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人材育成事例306

株式会社山十産業
「多能工化を目指す人材育成の取り組み」
情報掲載年度 2016年度
情報掲載日 2017/02/27
都道府県 山梨県
資本金 1000万円以上~5000万円未満
従業員数 50人未満
産業分類 建設業

1965年創業、建設機械の修理から始まり、鉱山砕石砂利製造技術を基本にしたコンクリート砕石砕砂製造、道路用砕石製造などを主軸に関連各種プラント設備、港湾荷揚げ積込装置、コンベヤ搬送設備のプランニングから測量、設計、製作、組立、メンテナンス、部品供給などが主要事業です。

さらに重機、特装車の修理やタンクや建築金物などの製作、「プラスチック・ペットボトル・アスファルト・コンクリート・石膏ボード・木材」のリサイクル再資源化プラント製造分野にも参入しています。

設置、組立を主要業務としているため、業種は建設業(鋼構造物工事業)ですが、設計、製作など製造業分野の業務も多くあります。

また、平成27年度やまなし子宝モデル企業(子持ちの社員が多く勤務し、子育てしながら働きやすい職場づくりが進められている企業)にも認定されています。


(株式会社山十産業ウェブサイト)
<企業理念>

お客様の必要なものをつくることで、技術と人間性を高め社会と社員の為に進歩を惜しまず、愛される会社をつくります。たとえ技術が優れていても、それをつくるまたはつかう人間性に問題があるなら、技術が優れているほど、どんな不幸が待ち受けるか想像することすらできません。

まずは、正しいことを誠実に行うこと、幸せを求めるすべてのお客様と社員とその家族に幸福をもたらすため、努力を惜しまない人と会社をつくることを企業理念とします。


<企業使命>

我が社は、信用を第一に株式会社山十産業の設計・製造・据付・保守の一貫した技術力で、お客様に必要な「止まらない」生産設備を、耳を傾けて形にし、点検管理と生産代行までの展開を目指し、お客様のなりたい未来の姿を実現することを使命とします。


<人材育成の基本方針・目標>

人材の育成と能力開発を経営基盤確立の最重点に掲げ、必要な資質・能力の向上を図ります。

人材育成方針・目標を実践するために17項の行動規範を定めます。


経営基盤確立の最重要点に挙げられている、人材育成と能力開発について、従前には、具体的な方策はありませんでした。2011年の創業社長の不慮の事故をきっかけとして、人材育成の機運が高まり、教育訓練に係る改革に着手したのが2012年のことです。特に、ベテラン社員が、若手社員に対して、その持てる技能を上手く伝えられないというもどかしさを感じていたこともあり、その改善を図るべくスタートしました。

まず取り組んだのは、コミュニケーション能力の向上です。毎日の朝礼において、「読む、聴く、話す」を実践し、話し合うことで、社員一人ひとりのコミュニケーション能力の向上を図り、現在も継続中です。

次に、教育訓練機会の創出を図るべく、研修委員制度を設けました。これは、新入社員が研修委員長、中堅社員が副委員長を務め、毎週一回、社員自らがテーマを決め、研修を実施する取り組みです。そのテーマは多岐にわたりますが、自然と会社の目指すべき社員の多能工化に即した内容となっています。

また、全社員を対象とする表彰制度を設け、他者との比較ではなく、各個人がそれぞれ頑張った内容を認め、年に二回、表彰することとしています。

以上の取り組みが、現在の業績向上にもつながっていると確信しています。

さらに、変化の現れとして、以下の人材育成方針を基に、2015年やまなし産業大賞経営品質大賞部門にも応募することとなりました。(同部門優秀賞受賞)

・助成金を活用してでも、教育訓練や、資格取得を行う。
・人材を募集しても、経験者は応募してこない。経験者を雇用できないのなら、人財を育てる。

上記に加えて、次のとおり、各種支援制度を活用した人材育成にも取り組んでいます。

1.技能検定の受検(企業内人材育成推進助成金(27年度)の技能検定合格報奨金制度を活用)
・主要技術である溶接に関して自信を持っていますが、技能検定などには挑戦していませんでした。
技能検定を受験させ、その合格者には後継者育成を担ってもらいます。

2.新人教育キャリア形成促進助成金の活用
・新規採用者2名(溶接未経験)には有期実習併用職業訓練(6か月)の実施
2015年秋から準備、山梨県鉄構溶接協会とポリテクセンターのOFF-JT訓練を受講。6か月後には即戦力の人材にします。(添付書類:有期実習併用職業訓練のカリキュラム)

3.業務を遂行するための必要資格、特別講習
・資格取得者には、報奨金等を支給しています。山梨県職業能力開発協会主催の研修にも参加させ、その内容を伝達研修というかたちで、社員自ら、他の社員に講義するなどして、効果を高めています。

社員が約10年間で、多能工として一人前になることができるよう、教育体系を整備したいと考えています。そのためには、実践的な教育メニューが不可欠であり、その対策として、次の点に取り組むことを予定しています。

・技能の見える化を図ります

ジョブ・カードや職業能力評価基準を活用し、技能レベルの把握と向上に生かします。

・管理監督者を育成します

OFF-JT等を通じて管理監督者を育成し、その管理監督者が会社と社員並びに社員間の橋渡しとなり、好循環的に人材育成の効果を高めます。

研修委員からは、次のような意見が寄せられており、毎週一回の研修が、非常に有効に機能していることが認められます。即ち、毎朝の朝礼と毎週の研修が、コミュニケーション能力を高め、定着率の向上と人材育成の実現に結びついていると考えられます。

・研修テーマを決める際に、ベテランや新人、中堅社員と話をすることで、コミュニケーションを図ることができます。
・研修時には、ベテランからアドバイスをもらうことができ、また、自分とは異なる技術を勉強することができます。
・会社の必要とする技能とは何かを考える機会になります。
訓練カリキュラム

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