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人材育成事例231

学校法人YIC学院
多様な人財(キャリア)を尊重した育成支援
情報掲載年度 2015年度
情報掲載日 2016/2/19
都道府県 山口県
資本金
従業員数 100人以上~300人未満
産業分類 教育・学習支援業
平成2年山口県宇部市にYICグループの1校目として情報・ビジネス系の専門学校からスタートし、現在、山口県内に7校(31学科)があります。(その他関連法人として、京都府内に3校の計10校の専門学校、また、幼稚園を1園、福祉施設を3施設運営しており、グループ全体で教職員のキャリア支援に取り組んでいます。)
特に、山口県内の専門学校7校を≪学校法人YIC学院≫とし、設立26年を迎える山口県内最大の専門学校グループとなっています。また、平成26年度から始まった文部科学大臣が認定する「職業実践専門課程」では、山口県初として、16学科が認定を受けています。
理念を「地域の発展に貢献する地域の皆さんのための教育機関」とし、社会人を対象とした職業訓練生も含めると約12,000名を超える卒業生を輩出しています。
また、平成25年からベトナムにて日本語研修センターの運営もスタートしました。

(学校法人YIC学院ウェブサイト)
・全教職員に対し、研修、自己啓発等に参加できるよう、公平に評価し、能力開発を支援する体制を取っています。
・各種研修の受講・検定等の受験に対して、できる限り勤務体制等の便宜を図るように配慮をしています。また、受講料等、金銭的援助も行っています。
・取得資格状況及び自己啓発研修履歴を毎年更新し、教職員から提出させることで、人事考課等に加味するようにしています。
・教職員の技術・能力の発展こそが地域貢献につながることをポイントに取り組んでいます。
1 多様な人財を尊重したキャリア支援
1.) 個々の自発的な職務能力開発推進 
教職員個々の自発的な職務能力開発を促すため、「コンピテンシーレベルチェックシート」「職務能力目標自己申告」「免許・資格・研修届出書」を導入。
コンピテンシーレベルチェックシートとは、業務評価を区分にわけ、区分ごとに到達レベルと基準を設定し、現時点での到達レベルを自己評価するツールです。
職務能力目標自己申告とは、年度当初に当該年度の主要担当業務および職務目標について、達成すべき成果をできるだけ具体的・定量的に申告する制度です。年度末には達成度を自己評価・他者評価します。
免許・資格・研修届出書とは、資格取得歴および学習歴(大学院等含む)を記録するツールであり、原則毎年更新されます。
各教職員が作成をし、それらを元に管理者との定期的な面談(年間4回)において職務遂行・自己啓発・能力開発の目標設定、目標管理、振返り(見直し)の機会を設けています。
人事考課等の判断材料にも活用でき、積極的な女性活用、女性管理職の登用、非正規雇用から正規雇用への転換の一因となりました。また個々のキャリア目標の設定・見直しの機会にもなりました。
2.) 能力開発規程
『研修受講・資格取得は、教職員の業務知識(技術)の向上につながるだけでなく、社会視野を広め、学校法人の発展に寄与する』の考えのもと行っています。法人が妥当と判断した研修・資格取得に関して、 旅費・滞在費・ 受験料・受講料およびその他必要と認める費用を法人負担としています。
なお、研修・資格取得の範囲には、学士・修士等取得(大学進学・大学院進学)も含まれます。
3.) キャリア・コンサルティング制度の導入
『職業教育とキャリア教育は両輪だからこそ、働く教職員が主体的なキャリア形成を行うことが重要』の考えのもと、平成28年1月より企業内人材育成助成金を用いる形で導入。今までは、主に新任教員(ジョブカード制度を利用した人材育成の一環として)を対象に行っていましたが、今後は対象を全教職員に広げ計画的に行うだけでなく、自発的にキャリア・コンサルティングを受ける旨の申し出があった場合は法人が経費を全額負担します。
4.) 社内公募制度
該当部門の業務を担当する人材を、他の部門(学校・室)に所属する教職員の中から広く募集する制度。業務や職業生活に関する教職員の希望と意見を、昇進・昇格、配置転換等に反映することにより、組織活力の向上と体質強化を図ることを目的とし導入。性別、年齢に関係なく能力や意欲に応じた職務内容、働き方を可能とするため、自らの意思で自由に応募可としています。
過去5年間で毎年1~2名程度が応募実績。積極的な女性活用および多様性・裁量性がある働き方を可能とする一因となりました。
5.) ジョブカード制度の活用
中途採用者(特に他業界からの転職)の教員育成は、実施期間が限定されることや当該者のキャリアが種々であることなどから、効果的に教育訓練を実施することが困難でした。そこで、関係者の自主性に任せきることなく、予め定めた計画に従って、組織的に取り組むために導入。
OJTについては既存の訓練メニューを基に作成、Off-JTについては学院外での研修や講習を取り入れました。新任者向けのみに実施していた模擬授業(授業法の練習)やアシスタント実習(他の講義での実習)の教科も Off-JTにも組み込みました。
導入の結果、OJTとOff-JTを適切に組み合わせたことにより、効果的に実践力を高めることができました。さらに通常の採用・教育に比べ、コスト負担を軽減できました。また必要な職業能力が明確となり、社内の人材育成システムの見直しや改善に繋がりました。
日本商工会議所HPにYICグループの学院の事例紹介あり
(日本商工会議所HP:https://www.jc-center.jp/voice/000035.html)

