人材育成事例223
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NECグループが展開する社会ソリューション事業における中核会社として、官公庁・自治体から産業の分野まで幅広い業種のお客さまに向けたSI(System Integration=システム構築)サービスと、ITを支える基盤ソフトウェアの開発を軸に事業を展開しています。全国にいるシステムエンジニア、ITエンジニアが、クラウド、SDN(Software-Defined Networking=ソフトウェアによりネットワークを制御する技術)、ビックデータ、セキュリティなど幅広い領域で、時代をリードするICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)技術力を発揮するとともに、徹底した品質管理のもと、日々改善を重ねながら、質の高いソリューションを提供しています。 (NECソシューションイノベータ株式会社 ウェブサイト) |
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当社の人事制度では『仕事が人を育てる』というコンセプトのもと、『育成』『評価』『処遇』『配置』といった人材マネジメントプロセス全体を『人材開発』と位置付けており、『ストレッチな業務アサイン』を推進することで、従業員のキャリアを支援しています。 |
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【導入の経緯】
当社は従業員の90%が技術職であり、ICTに関わるエンジニアとしてキャリアパスを明確にする必要があります。当社では業界標準であるITSS(ITスキル標準)に定義されている人材タイプや人材定義を全面に活用し、『役割等級基準書』として育成・評価・等級変更など全ての人材開発制度の基準としており、従業員は役割等級・人材タイプごとに業務および発揮スキル・行動のレベル感を測るメジャメント(ものさし)として、自身の等級・業務・スキルのレベル感を測定するために用いています。 IT業界を取り巻く経営環境は、サービス化への事業シフト、グローバル化の波など大きな変化を迎えており、当社の経営環境も大きく変わろうとしています。「人材こそが財産」の当社にあって、従業員一人ひとりの成長なしに、強い組織や成熟した企業の実現は望めません。また、お客様の知的価値創造のためには、市場価値を捉えた高度な技術・ビジネススキルを兼ね備えた人材の育成が不可欠であり、社員が一等級上を目指すことを評価する「業績レビュー制度」、高度な専門性を持った社員を登用する「高度専門職制度」、年齢にかかわりなく生涯現役で輝くキャリアを支援する「45歳向けキャリア醸成支援施策」を設けています。 【取組み】 1.一等級上の業務アサイン、ならびにその達成を評価することを明示する『業績レビュー制度』 『仕事が人を育てる』というコンセプトに基づき、現等級より一等級上の業務を行って初めて高い評価を得られる仕組みとし、現等級よりもより高いレベル(等級)の業務アサインを促進すると共に、よりストレッチな業務アサインに対する動機づけを行うしくみです。しくみの詳細は以下のとおりです。 (1)部下は、期初に部門の目標・方向性や自身の役割を理解し、自身の業務遂行面の目標をプロジェクト・業務単位で立案し、上司と目標内容・挑戦度(チャレンジ性)を共有し、コミットします。
上司部下面談では、挑戦度および達成度について、上司は部下のアピールをよく確認した上で、上司が評語評価を行い、部下と共有します。(面談では実績などを上司・部下間で確認し、人材育成の観点から建設的な意見交換を行う場とします。) (2)当該上期末、ならびに下期末にそれぞれ半期を振り返り、目標の達成度について、振り返りと評価を行います。
PJ・業務ごとに、上司は、部下の人材タイプと人事資格毎の
『役割等級基準書』に記載の『業績基準』を基に、挑戦度と達成度をそれぞれ現在の等級と比較し、「高い」「同じ」「低い」の3段階で決定し、『評価マトリクス』にプロットして、事前に取り組む業務の評価を決定します。
業績レビュー制度のねらい、目的の共有、しくみの理解と公正な評価を推進するため、以下の取組みをしています。 ・評価者訓練研修(管理職全員)
・業績レビューシート記入ウェブラーニング(全社員) 2.高度専門職制度の導入 前述どおり、当社ではITSSのレベルとリンクした人事等級を設定していますが、技術者として生涯現役でさらに高いパフォーマンスの発揮できる人材については『高度専門職』(ITSSレベル6~7)として審査認定し、評価・処遇する制度です。これによりお客様や社会に対してより付加価値の高いサービスを提供していく人材を輩出していくとともに、従業員の将来のめざすべきキャリアの方向性が『組織長』と『高度専門職』の2系統のキャリアパスがあることを明示し、より一層事業貢献を求めています。 3.45歳向けキャリア醸成支援施策 雇用延長を含む65歳までをキャリアと考えた際に入社から半分にあたる45歳を迎える従業員を対象に事業構造の変化への対応に向けたマインドセットを目的に『キャリア醸成支援施策』を企画、実施しています。本施策を実施することで、社員一人ひとりがビジネス環境の変化に主体的に対応でき、意欲のある人が年齢にかかわりなく、生涯現役として自分の貢献領域を考え、多様な働き方が選択できる企業をめざしています。施策の詳細は以下の通りです。 (1)45歳キャリア研修(45歳社員全員を対象としたキャリア研修)
(2)上司説明会(受講者の上司を対象にした研修内容の説明と受講者の中長期のキャリア計画策定を支援する方法を説明)
(3)フォロー面談(研修終了後、外部キャリアカウンセラーによるキャリア面談)
(4)上司面談(研修受講後のフォローと今後のキャリア相談)
【成果】 45歳向けキャリア醸成支援施策は、2014年度の受講率が94.1%で対象者数は288名です。 受講者アンケート結果では、「研修を受けたことで考え方に新たな気づきがあったか」との問いに対し、5段階評価(肯定5~否定1)で4.40の高評価を得ています。 |
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・事業環境として、従来型の受託開発から脱却し、新しいビジネスモデルを実現していく必要があり、「人材リソース」の質的転換が必要となっています。従業員一人ひとりが、社名にある「イノベータ」として活躍するために、意識改革に取り組んでいますが、変わることが難しい。
・年齢に関係なく生涯現役で活躍できる環境を整備し、節目ごとに本人の気づきと上司に対して部下の適切なキャリア支援が重要であることを伝えていく必要があります。
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【会長奨励】 |