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2013年7月23日 第7回先進医療技術審査部会

(了)


第7回先進医療技術審査部会

(1) 日 時:平成25年7月23日(火) 17:00~18:30

(2)場 所:航空会館501+502 会議室(5階)
(東京都港区新橋1-18-1 TEL:03-3501-1272)

(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、一色構成員、伊藤構成員、
佐藤構成員、柴田構成員、関原構成員、竹内構成員、
大門構成員、田島構成員、直江構成員、藤原構成員、
山中構成員、山本構成員
  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
保険局医療課 専門官

議 題:
1.新規申請技術の評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の取り下げについて
5.先進医療Bのうち、平成19 年度以前に承認されていた技術の進捗状況と今後の方針について
6.先進医療会議の審査結果等について(報告事項)
7.その他

議事録:以下次頁
○猿田座長
 定刻になりましたので、第7回「先進医療技術審査部会」を始めます。本日は、大変な雨の中をお集まりいただきましてありがとうございました。雨のために遅れている方もいらっしゃいますが、最初から御欠席の連絡を受けているのは三上構成員です。伊藤構成員は電車の遅れのため、山本構成員は羽田へ着いてからこちらへ来るのが大変だということ、金子構成員もちょっと遅れているということですが、定数は満たしておりますので始めさせていただきます。7月に、事務局に人事異動がありましたので、議事に入る前に事務局より紹介してください。
○医政局研究開発振興課専門官
 7月の人事異動に伴い、今回から新たな事務局メンバーで本会議を運営させていただきます。1人ずつ紹介させていただきます。医政局研究開発振興課課長の一瀬篤です。医政局研究開発振興課治験推進室室長の河野典厚です。本日は欠席しておりますが、保険局医療課企画官の佐々木健です。以上3名が、新たなメンバーとして参加させていただきます。
○猿田座長
 本日の配布資料と、審議案件の確認を事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 配布資料を確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱、構成員及び技術委員名簿です。「新規申請技術の評価結果」として資料1-1から資料1-5があります。「試験実施計画の変更」として資料2-1から資料2-4があります。協力医療機関の追加として資料3-1と資料3-2があります。「先進医療Bの取り下げ」として資料4-1と資料4-2があります。「先進医療Bのうち、平成19年度以前に承認されていた技術の進捗状況と今後の方針」として資料5があります。「先進医療会議の審査結果等」として資料6-1と資料6-2があります。別添として資料6-3があります。参考資料1と参考資料2があります。本日の資料は以上です。不足等がありましたら、事務局までお知らせください。
 利益相反についてです。対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1の11ページに記載してある「医薬品・医療機器情報」を御覧ください。対象となる企業又は競合企業に関して事前に確認をさせていただいております。一色構成員、猿田座長、大門構成員、藤原構成員から、利益相反の届出がありました。参考資料2の121ページの「高度医療評価会議の検討参加に関する利益相反の申し出について」等を適用し、一色構成員におかれましては、当該技術について検討・発言・意見確認ができません。猿田座長におかれましては、御発言は可能ですが、意見の確認に加わらないこととさせていただくところですが、申請医療機関との関係から、一色構成員と同様の取扱いとさせていただきます。大門構成員、藤原構成員におかれましては、議論に参加していただき、意見の確認にも加わることとさせていただきます。
 これまで、利益相反に関して高度医療の資料に基づいて構成員に御確認をしてまいりましたが、先日の先進医療会議で承認された資料6-3の利益相反の資料に基づき、利益相反の確認とさせていただきます。取決めについて、特に大きな変更はありませんが、同資料にある1の(1)自らが所属する保険医療機関からの届出に係る医療技術の場合、(2)申告対象期間中500万円を超える額の寄付金・契約金等を受領していた年度がある場合、には「当該技術に関する検討(議事の取りまとめを含む)」には加わらないこととさせていただきます。この場合は、該当する構成員におかれましては御退席していただき、会場の外での待機をお願いいたします。これは、厚労省内で開催される会議との整合性も考慮しておりますことを御理解いただきますようお願いいたします。
 なお、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場での御報告をお願いいたします。
(申出なし)
○医政局研究開発振興課専門官
 該当なしということでよろしいでしょうか。今回の会議に当たってはタブレットを使用させていただきます。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。発言者は、タブレットの何ページとあらかじめ御発言いただきますと、議事の進行上助かります。また、タブレットがうまく作動しない場合は挙手をしていただければ、係員が対応させていただきます。
○猿田座長
 これまでのところはよろしいでしょうか。本日は利益相反のこともあり、私も退席させていただくことになります。特にないようでしたら、早速議事に入ります。最初に、「新規申請技術の評価結果」について事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 撮影されている傍聴者はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 資料1-1、11ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして評価していただくのは、整理番号011「早期胃がんに対するセンチネルリンパ節を指標としたリンパ節転移診断と個別化手術の有用性に関する臨床試験」です。適応症は、早期胃がん(術前診断T1N0、腫瘍長径4センチ以下、単発性)となっております。申請医療機関は慶應義塾大学病院です。審査担当構成員として、主担当が山中構成員、副担当として山口座長代理、田島構成員となっております。利益相反の関係上、本技術の審議の進行を、猿田座長から山口座長代理にお願いいたします。猿田座長と一色構成員におかれましては、一旦御退席をお願いいたします。
○猿田座長
 それでは、山口先生よろしくお願いいたします。
(猿田座長、一色構成員退室)
○山口座長代理
 それでは、猿田座長に替わって座長を務めさせていただきます。最初に、整理番号011の評価結果について、主担当の山中先生から説明をお願いいたします。
○山中構成員
 国立がん研究センターの山中です。主担当を仰せつかっております。「早期胃がんに対するセンチネルリンパ節を指標としたリンパ節転移診断と個別化手術の有用性に関する臨床試験」です。簡単に背景を説明します。現在、乳がんやメラノーマでは、センチネルリンパ節を指標とした縮小手術が実臨床で応用されています。胃がんでは、その妥当性が確立されていません。この医療技術は、その妥当性を確認しようとするものです。
 資料1-4にロードマップがありますので御確認ください。今回は、胃がんでセンチネルリンパ節の妥当性を評価しようとする申請ですが、医療機器としてトレーサー検知関連のデバイスが、そしてトレーサーとして色素やラジオアイソトープが未承認又は適用外となっております。ロードマップの左側の青い図で「臨床研究」とある部分を見て頂きたいのですが、既に高度医療評価制度の下で高度医療として評価を行っていて、感度や特異度に関しての評価を終えております。この結果については既に出版がなされております。これを受けて、今回先進医療Bとして第3相ランダム化試験を行おうという申請です。
