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2013年7月2日 第2回労働基準法施行規則第35条専門検討会
厚生労働省労働基準局労災補償部補償課
○日時
平成25年7月2日(火)
○場所
労働基準局第1・2会議室
○出席者
医学専門家
相澤 好治 (北里研究所 常任理事) |
阿部 直 (東海大学 医学部教授) |
圓藤 吟史 (大阪市立大学大学院 医学研究科教授) |
大前 和幸 (慶應義塾大学 医学部教授) |
櫻井 治彦 (公益財団法人産業医学振興財団 理事長) |
滝川 一 (帝京大学 医学部教授) |
中沼 安二 (金沢大学 医薬保健学総合研究科教授) |
夏目 誠 (大阪樟蔭女子大学大学院 人間科学研究科教授) |
西村 重敬 (埼玉医科大学 医学部教授) |
馬杉 則彦 (財団法人労災サポートセンター 会長) |
別府 諸兄 (聖マリアンナ医科大学 教授) |
三上 容司 (横浜労災病院 副院長) |
山田 義夫 (大阪労災病院 名誉院長) |
由佐 俊和 (千葉労災病院 副院長) |
厚生労働省
安藤よし子 | 若生 正之 | 岩瀬 信也 | 天野 敬 |
鈴木 秀博 | 児屋野 文男 |
○議題
○米村職業病認定業務第一係長 それでは、定刻より少し早いですが、皆様おそろいになられましたので、これより第2回労働基準法施行規則第35条専門検討会を開催いたします。
初めに、本検討会は原則公開としておりますが、傍聴される方におかれましては、別途配布しております留意事項をよくお読みいただいた上で、会議の間はこれらの事項を守って傍聴いただくようお願い申し上げます。
今回、委員の皆様におかれましては、御多忙中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。議事に入る前に、本日7月2日付けで事務局に人事異動がありましたので、御紹介させていただきます。労災補償部長の安藤です。
○安藤労災補償部長 安藤でございます。埼玉労働局長から転任してまいりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○米村職業病認定業務第一係長 それでは、櫻井座長、議事の進行をよろしくお願いいたします。
○櫻井座長 まず、議事に入る前に、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○米村職業病認定業務第一係長 本日は「労働基準法施行規則第35条専門検討会報告書(案)」を資料として1点、提出させていただいております。
○櫻井座長 では、議事次第に沿って進行したいと思います。最初の議題に入る前に、事務局から報告があるようですので、報告をお願いいたします。
○鈴木職業病認定対策室長補佐 2点ほど報告させていただきます。1つ目は、ジクロロメタンによる胆管がんの認定事例です。前回の6月4日の本検討会の時点では、胆管がんの労災認定事例については、1,2-ジクロロプロパンばく露によるもののみでしたが、その後、6月13日に開催された胆管がんの検討会において、ジクロロメタンばく露による胆管がんについても、業務上として1件認定されたところですので、報告をさせていただきます。
2点目です。前回の検討会の際に櫻井座長から御指摘があった点ですが、平成23年度にフロンガスによる労災認定事例があり、それについて、どういう事例か報告してほしいということでしたので、報告させていただきます。
これについて調べたところ、洋菓子の製造工場で使用していた冷凍庫の配管が破損して、冷媒ガスのフロンが漏れ出て、労働者2名が肺障害を起こしたという事案でした。詳しい災害発生状況はあまりよく分からなかったのですが、フロンガスは加熱された金属等に接触すると有毒ガスを発生するとされていまして、この事案についても、工場内には洋菓子を焼くためのオーブンがあり、加熱されたオーブンに漏れ出たフロンガスが接触して、何らかの有毒ガスが発生して、これを労働者が吸入することによって肺障害を発症したものと考えられます。以上2点、御報告させていただきました。
○櫻井座長 前回検討会で指摘された事項1つと、ジクロロメタンの問題について事務局から報告がありました。何か御質問、御意見はありますか。特段ないようですので議事を進めたいと思います。
