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人材育成事例287

株式会社朝日相扶製作所
『ASAHI-SOUFUMAN 思考と行動の指針』
情報掲載年度 2015年度
情報掲載日 2016/3/29
都道府県 山形県
資本金 1000万円以上~5000万円未満
従業員数 100人以上~300人未満
産業分類 製造業
1 BUSINESS POLICY 立社の基本
  朝日相扶製作所とは
   ・地域にとって
   ・お客様にとって
   ・自身と家族にとって
  なくてはならない企業であること

2 Why not?""NAMELESS-BRAND""

私たちは、オリジナルブランドを持ちませんし、独自の営業・販売ルートも持っておりません。

私たちの造る商品は、すべてのお客様のブランドネームで販売され、エンドユーザーの皆様にご愛顧いただいております。

だからと言って、私たちの造る商品に、責任も誇りも持っていないと言うのではありません。実は私たちは、市場になくてはならない独自のブランドネームを、持っているのです。

それが「NAMELESS-BRAND」、つまり「名を秘したブランド」と言うブランドネームです。


3 OEM SYSTEM 100% OEMシステム

お客様個々のオリジナリティーを、間違いなく大切にしております。

ですからお客様に、安心して私たちをご利用いただけるのです。私たちは、もの造りに徹しております。

もの造りに関しては、お客様のどんなご要望にもお答えできるように、万全の備えを怠っておりません。


4 JIT SYSTEM 短納期 JITシステム

私たちはお客様の受注に、最短4日の納期で対応しております。

しかも、エンドユーザーの皆様への直接納入も可能です。これによって、お客様は、在庫の無駄をなくし、二次配送費用もなくすことができます。必要な時に、必要な場所へ、必要な質と量をお届けするのが、私たちの使命です。


(株式会社朝日相扶製作所 ウェブサイト)
1 立社の基本
  朝日相扶製作所とは
   ・地域にとって
   ・お客様にとって
   ・自身と家族にとって
  なくてはならない企業であること

2 社訓
 全社全員、ものづくり職人に徹すること

3 人材育成の方針
 自ら成長する人材を育てる

4 望ましい人材像
 生存競争に勝ち残れる人材
『SOFUMANISM 思考と行動の指針』

我が社では、全従業員がASAHI-SOFUMANとして行動できるように、全372頁の『SOFUMANISM 思考と行動の指針』を1985年、創業15年記念に発行し、全従業員に配布しています。

巻頭には以下のように記述しています。

『この書は 朝日相扶マンとして 己と 会社とを 正しく認識し 価値ある思考と行動をするための 指針の書である 創業以来 考え 理解し 行動して十五年 われ等ASAHI・SOFUの 思想と実践をここに集大成して 二十一世紀への道標とする』

『SOFUMANISM 思考と行動の指針』の目次は以下です。

経営 経営の座標軸は創業の初心にある
経営者 経営とは数字で描く芸術である
管理者 管理とは己を管理することから始まる
社員 いい仕事をしていい収入を得ていい暮らしをしよう
製造 物差しのすべては生産性の目盛りでできている
管理 経営の羅針盤はデータである
結び われ等はSOUFUMANISMによって行動する相扶人の集団である
相扶マンコトバ辞典 共通の理解とは誰の言葉も金太郎アメ

以下、本指針より抜粋。

・朝日相扶の座標軸

『一般に企業の創業は、創業者の持つ技術やノウハウを企業化するのが通例であるが、わが社はその点まさに異質である。創業の原点は地域課題の解決という社会的使命がテーマなのである。この小さな創業が全国ニュースとなったのもここを評価されたからに外ならぬ。それだけにわれ等朝日相扶は、その原点を忘れてはならぬのである。すなわち、われ等朝日相扶は朝日相扶だけの利益を追求すれば済むのではない、この地この町のためという社会的使命を果たさねばならぬのである。

その社会的使命とは何か、われ等の永続的繁栄の一語につきる。それはいかなる事情によるとも、経営者の責任に於いて、社員の責任に於いて、企業の命を絶つようなことがあってはならぬということである。

このテキストが、相扶マンイズム一切がこの視点からのものでつらぬかれ、すべての価値判断の座標をここに求めているのもそのためである。すなわち他社は他社、朝日相扶は朝日相扶であるという思考と行動なのである。』


