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2018年6月14日 第4回移植用臍帯血基準検討会 議事録

○日時

平成30年6月14日(木)18:00~20:00

 

○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

○議題

1 兵庫さい帯血バンクの事業所移転計画について
2 移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の見直しについて
3 その他

○議事

○瀬戸室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから、第4回「移植用臍帯血基準検討会」を開催いたします。
 本日は、遅い時間にもかかわらずお集まりいただき、ありがとうございます。
 今回は、前回の開催以来5年ぶりの開催となりますので、改めて構成員の御紹介をさせていただき、あわせて出欠状況の御報告をさせていただきます。
 まず、本会議の座長は、前回開催時から引き続き、自治医科大学内科学講座血液学部門教授、神田善伸先生にお引き受けいただいております。
 次に、構成員の御紹介です。
 日本赤十字社血液事業本部技術部次長、高梨美乃子先生。
 東京大学医科学研究所准教授、高橋聡先生。
 国立感染症研究所血液・安全性研究部部長、浜口功先生。
 東京衛生病院副院長、原澄子先生。
 東海大学医学部基盤診療学系再生医療科学教授、矢部普正先生。
 計5名の方にお受けいただいております。
 本日は、全ての構成員の方に御出席いただいております。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第にあります配付資料一覧を参照ください。
 資料1-1 兵庫さい帯血バンクの事業所移転計画について
 資料1-2 移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)と図面案の主な対応点
 資料2-1 移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の見直しについて
 資料2-2 移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の見直し要望について
 資料2-3 移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)
 資料2-4 臍帯血基準ガイドライン別添(同意書様式)
 資料3   移植用臍帯血基準検討会開催要綱(改正案)
 以上、7点となっております。
 また、メインテーブルにのみ参考資料として兵庫さい帯血バンク移転工事に関する図面案を配付させていただいております。
 不足等がございましたら、事務局までお伝えください。
 これより、議事進行を神田座長にお願いいたします。
○神田座長 前回から引き続きまして座長を拝命いたしました、神田です。
 メンバーは前と同じですので、自己紹介等はよろしいですよね。
 早速、進めさせていただきたいと思いますけれども、本日は審議事項が2つありまして、まずは「兵庫さい帯血バンクの事業所移転計画について」という点と、もう一つは「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の見直しについて」になります。
 それぞれ事務局から御説明いただけますでしょうか。まず、兵庫の移転の件です。
○幕内室長補佐 ありがとうございます。
 それでは、兵庫さい帯血バンクの事業所移転計画について御説明させていただきます。
 まず、資料1-1をごらんください。
 「1.経過」です。移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律第30条の規定により、臍帯血供給事業の許可を受けた兵庫さい帯血バンクは、これまで兵庫医科大学の敷地内において当該事業を実施してきたところであります。兵庫さい帯血バンクは、兵庫医科大学の新病棟建てかえのため、日本赤十字社兵庫県赤十字血液センター・日本赤十字社兵庫県支部合同社屋に移転し、事業所の新設を行うこととなりました。臍帯血供給事業者が事業所を新設するときは、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律施行規則第11条の規定により、厚生労働大臣に対し、当該事業所における臍帯血供給業務の方法が移植に用いる臍帯血の安全性その他品質の確保のために必要なものとして厚生労働省令に定める基準に適合している旨を記載した書類を添付して届け出なければならないとされており、具体的には設計資料や標準作業手順書等の提出を求めております。今般、移転に先立ち、設計資料の提出を受けたことから、提出された内容について、臍帯血の安全性や品質の確保が担保されるか、専門的見地から御審議いただきたく存じます。
 「2.移転概要」です。実施主体は、特定非営利活動法人兵庫さい帯血バンクです。現所在地は兵庫医科大学、移転先は日本赤十字社兵庫県赤十字血液センター・日本赤十字社兵庫県支部合同社屋になります。
 「3.本日ご審議いただく内容」について記載しております。移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針、以下「ガイドライン」と略します。これと図面案の主な対応点を資料1-2にまとめてあります。ガイドラインにこの図面案が適合しているかどうか御審議いただきたく存じます。参考資料として、兵庫さい帯血バンク移転工事に関する図面案を添えてあります。
 資料1-2をごらんください。
 左側に、ガイドラインにおける設計に関する部分について抜粋して記載しております。また、それに対応する図面案の対応点について、右側に記載しております。ここの「図面案での主な対応」に関する資料番号は、参考資料の番号となっておりますので、御注意ください。また、基本的な図面につきましては、参考資料の資料7となっておりますので、ごらんいただければ幸いです。
 具体的な点について申し上げます。
 ガイドラインにおける「第3 移植に用いる臍帯血の調製等に関する事項」の「2 調製した移植に用いる臍帯血の保存等に関する事項」について、こちらにお示しするとおり、ガイドラインには具体的な管理の例として、(1)~(3)と以下のように記載があります。これに対応し、図面案におきましては、調製された凍結前臍帯血がパスボックスから出た後、前室1に設置するプログラムフリーザーで凍結後、セルシッパーにて地下の臍帯血保管室へ移送するといったこと。細胞保存室端末システムにて管理すること。検査結果が出るまでは、気相にて保存し、検査結果が合格次第液相にて保存すること。また、液相保存になったとき、臍帯血管理システムに登録するといったことの記載があります。それぞれ参考資料の資料5、10、資料追加4-1、4-2に記載があります。
 第3の「7 臍帯血の調製等を行う事業所ごとに備え付ける標準作業手順書に関する事項」の「(5)移植に用いる臍帯血の調製等を実施する作業区域の詳細に関する事項」についての記載です。(5)1アにつきまして、清浄度等は「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」の「6.構造設備」に準じるように設計されており、これにつきましては、資料追加5に詳細がまとめてございます。
 その中でも主な点につきまして、以下に述べさせていただきます。「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」の「6.構造設備」、2)につきましては、前室1を一般作業区域とし、品質管理室は汚染区域として独立させ、「臍帯血洗浄エリア」を設定する等の対応をしております。17)につきましては、臍帯血を洗った汚染水はポリタンクにため、検査機器からの廃液も含めて全て感染性廃棄物業者に処理を依頼することと規定しております。19)及び22)につきましては、室圧記号、部屋名と室圧間差を資料11及び資料29に明記し、それに沿って設計するようにしております。最後に、28)につきましては、品質管理室への入退室は、品質管理更衣室での行為・手洗い後とすることと定めております。
 以上のように、ガイドラインに対応した図面案として提出を受けております。
 最後に、資料1-1、「4.今後のスケジュール(予定)」になります。今後、本日了承をいただきましたら、6月下旬より移転先の工事着工を予定しております。その後、標準作業手順書の提出を受け、9月中ごろをめどにそれらの審査をお願いできればと存じております。移転先の工事終了後、12月頃に兵庫さい帯血バンクへの立入検査を予定しており、委員の先生方にも御同行いただければと考えております。それらの審査が終了した後、来年の2月1日をめどに事業再開予定としております。
 以上になります。
○神田座長 御説明をありがとうございました。
