構成員 だから、医療も含んでという話ではあるのですけれども、それだけではなくて、予防、早期発見、がん登録、患者QOL云々と、総合的な項目であるということを前面に出したほうがいいのではないかと思いました。
○堀田座長 わかりました。ここの中には、例えば、レギュラトリーサイエンスの問題とか、予防の技術の問題とか、最後だから、いろいろなものが入ってきてしまっているという状況なので、適切な表現があれば、ここで皆さんのお知恵を拝借できれば幸いです。
田村先生。
○田村構成員 トランスレーショナルリサーチについて大分書き込んでいただいて、ありがとうございました。まず、5ページの上のほうに、重点的に今まで取り組んできたのだということが書いてありまして、10ページの下のアンメットメディカルニーズというところで、10~11ページにかけて、具体的な研究事項まで記載いただきました。その後、18ページ以降に「研究の効果的な推進のための基盤」というところで、人材育成のところで先ほど中釜先生もちょっとおっしゃったのですけれども、ちょっと短い、橋渡し研究を初めとするという形で人材育成がちょこっと書いてあるのですが、その後、21ページの2段目の段落のところで、リバーストランスレーショナル・リサーチに関して、1段落を使ってしっかり書かれているのですけれども、実は、シーズから、トランスリサーチから臨床までいくという、その順番のほうのトランスリサーチについての基盤整備が全然書かれていないのですね。そこのところはどこかできちんと書いていただいたほうが、まさにそこが一番足りないところではないかと思いながら、どこか書いてありますか。私、先ほどからそれを探していたのですけれども、どこかにありますか。
○堀田座長 先生が今言っているのは、21ページの上段のことを言っているのですか。
○田村構成員 基盤づくり、体制づくりのところで、リバーストランスレーショナル・リサーチについては言及があるのだけれども、トランスレーショナルリサーチについて、基本的には同じようになるはずなのだけれども、TRのところの研究整備体制については欠落しているように思うのだけれども。
○堀田座長 だから、リバースのほうを強調してあって、最初のトランスレーショナルのほうが余り強調されていないという意味ですね。
○田村構成員 はい。
○堀田座長 わかりました。ここで言いたいのは、クリニカルシーケンスを回していくという話なのだろうと思うのですけれども、そこはちょっと気をつけて、また見直してみましょう。ありがとうございました。
ほかに。今のうちに。そろそろまとめに入りますので、今、言っておかないともう。きょう、この形でのんでくださいと言っているわけではありませんので、御意見をいただいたものはまたメール等でやりとりはしますが、時間も限られておりますので、最終的には私と事務局で整理させていただくので、きょう、いろいろな御意見をとにかくいただいておきたいと思います。
○野田構成員 「おわりに」がだんだん、だんだんふえてきて、尻尾がちょっと重い感じがして、「おわりに」は何のためにあるのかというのをもう一回、そもそもになってしまいますけれども、特に「おわりに」の2段落目のところはとにかく重いと思うのですね。2段落目を中心に、最後に残したいメッセージをシンプルにしたほうが、「おわり」としてはいいような、ちょっと「おわりに」が重いのかなと思うのです。特にこの2段落目、がん研究全体としてというのをずらずらというのは、またここから前段が始まってしまうような感じがする。
○堀田座長 そもそも論が始まりそうで。わかりました。
○宮園構成員 私も2段目が重いなと思って、どうしたらいいのかなと思ったので、もう少し軽くしていただけるとありがたいなと思いました。
○堀田座長 上田先生。
○上田構成員 今のことに関して、重いということはよくわかるのですが、逆の立場からいった場合に、最後に加えていただいた3行は、きょう、行政の方がたくさんかわられたのですけれども、この文章で十分に行政にインパクトがあるのか。それがなければ幾ら書いても全くしようがないというのを以前から申し上げているので、この3行は、行政担当の責任者であるあなた方が見たときに、フレッシュな目で見たときに、これは意味がある書き方であるかどうかという点に関して、コメントをいただきたいのです。でないと、全く意味がない答申になってはいけないということと、それから、もう一点、私たちがこの会議で強調したことは、この答申書がきちんとオーソライズされたものであると。そのために前文にわざわざ推進法の内容などを今回入れて答申として立ち上げたつもりなのですけれども、それが意味をなしているのかどうか。行政的な立場からのコメントをいただきたいと思います。