本日、資料として、前回検討会での議論を踏まえた報告書(案)が提出されていますので、本文を事務局に読み上げていただいた後に、御意見を伺いたいと思います。順次読み上げていただきたいと思います。最初の項からお願いいたします。
○米村職業病認定業務第一係長 項番1「検討会の開催経緯及び目的」、項番2「例示列挙の考え方」まで読み上げさせていただきます。
1「検討会の開催経緯及び目的」。労働基準法施行規則別表第1の2及びこれに基づく告示(以下「別表第1の2」という。)は、業務上疾病の範囲を明確にし、事業主の災害補償義務の履行確保を図るとともに、業務上疾病の災害補償に係る請求権の行使を容易にする重要な役割を果たしているところであるが、労働環境の変化に伴い新たな要因による疾病が生じうることを考慮し、昭和53年に行われた現行規定への改正以降、定期的に、労働基準法施行規則第35条専門検討会(以下「本検討会」という。)において、別表第1の2に掲げる業務上疾病の範囲について医学的検討を行ってきたところである。
前回検討を行った平成21年以降、平成22年3月に国際労働機関(以下「ILO」という。)の第194号勧告「職業病の一覧表並びに職業上の事故及び疾病の記録及び届出に関する勧告」に付属する「職業病の一覧表」(以下「ILOの職業病の一覧表」という。)が改訂された。また、本検討会の平成21年報告を受けて、平成23年7月から「労働基準法施行規則第35条専門検討会化学物質による疾病に関する分科会」(以下「化学物質分科会」という。)において化学物質による疾病について検討が行われた結果、平成25年3月に「労働基準法施行規則第35条専門検討会化学物質による疾病に関する分科会検討結果報告書」(以下「化学物質分科会報告書」という。)が取りまとめられた。さらに、大阪の印刷事業場において化学物質の使用により胆管がんを発症したとの労災請求が平成24年3月以降なされたことを契機として、同年9月から開催された「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会」の報告書が、平成25年3月に取りまとめられるなど、業務上疾病を取り巻く状況には、大きな変化が見られる。
このため、本検討会は、以上のような状況を踏まえて、別表第1の2に掲げる業務上疾病の範囲について、新たに追加すべき疾病があるか否か検討を行った。
2「例示列挙の考え方」。本検討会においては、別表第1の2に新たな疾病を追加すべきか否かを判断するに際して、従来からの考え方を踏襲することとした。
すなわち、職業病として発生することが極めて少ないもの等、以下のいずれかに該当するものを除き、業務と疾病との間に因果関係が確立していると認められる場合には原則として例示列挙するというものである。
1過去において相当数の発症例が見られたが、労働衛生管理の充実等により、今日発症例が極めて少ないもの
2諸外国において発症例があるが、国内においては、当該疾病の発生に係る化学物質等の製造及び輸入の禁止等により使用される見込みがない又は研究機関等の特定の機関においてのみ使用される等のため、当該疾病の発症例が極めて少ないと認められるもの
3ばく露から発症までの期間が短いもの以外であって因果関係が明らかとなっていないもの(ばく露から発症までの期間が短いものについては、業務との因果関係を立証することが容易であることから、当該短期間で現れる影響のみ明らかとなっているものは必ずしも例示列挙の必要性はないと考えられる。)
4有害業務の集団及び疾病の集団としての類型化(有害因子と疾病の関係を一般化し得るもの)が困難であり、法令上の列挙又は指定になじまないもの
○櫻井座長 皆様いかがでしょうか。何か御指摘事項、お気付きの点がありましたら、「てにをは」のようなことでも結構です。特にございませんでしょうか。
それでは、次に進みます。次の項番から読み上げてください。
○米村職業病認定業務第一係長 続いて、項番3「検討疾病」について読み上げさせていただきます。
3「検討疾病」。本検討会においては、今回、以下の疾病について別表第1の2に追加すべきか否かの検討を行った。なお、ILOの職業病の一覧表に掲げられた各疾病ごとの別表第1の2の規定状況、本検討会(化学物質分科会を含む。)でのこれまでの検討状況等を別紙2に整理した。
