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2012年9月19日 第230回中央社会保険医療協議会総会議事録

○日時

平成24年9月19日(水)10:00~11:06


○場所

於 厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

森田朗会長 関原健夫委員 牛丸聡委員 石津寿惠委員 西村万里子委員
小林剛委員 白川修二委員 花井十伍委員 森原琴惠代理(花井圭子委員代理)
石山惠司委員 田中伸一委員 伊藤文郎委員
安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
佐藤田鶴子専門委員 北村善明専門委員 福井トシ子専門委員 藤原忠彦専門委員
<参考人>
入院医療等の調査・評価分科会武藤正樹会長
<事務局>
木倉保険局長 宇都宮医療課長 井上医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 入院医療等の調査に係る調査項目について
○ 被災地における特例措置について
○ 最近の医療費の動向について
○ その他

○議事

○森田会長
 おはようございます。ただいまより、第230回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、印南委員が御欠席です。
 また、花井圭子委員が御欠席で、代理といたしまして、森原琴惠連合生活福祉局次長に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 次に、厚生労働省におきましては異動がございましたので、これにつきましては、事務局より御紹介をお願いいたします。
 どうぞ。
○宇都宮医療課長
 まず、木倉保険局長でございます。
 次に、神田大臣官房審議官でございますが、ちょっと公務でおくれてございますので、後ほど到着しましたら御挨拶させていただきたいと思います。
 次に、以下、全て保険局でございますが、濱谷総務課長でございます。
 次に、中村国民健康保険課長でございます。
 今度は、一番向こう側にいきまして、泉医療課医療指導監査室長でございます。
 田口歯科医療管理官でございます。
 近澤医療課薬剤管理官でございます。
 竹林医療課保険医療企画調査室長でございます。
 井上医療課企画官でございます。
 申し遅れましたが、医療課長を拝命いたしました、私、宇都宮と申します。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○森田会長
 大幅な異動がございましたが、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 まず、最初は「入院医療等の調査に係る調査項目について」を議題といたします。
 本日は、入院医療等の調査・評価分科会の武藤分科会長にお越しいただいております。武藤分科会長より御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○武藤分科会長
 分科会長の武藤でございます。
 お手元の資料、中医協総-1をごらんいただきたいと思います。
 1ページ目は附帯意見の項目の列記と、入院医療等の調査評価分科会が調査を行います項目を赤字で示しておるものであります。
 1ページ目をおめくりください。今回の平成24年度調査項目(案)は、8月22日の総会で、平成24年度の調査項目(案)をお示ししました。そして、審議をこの場でしていただきました。それを分科会のほうに持ち帰りまして、9月5日に具体的な調査項目(案)を検討いたしました。
 本日、お示しします調査項目(案)がこれであります。これは、きょう御審議いただいて、了承していただければ、この調査項目(案)に沿いまして、10月初旬に調査票を対象施設に発送いたします。そして、回収の後、平成25年4月に調査結果を総会に再びお示しすると、そういう予定になっております。
 では、この調査項目(案)について、随時説明をしていきたいと思います。
 スライド4は、8月22日の総会で、この場でお示しした内容ですので、ざっと見ていただければと思います。
 スライド5、6なのですが、これも先般にお示しした内容ですけれども、スライド5に示してありますように、これは、平成24年度の調査項目(案)、赤字で示した4つの項目から御説明して、残りの項目は、また後ほどということにしたいと思います。
 スライド6~10までは、これも前回22日の総会でお示ししました内容ですので、ざっと見ていただければと思います。
 それでは、スライドの11番、12番、そこから入りたいと思います。
 これが、きょう御審議していただく調査項目内容(案)であります。
 まず、スライド12を見ていただきますと、この調査の構造をお示ししました。構造的には、スライド12に左にありますように共通調査項目と、右の個別調査項目、この2段構造になっております。
 さらに、施設調査、スライド13の病棟調査、スライド14の患者調査、このような3段階に分かれているということであります。
 つまり、共通項目プラス個別調査項目に、それぞれの施設、病棟、患者のレベルに分けて調査項目を設定している、そういう構造になっております。
 基本的に、この調査項目は過去の調査項目を踏襲するような形で行いまして、今回の調査で新たに加える項目、後ほどまた御説明しますが、そうした項目から成っております。
 それでは、スライド15を見ていただければと思います。まず、共通項目の施設調査の項目の詳細であります。
 今回、共通項目としては基本情報として「丸1開設者」とか「丸2併設施設・事務所」、そうした項目に加えまして「丸3在宅療養支援病院・診療所の届出の有無」、これが新たにつけ加わった項目であります。
 それから「(2)退院支援の実施状況」「(3)地域連携」、これは、分科会のほうで地域連携にかかわる項目をぜひとも入れてほしいということがございましたので入れました。
 この中でも、新たにつけ加えた項目としましては(3)の「丸3退院調整加算注2に係る状況」のところ「丸6逆紹介率」「丸7戻し率」、これが新たにつけ加わった項目であります。
 「(4)重症度・看護必要度」に関しては、急性期、亜急性期、慢性期の病棟横断調査を行うことになりまして、この患者像の比較を行うために、これをつけ加えました。
 分科会の中の議論でもありましたが、看護必要度のそもそもの見直しが必要ではないかと、そういう御議論もありましたけれども、今回の実態調査を踏まえた上で、また、議論をすることにしたいと思っております。
 スライド15の最後の「(5)褥瘡(次ページ参照)」なのですが、この詳細がスライド16に示してあります。
 褥瘡に関しては、平成19年度の検証調査の調査項目を基本的には用いております。