 この図面をいきなり渡されたときは、最初は全く意味がわからなかったのですけれども、今、御説明いただいた資料1-2、ガイドラインと一つ一つ対応して見ていくと、図面の状況もイメージがついてくるのではないかと思います。一つ一つ問題点に対応した図面となっているのではないかと思いますけれども、こちらについて皆様からいかがでしょうか。
 高梨先生は、大分前の計画段階から御指導くださっているのですよね。
○高梨構成員 私も日赤の経験しかないので、日赤だったらこうしますということで意見を申し上げました。
○神田座長 実際、この最終案をごらんになって、実際の手順とか流れとかについても。
○高梨構成員 大体できそうな気がします。実際にどうなさるのかはまたその先の問題だとは思いますけれども、物はきちんと流れそうに感じました。
○神田座長 ハードウエアとしては問題なく、今後、細かな手順はさらに手順書等で定めていくということですね。
 矢部先生、いかがでしょうか。
○矢部構成員 東海大学もさい帯血バンクをやっていたのですけれども、多分この調製室がCPCグレードで、パスボックスを使っての流れとかは私たちがやっていたものと同じような感じですので、おおむね問題ないと思います。
○神田座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 浜口先生、お願いします。
○浜口構成員 私は図面がよく読めないので質問なのですけれども、調製室で作業をされる人の安全性の観点から、この人の動きをモニターしたりする必要性は余りないのでしょうか。突然調子が悪くなったりとかなった場合に、この人たちは大丈夫なのかということを確認したり、更衣室などから見たときに大丈夫かということを確認していく必要はないのか。そのあたりはSOPか何かで確認することになるのですかね。
○神田座長 作業員を何かモニターできるようにということですか。
○浜口構成員 必要性があるかどうかも含めてですけれども。
○神田座長 必要性があるかどうかですね。実際、これは1人で作業する場面は結構あるのでしょうか。
○高梨構成員 1人のことが多いと思います。
○神田座長 多いですか。実際には、その1人の方がその部屋の中で突然倒れたりとかということですよね。ぐあいが悪くなったりとか。そういう対応というのは、今、動いているバンクにおいて、現状においてはいかがなのでしょうか。
○高梨構成員 日赤でつくったときは、ガラス窓を大きくするとか隣のドアが2つ離れていても見えるようにするとかの工夫はいたしました。ただ、中のモニター、カメラがついているわけではありません。
○神田座長 ただ、もし何かあったら一応直接目視で確認ができるということですね。
 どうぞ。
○幕内室長補佐 兵庫さい帯血バンクにその点について確認しておりまして、参考資料の資料24になりますが、細胞調製室1、2の中に、複数台のモニターできるようなカメラを設置するように、既に対応すると話を聞いております。
○神田座長 わかりました。ありがとうございます。それでは、その点は配慮されているということですね。
 そのほかはいかがでしょうか。
 ガイドラインに一つ一つ適応していることを確認していただいておりますので、よろしいでしょうか。
 それでは、こちらの兵庫さい帯血バンクの事業所移転計画については、今回示された設計資料がガイドラインに適合しているということで、本検討会として了承することとしたいと思います。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、今後、こちらの計画どおりに進むように、事務局で調整をよろしくお願いいたします。
 また、実際の今後の標準作業手順書や立入検査の結果等については、改めてこちらの検討会に御報告をお願いいたします。
 次の議題になりますけれども、「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン)の見直しについて」も事務局から御説明をお願いいたします。
○瀬戸室長補佐 それでは、資料2-1をごらんください。ガイドラインの見直しについてです。
 スライド2、まず、造血幹細胞移植法の体系について御説明させていただきますが、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律は平成24年の公布になっておりまして、9条で厚生労働大臣が定めるものとして基本方針が記載されております。また、厚生労働省令で定めるものとして、全体に関する事項、臍帯血の品質基準について、臍帯血の研究利用のための基準、手続等の事項が書かれております。
 スライド3、実際に省令規定事項を詳しく書かせていただいております。
 スライド4、ガイドラインに関する内容を記載させていただいておりますが、ガイドラインには、組織及び職員に関する事項、移植に用いる臍帯血の採取に関する事項、移植に用いる臍帯血の調製等に関する事項、その他の事項について記載がされております。
 スライド5、この法律ができて、現在、施行して4年後になっておりますが、附則としまして、第5条に、この法律の規定については、法律の施行後3年を経過した場合において、この法律の施行の状況等を勘案して必要があると認められるときには、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすると記載されております。
 スライド6、こちらの移植用臍帯血基準検討会は、国が定める移植に用いる臍帯血の基準の基準に関し、専門的な観点から検討を行うことを目的としておりまして、検討事項は、移植に用いる臍帯血の提供について、その安全性その他の品質の確保が図られるよう、採取、調製、保存、検査及び引き渡しに関する基準について検討が行われてきました。今回、造血幹細胞移植法施行3年後の見直しの検討の過程で、関係団体から要望があったガイドラインの修正案のうち、専門的な事項につきましては、本検討会において修正の必要性・妥当性について審議を行っていただきたく、今回、お願いすることとなりました。
 資料2-2をごらんいただきますと、こちらのほうにガイドラインの見直し要望の各バンクから出てきているものがまとめられております。資料2-3が実際のガイドラインになっておりまして、資料2-4が別添の資料となっております。この2-3にガイドラインの原文が書いておりますので、そちらをごらんいただきながら、2-2と照らし合わせて審議いただければと思います。
 資料2-3、2ページ、まず、第2の2に赤線を引いておりますが、この赤字のところが今回修正の要望が出てきているところになります。上から順番に御説明させていただきます。2項におきまして、「移植に用いる臍帯血の採取については、胎盤娩出前の採取は分娩室で、胎盤娩出後の採取は分娩室と同等の清浄度を有する区域で行うこととし」のところで「清浄度を有する区域(手術室を含む)」という修正案が出ております。要望元は日本赤十字社で、修正理由としましては帝王切開分娩にも対応するためということで、審議事項としましては、分娩室よりも清浄度の高い手術室での臍帯血の採取を可能とするのは妥当かということになります。
 2ページ、4(1)「5 移植に用いる臍帯血の提供に関して取得する同意書については、以下の内容を含むこと。」ということで、「カ 検査項目とその結果の通知をすること。」に関しまして、兵庫さい帯血バンクから、こちらの検査結果の通知に関しては通知を希望する妊婦に対して通知することにしてはどうかと来ております。理由としましては、この法律ができる前には、妊婦が検査結果を通知してほしい・通知してほしくないという選択ができるようにしていたということだそうです。審議事項としましては、この臍帯血提供者(妊婦)に対しての検査結果の項目とその結果の通知について、全員ではなくて希望者のみに対して通知することに限定するのは妥当かどうかということです。
 資料2-3、3ページ、「ケ 同意の撤回について、同意書提出後であっても、採取前までは撤回することが可能であること。」に関しまして、「採取前までは撤回する」を「移植の手続き開始前までは」に修正ができないかということが日本赤十字社から出ております。修正理由としましては、臍帯血を採取から移植に用いることに対する同意と考えると、移植の手続の開始前までは撤回可能と考えられるためということです。審議事項としましては、妊婦から取得している同意は、公的さい帯血バンクへ臍帯血を提供することについての同意であるところ、採取後も同意の撤回を可とすることは、既に提供がなされた臍帯血の返還を認めることになるが、こうした取り扱いとすることが妥当かということになります。
 4ページ、「第3 移植に用いる臍帯血の調製等に関する事項」、「3 検体の保存等に関する事項」の(1)、臍帯血の細胞に関しまして「有核細胞5×106以上/本、4本以上」を「3本以上」に修正ができないかと中部さい帯血バンクから要望が出ております。修正理由としましては、保存検体はできるだけ少なくして移植用に回したいということと、3本に減らしてセグメント当たりの液量を多くするほうが扱いやすいということだそうです。審議事項としましては、こちらの臍帯血保存検体本数の下限量を修正案のとおり減らすことは妥当かということになります。