(1)化学物質分科会において検討された疾病。
ア、検討事項1。労働安全衛生法施行令別表第9に掲げられた安全データシートの交付義務のある化学物質640物質のうち、別表第1の2に規定されていない物質で化学物質分科会において選定した48物質による疾病。
イ、検討事項2。ILOの職業病の一覧表の改訂により、新たに追加された9疾病のうち、別表第1の2に規定されていない「化学的因子による疾病」(3疾病)及び「職業上のがん」(4疾病)。
ウ、検討事項3。平成15年に取りまとめられた本検討会の報告書において、長期的ばく露による慢性影響が明らかでない等として別表第1の2に追加する必要がないとされた「化学的因子による疾病」(4疾病)及び「職業上のがん」(1疾病)。
エ、検討事項4。理美容の業務において使用されている化学物質のうち、化学物質分科会が選定した2物質による接触皮膚炎。
(2)ILOの第194号勧告に付属する「職業病の一覧表」に新たに追加された疾病のうち、化学物質分科会において検討対象とされなかった疾病。
ア、細菌又は真菌による汚染物質に関連した中毒性又は炎症性症候群。
イ、非線維形成型鉱物性粉じんに起因するじん肺。
(3)労災請求のあった個別事案の業務上外を検討した医学専門家等による検討会において、業務と疾病との因果関係についての考え方が示された疾病。
ア、1,2-ジクロロプロパンによる胆管がん。
イ、ジクロロメタンによる胆管がん。
(4)別表第1の2各号に規定する包括救済規定に該当した疾病。平成20年度から平成23年度において、別表第1の2第4号9に該当するとして労災認定された「次亜塩素酸ナトリウムによる皮膚炎等」。
○櫻井座長 私どもが検討課題としたテーマについて列挙され、説明されておりました。以上、読み上げていただいた分について何かお気付きの点がありましたらお願いいたします。特に御指摘がないようです。次の項番から読み上げをお願いいたします。
○米村職業病認定業務第一係長 項番4の(1)化学物質分科会において検討された疾病について読み上げさせていただきます。
4「検討結果」。(1)化学物質分科会において検討された疾病。
ア、検討事項1。本検討会において、前記3の(1)のアに記載した48物質による疾病について、別表第1の2に追加すべきものがあるか否か検討を行ったところ、別紙4の左欄に掲げる番号1~17の化学物質(うち、1物質については混合物。)にさらされる業務による、それぞれ右欄に掲げる症状・障害を別表第1の2に追加することが適当であるとした化学物質分科会報告書の検討結果は、妥当であるとの結論を得た。なお、その他の疾病については、現時点において、別表第1の2に追加する必要はないと考えられる。
イ、検討事項2。本検討会において、前記3の(1)のイに記載した「化学的因子による疾病」(3疾病)及び「職業上のがん」(4疾病)について、別表第1の2に追加すべきものがあるか否か検討を行ったところ、「ベリリウム及びその化合物による肺がん」を別表第1の2に追加することが適当であるとした化学物質分科会報告書の検討結果は、妥当であるとの結論を得た。なお、その他の疾病については、現時点において、別表第1の2に追加する必要はないと考えられる。
ウ、検討事項3。本検討会において、前記3の(1)のウに記載した「化学的因子による疾病」(3疾病)及び「職業上のがん」(1疾病)について、別表第1の2に追加すべきものがあるか否か検討を行ったところ、「タリウム及びその化合物」にさらされる業務による「頭痛、めまい、嘔吐等の自覚症状、皮膚障害又は末梢神経障害」を別表第1の2に追加することが適当であるとした化学物質分科会報告書の検討結果は、妥当であるとの結論を得た。なお、その他の疾病については、現時点において、別表第1の2に追加する必要はないと考えられる。
エ、検討事項4。本検討会において、前記3の(1)のエに記載した2物質による接触皮膚炎について検討を行ったところ、化学物質分科会報告書の検討結果と同様、いずれの化学物質についても接触皮膚炎との因果関係は明らかでないと認められることから、現時点において、別表第1の2に追加する必要はないと考えられる。
