ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 終末期医療に関する意識調査等検討会(平成24年度~)> 第1回終末期医療に関する意識調査等検討会議事録(2012年12月27日)




2012年12月27日 第1回終末期医療に関する意識調査等検討会議事録

医政局指導課

○日時

平成24年12月27日(木)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省専用第14会議室(22階)


○議題

(1)これまでの経緯と最近の動向について
(2)平成24年度調査の実施について
(3)その他

○議事

○医政局指導課在宅医療推進室長(平子) 
 皆さん、おはようございます。定刻になりましたので、第1回終末期医療に関する意識調査等検討会を開催させていただきます。カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日御出席の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。議事に入る前に、本検討会の構成員の皆様を、お手元の構成員名簿に沿って事務局から御紹介させていただきます。
 まず始めに、池上直己構成員です。伊藤たてお構成員です。大熊由紀子構成員です。川島孝一郎構成員です。本日御欠席ですが、木村厚構成員。佐伯仁志構成員です。佐藤保構成員です。田中徹構成員です。田村里子構成員です。中川翼構成員です。羽生田俊構成員です。林章敏構成員です。樋口範雄構成員です。増成隆士構成員です。町野朔構成員です。松月みどり構成員です。南砂構成員です。村上勝彦構成員です。山口育子構成員です。御欠席ですが山本保博構成員です。
 次に事務局の御紹介をいたします。医政局長は、公務により冒頭、欠席させていただいております。続きまして医療保険、医政、医療・介護連携担当大臣官房審議官の神田です。医政局指導課長の梶尾です。在宅医療推進室室長補佐の新谷です。冒頭の司会を務めます在宅医療推進室長の平子です。どうぞよろしくお願いいたします。
 開会に当たりまして、神田大臣官房審議官より御挨拶申し上げます。

○大臣官房審議官(神田) 
 皆さんおはようございます。大変お忙しい中を、本日はこの検討会に御出席を賜りまして誠にありがとうございます。先ほどございましたけれども、昨日、安倍内閣が発足いたしまして、ちょうどこの時間初登庁ということで局長はそちらのほう、このあと引き続きレクがございますので席を外させていただいておりまして失礼いたします。公務で出たり入ったりがございますけども、失礼の段をお許しいただければと思います。
 開会に当りまして、これまでの経緯ですとか、この検討会の目的などについて簡潔にお話をさせていただければと思っております。この終末期医療につきましては、昭和62年度以降おおむね5年ごとに、これまで計5回検討会を開催いたしまして、平成4年度以降は、国民や終末期医療に関わる方々に意識調査を行った上で議論を重ねてまいっております。その間、人工呼吸器の取外しに関する報道等を契機といたしまして、終末期医療の決定のあり方に関する議論の高まりを受け、平成19年には、厚生労働省におきまして「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を策定いたしております。
 終末期医療の考え方は、個人個人で異なると考えられますので、それぞれの意思が十分に尊重されるとともに、その望む医療が実現できる体制の構築が重要であるというふうに考えております。どこに住んでいても、その人にとって適切な医療・介護サービスを受けられるような社会を目指して、医療提供体制の構築に取り組んでいくとしておりますが、今年の8月に成立いたしました社会保障制度改革推進法におきましても「医療のあり方について、個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること」と法律上も規定をされております。こうした中で、特に人生の最終段階を迎える時期の医療につきましても、国民や医療に携わる方々の意見を調査いたしまして、その結果を踏まえ、課題を整理していくことが大変重要ではないかと考えております。皆様方にはこの検討会の開催の趣旨について、ただ今申しましたような経緯、目的を御理解いただきまして、様々な観点から幅広い御意見を賜れればと考えております。何とぞよろしくお願い申し上げます。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 それでは、撮影は以上とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、始めに資料の確認をさせていただきます。議事次第の下のところから配布資料が順次書いてございます。座席表、議事次第に続きまして資料1「終末期医療に関する意識調査等検討会開催要綱」、資料2「これまでの経緯と最近の動向」、資料3「平成19年度終末期医療に関する調査結果の概要」、資料4「平成24年度人生の最終段階における医療に関する意識調査(案)」、資料5「平成24年度人生の最終段階における医療に関する意識調査調査票(案)」です。参考資料として、「平成23年度終末期医療のあり方に関する調査手法の開発に関する研究報告書」となっております。資料に不足や落丁等ございましたら事務局のほうまでお願いいたします。
 続きまして、本検討会の座長についてお諮りいたします。上智大学生命倫理研究所教授の町野朔構成員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 それでは、町野構成員に座長をお願いしたいと思いますので、簡単にご挨拶いただいた後、議事運営をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

○町野座長 
 御指名により謹んでお引き受けいたしますけれども、第4期・第5期に引き続いて今期もということで、正直かなりしんどいところもありますけれども、皆様の御協力によって今回も意義のある検討会になるように努めてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 まず、議事に入る前に、組織を代表して出席されている構成員の方が欠席される場合の取扱いについて、その代理出席の際の取扱いについて決めていただきたいと思います。事前に、事務局を通じて座長の了承を得ること、当日の会合において承認を得ること、以上二つを条件として代理の方の参考人としての出席・発言を認めてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。これは、これまでの前回と同様の取扱いということでございます。よろしくお願いいたします。
(異議なし)