 4ページ、その次に行きまして5番目になりますが、臍帯血のDNA・妊婦のDNA・臍帯血の移植を受けた者のDNAというところで、「DNAに分離したものは4℃以下、DNAに分離していないものは-30℃以下で保管する。」の温度に関しまして、「DNAに分離したものは冷蔵(7℃以下又は4℃±3℃)又は冷凍(-15℃以下)、DNAに分離していないものは-30℃以下で保管する。」という修正案の要望が日本赤十字社から出されております。理由としましては、通常、冷蔵庫の実測温度は測定位置、ファンの作動状況により設定温度±3℃程度の上下幅を持っており、凍結せずに4℃以下の設定は難しいこと、また、冷蔵庫保存で4℃の場合には、庫内温度は1℃~7℃であることから、冷蔵保存する場合は7℃以下または4℃±3℃、冷凍保存する場合は-15℃以下と指定したほうがいいということでした。審議事項としましては、臍帯血から抽出したDNAや妊婦の末梢血から抽出したDNA、臍帯血の移植を受けた者の末梢血から抽出したDNAを冷蔵あるいは冷凍保存する前の温度規定を修正案のとおり修正することは妥当かということになります。
 同じ項のところで、このDNAに関しては「最低50μgのゲノムDNAを得ること」としておりますが、これを「1μg」にできないかと、中部さい帯血バンクと兵庫さい帯血バンクから要望が出ております。修正理由としましては、特に患者においては、細胞濃度が少ないため、50μgのDNA確保は困難であり、解析精度も上がっているため、少量で解析可能であるためということになります。審議事項としましては、修正案のとおり保存検体の下限量を減らすことは妥当かという形になります。
 さらに同じ項のDNA・血漿のところで、臍帯血の移植を受けた者のDNA・血漿に関しまして、「末梢血より」と「血漿1ml」というところに「移植前に採取した」という文言をつけ加えることができないかと、日本赤十字社から要望が出ております。こちらに関しましては、上段の文章に「なお、臍帯血の移植を受けた者の末梢血の検体の採取は、移植前に行うこと。」との記載はありますが、文書中に記載されていないためわかりづらいということで、審議事項としましては、この修正案のとおり記載の明確化を図ることは妥当かということになります。
 5ページ、「4 移植に用いる臍帯血の安全性その他の品質を確保するための措置に関する事項」、(1)2「臍帯血提供者の感染症や遺伝性疾患が疑われる場合には」を「移植により伝播する可能性がある遺伝性疾患が疑われる場合には」に修正してほしいという要望が日本赤十字社から来ております。理由としましては、遺伝疾患全般ではなく移植により伝播する可能性がある遺伝性疾患に限定したいというのは、ドナー候補のプールを維持したいためということで、実際に今のところ採取施設で採取不可と判断されているため、臍帯血バンクでは遺伝性疾患で採取不可になっている人数は把握できておりませんが、ゼロではないと思われるとの意見をいただいております。審議事項としましては、臍帯血提供者が遺伝性疾患に罹患している場合に、移植により伝播する可能性がある遺伝性疾患以外の疾患である場合は、臍帯血の採取を行うこととして妥当かということになります。
 同項ア、「献血時の基準に準じた問診票判断基準」ではなく、臍帯血自体の問診票判断基準を規定してほしいという要望が日本赤十字社から出ております。理由としましては、こちらの献血時の基準は変更がなされるので、献血時の基準に準じる部分は臍帯血提供用の問診内容を規定してもいいのではないかと来ておりますが、今のところ、その臍帯血提供用の特別な問診内容にこういったものが欲しいという要望は来ておりません。審議事項に関しましては、献血の基準に準じた問診票判断基準ではなく、臍帯血自体の問診票判断基準を規定する必要性があるかということになります。
 「エ 妊娠経過中に下記の事項に該当することが明らかとなった場合」の「(ア)染色体異常が判明した場合」に関して、こちらは「(ア)児の染色体異常が判明した場合」と明確にすることを日本赤十字社から希望が出ております。審議事項は、この修正案のとおり記載の明確化を図ることは妥当かということになります。
 同項の「(イ)臍帯血への汚染が疑われる陰部感染を認める場合」に関しましては、「(イ)臍帯血への汚染が疑われる陰部感染が認められ、帝王切開とならない場合」への修正の要望が日本赤十字社から出ております。こちらに関しまして、理由は、陰部感染が認められていても、帝王切開では影響が認められず、採取可能と考えられるためということで、審議事項としましては、陰部感染が認められても帝王切開を行う場合には臍帯血の採取を行うこととして妥当かということになります。
 資料2-3、6ページ、「(2)試験検査等の措置」の2ア(ウ)、「HTLV-Ⅰ/Ⅱ」と「HTLV-Ⅰ」の表記に関しまして、ローマ数字ではない記載と日本赤十字社から要望が出ております。こちらに関しての理由としては日本エイズ学会や日本HTLV-1学会の表記に従うためということで、審議事項は修正案のとおり記載の明確化を図ることは妥当かという形になります。
 (2)2イの「(ア)保存前に、ABO血液型、Rh型、HLAのDNAタイピング及び感染症検査を行うこと。」の感染症検査の削除の要望が日本赤十字社から出ております。こちらに関しまして、理由は感染症検査は母体血の検査結果を使用しており臍帯血による検査は行っていないということで、審議事項は臍帯血の保存前の感染症検査を省略することは妥当かになります。
 資料2-3、7ページに行っていただきまして、4(2)2の「ウ 移植に用いる臍帯血の引渡し前に、臍帯血の移植を受ける患者の末梢血を用いて、当該患者のHLA検査を行うこと。」に関しまして、修正は「当該患者のHLA検査を行うこと。ただし再移植で当該患者のHLA検査が実施不能の場合、又は」、こちらは数字を記載していないのですが、「○カ月以内にHLA検査を行っている場合に限り、そのHLA検査の結果を臍帯血供給事業者に提出することで検査実施に代えることが出来る。」という修正の要望が日本赤十字社と中部さい帯血バンクから出ております。こちらに関しましては、原則に当てはまらない場合の対応を表記していただきたいということで、現状、移植機関が検体を提出してくれないケースとして再移植や直近にほかのドナーソースあるいはほかの臍帯血バンクの臍帯血で移植を行う際に、HLA検査を行っている場合に拒否されることが多いという報告をいただいております。審議事項に関しましては、移植に用いる臍帯血の引き渡し前に行う当該患者の末梢血を用いたHLA検査を、再移植の場合や直近でほかのさい帯血バンクや骨髄バンクでHLA検査を行っている場合には、当該検査結果を提出することで省略することが妥当かということ、また、妥当である場合には、このHLA検査の結果はいつの時点の検査結果までを有効とするかということを御審議いただきたいです。
 この下のエで「HBs抗体の測定値が200IU/ml」の「l」を大文字にしたいという要望が日本赤十字社から来ております。こちらに関しては、数値単位の表記修正を行いたいということで、日本ではどちらを用いても間違いではないのですが、規定している団体もあり大文字表記が優勢となっているためということで、審議事項としては表記修正は妥当かという形になります。
 この下の5番が次のページにわたってありますが、「5 移植に用いる臍帯血の引渡しに当たって添付する情報に関する事項」としまして、「(1)採取施設識別番号」、「(8)ドナー識別番号」、「(12)調製前の容量若しくは重量」に関しては削除、また、「(5)採取日時」に関しては「時」を消して「採取日」と修正してほしいということが日本赤十字社から要望が出ております。こちらに関しましては、「(1)採取施設識別番号」と「(5)採取日時」に関しては個人の特定につながる情報であるため修正したいということと、「(8)ドナー識別番号」は臍帯血番号で管理しているので不要であること、また、「(12)調製前の容量若しくは重量」に関しては移植の実施に必要な情報ではないということで、審議事項としましては、移植に用いる臍帯血の引き渡しに当たって添付する情報を一部削除することは妥当かという形になります。
 9ページ、7の「(2)移植に用いる臍帯血の調製等の手順の詳細に関する事項」、アの「(エ)有核細胞数が、おおむね12.0×108以上であること。」で、CD34陽性細胞の基準にできないかという要望が中部さい帯血バンクから出ておりますが、実際に数値規定の要望はございません。理由としましては、有核細胞数とCD34陽性細胞数の割合に平均との乖離を認める場合もしばしばあり、CD34による基準に変更したほうが臨床的に望ましいのではないかと考えられるためということで、審議事項としましては、移植に用いる臍帯血として調製するための基準として、有核細胞数ではなくCD34陽性細胞数とすることが妥当かということ、また、CD34陽性細胞数のみにする場合にはその値をどうするかということを御審議いただきたいです。