 分科会の意見の中で、スライド16の(1)のところにありますけれども、褥瘡の持ち込み率を調べたらどうかという御意見がありましたので、これを加えております。
 さらに(3)の一番下の段の丸5のところですが、褥瘡のリスクを把握してはどうかということで、この項目もつけ加えております。
 スライド17、今度は共通項目の病棟調査に関する項目に移りたいと思います。
 これに関してもつけ加えた項目は「(1)病棟概要」の中で下のほう「丸10検査未実施率」から始まりまして「丸13院内感染症発生頻度」、この4つの項目が加わることになりました。
 そのほかは「(2)新入棟患者の状況」「(3)退棟患者の状況」「(4)退院支援体制について」等が入っております。
 次がスライド18ですが、患者調査の共通項目であります。これに関しては、過去調査に加えまして「(1)患者の基本情報」の中に「丸1保険種別」を今回加えさせていただきました。
 「(2)入棟時の患者状況」の中では「丸4(退院後6週間以内の)予定外再入院率」が加わっております。
 「(4)退棟時の患者状況」の中で、一番下の「丸4経管栄養から経口摂取になった患者率」が新たにつけ加わっております。
 次に、個別調査項目のほうに移らせていただきたいと思います。スライド20になります。
 個別調査項目は、入院病棟、入院基本料等の見直しについての影響調査であります。
 この項目も過去の調査を踏まえて作成しておりますけれども、新たにつけ加わった項目としては「(1)基本情報」の中の「丸4承認等の状況(高度救命救急センター、DPC対象病院、がん診療連携拠点病院、専門病院等)」が加わっております。
 スライド21、個別項目の中の「亜急性期入院医療管理料等の見直しについての影響」であります。
 これも過去の調査項目にあわせて調査を行いますけれども、その中でも加わった項目は、一番上のカラムの施設調査の中で(6)の「丸1亜急性期入院医療管理料を算定した理由」が加わっております。
 それから、真ん中のカラムの病棟調査で「(1)病棟概要」の中の「丸14亜急性期入院医療管理料1・2算定入院患者数」は、今回の改定で加わった項目ですので、これが加わっております。
 一番下の患者調査におきましては「(1)患者の基本情報」の中の「丸6要介護度(認定内容)」がありますが、これは、介護認定を受けている者について調査を行ったことになっております。
 新たにつけ加えた項目といたしましては「(3)入棟中の患者状況」の「丸2手術・侵襲性の高い検査・処置の実施状況」。これは、一般病棟入院基本料との比較のために、この項目をつけ加えさせていただいております。
 スライド22、個別調査項目の中の慢性期入院医療の適切な評価の見直しであります。
 この中では、2番目のところの病棟調査のところの「(5)医療区分・ADLに係る調査票」、それから、患者調査の中の一番下の「(5)医療区分・ADLに係る調査票」。これは、亜急性期病棟との患者像の比較のために、今回、これがつけ加わっております。
 横のほうのレセプト調査に関しては、平成20年の慢性期入院医療の包括評価に関する調査と同様の内容になっております。特定除外患者に対して調査を行う、そうした項目になっております。
 スライド23「医療機関の機能分化を進めることが困難な地域に配慮した評価の検討」ということで、これは、今回の改定の影響調査ということで(6)以下、丸1~丸4番までが影響調査を行うことの項目であります。
 下の丸5丸6ですが「丸5今回の改定で良かった点」は、改定内容の定性調査として調査を行うということになりました。
 右のほうの真ん中のカラムですが、施設調査の中の対象内地域の診療所に関しては、患者受け入れの改善状況等の変化を調べることになっております。
 スライド24、これは残りの部分なのですけれども「丸3特殊疾患病棟や障害者施設等から療養病棟に転換した場合に対する経過措置の実態 等」と「(3)診療報酬点数表における簡素化の検討」、この2項目が挙がっております。
 スライド25、26は、今、言いました、特殊疾患病棟、障害者病棟等に関する調査ですが、これもスライド26で示しましたように、転換の状況、それから転換できない理由とか、あと、対象施設の患者像の把握を目的に、この調査項目を立てております。
 最後になりますけれども、スライド27「(3)診療報酬点数表における簡素化の検討」であります。
 御承知のように、入院基本料の加算のうち、算定割合の高い栄養管理実施加算と褥瘡患者管理加算を入院基本料に包括したところであります。
 それに対して、今度は算定回数の低い加算がどうなっているかということで調査を行うことになりました。
 参考資料のほうにもつけてありますけれども、算定回数の低い項目が幾つかございますが、低いものに関して、適切な分母に基づく算定に係るデータを既存統計等を用いて把握していく予定であります。
 以上、調査項目をもとに、具体的な調査票を作成いたしました。この調査を実施したいと考えておりますので、ぜひとも御検討のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○森田会長
 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、どうぞ、御発言をお願いいたします。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 23ページの「医療提供体制が十分ではなく」という地域の検討なのですが、そこに診療所も入れていただいたのはよかったと思うのですが、項目を見ますと「丸1患者受入の改善状況(救急、在宅等)」ということだけなのです。現在どういう点が困っていらっしゃるか、配慮してほしい点とか、そういうものもぜひ聞いていただければと思います。
○森田会長
 それは、よろしゅうございますね。
○武藤分科会長
 了解です。
○森田会長
 それでは、牛丸委員、どうぞ。
○牛丸委員
 検証部会長として、分科会にお願いがあります。今の資料の1ページ目に「附帯意見にかかる検討、検証の実施部会・分科会」という表があります。その右側に「検証部会」と書いてあるのが我々検証部会の担当でして、24年度調査に関しては6つ全部、今、調査票を作成してそろそろ終わる段階です。そちらの分科会は下の入院に関してということで、今、御説明がありました。
 我々検証部会の一番の目的は、24年度診療報酬の改定結果検証です。きょうの御説明を伺いましたら、最後のほうに、それが入っておりますので安心はしているのですが、実は、先日来、調査検討委員会で検証部会担当の調査票(案)を検討していた際に、事務局は御存じですが、ものによっては有床診療所までで病院は一切対象としない。
 というのは、病院に関してはこちらの分科会がやってくれるということなので、全てこちらにお任せするということですので、最終的に、24年度診療報酬改定の結果検証を行うときに、我々がやった調査では有床診療所までの効果は見えますが、病院による効果は見えませんので、そちらでしっかりやっていただきたい。