○町野座長 
 それでは、そのような取扱いにすることとして、議事に移らせていただきたいと思います。本検討会におきましては、一般国民、医師、看護師、介護老人福祉施設職員に対して終末期医療に関する意識調査を行い、その結果を踏まえて課題の整理を行っていくというものでございます。本日の検討事項は、今年度実施する意識調査についてということになります。まずは、事務局からこれまでの検討会のこと、それから意識調査の内容について御説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐(新谷) 
 御説明いたします。資料1から資料5までと参考資料を御用意しております。資料1は検討会の開催要綱となっていますので、御参照ください。資料2「これまでの経緯と最近の動向」を御説明させていただいて、その後、昨年度の調査の結果の概要について簡単に御説明させていただいた後、資料4と資料5を用いて、今回の調査について御説明させていただこうと思います。
 資料2です。1ページ、終末期医療の検討に関しては、昭和62年度以降、おおむね5年に1度、検討会を開催して終末期医療に関して御検討いただいているところです。特に平成4年度以降はアンケート調査を国民に対して実施して、国民の意識などを踏まえながら御検討いただいているところです。
 2ページは「終末期医療のあり方に関する懇談会」ということで、前回の検討会の報告書の内容を抜粋しております。平成20年10月から計6回開催して、一般国民及び医療福祉従事者に対する終末期医療に関する調査等をもとに、終末期医療の現状の問題点の抽出、終末期医療の考え方の整理及び望ましい終末期医療のあり方について検討を行って、報告書を取りまとめていただいております。
 その概要として、リビング・ウィルの法制化については慎重な意見が多かったという現状でした。意思決定に至る過程においては、患者・家族に十分な情報を提供し、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」に記載されているようなプロセスを更に現場に浸透させ、充実させていくことが望まれているといったような内容。医療福祉従事者から十分な情報提供や説明を行うためには、医療福祉従事者が終末期医療に関する知識を十分に備えた上で、患者・家族と話し合う機会を確保していくことが必要であるといった内容。患者をそばで支える家族へのケア、遺族に対するグリーフケアについても今後議論を深めるべき、といった内容を取りまとめていただいております。
 また、平成19年の「終末期医療の決定プロセスのあり方に関する検討会」について、3ページにお示ししております。人工呼吸器の取外し事件の報道などを踏まえて、「尊厳死」のルール化の議論が活発になったことを受けて検討会を開催して、平成19年5月に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を取りまとめております。
 「ガイドラインの概要」を下に記載しています。医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされた上で、患者が医療従事者と話し合いを行い、患者本人による決定を基本として終末期医療を進めることが重要である、といったことが述べられておりまして、患者の意思が確認できる場合、確認できない場合に分けて、決定プロセスに関してお示ししているものになります。また、患者家族と医療従事者が話し合った上で、適切な医療内容について合意が得られない場合については、複数の専門家からなる委員会を設置し、治療方針の検討や助言を行うことが必要であるといったことが記載されています。
 話合いの決定プロセスに関するガイドラインに示された手続きの流れが、4ページに示されております。またこうした厚生労働省のガイドラインなども踏まえて、5、6ページにあるように、様々な学会などによって、それぞれの分野でのガイドラインの作成といったものも進められていますので御紹介しております。
 終末期の検討会はこういった経緯でこれまで開催していますが、終末期において適切な療養環境を確保するといった観点で進められている取組みについてもここで御紹介したいと思います。7ページ以降です。「社会保障・税一体改革大綱」の中では、「どこに住んでいても、その人にとって適切な医療・介護サービスが受けられる社会を実現する。」「病気になった場合にしっかり「治す医療」と、その人らしく尊厳をもって生きられるよう「支える医療・介護」の双方を実現する」といったことを目的として、在宅医療の充実や地域包括ケアシステムの構築といったことに取り組むという方向性が示されています。9、10ページはその模式図です。
 11ページは「社会保障制度改革国民会議」においても、医療のあり方について、個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備することについて、議題の一つとして議論が行われております。関係する議論の抜粋を12、13ページにお示ししております。
 14ページは、超党派の議員が参加する「尊厳死法制化を考える議員連盟」において、いわゆる尊厳死に関して、延命治療の開始を希望しないことを書面で示した患者に対し、医師は新たな延命措置を開始しないことができるといったような法案について、検討が進められているということです。
 15ページは、例えばがんや認知症施策といったことに関しても、平成24年6月などに、がん対策推進基本計画の策定、今後の認知症施策の方向性についての策定といったことが行われておりまして、疾病という観点に関しても取組みが行われているということです。
 資料3です。終末期医療に関する平成19年度の調査の結果の概要に関して、簡単に御説明させていただきます。1ページは「終末期医療に関する関心の有無」についてです。一般国民及び医療福祉従事者ともに、「非常に関心がある」「少し関心がある」と回答した方が80~96%となっていて、関心が高い方が多かったという結果です。「延命医療について家族で話し合ったことがある者の割合」も48~68%となっていました。
 2ページです。「死期が迫っている場合に望む医療」として、治る見込みがなく死期が迫っている場合の延命医療については、「どちらかというと延命医療は望まない」「延命医療は望まない」と回答された方が7割を占めると、延命医療に消極的な回答をされた方が多いという結果でした。
 3ページ、「リビング・ウィル(治る見込みがなく、死期が近いときには、延命医療を拒否することをあらかじめ書面に記しておき、本人の意思を直接確かめられないときはその書面に従って治療方針を決定する方法)への賛否」を尋ねております。一般国民の約6割がリビング・ウィルの考え方に賛成しているという結果で、これは前回、前々回の調査に比べて増加しているという結果でした。そのリビング・ウィルの扱いに関しても調査をしております。その結果、「法律を制定しなくても、医師が家族と相談の上その希望を尊重して治療方針を決定する」と、法制化に否定的な意見を選択した方が6割を超えていたという結果でした。
 4ページです。終末期医療に関する治療方針について、医師や看護師、介護職員の職員間で十分に話合いが行われているかといったことに関しては、「行われているが不十分であると思う」「行われているとは思わない」と回答した方が多かったという結果でした。
 5ページの「終末期状態の定義や延命医療の不開始、中止等に関する一律な基準」に関しては、「詳細な基準を作るべきである」という回答と、「一律な基準を作らなくても医療・ケアチームが十分に検討して方針を決定すればよい」がいずれも4割程度で、どちらかというと「一律な基準を作らなくても医療・ケアチームが十分に検討して方針を決定すればよい」という回答がやや多かったという結果でした。
 6ページ、終末期においてどこで療養したいかということに関しては、1割程度が最後まで自宅でと回答され、最後までに限らず必要になったら医療機関を利用したいと回答された方も合わせると、6割以上の国民が自宅で療養したいと回答されています。昨年度の調査の概要は以上です。
 続いて、資料4と資料5を用いて、今回の調査について御説明させていただきたいと思います。資料4の1ページです。御説明したとおり、平成4年度以降5年おきに4回にわたって、一般国民及び医療福祉従事者の終末期医療に対する意識やその変化を把握しています。前回、平成19年度に調査を行っておりますので、最終調査から5年の月日を経て、一般国民の認識及びニーズの変化、医療提供状況の変化などに鑑み、再度、意識調査を実施したいと考えております。
 2「調査対象」です。前回、平成19年度の調査と同様、一般国民、医師、看護師及び介護老人福祉施設の介護職員を対象に意識調査を実施します。今回調査から、更に医療機関、介護老人福祉施設の体制について、各施設長に対する意識調査も実施することとしたいと考えております。
 下の表の見方ですが、対象者が一番左の欄に書いてありまして、一般国民、医師、看護師、介護職員、施設長となっています。「施設数」というところが抽出する施設数となっていまして、各施設を通して、右から二番目の「1施設の対象数」の欄に記載している人数に対して配付いただいて、結果として右欄の「対象者数」に配付していただくことになるという見方になります。調査方法は、自記式の質問紙調査となって、調査票の送付・回収は郵送により行います。調査項目は記載のとおりとなっております。
 資料5は、1~8ページが「一般国民票」、9~10ページが「施設票」、11~20ページが「医師票」、21~30ページが「看護師票」、31~40ページが「介護職員票」となっています。医師票、看護師票、介護職員票は、介護職員票において「患者」という表現が「入所者」となっている以外は全て同じ項目となっています。医師票などは、一般国民への調査項目に加えて、人生の最終段階における医療に関して、医療職、介護職としての対応や意見に関する設問を設けております。
 前回報告書において、調査に先立ち検討期間を設け、調査方法、調査項目について検討すべきとされたことを踏まえて、平成23年度研究事業として、池上構成員に主任研究者をお願いして、調査項目の見直しを行っております。今回提示している調査票は、その研究成果を踏まえて事務局で整理したものとなっております。
 前回検討会での議論を踏まえ、調査項目、調査の簡素化を図るとともに、「終末期」、「延命医療」といった一般国民にイメージしにくい用語は極力使用しないよう。また、延命医療の中止の意思ではなく、人生の最終段階において受けたい医療、受けたくない医療に関する意思表示について尋ねる。治療の中止についてではなく、開始を希望するかについて尋ねる。といったような見直しを行っております。
 1ページ「一般国民票」ですが、問1が、ご自身の死が近い場合に受けたい医療、受けたくない医療についての家族との話合いの状況。問2が、どのような治療を受けたいか受けたくないかといったような書面に関する御意見と、実際に書面を作成しているか。問3は、自分で判断できなくなった場合に誰に医療・ケアチームと相談して決めてもらいたいか。問4は、そういったことをあらかじめ決めておくことについてどう思うか。問5は、実際にそういった指名を受けた場合には、その判断を引き受けるかどうかといったこと。問6は、そういった受けたい治療、受けたくない治療、あるいは誰に代わって判断してほしいかといったようなことを、あらかじめ記載された書面についてどのように扱われるのが適切かという設問となっております。
 2ページの問7から問12までは、御自身が回復が難しい状態になった場合の医療に関する御希望を伺っている設問になっています。できるだけどのような状態にあるかイメージを持っていただいた上で、どこで療養したいか、また、具体的な治療項目を挙げて、そういった治療を望むか、を調査することとしております。問7が末期がんで、まだ比較的状態が保たれている状況。問8が末期がんで、呼吸がだんだん苦しくなってきた状況。問9が、慢性の重い心臓病が進行したけれども、意識や判断力は保たれている状況。問10が、認知症が進行した場合の状況。問11が、事故で頭を強く打って半年以上意識がないといった、いわゆる植物状態。問12が、いわゆる臨床的脳死といわれるような状態となっております。6ページ以降のフェースシートは、回答者の属性などを聞く設問となっております。
 9、10ページが「施設票」です。これは、施設の体制について聞く設問になっておりまして、決定プロセスに関するガイドラインにおいて、医療・ケアチームが患者と十分に話合いを行うことが重要であるとか、意見がまとまらないことなどがあれば、倫理委員会などに相談するといったようなことが示されています。前回の報告書においても、医療・介護従事者への教育の重要性、グリーフケアの体制の検討などが重要であるといったことが述べられておりましたので、そうした施設側の体制について設問を設けております。
 問1が、話合いの状況。問2が、グリーフケアの体制の有無。問3が、倫理委員会やコンサルテーションチームの有無。問4が、事前指示書を使用しているかということ。問5が、その事前指示書の説明をすべき時期。問6が、緩和ケアチームの有無。問7が、厚生労働省の「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を使用しているか。問8は、その他学会によるガイドラインを使用しているか。問9が、終末期医療に関する教育・研修を施設職員に対して行っているか、という問いとなっております。
 11ページからが「医師票」となっております。冒頭の四角の枠囲みに記載しておりますとおり2部構成になっていまして、第1部では人生の最終段階における医療に関して、医療職としての御対応や御意見を伺います。13ページの下段からの第2部では、一般国民としての個人的な御意見を伺うということで、これは一般国民票と同じ項目となっております。
 「医師票」11ページの問1が、担当されている患者さんで亡くなられる方がどれくらいいるかということで、どの程度終末期に関わっておられるかを調査することとしております。問2が、十分な話合いを患者、医療福祉従事者と共に患者に対して行っているかという問い。問3が、その中において意見の相違が起こったことがあるか。問4が、その場合において倫理委員会に相談したかどうか。問5が、厚生労働省のガイドラインを参考にしているか。問6が、その他の学会などにより作成されたガイドラインを参考にしているか、というものになります。
 問7は「一般国民票」の中にもあった、末期がんと診断されて呼吸が苦しいといった状態のときに、では患者さんに対してどこで療養することをすすめるか、どういった治療をすすめるか、という内容になっておりまして、こういった設問を患者さんの意識と照らし合わせることができるということになっております。問8が、終末期の定義や延命医療の不開始、中止等を行う場合の判断基準についてどう考えるかということで、詳細な基準、大まかな基準などを作成すべきと考えるか。あるいは、その基準について、法律に定めるべきであるかそうでないか、といったことについて尋ねております。そのほかの項目については、これまで御説明した内容と重複していますので割愛させていただきます。事務局からの説明は以上です。

○町野座長 
 ありがとうございました。今回の調査は、これまでの調査を踏まえた上で、継続性を保ちつつ、しかしながら、いつも同じ質問をするのではなく質問のやり方を変えて、同時にこれまでの議論の推移を踏まえたものにしなければいけないというところです。
 先ほど御説明のあった、資料2の1ページ目にあるように、同じく「終末期医療の意識調査」と言ってもそれぞれの検討会での関心事は徐々に動いてきております。特に今回の前の第5期の報告書では、その前に終末期医療のガイドラインというプロセスガイドラインができていて、そのことをスタートとしながら議論したというところもあります。
 その結果、資料2の2ページ目に報告書が3点まとめられているとおり、終末期医療の決定プロセスのガイドラインの精神を現場に浸透させると。つまり、患者さんたちの意思を尊重しながら医療を継続する。あるいは、どのような医療を行っているかという体制についての問題が一つ。終末期医療に関する知識について、国民や医療関係者、それぞれについて知識にばらつきがあるのではないだろうかと。その辺りの平準化を図る必要があるのではないかというのが二番目の問題意識です。最後が、患者ケアとともに家族のケア。そういうことが非常に必要であると。それから、遺族のグリーフケアについても関心を向けなければいけない。そういう方向で整理されています。
 これから調査票の検討に入りますが、その際、資料1にあるこれまでの経緯と結果を考慮しながらということになります。したがって、調査項目についての具体的な議論を、まずそこでかなりしていただくことになるだろうと思います。入る前のところで、先ほどの説明をいただいた資料4を御覧いただいて、調査対象としては、前回と同様に一般国民、医師、看護職員及び介護老人福祉施設の介護職員を対象に意識調査を実施する。もう一つ、今回調査からは、医療機関、介護老人福祉施設の体制について、各施設長に対する意識調査を実施するという体制になっておりますが、この調査対象について、もし最初に御意見などがありましたら伺いたいと思います。