 7(3)「2 新たに採取を行うこととなる者には、事前の教育訓練を行うこと。」を「調製」に修正するべきではないかということが中部さい帯血バンクから来ておりまして、理由としましてはこちらは調製に関する教育訓練について記載されている項になるためということで、審議事項は表記修正は妥当かということになります。
 10ページ、7(5)1のア、「第十六改正日本薬局方」のところの数字をこちらに記載しているように修正できないかということが日本赤十字社から出ておりまして、理由としましては最新版が改定されているためということになります。審議事項は、表記修正は妥当かということになります。
 11ページ、「第4 その他の事項」、2の「(3)移植を受ける患者から取得する同意書は、以下の事項を含むものとすること。」、2で「患者末梢血(10~15ml)を提供すること」となっておりますが、こちらの数字の削除の依頼が日本赤十字社から出ております。こちらの理由に関しましては、バンクによって末梢血の採取量が異なっていて実務上は5mL以下であるためということで、審議事項は移植実施前のHLA確認検査のための患者末梢血の採取量の規定を削除することは妥当かというところになります。
 さらにこの事項に追加の要望が出ておりまして、9として、適切に扱われた臍帯血を用いて臨床研究が実施された場合には、臍帯血供給事業者に移植、あるいは臨床研究の結果に関する責任がないことを明記してほしいという要望が日本赤十字社から出ておりまして、理由としましては臍帯血供給事業者に責任がないことを明確にしてほしいためということでして、審議事項は、品質・安全性が確保されている臍帯血を用いた移植または臨床研究の結果について、臍帯血供給事業者は責任がないことを明記することは妥当かということになります。
 資料2-4に移っていただきまして、こちらは「さい帯血提供についての説明」ということで別添資料となっておりますが、こちらに関しましては、資料2-3のガイドラインの3ページ、6アにももともと記載されていますが、「臍帯血供給事業者が実情に応じ、追加的な改変等を行うことは差し支えないこと」となっておりますが、修正要望が出ておりますので、こちらも審議事項に挙げさせていただきました。
 まず、1ページ目の「残っている血液」の単位を小文字から大文字に変えてほしいというところが日本赤十字社から出ておりまして、こちらも先ほど申し上げたとおりの表記修正の理由となっております。審議事項は、表記修正は妥当かということになります。
 別添の3ページに移っていただきまして、「また、提供いただいたさい帯血については、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律第35条に従い、研究に使用する場合があります。」に追加して「その際にさい帯血バンクは、移植成績の向上に寄与する可能性があると判断される研究に対して、産・学問わず必要かつ効果的な連携をとる場合があります。」という追記が日本赤十字社から出ております。理由としましては移植医師からの要望があったためということでして、審議事項は、修正案のとおり、臍帯血の研究利用においては、産学問わず連携をとる場合があることを記載することは妥当かということになります。
 4ページ、「お母さんの採血」のところでも単位の小文字から大文字への修正依頼が日本赤十字社から出ておりまして、理由は同じ理由でして、審議事項が表記修正は妥当かというところになります。
 4ページ、5項で「さい帯血とお母さんの血液(母体血)の一部は保存しておきます。保存期間は、さい帯血が移植に使用されなければ10年、移植に使用される場合はその後30年間の予定です。」を「保存されたさい帯血と母体血の一部は採取後10年間保存しておきます。そのうち、移植に使用された場合は、移植後10年間(個人情報は移植後30年間)保存されます。」という記載への修正希望が日本赤十字社から出ておりまして、こちらは移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令との乖離があるためというところで、参考にその省令を記載しております。審議事項は、修正案のとおり、移植に用いる臍帯血と母体血の保存期間を修正することは妥当かというところになります。
 6ページ、「現在の基準ではお母様が下記に該当しますとご協力頂くことができません。」の記載で、「イギリスに1980年~1996年に通算1ヶ月以上」と書いているところに(31日以上)と記載してほしいという要望が日本赤十字社から出ておりまして、理由としましては期間の明確化になります。審議事項は、表記記載は妥当かというところになります。
 同様に、ヒト由来成長ホルモンのところで、こちらは「1994年以前に」となっているところを、献血問診に合わせて「1995年4月以降の場合は可」、また、「通算4週間以上」の滞在を「連続4週間以上」の記載に修正してほしいという要望が日本赤十字社から出ております。こちらの理由としましては、献血の問診判断基準は適宜改訂されるため、現在の献血の基準に準じて別添を修正したいということで、献血同様に、ヒト由来成長ホルモンにつきましては、日本でリコンビナント製剤に完全に切りかわった年で変更したいということです。審議事項は、表記修正は妥当かというところになります。
 別添の7ページ、「また、下記に該当しますとご協力頂くことができません。」というところの一番下で「・妊娠合併症、異常分娩、赤ちゃんに奇形等の異常がある場合」、こちらに関しましては「・重度の妊娠合併症、赤ちゃんに染色体異常を疑わせる多発性外表奇形を認める場合」という修正が日本赤十字社から出ております。理由としましては、妊娠合併症が軽度の場合、産科医の判断で採取していることがあること、この場合、異常分娩というのは正常な分娩経過から逸脱する場合が該当とされておりまして、帝王切開、吸引分娩等は採取可能なケースがあること、赤ちゃんの異常に関しては、染色体異常を疑わせる多発性外表奇形を認める場合以外は採取可能であることが挙げられております。審議事項としましては、臍帯血提供者が軽度の妊娠合併症を罹患している場合や異常分娩でも母体や児に臍帯血の採取による危険が及ばない場合、また、児の異常が染色体異常を疑わせる多発性外表奇形を認めない場合に、臍帯血の採取を可能とすることは妥当かということになります。
 以上が、今回御審議いただきたい事項になります。長くて済みません。
○神田座長 御説明をありがとうございました。
 28案件がありますけれども、ごらんになっておわかりのとおり、ほとんど差し支えないと思われるようなものもあれば、結構難しい問題も含まれています。時間も限られていますのでめり張りをつけてやっていきたいと思いますけれども、1番から順番に行きたいと思います。
 1番の(手術室を含む)は、より清浄度の高いというところで、これは問題ないでしょうかね。実際にやっていますよね。
○原構成員 これで「胎盤娩出前の採取は分娩室で」と書いてあるのですけれども、もし帝王切開を含むことになると、胎盤娩出前も手術室でもやっています。後から考えてみると、娩出前は分娩室でと規定されているものがもし帝王切開を含むことになれば、娩出前も手術室を含むということになったほうがいいかと思います。清浄度に関しては手術室のほうが高いので、それは差し支えないと思うのです。
○神田座長 この文章だと娩出後だけが手術室でもオーケーということになってしまいますね。確かに、いずれも手術室で構わないということだと思います。
○原構成員 それはどのように変更すればいいかということがわからなかったので。
○神田座長 そういう趣旨での変更については、問題はないですよね。
○瀬戸室長補佐 それでしたら、前のほうも「分娩室(手術室を含む)」という書き方であればよろしいでしょうか。
○原構成員 それでよろしいと思います。
○瀬戸室長補佐 わかりました。
○神田座長 それでは、これで問題はありませんね。
 2番、「通知を希望する妊婦に対して」、つまり、検査結果の通知を断ることを可能にするかどうか。これはなかなか難しい問題かもしれませんが、いかがでしょうか。
○原構成員 実際には通知を希望しないという人が本当にいるので、別に御本人には通知しなくてもいいのかもしれないのですけれども、どうでしょうか。
○高梨構成員 多分日赤は先生方宛てにまずは届くようにしてあるので、先生方が迷わないようにすればいいのだろうと思います。御本人に直接出すか産科の先生にとりあえずお出しするかという、その辺の手順がバンクによって違うのですかね。修正理由に、以前は選択できるようにしていたということで、つまり、今は選択できないのかしらと読んでいて思ったのですけれども。
○原構成員 どうでしょうか。
○神田座長 現状、このガイドライン上は通知をすることと書いていますので、これは必ず通知というガイドラインにはなっているわけですね。現状では、通知されないケースがあるわけですかね。ありますか。