 それで、そちらにはそちらの調査票の作成の考え方があるかと思いますが、できれば、似たような形の調査票をつくっていただくと、評価はこちらでなく、そちらが行うわけですが、最終的に見るときに非常に便利だなと思いますので、その辺を少し考慮して、これから行います調査票の作成をやっていただきたいというお願いです。詳しくは、事務局が御存じですので、よろしくお願いいたします。
○森田会長
 御要望ということですけれども、よろしゅうございますか。事務局のほう、何か補足か、コメントございますか。
○宇都宮医療課長
 ただいまの意見、承りました。
○森田会長
 ということです。西澤委員、どうぞ。
○西澤委員
 7枚目のパワーポイントの亜急性期ですが「調査内容案」の丸2で「幅広い患者を対象とする病棟(『亜急性期入院医療管理料』等)の患者像の調査」となっています。御存じのように、亜急性期入院医療管理料というのは、病棟単位ではなくて、病室単位ということで、正確には、ここは対象とする病棟(亜急性期入院医療管理料を含む)とか、そのような表現のほうが正しいと思います。
 関連いたしまして、21ページに行きますが、ここも亜急性期入院医療管理料等の見直しの影響ですが、ここで、施設あるいは病棟調査ということになっています。病棟調査ということは、この亜急性期入院医療管理料を取っている病室を含む病棟ですから、ここには亜急性期入院医療管理料の病室と一般病棟入院基本料を取っている病室が混じり合っているということです。そのあたりが、この調査票ではよくわかりませんので、調査するときには、そのあたりをきちんと理解した上で調査票をつくっていただければと思います。
 以上、要望でございます。
○武藤分科会長
 確かに病床属性を基本情報とした上で調査するということですね。
○森田会長
 それでは、御要望だと思いますけれども、よろしゅうございますね。
 ほかに、いかがでしょうか。
 万代委員、どうぞ。
○万代委員
 質問を幾つかと、要望をお願いいたします。
 まず、15ページのスライドですが、左側のカラムの「(1)基本情報」の「丸3在宅療養支援病院・診療所の届出の有無」ということでございますけれども、この前のデータでは、まだまだ届出が少ないという中で、こういったものも強化して在宅を良好に運営しようという方向性だと思いますけれども、届出の有無だけですと、なぜ届けられないかということが必ずしもはっきりしない場合もあるかなと。以前、データとしてお示しいただいたかもしれませんけれども、そういったところも抽出できるような、あるいは判断できるような調査方法をお願いしたいと思います。
 ですから、例えば、届けた在支病の数が1万とか、それだけではなくて、届けなかったところの理由もわかるような調査にしていただきたいと考えます。
 同じスライドの右側のカラムの(3)の「丸7戻し率」ですが、私、自分の知識のなさをひけらかすようで申しわけありませんが、具体的には、逆紹介率はわかりますけれども、どんなような計算で戻し率というのを判定するのか教えていただきたいということが質問でございます。
 もう一つ要望としまして、スライド23の医療提供体制が十分でない地域に関する調査ということでございますけれども、この医療提供体制が十分でないということを抽出するに当たって、3つの条件を設定したと思っております。
 それは、かなり妥当性があるというふうに考えておりますが、その設定条件がありきということで調査していただくと、本当に医療提供体制が十分なのかどうかということはわからないと、前提条件が間違っているという仮定において調査していただきたいと思いますので、この調査の客体につきましても、少し広めの形で、例えば、3つの条件の1つずつ拾ったときにどういう客体数になるかと、もちろん、調査されるほうの負担もございますので、そこら辺のところも工夫いただきたいとは思いますけれども、本当に日本全国で医療提供体制が十分でないという地域の抽出に資する資料となるような、そういったような調査内容にしていただきたいと、そんなふうに考えます。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 分科会長、お願いします。
○武藤分科会長
 今、御質問を3ついただきましたが、まず、最初は、在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所の届出のできなかった理由についても御意見を承りましたので、考えてみたいと思います。
 2番目の戻し率、これは、例えばAという診療所からBという病院に紹介された場合に、また再び紹介元のAという診療所のほうに戻したという、その率を紹介元を調査して把握していくと、そういうことを考えております。
 それから、医療機関の機能分化を進めることが困難な地域に関する調査、この30医療圏の地域の選定の妥当性についても、この調査を実際に行った上で、それを検証していきたいと考えております。
○森田会長
 どうぞ。
○万代委員
 ですから、しつこいようで申しわけございませんけれども、前提条件が正しいというもとに調査していただくと、そこからは、やはり正しくないという結論は多分出てこないだろうと思いますので、その調査方法、要するに客体について工夫していただくべきかと思いますので、よろしくお願いします。
○森田会長
 武藤分科会長、どうぞ。
○武藤分科会長
 まずは、実際、分科会の中でも30医療圏の妥当性に関して御意見が出ました。ある医療圏に関しては、この医療圏がどうして選定されたのかということもありましたので、そうした医療圏の内容、実態を調査した上で、選定条件とかを考えていこうということであります。
○森田会長
 よろしいですか。では、さらに御検討ください。
 ほかにいかがでしょうか。
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 外形基準を決める場合に、看護必要度、今回はこれでやるというお話だったのですが、看護必要度は、前回も私が質問させていただきましたが、20年前の基準ですね。ほとんど中身が循環系なのですね。
それより今は、高齢者が非常に増えていて、痴呆とか、要するに神経系の看護必要度も入れなければいけないのではないかということで、前の鈴木課長は、それは検討しますということをおっしゃっていただいた。先生は、今回はこれでやるとおっしゃったのですが、前回、鈴木課長が看護必要度を変えるようなことをおっしゃったのですけれども、今後は、どういうふうな段取りに、整合性をつけるつもりか。
 つまり、現状と合っていないのですよ。つまり、7対1をやっても、実際、看護必要度であんなに7対1の病院が増えてしまったということは異常な形ですね。ということは、あれは看護必要度で見てもかなり低い患者が7対1に入っているのではないかと思うのです。