○中川委員 
 定山渓病院の中川です。日慢協の副会長もしています。今回の施設長に対するアンケートを取るのはとても新しい考え方で大変よろしいと思うのですが、病院といっても急性期病院から慢性期病院まであります。今、急性期病院で亡くなるよりも慢性期病院のほうが圧倒的に亡くなっているような気がするものですから、病院の数を1,000と書いてありますが、例えば2,000にして1,000ずつに分けるとか。そのぐらいの数を取らないと、急性期病院ばかりにアンケートが行ってしまうと、例えば700と300になってしまうと実態が表れない可能性があると思いますので、その辺りを少し御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○町野座長 
 今のことについて、事務局のほうで何かお考えがありますでしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 調査対象施設数の増減に関して、予算の問題もありますので、施設数が大幅に増加することは、なかなか難しい部分があるとは考えております。ただ、同じ施設数の中での配分といったことでしたらこの場で御議論いただければと思います。

○中川委員 
 これは、厚生労働省に少し進めてほしいという要望も入っていると思いますが、病院が非常に多い数の中で、介護老人福祉施設が2,000となっているのはいかがでしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 介護老人福祉施設の施設数は、当初はもともと施設長票がない段階からの調査客体の選出ですので、どちらかといえば対象者数は、一般国民5,000、医師3,200、看護師4,100という中で、介護職員2,000に対して配付するための施設数の選定だったと考えておりますので、この辺りの施設長票の配付先としての構成比に関しては御議論いただければと思います。

○中川委員 
 私はむしろ逆で、病院が2,000で介護施設が1,000の方が合っているような気もいたしますが、皆様の御意見を聞いていただければと思います。

○村上委員 
 介護老人福祉施設の施設長の村上です。我々の介護老人福祉施設は平成18年から「看取り介護」という制度が新設されまして、その中で今、「看取り」に取り組んでいます。介護老人福祉施設は今6,000を超えていますので、そういう中では、介護老人福祉施設が今どういう状況にあるかということでは、病院のほうの数はたくさんあってもいいかなと思いますが、介護老人福祉施設も、そういうことでは、6,000のうちの3分の1ぐらいは対象になってもいいのではと思っている所です。

○松月委員 
 急性期病院で長く経験がありますし、救急もやっていました。どこで亡くなったかという統計を取ると、確かに80%の方は病院で亡くなっているのですが、最後の看取りの確認のために急性期病院に運ばれてくる方が多く含まれているように感じます。急性期病院の病院長の意識を聞いても、看取りの確認を目的とした搬送に対する応召義務への対応を聞くことになってしまうので、その前の段階の、それぞれの介護老人福祉施設で最後の看取りができるような体制について多く伺う方がいいのではないかという意見を、私は持っております。

○池上委員 
 昨年度、この研究について、町野先生をはじめ林先生、そして日本救急医学会の有賀先生にも入っていただいて、この問題も議論しました。その際、ここで施設数だけでなく、1施設当たりの対象数にも着目していただきたいのです。これまでの調査は、病院長に対して調査票を配付して、病院長に適当に医師に配付して回答をお願いしてくださいという形式をとったわけです。つまり、どのような医師に配付するかについては、特に指定をしていなかったのです。同じ病院でも、例えばケアミックスの病院であれば、どちらの医師に配付するかによって自ずと回答は異なると思いますので、今回は私からこれを見せていただいた意見として、やはり、どういう医師に配付してもらうかということを規定した方がよろしいのではないかと思います。
 少なくともそのうちの一人は、終末期ケアに関わっている医師。看護師も同様に病院長の裁量で配付していたのですが、看護師の方も管理職ではない正に現場の看護師で、その中で少なくとも一人は終末期医療に関わっている看護師で。それがない病院もあるのですが、可能な限りそういう、お二人ともそうするか、そのうち一人はそうするかというのは、実は本日、議論をいただきたい点です。同様に、介護職員に関しても、同じ2,000の対象者数を得る方法として、例えば施設を半分にして、そこから二人回答していただくというのももう一つの方法です。
 というのは、回答は2部立てになっています。施設長として施設全体の方針、そして、それを医師、看護師、そして施設の場合には介護職員に聞くということになっていますので、先ほど申し上げた、具体的に回答していただくために誰を選ぶかによって自ずと変わってくると思います。そこで、介護職員に対しても、終末期ケアに関わっている介護職員を少なくとも一人は選ぶことによって。事務局からの説明で、かなりばらつきがあるという話もありましたが、施設の中でも必ずしも統一がとれていない可能性もありますので、その問題についても、施設票と個人票とを、今回は明確に誰を選ぶかということを指定した方がいいということ。
 併せて、施設票における施設長としての考えと、実際に回答してくださる現場の方との回答の突合も見ると参考になると思いますので、それも併せて御検討いただければと思います。

○大熊委員 
 病院の数については申し上げずに、例えば病院の中で按分して、病院も精神科病院、療養、慢性期病院、急性期病院という区分けがありますので、その数に従って配付をされた方がいいのではないか。特に最近は精神科病院で随分お亡くなりになる方が多くいらっしゃいますし、その場合、慢性期病院より少し配慮が少ないかなという気もしたりするものですから。今度、とてもいいと思うのは、ただ意識を聞くだけではなくて、実態が分かるような仕組みになっているのは大変よろしいと思います。そのこともあり、是非、精神科病院というものをきちんと区別していただきたい。
 それから、特養は入っているけれども老健は入っていないのですが、これは何か訳があるのでしょうか。介護福祉施設の中に老健施設も入っているのでしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 老人保健施設に関しては、終の棲家ではなく、在宅の復帰を図るという位置付けですので、調査対象は終末期のケアなどを行っている介護老人福祉施設とさせていただいております。

○大熊委員 
 建前はそうなのですが、実態はそうではないので、特養の代わりに老健が使われるという実態がありますので、その辺りを御考慮いただけたらと思います。

○町野座長 
 今の話はかなり難しい話だろうと思います。その辺りは事務局で、もう少し検討をお願いできますでしょうか。それとも、やはり無理でしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 議論の前提として、配付数を変えるのはなかなか難しいので、もし老健施設に配付するということであれば、恐らくどこかを少し削っていただくなりの検討が必要だろうと思います。

○田村委員 
 私も同じように、病院の種類を明確にして取るようにしたほうがいいと思います。種類によって、非常に対応や考え方は当然違うと思います。それと、池上先生がおっしゃってくださったように、回答していただく人を、できるものであればそのように、そこの施設に委ねてしまうのではなくて、おっしゃったように、やっている方と実際の一般の医療者なり利用者というふうに分けて取った方が、実際に現実的なところが取れると私自身も思います。先回の調査と違うのは、本当に現実がもう少しくっきり見えるようにというところで、かなり工夫をしてくださっていると私自身も考えますので、配付の回答者の指定という部分で、もう少し細かくできると更にいいのではと思います。

○中川委員 
 もしも総体が変えられないのであれば、回答してきたものが、ただ医療機関などと書いてあるのではなくて、急性期病院だとか、大熊先生が言われたように、精神科の病院だとか慢性期病院だと、そういう区分けが回答の中から得られるようなところに○を付けられるようにしていただくと、それはそれでまた意味があると思うのです。だから、総体は変えなくても、そういうふうに、どこから回答が来たかが区分として分かるような設問を、どこかに付けていただくとよろしいのではないかと思います。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 御指摘いただきましたので、皆さんがそれでよろしければ、そのようにさせていただきます。

○羽生田委員 
 前からの調査が、いわゆる全体的に関心がどう変わってきているかという点を見るという意味では、終末期を多く診ているところに限定してやるということとは意味が少し違ってくるのではないかと思うのです。ですから、今、議論されたようなことを調査するということ、それを見るのも非常に大切なことなのですが、今回の終末期医療に関する調査というのは、終末期に携わっていない方もどう意識しているかということを調査するのがメインのように思っているものですから、そういう意味では、調査対象、場所、あるいは人を限定してくると、むしろそちらに偏った方々の考え方という調査になると、少し意味が違ってくるのかなと思いました。

○山口委員 
 数が変えられないというのは施設だけでなくて、総数としては国民対象も変えられないということなのでしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 一般国民票の配付先ということですか。

○山口委員 
 はい。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 郵送先がかなり増減してしまうと、予算に大幅に響いてまいりますので。

○山口委員 
 先ほど、前回が終末期医療に関心がある方が80~96%となっているのですが、回収率が50%ぐらいで、終末期医療に関心がある方を一般国民で言いますと、非常に関心がある方と全く無関心という方の差が非常に激しいと思うのです。こういう意識調査をすることによって、では具体的にこういうことを考えましょうという、意識を広げることにもつながるということを考えると、この医療従事者の数に比して一般国民はもっともっと数が多いはずなのに、5,000というのが非常に少ないのではないかなと私は感じます。
 これも郵便に限定して変えられないものなのか。例えば、国民向けにこういうことをやっているのだということを、インターネット上などで回答を求めるようなことであれば、そんなにお金もかからないのではないかと思ったのですが。その辺りの検討の余地があるのかどうかが分からない段階で、お聞きしたいと思ったのですが。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 インターネットでの調査に関しても一度検討はしているのですが、実際に調査を実施しているところにヒアリングを行った結果、やはりそういったことをするのは難しいのではないかという御意見をいただいています。

