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人材育成事例078

株式会社 A社
「あいさつ」は、人をそだて、会社を育てる原点である。
情報掲載年度 2013年度
情報掲載日 2014/3/3
都道府県 福井県
資本金 1000万円以上~5000万円未満
従業員数 50人以上~100人未満
産業分類 製造業
●会社概要
当社は、「目標達成度シートあいさつ編」という自己診断評価を導入しており、気持ちのよいあいさつの徹底が特長のひとつである。
何をもって顧客満足を満たすのかを考えたとき、まず入口にあるのが人間関係の出発点である挨拶であり、ここで八割方、取引の方向性が決まるというのが社長の持論である。
当社の人材育成は、こういった考えのもと、現社長から新入社員教育に重点を置くようになった。
●人材育成の考え方
当社の人材育成のモットーは「協調性と柔軟な対応力をもつこと」「自己の技術を磨き、製品の完成度への挑戦と研究・探究力を身につけること」である。
問題発生時において、問題の自己解決能力を高めることは必要であるが、自己のはんちゅうで済ませるのではなく、上長への報告を怠らず、問題や課題を共有することが大切である。
また、仕事に専門性は必要であるが、専門分野のみに特化することなく、社会情勢に対し積極的な関心を持つことが重要である。これは人間の幅を広げることにもつながり、顧客のクレームを処理する上でも強力な武器となり、有用なコミュニケーションツールになるであろう。
柔軟な発想力を持つことは、新製品開発に当たり、なくてはならない資質のひとつと考える。
当社が「目標達成度シートあいさつ編」により、常に自己の行動を見つめ直すこと、そして、新人教育に力を入れるのは、このモットーによるものである。各自が人間として、社会人として成長していくには、栄養を吸収することのできる太い幹が必要であり、会社の太い幹を養成することが会社の成長につながるという認識のもと、日々、人材育成に当たっている。
●人材の育成
新人研修は4月1日を初日として5月半ばまで実施している。午前8時半から午後5時までの就業時間内において、165時間を使って実施する。うち、15時間は外部講師による接客マナーセミナー、残りの150時間は当社の幹部社員による研修を行なっている。
 当社では、近年、新卒者および既卒者の採用を積極的に行なってきた。これは、社風の改善と、既成概念にとらわれない発想力が会社を成長させるという認識からであり、新入社員の発想力を期待してのことである。新人の提案を会社がいかに吸収し、栄養として成長の糧にしていけるか、会社の力量が問われるところでもある。新人の発想を新芽として育てていけるか、その新芽を出すための種(新人)を育成できるかは、会社に与えられた課題ともいえる。
また、この他に、新人研修後のフォローアップ研修、2~3年後のアドバンス研修、5年後の中堅養成研修を設けている。研修内容については、中央職業能力開発協会が開発した職業能力評価基準をカスタマイズして採用している。
しかし、現在のところ、これを人事考課として給与基準に反映することはしていない。職業能力の評価結果は、年2回の社長との面談の際のヒアリングツールとして、自己の反省点や時期の目標設定のために利用している。
その他、公的資格取得をバックアップし、取得者には資格手当を付与することも考えている。

●自己啓発の考え方
当社は、お客様に満足と信頼をお届けすることを方針としている。そのためには、仕事に携わる人と技術の調和が欠かせない。その技術は日々の仕事から育成されるものであり、技術を活かすのは人間力であると考える。人間力は、人としての総合力であり、その人の仕事以外の部分において大いに形成されるものである。
当社は、日々の生活を楽しくするようなプラスチック製品を作り出していくことを目的として掲げており、そのために、社員は「何が楽しさを生み出すのか」「どうすることが楽しさに繋がるのか」を探求していかなければならないと考える。そこでは、豊かな発想力とそれを行動に移す実行力が不可欠であり、そういった力は、自分の体験によって培われるものと当社では考えている。
このような考えのもと、当社では、自分の仕事に関する自己啓発のみならず、自己のエンプロイアビリティを磨き、高めるためのサークル活動、ボランティア活動への積極的な参加を支援している。
会社の成長は、若い人材を育成することから始まり、上司は部下の能力を引き出し、いきいきと働けるような職場環境を構築しなければならない。そういう意味で、上司のコーチング力は重要であると考え、当社では、幹部社員を対象として、外部講師によるコーチング研修を実施している。また、今後は、公的機関主催による研修会にも参加する計画を立てている。

このように、当社では、新人研修を重視した研修カリキュラムに加え、中堅社員および幹部社員を含めた、人間力をつけ、そして向上させるための、社会活動参加による自己啓発を呼びかけている。
これは、社長面談の際のヒアリング項目としても位置付けられているのである。

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