○瀬戸室長補佐 ガイドライン上は通知することとなっていますので、通知をいただかなければいけないのが現状にはなります。今後、改正するに当たって、そこをどう考えるかですけれども。
○原構成員 このとおり修正されたほうがいいのだと思うのですけれども。「通知を希望する妊婦に対しては」としておけば、通知しなければいけないかどうかということはまた別の話になりますけれども、別に希望しなければ通知しなくてもいいような気がします。
○神田座長 問題になるとしたら、主に感染症関係ですかね。
○高梨構成員 感染症の結果をお伝えしています。知らない権利というものをどうしますかという話だと思います。知りたくない権利。
○神田座長 ただ、一般の妊婦健診のときにされた結果は全てお伝えしているのですよね。そうすると、それにプラスアルファというとどんな項目になりますでしょうか。
○原構成員 どうでしょうか。どんな項目が入ってくるのでしょうか。
○高梨構成員 通常、BC。
○原構成員 ただ、BCは妊婦健診でやっているので。
○高梨構成員 HTLV-1は入っていましたかね。
○原構成員 入っています。
○矢部構成員 サイトメガロとか、パルボとか、そういうものですね。
○高梨構成員 パルボは入りません。
○矢部構成員 というか、そのバンクで追加の感染症として検査しているものは、パルボとサイトメガロが入っていればいいのではなかったでしたか。
○高梨構成員 サイトメガロは入ります。お母様なので入ります。検査はしています。
○神田座長 妊婦健診は、CMVの通知はしていないですか。
○原構成員 調べていません。希望があれば調べるけれども、ルーチンでは調べていないので。
○神田座長 そうすると、現実的には知らない権利に該当するものというのも余りないですかね。多分一番問題なのがHIVとか肝炎ウイルスだと思うのですけれども、それは妊婦健診の時点で妊婦さんは全て知っている状況ですので。
○高梨構成員 病院宛てに様式をお返ししていますけれども、HBs抗原とHBc抗体とHTLV-1の抗体、HIVの抗体、梅毒です。
○神田座長 これらは全て妊婦健診に含まれていますので、全て妊婦さんは既に知っている情報ということになりますか。
○原構成員 本当に細かいことを言ってしまうと、梅毒を妊婦の最初に検査していたけれども、後期で陽性になっているとか、そういうことはあるかもしれないのですが、その場合には知りたくないと言われれば知らせなければいけないというわけでもないのかなと思うのですけれども。
○神田座長 妊婦健診の結果は必ず知らせますよね。これは、分娩あるいは育児に当たって知らないと困ることがあるとは限らないですよね。
○矢部構成員 ただ、赤ちゃんが産道感染を起こした場合に、失明とか、そういういろいろ問題が起こりうる可能性が出るかもしれないですね。後期とかで感染してしまった場合ですね。
○原構成員 ただ、今の検査の内容だと特に新たな問題はないですよね。でも、感染という意味で言えば、HIVと梅毒とかは、途中で感染することは絶対にないとは言い切れないとは思うのですけれども。
○神田座長 ただ、これを妊婦健診で伝えられているにもかかわらず、知りたくないという方が結構おられるのですか。
○原構成員 時々ね。
○高橋構成員 タイミングということですよね。今、原先生がおっしゃっているのは、罹患している可能性というタイミングが、後期になってからという可能性があるからということですよね。児の健康の観点から言うと、今、議論になっているのは多分妊婦が知るかどうかということなので、児の健康には多分影響はないと考えていいと思いますので、それは妊婦自身が知るか知らないかということについては、本人の希望というものを聞いてもいいような気がしますけれども。
○瀬戸室長補佐 確認しますけれども、基本的に知りたくない権利と医学的にお母さん方に通知する必要性のどちらが高いかという形にはなってくると思いますので、医学的に知らせなくても知られない権利のほうを優先するべきだということであれば、そういう通知を希望しないという選択肢もちゃんとできるように項目を設けるようにし、ここの表記を修正させていただくことになります。
○高梨構成員 日赤の感染症検査は輸血用血液のスクリーニング検査なので、フォールスポジティブがある可能性があるというつもりで先生方にはまず御連絡します。万が一検査結果が陽性の場合は、今度は、病院はきちんとお母さんに説明をして、診断をするつもりで検査を改めて病院としてやってくださいということで御連絡をしているのです。ある意味、血液センターの仕組みの中で診断をしているつもりではないということなのです。それもあってちょっと控え目になってしまっているところがあるのですけれども。
○神田座長 実際の分娩等に当たって重要なところは妊婦健診の段階で情報は知りえていますから、今回の臍帯血提供時に新たな情報を伝えることが必須とは言えないですね。そうすると、現状において実際に伝えていない状況があるのであれば、それはガイドライン側のほうを変えないと、ガイドライン違反でいくわけにもいかないと思いますので、「通知を希望する妊婦に対しては」として問題はないでしょうか。
○瀬戸室長補佐 この場で医学的に問題がないと判断をいただければ、それで大丈夫です。
○神田座長 これが通知されるのは、実際には臍帯血採取が終わった後ですよね。分娩も終わった後ですよね。ですから、そのタイミングで新たな情報が入ることは、確かにその期間に新たな感染という可能性はありますけれども、それを言い出すと、その後、生涯ずっとそれはあるわけですので、これは必須とまでは言えないですかね。
○高橋構成員 先ほど言ったとおり、恐らく臍帯血側には情報として入りますので、それは移植側には余り関係がない。お母さんに対しては、献血と同じようにリスクはあるとは思うのですけれども、今、神田座長がおっしゃったとおり、常にリスクは持っていて、そのリスクを承知の上で知りたくないと本人が言っているのだったら、それはそれでいいような気がします。
○神田座長 ありがとうございます。
 それでは、この点は修正案に沿って修正するということでよろしいでしょうか。
 続きまして、3番ですね。「採取前までは撤回することが可能」というところを「移植の手続き開始前までは撤回することが可能」ということですけれども、実際には登録された後の撤回が可能かということになってしまうわけですが、これについてはいかがでしょうか。
○高梨構成員 もしも採取が終わった後にお母様が余りそれに乗り気でない場合は、健康調査票を返していらっしゃらないと思います。なので、通常はそこでとまってしまうことが多いかと思います。9カ月を過ぎて公開登録まで済んでいてというのはなかなかないような気はしているのですけれども、現実問題として、使われていない限り、嫌と言われれば公開取り消しをするのは可能です。
○神田座長 今の点ですが、つまり、9カ月とか、途中の返事が返ってこない場合は、実質的にはそれが同意の撤回と同じような扱いになっているわけですね。この間として、手続上、例えば、登録まではという一つの選択肢がありえますか。移植まではといいますと、実際に。
○矢部構成員 公開するかどうか、要するに、生まれた赤ちゃんが健康に育っていることを確認して公開になりますので、そういった意味では「公開までは」というほうが。「移植」だと、いつ移植の申し込みがあるかわからないので、一旦公開されたらそこで権利を失うほうが正しいような気がします。ただ、これで少し考えてしまうのは、もし生まれたお子さんに脳性麻痺とかがあった場合に、自分の臍帯血を治療に使いたいなどという希望が出てしまう可能性がないのかとか、その場合にそれを戻すような、もちろん臨床研究とか、そういうステップは必要ですけれども。
○神田座長 ただ、提供したものを戻すというのは採取時に認めないことになっているのではなかったでしたか。
○矢部構成員 この審議事項のところに、その「臍帯血の返還を認めることになるが」と書いてある。御家族が液体窒素で管理できるわけではないわけですけれども、返還を求める権利があるように、ここの審議事項では読めてしまったのですが。
○高梨構成員 移植に関しては、オートの移植にならないように気をつける手順になっています。ただ、脳性麻痺の話になると、今度は再生医療法の研究申請とか、いろいろ出てこないと多分出せないと思っています。
○神田座長 同意取得の段階で、返還しないことは書かれていないのでしたか。
○高梨構成員 同意の3で「さい帯血バンクに一任し、その所有権は放棄」と書いています。
○神田座長 そうしますと、この返還は考えなくてよろしいですかね。
○高梨構成員 ただ、それを含めた同意の撤回になってしまうときに、書き方を変えないといけませんかね。
○神田座長 それも撤回になるわけですね。現実問題として、返還を認めてしまうと、プライベートバンクへ移したいということがありえる。出てきてしまいますよね。
○高橋構成員 この場で審議するだけではなくて、この変更を提案することはできるのですか。
○瀬戸室長補佐 細かいところまでの変更も。
○高橋構成員 審議の中に入るわけですね。