○池上委員 
 昨年度調査しましたところ、20、30代の方の回答率が非常に低いのです。これは終末期の調査だけではなく、あらゆる郵送調査を通して見られる一般的傾向で、これはいかんともし難いところがあります。したがって、回収率を上げる、あるいは有効回答数を増やすのであれば、40歳以降あるいは60歳以降を増やすと、ますますその年齢層の意見が反映されることになってしまいますけれども、実際に20、30代の方には必ずしも関心が高くないというのも、また現実ですので。年齢をそのまま代表するように配付するのか、あるいは回収率を高めるために、より中年以降に傾斜配分するか、そうすることによって、有効回答数は増やすことができると思います。
 それから、一般的な医師の意見なのか、それとも終末期医療に携わっている医師の意見か、これについても私どもで議論をしました。まず、病院長から配付するものに関しては、少なくとも一人は終末期に関わるけれども、もう一人については御指摘にあったように、そうでない医師ということを逆指定することも可能だと思います。
 病院以外に診療所に関しては、基本的に従来と同じ方法ですので、特に在宅療養支援診療所を対象とした調査ではなく、診療所一般ということです。この設問の中に、実際に終末期に関わっていらっしゃるかどうかを伺いますので、それを介して関わっている医師と関わっていない医師の回答を比較しながら、より総合的に医師の意向を反映できるのではないかということで、対応できるのではないかと考えております。

○伊藤委員 
 今、議論をお伺いしていたのですが、医療機関、特に病院といっても、慢性期と、まあ、医師の違いもいろいろあるのでしょうが、実際にどういう病院かによって随分対応も違います。どういう病院に行くかというのは、患者にとっては非常に切実な選択になっています。とりわけ最近、問題になっている精神科での問題もありますので、例えば中川先生がおっしゃったように、病院別に分けるのは無理にしても、回答欄で記入で慢性期の病院なのか急性期なのか、あるいは精神科なのかということは分かるようにしたほうが、患者の側としてはその後の選択にも直接関わるので、何かそういう工夫をしていただけないかという気がいたします。
 医療機関と介護施設との割合についても、やはり一般的に言っても、これがほぼ同数というのは少し偏っているかなという気もしますので、これはちょっと工夫をしていただきたい。
 もう一つ大事なのは、受ける側が一般国民という選択があります。5,000となっていますが、あとは全部、病院や診療所、あるいはそこで働いている医師、看護師、介護職員なのです。私も、自分たちの経験から言って、最も大きな関係性があるのは、そこの患者あるいは家族と医療機関なのです。医療機関というよりも、むしろ看護師や介護職員なのだと思いますが。その辺りのことの違いを明確にするのだとすれば、一般国民5,000だけということで、実際にこういうところに入っている患者さん、家族を対象としていないのは、何かバランスが悪いのではないかという気がします。特に、現実に日々最終的な医療について悩むのは、むしろ患者であり家族なのです。どうしますかと問われて、決定は皆さん御家族がお考えください、決めてくださいと言われるのです。だとしたら、そこのところの、病院にいる本人が可能であれば本人、本人が無理であれば家族に聞くということはあってもいいのではないかという気がするのですが、これが抜けている理由をお聞きしたいと思います。

○町野座長 
 今の点は事務局のほうが何かありますか。それとも、池上先生が先に発言されますか。

○池上委員 
 これは、私どもの別な調査で、御遺族の方に伺ったのです。そうしましたら、伊藤委員が御指摘のとおり、遺族の方の体験と一般国民の意向とは大きく乖離しています。そうした家族の方に伺いたいのはやまやまなのですが、基本的に死亡届には個人情報として連絡先は書いてあっても、アクセスすることができないので、結局、病院サイドから亡くなった遺族の方に配付をお願いするという方法しかなかったのです。それは、ある地区では病院の御理解は得られたのですが、別の地区では理解が非常に不十分であったので、なかなか病院にとっても、亡くなって退院された患者の御家族に調査票を郵送してくださいというのは手間があって、なかなか御協力いただくのは難しい状況です。
 では、実際に亡くなった方の死亡届からやるかといえば、これは個人情報があってそれができない。一方では、今、在院されている方、入院されている患者さんの家族に伺うというのは、病院としてなかなか終末期のアンケートを入院されている患者さんの家族に配付することは難しい。というので、消去法として病院から既に亡くなった方に対して送付するということを行ったのですが、なかなかこれは病院に多大な御負担をかけますし、御協力いただくことは難しいということがありました。何か別の方法があれば教えていただければと思います。

○伊藤委員 
 今、池上先生がおっしゃったところが、実は、この調査の胆に関わる部分ではないかと思うのです。そういう意味では、私はやはり医療機関はこの調査には協力するべきだと思います。特に、患者がお金を払って、いわばお客としてその病院にいるわけですから、医療機関が面倒臭いだのお金がかかるだのと言って、そこの遺族なり、今入院している方に御協力を依頼しないこと自体が、この終末期の医療に関する意識の上での大きな乖離であり対立点になるのだと思うのです。私は、是非、これはそういう面でも乗り越えて工夫して協力をしていただけるような。協力していただけないのなら、いただけなかったということも数字として出さないと、いくら施設長なり医師が理想的ないい回答をしたとしても、実際はそれをしていないのではないかということも言えると思いますので、是非お願いしたいと思います。

○池上委員 
 私の発言が誤解を招いたようですので、その点だけ正していただければと思います。私は、入院患者に対して、病院が手間を惜しんでやることが原因でできないのではなく、入院されている患者の家族の方に、このような調査票を配付すること自体が問題であるということを申し上げたのです。それとは別のこととして、既に死亡退院されている御遺族の方に、もう亡くなられているわけですから、病院から調査票を配付をお願いするということは、なかなか協力を得られないということです。

○山口委員 
 話を引き戻すようなのですが、多分、一般国民の数を増やしても、回収率は変わらないと思います。確かに、20代、30代の回答率が低いというのは、本当にそのとおりだと思うのですが、ただ、やはりこういう問題は、いつ、子どもとして、孫として、あるいは配偶者として直面するか分からない問題だとすると、関心を持っていない方が、いざ、突然そういうものに直面して、一体何を選択すればいいかということに戸惑っているのが現実だと思うのです。だとすると、今回のアンケート票は、非常に具体的に場面が想定してあって、ああ、こういったことについて考えないといけないのだなということが非常に分かりやすいとすれば、より多くの国民がこの機会に、調査の結果だけを目的にするのではなくて、こういうことについて考えないといけないのだという意識啓発のためにも、できるだけ多くの方の目に触れるような努力をしていただきたいなということをお願いしたいと思います。

○村上委員 
 この調査票の看護師さんなのですが、この看護師さんは病院の看護師さんに限定されているのでしょうか。というのは、先ほど言いましたように、我々の特別養護老人ホーム、介護老人福祉施設は、今、全部ではありませんが、看取りを平均すると44%ぐらいやっているのです。場所によっては年間20名ぐらいの方を看取っている特養もあったりして、その中での看護師さんの役割がものすごく大きいわけです。我々のところも昨年、今年度5、6人看取りをしていますが、やはり医師、看護師の役割が大きくて、この看護師さんの意識というものは、是非この中で何らかのことで見ていけたらなと思います。
 もう一つは、一般国民のところです。今、この資料の中にもありますが、平穏死ということが我々の世界の中では随分広がっていまして、この講演等を家族の方がお聞きになっているのです。そうすると、この方々については、例えば最期のところで何もしなくてもいいですよということで看取るというケースが随分あるのです。そういう家族の方々が、たくさんいらっしゃるということを考えると、この一般国民の中にも特養の利用者の家族の方がいらっしゃるわけです。ですから、このフェースシートの中で、例えば看護師さんについても一般国民についても、所属しているところを聞けるのであれば、それを聞いていただくと、この中で、また、そういう中身が分かってくると思ったりするものですから、それが可能かどうかをお聞きします。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 事務局から御質問にお答えいたします。看護師に関しては病院、診療所、緩和ケア病棟、訪問看護ステーション、介護老人福祉施設のそれぞれの施設に所属している看護師に対して調査を行うこととしております。施設票と看護師票と従事者票を突合できる形にしておくことによって、所属している施設に関しても、どういった類型になるかが分かるのではないかと考えております。

○村上委員 
 一般国民のフェースシートの中で、どこに所属しているというか。例えば家族がいるとか御自分がいるということを、取れるのかどうか。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 一般国民に関しては8ページにありますとおり、最近5年間に病気やけがで入院したかというのは調査を行っておりますし、御家族に関しても同様に、病気やけがで入院した方がおられたか、亡くなられた方がおられたかといったことに関しては尋ねております。

○町野座長 
 かなり時間が経ちましたけれども、この後、調査項目の中身についての検討が残っております。今の御意見を整理しますと、国民一般に広げる必要性は、もちろんみんな感じていて、もうちょっと広げたほうがいいのではないかと。簡単に言うと、予算の関係が非常に大きいというのが一つです。患者さんや遺族の方々についても、調査の対象とすべきではないかと。それは皆さん誠にごもっともと思うのですけれども、先ほどの池上先生の御説明にもありましたとおり、今回はそこまでの工夫ができるような状態ではないだろうと思うのです。将来と言うと5年先になるのですけれども、そのときを踏まえた上で、国民一般の問題と、患者さんや遺族の方たちの意識調査が可能かどうかを検討してみるということで、その点はよろしいでしょうか。

○樋口委員 
 その点について一言だけ発言しようと思って、私は今日やってきたのです。基本は今の座長の御意見のとおりで結構ですが、5年先までというのがどうかと思っているのです。次の議題に進みたいところでしょうから、私は「その他」のところで発言いたします。

○川島委員 
 私も「その他」のところで、この内容についてまた発言します。

○池上委員 
 これだけは申し上げたかったのです。調査票の配付先として、従来に従って緩和ケアというのを作成したのですけれども、緩和ケアはこの間に更に浸透しましたので、特別な集団として含めなくてもいいのではないか、というのが私の意見です。それを含めないことによって、僅かですけれども調査票の配付先に余裕が出ます。もう一つの問題は、集計する際に、医師全体で集計しますと、緩和ケア医の人数によって全体の合計が変わってきてしまいます。今回、病院の医師に関しては終末期ケアに関わる医師ということで、もう既に把握できます。緩和ケア病棟がたまたまその病院にあった場合には、そこでまたダブルカウントになる可能性もありますので、特別な区分からの除外を検討いただければと存じます。

