人材育成事例283
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当社はみりん干し専門店として10~13種類の魚をみりん干しに加工しています。伝統製法を大切にした当社のみりん干しの特徴は、焼いた後も、冷めてもやわらかくおいしいこと。図らずも2012年には、第23回全国水産加工品総合品質審査会の東京都知事賞をいただき、2014年には同審査会の主婦大賞を受賞することができました。今後も受賞に甘んじることなく、安全安心な商品開発に努めていきたいと考えております。 当社の人事面の特徴は、60歳以上の高齢者が半数を占めていることにあり、最高年齢者は70歳、最年少者は20歳、平均年齢は50.3歳となっております。同社の従業員は、子育てが一段落してからや、他企業からの転職や退職後に入社された方など入社時の年齢は40~60代となるケースがほとんどであり、そのような方々が長く勤務できるように70歳定年制を採用しております。70歳以降の勤務についても個別に話し合いをして決めています。 従業員の業務内容は、製造部門における温度管理のチェックや調味液への魚の漬け込み、干すための作業、計量、機械・器具等の洗浄、清掃といった一連の作業を、ローテーションを組んで担当する体制となっています。 (有限会社中村海産 ウェブサイト) |
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キャリア形成の観点からは、中高年齢になってからの入社が多く、毎日、同じ仕事を繰り返すことから、定期的な配置(持ち場)転換を行うことにより、多能工化を図り、生産プロセスの同期化に努めています。また忍耐強さが必要であり、和気あいあいとした職場風土をつくることを大切にしています。 1)企業運営方針
安全安心なみりん干しの提供を第一義とし、全員が働く喜びを味わえる和気あいあいとした職場風土づくりを心がける。 2)人材育成方針
一人一人が自分の持ち場で成果を上げ輝く。 3)求める人材像
チームワークを大切にできる人を育成する。 年齢に関わらず能力、意欲に応じた育成を行う。 働くことによる生きがいを感じられる社員の育成を行う。 入社歴での上下関係は一切作らず、全員が楽しく働くことができる人を育成する。 |
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1)職務マニュアルを用いた研修
入社時には、品質管理責任者が、食品衛生に係る基本的知識や体調管理等の心構えをはじめ、職務マニュアルを用いた研修を実施している。 2)OJT研修
職務マニュアルに基づき、先輩社員がマニュアルでは表現できない部分を含め実地で仕事を教えていきます。教えていく中で、マニュアルの改訂を積み重ねていき、改訂を全員で共有する場を設定しながら、会社の知的資産構築を図っています。 3)食品衛生をテーマにした研修
定期的に、食品衛生をテーマにしたパンフレットや資料を配布の上、全員で社内勉強会を開催しています。 4)ジョブローテーション
みりん干し製造の一連の作業を全員ができるように定期的にジョブローテーションを実施し、多能工化を図っています。 |
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若手の採用が困難である中、中高年齢から入社されてくる従業員が、元気でいるうちは年齢に関わらず働きたいとする職場環境づくりが大切であると考えている。今後も、作業改善や作業環境の見直し、意欲を高める賃金制度の導入などが課題であると考えている。また、当社においては、若年者、高齢者、外国人など人材が多様化する傾向にあるため、お互いに認め合える関係づくりが大切であると考えている。 |