○瀬戸室長補佐 入ります。
○高橋構成員 そうすると、今の議論をまとめると、5ページ目の9番、同意書のところは、「一度同意しても、同意を撤回することかできます。」、その次の文章の前に「ただし、同意されたさい帯血は返還することができません。」という文章でしょうか。
○神田座長 現実問題として、返還を認めるというのは難しいですよね。そうしますと、この9番に、高橋先生がおっしゃったように、同意は撤回しても臍帯血そのものを返還することはできないという文言を加える必要が出てきますね。同意の撤回については、こちらの9番で「同意を撤回することができます」という文章になっていますけれども、時期を限るほうが恐らくよろしいですよね。
○瀬戸室長補佐 はい。明確化していただくと。
○神田座長 公開までというのが一つ。
○矢部構成員 公開が一番妥当な気がするのですけれども、公開しても、いつ移植の申し込みがあって手続が開始されるかわからないので、そうすると、いつまでもその撤回の権利が残ってしまうことになってしまいますね。
○瀬戸室長補佐 患者さんに余り影響がないほうがいいのではないかという意見もありましたけれども。公開されると、患者さんがいつ登録するかわからないので。
○神田座長 公開までというのが一つの妥当な線かと思います。公開前であれば、患者さんに対して全く影響も出ませんし。それでは、公開までは撤回を認めるということで、この同意書の文言では、撤回時にも返還はできないことを書き加えるということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 ここから幾つかはさほど問題がなさそうなところですね。
 4番、臍帯血の細胞を4本以上というところを3本以上に減らす。これはいかがでしょうか。
○高梨構成員 今は、1本がHLAの確認、1本が出庫前検査、出庫前検査がうまくいかなかったとき用に予備を1本持っていて、4本目は保存用になっています。なので、保存用がなくなると思いました。
○神田座長 その保存用が必要になることは実際にはありますでしょうか。
○高梨構成員 普通はないのですけれども、例えば、ドナー由来白血病の研究が発生するとか、出庫手続が始まってはまた1年お休みして、また次の申し込みがあって出庫前検査をしなければいけないとか、そういうときには使います。
○矢部構成員 出庫前検査のCD34とかコロニーアッセイをやったものを、そこからDNAをとっておけば、それを保存用には回せないのですか。
○高梨構成員 染色体検査をする場合を考えて、普通の細胞凍結用として持っています。
○矢部構成員 もう一つは、1回申し込んで、出庫前検査をやったけれども、途中でキャンセルになってしまうようなことで、次の申し込みがあった場合に、それをもう一回やらなければいけないかどうかなのですけれども。
○高梨構成員 期間を限定して、データをそのまま使うか、余りあき過ぎていればもう一回検査をし直すということになっています。そうしているだけなのですけれども。
○神田座長 先ほどおっしゃったそれが1年というところですか。
○高梨構成員 はい。
○神田座長 ですので、3本でも一応1つはバックアップがあって、さらに保管用ということですか。必須なのはHLA検査と出庫前検査の2本で、3本目が出庫前検査のバックアップあるいは保管用になりますか。
○高梨構成員 済みません。修正理由がよくわからず、本体に戻すのであればそれもわからないではないのですけれども、3本に減らしてセグメント当たりをふやしたら、結局本体はふえないと思いました。
○神田座長 移植用に回したいということなので、セグメントの細胞数を減らすということですかね。ただ、ふえるとしても、全体からすると微々たる差ではありますね。液量を多くするほうが扱いやすいためというのはちょっとわかりにくいですが、いかがでしょうか。患者さんの側から考えると、細胞数がふえるというのはほとんど臨床的な差はないぐらいの差ですよね。5×106がふえたところで。
○高橋構成員 0.1%とかですよね。
○神田座長 そんなものですよね。それを考えると、これはあえて変える必要はないですか。
○矢部構成員 さっきみたいなキャンセルの場合の有効利用のことを考えると、減らさないほうがいいかと思います。
○神田座長 こちらは、4本のままでよろしいですかね。
○瀬戸室長補佐 わかりました。
○神田座長 次は、4℃以下の温度の幅を少し持たせるということですけれども、これは問題ないでしょうか。現実的には4℃ぴったりにはならないですよね。よろしいですか。
 次は、最低50μgを1μgに減らすというところはいかがでしょうか。
○高梨構成員 1μg量で検体が乾いてしまうとか、そういうトラブルにならないのかしらというのがちょっと心配ではあります。
○高橋構成員 この修正理由、特に患者においては細胞濃度が少ないためというのは意味がわからないですね。患者ではなくて臍帯血のDNAですよね。
○瀬戸室長補佐 臍帯血の移植を受けた者のDNAも含まれています。3つ、臍帯血と妊婦と。
○高橋構成員 そこの部分ですか。わかりました。
○神田座長 ただ、ここの文章は文言が最低これこれの検体が望ましいという書き方なので、ガイドライン上としては、多目に書いてあることは現場でさほど問題にならないのではないのですか。望ましいという記載ですので。いかがですか。修正の必要があるかどうか。これは1μgではだめと書いてあるわけではありませんので、望ましいものは多いほうが望ましいのは多分間違いないでしょうから、これはあえて修正しなくてもよろしいでしょうか。
 次のところで、「移植前に採取した」を入れて明確化する。これは問題ないですよね。
 その次、「移植により伝播する可能性がある遺伝性疾患が疑われる場合」、すなわち移植でトランスミットしないものは対象としなくても大丈夫ということですが、これもよろしいですか。明確にできますか。
○高梨構成員 御意見を伺いたいのですけれども、例えば、血友病などですと、遺伝性疾患ではありますけれども、造血幹細胞移植ではうつりません。そうやって提供いただいた経験が多分15年ぐらい前にあるのですけれども、遺伝性疾患は、患者さん側の検査として遺伝子をばっと見てしまえば、ドナーさんの病気がわかってしまうのです。その辺のバランスはどうしたらいいのでしょうかという疑問があります。
○矢部構成員 以前、さい帯血バンクをやったときは、私たちが確認して、例えば、実際にあったのは副腎白質ジストロフィーとかなのですけれども、それはレシピエントがそうであった場合に治療効果が落ちるので没にするのです。ただ、血友病みたいなものはオーケーにしていましたし、当該遺伝子の発現する細胞が造血器あるいは免疫担当細胞であれば、これは基本的にだめです。あと、ちょっと難しい話は今みたいな代謝異常の一部で、それが見つかる可能性があるのであれば、やはり省かないといけないものがありますよね。
○高橋構成員 20年前ぐらいに、骨髄バンクで遺伝性疾患を持っているものは全部だめとなっていて、それはおかしいだろうという議論があったのですけれども、その段階では遺伝性疾患は全部だめになったのです。それ以降のことを私はちゃんと把握していないのですが、今、骨髄バンクはどうなっていますか。
○神田座長 どなたか把握している方はおられますか。今すぐには出てこないですかね。確かにこれは同じような問題ですね。
○高橋構成員 理論的には伝播しなければいいというところで私も大賛成なのですけれども、線引きが難しいことになるだろうと。疾患としてグレー部分がある。
○神田座長 伝播しなくても移植成績に影響を与える可能性のある疾患があるということですよね。
○矢部構成員 そうですね。今言った代謝異常などというのは、白血病の患者さんに移植するには全然問題ないわけなので、それを思うと、確かに一律全部を省いてしまうのもあれかもしれないです。私はそういう疾患の移植をやっているものですから、それでムコ多糖症の患者さんにムコ多糖の臍帯血が来たらこれは非常に困るということにはなってしまうのですけれどもね。
○神田座長 ガイドライン上で一つ一つ疾患を規定するのは難しい。もし遺伝性疾患を全て現状のままのように外した場合に、どれぐらいプールが落ちますかね。そんなには変わらないですかね。
○矢部構成員 非常にまれな疾患ですので、ほとんど影響がないと思います。東海大学さい帯血バンクでずっとやっていたときにひっかかってきたのが、ダウンの子とALDの子です。もう一例、慢性肉芽腫症が1例ありました。提供してしばらくたってからその患者が診断されて、バンクから外したという経過です。
○神田座長 それはおおよそで分母がどれぐらいですか。
○矢部構成員 7,000~8,000、受け入れた中の実際に保存に至るものが1割にいかないですから、それを思うと数万分の3とか4とか、そういうレベルだと思います。
○神田座長 そうすると、この文言を変更することによってプールが、これはドナー候補プール維持のためという目的にはなっていますけれども、現実にはプールに対する影響はほとんどないと考えてよろしいですか。