○町野座長 
 先生がおっしゃるのは、一番下の施設長票から除くという話でしょうか。

○池上委員 
 いや、緩和ケア全部についてです。

○林委員 
 緩和ケアの関係で申し上げたい。実際の配付先を、終末期医療に関わる者と限定していただけるのであれば、私は省いていただいても大丈夫な状況になってきていると思います。

○町野座長 
 今の点を、事務局としてはどのようにお考えでしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 今までの議論を入念に確認させていただきたいと思います。御議論いただいた中で医師票のところで、病院に配付するときは一人が終末期に関わっておられるところ、一人はそうでない方を指定するということを従来はしていないのですけれども、今回はそういった形でさせていただいたほうがいいという結論でよろしいですか。いない場合も当然あり得ますが。

○町野座長 
 御意見はございますか。
(異議なし)

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 そうであれば、緩和ケア病棟を持っているところというのは、特段調査をしなくてもいいという結論でよろしいですね。
(異議なし)

○町野座長 
 よろしいですか。

○羽生田委員  
 その数を減らすのであれば、今、関わっているMSWが非常に増えてきているので、私はこの調査対象者に入れるべきではないかと思っています。緩和ケアを省くのであれば、MSWという手はないかなと思ったのです。

○町野座長 
 その点、池上先生はいかがでしょうか。

○池上委員 
 病院についてはほぼあると思いますけれども、診療所などにはないし、介護老人福祉施設では、施設長がそれを代替できると思います。もしMSWについて実施するとしたら、病院に限ってやるかどうかだと思います。ただ、ここで伺っている内容は、終末期医療の調査です。どこが受入先としてあるかという、終末期ケアの医療の場については伺っているのですけれども、医療内容がかなり中心となっております。それもMSWとして伺う価値は、もちろんあるかとは存じますけれども、それはもう少し検討させていただければと存じます。

○町野座長 
 今の点について、事務局としては何か御意見はございますか。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 今の議論を確認させていただきます。次回の調査へのということですか。やるとすれば、数の制約で何度も申し訳ないのですけれども、多少の増減はあるとしても病院票に追加した上で、数が100では足りないという御議論があれば、今回はパイロット的にというぐらいができるのかなということです。やらない場合は、今後の検討課題として残していただくという、このどちらかの選択肢になろうかと思います。

○町野座長 
 今、御提案されたと言いますか、可能性があるとおっしゃったのは、どの部分に加えるということですか。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 病院が1,000対象となっておりますので、MSWの方を調査票の送付先に入れるということです。

○町野座長 
 そうすると、医師票などとは別ですか。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 別個に立てるという可能性と、例えば紹介先をきちんとできる体制を取っていますかというように、体制を聞くのであれば、数は増やさずに施設票に項目を一つ増やすというやり方もあろうかと思います。

○町野座長 
 私はそれが現実的かなと思ったのですけれども、そういうことでいかがでしょうか。

○田村委員 
 池上先生がおっしゃるように場ではないのですけれども、その場の選択肢として情報提供を一緒にしているということで、もとにある意識というものが、終末に関してはどのような意識で、療養場の可能性という場所を提供しているかというのは、一つ意味があるかとは思います。つまり、医療の内容ももちろんですけれども、そういう状況になった方が、どういうところで療養できるのか、するものだと考えながら、いろいろな情報提供をしているかというのは影響する部分かなと考えます。

○町野座長 
 のっけからかなり大きな議論になりました。MSWの件については、施設の調査の中の病院の中で、支援の体制について聞くということですね。それは可能で、やってみることはできるという話です。皆さんも、この点はやってみるということでよろしいでしょうか。
(異議なし)

○町野座長 
 では、それで一つよろしくお願いします。

○川島委員 
 今回の調査対象は介護老人福祉施設までになっているので、今回かなわなくても、この次は在宅の介護職員等、ホームヘルパーさんやケアマネジャーさんにまで範囲を広げていただけると有り難い。つまり対象者の中で、介護職員は2,000となっております。今回はここまでにするということであれば、これはこれでよろしいのですけれども、次回に今度また調査をするときには、在宅関連の職員にも幅を広げていただけると有り難い。

○町野座長 
 先ほど樋口委員からも、5年先は幾ら何でも遠いのではないかという話がありましたので、できれば今回、調査票のやり方について、池上先生のところである程度の素案を作っていただいて御議論いただいたのと同じような研究班を立ち上げていただいて、どこかでスタートすると。ここでは返事ができないだろうと思いますけれども、そういうことをお考えいただけないだろうかということでよろしいでしょうか。それは無理だとか、何か御意見はありますか。

○池上委員 
 検討させていただきます。

○町野座長 
 最初にこの問題が出たのは、施設票の施設長のところです。病院等と介護老人福祉施設とで、バランスを失しているのではないだろうかというところから話が始まったのです。今回の調査に施設長が入ったというのが、恐らく新しい試みです。その一つの意図というのは、プロセスガイドラインの趣旨が施設としてどの程度守られているか、守ろうとしている体制にあるかという調査があったわけです。同時に、全体的には最終的にどの場で人が最期を迎えるかということについての体制づくりも、かなり大きな要因です。それを考えますと、具体的にどの施設で人が死ぬのが一番多いかというだけの問題でもないように私は思います。
 先ほどいろいろ御提案がありましたとおり、今回は緩和のほうを少し省いた上で、数の案配をするとして、それ以外はこのままの数でいきます。ただ回答者の属性が明らかになるような、フェースシートを工夫していただくということでいかがでしょうか。それと同時に、次の調査に向けた検討会、研究会をどこかでなるべく早くスタートさせていただくように要望したいと思います。それでは、最後に大熊委員から一言。

○大熊委員 
 中川先生の折衷案はとてもいいように思うのですけれども、回答率を見るためには、精神科病院、慢性期病院、急性期病院にこれだけ配り、その回答がこうだというように、最初からしつらえていただきたいと思います。診療所と病院以上に、急性期病院と精神科病院は違うものなのです。それを一緒くたに病院にするというのは、現実を反映していない。これはそんなに面倒なことではなくて、どれだけ配ったかを控えておくということでよろしいのではないでしょうか。

○町野座長 
 今のことで、事務局のほうからお願いします。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 配付先については当然把握しておりますので、属性を明らかにした段階で、大熊先生から御指摘いただいた点は分析できるかと思います。ちょっと事務局から確認したいと思います。今、配付先を整理していただいたのですが、入念な確認として、今回、老健施設はなしということでの整理ですか。

○町野座長 
 はい。その点も含めて、何年か先の調査のときに一緒に比べてください。よろしくお願いします。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 あと、山口構成員から御指摘いただいた調査票の件です。調査票のホームページへの掲載、それを回収するわけではありませんし、不十分かもしれませんが、周知という形で対応するという方向で考えさせていただければと思います。

○町野座長 
まだいろいろあると思いますけれども、次に調査の内容に入っていくわけです。検討に当たっては事務局から、調査のスケジュールの見通しといいますか、どういう具合になっているかという今後の大雑把な感じについて、御説明いただきたいと思います。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 調査票については、本日いただいた御意見を整理して、年度内に調査の実施・完了というスケジュールで進めたいと思っております。

○町野座長 
 年度というのは、12月ではなくて3月ですよね。

○医政局指導課在宅医療推進室長 
 そうです。

○町野座長 
 分かりました。できれば今日、調査票の確定までいきたいと思っておりますけれども、これからそうはいかないこともあり得るという前提で、ここから先は調査票の内容について、御意見などをいただきたいと思います。

○中川委員 
 前回のこの会でも、終末期には救急、がん、高齢者、難病、小児があるということで、皆さん大体合意が得られたと思います。今回、ここに詳しい設問として出されているのが、がん、心臓病、認知症、頭部外傷による植物状態です。このように、がんと認知症という形で入っていますが、そのほかに心臓病を選んだというのは、例えば心臓病がこうなったときにはどうかということなのでしょうか。この四つを選んだのは、何か特別の理由があるのでしょうか。

○池上委員 
 心臓病を選んだ理由は、肝臓、腎臓、心臓、肺など、時々急に悪くなって入院して、一時的に良くなって退院するというのを繰り返しながら、最後の入院となって亡くなるものの一つの代表として出したわけです。例えば重い心臓病というのが、一般の国民の方には一番分かりやすいのではないかと。COPDにしてもよかったのですけれども、CODPが分からない場合もあるので、それで重い心臓病としました。

○中川委員 
 それから「認知症」という言葉で、高齢者の終末期を代表するような形にされたということでしょうか。

○池上委員 
 そのとおりです。以前の質問ですと、脳卒中後遺症というのがありました。脳卒中後遺症というのも、脳卒中を患ってからあまり時期が経っていない場合もありますし、脳卒中は再発で悪化する場合もあるので、その両者を混ぜて聞くのはあまり適切な方法ではないと思いましたので。徐々に悪化して、神経難病のお話がありましたけれども、認知症の末期は神経難病と同じように、基本的に食事等の介助は全面的にしてもらわないといけない状況になりますから、難病も含めて高齢者の最後の段階における医療ということで、認知症ということに決めた次第です。

○中川委員 
 そうしますと、難病も認知症と同じ経過をとるだろうということですね。ただ、ここを見ますと「認知症になった場合」ということで、認知症だけが特化されたように書いてあるのです。例えば、終末期は結構神経難病の方も多いですし、この四つの項目を選んだことを、前文みたいなところで説明があったほうが、この四つを選んだ理由が分かりやすいかなと思ったのです。その辺はいかがですか。お話を聞くとそうかなと思いますけれども、実際に回答する人にとっては、この四つがどうして出てきているのかが気になる方もいらっしゃるかと思うのです。

○池上委員 
 なぜこの四つにするかということを、分かりやすく説明することは試みたのです。ただ、医療関係者あるいは関わっている方には説明しやすいのですけれども。もう一度検討させていただきます。