 試験のデザインについては、センチネルリンパ節を転移の指標として、手術の術式を調整する個別化手術群と、センチネルリンパ節の評価に関係なく一定の術式を実施する従来手術群の2つの治療アームを比較します。前者の個別化手術群が、後者の従来手術群に対して非劣性であることを示そうとするランダム化試験です。
 この申請については副担当として山口先生、そして田島先生に倫理面を評価していただきましたので、お二方の先生からコメントを頂いた後、私から最終的なコメントを述べさせていただきます。
○山口座長代理
 実施体制についての評価を私から御説明いたします。バックグラウンドについては山中先生から御指摘がありましたが、この研究は、これをやれば成績が上がるということではなくて、がんに対して徹底的な治療をやっていたわけでありますが、それを縮小していく、要するに患者さんの侵襲や負担を減らしていく。術後のクオリティを非常に良くするという方向の試験ですので、非劣性試験として行われています。
 実施体制については、既に厚労科研や先進医療で相当の数をやっております。資料の10ページ、011の10ページを見ると経緯が書いてあります。もう10年以上前から研究会が立ち上がって、現場では手順を踏んでやっております。問題は早期がんとはいえ、5%前後の死亡があります。もともと助かるものを、縮小することによって失ってはいけないという強いコンセプトがあるので、研究のデザインとしては思いきってやるというよりも、慎重にやっているという態度がうかがえたと思います。
 後ほどの田島先生の御指摘にもありますが、拡大手術だとかいろいろな言葉が出てきて、一般の方にも、胃がんを専門とする医師以外の方にも分かりにくいところがあるかと思うのですが、説明の点で誤解を招くような、あるいは説明不足の点があったというのは、田島先生の御指摘のとおりだったと思います。
 今申し上げた事情で、こういう機器を使うとか、こういう手術を行うということは既に乳がんでは行われていますし、胃がんのフィールドでも今回参加するような施設とか、慶應大学では十分な安全対策を整えられると思いましたので、私は「適」といたしました。続いて田島構成員から、倫理的観点からの評価をお願いいたします。
○田島構成員
 説明文書については、ほとんどの問題点が指摘に従って訂正していただいた結果解消されております。指摘いたしました事項は、資料1-3、17ページから20ページにまたがって記載されております。最後に1つだけ問題点が解消せずに残っておりますので、このままでは適当でないということで「不適」とさせていただきましたが、問題点が解消されれば「適」としてよいと考えております。
 残った問題点は何かと申しますと、ランダム化により従来手術群に割り付けられた患者さんの中で、手術中の見張りリンパ節生検の結果、陽性と出た方に対する手術の内容が明確でないという点です。説明文書によると、陽性、陰性にかかわらず、従来手術群に割り付けられた患者さんに対しては、定型胃切除と、通常リンパ節郭清を実施することとされておりますが、先進医療届出書様式3号の14ページを見ると、陽性の場合には、通常の郭清範囲外にSNが検出された場合に、SN理論にのっとり、その領域切除も追加することになっておりますので、従来手術よりも広い範囲の郭清を行うのではないかとも読み取れるところです。患者さんの立場では、陽性と出ているにもかかわらず、個別化手術群Cの患者さんより狭い範囲のリンパ節郭清手術しか行われないとなると、不安に思われることが危惧されますので、そういうことが起きないようにきちんと説明していただきたいと考えました。
 その結果をまとめると、コメント覧に記載しておりますが、患者説明文の「3 研究方法・研究協力事項」において、従来手術群に割り付けられた患者さんは、手術中の見張りリンパ節生検を実施し、転移の有無にかかわらず、定型胃切除+通常リンパ節郭清を実施するとなっている。一方、個別化手術グループに割り付けられ、手術中の見張りリンパ節生検が陽性であった患者さんは、定型胃切除+拡大リンパ節郭清を実施するとなっています。 このことを踏まえ、従来手術群に割り付けられ、見張りリンパ節生検の結果、リンパ節転移を認めた場合、拡大ではなく通常リンパ節郭清が実施されるとなると、従来手術に割り付けられた患者さんは不利益を被るのではないかと解釈する可能性がありますので、患者さんに誤解を招かないよう、詳しく患者説明文に記載していただく必要があるという点。それから様式3号では、従来手術群の術式として、通常の郭清範囲内にSNが検出された場合には、SN理論にのっとり、その流域切除も追加するとあり、もしこのことが通常リンパ節切除の範囲外のことを指すのであれば、この記載に合致するように患者説明文にも記載していただきたいということです。
 補償内容については、保険に加入されていて、内容的にも適当であると判断いたしました。以上です。
○山口座長代理
 お手元の011の12ページを御覧ください。非常に分かりにくかったのは、ここに割り付けの方法とかシェーマが書いてあります。要するに対照群も、コントロール群もセンチネルをやるわけです。その結果は手術中に分かるわけです。ところがこのシェーマだと、調べて分かっているにもかかわらず、あたかも対照群のコントロールのほうは、リンパ節転移があるからもうちょっと取ろうということができないのではないかという疑いがこれを見ると残ります。
 田島先生の御指摘に対する回答を見ると、そうではないということが書いてありますけれども、このままではちょっと分かりにくいということは事実です。ガイドラインのほうでも基本的にはD1+郭清というのは早期がんに対する手術なのですが、術中に転移があると分かったときには、拡大郭清しなさいと書いてありますので、それを適用されると理解されて、恐らくこれで済ませたと思うのです。我々にもちょっと分かりにくいですし、ましてや患者さんにとっては分かりにくいので、田島先生の御指摘のところが明確にならないと、ちょっと矛盾するのではないかという御指摘だったと思います。そういうことでよろしいでしょうか。
○田島構成員
 はい。
○山口座長代理
 ここのところは、このシェーマにちょっと誤解を招くところがあったと思います。ちょっと分かりにくいところだと思うのですけれども、何か御質問はありますか。
(特に発言なし)
○山口座長代理
 それでは、山中先生から評価をお願いいたします。
○山中構成員
 先ほど山口先生から御指摘がありました様式第3号の12ページに移動してください。12ページの試験デザインに関するシェーマの部分です。
○山口座長代理
 図1ですね。
○山中構成員
 はい、治療計画の図1というシェーマです。このシェーマに試験デザインが書かれているわけですが、試験治療アームの個別化手術群はA、B、Cの3通りの術式からなっております。おおまかに言って、Aはコントロールアームの従来術式よりも、侵襲性が低い術式、Bはほぼ同等の侵襲性と考えてください。Cはより侵襲性の強い治療となっています。試験治療アームの中でA、B、Cの占める割合は、それぞれ全体の50%、40%強、10%弱と予想されています。
 これらA、B、Cの3通りの手術をワンパッケージとして、その治療アームを従来術式のアームと比較するというランダム化試験です。言ってみればA、B、Cの3つからなる治療戦略自体の妥当性を検証しようとしているのだと思います。
 実施計画書の内容については何点かコメントがあります。この試験においては、試験治療アーム、標準治療アームに対して、共に98%の無再発率を期待し、かつ非劣性マージンをマイナス5%と設定し、両群合計520例のランダム化試験を計画しています。ランダム化試験を超える方法よりも信頼性のある方法はないのですが、ただ、これだけの高い成績、治療水準での検討を行おうとしているのであれば、考え方によっては、必ずしもランダム化を行うことなく、シングルアーム(単群)の試験を行って、3つの術式のそれぞれの点推定値、それからこのワンパッケージ全体の点推定値が十分高い値にあることを示すことでもいいのではないかとも思います。
 試験治療のアームは、3つの術式から構成されているわけですが、約半分はコントロールアームとほぼ同じ治療法なわけです。この割合に左右されて非劣性も当然証明されやすくなるとは思うのですが、そういう問題も鑑み、必ずしもランダム化ではなく、シングルアームの選択肢もあり得るかと思いました。ただ、必ずシングルアームに、というわけではなくて、この点に関してはこの会議の場で検討したいと思います。一応、有効性の評価に関しては「適」としております。