 実際、正確な7対1が必要だという患者さんの医療必要度は、やはり医療必要度と看護必要度、それも神経系が入った新しい看護必要度ですね、そういうようなことを、今後、やるつもりがあるのか、ないのか。まず、その質問をしたいと思います。
○武藤分科会長
 分科会の中でも、この看護必要度の問題、大変議論になりました。その中で、まずは、今回の実態調査を踏まえて議論をするということになりましたから、私が聞いているところによりますと、厚生科研で看護必要度の検討も行っているということなので、そうした結果も踏まえた上で、今後、検討していけばと思います。
○嘉山委員
 先生は、もちろん御存じだと思いますが、私はアメリカがいいとは全然思っていないのですが、アメリカの場合には、医者同士で、ある疾患に関して、これは非常に困難性が高いというようなことを評価し合うようなシステムがあるわけですね。ですから、看護必要度というのは、何かやった結果なのですね。例えば、術後ですと、手術がすかっといってしまうと、何も看護必要度はなくて、寝たきりなど特にないと。
 ところが、非常に困難性があるというか、手術の結果が悪かった場合、看護必要度がかかわってしまうと。
 ですから、そういうことも評価できるような評価基準を、今後お考えなのかどうかも質問してみたいのです。今のところは、目の前にいる患者さんのいろいろな結果を見ているわけですね。その以前の我々医師としての技術だとか、そういうものを見る評価システムをお考えになっているのかどうか。アメリカでは、それが実際にやられているわけですけれども。
○武藤分科会長
 この分科会の範囲は、実態調査を行うことでありますので、今後の看護必要度に関しては、また、別のところで議論が行われると考えております。
○嘉山委員
 実際、行われるのですね。別のところで行われるといって、別のところで行われていないと困るのですよ。
○森田会長
 では、事務局、お願いします。
○宇都宮医療課長
 若干繰り返しにもなるのですけれども、武藤分科会長がおっしゃったように、まずは、現行の看護必要度というもので、その実態を調査して、それが、適切であるのか、あるいは何か不都合があるのかというところを十分把握した上で検討することかなということと、これもお話がありましたけれども、この重症度、看護必要度についての研究も進めておりますので、そういったところを見ながら、今後の検討になるのではないかと思います。
 よろしくお願いいたします。
○嘉山委員
 そのお話はよくわかるのですが、要するに実態をあらわしていないスケールで幾ら評価しても本当のところは出てこないのではないかということで、一歩踏み込んでお話をしているわけで、ですから、今回はこの基準しかないということであれば、それはいいのですけれども、幾らここにデータを出したとしても、それが実態と合っていなければ、我々はディスカッションをできないので、そういうことをやはり分科会で、どこまで進んでいて、どこまでやろうとしているのか教えていただかないと、あるいはそういう結果が出てきたときに、その結果はこういう条件で出てきた結果であるということを我々に教えていただかないと、正しく評価ができませんので、武藤先生にはその辺をつけ加えたデータを出していただかないと議論できないと思うのですが、いかがですか。
○武藤分科会長
 おっしゃるとおりでありまして、患者状態像との関係が非常に重要だと思いますので、そのあたりを配慮したいと思います。
○嘉山委員
 それに関連してなのですが、例えば、7対1とか15対1を大都会で並んでいるような病院群があるときと、地方で1つの病院が7対1であったと、いろんな機能が違ってきているのですね。ですから、その辺はどこの地域の7対1の病院であるとか、そういうことをやらないと、都会の病院ですと機能は全然分化していますからね。だけれども、地方ですと全部やらなければいけないとか、そういうことがありますので、その辺の地域性も加味して調査していただきたいと思います。
○武藤分科会長
 おっしゃるとおりだと思います。
○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。幾つか出た意見をできるだけ反映する形でお願いしたいと思いますけれども、今回の調査につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
 森原委員、どうぞ。
○森原委員
 きょう、花井委員の代理で出席しました森原です。
 16ページのところですが(1)の「丸3入院時すでに褥瘡を有していた患者数」というところがあるのですけれども、要望として、こちらのほうに、入院する前が自宅だったのか、医療機関だったのか、それとも介護施設だったのかというような視点を入れていただきたいと思います。
○武藤分科会長
 おっしゃるとおりだと思います。
○森田会長
 よろしいですか。ほかによろしいでしょうか。
 それでは、確認させていただきますが、本件につきまして、中医協として承認をするということでよろしいですね。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 それでは、ただいま御説明のありました件につきましては、中医協として承認することにいたします。
 武藤分科会長におかれましては、長い間ありがとうございました。
 では、本件に係る議論は、以上といたします。
 承認はよろしいということで、それ以外で、どうぞ。
○牛丸委員
 総-1の参考資料として入院基本料等加算の算定率というのが出ております。これは、本日は説明がなかったので使わないということでしょうが、出てきたものですから、また、申し上げるのです。たしか、どの会議か忘れましたが、前にも出ました。そのときに、私のみならず、他の委員からもこれはわからない、分母が何だかわからないから、しっかりそれを示してほしい、そうでなければ、この出ている数字の意味が把握できない。それに基づいて低いという判断ができるので、こういう資料を出すとき、私は、たしかそのときに、必ずその下に分母が何であるかを明記をしていただきたいと申し上げたはずです。
 きょうは、使わないなら出さなければよかったのに、出てきたからには、全く同じものというか、変わっていないのでどうなのでしょうか、その点をお伺いしたいのです。
○森田会長
 この資料の趣旨につきまして、事務局、お願いします。
○宇都宮医療課長
 以前、不適切だという御指摘を受けたということは承っております。
 実は、この分母は一律に入院なら入院ということで全体を分母にしてしまったということで、必ずしもこの数値が適切ではない。そういうことで、それぞれについて適切な分母というものをどうしていくかということで、現在、そういったもので集計、計算中でございます。これについては、あくまでも以前こういう資料を出させていただいたという参考ということで、今後、これに基づいて議論を行うという意味ではございません。
 よろしくお願いいたします。
○森田会長