○中川委員 
 それから、植物状態というのは、ほとんど救急からそういう形になるということで、そこに含まれていると考えればあれですけれども、私は、神経難病などももう少しどこかに出ていてもいいのかなと思ったので、今、意見を言わせていただきました。そういうことを前文で御検討いただくのであればよろしいかと思います。

○町野座長 
 今の池上先生のお話ですけれども、私も先生と一緒に入っていて、私は完全な非医療者なのです。説明を聞いていると、やはりこういうことが医療の現場では一番問題で、これに直面する国民が多いのだろうということは分かりますけれども、これを説明せよと言われると、一つの論文では足りないのではないかと思うぐらいかなり大変なのです。先生の御意見は分かりますけれども、アンケートをやるときにもうちょっと。今回の試みというのは、今までのような抽象的な病状についての説明ではなくて、それぞれの病状を選んだ上でのそれで、かなり大きな進歩ではないかと私は思うのです。そうすると、どうしてこれか、では、ここから外れるものは何かという疑問がいろいろ出てくるのも確かなので、どういう工夫でこのことがもうちょっと分かりやすく説明できるかについては、やはり検討するということで。では順番どおり、佐藤委員からお願いします。

○佐藤委員 
 今までの終末期というのは、特に口から食べること、若しくは口から食べられないケースでも、口の中を清潔にしてQOLを高めることというのは、多く理解を得られているのではないかと思っています。口腔ケアとか口腔機能の維持という問題は、実際にはチームとして対応すべきことが多くなっておりますので、これらの対応について、国民がどういう理解をしているのかということを、設問として入れ込んでいくことがある意味、価値があるのではないかと思うのです。その点で、事務局から何かお考えがあったら教えていただきたい。

○町野座長 
 事務局あるいは池上先生、いかがでしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室室長補佐 
 まず1点です。今回の調査は、終末期医療に関する意識調査ですので、終末期の病態においてどういった医療を選択することになるのかといった観点から、必要かどうかの御議論をいただきたいと考えております。また、それを行うこと行わないことが、非常にクリティカルになってくると言いますか、重要な問題であれば入れることになると思います。ただ、特定の分野についてどんどん加えていくということになりますと、選択肢が膨大になってしまいますので、調査票はできるだけ簡素化を図っているということも踏まえて、御検討いただければと思います。

○池上委員 
 おっしゃっている意議はよく理解できますけれども、人生の最終段階における医療というのが、この意識調査の目的です。できるだけ最終段階にならないようにする上で、経口摂取に対応するためのチームの役割というのは、非常に重要だとは思うのですけれども、これはもうそれを通り越した最終段階という位置付けで認識しているものですから、そういうチーム医療については、特に設問を設けなかった次第です。

○佐藤委員 
 いわゆるチーム医療にこれを加えていただきたいということではなくて、終末期がいかにQOLが高い状態、若しくは安心立命な世界で終末期を迎えるという視点で考えていくと、医療として行われている口腔機能の維持とか口腔ケアというのが、やはり大きな意味があるのではないかと思っております。
 また、かつての調査でもこの視点は十分でなかった、若しくはお示しできなかった部分だと理解しています。ですから座長の継続的に行われているという視点もよく理解できますし、新たな項目を入れるという視点ではないと、むしろ調査項目の中にどう入れ込むかという御意見がありましたが、終末期にとってはやはり必要ではないかというのが、一応私どもが考えている視点です。

○町野座長 
 今の点も含めて、今回、調査がだんだん広がってきているところはあるのです。尊厳を保ちながら、最終段階で医療としてどのようなものが適切であるかということになってきますから。終末期の概念というのは、もともとはっきりしないものだったのです。要するに人生の最終局面という具合に考えると、かなり広がる。ただ問題は、そこまで広げた上で調査をやるべきかということです。そうなってくると一般医療との聞くことと、もちろん将来はそうあるべきなのでしょうけれども、今回の調査でそこまで広げることはできないのではないだろうかという感じなのですけれども、いかがでしょうか。

○佐藤委員 
 先ほど今後に向けてというお話がございましたので、今後に向けての御検討を、是非お願いしたいと思います。

○増成委員 
 これは一般国民を対象にした場合のデータですけれども、簡単に言いますと、これは意見があることを前提に聞いているのです。医師や看護師以下の方々は意見がないことはないので、これはいいのですけれども、一般国民の場合は、極端に言えば意見がゼロの人から、非常に意見のある人までいます。そのことを考えないでただデータを取って、一般国民の意識はこうなったというように持っていくのは、問題が多いと思うのです。特に意見がゼロから少しはあるというところまでの国民の場合、終末期医療についての人の意見を聞く、例えば講演を聞く、テレビで話を聞く、患者さんのあれを見る、あるいは実際に胃ろうを見るということで、コロッと変わるような不安定な状態にあると思われるのです。その意味で、このアンケート項目をあまり変えないとすれば、出だしに意見があるかないかぐらいは分かるような項目設定があってもいいのではないかと思うのです。

○町野座長 
 私が記憶しているのは、脳死臓器移植のときのアンケート調査です。あれは知識のない人、それに直面したことのない人に対して、最初に説明から入ったのです。読むほうはかなりしんどいのですけれども、それまでやらなければいけなかった。今回の調査のアンケートのやり方として、例えば先ほどの様態図のようなものを示して、それで考えてくれというのでは足りないですか。今まで何も考えていなかったけれども、これで少し考えて「どう思いますか」と。

○増成委員 
 ある程度はそれで対応せざるを得ないかとは思いますけれども、私がもう1回強調したいのは、意見がない人から若干ある人については、何かで非常に大きく意見が変わる可能性がある人だということです。

○川島委員 
 まず、今回の意識調査を池上先生がされたのは、すごく画期的だと思います。今までの調査のように、言葉の解釈自体が時流に合わないのにそのまま使っているところを、なるべく省いてされているというのが本当によかったのではないかと思います。幾つか私が言っておきたいことをお話させていただきたいと思います。
 急死しない限り、皆さん必ず身体障害になって亡くなるので、急死以外、終末期医療は実は障害者論で考えていかないといけない。障害者をどのように扱っていくかということで、脳死も障害者論の中に入れられないわけではないだろうと思っています。障害者論になってくると、医療の中だけでその人をどうするかという話ではなくなってきます。WHOは2001年に、ICF(国際生活機能分類)の障害者分類の第2版として、新しい形を作りました。医療の世界でも精神や小児やリハビリテーションなどではもう既に用いられて、生活機能を高めるということになっています。
 生活機能とは何かというと、「その人が生きることの全体」というように日本語訳されております。将来的にはICDに基づく原因結果型の終末期論にならないようにして、循環型で、亡くなるギリギリまででも、先ほど佐藤委員がおっしゃったように、より良い生き方ができるようにしていくことを考えていただくことが大事ではないかと思います。亡くなる方御本人は、自分が死ぬということは一切経験しない。ですから、どう死ぬかではなくて、亡くなる直前までどうより良く生きるかということを論議していただきたい。ここが大事です。
 そうすると、今回の中でもどうしたらいいのか、私もいろいろ悩むところがあります。事例が幾つもあるわけです。がん、心臓病、認知症、遷延性意識障害のような方々も。この問いの中に「医師の見解」というのがあります。これはみんな同一だと思うのですけれども、「回復の見込みはなく、徐々に状態が悪化して死に至る」とある。これだと原因結果型で、その説明も、これはもう死ぬのだよという方向性の説明になってしまっている。しかも、たしかケアチームでこれを論議して、話をしなければならないはずです。ケアチームの中には、それ以外の医療従事者等も含まれます。例えば、我々が家に連れて帰るときです。私は在宅医療の部門で来ているわけですが、我々が入ったときには回復の見込みがなく、悪化や死に至ることを前提にしていくのではなくて、最後の日までどうより良く生きられるかという支援を考えていこうという話になるはずです。
 ですから原因結果型の説明が、果たして御本人や家族に対する説明として適当なのか。これが数年前であれば、この説明を医者がしただろうけれども、この説明だけでは支援の話になっていないので、今度は医者自体が説明責任を問われるような時代になってきています。ここをどう直したほうがいいかというのは、私自身も今日見たばかりなのでうまく説明できません。
 また「悪化」という言葉も、人間誰しもそのような状況になるわけですから、我々が最期を迎える人に対して、なるべく使わないほうがいい言葉として「悪化」と「危険」をよく言っています。つまり悪化でも危険でもなくて、自然の摂理で最期を迎えるに当たって、その要因として病気や事故などもあるでしょう。しかし最終的には人間、そのように最期を迎える日がくるのです。それに向かって進んでいくにしても、どう支えるかという話になってきます。ですからこの説明自体、医師の見解自体がいいかどうかというのを非常に注目しております。

○樋口委員 
 今の川島さんの御意見は、私ももっともだと思いますけれども、先ほど座長も言ったように、できれば今日、この意識調査をまとめておきたいわけです。時間には限りがあるわけで、これを配付して何とかというのが今年度内の事業ですから。
 まず、川島さんの御意見から言うと、「医師の見解」というところに非常にこだわっておられるのだったら、医療上の判断に全部置き換えればいいだけなので、その程度のことはできるのではないかと思うのです。現在の医療上の判断、あるいは医学上の判断ではこういう話です、その上でどう考えますかぐらいの話で。これを作られた方が「そういう趣旨なんです」と言ってくだされば、その程度まででまとめる。
 もう一つ、この意識調査というのは、池上班のお陰が大きいと思います。やはり前より、ずっとよくなったのです。町野座長はずっと何度もこの検討会に出ておられるから、すごく実感しておられると思うのです。私は前回からですけれども、前回から比べても、やはり聞き方が丁寧になっているし、言葉遣いもいい。とにかく前回よりプラス1点であれば、世の中は少しよくなる、調査もよくなるというぐらいでよろしいのではないだろうかと。
 この後、実際の分析がありますね。回答を見て分析してみると、ああ、ここが足りなかったなというのが、今日の段階よりずっといろいろな意見で出てきますよね。その中で、報告書で従来の調査に比べてこういうところを考えて、こういう調査をしましたということが。介護施設などの施設長に聞くことにしたというのが、大きな柱として出ているのですけれども、それ以外にもいっぱいありますよね。そういう点を全部並べることはないのですが、こういう形で工夫して、こういう良いところと悪いところが出てきましたというものを一番前に付けた上で、今回の結果がという形でまとめてくれると、また次回に更につながるような気がします。感想だけ申し上げたいと思います。