○櫻井座長 検討結果(1)化学物質分科会において検討された疾病についての検討結果案について、読み上げていただきました。何か御指摘事項がありましたら御発言をお願いいたします。なお、これについては、この分科会のまとめ役をやってくださった圓藤委員から何か追加の御発言でもありましたら、どうぞ。
○圓藤委員 特にございません。
○櫻井座長 特段の御指摘事項はないようですので、次に進めたいと思います。次の項番を読み上げてください。
○米村職業病認定業務第一係長 項番4(2)について読み上げさせていただきます。
(2)ILOの職業病の一覧表に新たに追加された疾病のうち、化学物質分科会において検討対象とされなかった疾病。
ア、細菌又は真菌による汚染物質に関連した中毒性又は炎症性症候群。本疾病については、ILOの職業病の一覧表上、具体的な疾病名や症状が明らかではないが、細菌や真菌に汚染された有機粉じんを一度に大量に吸入ばく露した場合に発症する非アレルギー性の発熱、呼吸困難等の症状を指すものと考えられる。
細菌や真菌に汚染された物質にばく露したことにより発症したアレルギー性の呼吸器疾患である過敏性肺炎については、別表第1の2第4号5「木材の粉じん、獣毛のじんあい等を飛散する場所における業務又は抗生物質等にさらされる業務によるアレルギー性の鼻炎、気管支喘息等の呼吸器疾患」に該当する業務上疾病として取り扱われているところであるが、同様の物質にばく露したことによる非アレルギー性の発熱等の症状については、我が国において症例報告は非常に少なく、労災認定事例もないという状況にある。
以上を踏まえ、本検討会としては、「細菌又は真菌による汚染物質に関連した中毒性又は炎症性症候群」については、現時点において、別表第1の2に追加する必要はなく、第4号9の「その他化学物質等にさらされる業務に起因することの明らかな疾病」として取り扱うことが適当であると考えられる。
イ、非線維形成型鉱物粉じんに起因するじん肺。じん肺は、「粉じんを吸入することによって肺に生じた繊維増殖性変化を主体とする疾病をいう。」(じん肺法第2条)とされている。本疾病の「非線維形成型鉱物粉じん」については、ILOの職業病の一覧表において例示等は示されていないが、線維増殖性変化が弱い粉じんとして酸化鉄やスズなどがよく知られており、このような粉じんが該当するものと考えられる。
我が国では、じん肺法第23条及び同法施行規則第1条等に基づき、じん肺管理区分が管理4と決定された者及びじん肺管理区分が管理2又は管理3と決定されて合併症にかかっていると認められる者については、療養を要するものとして規定されており、このようなじん肺及び合併症については、粉じんの種類を問わず、別表第1の2第5号「粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺法(昭和35年法律第30号)に規定するじん肺と合併したじん肺法施行規則(昭和35年労働省令第6号)第1条各号に掲げる疾病」に該当するものとして取り扱われている。
以上を踏まえ、本検討会としては「非線維形成型鉱物粉じんに起因するじん肺」については、従来どおり、別表第1の2第5号に該当する疾病として取り扱うことが適当であると考えられる。
○櫻井座長 ただいま読み上げていただいた部分について、何か御質問、御指摘等がありましたらお願いいたします。これは、前回もいろいろと御議論いただき、阿部委員、由佐委員から御意見を頂いて、その時点での事務局案は妥当であろうという御発言を頂いておりましたが、今回のこのまとめで何かお気付きの点がありましたらどうぞ。
○相澤委員 字の問題なのですが、4ページの(2)のイの「じん肺は」という所の定義ですが「繊維増殖性」の「繊」は「線」ではないのですか。
○櫻井座長 普通の「線」の字にするわけですね。そのあとのほうもそうなっていまして、この点は、事務局のほうも気付いておられたようで。
○鈴木職業病認定対策室長補佐 訂正させていただきます。
○櫻井座長 私が言おうかと思っていたのですが。ありがとうございました。
ほかに何かありますか。何か気になる点があれば、御発言をお願いいたします。
○阿部委員 事務局にお話したのですが、「ばく露した」というのが少し気にかかります。「ばく露された」が正しいのではないかと。
○櫻井座長 どこにありますか。