○堀田座長 それでは、各省、よろしいですか。まずは文科省からいきましょうか。では、新しいところから。
○椎葉課長 がん対策・健康増進課長でございます。
まだ1週間目でございますけれども、大変重い課題だなと。そして、この3行でございますけれども、この3行があれば、今後、予算要求でありますとか、いろいろな施策に反映できると確信しておりまして、しかも、このメンバーは恐らく日本で最高のメンバーだと。どんな切り口で選んでも、これ以上のメンバーはいないと思いますので、その先生方がつくったものでございますから、一歩一歩、これを実現するべく、踏みしめてやっていきたいということでございます。
○堀田座長 優等生的ですね。ありがとうございました。
では、文科省の岡村戦略官。
○岡村研究振興戦略官 フレッシュではないのでございますが、済みません。まさしく省庁連携、ここのところ数年間言われていたことを、私どもも実態的には一生懸命連携しようという形を、去年は医療イノベーション推進室、ことしは健康・医療戦略室を中心とした、内閣官房を中心とした連携ということをやってきております。その方向性と、この表現形は非常に呼応しているものでございますので、その方向性で私ども文部科学省のほうも、これからも取り組んでまいりたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○堀田座長 インパクトがあるということでよろしいですか。
○岡村究振興戦略官 はい。
○堀田座長 それでは、経産省も新しいメンバーになります。
○富田局長 がん研究につきましては、従来は文科省、厚労省を中心に進めてまいったわけですけれども、私ども商務情報政策局としても、医療機器の開発でありますとか、最近我々がチャレンジしていますのは、いわば医療行為の外側にあるさまざまな健康サービス、そういったものを正面からきちんと我々の行政対象として位置づけて、しっかり産業として、また、それが国民の健康増進につながるような形で健全に発展をさせていくということも政策目標の中に入れてございます。そういう意味では、商務情報政策局というか、経済産業省を挙げて、これから健康産業の分野でやるべきことをしっかりとやっていきたいということでございます。人がいろいろかわっておるということでございますけれども、役所はしっかりと、コミットしたことは最後まで責任持ってやるという決意でやってまいりますので、ぜひその点、御理解いただければと思います。
○堀田座長 ありがとうございました。
そういう決意が述べられたところでありますので、大筋で、きょうはこの辺でまとめに入りたいということは御了承いただけますでしょうか。これから手直し等させていただくものはまたメール等で御意見いただくことにします。
眞島さん、どうぞ。
○眞島構成員 今回、患者代表として、ひとりでもってこちら(委員席)に座らせていただいて、大変な重責だということを身にしみて感じているのですけれども、これから10年ということを考えたら、患者の声を吸い上げるようなメカニズムがマネジメントチームの中にできることが重要と思います。今回、堀田理事長に患者会有志を集めていただいて、がん研究に関する患者の声をひろいあげてくださいました。大変貴重な意見が集まりました。どうもありがとうございました。そういったことも踏まえて、何かそういう機会を設けることができたらいいなと考えていました。実は、すでに計画書に書き込んでいただいているので、お礼を申し上げたいと思います。