 ということですので、よろしいですね。
 それでは、次の議題に入ります。「被災地における特例措置について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
 どうぞ。
○宇都宮医療課長
 それでは、資料中医協総-2をごらんいただきたいと思います。「東日本大震災に伴う診療報酬等の特例措置の利用状況について(調査結果)」ということでございますが、これにつきまして、平成24年7月1日時点で特例措置を利用している状況につきまして、調査を実施しましたところ、1万8,940の保険医療機関から回答がございまして、実際に特例措置を利用しているという回答があった保険医療機関は134あったということでございます。
 その内訳が「○医科」の表の中に書いているとおりでございまして、例えば、医科の1番目「仮設の建物による保険診療等」というように続いてございます。それが4ページまで続いてございますが、その表の一番右側に、7月1日現在、特例措置で対応している保険医療機関の数がございますが、中にはゼロというものも幾つかございます。
 4ページをごらんいただきたいと思いますが、以上、医科については25項目ございますが、注にございますように、5、8、15、それから21~24の措置については、被災3県のみというような措置となってございます。
 また、歯科については、そちらに示された2つの措置がございますが、2のほうについては、被災3県のみ利用できる措置となっていると、こういう状況でございます。
 最後の5ページでございますが、この特例措置は、本年9月30日までの延長ということとなっているところでございますが、10月1日以降、どのように取り扱うかということでございます。
 この考え方としまして、今、ごらんいただきましたように、利用者数は必ずしも多くはないのですけれども、引き続き利用されている措置がそれなりにあるということでございまして、今後の対応としては、原則として現に利用している保険医療機関についてのみ、来年の平成25年3月31日まで6カ月間期限を延長するということにしてはどうかということでございます。
 それ以後の延長につきましては、また、実際に特例措置を利用している保険医療機関等の利用状況を改めて把握した上で検討するということにしてはどうかということでございます。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。ただいまの御説明、御提案につきまして、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
 では、鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 7月1日現在の対応でゼロと書いてあるところについてですが、これは、ずっと当初からゼロなのか、途中までは該当するところがあったのだけれども今はゼロなのか、両者が混じっている可能性があると思うのですけれども、その辺はどのような状況なのか、ちょっと教えていただけますでしょうか。
○森田会長
 事務局、お願いいたします。
○宇都宮医療課長
 この調査は、あくまで7月1日時点での調査ということですので、それまで利用していたか、していなかったかということについては、この調査では不明でございます。
○森田会長
 鈴木委員、よろしいですか。
○鈴木委員
 現在利用しているところだけを継続するということですけれども、先々さらに状況が変化する可能性もあり、要するに津波とか地震と違って、まだ原発事故は続いているわけなので、そういう状況には柔軟に対応してほしいと思います。
○森田会長
 それでは、小林委員、どうぞ。
○小林委員
 事務局の対応案については、特に異論はありませんが、今回の調査結果から、今、事務局からも説明がありましたように、特例対象となる医療機関の数は必ずしも多くないと思います。被災地は依然として特例措置を講じなければいけないほど、6カ月延長しなければいけないほどダメージが残っている状況とのお考えなのかどうか、被災地区全体についての事務局の認識を確認したいと思います。
 以上です。
○森田会長
 事務局、お願いします。
○宇都宮医療課長
 これは、被災地の被災の仕方もさまざまだと思います。津波による被害、それから、液状化による被害、原発による被害、それぞれについての状況がございますので、一律にそれがどれだけということは、なかなか答えにくいのではないかと思います。
 たまたま私は、先日まで介護報酬のほうを担当してございましたけれども、そちらのほうでの特例措置については、やはり福島県がかなりまだ残っているような状況があって、それ以外は比較的復興していると、これはあくまで介護の話ですので、医療は違いますけれども、御参考までに申し上げれば、そういうような状況がございました。
○森田会長
 では、牛丸委員、どうぞ。
○牛丸委員
 一応調査をなさって、その結果を踏まえて提案されているということで、それに基づいての皆さんの判断で、私はそれに従います。
 ただ、中医協の議論というか、いろいろ物事を進めていく上において、常にエビデンスというものを重視しております。先ほどの入院の分科会にしましても、私が担当している検証部会でもそうです。
 今回のこのことについても、最初の1ページにありますように調査が行われた。どういう形で調査が行われるのかというやり方は、私もよくわかりませんので、こういう方法しかないのかわかりませんが、もう少し細かいというか、しっかりした調査ができるといいかなと思います。
 ですから、今回はともかくとして、もし、さらに延長等そういうことを考える場合には、もう少し詳細なというか、やり方はすぐに思い浮かびませんが、しっかりした調査ができればお願いしたいという要望でございます。
○森田会長
 では、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 今回の調査につきましては、7月1日時点での届出状況の調査に合わせまして、今回、この調査をあわせて行ったということでございますが、半年の延長のときには、そういった調査がございませんので、また、違った形で今の御意見を踏まえて確実に把握できるような、そういう方法を考えたいと思ってございます。
○森田会長
 では、そういうことでお願いします。どうぞ。
○堀委員
 1点意見と、それから、確認をお願いしたいのですが、4ページの歯科のほうで、2番目に「クラウンブリッジ維持管理料」というのがございまして、これは簡単にいいますと、クラウンやブリッジを装着してから2年間は維持管理期間として新しくつくりかえる等に制限がかかる仕組みだと思っておりますので、患者さんが来られて、例えば、新製をする場合に、前の治療がいつ行われたかがわからないと対応できないということで、この特例措置をお願いしたということです。震災発生から2年がたつ来年3月までの延長ということは、そういった意味では賛成をいたします。