○矢部構成員 この「移植により伝播する可能性がある」云々という文言が入っていれば、そこで確認されるか何か、一つのステップが生じるかとは思うのですけれども、全く免疫担当細胞に関係ない遺伝性疾患、血友病も含めて、そういうものであれば、そのままどんどん登録されて構いませんので。
○高梨構成員 特に血友病で覚えているのは、お母さんから電話をいただいて、子供がそのように診断されてしまったけれども、臍帯血は大丈夫と言われたからとわざわざ言っていだいて、それを落とすのに非常につらかった思い出があるものですから。ただ、患者さん側の検査でドナーの疾患がわかってしまう可能性がある場合にどうするのかなというのはちょっと迷うところがあります。
○高橋構成員 例えば、座長が言ったとおり、プールという観点から言うと、全部一律にやったほうがきれいに明確化できると思うのです。一方で、20年前ですけれども、議論したのは、提供する権利というか、遺伝性疾患を持っていても、それ自体が造血幹細胞由来で伝播しないというような遺伝性疾患はあると思うのですけれども、そういう提供したいという意思を、例えば、今回はお母さんだと思うのですが、それをどのように考えるかというところだと思うのです。ですから、例えば、ダウンの方とか、血友病の方とか、余り臍帯血移植で受ける側に影響が及ばないだろうと判断できるような場合は、白血病になってしまうのではないかとかという話はまれにあるとは思いますけれども、でも、そのリスクも低いということを考えると、提供する権利も認めてもいいのかなと個人的には思います。
○神田座長 ただ、先ほどのある疾患に対してこの疾患の臍帯血は困るという、それは物すごくまれな確率ということになりますけれども、その場合、その情報は公開されたところに上げるわけにはいかないですよね。それが入ってくる可能性が極めてまれにあることをどう考えるか。
○矢部構成員 それは臍帯血の移植の同意書の中には入っていますよね。まれに遺伝性疾患を持つ臍帯血が混入する場合がありますと、たしか同意書の中に入っていたような気がするのですけれども。
○神田座長 現状は、遺伝性疾患が疑われて公開できなくなった場合には、それは母親に伝えているのですか。
○高梨構成員 それは保存すると健康調査票が後で行きますのでわかるのですけれども、そうでなければ、落ちた理由を一々説明するわけではありません。
○神田座長 そうすると、提供したお母さんの心情は確かに重要な点ではあるのですけれども、わからないと言ってしまえばわからないことでもありますかね。なかなか難しいところですが。
○矢部構成員 でも、現実的にはこの文言で残すしかないのではないですか。最近も、実はお子さんが脳腫瘍になったという連絡があって、その臍帯血をパソコンで調べてみたら、幸い提供されていなくて、研究用になったかな。そういう形でしたけれども、提供されたお母さんは結構気になさっているみたいですよね。
○高梨構成員 パスしてもいいかもしれない。これほど悩んでしまうとは思わなかったので、済みません。時間をとります。
○神田座長 今回はこのままの文言でよろしいですか。これはもっと社会の大きな問題になってくると思うので、ここだけでもなかなか変更しがたいところはありますから。
 続きまして、「献血時の基準に準じた」ですけれども、これは具体的には臍帯血自体の判断基準はないのが現状ですか。これはいかがでしょうか。
 これは、臍帯血側も結局感染症等で変更をかけなければいけないことを考えると、むしろ献血時の基準と合わせているほうがやりやすいような気もするのですけれども、どうなのでしょうか。
○高梨構成員 日赤から出して済みません。献血とむしろ合わない点があるような気がするところでひっかかっただけだと思います。ただ、実務上はほぼ流用してできています。小さいところでひっかかるだけなので。
○神田座長 それでは、こちらはこのままでよろしいですかね。
 ありがとうございます。
 続きまして、「児の」を加えるあるいは「帝王切開とならない場合」を加える。これは問題ないですよね。
 次のページに行きまして、「HIV-Ⅰ/Ⅱ」、「HTLV-Ⅰ」の数字の変更も問題ないと思います。
 次の感染症検査は、母体血の結果を使用している、臍帯血そのものの検査はしていないということですね。現状は、全てのバンクでこうなのでしたか。
○高橋構成員 今回はこれで私もいいと思うのですけれども、横道にそれてしまって済みません。海外バンクはどうなのでしたか。
○高梨構成員 FDAの基準は全部ドナーの検査をすることに入っているのですけれども、ただし、ドナーが新生児の場合は母親の血液で代用すると書いてあります。
○神田座長 これは削除で問題ないですかね。
 次のHLA検査の件ですね。これも少し難しいところがありますが、確かに無駄な検査を求めていることが現実にはあるわけですね。これを、何カ月ならいいかというのは難しいところですけれども、例えば、再移植で実施不能な場合あるいはしっかり過去に行われていた場合は、かえることができるというのは妥当なところではあるかと思いますけれども、いかがでしょうか。なかなか期間を区切るのも難しいところでありますけれども。
○高橋構成員 再移植以外は、基本的には以前にやっていればそれでオーケーということだと思います。期間も関係ないと思います。
○神田座長 その場合は、いわゆる検査会社等ではなくて、さい帯血バンクでやっていればオーケーと。あるいは、骨髄バンクも含めるか。
○高橋構成員 検査会社を信用しないかどうかということになってしまうのですけれども、それをもとに移植医療が成り立っているので、現時点では全ての検査は認めてもいいような気がします。
○矢部構成員 造血細胞移植学会の中では、例えば、認定基準などのところに入れているのは、組織適合性学会の資格を持っている技師さんあるいは施設としています。これは患者さんのほうのHLAですよね。ですから、別に再移植でも患者さんの体細胞のHLAは変わるわけではないので、移植したからといって混入した血液でやる必要はないのではないかと思いますけれども。
○神田座長 そうしますと、現状の骨髄バンクは必ず一般でやってもやり直してはいますよね。それに合わせると、一度はこういうバンクで、骨髄ないしさい帯血バンクで行われていることを前提とするか。今は民間のHLA検査も全てクオリファイされているので、それでよしとするか。
○矢部構成員 確認すると、現状、移植医療機関が提出してくれないというのは、再移植の場合だけですよね。
○瀬戸室長補佐 それ以外の場合もあるとお聞きしております。
○矢部構成員 そうなのですか。例えば、さっきも出たことですけれども、骨髄バンクはまず登録のときにHLAをやって、その後に確認をして、2回やりますよね。さい帯血バンクもふだんはそうですよね。
○瀬戸室長補佐 そうですけれども、骨髄バンクで1回やっているから出さなくていいでしょうみたいな感じで、全く取り合ってもらえないという形もあるみたいで。
○矢部構成員 骨髄バンクで2回やっているからということですね。
○瀬戸室長補佐 それ以外のところで検査をやっている場合もあるみたいなのですが。
○高橋構成員 済みません。前言撤回で、これはダブルチェックという意味ですね。ダブルチェックは必ずやったほうがいいと思いますので、ダブルチェックとして済んでいるのだったらオーケーとしていいような気がします。
○矢部構成員 私も同じ意味なのですけれども、骨髄バンクとでダブルチェックになっていればそれはそれでいいのではないかと思うのですけれども、患者さんの負担がまたいっぱいふえてしまうわけですよね。
○神田座長 そうしますと、骨髄バンクないし臍帯血供給事業者で確認された検査があればオーケーということですね。
○矢部構成員 それは登録時と確認と2回、いずれのパターンであっても、できていればいいように思うのですが。
○瀬戸室長補佐 骨髄バンクまたはさい帯血バンクで確認をされたHLA検査の場合は除くという形ですか。
○神田座長 そうですね。その場合、登録時は通常は民間ないし施設の検査で、確認時はバンクの検査が行われている。それであれば、さらにやる必要は普通ないですよね。期限を区切る必要もない。それでよろしいですね。
 続きまして、単位の変更はよろしいですね。確かに最近「mL」が一般的なような気がします。
 それから、添付する情報として、これは移植施設への引き渡しですよね。
○瀬戸室長補佐 そうです。
○神田座長 採取説識別番号、ドナー識別番号等は、必要性はない情報ということでよろしいでしょうかね。採取日も必要はないですね。それでは、これらの情報は削除でよろしいでしょうか。
 次がなかなか難しいですが、有核細胞が12.0×108、「おおむね」という記載ですけれども、これをCD34だけに変えるというのはさすがにちょっと難しいかと思いますが、いかがでしょうか。
○矢部構成員 実際に公開している中にはCD34が入っているので、それを基準に選べばいいことですから、これをCD34だけにしてしまっていいかどうかというのは、かつてさい帯血バンクネットワークがあったときに、精度管理をやったときも少しばらつきがあったことがあったので、そういった意味では、より誤差の少ない有核細胞で残しておいて、CD34やコロニーアッセイの結果も公開したほうが安全な気がします。