ただ、最後の「おわりに」のところに、何かそういったような、一言でも構わないのですけれども、これからはもっともっと積極的に「患者の声」をピックアップするということと、がん研究自体、ブラックボックスであるとのお話をさせていただきましたけれども、がん研究をマネジメントする部署のところにがん患者会の窓口であるとか、コミュニケーションをする人であるとか、そういったような方を立てていただいて、次回、こういう会議があるときには、例えば、難治がんだけではなくて、治りやすくなったがんの代表の方とか、希少がん、小児がんとか、そういう会の代表などが入ったような形の会議ができればいいと思います。これは向こう10年に向けての夢なのですけれども、患者を代表する患者会メンバーにもがん研究のなかに希望が見えるようなことを一言「おわりに」につけ加えていただきたいと思います。。御無理言って申しわけないですけれども。
○堀田座長 経産省、江崎さん、どうぞ。
○江崎課長 決意表明ではございませけんけれども、今、眞島さんがおっしゃったように、私どもがお願いしてきたことを大分入れていただいて、実際にサービスとして提供された治療という言い方が適当かどうかわかりませんけれども、患者にとって今の治療がどうであるのか、アンメットという概念が、実は今まで触っていなかったらアンメットなのか、今の治療が効いていないからアンメットなのか、そこは患者でないとわからないというところがあろうかと思います。したがって、前々回は暫定で出させていただきましたけれども、今回、ことし1年かけて、もう一度調査をやりたいと思っておりますので、ぜひ御協力をいただきたいと思っておりますし、先ほどありました患者が選ぶというときの、情報が世の中になければ、教育しても選びようがないというところがありますので、それに向けて評価、最後のところに多分、一言加えられると思いますけれども、そこに向けて我々も協力していきたいと思いますので、専門家の皆様方にも御協力を賜れるとありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○堀田座長 ありがとうございました。
それでは、前段のメーンイベントはこの辺で一まとめさせていただいて、今後につきましては、事務局と私で整理して、また皆様方の御意見を賜りたいと思います。
きょうはもう一つの議題がございまして、この研究報告書を一言であらわすというのか、キャッチフレーズみたいなものが毎回ありますし、今回も、この10年を見越して、この研究事項をあらわす言葉をできれば決めてまいりたいと思います。それでは、事務局から、まず資料4について説明をお願いします。
○山下課長補佐 よろしくお願いいたします。資料4は「今後のがん研究のあり方について(報告書)におけるキャッチフレーズについてのご意見」ということで、今回、事前に先生方に御意見を求めたもののまとめでございます。
簡単に御紹介させていただきますが、これまで3つ重ねてきたがん研究戦略においては、まず1つ目では「がんの本態解明を図る」といったキャッチフレーズを掲げておりました。そして2期目の戦略では「がんの本態解明からがん克服へ」といったフレーズを掲げて進めております。現行の第3次対がん10カ年総合戦略では「がん罹患率と死亡率の激減をめざして」という形で目標を掲げて進めてきたところでございます。
こういったことを踏まえて、26年度からの新たながん研究戦略におけるキャッチフレーズとして御意見をいただきました。それで、2つに分けておりまして、各構成員より候補としていただいたキャッチフレーズを書いてございますのは、たくさん意見をくださった先生方がおられましたので、その中で1つ選んでいただきまして、各構成員より候補としていただいたキャッチフレーズとして記載をしております。その他、次点候補としていただいたキャッチフレーズとして、その他のものを記載しておるところでございます。
まず、候補としていただいたキャッチフレーズですが、「がんにならない、がんに負けない、がんと生きる社会をめざす」「根治・予防・共生~すべてのがんの克服をめざして~」「ライフステージとがんの特性に応じた個別化医療の実現」「ライフステージとニーズに応じたがん対策のために」「がんになっても安心して暮らせる社会の実現をめざして」「革新的技術によるがん征圧へ」「がんを克服して罹患を抑える」「患者のニーズにより添うがん治療を目指して」といったところがございます。
次点候補に関しては、議論の中でお目通しいただければと思います。
以上です。
○堀田座長 ありがとうございました。
それでは、今、挙がってきた候補はこういったものですが、別にこの中から選ばなければいけないというわけではなくて、合成していただいても構わないと思いますが、全体をあらわすいい言葉がありましたら、この中から推薦していただいても結構です。