 さらに、その後も概算請求といったような装着した日がわからないようなことも出てくると思いますので、そういった場合も、その時期になりましたら改めて柔軟な対応の検討をお願いできればというのが1つ意見でございます。
 5ページの延長の考え方の原則として「現に利用している保険医療機関についてのみ」というところで、今、言ったような仕組みからしまして、ずっと医療機関で特例措置を利用していなくて、10月に入ってから突然患者さんが見えて、同じようなケースに遭遇する場合があると思いますので、この特例措置が、そのときに使えないと対応できないということになります。このクラウンブリッジ維持管理料につきましては、そういったケースについても原則として、現在利用している医療機関のみという例外にしていただくか、あるいは「原則として」とありますから、この範囲で柔軟な対応をお願いするか、どちらかをお願いしたいと思うのですが、その辺の御見解をお聞きしたいと思います。
○森田会長
 事務局、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 クラウンブリッジの維持管理料につきましては、今、堀委員御指摘のように、ほかのものとちょっと違った要素がございます。
 ということで、あくまで、ここに「原則として」と書かせていただいておりますが、クラウンブリッジにつきましては、例外的なものとして、今、御指摘のように柔軟な対応を考えたいと思ってございます。
○森田会長
 堀委員、よろしいですか。
○堀委員
 はい。
○森田会長
 この件について、ほかにいかがでしょうか。
 福井専門委員、どうぞ。
○福井専門委員
 よろしくお願いいたします。
 ただいま事務局からの御説明があって、対応案につきましては、現時点ではやむを得ないように考えました。
 日本看護協会でも被災地におけます医療機関の状況を把握するために、県看護協会に依頼しまして、被災地の医療機関に特例措置に関するアンケート調査を行いましたので、御報告と今後のとりくみについて要望したいと思います。
 被災地医療機関の調査結果ですが、特に福島県のいわき地方の40病院にアンケートをお願いしましたところ、17病院から御回答をいただけまして、この17病院は、一般病棟の7対1から15対1、さらに療養病棟のケアミックス病院までさまざまございましたが、このうち特例措置の利用者数は17病院のうちの3病院でした。3病院のうち相双地区が2病院、いわき地区が1病院でした。
 この結果から、看護配置に関しては、どの病院でも看護職の労働環境を維持するために、さまざまな工夫が行われているということがわかりました。
 ですが、非常に厳しい状況であるということは変わりなく、看護職の人員確保が難しいということと、看護職員の厳しい労働環境が、これ以上悪化しないような運営体制の支援が必要という結果だと思っています。
 看護管理者の意見も多数寄せられております。長期の看護職員の欠員状態が、職員の体調不良を生んでいて、これが悪循環になっていること、とくに夜勤をする者や中堅看護師が非常に不足しているので、疲弊が集中している状況になっているということ、それから、職員自身も家族離散になったり、仮設住宅で生活をしているので、震災の後遺症を抱えながら業務に当たっているという状況にあることなどが明らかとなっています。
 こういった状況から職員の負担を、特例措置は許容するようなことになるのだろうと思うので、このような診療報酬上の特例措置のみだけではなくて、もちろん、この中医協の中で議論することではないのかもしれませんが、あわせて抜本的な人材確保策、それから、看護師を採用したくても住宅政策をお願いしたいと思います。住んでもらうところがないがゆえに看護師の確保ができないということもわかりました。
 こういったように、横断的な支援が不可欠であるということを、このアンケートの結果から読み取れています。被災地の3県の看護協会からも要望をいただいておりまして、被災地の医療提供を守るための予算措置、必要な支援を講じられるようにお願いしたいということです。
 特例措置の届出医療機関の状況を、今後また実態把握をするということですが、特例措置が恒常的な取り扱いとならないように御対応をお願いしたいと思っています。延長措置の見直しについては、あらかじめ対応を検討していただくことが必要ではないかと思います。
 例えば、6カ月間期間を延長して、その後、延長するかどうか、利用状況等を把握し、改めて検討するということですが、どういう状況であれば延長するのか、どういう状況であれば、これはなしとするのかということをあらかじめ御検討しておいていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○森田会長
 ありがとうございました。
 中医協の範囲を超えた事柄もございましたけれども、これは、御要望として承っておくということでよろしゅうございますね。
○福井専門委員
 はい。
○森田会長
 ありがとうございました。それでは、ほかにいかがでしょうか。
 森原さん、どうぞ。
○森原委員
 こちらの調査結果の関係ですけれども、岩手、宮城は津波というようなことがあって、福島はやはり被曝というような観点もございますので、この数を出すときには県別に出していただいたほうが、今後の対策もしやすいのかなと思いました。
 以上です。
○森田会長
 それも、今後の御要望ということでよろしゅうございますね。
○森原委員
 はい。
○森田会長
 それでは、事務局、よろしくお願いいたします。
 では、ほかにいかがでしょうか。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 私の最初の質問で確認させていただきたいのですが、1年半の間に調査が7月1日時点の1点しかしていないということで、その前後がわかっていないということなので、新しい項目は別にしても、この項目に関しては、新たにこの項目の中で対応を必要とするような医療機関が出た場合には「原則として」という言葉がありますので、柔軟に対応していただけると理解してよろしいか、確認させていただきたいと思います。
○森田会長
 事務局、お願いいたします。
○宇都宮医療課長
 これはあくまで、先の東日本大震災の被害についての特例措置ということですので、それに伴うかどうかということが、やはりポイントになると思います。
 そういう意味で、少なくとも現時点で利用されていない場合については、基本的には、今後はそういう措置はないということでございますが、特段、被災した方を新たに受け入れることとなったとか、だれもが納得できるような、そういう理由がもし生じた場合には、やはりそういった特例は適用されるものと考えてございます。
○森田会長
 どうぞ。
○鈴木委員
