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人材育成事例128

有限会社畑田鐵工所
感謝を忘れない社員の育成
情報掲載年度 2014年度
情報掲載日 2015/2/13
都道府県 山形県
資本金 1000万円未満
従業員数 50人以上~100人未満
産業分類 製造業

当社は現会長である畑田克男氏が昭和24年(当時17歳)に刃物加工業として独立創業した。昭和44年に現在の鉄工団地に移転して生産能力の増強を図った。そして平成12年に現社長が38歳の時に引き継いで現在に至っている。

売り上げ構成としては、農業機械部品関係が6割、物流コンテナ部品1割、投光器部品1割、そのほか2割となっている。

昨年は消費税の駆込み需要等で多忙となり、数名の増員と新工場の建設に取り組んでいるところである。

経営理念
報恩謝徳
社業を通じ、社員の実り多き幸せと成長を実現する。
社業を通じ、お客様、お取引先様、関係される全ての皆様の幸せを実現する。
社業を通じ、社会の平和と繁栄に貢献する。
以上を実現するために、自然と調和し、常に進化発展していく。

基本方針、経営姿勢
・社員のモチベーションの向上に努めます。
・お客様に必要とされ、選んでいただける製品を提供します。
・職場環境の向上に努めます。
・常に成長できる会社となる為に、利益を確保し続けます。
・自発的改善力を身に付け、自ら成長できる社員を育成します。
・自然環境への配慮を、常に心がけます。
・地域に無くてはならない人材を育てます。

行動理念
・社会人として、良識ある行動を心がけます。
・先手の挨拶、間髪いれない返事で、明るく楽しい職場作りを目指します。
・品質、納期を守ります。
・無駄意識を高め、効率の良い仕事をします。
・常に改善します。
・整理、整頓、清掃、清潔(4S)を徹底します。
・全ての方への感謝の気持ちを、笑顔と行動で表します。
・身支度を整え、安全に配慮するとともに、好感度向上に努めます。

経営理念の「報恩謝徳」は、今まで受けた恩や善意の心に報いようと全ての事に関して感謝の気持ちを持つことを言い、そうすれば必ず報われると言うことです。これが根幹となって基本方針等に展開されて、具体的な取組みにつながっている。

社長は、以上の理念や方針等を何度も反すうして自分の言葉で得心するまで書き直したという。これによって社員へ朝礼や会議等で確実に伝えて当社の人材育成の背骨となっている。

上記の方針に基づいて具体的な取組みとしては次のことを行っている。基本的には外部に派遣するようなOff-JT的に行うというより、実際の業務を通した育成を重視していることが特徴的である。


(1)一般社員

代表的な育成例として「最前線の声」がある。これは自分の職場で改善する内容があったら、解決策は社員が見いださなくても会社側に伝えるものである。解決策は管理者並びに会社側が考えるものである。

育成の狙いは問題や課題の発見の意識や視点を向上させることである。取組みに当たって研修会を開いて職場の問題点の見つけ方などを周知した。「最前線の声」の提出そのものについてはノルマや目標は設けてはいないが、ポイント制により賞与に反映している。

これによって課題発見能力の向上とモチベーションの向上が図られている。

(2)管理者

管理者(係長以上)については、毎週社長が講師となって研修を行っている。具体的には「工数低減と品質」、「工数低減と安全」などである。管理者には職場の課題を解決してもらう訳なので、それに必要な着眼点や知識、経験を持ってもらいたいからである。

これによって、業務に直結した管理スキルが向上して実際有効に機能していると、社長は評価している。

(3)全社員
イ QCサークル

これは昨年の8月から再開したもので、社内に7つのグループで立ち上げて活動している。以前のような形式的にならないように成果を上げることを目指している。

社長としては成果の他にその過程の取組みでコミュニケーション力や自分の仕事を振り返り深掘りして気づいてもらうことも狙いとしている。4月には第1回の発表会を予定している。

ロ 3S活動

一般的には5S活動であるが、当社はまずは3Sということで毎月3S活動日を決めて取り組んでいる。具体的には、社長が点検日を告知して社内を巡回して問題となるような場所の写真を撮る。そして活動日に3S活動を行うのである。まずは不要なものを捨てることから始めて、整理・整頓・清掃を行い、その状態の写真を撮る。3S前の状態と3S後の状態の写真を食堂に掲示して、社員の意識改革を期待するものである。

これについても社長の評価としては社員の意識は確実に向上しているとのことであった。

ハ 社内木鶏会

月刊誌「致知」を社員全員分について会社が購入して配付している。そして、月1回全員が参集してコミュニケーションを交わしている。具体的には、全員が感想文を書いてきて4人毎のグループに分かれて、感想を述べ合う。その後、各グループから代表がグループから出てきた感想を全員に紹介する。そして、最後に社長がコメントしその場は終わるが、社長は全員の感想文に目を通して、必ず何らのコメントを書いて社員に戻している。

これによって、読解力、プレゼン力、傾聴力が高まるとともに、なんと言っても物事や時事問題に対しての感性が磨かれる。

社長は一人ひとりの感想文を読んでいるので、職場では分からなかった社員の一面も把握できたりするため、個性に応じた育成ができていることを実感できるという。


以上の他には挨拶の励行や所作、身だしなみまで社会人としての基本を周知徹底していることが、工場にお邪魔したときにすぐに感じることができた。つまり、人間教育を大事にして、一人ひとりが職業人として地域構成人として育って欲しいとの思いが伝わってきた。

今後のことを考えて当社は現在新工場を建設中で、それに伴って新設備の導入も計画している。

当面の課題としては、各人を技術者としての専門家として育てていく仕組みを今後検討する必要がある。国家資格の取得の奨励や専門性の追求である。現在「スキルマップ」を作成して運用しているが、これに磨きをかけて専門性の深掘りの計画と会社としては多能工化を両立させて育成する取組みが課題となっている。

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