 実施体制については、慶應大学クリニカルリサーチセンターに関する記載があります。一方でセントラルの業務に関しては、外部の受託機関にアウトソースする旨が記載されております。この慶應大学のクリニカルリサーチセンターと、外部CROの役割分担を明確にしていただきたいと思います。また、試験実施に関する資金源に関する記載を追記していただきたいと思います。
 総合評価ですが、胃がんにおけるセンチネルリンパ節理論の臨床的な意義を評価し、将来的な公知申請を目指そうとする重要な臨床試験として位置付けられると考えております。田島先生と私が指摘した諸事項について、適切な修正を求めたいと思います。以上です。
○山口座長代理
 ただいまの説明について何か御質問はありますか。あまり聞き慣れない言葉とか、アームも多くて分かりにくく、ちょっと見てすぐに分かるような試験ではないと思うのですけれども、何か御意見がありましたら。
○伊藤構成員
 気になったのは、これは2群に分かれていて、片方は縮小手術、片方は通常の手術をされる方で、両方ともセンチネルリンパ節の同定はされるのですよね。
○山中構成員
 はい。
○伊藤構成員
 通常の手術を受ける方は、センチネルリンパ節の同定をすることに全くメリットがないのに6万円のお金を払うのでしょうか。そのように読めてしまうのです。
○山中構成員
 ランダム化をするのでそういうことになるかと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 先進医療として、保険が併用療法の部分は6万円に当たるのですが、申請者らはそこを研究費で賄いたいとしています。ですから、従来治療群に割り付けられても研究費で賄うというふうに申請者はしています。ですから、患者さんの負担は、従来治療群に割り付けられても、通常の保険診療と同じと立案しています。
○伊藤構成員
 そのように研究費で負担します、と中に記載があるのでしょうね。
○医政局研究開発振興課専門官
 記載はないです。申請者らに口頭で確認しました。
○山中構成員
 治験実施の資金源に関しては申請者に追記を求めております。
○山口座長代理
 他にはありませんか。
○藤原構成員
 デザイン自体に問題はないのですけれども、申請書の127ページの背景の所で、この試験の前段の試験として、先進医療B13で行われましたと書いてあります。実際に私は高度医療の前の臨床的使用確認試験のときに担当してそれを審査しました。そのときは、腹腔鏡下で早期がんを切除するというデザインでした。背景、それからこの後に添付されている論文を見ると、その当時の高度医療、臨床的使用確認試験の結果、どうだったかというのが余りはっきり出ていない。どこかで、その結果はどうだったかというのを踏まえて、これに入ったというのが。
○山中構成員
 感度、特異度を評価した上で、結果がジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジーに出版されています。
○藤原構成員
 それは、腹腔鏡下での切除なのですね。
○山中構成員
 そうです。腹腔鏡下です。対象は、今回の申請とは若干異なりますけれども。
○藤原構成員
 そのデータを踏まえて、今回は縮小手術のところに腹腔鏡下手術が入っていないのは何か理由があるのですか。
○山中構成員
 いえ、開腹でも、腹腔鏡下でも両方OKとしていると思います。
○山口座長代理
 現在、標準的な治療は開腹手術なのです。腹腔鏡の手術というのは、胃がん学会のガイドラインでは標準的な治療ではないことになっています。保険診療では認められているわけですけれども。
○山中構成員
 現状では広がりつつあるわけで、それも踏まえて標準の開腹ないし腹腔鏡下としていると思います。
○山口座長代理
 ですから、早期がんに関しては治癒率も高いですから、腹腔鏡下手術はある程度普及していますが、進行がんに関してはまだまだ議論のあるところで、研究的な位置づけです。胃がん学会のガイドラインでは、腹腔鏡下手術がまだ研究的な位置付けになっていることもあったのではないでしょうか。
○藤原構成員
 これを将来的に薬事承認に持っていくときに、腹腔鏡下手術まで含めて申請になるということは、胃がんのガイドラインの記載が現在のままだと、あり得ないということですか。
○山口座長代理
 胃がんのガイドラインが変わる可能性があります。今は保険診療で認められているわけですから、腹腔鏡下手術をやってはいけないということではないわけです。
○藤原構成員
 最初に、臨床的使用確認試験の審査をしたときには、確か色素法単独だと結構、偽陰性とか偽陽性だかが多くて、ラジオアイソトープを併用するデュアル法を使わないと危ないのではないかという指摘をしたような記憶があります。その辺が背景の所には余り詳しくは書いてなくて、しかも腹腔鏡下切除がそれを除外基準に入れていないというのがあったので気になりました。クリアになりました。
○山口座長代理
 乳がんとは違って、胃がんの場合はリンパの流れの方向がかなりまちまちなのです。大腸もそうですけれども、乳がんでは割と一方向に流れていきます。胃がんというのは、両方から血流が入ってきていて、そういう臓器とはちょっと違った側面があります。彼らの前の研究では、彼らが思ったほど、例えば乳腺のときのような有用性までは指摘できないという結論だと思うのです。今回の試験も、そういう意味では少し手前からスタートしていると理解しています。御指摘のとおりだと思います。
○保険局医療課専門官
 患者さんのメリットの所で関連して確認させていただきたいのです。これは、縮小胃切除が可か不可というのは、センチネルを置いておくと、胃がんの状態としては術前には分からなくて、開けてみないと分からないことになるのでしょうか。
○山口座長代理
 それは、そうです。ちょっと分かりにくい内容だったので、是非、今、御質問いただければと思います。私自身はやっていませんけれども、ある程度事情は分かります。
○直江構成員
 皆さんが既におっしゃったことなのですけれども、このタイトルを見ると、センチネルリンパ節を指標とした個別化ということです。12ページの図を見ると、これは4群ではなくて、実は5群なのです。というのは、従来型手術もセンチネルをチェックして、陽性であれば拡大するということが書いてないですので、実際は5群です。
 ただ、最終的に何が評価できるかというと、縮小手術になったA群が、従来、他の群に比べて成績が悪くないかどうかということが分かるだけかもしれないわけです。先ほどデザインの話をしていましたが、もう少し早く分かるのではないかという感じがします。こう言ってはなんですけれども、これはタイトルの割には、見ることがちょっと小さいのではないかという感じがするのです。もう少し結論を早く出せないのでしょうか。
○山中構成員
 本質的に必要なのは、おっしゃったとおり個別化手術群Aという術式です。
○直江構成員
 Aを見ているわけですね。
○山中構成員
 はい。試験治療アームの一部がコントロールアームとほぼ同じ治療法でして、その一部というのが半分ぐらいを占めていますので、ランダム化までして非劣性試験を組まなければいけないのか、という気はします。
○山口座長代理
 山中先生御指摘のとおりで、シングルアームでも目的とするところが達成できる可能性は十分あるかと思います。タイトルとこの中身がちょっと違うのは、前の先進医療をやったときに、これで画期的に縮小できるのではないかという気持でやったら意外にそうでもないので、もう少し慎重にやろうかというところが、こういう試験の組み方になったのではないかと思います。
 それと、化学療法の試験みたいにあっさり割り切ってやるべきかもしれませんが、外科医というのは一旦分かってしまうと、ここまで転移があるのに、この先はみすみす放っておくのかという意見が必ず出てきて、なかなかアクセプトされにくいということがあるのかもしれません。早期がんの中にも予後の悪いものが混じっていますので、そういうものをせっかく分かりながら、自分たちが思ったところまでできないというデザインがなかなか組みにくかったのではないでしょうか。その郭清も、D2まででいいのですけれども、場合によっては通常郭清しない所まで取ってくれとかいろいろなことが書いてあります。
○直江構成員
 既にセンチネルを使って、要請があれば拡大するというのはコンセンサスだとすれば、センチネル方法を使った縮小手術の妥当性というのを見ているのかなという気にもなってきます。