○神田座長 いかがでしょうか。現状として、CD34は情報としては提供されていますので、あとは有核細胞が少ないけれどもCD34がいっぱいあるユニットを捨てるのはもったいないというところがあると思うのですけれども、これは各バンクで幾らか対応されているのですよね。
○瀬戸室長補佐 一部です。日赤はたしか全部細胞数で区切っていると。よろしいですよね。
○神田座長 その場合は、細胞数が足りなくてCD34がいっぱいあるものは登録されていないのですか。
○高梨構成員 事前にCD34を全部ではかっているわけではないので。
○神田座長 そこは少しもったいないかもしれませんけれども、それは各バンクの裁量に委ねるというところですかね。今のところ「おおむね」という記載ですので。
○高橋構成員 全部をはかっていないというのは、費用的には全部はかると随分違うのですよね。
○高梨構成員 違います。
○高橋構成員 そうすると、今、移植側はCD34の数はもったいないという話が出ましたけれども、そちらを優先にしている施設がどんどんふえてきていると思うのですね。ですけれども、実際問題、バンクの費用対効果という観点から言ってちょっと厳しいのではないかという御意見だと、現時点ではこのままでいいかなと。将来的にはちょっと。
○神田座長 現状で有核細胞数よりもCD34で区切って保存するユニットを決めるというところまでは踏み切れないですよね。いずれそうなる可能性はあると思うのですけれども。
○高梨構成員 決まりがそうなってしまえば、やるしかないので。
○矢部構成員 確かにぎりぎりで実際に、例えば、妊娠週数でCD34の数は結構変わりますので、37週ぐらいのものは割と多目に入っていますから、そういうものを拾うという考え方は確かにあって、そうであれば、12.0×108でしたか。それを10.0×108とか、ちょっと少な目のものは、例えば、38週未満のものはCD34をチェックしてみるとかというと、いいものが拾えるかもしれないです。そうすると、これをorにしないといけなくなる。そういうことが先々で起こるのであれば、有核細胞で幾つあるいはCD34として幾つというものをあらかじめ加えてしまっても損はないかもしれないですね。
 その場合だと、例えば、ことしに多分報告が出ると思うのですけれども、0.5×105ぐらいの臍帯血も結構多少遅くても生着している例は多いので、例えば、60キロの人で0.5×105になるとすれば、3×106トータルのCD34があればオーケーという基準も一つ考えられますね。
○神田座長 そうですね。ただ、恐らくすぐに全ての検体を34でやるというところに動くのは難しいかと思いますので、現状は「おおむね」という記載になっていますから、現場の運用でうまく対応していただくということでロスは避けられますかね。このもともとの要望にあったCD34だけに変更するというのは現状は難しいかと思いますので、ここは変更を加えないということでよろしいでしょうか。
 続きまして、次の訓練は「調製」でよろしいですね。
 その次の「十六」を「十七」もよろしいですね。
 「患者末梢血(10~15ml)」も、実際にはHLA確認検査でこんなに要らないですね。これは数字を削除する。
 続きまして、移植あるいは臨床研究の結果に関する責任がないことを書き加える。これもよろしいですよね。
 それから、単位の変更。
 次は、「研究に使用する場合があります。」のところに産学連携等も含めた記載を加える。移植医師からの要望ということですけれども、これも書き加えることは特に差し支えないですか。唐突な感じもするのですけれども。
○矢部構成員 うちからiPS研究所に提供したものもあるので、そういった意味では実際に動いている内容にはなるのですね。
○神田座長 「研究に使用する場合があります。と」とは書いていますけれども、あえて書き加える必要があるかどうか。加えても全く問題はないと思いますが、いかがですか。産学問わず連携をとる場合がある。これは事実上間違いのないことで、ただ、これを加えなくても産学連携は問題なくできるのはガイドライン上はできると。
○瀬戸室長補佐 現状はそうなっております。
○高梨構成員 一般の方に読んでいただくのにはちょっと気兼ねがある文章だなと思っています。
○神田座長 ちょっと難しいですね。産学と言われても多分一般にはイメージがつかないところもありますし、現状のガイドラインで産学連携が認められているのであれば、これは加えなくてもよろしいですか。
 ありがとうございます。
 次は、また単位の変更と、その次は省令との乖離の修正ということで、こちらも問題はないですかね。
 あと3つですね。
 「1ヶ月以上」に(31日以上)、これもよろしいですね。期間の明確化ということです。
 そして、臍帯血提供は、リコンビナントに切りかわったところを明確にするというところもよろしいですか。
 最後、これも文言を修正。確かに妊娠合併症を全て含めるのはちょっと問題でしょうから「重度の」と加えるところと、帝王切開も異常分娩に含めてしまうとこれは問題ですので「異常分娩」は省く。そして、「奇形等の」というところを「染色体異常を疑わせる多発性外表奇形」に限定するということですね。これは、ただ「奇形」ではなく「多発性外表奇形」と書く必要があるのですか。済みません。私は先天性のこういうことは余り詳しくないのですが、どうなのですか。
○高梨構成員 耳の位置とか多指症というのは比較的頻度の多いものであると伺っております。
○神田座長 例えば、多発性外表奇形ではない奇形で染色体異常を疑わせるものはないのですかね。もしそこが微妙であれば、単に「染色体異常を疑わせる奇形を認める場合」としてもよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
○原構成員 多発性でなくてもいいのかもしれないとは思いますけれども。あと、最終的にはバンクさんで判断してもらえればいいのかなと思うのです。
○神田座長 それでは、文言としては「染色体異常を疑わせる奇形を認める場合」でよろしいでしょうか。
○瀬戸室長補佐 1点、この「異常分娩」はまるっきり削除してよろしいでしょうか。
○原構成員 まるっきり削除してしまってもいいと思いますけれども。異常分娩で時間的にとれないとか、そういうことに関してはとっていないという現状があることと、あとはそれこそ帝王切開になったらだめなのかとか、そういうことを考えれば、削除しておいていただいてよろしいかと思います。あと、合併症のことも、本当にちょっとした妊娠高血圧症候群などの場合は十分にとれると思うので、重症度がありますので、このような書き方でいいと思います。
○神田座長 ありがとうございます。
 それでは、一通りこちらでガイドラインを検討いただきましたので、この案で事務局のほうで準備をよろしくお願いいたします。
 最後に、議題3「その他」ですけれども、「移植用臍帯血基準検討会開催要綱(改正案)」の御説明をお願いします。
○瀬戸室長補佐 資料3をごらんください。
 赤字で書いてある「(4)緊急その他やむを得ない事情のある場合は、座長の認めるところにより、文書その他の方法により、検討会の議事を行うことができる。議題の内容から合理的に判断して、検討会を参集して開催する必要がないと座長が認める場合も同様とする。」という項目を1文つけさせていただければと思います。
○神田座長 メール審議等も可能になるということですね。
○瀬戸室長補佐 そうです。
○神田座長 これは問題ないかと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 そうしますと、こちらも開催要綱の改正をお願いいたします。
 それでは、本日の議題は以上となりますけれども、そのほか、事務局から何かありますでしょうか。
○瀬戸室長補佐 大丈夫です。今回御検討いただきました案を修正案としまして、最終的にまた審議会で検討する形になるかと思います。
○高橋構成員 1つだけ、ごめんなさい。海外への提供は、今のところ、こちらのほうの問題ではなくて個人情報保護法でストップになっているのですよね。
○瀬戸室長補佐 そうです。個人情報保護法の関係から、各個人の同意がまだとれないというところで、今のところペンディングになっているというところです。
○高橋構成員 ですから、今回の議論にはそれは入らないと。
○瀬戸室長補佐 そうです。
○高橋構成員 わかりました。
○神田座長 ありがとうございました。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 それでは、きょうは闊達な議論をありがとうございました。
 本日の会議を終了させていただきたいと思います。
○瀬戸室長補佐 長い時間、ありがとうございます。
 
 

(了)

 

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