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人材育成事例269

グローリー株式会社
人材データベースによる人材の可視化とキャリア面談の実施
情報掲載年度 2015年度
情報掲載日 2016/2/15
都道府県 兵庫県
資本金 3億円以上
従業員数 300人以上
産業分類 製造業
通貨処理機、情報処理機及び通貨端末機器、自動販売機、自動サービス機器などの開発・製造・販売・メンテナンス

(グローリー株式会社ウェブサイト)
企業理念
私たちは「求める心とみんなの力」を結集し、セキュア(安心・確実)な社会の発展に貢献します。

経営理念
・絶えざる開発の心で、お客様から信頼される製品とサービスを提供します。
・個性の尊重とチームワークにより、活力ある企業グループをつくります。
・良き企業市民として行動し、社会との共存・共栄に努めます。

企業行動指針に、「人間尊重・人材開発・労働安全」を掲げ、社員の多様性、人格、個性を尊重し、安全でかつ、うるおい、働きがいのある職場環境の実現を目指します。

キャリア形成支援についての方針は、
社員の価値観や就業観の多様性や経常的な環境変化に対応するために、
従来の会社主導の一律的なキャリア形成の仕組みから、
個人が主体的にキャリア形成に取り組む仕組みに転換し、
社員の高い労働意欲を維持し、成長力のある会社を目指します。

(導入の経緯、取組み、成果等)

当社のキャリア支援の取組みの特徴は、「眼を持ち、人材を分かることで、個と組織を活かす」をテーマに創られた人材データベースシステムです。(眼とは、人材を見るための人材データベースのこと)

【システム導入の背景】
当社の創業は1918年。その間、2006年に生産工場主体の本社と50年の歴史を持つ販売会社が合併しました。当時、本社在籍者が約1,500人、販社在籍者が1,300人でした。合併後、800人近い社員が入社しました。さらに2012年には、英国の競合会社を買収することで2,500人の外国人社員が加わりました。この様な環境下で、徐々に、社員個々が見え難くなってきました。

【特徴その1 社員を人材として理解する】
社員のキャリア形成には、「会社が社員を知ること」と同時に「社員も自分のことを知ること」が最も重要だと思っています。当社では、「(1)経営層が社員を、(2)管理職層が傘下の社員を、そして何より、(3)社員自身が自らを、「人材」として知るための人材データベースを運用しています。社員を知り、より有効な環境整備も行っていくためのものです。

【特徴その2 キャリア形成に経験を一つも無駄にしない】
運用上もう一つ意図したことは、今まで行われてきた研修やアセスメントなど、その他社員育成に関わる書類などを統合一元化することで、振り返りと活用ができるようにしようというものです。当社は、昔から幅広く、様々な人材の育成に取り組んできました。ただ、個別の研修データの管理が個人任せで、研修データや社員の経験などが、個人のキャリア形成の中で、どの様に有機的に結びついているかが見えにくくなっていました。それらを、社員が個人として、会社として、統合的に可視化でき、自己理解と今後のキャリア形成へ役立てようとするものです。

【システムの具体的運用】
キャリア研修は、入社時、入社後4年、30歳という節目に座学のキャリア研修を実施し、50代でライフキャリアの研修を実施します。その上で、Eラーニングと人材データベースを活用して上司とのキャリア面談を年1回もしくは2回、さらには、任意のキャリアカウンセラーとの面談によりキャリア形成をサポートしています。

【システムの内容】
1)職務経歴書
(ア)本人が職務経歴書を作成し、自分のキャリアの振り返りを行う。
(イ)職務経歴書作成の際に、以下の項目も併記する。
1.主な業務
2.その時期に取得した専門知識やスキル、取得資格
3.人生での主なできごと(結婚、出産、転勤など)
4.社外での学習活動やボランティアなども併せて記入して、その人の理解に役立てる。
(ウ)中途入社社員は、前職についても記入する。
2)自己PR
(ア)自己を振り返った後に、現状で自分は会社にどんな貢献ができるのか、したいのかを、社員が会社の経営方針や環境の変化を考慮したうえで、毎年1回会社に対して自己PRをシステムに記入する。
(イ)本人の自己PRを基に、上司とキャリア面談を行う。上司は、経営方針や部門のおかれた状況などを考慮し、かつ、本人の将来への希望を聞いたうえで、アドバイスをし、その内容をシステムに記入する。
(ウ)社員の自己PRとその上司のアドバイスは、マネジメントライン全員で閲覧可能となる。最終的には、役員及び社長は、社員一人ひとりの考えとその直属の上司のアドバイスを閲覧することができる。

◆システムの具体的運用イメージ

3)データの活用
(ア)直属の上司を初め、部門長まで、所属員のことをより理解できる。
(イ)社長及び経営層は、後継者計画の運用や個別の人事異動などの際に、当事者をより深く理解することができる。
(ウ)事業部の人材企画部門は、よりきめ細かい本人の希望や問題点について、対応できる。
(エ)人事部門は、社員個々の課題や希望という生の声から、全社的な課題や社員の希望を把握し、全社施策や教育制度、多様な働き方などの施策の見直しや新制度の立案に活用する。当社では、これらに加え、2年に一度のGreat Place to Workの社内調査(海外販売会社と一体で実施)と3年に一度、中期計画に合わせた社員の意識調査も行っている。これらの調査と合わせることで、個々の生の声がより具体的に把握することができる。
4)期待される効果
(ア)社員一人ひとりが、会社依存ではなく自律して、自主的にキャリアや将来を考える姿勢が醸成される。
(イ)会社が世の中の流れに合わせ、社員の自律レベルを認識しながら、当社に最適なキャリア形成支援の制度の見直しや導入を図ることができる。
(ウ)エビデンスベースなので、経営層から社員まで納得性をもち、事実の共有が図れる。
1)「当社らしさ」と「キャリアの理論」の統合
キャリア支援の全体像を考える上で、グローリーらしさを維持しながらも、目まぐるしく変化する環境に合ったキャリア形成を進める必要があります。今後は、経歴管理制度(Career Development Program)を人材形成の大きな枠組みとして、社員のキャリア形成を総合的に展開していく計画です。

2)キャリア面談の有効な活用
最低でも年1回、自身のキャリアを振り返り、上司との面談を継続し、自主的にキャリアを形成することは、ともすると変化が少なく、形骸化してしまう可能性があります。この様な地道な作業を、確実に継続し、本来の目的であるキャリア形成と、企業として社員のキャリア形成を支援する環境や制度の整備に、この面談や人材データベースを有効に活用していきます。

3)キャリア・カウンセリングの推進
現在、心とキャリアの相談室として、社内カウンセラーがカウンセリングを行っています。今後、キャリア・カウンセリングを推進して、社員の自律的なキャリア形成のサポートや、キャリア意識の啓蒙を推進します。

【会長奨励】
・システムの具体的運用イメージ

携帯ホームページ

携帯版ホームページ では、緊急情報や厚生労働省のご案内などを掲載しています。

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