○山口座長代理
 タイトルが適切ではないという御意見かと思うのです。
○関原構成員
 私もこれを見て、患者が見ると既に臨床研究で502例やって、99%は有効であると書いてあります。これを10倍の規模でやるなら解りますが、520例でやるに過ぎないわけです。これは何のためにやるのか。臨床研究とか、臨床試験という言葉については、専門家はみんな分かるのですが、患者や国民のほとんどが分からないです。そういう意味では、今までにやった502例というは臨床研究で今回は臨床試験ですとなっていますが。その辺りの違いということ、それがそれなりにメリットがあるということがもうちょっと分かるように書いて欲しい。これを何回読んでもそう思います。
臨床研究で50例やりました。今度は500例やるというのはいいのだけれども、同じぐらいの数で、しかも99%有効と結果が出ているものをなぜやるのか、というのがいまひとつよく分からないのです。
○山口座長代理
 非常に貴重な御意見をありがとうございます。皆様の御意見を拝聴していると、これは条件付きというよりも、むしろ継続して、今、挙がったような問題点について、もう一度研究者に御検討いただく。もう一つは、もう少し分かりやすく書くという視点も含めて、継続審議ということでいかがでしょうか。山中先生いかがでしょうか。
○山中構成員
 申請内容の、臨床的意義については評価しておりますので、今、御議論いただいたことを適切に修正されるかどうか、ということを検討したいと思います。その意味で継続審議とさせていただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 1点確認させてください。今回は2アームで申請が来ましたが、シングルアームにしてもよいのではないかというコメントですが、もう少し詳しくお伺いすると、どうしてシングルアームを推奨するかについて言及いただけないでしょうか。
○山中構成員
 本質的に評価したいのが、試験治療アーム(個別化手術アーム)の一部の治療だけで、そこの成績が高いことが分かればいいということだと思うのです。ランダム化試験は、エビデンスレベルは高いですけれども、長期間いろいろなリソースを使ってやることにもなりますので、そこはシングルアームで評価できることであれば、それでエビデンスは確立されたと、臨床側が納得いただけるのであれば、そういう選択肢もあるのではないかと思った次第です。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうすると、単群試験に変更すべきではなくて、御考慮ください、御検討くださいという意味合いでよろしいでしょうか。
○山中構成員
 はい、そうなります。
○山口座長代理
 恐らく患者さんの立場から見ても、この試験に参加すると言った途端に、今までどおりやってもらうというのが半分というか、かなりのものがあるのだったら、ちょっとピンと来ないところがあります。山中先生が御指摘されたような形でやっても、目的とするところは達成できるのではないでしょうか。例えば、ものすごく有意な点を証明するのだったら、そういうやり方をやらなくてはいけないかもしれませんけれども、非劣性であれば、シングルアームでもいいという考え方も十分成り立つと思うのです。皆さんはこの点に関してはいかがですか。
○伊藤構成員
 この縮小手術のメリットを表現できる方法がはっきりする、明確にするものが評価指標に入っているのであれば、山中先生の意見とは違って、RCTのほうがよいのではないか。エビデンスレベルというか、試験結果の評価、サイエンスの評価が高くなるという意味ではいいのかなと思うのです。
 ただし、はっきり差が出るような、縮小手術をしたほうがいいという評価ができないのであれば、RCTをする意味が余りないのではないか。基本的に生存率に差が出るとは思えないのです。そういう意味では、評価指標の作り方の問題かという気がするのです。
○柴田構成員
 コメントさせていただいてよろしいですか。伊藤先生がおっしゃったところと、私も同じような話になります。仮に非劣性が言えたとして、一番キーとなってくるのは個別化、手術群Aの所の縮小手術をすることによって予後が落ちていないかという部分なのです。そこの構成割合によって、結果の解釈が変わってきます。大体5割ぐらい出るということなので、5割入っていて、非劣性が言えているのであれば、確かに縮小手術Aの所がちゃんと評価できているということになりますが、仮にこれが少なくなっていた、たまたま少なくなっていたりすると、同じものを比べて非劣性ということになってしまうので、多分そこの部分が、ちゃんと縮小手術の意義が示されているのかが、曖昧になる部分になるのではないかと思います。それで、解析方法とかその評価、最終的に仮にRCTのままやられるにしても、その解析方法とか評価方法の所をきちんと明確にしていただく必要はあるかと思います。
 あとは予後が非常に良いので、仮に比較対照を置かなかったとしても、それなりの結論が導ける集団であるという山中先生の御指摘は、私もそれはあるかもしれないと思いました。というのは、セレクションバイアスによって、100%より成績が良くなることはないので、このぐらいの98%というところであれば、シングルアームで結果が著しく劣っていなければ、それなりの結論を導くことは不可能ではないと思います。ただ、RCTでやってはいけないかというところは御検討いただいてもよい部分だと思います。もしRCTでやられるのであれば、伊藤先生がおっしゃったような、メリットがきちんと示せているのかとか、非劣性が言えたことの臨床的な意義が何であるのかというのはもうちょっと補足していただく、エンドポイントとか、エンドポイントの解釈、解析の方法の所に記していただく必要はあると思います。
○藤原構成員
 これはロードマップを見ると、この試験を先進医療としてやった後に、学会要望も踏まえて公知申請に持っていきたいと書かれています。恐らく乳がんのときにも同じように、先進医療でかなり大きな数をやって、それで公知申請へ持っていったと思うのです。乳がんは、海外でも結構センチネルリンパ節の意義を検討するデータはたくさんあったので、公知申請に行けたのです。
 胃がんの場合は、多分日本が先導しないと、なかなか海外のデータは使えない状況で、この試験の個別化のA群が非劣性だったということで、保険償還が下りるところまでいけるのか。その辺が、胃がんの方々の相場感を知りたいのですが。
○山口座長代理
 リンパ節郭清に関して精緻な技術を持っているのは、日本と韓国だけだと思うのです。そこは確かに難しいところで、外国頼みにはできないところだろうと思います。やるとしたら韓国と……組むかです。外国から出てくることはまずないのではないか。
○藤原構成員
 そこは、この試験が終わった後のPMDAとか保険局の人たちがその結果を見てどのように判断するか、というところに依存するということですね。
○山口座長代理
 ロードマップについても、少し考えるべきところがあるのではないかという御指摘だと思います。
○柴田構成員
 先ほどのコメントに補足させていただきます。エンドポイントの中には、「縮小手術Aがされた集団におけるQOLの評価をする」とは書いてあるので、最終的にそこでメリットが示されるのであれば、縮小手術の意義はそこで示されることになると思います。その点が先ほどは舌足らずでしたので補足しておきます。
 全体の成績の中に、A群の構成割合がどのぐらいであるかということによって解釈は変わる余地があるので、そこのところは詰めていただくほうがいいかと思います。
○保険局医療課専門官
 些細なことで恐縮なのですが、藤原先生からコメントを頂いた公知申請の所です。こちらは体内に投与する診断薬なので、投与するには薬事承認が必要ですので、公知申請をする際には薬事承認を得ていただくことが目標になるかと思います。
○山口座長代理
 薬事承認も必要ということですね。
○保険局医療課専門官
 そうです。
○山口座長代理
 重要な研究だと思うので、是非厳しい御意見を頂いて、前に進むようにきっちりやってもらったほうがいいと思います。山中先生をはじめ、他の方からもいろいろ御意見がありましたので、皆さんから御指摘いただいたようなことをお伝えいただいて、継続審議にさせていただきます。どうもありがとうございました。私の進行はここまでで、猿田先生に進行をお願いいたします。
(猿田座長、一色構成員入室)
○猿田座長