2 キャリア形成の必要性の啓蒙
1.) キャリア・サポーター養成講座
学生・訓練生に係わる教職員が、学生の職業観の熟成、職業人生の考え方などを側面的に支援できるよう、教職員に必要とされるマインドを身につけるため導入。
おおよそ入社3年以内の若年層教職員へ受講推奨、勤務体制等の便宜を図るように配慮をしています。また該当教職員および希望者に対して、受講料は法人が全額負担しています。
平成22年度は20名だったキャリア・サポーター取得者が、平成27年度は68名(取得見込者含む)へ増加。地域のキャリア教育、就労支援事業の運営時にも十分スキルが活かされています。
(キャリア・サポーター養成講座HP:http://www.sgec.or.jp/scz/csm/csm_frameset.html)
入社1年次と3年次には地元ジョブカフェ主催のキャリア形成セミナーも併せて受講しています。

3 多様な人財活用環境整備
1.)男女ともに働きやすい雇用環境づくり
山口県が進めている「やまぐち子育て応援企業」「やまぐちイクメン応援企業」に登録し、教職員の雇用環境を応援しています。また、性別問わず教職員の積極的育児参加を促すため、育児休業を推進しています。さらに育児に関する特別休暇(有給)として、子が1歳に達するまでの間で育児のために休暇を希望した場合、最大5日間の休暇が取得可能。育児休暇取得率90%(9/10名 平成27年1月現在)と高い水準を維持しています。
また看護休暇に関しても1時間単位で取得可能。

2.)65歳以上の雇用、活躍の場の確保
民間企業の総務・人事経験者等を雇用し、企業訪問、求人開拓、就職支援、セミナー講師等これまでの経験を活かした役割を推奨しています。また65歳までの継続雇用から70歳までの希望者(実質的には70歳以降も)を継続雇用しています。
平成28年1月現在、男性3名、女性1名の65歳以上の教職員が在籍しています。
(1)計画的な取組み
現状、実施計画や階層別に教育の機会は設けているが、変動する働く環境や市場の状況に合わせた変化に対応したプログラム修正などの取組みが十分だとはいえません。今後は各部署の状況や変化、多様な人財に合わせた、より柔軟できめ細やかな育成、キャリア形成の取組みを強化したい。

(2)キャリア・コンサルティング制度の充実
1-3)キャリア・コンサルティング制度の導入に挙げたように、各自の職務・学習歴の記録保管の推奨と組織内の個別キャリア・コンサルティング、技能検定の取得、キャリアパスにともなう非正規から正規への登用などを行い、合わせて助成金の活用も効果的に進めていきたい。

(3)コミュニケーション質量の向上
現在、各部署内での定期的な会議の実施と、年複数回の目標等の合意形成を目的とした懇親会を実施することとしています。また、上司によるキャリア面接を年複数回実施することになっていますが、この質を上げるためにも、さらに日頃の組織内の会話や対話が活性化できるための管理者への研修や教職員へのコミュニケーション研修も積極的に実施していきたい。
【会長奨励】

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