○阿部委員 何箇所かあるのですが、アの本文の2行目「大量に吸入ばく露した場合に発症する」との箇所や、5行目の「ばく露した」、9行目「同様の物質にばく露したことによる」という箇所です。慣用的にこのように使われているのであれば、それでもいいと思いますし、他の法令との関係でこの様な使い方をするならば、よろしいと思いますが、少し気になりました。
○櫻井座長 率直なところ、私もどちらか迷ったりしておりますが。法令等ではこういう使い方をしている場合が多いですよね。
○鈴木職業病認定対策室長補佐 おそらく両方、用例があると思いますので、また確認をさせていただきます。
○天野職業病認定対策室長 確認させていただいて、統一した扱い方にさせていただきたいと思います。
○櫻井座長 そういうことでお願いします。
○阿部委員 ほかには特にございません。
○櫻井座長 その他、どなたかございますか。特にないようですので、ここまでは御同意いただいたということで、次に進ませていただきます。次の項番から読み上げをお願いいたします。
○米村職業病認定業務第一係長 続いて、(3)と(4)について読み上げさせていただきます。
(3)1,2-ジクロロプロパンによる胆管がん及びジクロロメタンによる胆管がん。業務と胆管がん発症との因果関係については、これを明確にした報告はなかったが、使用した化学物質が原因で胆管がんを発症したとして、平成24年3月以降に大阪の印刷事業場において校正印刷業務等に従事した労働者等からなされた労災請求事案の業務上外の判断に当たり、平成24年9月から、医学専門家を始め、化学、労働衛生工学の各分野の専門家から成る「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会」において、業務と胆管がん発症との因果関係が検討され、平成25年3月に報告書が取りまとめられている。
本検討会において、この報告書について検討を行った結果、胆管がんは1,2-ジクロロプロパン又はジクロロメタンに長期間、高濃度ばく露することにより発症し得ると医学的に推定できるとする結論は、各分野の専門家による十分な検討の結果、得られたものであり、妥当であると考えられる。また、大阪の印刷事業場の事例では、胆管がんの原因物質は1,2-ジクロロプロパンとされたが、その後、ジクロロメタンが原因物質である蓋然性が高いとして胆管がんの業務起因性が認められた事例がある。
以上を踏まえ、本検討会としては、「1,2-ジクロロプロパンによる胆管がん」及び「ジクロロメタンによる胆管がん」については、別表第1の2に追加することが適当と判断する。
(4)次亜塩素酸ナトリウムによる皮膚炎等。近年、次亜塩素酸ナトリウムによる皮膚炎等に係る労災認定事例が見られるところであるが、災害発生状況を見ると、清掃作業等において次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液や漂白剤を使用している際に、消毒液等が誤って手足に付着したことにより皮膚炎等が生じたという事故的な災害であること、ばく露から発症までの期間が短く、因果関係も明らかであること等から、現時点において、別表第1の2に追加する必要はないと考えられる。
○櫻井座長 ただいま読み上げていただいた部分について、御指摘事項等ありましたら御発言をお願いいたします。なお、この1,2-ジクロロプロパンとジクロロメタンについては、その検討会のメンバーでもあられた大前委員、滝川委員、中沼委員もただいま御出席でいらっしゃいますが、何か追加の御発言がありましたらお願いいたします。
○大前委員 特段ありません。
○櫻井座長 どなたも特段の御発言の必要がないということです。その他、特にございませんか。それでは、次の項番から読み上げをお願いいたします。
○米村職業病認定業務第一係長 項番5と項番6について読み上げさせていただきます。
5「まとめ」。以上の検討結果のとおり、本検討会としては、別紙4の左欄に掲げる化学物質にさらされる業務による、それぞれ右欄に掲げる症状・障害及び別紙5のがんを別表第1の2に追加することが適当であるとの結論を得たので、行政においては、速やかに所要の措置を講じることを望むものである。
なお、その際、テレビン油は混合物であること及び2-ブロモプロパンの症状・障害である「生殖機能障害」は、現在の別表第1の2には規定されていないものであることに留意する必要がある。