 次の議題、試験実施計画の変更(資料2)について事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料2、25ページです。今回は4つの試験から、試験実施計画の変更申請がありました。各試験について「試験の概要」「主な変更点」「変更理由」を一枚紙にまとめてあります。
 資料2-1の25ページで1つ目です。大臣告示番号は018、先進医療名は「パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法」です。適応症は、25ページ中段に記載のとおりです。
 試験の概要は、肉眼的腹膜播種又は腹腔内遊離がん細胞を伴う胃がんを対象として、S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法を施行し、安全性・有効性の評価を行う試験です。
 現在の進捗状況は、27ページの予定症例数、現在の登録状況を御覧ください。肉眼的腹膜播種陽性(P1)30例が予定症例数です。肉眼的腹膜播種陰性・腹腔洗浄細胞診陽性(P0CY1)26例が予定症例数です。現在の進捗は、P1が既に30例の予定を終了し、現在35例です。P0CY1が2例です。それに対して申請者らからは、主な変更内容として、27ページの中段に示すような変更が申請されました。
マル1は参加施設の変更です。本試験は単施設で実施してまいりましたが、先ほどお示ししたようにP0CY1の進捗がまだ2例ということで、進捗の促進のため多施設に変更したいという申請です。マル2は、症例数の再設定です。P0CY1を多施設で実施するに伴い、症例数の増加が見込まれるため、当初設定した検出力を80から90%に増加させ、症例数を再計算したところ38例になるということで、26例から38例に変更したいという申請です。マル3は、試験薬の管理・交付手順の変更です。もともと単施設だったのが、多施設への変更に伴い、薬剤管理を一元化したいということで、試験薬管理交付手順の変更が申請されました。これらマル1、2、3を記載整備するということで、記載整備の変更申請が出てきております。
 これらの技術については、申請時に御評価いただきました竹内構成員、山口座長代理、田島構成員には事前に御確認いただいております。以上です。御審議をお願いいたします。
○猿田座長
 今の説明について、竹内先生はよろしいですか。
○竹内構成員
 特にありません。
○猿田座長
 田島先生もよろしいですか。
○田島構成員
 特にありません。
○猿田座長
 他に御質問がないようでしたら、これはお認めいただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。お認めいただいたことにさせていただきます。続いて、2つ目の変更申請を事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 2つ目の変更申請は資料2-2、29ページです。大臣告示番号037、先進医療名は「培養骨髄細胞移植による骨延長術」です。試験の概要はこちらに記載してあるものを御参照ください。
 31ページで、申請者らの変更申請についてです。主な変更点としてマル1は臨床試験の選択基準にただし書を追記したい。マル2は脚長測定の対象患者の限定です。
 臨床試験の選択基準にただし書を追記したい変更を希望する理由として、マル1本臨床試験の選択基準として、骨系統疾患の場合は、-3SD以下の低身長であることを規定しているのですが、過去に下腿骨又は大腿骨のいずれかの骨延長術を施行した患者については、本臨床試験の選択基準として設定した-3SD以下の条件を満たさなくなることがあります。すなわち過去に手術を受けてしまって、骨延長を受けた患者さんは、もともとが-3SD以下であったのが、該当しなくなってしまう。本試験は、複数回実施しないといけないことを鑑みると、最初の手術前に-3SD以下であれば、この技術を受けられるような選択基準にしたいという変更申請です。
 ?の脚長の測定に関しては、下肢長不等の患者の組入れを確認するためのスクリーニング時に実施するものであり、必ずしも骨系統疾患の患者に脚長を測定する必要はないということで、脚長測定は、その当該患者さんだけに実施するものであるという、対象患者を変更したいということです。
 これについても、申請時に御評価いただきました竹内構成員、金子構成員、佐藤構成員、越智技術委員、松山技術委員には事前の確認をいただいております。以上です。御審議をお願いいたします。
○猿田座長
 竹内先生よろしいでしょうか。
○竹内構成員
 はい。
○猿田座長
 技術委員としては越智先生と、松山先生に見ていただいて、事前に御確認いただいているということです。
○柴田構成員
 こちらの変更自体は全然問題ないと思いますが、手続的なことです。これは、CRFに登録時の患者背景を記す欄があるはずです。そこに身長を記入する欄があるはずなのです。登録時の身長を書くと、-3SDを満たさないという数字が書かれることになります。だから、CRFだけ見ると不適格な人が入ったのか、あるいは過去の初回手術時のデータで適格になったのかの区別が付かなくなるので、CRFにそれを区別する欄を設けるほうがよいと思います。
○猿田座長
 今のは非常に重要なポイントだと思いますので、そこのところを入れていただくようにしていただくと。
○医政局研究開発振興課専門官
 今御指摘いただいた点については、指摘事項として申請者にお伝えして、事務局で確認して、猿田座長に見ていただくようにいたします。
○猿田座長
 これは、総症例数は何例になるのですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 29ページを御覧いただきますと、予定登録症例は30骨に対して、30ページを御覧いただきますと現在は16例です。
○猿田座長
 是非そう言っていただいて、よろしくお願いいたします。柴田先生、それでよろしいですね。
○柴田構成員
 はい。
○猿田座長
 他にないようでしたら、そういうことを出していただいた施設に戻していただいて、お認めいただいたことにさせていただきます。3つ目の変更申請を事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 3つ目は資料2-3、33ページです。大臣告示番号は045、先進医療名は「自己口腔粘膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術」です。適応症は33ページに記載のとおりです。
 34ページ、変更を申請する理由について、申請者らの理由を述べさせていただきます。申請時の実施計画書では、患者追跡期間について、被験者ごとに培養口腔粘膜上皮細胞シート移植術後96週、本当は2年見たいようですが、96週又は研究の中止までと記載していました。1年を48週とすることを予定していたためでありますが、1か月や2か月後の計算がしづらくなるために、1か月後とは翌月の同日とし、1年後とは1年後の同月同日とするように修正したいため、実施計画書の変更を希望するということです。以上です。
○猿田座長
 これは柴田先生と田島先生に見ていただきましたが、これは日数のことですからよろしいでしょうか。
○柴田構成員
 はい。
○猿田座長
 それでは、これもお認めいただいたことにさせていただきます。続いて4つ目の変更申請を事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 続きまして、4つ目は資料2-4、35ページです。大臣告示番号047、先進医療名は「食道がんの根治的治療がなされた後の難治性の良性食道狭窄に対する生分解性ステント留置術」です。適応症は、食道がんの根治的治療がなされた後の難治性の良性食道狭窄(内視鏡による検査の所見で悪性ではないと判断され、かつ、病理学的見地から悪性でないことが確認されたものであって、従来の治療法ではその治療に係る効果が認められないものに限る)です。申請医療機関は、独立行政法人国立がん研究センター東病院です。
 藤原構成員におかれましては、利益相反の関係から御退席をお願いいたします。
(藤原構成員退室)
○医政局研究開発振興課専門官
 試験の概要をここで説明いたします。35ページの中段です。食道がん根治的治療後の難治性食道良性狭窄患者を対象として、BD-stent(生分解性ステント)留置術の有効性を評価する非盲検単群試験です。