ちなみに、この一番上のものは、3次がんの中間・事後評価の報告書で「国民の皆様へ」というメッセージを書いたときのキャッチフレーズなのですね。だから、一般の人にわかりやすく説明するためのキャッチフレーズで、必ずしもこの10カ年の研究戦略をあらわすという意味合いとは少し違うかもしれませんが、心は予防と根治、あるいは共存といいますか、ともに生きるという、その3つのキーワードが入っていると思います。いかがでしょうか。
こういうのは恐らくマスコミの方などは非常にうまいと思うのだけれども、南さん、何か御意見ありますか。
○南構成員 こういうのは得意でないといけないのですが、余り得意でなくて。まさに今おっしゃった予防と根治と、それでもだめなときというか、共存してもいける社会という、その辺をあらわしたいところで、そのどれも落とさずにいたいなというところでちょっと苦しんでおりますが、また後ほど。
○堀田座長 また思いついたら。
どうぞ、野田さん。
○野田構成員 質問なのですけれども、今までのことを思い出すと、私も先ほど局長が言われた第2次からしかかかわっていないですけれども、ここまでは割と研究、研究と言って立てていました。この第3次対がんのときに、何となく、がん対策基本法ができる夜明けのような時期で、研究、研究と言っていないで、それの目的とするもの、目指すもののほうをもう少し打ち出そうということで、「がん罹患率と死亡率の激減をめざして」という目標を出しました。
今、もう一つ重要なのは、がん対策基本計画があるということだと思うのです。がん対策基本計画の実現のための研究の手法としてこの戦略があるので、言葉がなかなか出ないですけれども、目標、目的のところだけにせずに、やはり研究、あるいは科学といったものが入るような言葉になっても、研究戦略としてはいいのではないかというイメージがあります。がん対策基本計画全体のキャッチフレーズのようになって区別がつかなくなるのは、ちょっと違うかなという感じがします。
○堀田座長 研究的な香りがしないとだめだと。なるほど。
○石井構成員 そうすると、先生はどれを推薦するのですか。
○野田構成員 そうなると思ったのですけれども、例えば「根治・予防・共生~すべてのがんの克服をめざして~」は目標でいいのですけれども、これをシンプルにして、研究は何をするのかと。目指すだけでなくて、その実現に向けた、例えば、エビデンスの創成からがんの克服へとか、ちょっと研究的なものが、こういういいものに入っていく。例えば「がんになっても安心して暮らせる社会の実現をめざして」になると、いきなり研究をくっつけても、ほとんど接着しないのですね。という感じです。済みません、石井先生、ちょっと足りなかった。
○堀田座長 そのほか、ざっくばらんに御意見、ブレーンストーミングみたいにしないと、いきなりいい案は出ないかもしれない。
米田さん。
○米田構成員 野田先生が言われるように、ここでは研究というニュアンスがあったほうがいいなと思います。今までのがん研究は、私が考えるには、基本的にがんという病気そのものを治したい、原因を理解して、がんを治したいということだったかと思います。これからは、個々のがん患者を治すというスタンスに入っていっていいのではないかというイメージが私にはあります。これからの目指すところとして、個々のがんではなく、がんにかかられた患者さんを個々に治していくというイメージがあっていいのではないかと思います。そういう意味で、例えば、「患者に寄り添う個別化医療」とか、そういうイメージかなと思うのです。個別化医療といいますか、ゲノムも理解できたことですし、個々のがん患者を治すというところに踏み込んでいく研究がこれからどんどん発展するというイメージがあっていいのではないかと思います。
以上です。
○堀田座長 なるほど。そのほかの御意見いかがでしょう。石井さん。
○石井構成員 ずっと議論してきて、1つ大きなポイントは、患者目線ということだと思うのですね。自分は今回アイデア出していないで、さっき30分早く来たので見ていたのですけれども、「根治・予防・共生」、これはいい言葉だと思いまして、ただ「すべてのがんの克服をめざして」というのは第3次予防と結構似ているので、例えば「国民と共有するがん対策」とか、そういうふうな言葉をつけたらどうかなと、個人的には思いました。