6「終わりに」。製造業をはじめとした各事業場では、常に新たな化学物質が使用される可能性があることから、本検討会としては、行政当局において、引き続き、新たな化学物質による疾病について幅広く情報収集に努めることを望むものである。
○櫻井座長 最後の部分、「まとめ」と「終わりに」について読み上げていただきましたが、何か御指摘事項がありましたらお願いいたします。よろしいですか。その他、今まで読み上げていただいた全体についてお気付きの点がありましたらお願いいたします。よろしいですか。
特段の御意見がないようですので、小さい修正点を除いて、この案のとおり取りまとめさせていただきたいと思いますが、私が最終確認の上、報告書を完成させるということにしてよろしいでしょうか。
(了承)
○櫻井座長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
以上で、本日検討すべき事項は終了したかと思いますが、本検討会における検討結果については、今回、報告書にまとめることができましたので、ここで事務局のほうへお返しいたします。事務局から何かございますか。
○米村職業病認定業務第一係長 報告書については、近日中に厚生労働省ホームページへの掲載などで公表することとしておりますので、その旨、御承知おきいただければと思います。
○天野職業病認定対策室長 すみません、ただいま読み上げました報告書のあとに、別紙として添付資料がございます。別紙1はILOの職業病の一覧表で、別紙2がその一覧表と労基則別表第1の2との対比表、別紙3が分科会で検討された疾病の一覧で、2枚にわたります。最後に、今回の結論として追加すべき物質が、別紙4と別紙5に取りまとめられております。
これと合わせて、報告書には、添付資料として化学物質分科会の報告書と胆管がんの報告書を付けて、一冊の報告書としたいと考えております。
○櫻井座長 本日は、その2つの添付資料はありません。前回、それを皆さんに見ていただいたわけです。
○米村職業病認定業務第一係長 それでは最後に、事務局を代表して、労災補償部長の安藤より御挨拶を申し上げます。
○安藤労災補償部長 本検討会の終了に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。櫻井座長をはじめ、御参集の各先生におかれましては、御多忙の折に検討会へ御参加いただきまして、また、精力的に御議論、御検討いただきまして、誠にありがとうございました。皆様方の御尽力によりまして、本日、結論をおまとめいただきましたことに、厚くお礼を申し上げます。
また、御指摘を頂きました点につきましては早急に修正を加えまして、座長のほうに送らせていただきまして、御確認をいただき、そこで報告書の確定という段取りを進めさせていただきたいと思っております。
今回の検討におきましては、業務上疾病の範囲を規定している労働基準法施行規則別表第1の2に、新たに21の疾病を例示するという内容を持った報告をおまとめいただいたわけですので、私どもといたしましては、頂いた御指摘を反映させた上で、今回の結論を踏まえて、速やかに労働基準法施行基則別表第1の2の改正につきまして、労働政策審議会にお諮りするといった所要の措置を講ずるということとしております。
最後になりましたが、各先生方におかれましては、今回の検討の過程で専門的な見地から多くの貴重な御意見、御指摘を頂きましたことにつきまして、重ねてお礼を申し上げますとともに、今後とも私どもの労働行政に貴重な御助言を賜わることができればと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。簡単ではございますが、最後の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○米村職業病認定業務第一係長 それでは、今回をもちまして、本検討会については終了とさせていただきたいと思います。先生方におかれましては御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
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