 36ページに変更申請の内容が記載されています。先進医療技術審査部会及び先進医療会議における指摘事項を踏まえ、本試験計画について、研究班(研究代表者、研究事務局、実施医療機関の研究責任/分担医師、データセンター、生物統計家を含む)で協議した結果、以下のプロトコールを変更することが提案されましたので、御審議をお願いいたします。
 変更点は、併用療法・支持療法として、1.粘膜過形成、再狭窄予防にステロイド投与を新たに許容することを認めていただきたい。
 2.粘膜過形成に対するスネアリング(スネアによる切除)などの内視鏡処置を許容することを明記しております。
 3.粘膜過形成若しくは再狭窄予防を目的としたEndoscopic Baloon Dilataion(EBD)やブジーは許容されないことを明記したということです。
 患者選択と検査スケジュールについては、4.粘膜過形成や食物残渣等の詰まりに対して、内視鏡処置を行った場合に処置の1週後以降に再評価することを新たに追加いたしました。
 5.後治療の要否の判断は、粘膜過形成や食物残渣等の詰まりに対して内視鏡処置を行った場合、処置の1週後以降に再評価して判断することを追加する。
 6.除外基準として「過去にBDステント留置術を受けたことがある」を追記。7.登録前検査の許容範囲を登録前42日以内から、登録前56日以内に延長。8.生分解性ステント留置術後の検査日の許容範囲を短縮。
 評価項目として、9.内視鏡処置1週後以降の評価で、dysphagia scoreが改善された場合、dysphagia score改善例とすること、無症状生存期間(dysphagia free survival)のイベントとはしないことを明記。10.粘膜過形成に対する探索的解析は、粘膜過形成が多数例の場合に行うこととしていたが、必須とすることに修正。その他は記載のとおりです。
 変更申請をする理由については、36、37ページに記載しております。36ページに示した1から12について変更が許容されるかどうかについて御審議をお願いします。本技術については、申請時に御評価を頂いた大門構成員、山本構成員、田島構成員、北川技術委員には、事前の確認を頂きまして、2つの指摘事項がありました。それらに対して申請者から回答が得られております。その2つの指摘事項については、39ページに記載しております。
 その回答に対して、本日御欠席の北川技術委員よりコメントを頂いておりますので御紹介いたします。「BDステント留置後の粘膜過形成及びその増悪を予防するためのステロイド投与、粘膜過形成に対するスネアリングといった併用療法又は支持療法の有用性については、先般の指摘事項に対する申請者からの回答にも示されるとおり、公表された文献は存在せず、海外での使用経験に根拠を置いているが、これらの支持療法は、APC焼灼療法と同様、BDステント挿入における一連の治療の一環とみなせば、今回の変更は許容できる」と北川先生よりコメントを頂いております。以上です。
○猿田座長
 今、お話がありましたように、4番目に関しては変更点に少し問題があります。併用・支持療法の1、2、3の所が特に問題だと。技術評価として北川先生に見ていただいていましたので、北川先生からのコメントでは、今、事務局からお読みいただいた形で、許容される範囲であろうということでしたが、あとこちらのほうの委員として大門先生からお願いできますか。
○大門構成員
 39ページを御覧ください。1点目、2点目とありますが、私は特に2番目について確認させていただきました。すなわち、今回の併用・支持療法による変更が主要評価項目、ひいては、dysphagia score改善割合の期待値へ及ぼす影響について気になりましたので、その点を確認させていただきました。
 結果としては、粘膜過形成の発生頻度は数パーセント程度を想定されるということですので、その影響は小さいと考えられます。また、仮にその発生頻度の想定値が大きかったり、あるいは小さかったりする場合の探索的解析も追加されていますので、この点からも、今回の変更は許容されるものと考えております。
○猿田座長
 ありがとうございます。山本先生はいかがですか。
○山本構成員
 大丈夫です。
○猿田座長
 田島先生から何かございますか。
○田島構成員
 結構です。
○猿田座長
 技術的には先ほど申し上げたように、北川先生もいいということですので、ほかに委員の先生方からどなたか御意見はありますか。
○保険局医療課専門官
 5月に通ったばかりのところで、幾つか気になる点を確認させていただきます。ステロイドの投与のことですが、再狭窄の予防については、無効というか、そういう評価がされているものですか。つまり、再狭窄と粘膜過形成は、概念として違うのは分かるのですが、明確な基準などがないのでどういうふうに分けていいのか、少し分かりにくかったのです。ステロイド自体に再狭窄の予防効果はないとされているということでよろしいのでしょうか。
○猿田座長
 再狭窄の所は炎症をもととしてきているわけです。ですから、そこでステロイドがどうかという点は、確かに少し問題点はあるのかもしれません。北川先生はいいだろうということですが、どうでしょうか。
○山口座長代理
 私は専門ではないのですが、やはり、普通は影響があるのではないかと思いますが。可能性は否定できないと思います。
○山本構成員
 私も専門外ですが、このステロイドの使用自体が余りエビデンスとして特にできているものではないということでしたので、何らかの影響はある可能性はあるのですが、現時点でそれを見積ることができない。一方で、もちろんこれは難治性の食道狭窄に対する治療の一環というか、治療の中での先進医療ということになりますので、研究者側から言うと、ある程度効きそうなものは入れていった上で、更にこのステントを使うことをせざるを得ないのだろうと思います。
 医療技術が新しい治療法で、可能性のあるものがあるときに、今、研究をやっているからそれは絶対に使わないというのは1つのやり方ではあるのですが、もう一方で、それができない状況というのもあると思います。今回は、北川先生からのコメントにもありましたように、ステロイドを上乗せせざるを得ない状況だろうと解釈しました。もう1つは、大門先生からも、症例数設計に関しても確認していただきましたので、その上で許容できるかと判断いたしました。
○猿田座長
 確かに多少影響があることは間違いないですが、全体としてのスタディを考えたときに、このくらいの状況でいっていいのではないかと。
○山本構成員
 ステントを使うことと、ステロイドがどのくらい効くかということと、恐らく効き方の差はかなりあると思います。そういう意味では、薬剤同士の比較試験であればかなり影響すると思いますが、機器の場合、しかもステントを使う場合は目に見えて分かるようなことになると思いますので、そこについては余り問題はないのではないかと思います。
○猿田座長
 実際にそんなに症例数としては多くないようで、4、5%程度みたいです。ほかにどなたか。そういったことは十分考慮に入れてということになりますかね。
○山口座長代理
 効果が恐らく決定的なものではないということは、多分そうだろうと思います。現場のドクターとしては、今、山本先生から御指摘があったように、困っているときに、やはり、今まで使っていたものを使ってもらえないというのはデメリットになるので、余り試験に影響しないのであれば使うこともやむなしと思います。
○猿田座長
 ということですが、委員の先生方よろしいですか。こういう形でお認めいただくということで、どうもありがとうございました。藤原先生にお戻りいただきます。
(藤原構成員入室)
○猿田座長
 続きまして、協力医療機関の追加について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3-1、41ページを御覧ください。これまでに大臣告示されている9つの技術につきまして、協力医療機関の追加申請がありました。告示番号が018、021、022、033、035、039、041、047、050の技術に関して、このコラムの中段に申請医療機関が記載されておりまます。一番右が追加協力医療機関です。追加医療機関については、資料3-2、43ページ以降にあります。事務局におきまして、協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認した結果、先進医療実施可能とする保健医療機関の要件、これは様式9号です。それを満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと思います。これを事務局で全て書類は確認しておりますので、特に御意見がなければ追加の手続を進めさせていただきたいと思います。以上です。