○町野座長 
 貴重な御意見で、報告書についてはおっしゃるとおりだと思います。おおむね今までの役所関係の報告書というのは、どこにポイントがあるか。外国の報告書には大体バックグラウンドペーパーとか、これまでの蓄積を踏まえた上で、ここがこう来て今回はこうだという説明があるのです。これを今回は意識的にして、今日の事務局からの説明にもそういうものがありましたから、その点を踏まえた上でのものにしたいと思います。そして川島委員が言われた、一般の医療の現場ではどのような説明が行われているかということを考慮して、少し変えることは可能だろうと思います。「医師の見解」の「回復の見込みがなく、徐々に状態が悪化して死に至る」という点について、事務局はいかがですか。

○伊藤委員 
 受けた体験から言えば、先生方の気持ちも分からなくはないのですけれども、ほかのスタッフはあまりいませんから、「医師の見解」はこれでいいと思います。「回復の見込みはなく、このままでは、状態は徐々に又は急に死に至る」ということで、「悪化して」ということは言わなかったと思うのです。このままだったら徐々に、又は急に死に至るというのでいいのではないかという気がします。このままでは更に状態はというようにすれば、後に選択の余地が出てくるのではないかという気がします。

○町野座長 
 ありがとうございました。では、次に川島委員どうぞ。

○川島委員 
 私、実は池上先生のをもとにした意識調査は、かなり良いのだと思っていますので、決して大幅に変えろと言っているわけではありません。ただ、疑問が一つありまして、それは認知症に関してです。認知症は確かに症状としてあるわけですが、ほかの疾患と確実に違うものは何かというと、最終段階では老衰で亡くなる方と全く同じです。つまり、ほかの何かの偶発的な病気で亡くなるということがない限りは、途中はそのような症状があったとしても、亡くなり方は人間の自然な衰え方の亡くなり方となります。
 ですから、認知症をここに入れるのがいいのか。それとも逆に認知症よりも皆さんが必ず衰えて最期を迎えるという、つまり老衰のように亡くなるという形を入れるのがいいのか。あるいは、認知症を省いてしまうのがいいのか。私はどちらかというと、認知症は認知症という病名は付いてますが、看取りの段階においては、明らかに病名が付くようなほかのとは違うのではないかと思っております。これは省いてもいいかもしれないと思います。

○町野座長
 今のはかなり重大な御提案ですので、池上先生何かありますか。

○池上委員
 老衰というイメージはかなり幅広いものですので、認知症を老衰に置き換えるというのは難しいと思います。認知症は、現在、在宅で大きな課題で、その終末期は一つの焦点になります。これを除外するのは私は適切でないと判断します。

○村上委員
 選択肢の関係です。どこで療養したいですかという中で、医療機関は医療機関だと思うのですが、介護施設は何をもって介護施設としているのか。それから、在宅も介護保険法でいうと、グループホームなども在宅になってます。そういうことで考えますと、そのことが分かる人については、これはどのように選択したらいいのかと迷うのではないかと思うのです。この点について一つです。

○伊藤委員
 一般の人は介護施設というだけで、グループホーム、ケア、何付きだとか、ほとんど分かりません。私は、単純に集計するためには、このままでいいのではないかと思います。

○村上委員
 今回の調査票は、介護職員もいます。それから、看護師さんもいらっしゃいます。介護職員などは、そういうことについて比較的よく分かっていると思いますが、介護施設という場合には、何を指しているのかについて戸惑うのではないかと思います。

○町野座長
 介護施設について何かありますか。

○池上委員
 まず、一般の国民に関しては、伊藤委員がおっしゃったとおり、この区別はまず分からないと思います。それから、医療職員についても、急性期病院に関してあるいは診療所の先生についても介護施設あるいはグループホームなどの細かい区分のそれぞれの役割についての理解は、それほど高くないと思いました。そのように、今回作成するに当たって、補問といいますか、追加の設問など細かく聞くものを除いたわけです。除いたのは、その中で比較してもあまり意味がないわけですので、これはざっくりと全体について把握することに意義があると考えました。それらの検討の結果、介護施設という一番分かりやすい名称に限ったわけです。それ以上のことは、この検討会の課題ではなく、この介護施設の中でどうあるべきかという、別のところで議論していただければと思いました。

○町野座長
 続いて第2点をどうぞ。

○村上委員
 今のお話については分かりました。先ほどお話を申し上げましたように、特別養護老人ホームに関しては、平成18年に看取り介護の創設がありました。それで今回改めてこの介護老人福祉施設が大きく取り上げているのかと思ったものですから、そういうことでこの介護施設にはいろいろな種類がありますので、これについてお聞きしたところです。
 それから、介護施設の施設長の調査票ですが、問3のところに「倫理委員会やコンサルテーションチームはありますか」という御質問があります。これはこれで大事な委員会と思いますが、我々の介護老人福祉施設は看取りの段階に入ったときに、医師、看護師を含めた多職種でのカンファレンスをして、このカンファレンスの中でこれからの状況について様々な観点から考えた上で、その方に対してこれからどういうケアをしていくかという看取りケア計画を作っていくのです。ですから、この「倫理委員会やコンサルテーションチーム」という文言の中で回答しようと思ったら、恐らくないというほうが多いと思います。実は内容的には今お話した内容をやっていますので、同じようなことをやっているのかと思います。このところについては、この質問を現状に合わせて変えていただくということができるかどうかです。

○池上委員
 そういったチームの中での構造的な話合いというのは、行われているという前提です。ここで言っている倫理委員会というのは、その話合いの中で結論が出ない場合の特別の倫理委員会です。大部分の医療機関にはこれは設置されていないのです。ですから、特別養護老人ホームの中でないということはそれはそれとして、こうした倫理委員会という第三者機関という位置付けでここで伺っているものですから、それが現実にはあまりないということを明らかにするのが目的であります。

○村上委員 
 設問を設けたことが意義あるということですね。

○池上委員
 そういうことです。

○村上委員
 回答には期待していないと。

○池上委員
 はい。

○川島委員
 先ほどの話の続きですが、ちょっと読んでみます。あなたの病状で「認知症が進行して悪化し、自分の居場所や家族の顔が分からず、食事や着替え、トイレなど身の回りのことに手助けが必要な状態にまで衰弱が進んでいます」と。これは実はグループホームにしても特養にしても居宅にしても、普通に起こっている状況で、決して終末期ではないのです。この状態から何年も普通に介護して、家族全体で支えていくという、それに当然支援をしていくという状況は普通にあるわけです。これを終末期にするというのはまずいのではないかと思います。
 その後に意識がなくなって、食事もとれなくなった、呼吸が低下したというような状況を考えるのであれば、それはもう認知症と絡める必要はない一般的な状況になってきます。ここに認知症のこの状態で、もう回復の見込みがないから亡くなるのだという、医者がこのような説明をするか。私は多分この状態ではしないと思います。
 ですので、さっき認知症を省くのがいいだろうと思いましたのは、この問10自体に問題がある。ほかはいいのですが、このままでずうっと生活している人はいっぱいおられます。ここでもう投げ出すみたいなことは、まずいのではないかと思います。もし、変えるとしたら、症状の進行はもっと進んだ状態であり、しかも認知症に限ったことではないと明記していただくことが大事だと思います。

○池上委員
 その点だけ、まず私がなぜ認知症とこだわったかを申し上げます。認知症のケアは、今、国民的議論の対象になっています。そして、単に認知症と書いた場合には、一般の方あるいは医療者の中にも、認知症が進行するということは行動の問題が更に深刻になると認識されている方が多い。したがって、認知症の進行した段階では、このように身体的なケアが必要な状態になっているのを説明するためにあります。
 これは認知症に対しての終末期の定義の問題ですが、終末期というのは死亡する2週間前や2か月前のことではなく、回復ができない状態という規定からしますと、認知症の終末期というのは数年に及ぶのも当然あると思います。そういう数年に及ぶ終末期の中でどのようなことを望むかが、ここで設問を設けた目的であるわけです。

○川島委員
 すみませんが、20年も30年も続くのであれば、それを終末期というのかという話になる。つまり、認知症になっても10年、20年生きられる方はおられるわけです。このくらいの障害の程度であれば、普通に暮らしてらっしゃる方はいっぱいおられるわけです。ですから、実はBritish Medical Journalにこの前書かれていた論文の中で、医療が社会を汚染する。つまり、社会の当たり前の普通の仕組みなのに、医療が病名をどんどん付けて、それはあたかも医療的な補助がないと生きていけないような話になっていくと。それは実は病名を付けることにも、そしてこうやって例えば年単位で生きていくかもしれない人も終末期にしてしまうというのは、これは非常にまずいと思うのです。
 ですから、少なくとも認知症にこだわるのであれば、こういう状態で終末期と考えるのはやめたほういい。しかも、それ以上の重症の状態、重度の状態になった場合は、もう認知症かどうかは関係ない、みんな同じ道を歩むんだということもどこかに。やはり、先ほどどなたかが前文が必要だと言ったのは、そういうところについて注釈が必要だと思うのです。そうなると、今度は一般国民をある一定の方向に、つまり注釈によって引っぱるのかということなのですが、こういう問いかけ自体が一般国民の啓発になるわけです。そういう注釈が限度を超えない限りにおいては、やはり必要だと私は思います。