 原発事故はまだ終わっておりません。県内外に16万人の避難が現在も続いているわけですし、若い人を中心に人口流出も始まっており、状況的には、私は徐々にさらに厳しくなっていくところもあると思いますので、ぜひ、柔軟に対応をお願いしたいと思います。
○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ほかに御質問等もないようですので、本件につきまして、中医協として承認するということでよろしいですね。確認させていただきます。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 ただいま説明がありました事項につきましては、中医協として承認することにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして「最近の医療費の動向について」、これの御報告をお願いしたいと思います。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○村山調査課長
 調査課長です。お手元の資料総-3をごらんいただきたいと思います。
 平成23年度の医療費の動向についてでございます。資料の1ページ目は、動向のポイントということでございますが、この医療費は、審査支払機関で審査されたレセプトをとりまとめた統計ということで、柔道整復師の施術分などは含まれておりませんけれども、国民医療費の約98%に当たりまして、医療費の動向を速やかに把握しているものでございます。
 なお、東日本大震災におきまして、診療報酬請求されていない分等は含まれていないということでございます。
 23年度の医療費は37兆8,000億ということで、1兆1,000億円の増加、増加率は3.1%ということで、おおむね従来と同程度の3%前後の水準ということでございます。
 なお、23年度につきましては、それ以前からわずかにありました人口減の影響、これが、23年度には約0.2%ありましたので、その影響があります。
 なお、人口の高齢化による影響、すなわち年齢階級別の一人当たり医療費が変わらないとしまして、高齢者の人数割合が高まることによる影響ということですけれども、これが約1.5%弱、それ以外の医療費の増加分、高齢化の影響を除いた自然増とも申しますけれども、これは約2%程度ということでございます。
 資料の7ページのところには、入院、入院外、歯科別の医療費の伸び率の状況がございます。
 これを8ページと9ページで受診延日数、延患者数の動向と単価、1日当たり医療費の動向に分けたものでございます。
 8ページの下と、9ページの下の表を見ていただきますと、8ページの下の受診延日数はおおむねマイナス、入院、入院外とも延患者数は減少傾向、9ページの下を見ていただきますと、1日当たり医療費はプラス、増加ということで、医療費の増加は1日当たり医療費の増加によるということでございます。
 なお、8ページの下のところ、入院の受診延日数につきましては、22年度がプラスということがございましたので、これについて少し詳しく見たものが、18ページと19ページでございます。
 入院の受診延日数につきましては、新規の入院件数と平均在院日数に分けることができます。
 19ページのほうから先に見ていただきますと、上から2段目のところに、平均在院日数の伸び率がございますが、これは、18年度以降平均在院日数はずっと減少を続けて。います
 18ページの2段目、新規入院件数のほうでございますけれども、21年度以降はプラス、特に22年度は若干大き目な伸びということで、先ほどごらんいただきました、入院の受診延日数の22年度の増は新規入院件数の増が大きかったことということから読み取ることができます。
 続きまして、少し飛びまして26ページでございますが、都道府県別の医療費の状況でございます。
 これは、医療機関所在地別の医療費でございますけれども、先ほどの被災3県の関係を見ていただきますと、一番左端の総計、福島県が0.4%と最も低い。そのほか被災3県では診療種別ごとにも少し影響がございます。
 なお、全国の医療費の伸び率との関係ですけれども、全国の医療費の伸び率は、従前と大きな変化はございませんし、被災3県以外と比べましても大きな差はなく、被災による影響は、全国に対する伸び率の影響にはほとんど影響がないものと考えております。
 次は32ページでございます。最近の調剤医療費の動向ということで、電算処理分をまとめてそのレセプトの中身を集計した統計ということでございます。
 平成21年度からは、調剤の電算処理分は調剤医療費ベースで99%を超えたということで、金額統計を観察できるものと考えております。
 34ページをごらんください。34ページの表の2-1を見ていただきますと、調剤医療費の実額、平成23年度は6兆5,000億、7.9%の増加、技術料は、その約4分の1の1兆6,000億で3.3%の増加。薬剤料は、その4分の3程度4兆9,000億、9.5%の増加。なお、後発医薬品の薬剤料は4,200億ということで、16.1%の増加ということでございます。
 その下の表の2-2は、処方箋1枚当たりの調剤医療費ということですが、これは、先ほどの医療費の動向の説明では、1日当たり医療費に当たるものでございまして、調剤の1日当たり医療費の増加要因について技術料による分と、薬剤料による分の内訳がこれでごらんいただけます。
 続きまして、36ページでございます。
 処方箋1枚当たりの伸び率の最も大きな要因は薬剤料ということで、特にそのうちの80%以上を占める内服薬について36ページで内訳を見たものでございます。
 平成23年度の欄を見ていただきますように、処方箋1枚当たりは7%の増ですけれども、伸び率の寄与は1種類当たり投薬日数と1種類1日当たり薬剤料は、それぞれ3ないし3.9%ということで大部分を占めていることがごらんいただけます。
 44ページでございますが、後発医薬品の割合ということで、表10-1でございます。平成23年度の調剤医療費におきます後発医薬品の割合でございますが、薬剤料ベースで8.7%、0.5%の増。数量ベースで23.3%、0.9%の増となっております。
 説明は、以上でございます。
○森田会長
 どうもありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございましたら、御発言をお願いいたします。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 9ページの表5-2についてお尋ねしたいのですが、医療費総額の伸びについては、1日当たりの医療費の伸びと受診延日数の伸びというのが影響を与えると理解しておりますが、歯科は、このほかに6カ月に1回行われる歯科用貴金属の告示価格の見直しの影響を受けるというふうに承知しております。
 表5-2の一番下に入院、入院外、歯科、調剤というふうに伸びが出ておりまして、これが、いわゆる改定がなかった年なので、自然増というふうに理解できると思うのですが、歯科は、今、いったような材料の価格見直しの影響がどのくらいあるか、それを勘案しないと、いわゆる自然増というふうな議論ができないと思われます。