○猿田座長
 今、お話いただきました技術に関しては、比較的新しい技術ですから、皆様方は記憶にあるかと思います。こういった形で少しでも早く進めるためには、医療機関をしっかりチェックしていただいておりますので、どうでしょうかということですが。お認めいただけますか。ありがとうございます。それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 続きまして、先進医療Bの取り下げについての案件です。これも事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料4-1、53ページを御覧ください。本技術については、第6回の技術審査部会において取り下げが、継続審議となった技術です。
 資料4-1は前回も用いた資料です。先進医療名は「転移性又は再発の腎細胞がんに対するピロリン酸モノエステル誘導γδ型T細胞及び含窒素ビスホスホン酸を用いた免疫療法」です。申請医療機関は東京女子医大です。取り下げ理由については、前回同様、申請者らの理由をここに記載しております。
 資料4-2、55ページを御覧ください。前回の議論において、四角で囲んでいる部分を、構成員より指摘されましたので、これらを申請医療機関の申請者に指摘事項に対する回答を作成いただいたのが資料4-2です。長いですのでまとめさせていただきます。申請者らの意見をまとめますと、科学データ収集のためには、本試験は継続されるべきと考えられますが、被験者保護の観点からは実施体制、プロトコール等を見直す必要性があり、試験計画の変更を考慮した際には、一旦取り下げることが妥当と判断したということで、取り下げ理由を再度申請したいということです。以上です。
○猿田座長
 いろいろな理由もありますが、今のようなことで、女子医大のほうからそういう意見が出ていたということで、これはどうですか。何か御意見はありますか。
○山中構成員
 前回、この点についてコメントをさせていただきました。回答として3つ挙げられておりますが、やはり、重篤有害事象が頻度に発生したことについては、これは治療関連が明確であるものが1例もないのに、重篤有害事象が高頻度に発生した、ということになるのかよく理由が分かりません。
 2番目に、高度に進行している症例が含まれる点については、ある適格基準を作って、その範囲内で、比較的進行している患者さんがいるわけですが、そういった対象が含まれるとなぜよくないのかということがあまり明確ではないと思います。もし、そういった対象を含めることに対して科学的に理由があるのであれば、そこは適格基準を変更することで対応できるかと思います。但し、3番目の理由に関しては、もともとインターフェロン使用後の症例を対象としていた、しかし、当初の予定とは違って、インターフェロンの使用例が減っていることについては、一定の理解はできるかと思います。これは単施設での臨床試験ですので、その研究を実施している現場で、その申請者自身がもうインターフェロンを使わなくなっているという理解でよろしいのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
 申請者に確認したところ、インターフェロンと分子標的薬の使用頻度が10対1で、圧倒的に分子標的薬の使用が、この施設でも増えてきているという現状があるということでした。
○山中構成員
 インターフェロンの使用する・しないに関する患者さんの要望はあると思います。現在、分子標的薬を好まれるという患者さんの御事情もあると思いますが、もしそういった事情があるのであればやむを得ないかなという気はします。ただし、今後の方針について、申請者も書かれているように、現在でも一般に免疫療法への問合せは多く、非常に期待の高い治療法ですので、やはり、こういう先進医療の場を活用して、今後、科学的な評価を下していただきたいと思います。
○猿田座長
 どうも貴重な御意見をありがとうございます。実はこれはもともとオリジナルは京都大学のほうから出ていて、この試験を少しでも早く検討するため、女子医大のほうとも連携をとってやっていきたいということでした。実際にはその連携が少しよくなかった部分もあるかもしれません。それから、今、先生がお話いただいたことは、確かに科学的には非常に重要なことだと思います。京都大学のほうには何度かお話を申し上げて、連携をとってくれているということであったのですが、女子医大のほうからこういった意見が出てきたので、それなら一応やむを得ないだろうということです。先生がおっしゃっていることもよく分かります。症例をできるだけ多く、しかも早く検討していただくことは大切なことですから、京都大学のほうにはそれを申し上げるということです。一応、そういうことなので、よろしいでしょうか。ともかく東京女子医大のほうから御意見が出ていますので、御了承下さい。なお、今の山中先生の御意見は貴重な御意見ですのでいかしていただきたいと思います。
○山口座長代理
 山中先生がおっしゃったことは非常に重要なポイントだと思います。結局、ここで通ったものが、ものすごく重篤なものが高頻度に出て、しかももともとの計画にも杜撰なところがあったということを、もしここでみんながそうだと認めたということになれば、これはたちまちにニュースになるわけです。本当にそれでやめていいとは言えないと思うのです。これは1例しか原因は分かっていませんし、原因も不明ですよね。ですから、本当にこの試験が危険なものであったかどうかということは、身長に見極めるべきです。それをここで認めてしまうと、たちまちそれは一般に杜撰な審査であったという受け止められ方をされ、誤解を招くのではないかというところが、ちょっと気になるのです。
○猿田座長
 実は、施設の状況を、調べさせていただきました。患者さんの状況がどうであったかなど、そういうことで問題のところもあったものですから、余りここでも公表はしたくはありません。そういったこともあって、安全性の確保ということで、施設のほうも、今回の様な御意見をお出しになってこられたと思っています。
○山口座長代理
 やはり、3番目の理由が、我々としても納得しやすいので。そういう理由であればやむを得ないという気もするのですが。
○猿田座長
 先ほど山中先生がおっしゃったように、この技術としては非常に大切なことです。それはよく理解しております。一応、そういうふうに御理解をいただいたということで、山口先生の御意見も大切ですので、それも反映しながら、ここではそういう形で受理させていただくことにいたします。よろしいでしょうか。それでは、そういう形でお認めいただいたということにいたします。
 次は、議題5の先進医療Bのうち、平成19年度以前に承認された技術の進捗状況と今後の方針について、事務局より御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料5、57ページを御覧ください。58ページには各技術の詳細を記載しております。「先進医療Bのうち、平成19年度以前に承認されていた技術の進捗状況と今後の方針について」です。1の経緯については、第3回先進医療技術審査部会におきまして、「先進医療Bのうち、平成19年度以前からある技術」については、事務局が医療機関に対して、今後の方針などについて確認を行い、その結果がまとまり次第、この部会に報告することとなっておりました。今般、それをまとめましたので報告いたします。
 2番目は進捗状況です。全技術は11技術となっております。試験継続中の技術が3技術、試験終了済の技術が8技術です。これら11技術の今後の方針については、試験継続中の技術の3技術のうち、医療機関が患者の登録基準を見直し、先進医療Bへ申請を検討中の技術が1技術です。具体的には、告示番号が4番です。「胎児尿路・羊水腔シャント術」です。試験を継続するのが1技術です。これは15番です。「ラジオ波焼灼システムを用いた腹腔鏡補助下肝切除術」です。岩手医科大学附属病院からの申請です。これは平成24年6月27日の高度医療評価会議において、延長申請が承認されている技術です。試験を中止するのが1技術になります。これが5番です。「筋過緊張に対する筋知覚神経ブロック治療」、徳島大学病院からの申請です。本件はボトックス、ボツリヌス菌の治療の普及に伴って、このプロトコールの遂行が困難になったということと、企業が薬事承認申請に関する企業戦略が合致しないということで、現在、実施中の患者さんの投与が終わった時点で試験を中止することとなっております。