○町野座長
 今、終末期のことがあって、問10が問題なのですが、これは上だけで読むべき問題ではなく、その下のお医者さんの説明です。これと合わせてなのですが、だから「回復の見込みはなく、徐々に」というような、これでは限定になっていないといいますか、広過ぎるというお考えなのでしょうか。あるいは、確かに終末期というのは非常に難しいといいますか、分からない話なのですが、恐らく10年も20年もというタイムスパンで皆さん方が考えて、この設問が作られているというのではなくて、受け取るほうもそうは取らないだろうと思います。しかし、言われてみると、そう取る人も出てくるかという感じもしなくはない。これらの工夫をどうすればいいかという話になるだろうと思います。

○伊藤委員
 やはり認知症、特に私はこの12年間在宅介護して、10月末に妻が亡くなったばかりなのですが、このままだととにかく死に至るということが目前になっている。しかし、ここで老衰と認知症をわざわざ入れたというのは、認知症が老衰と違うのは、胃ろうを作ったり、いろいろすれば、この先何年もそういう状態を保てますということが前提になっているのだと思います。そういう意味では、何をやっても回復なり延命の見込みがないというものに対しての設問ではないので、私はこのままでいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。あるいは、先ほどの医師の言葉のところの表現を変えればいいのではないかと思います。

○町野座長
 そうですね。私も問10-2というのがあって、こういうところで具体的な場面を設定した上での聞き方になってますから、これでいいのではないかという具合に思いますが、何かありますか。

○松月委員
 現在、認知症についての検討がはじまっていますが、国民も認知症というのは日常の行動に常に見守りが必要であるという認識があります。終末期を迎える以前の、あなたが又は家族がそういう状況になったときどうしますか、という終末期の心理的な問題という意味では、私は非常に特徴的ではないかと思います。この設問は、医療に深く関わったことのない、認知症をほとんど身近に経験したことのない国民にも、わかりやすいと思います。

○町野座長
 すみません。実は12時までですが、今の認知症の問題以外、何か別のことで御発言がありますか。

○中川委員
 別のというか、これは「医師の見解」はやはり「医療側の見解」にするのがいいのではないでしょうか。今チームで見解を出しますから、医師というと医師がかなり冷たい医師だと大体思われそうなことだし、それからいろいろなところに「悪化して」と入っていますが、要らない。悪化して徐々に死に至るなど、そういうようにマイルドにするのがいいと思います。徐々に悪化してと書くと、非常に決め付けているような感じがします。先ほども出ましたが、悪化したは除去するのがいいのではないでしょうか。私の考えです。

○池上委員
 時間を過ぎていますが、これは過去の調査との連続性を考えてこのようにしました。といいますのは、過去の調査は認知症あるいは脳卒中の後遺症の末期で、その上で更に悪化した場合にどうしますかという設問であったわけです。ですから、そういう意味で、長い経過をたどっていて、その上で更に危機的状況に直面した場合にどうするかということを伺っているので、先ほどの川島委員の話における、更に悪化した以前のことについては何も聞いてないわけです。更に悪化した時点において、どういう選択肢をするかということを聞いています。ですから、ここに「徐々に悪化して肺炎などで死に至る」というところがこれまでの調査を踏まえての表現となっております。

○町野座長
 それでは、今の認知症の問題以外について御発言を御希望の方、お手を挙げていただきます。田中委員と大熊委員、では一言ずついただきます。

○田中委員
 私はトータルで、一般国民としては全体としてはいいのではないかという感じがしています。それで、治療の選択の例えば問8-2など、いろいろなところに出てくるのですが、アとイがあって、イのところに肺炎というようなことで書いてあって。つまりイの項目というのは、これは緩和ケアというようなイメージのものですね、どうなのですか。例えば、肺炎のときは、こういうことで、出てくる症状、出てくる症状に手当てして、なるべく心地よい生活を送れるようにしてあげますと、そういうような意味合いの選択肢なのかと思ったのですが、そういう感じでもないのですか。

○町野座長
 これはどうなのですか。

○林委員
 申し訳ない。どこか教えていただけますか。

○田中委員
 3ページの問8-2です。

○林委員
 一般国民票のところですと、5ページになるわけですか。

○田中委員
 3ページです。イのところです。これは痛みはないということだから、肺炎で書いてあるのかなと思ったのですが、これは緩和ケアのことですか。

○林委員
 肺炎にもかかった場合ということが緩和ケアになるかどうかですか。

○田中委員
 出てくる症状に対応して、なるべく心地よい状態を保つという趣旨の選択肢なのか。

○林委員
 これは確かにおっしゃるとおりで、非常に悩ましいところです。確かに肺炎になった場合に、状態が改善することで苦痛の緩和につながる場合もありますし、ただし一方で、同じような状況を繰り返し経験させてしまうという延命の側面もありまして、これは両側面を持つという意味では非常に迷う選択肢になります。明らかに緩和ケアというわけではないと思います。積極的な延命の面も含んでいますので、非常に悩ましいので、選択肢としてはあったほうが私はいいのではないかと思います。

○田中委員
 あったほうがいいと思います。分かりました。

○町野座長
 もう一方、先ほどお手を挙げました。どうぞ。

○大熊委員
 前回のときに、終末期というのを使わないというのを連呼したのを生かしていただいて、とても有り難く思っていますし、本当によくできていると思います。9ページの施設長さんのところに、今まだないような倫理委員会の話を入れるのであれば、それだけでなくて、先ほど川島先生がおっしゃったように、ギリギリまでどんな生活をするかということに関わることですけれども、あなたの施設では亡くなる場所は自分の部屋ですか、看取りの部屋ですか、多床室ですか、ICUですか、みたいなものを付け加えていただきたいと思います。やはり、人工呼吸器を外すか外さないかなど以上に、どういう場で死んでいくかというのはとっても大事なことだと思います。それを追加していただきたい。
 それから、これは簡単な話ですが、小委員会は町野先生以外が素人とおっしゃっているくらいなので、言葉が素人には普通の言葉ではない。ここでも水が飲めなくなったら、口から食べられなくなったらなどと言っているのに、調査票では口から水分をとる、口から栄養をとるなど、その医療の業界用語が使われています。これを極普通の人に見せて、もうちょっと大和言葉にするという手直しをしていただければと思います。

○町野座長
 今の死に場所の追加等については、ちょっと検討してどこに入れられるか、それは後で検討させていただきます。ほかによろしいでしょうか。大体、拙速は慎むべきでしょうが、おおむね合意はここで得られたと思います。それで了解してよろしいでしょうか。

○川島委員
 ここで決まるのであれば、ちょっと。事例の項目のどれにも出てくるのですが、人工呼吸器の話です。括弧の中に「言葉を発声できなくなります」というのは誤りで、これは人工呼吸器を着けても、ちゃんと言葉を発声する方々はいっぱいおられます。これは人工呼吸器を着けるのに躊躇する一つの理由になってしまいますから、これは省いていただきたいと思います。
 延命医療という言葉が時に出てきますけれども、そういう言葉がいいのか。もう一つの言い方で生命維持治療、生命維持医療などもあります。それも御検討いただければと思います。
 それから、認知症の末期という言葉を使う場合、実は末期の定義は神経学会のガイドラインにもありません。老年学会にも認知症で末期という言葉を使っておりませんので、その言葉も、先ほどの話の裏返しみたいなものですが、そこをもうちょっと御検討いただきたいと思います。

○町野座長
 以上3点、かなり重要な御指摘だと思いますが、そこらも踏まえた上で、事務局と私と、それから皆さん方からメールなどで更に御意見をいただいた上で、そしてこれから調査票を確定ということにしてよろしゅうございましょうか。そして、確定してといいますか、一応案を作ったときは、皆さん方に送付するという手続は間に合いますでしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室長
 本日いただいた御意見を座長に御相談した上で確定させていただいて、その調査票については、発送前に委員の先生方に送付させていただければと思います。

○町野座長
 今日、恐らくまだ言い足りないなど、いろいろ御意見がある方はおいでだろうと思いますが、いつ頃までに事務局に御意見をお寄せいただければ対応可能でしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室長
 大変、恐縮ですが、追加で御意見等ある場合には、1月9日までに事務局まで御登録いただければと思います。

○町野座長
 1月9日で、正月明けです。

○村上委員
 すみません。別なことで、先ほどの話をした調査票の倫理委員会、コンサルテーションのところですが、ここのところについては尊厳ある死をどう迎えるかということで、どういうような場がありますかとお聞きしているとすれば、この倫理委員会だとか、コンサルテーションチームがありますかと言わず、そういう話し合える場がありますかと書いていただけると大変有り難いと思います。どこもそうだと思いますが、介護老人福祉施設もかなりそこのところはしっかりやっているとも思います。ここの表現を変えていただけたらと思います。
 今、大熊先生から話がありましたが、どこで亡くなるかというときに、看取りの中では、この最終段階で亡くなるとすると、個室と定められているのです。それ以外のところで亡くなるときには、いろいろなところで亡くなることはあると思います。ですから、そこら辺についてもお考えいただければと思います。

○町野座長
 分かりました。今、いろいろ御意見が出まして、ちゃんと事務局と私でノートをしてあります。きちんと対応するようにしたいと思います。

○中川委員
 修正された箇所はメールでくれるときに、赤で修正したところが分かるようにメールをいただけませんか。黒字でずうっとくると、どこが修正されたかよく分からないので、修正されたところは赤字で変わっているとか、そのようにしていただくとすぐ御返事できますので、よろしくお願いします。

○町野座長
 分かりました。どうもありがとうございました。本当に不手際で15分近く延長ですが、最後に事務局から何かありますでしょうか。

○医政局指導課在宅医療推進室長
 それでは、次回については調査結果を踏まえての検討になりますので、来年度以降に開催とさせていただきたいと思います。日程についてはまた御連絡させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします

○町野座長
 それでは、どうも本日の検討会はこれにて終了とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。


(了)

医政局指導課
在宅医療係: 代表番号 03(5253)1111 (内線2662)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 終末期医療に関する意識調査等検討会(平成24年度~)> 第1回終末期医療に関する意識調査等検討会議事録(2012年12月27日)

ページの先頭へ戻る