 御質問は、この1.3%伸びがありますが、この中に、昨年は2回価格見直しがあったと思うのですが、その影響が医療費ベースでどのくらいなのかお教えいただきたいという御質問であります。
○森田会長
 事務局、どなたかお願いいたします。
○村山調査課長
 調査課長でございます。
 私どものほうでは、この計数については把握しておりません。
○森田会長
 どうぞ。
○田口歯科医療管理官
 歯科医療管理官でございます。
 23年度の歯科用貴金属の随時改定に伴います歯科医療費の影響については、現時点では把握をしておりません。
 ただし、平成21年度、22年度の歯科用貴金属の告示価格の改正に伴います歯科医療費への影響につきましては、昨年の10月の中医協の総会におきまして、初めてデータを報告させていただいております。
 今後、23年度の影響につきましても、どういった形で御報告するのが望ましいのか、事務局の中で整理をした上で御報告させていただきたいと思っております。
○森田会長
 ありがとうございました。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。今、管理官が申されたとおり、昨年の質問で日を改めて医療課から0.4%あったという形でデータが示されました。そのデータをもとに試算しますと、23年度は1.2%くらい材料の影響があったと思いますので、それを勘案すると、1.3のうちの1.2であると、歯科のほうの自然増は0.1くらいだと、そんな理解でよろしいかどうかも含めて、次の機会に、ぜひ、資料とあわせて御説明をお願いできればと思います。
 以上です。
○森田会長
 それでは、宿題ということで事務局お願いします。
 ほかにいかがでしょうか。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 データを見させていただきますと、大病院、特に大学病院と調剤の伸びが高くて、診療所が低いというのが、ほとんど全てで一致している傾向だと思いますが。20ページの表19-2、大学病院の外来の伸びが特に6.2%と全体の中で際だって高いのですが、この理由については、どのようなことが考えられるのか教えていただけますでしょうか。
○森田会長
 お願いいたします。事務局、どうぞ。
○村山調査課長
 今のお尋ねは、20ページの表19-2の大学病院の医療費の伸び6.2%ということで、ほかの区分に比べて高いということですが、21ページの延患者数の動き、表21-2をごらんいただきますと、大学病院は23年度0.8%、しかし、ほかの公的、法人、個人等の患者数の伸びはマイナスということでございます。
 なお、単価、一日当たり医療費につきましては、22ページの表の23-2でごらんいただきますと、大学病院は、ほかの区分に比べまして少し高目ということで、結論から申しますと、受診延日数がほかのマイナスに比べましてプラスの増があり、かつ、単価の伸びが少し高いというところまで、この統計表ではお示ししております。
○森田会長
 鈴木委員、よろしいですか。
○鈴木委員
 要するに、患者数、単価ともに上昇しているということですね。わかりました。
 ありがとうございます。
○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 1点、確認だけさせていただきたいと思います。32ページの調剤医療費です。
 調剤医療費ですから、これは要するに入院外の医療に伴って発生する医療費で、その中に調剤の技術料と薬剤費というものが含まれているということになります。
 医療機関からの請求の統計のほうには、入院外医療費について病院の外来と診療所の外来というのが分けて書かれていて、何年もメディアスではデータは変わらないのですが、入院外について病院が4で診療所6くらいの割合であります。
 一方、調剤医療費のほうは、総計で技術料が1兆6,000億で、薬剤料が4兆8,000億というのは出ているのですけれども、今後の議論の上で、もし、必要になった場合はということが前提ではあるのですが、この調剤の技術料及び薬剤料についても、つまり、これは入院外から発生するものですから、病院の外来からの分と診療所の外来からの分とをそれぞれ分けて計算することはメディアスのデータからすれば可能なのでしょうか。
○森田会長
 事務局、お願いします。
○村山調査課長
 調査課長でございます。
 既に処方箋の様式が改正になりまして、発行元の病院、診療所区分というものは、調剤報酬の明細書から把握できますので、データとしては把握できます。
 ただ、先生御指摘の統計につきましては、私どものほうでは、まだ集計するには至っておりませんので、今後、課題として統計として把握するよう努めさせていただきたいと思っております。
○安達委員
 可能であることが確認できればいいので、そういうことを御要望しないで済むのなら御要望しませんし、それは、今後の議論のありよう次第だろうなと思って確認だけさせていただきました。可能だということですので、ありがとうございます。
○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。
 他に御質問もないようですので、本件に係る議論は、このあたりにしたいと思いますが、よろしいですね。
 ありがとうございました。
 それでは、予定されている議題は以上ですけれども、そのほかといたしまして、事務局から資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 中医協総-4でございます。定例の御報告になります。
 薬食審での事前評価が終わり、公知申請が適当とされた適応外薬については、薬事承認を待たずに保険適用することとなっております。
 8月31日の医薬品第一部会で3成分、9月6日の第二部会で3成分、合計6成分について事前評価が終わりましたので、同日付で保険適用されているというものでございます。事後報告でございます。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。報告事項ということですけれども、これは、特に御質問等ございませんね。
 ありがとうございました。
 本日の議題は以上でございます。異例に短い時間で終了いたしましたけれども、次回の日程につきまして、事務局からお願いいたします。
○宇都宮医療課長
 次回は、10月上旬を予定してございます。よろしくお願いいたします。
○森田会長
 ありがとうございました。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表 : 03-5253-1111(内線3288)

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