○堀田座長 がん対策、がん研究。
○石井構成員 そうですね。「根治・予防・共生~国民と共有するがん対策~」というのはどうかなというのが私の意見です。
○堀田座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○野田構成員 「個別化医療の実現」というのだと、少し戻ってくる感じがするのですよ、研究のほうに。目標であっても。そのためには本態解明まで、本態解明ばかり言い続けて申しわけないけれども、本態解明までライトが当たる感じがするのですね。なので、例えば、ライフステージのところに、さっき米田先生言われたような患者を入れて、「患者のライフステージとがんの特性に応じた個別化医療の実現」だと、患者も見えて、研究の感じはします。石井先生と全く違うことを言っています。
○堀田座長 個別化医療というのは、その1つの手段であって、到達目標ではないね。要するに、目標というのは、患者が苦痛から開放され、がんが治るとか、そういうものが目標になるので。
○野田構成員 そうすると、個別化医療だと根治のところになってしまうから、予防、共生まで全てを包括するような。
○堀田座長 したいなと思うのだけれども、いい言葉を探して。
そのほか、ブレーンストーミングで結構ですから、思いついたことを。
上田先生、どうぞ。
○上田構成員 余りよくないけれども、最後の「患者のニーズ」を「患者・社会のニーズに寄り添うがん医療の確立」とか何とか。がん医療の確立と言うと、少し研究が入るのではないかという気がします。なかなか難しいですけれども。予防医学とか何とかというのは、やはり個人と社会のニーズというので、患者だけではないという気がするのです。「患者・社会のニーズにより添うがん医療」、「がん医療」で全部を含めるという格好で、それを科学的にするというところで、医療の確立に科学性がないとできないだろうという気持ちで入れたのですが、必ずしもキャッチフレーズとしていいとは思いませんけれども、1つの案として考えてください。
○堀田座長 どうですかね。宮園先生、何か瞑想にふけっているようだけれども。
○宮園構成員 私はこういうのが余り得意ではないので、さっきから考えているのですが、今の上田先生の「患者・社会のニーズに寄り添うがん医療」というのは、出てくるのがどれもいいなと思っているので、なかなか難しいのですが、「患者・社会のニーズに寄り添う」という言葉はなかなかいいなと思ってお聞きしていました。あとは、「根治・予防・共生」、そして何かワンフレーズ入れるというのももう一つの考えかなと思っているのですが、難しいですね。これだけ膨大な研究テーマをたった1行にまとめるというのは、やはり相当難しいのだと思っております。
○堀田座長 どうぞ。
○野田構成員 今の堀田先生のあれだと、上田先生の言われたがん医療というのが出てしまうと、やはり狭いのですか。あるいは届かないのですか。さっきの個別化医療だともっと具体的だけれども、それに比べると、がん医療にまでちょっと広がったのだけれども、堀田先生が言われたのは、それでは届いていないと。その医療を通じてがんを克服、あれするところという。
○堀田座長 できれば、最終形が見えるというふうにしたいことはしたいのね。途中の手段でとまってしまわないようにはしたいと思うのですが、それが適切な言葉があるかどうかなのですけれども、例えば、さっきの「根治・予防・共生」で、その後ろのところが、「克服をめざして」ではなくて、今、上田先生がおっしゃったような「社会のニーズに寄り添う添うがん医療」ということでもいいかなと。大体、そんな線かな。社会か、患者か、どちらでした。
○野田構成員 「患者・社会のニーズに寄り添うがん医療」。
○堀田座長 医療だけではないという話、実は。
○石井構成員 医療と言ったら、全部含まれませんかね。
○野田構成員 そこのところは祖父江先生に聞くのが一番いいと思うのだけれども、医療になると予防ははじき出される感じがするかという、そこは微妙なところで、いい加減な文だったら、医療と言えばそこまで入っていいではないかと思うけれども、医療というと医療技術というふうなことを考えると、予防であったり何だりというところはちょっと。