 試験終了済の技術は8技術で、そのうち5技術が薬事承認申請を検討中です。具体的には3番、6番、8番、9番、14番です。医療機関が先進医療Bへの申請中、又は申請準備中が2技術です。1つ目が、7番、「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」です。これは先日の先進医療会議で承認をいただきました。もう1件は、本日御議論いただいた先行研究としての13番、「腹腔鏡下センチネルリンパ節生検」、慶應義塾大学病院です。
 最後に、先進医療Aの申請を検討中が1技術です。これが告示番号1番に該当します。以上です。
○猿田座長
 大分、古いものが入っていますが、どなたか御意見はありますか。特に御意見がなければ、こういう状況であるということを知っておいていただければと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そういう形でこれは知っておいていただきたいと思います。続きまして、先進医療会議の審査結果について、事務局から御説明をよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料6-1、59ページを御覧ください。第7回の先進医療会議は、平成25年6月13日に開催されましたが、そこで2つの技術の「培養自家口腔粘膜上皮シート移植」と「閉経後乳がん患者を対象とした術前内分泌療法下におけるゾレドロン酸の投与の有効性及びγδ型T細胞の関連を探索する多施設共同試験」が審議され、いずれも「適」との御判断を頂き、7月に大臣告示されたことを御報告申し上げます。以上です。
○猿田座長
 ただいまの御説明にどなたか御質問はありますか。2つとも「適」として審査されたということです。よろしいですね。ありがとうございました。それでは、これも認めたいと思います。続きまして、最後の所になります。最先端医療迅速評価制度(抗がん剤・再生医療・医療機器等)(仮称)の創設について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料6-2、99ページを御覧ください。最先端医療迅速評価制度の創設については、先日の中医協、先進医療会議において、それぞれ保険局医療課により説明がなされました。今回はその御報告をさせていただきます。
 経緯については、最先端医療迅速評価制度の創設は、6月5日に行われた安倍総理の再興戦略のスピーチに盛り込まれたものであり、抗がん剤を初めとする最先端の医療を速やかに先進医療として認める枠組みを創設するものです。この枠組みは、あらかじめ先進医療会議で個別技術を選定、実施医療機関群を設定した上で、専門評価体制で実施計画を評価することによって、申請から先進医療として承認されるまでの期間を短縮することを目指すものです。
 まず、今年の秋ごろをめどに抗がん剤の外部評価を行う評価体制を整備する予定です。こちらの対応は、現行の先進医療の枠組みの中で評価の迅速化・効率化を目指すものとなっております。以上です。
○猿田座長
 これに関しては、昨年の10月に新しく先進医療と技術会議が始まったときに、いずれはこういった形の外部評価を作って、もう少しスピードアップして審査していかなければいけないだろうということの話がありましたが、その体制をこの秋に向かって準備していくという形で考えられております。どなたか御意見はありますか。
 今まで、先生方には技術のことで随分御迷惑をかけていましたが、これでいくと少しは楽になるのですかね。そうでもないですかね。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局としては、より専門性の高いチームで御審査いただくことで、患者さんに早くお届けするということを目指していきたいと考えております。

○猿田座長
 結局、効果と安全性の2つの面の評価は非常に重要ですから、そこのところだけはしっかりやっていかなければいけないと思います。どなたかこれに関して御意見はありますか。
○一色構成員
 ちょっと危惧するのは、専門性の高いグループというのは、必ずCOIがほとんど非常に濃厚に関わるので、その辺がうまくいくのか気になるところです。
○猿田座長
 おっしゃるとおりです。
○山本構成員
 もう1つ、外部評価機関と言っても、どこかの病院の倫理委員会ということになると思うのですが、実際には倫理委員会というのは、各施設の自営というか、やり方も全てその施設に任されていますので、もしこれをすぐ出すのであれば、ガイドラインとは言いませんが、規程をちゃんと整備していただくとか、最低でも外部の施設の、審議依頼を受け入れる、また逆に、今までは自分たちの施設内のものしか審議していませんが、それを逆にCOIと言われると、つまり、自分たちの施設の申請課題を、その施設で見てもいいのかどうかというところも決めてあげないと、それも全部選定された施設に対応を任せると、多分、混乱すると思います。具体的にどういうものを受け入れるとか、やはり整理してあげないといけないと思います。
○猿田座長
 その辺りは、秋までに準備していく過程を、例えば次の回でどこまで進んだということを少し報告していただきながら、この会との連携も考えていただいてやっていくことが大切だと思います。要するに、効率よく、しかもうまくいくことが大切ですので、その辺りはよく連携をとっていただいてやることが大切ではないかと思います。
○山本構成員
 特に各施設の倫理委員会というのは、外部委員をかなり含んでいるものですので、施設がオーケーしても、そこの委員会の外部委員が、嫌だと言うと成り立たないので十分な準備が必要ではないかと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 今、一色構成員と山本構成員に御指摘いただいた点を十分に踏まえて、実施体制を整えていきたいと思います。御意見をありがとうございました。
○猿田座長
 ほかに御意見はありますか。
○山口座長代理
 最先端医療とか先進医療というのは、国民にとっては分かりにくいのではないでしょうか。どこで括るのかというか、それは何ですかというところは、理解しにくい。これは最先端に限ったものなのか、いや、2番目も含むのかわかりません。最先端ということは、1番トップだけですよね。言葉の字面だけをそのまま解釈したらですが。言葉が余り適切ではない。分かりやすくしていただきたいという希望です。
○猿田座長
 今まで名前が随分変わってきましたからね。高度先進医療だ、高度医療だ、先進医療とクルクル変わって、確かにそこのところもこれから先、少し検討していただきたいと思います。ほかに御意見がありますか。特に一色先生がおっしゃったように、実際に委員を選ぶときに、本当に専門家が少ないものですから非常に大変なのです。ここのところはよく考えて御意見を。事務局、そうですよね。本当にすぐ重なってしまいますものね。そういうふうに問題点があるということは、是非知っておいていただければと思います。ほかにどなたか御意見はありませんか。一応、こういう方向で準備していただくことと、必ずこの会と連携をとっていただきながらやっていくということで進めたいと思います。もし御意見がなければ、大体、今日検討する事項はこのくらいですかね。次回のことを、事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 長時間ありがとうございました。次回の日程は、8月21日(水)16時半から18時半とさせていただきます。場所については、別途御連絡いたします。本日の議事録については作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきたいと思いますので、併せてよろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長
 先生方、ほかに御意見はありませんか。もしないようでしたら、これで第7回目の委員会を終わりたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。



(了)

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