人材育成事例208
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昭和37年印鑑ケースフレーム専門工場としてスタート。低コストと納期短縮を最重点に、改良・開発を重ね、フレーム専門工場から印鑑ケースの総合メーカーへと変貌した。 現在全国の60社を超える納入先に100万本を越える商品を納め、品質・数量ともに業界のトップメーカーである。さらに近年は、特殊印刷技術を駆使し、新しい印章の提案と多品種少量の波に対応できる態勢を整えるとともに、印章関連商品以外の新事業にも注力している。 主な事業は、印鑑・印鑑ケース・印章付属品製造販売、ゴム印・浸透印製造販売、記念品グッズ製造販売、プラスチック成型金型製造など。 (株式会社天野製作所ウェブサイト) |
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「ひとづくり」・「ものづくり」・「ゆめづくり」を基本理念とし、個々の英知と創造力、そしてチームワークを最大限に生かし、こころ豊かな社会創りの一翼を担うことが目標である。 一人ひとりが仕事を通して成長し続け、成長した一人ひとりが素晴らしいモノづくりを成し遂げ、お客様に認められ継続的に支持され、その対価で夢の実現を果たし、社会により善い影響を与えながら共に共生していくことを目指している。 さらに、経営基盤確立の最重点に、人づくり(人材の育成)とキャリア形成(能力開発)を掲げ、必要な資質・能力の向上を図っている。 |
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1.新入社員教育 新入社員教育は、基本的には、ビジネススキルの習得が目的であり、具体的には、次のとおりとなっている。 (1) 適材適所を実現するために、入社後1ヶ月の間、各部署を異動させ、仕事ぶりをリーダーが評価し、その評価を基に、配属を決定している。また、配属後は、多能工化教育を実施している。 (2) 能力一覧表を作成し、作業工程毎に、「できる、できない」を明確にすることで、製造ラインのレベルを判断でき、過不足対応などを可能にしている。 (3) 事務系の採用の場合は、事務所での業務も経験してもらう仕組みとなっている。 2.新製品開発チーム教育 今年から、電子回路などの新技術などを習得するために、外部企業での研修を実施している。毎週一定の時間を研修に割り振り、現在、4名が参加している。そのチーム構成としては、製造グループと研究開発グループの混合編成となっている。この研修で習得した技術を、新商品や治工具の開発に生かすことが期待されている。 また、階層別に、日経BP主催の「ものづくり改善セミナー」にも参加し、生産改善のスキルの習得にも取り組んでいる。 3.技能継承教育 技能継承のために、スキルを持った定年後再雇用の嘱託社員が、21歳から40歳位までの若手社員に、マンツーマンでOJTによる教育を実施している。現在は、5名の嘱託社員が、5名の若手社員に、品目毎に期間を区切って、スキルを身に付けるまで、ポイントを指導している。 また、指導に当たる嘱託社員は、技能継承の必要性に応じて、65歳以降も雇用されることが可能であり、現在の最高齢は73歳となっている。なお、社員のみならず、内職者も、問題を改善するためのアドバイスを、嘱託社員からを受けられるようになっている。 (参考:教育訓練体系図) |
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現在、一部の商品に関し、工程別のライン生産から、セル生産への移行に取り組んでおり、不良率を下げ、歩留を上げることが喫緊の課題となっている。 今回のセル生産導入の目的は、社員の責任感やモチベーションを高め、生産性や品質の向上を図ることにある。セル生産実現のために、現在、外部からコンサルタントを招き、定期的に指導を受けている。また、セル生産は、多能工化が不可欠であり、取り組んでいる各種教育の効果が期待されるところである。なお、作業手順書などの見直しも課題の一つであるが、教育を通じて改善を図ることが可能と考えている。 |
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