○石井構成員 対策協議会になってしまうよ。
○野田構成員 対策はまずいでしょう。
○石井構成員 だから「がん研究」でも私はいいのではないかと思う。
○野田構成員 「ニーズに寄り添うがん研究」。いいじゃないですか。
○後藤構成員 最後に何々のためのがん研究というのが来て、その部分は一応、削っていっているけれども、そのキャッチフレーズの焦点はそこにあるのですね、多分。
○堀田座長 どういう提案ですか。
○後藤構成員 ですから、先ほど来おっしゃっておられるのは全部いいと思いますので、例えば、ずっと見ていったときに、後ろに「のためのがん研究」というのをつけると、何個かそぐわない部分がありましたので、最後の3つぐらい出たのであれば、そこら辺はカバーできていると思います。
○堀田座長 わかりました。
○宮園構成員 がん研究をつけるのか、つけないのか。
○後藤構成員 つけなくていいと思います。
○野田構成員 今、堀田先生が言われた2番目の「根治・予防・共生~患者・社会のニーズに寄り添うがん研究~」にしてしまえと。そうすると、寄り添うというのが、どうやって寄り添うのかあれだけれども、結構いいのではないかと。
○堀田座長 ちょっとファジーな感じになってきたね。
○野田構成員 それはいいと思います。
○門田構成員 やはりそう思うのですね。後藤さんと反対の意見になるのですけれども、医療、あるいは対策ということを、このがん研究のここで、そういう名前で終わるというのは、最初からありますように、基本計画などで書く書き方と、ある程度はっきりと、役割分担というか、内容を分担するような形で、こういったほうがいいのかなと思います。前回のがん対策推進協議会から挙がってきているものも、皆さん、いろいろ、こういうことについて研究している、非常に対策的なことを研究してほしい、行政的なことを研究してほしいという文章がたくさん出てきたと思うのですけれども、そういった意味からすれば、幅広いものに対しての研究ということで、最後、研究でもいいのではないかと私は思います。
○堀田座長 ありがとうございます。
それでは、まだ御発言いただいていない米倉さん、いかがでしょう。
○米倉構成員 最後にまとめられた案がすごくいいなと思いながら聞いていました。ただ、やはり研究、最後はそこで締めるのがきちっとしていいのではないですか。
○堀田座長 ありがとうございます。
白岩さん。
○白岩構成員 最後のでいいと思うのですけれども、ニーズと片仮名で使うと、平仮名のほうがいいかなという気もしないではないので、希望だとか、思いだとか、そういうほうがいいかなと思ったりしたぐらいで。
○堀田座長 「ニーズ」よりは「希望」ですか。希望、あるいは期待。そうしますと、大体のところは、「根治・予防・共生」で、後ろにもう少しフレーズがついて、患者・社会のニーズか、希望により添うがん研究というところですか。
○門田構成員 一言言ってよろしいでしょうか。先ほど眞島さんもおっしゃっておられたように、患者に寄り添う研究というよりも、今、患者とともに目指すというふうなものを出していける雰囲気、先ほど一緒にという、意見の中にそういうのがあったのではないのか。だから、患者の意見というのは、結構そういうのがあるのかなと。
○堀田座長 確かにそういう感じですね。ともにつくり上げるというイメージがあるとしたら、協働するというような言葉があるかもしれませんね。患者・社会と協働するがん研究。
○野田構成員 ここに書き加えてありますので。何ページかな。実は、がん学会の大阪宣言で初めて使った言葉で、要するに、国民と研究の協働というのを門田先生と一緒に出した3つのスローガンの1つとして使ったので、がん学会はずっとこの「協働」という言葉はそれで使ってきてはいます。
○堀田座長 では、これを使わせてもらおう。だめですか。
○野田構成員 いや、ただですよ。
○堀田座長 だから、「患者・社会」と言わずに「国民と協働するがん研究」でもいいかもしれないね。「寄り添う」のほうが「協働」よりも優しい。まとまらんな、これは。
○門田構成員 眞島さんの意見を聞いてください。
○堀田座長 もうそれで決めますわ。
○眞島構成員 悩ましいです。両方いいなという。
○堀田座長 「寄り添う」のほうがいい人、まだありますか。では、大体そんなところで引き取らせていただいていいかな。自由に言ってください。