・人間能力こそ最大の資産 人材を人財に

『今日の家庭及び学校教育では、企業社会に必要な知識は教えても、企業人として必要な生存能力の育成訓練が、欠落したままである。

特にわれ等の地域では、家庭教育に於いても、両親が農業者が多いので、企業人としての基本的なしつけができる環境にない。

これを近代企業人間のチームまで育てあげようとすれば、まことに大変な企業内学習が必要となる。頭の中につめこまれた一般社会通念を会社に持ちこまないよう再教育するだけでも容易なことではないのだ。

単に社員の頭数が労働力であった時代は終わり、いまや人材を人財に変えなければならない時代となった。人財とは、生存競争社会を勝ち残る能力者のことである。甘えが習性となり果てた一般社会の中で、教える・育てる・訓す・練る・鍛えるの五つの教育法を効果的に組み合わせ、手段をつくして反復し、高度な人財集団をつくりあげなければ、永続して繁栄することなど不可能に近い。

人材を人財に変える、企業とはなんと至難の業をこなさなければならぬものか。』


・製造に始まり製造に終わる

『会社の主眼とするところは製造である。だからあらゆることのすべては製造が基準となる。

製造による付加価値で収益を高め
製造の効率化のため安全が第一であり
製造の効率化のためデータを計算し
製造の効率化のため会議があり
製造の効率化のためマニュアルがつくられ
製造の効率化のため管理職があり
製造の効率化のため研修があり
製造の効率化のため叱られ
製造の効率化のため誉められ
製造の効率化のため泣き
製造の効率化のため涙を流し
製造の効率化のため冒険もする

等々「すべての道は ローマに通ず」のように、製造業のすべての道は製造に始まり製造に終わる。

そして、その道のりは効率によって図られる。』


職業能力評価基準の策定

職業能力評価基準は従来からあったが、全職種全階層共通であり、時代の変化、環境の変化、会社の変化等もあり使いにくい評価基準になっていた為、今回全面的に改定することとなった。

今回の職業能力評価基準は、従業員の業績評価を重点的に実施する為、職種別及び階層別に策定した。職種としては、14職種、階層としては、一般社員、中堅社員、班長、ライン長、課長・次長、工場長、部長の7階層に区分した。

策定会議には、各部署の課長以上が参加し、自部署の評価基準を策定した。策定前に人事考課研修を実施し、人事考課とは何か、評価基準とは何か、評価基準の策定ポイントは何か等を共通の理解としてから策定に着手した。評価区分の中で情意、能力は経営者側で全社共通の評価要素を設定し、主に業績の評価要素は個別に設定した。業績の評価要素は、各課で仕事の棚卸を実施し、仕事に直結した評価要素を設定した。

評価基準の策定手順としては、1.職種別に評価要素とその定義を設定し、2.従業員のステップアップがわかる様に、設定した評価要素を各階層に配置し、3.各要素の評価基準を設定し、4.各階層別の評価基準を策定した。

課長以上が自部署の評価基準を策定することで、きめ細かな評価基準が策定されると共に、評価基準が完了した段階で全社共通の評価基準に対する理解が深まり、評価基準に対する意識の高さを醸成で来た。

(1)『SOFUMANISM 思考と行動の指針』の徹底

本指針を従業員に配布しているが、本指針が十分に徹底・浸透されているとは言い難い状況である。今後は定期的な勉強会を開催するあるいはOJT時に活用する等、本指針を学ぶ機会を増加し、共通理解・金太郎アメになるまで徹底し、ASAHI-SOUFUMANを育てていきたい。

(2)スキルマップおよび評価シートの整備

今回は職種別階層別の評価基準を策定し、従業員の業績評価をきめ細かく出来るようになった。

しかし、現場での個人のスキルレベルまで考えると、まだ十分では無い。個人のスキルレベルの把握およびスキルレベルに応じた教育を考えると、スキルマップおよび評価シートを整備していきたい。

(3)評価基準体系・教育体系・給与体系の見直し・策定

今回、評価基準の評価要素を策定する段階で仕事の棚卸を実施し、評価要素を現行の仕事に合わせてきめ細かく設定した。よって、従業員の業績評価をきめ細かく出来るようになった。

しかし、評価基準体系はきめ細かく整備できたが、評価結果を処遇へ反映させる給与体系および人材育成の為の教育体系が未整備かつ評価基準体系とリンクしていない。評価基準体系・教育体系・給与体系が三位一体として機能出来るように、また、従業員が理解・納得できるような形に給与体系および教育体系を整備していきたい。

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