人材育成事例185
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創業60年の確かな縫製技術と、“1枚生産システム”を融合させた生産ノウハウ 「土井縫工所」の創業以来60余年間受け継がれてきた「シャツ作りの技術と精神」に裏打ちされた確かな縫製技術を蓄積しています。 さらに、縫製業向けトヨタ生産方式「TSS」(Toyota Sewing Management System)を導入、これにより、一枚一枚が受注生産であるパターンメイドオーダーシャツを、既製品の量産のように工程へ投入していく仕組みと生産ノウハウを確立しました。(“1枚生産システム“)これらの融合によって、生産技術・品質ともに高水準のシャツを供給する体制を実現しています。 |
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企業理念世界で活躍する日本のビジネスマンをおしゃれに 経営理念人間性の構築全ての社員が仕事を通じて已を磨き、自已の品格を高め、人間性を向上させる。 社会性の確立全ての社員が仕事を通じて人の役に立ち、喜ばれ、感謝されることを信条として行動する。人に迷惑を掛け、社員が不幸になるような会杜なら不要である。 経済性の追求当杜が存続し、社会貢献のために納税し、社員が経済的な安定を得るために利益を追求する。 行動指針「DO QUICK」「DO BEST」「DO PERFECT」当社は常に最高品質の製品をお客様に提供するために、あらゆる努力を惜しみません。 当社はお客様の二一ズにお応えすために、現状に満足せず常に改革して柔軟な“ものづくり”体制を整えます |
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1.パターン提案力・生地の企画カ
ドゥ・ワン・ソーイングのドレスシャツは、従来のオーダーシャツのように、着る人の体型に合わせるのではなく、着る人にフィットするスタイルを作り出していきます。 ボディスタイルは、スーツに合うパターンの中からお選びいただき、選んだスタイルに合うボディデザインを提案いたします。 デザインの企画にあたっては、スタイルのパターンを引く専任スタッフを配置、また、生地についても素材メーカーで作られた生地の柄から選んで仕入れるだけでなく、生地のデザインを杜内企画し、素材メーカーに提案発注できる商品企画体制を構築しています。 これらの企画には、創業以来蓄積した生地の販売データを活用するとともに、社員個人の感性・興味を高めることを重視しています。 ・展示会出張(年2回)…社員全員が交代で出張する組織づくり イタリア・フィレンツェで行われる素材展「ピッティ・ウォモ」への出張を年2回実施、ファッションの最先端のトレンドに接することにより社員が感性を磨く機会を設けています。出張する社員は、企画部門だけでなく社員全員が交代で出張し、全社横断的に社員の感性を反映できる組織づくりを目指します。 ・ファッションセミナー 会社の営業担当者を対象に、「シャツの合わせ方」、「カラーコーディネイション」、「Vゾーンの着こなし方」、「ネクタイを外す場合のスタイル」などをテーマとしたファッションセミナーを開催し、会杜の第一印象となる営業員のファッション向上を図っています。 2.お客様の満足感を追求する品質管理体制 岡山工場では、さらなるお客様の満足感を追求するため、「品質管理委員会」を設置しています。委員会設置にあたり、“全体スローガン”を「品格を高め、品質を高める。」と掲げました。スローガンに込められた意味は、「各自が信念と誇りを持ってものづくりをし、お客様の満足感を高める」ことを目標として品質向上を図るものです。 全体スローガンのほか、役員を含めた従業員全員で“各自スローガン”を考え、名札に記載するとともに、「一日一改善」を奨励、全員参加で品質向上活動を進めています。 また、定例会議では、役員を含めた部署の責任者が集まり、工場内の課題だけでなく、販売店や納品先で起こった課題についても認識を共有したうえで、改善案や意見を出し合うことによって、全社横断的に課題解決を図り、お客様の期待にこたえ続けられる品質管理体制を整備しています。 3.チャレンジ精神のある人材と企業風土 ・縫製技術を習熟するためのサポート体制 「従業員が主体的に仕事に取り組める体制づくり」を重点目標と位置付け、0JTを中心とした教育訓練を丁寧に行っています。 新入社員の0JTは、「まず1つの工程業務の熟練」によって自信を持って仕事ができることを目標とし、繰り返し質問しながら訓練できる体制としています。 毎日の終業時には、任意参加の「お茶会」を開催、日々の業務でわからないことや業務外のことも気軽に相談できる場を設け、仕事に慣れるようサポートしています。 また、「1日の業務で、3つの工程をローテーションしながら受け持つ工程設計」とすることで、従業員が隣接工程の業務を理解しやすくしているとともに、個人個人が複数の工程業務を主体的に習熟していくことを奨励しています。 ・語学学習の奨励 従業員の語学力向上、まずは英語学習奨励のため、語学学校への通学費用を一部補助しています。(本社部門で先行実施、製造部門へ展開予定)製造部門の語学力向上を奨励する背景には、「Web受注システムの海外展開に伴う現地生産計画」があります。これは、Web受注の増加によって、国内の既存工場だけでは生産能力が不足することが見込まれるために、現地生産・提携工場の確立を計画しており、高品質シャツの現地生産体制実現のためには製造部門の英語力向上が必須となってくるからです。 4.製造部門の技術継承と人材育成 創業以来60年、縫製技術の社会的評価は必ずしも高いとはいえないのが現状でした。 しかし当社は、これまで積み上げてきた縫製技術を継承し、次の世代を担う人材を育成していくためには、製造部門の技術者が身に付けた縫製技術を評価していく重要性を認識しています。同時に、技術者一人ひとりが誇りを持って仕事に取り組める環境づくりを進めています。 ・マイスター制度の導入・奨励 製造部門の技術者には、国家資格「布はく縫製技能検定試験」の受験を奨励し、また、資格取得者には「技能手当等の支給」「管理職ポスト」などにより、身に付けた技術に対する評価を進めています。これは、縫製技術者一人ひとり自ら職業に関する教育訓練・職業能力検定を受ける機会に触れることによって、職業に必要な縫製技術を向上し、一人ひとりの縫製技術者がより高い社会的評価をいただけると同時に、さらには技術を身につけることが一人ひとりの職業の安定にも繋がることを目的として奨励しているものです。 ・1級布はく縫製技能検定試験・2級布はく縫製技能検定試験 ・誇りを持って仕事に取り組める環境づくり 知的資産の項で挙げた、0JTを中心とした教育訓練を丁寧に行うことに留まらず、「休憩時間を利用した“自分のものづくり”」仕事で担当する工程に関わらず、生地の裁断から縫製まで、シャツ作りの全ての工程を一人で仕立てる機会を設けることで、一人一人が主体的に“ものづくり”ができる環境づくりを進めています。 また、「自分達の作った商品が、店頭でどのように売られているか」を一人ひとりが把握したうえで、さらにお客様に喜んでいただける“ものづくり”を目標とした業務ができるよう、販売店への訪問の際、営業部門の従業員だけでなく製造部門の縫製技術者も同行する機会を設けるよう目指してまいります。 |