○眞島構成員 「国民と協働するがん研究」で。
○堀田座長 最後に眞島さんの御託宣をいただきましたので。
○江崎課長 多分、眞島さんは言いにくいので、私が言ったほうがいいのかと思うのですけれども、せっかくここまで患者と議論してきたので、患者を残されたほうがいいのではないですか。国民までいってしまうと、聞いたときに、余りにもみんなという感じになる。○野田構成員 でも、それは、予防も含めて、がんをなくすためには、患者になってからでは遅いというのがあって、だから、「国民・患者」ならばいいですけれども。国民・患者というのはよく使うのですね。市民・患者だったり。でも、ここに載せるとすると、やはり「国民」だと思います。
○江崎課長 そういう意味で、「患者・社会」だったほうが、今、野田先生おっしゃったことが両方ともストレートに入るのかなと思ったのです。「患者」1個というよりも。済みません。
○堀田座長 「国民」とするか、「患者・社会」とするかですね。私はそれでもいいと思いますけれども、言葉が2つになるので、長いかなと思っただけで。「社会」だけではだめだね。では、そうしましょうか。この場では、一応、そういうことにしたいので、「患者・社会と協働するがん研究」、前のほうは「根治・予防・共生」ということで、この場は一応、締めさせていただいてよろしいですか。また投げる可能性がありますが、一応、この場ではそういう取りまとめにしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、事務局で取りまとめを今後していくにつきまして、皆さんの御意見を大体いただけましたので、きょうのところで会としては終了に持っていければと思っています。
最後に、佐藤健康局長、最後までおつき合いいただきましてありがとうございました。御挨拶いただきたいと思います。
○佐藤局長 冒頭にも御挨拶をいたしましたので、繰り返しませんけれども、20年前にも、こういう形ではありませんでしたけれども、相当に熱心に御討議をいただいたということを懐かしく思い出しておりました。本日はお忙しい中、最後のキャッチフレーズまで含めて大変御熱心に御討議をいただきまして、本当にありがとうございました。
4月15日からということですから、振り返ってみますとわずかに3カ月ですが、その間に6回ということで、月に2回ペースでお集まりいただきまして御討議をいただきました。本当にありがとうございます。今後はこの成果を予算へ反映していかなければいけないし、来年度以降は、今度は研究をどういう方向で進めていくか、もっと個別・具体的な話も進めていかなければならないと思います。私自身も、この20年間におくれた部分を少しキャッチアップしながら努力をしてまいりたいと思いますので、先生方におかれましても、引き続き御指導のほどお願いをいたしまして、簡単ではございますが、結びの挨拶にかえさせていただきます。どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。
○堀田座長 ありがとうございました。
それでは、最後に私からも一言だけ御挨拶を申し上げたいと思います。
6回にわたりまして熱心な、あるいはその間にもメールをどれだけやりとりしたかというぐらいアグレッシブにやらせていただきまして、きょう、こういう形で最終的に、まだ一部の修正は残るにしても、大枠決めていただきまして、ありがとうございました。
実は、この会は昨年の暮れぐらいからスタートする予定だったのですけれども、政権交代等々があって、当初の予定よりはかなりおくれてスタートしたのですが、その分、集中的に議論ができたのかなと思っている次第であります。それぞれの立場から多角的な御意見をいただきまして、きょう、ここにまとめることができまして、先ほど上田先生が言われましたように、3省、継続的に、一体的に運営して、途中の経過も含めて見守って、あるいは推進していただきたいと切に願っております。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)
それでは、きょうはこれで散会にいたします。ありがとうございました。
 
 

 

 
(了)

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