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人材育成事例041

島根電工株式会社
お客様の感動は従業員の満足から
情報掲載年度 2013年度
情報掲載日 2014/2/19
都道府県 島根県
資本金 非公開
従業員数 300人以上
産業分類 建設業
島根電工株式会社ウェブサイト
経営理念の中に「付加価値を労使共通の目標として挑戦し、活力と魅力にあふれる企業風土をめざす。(ES)」があり、その解釈は「創造の喜びと自己実現のできる若々しい社風のもとで、努力の成果を公正に分かち合い、社員が豊かな生活を築くと共に、一人ひとりの能力と個性を伸ばし、生きる喜びを共にできる社風を維持する。」であります。企業の使命として、経営の三要素の一つである「人」を育成するために、社会人として、職業人として必要な人格を目指した指導を行います。
<キャリア形成支援の導入に至った背景、時期>
創立8年目の昭和38年4月、松江市青年高等学校が開校されたのを機に、中卒新入社員を同学校へ入学させたのが当社の社員教育の始まりです。その翌年からは年次教育計画を立て、社内で計画的に、組織的に若年社員教育を行うようになりました。人材育成こそ企業の使命であるとの強い信念の現れでした。昭和41年からは「島根県立青少年の家」を利用しての宿泊研修となり、社員が一つ屋根の下で寝食を共にしながら、相互研鑽と親睦を深めました。
平成4年には「島根電工グループ高等職業訓練校」を設立し、以来、1~3年社員研修をその認定訓練に移管し、第1次から第10次までの3年間にわたり延べ45日間の宿泊研修を行っています。専門知識や技能はもちろんのこと、経営理念の理解や規律、マナーなど、社会人としての人格教育も併せ、総合的な人材育成の場となりました。

<支援の内容>
キャリア形成のために取り組んでいる内容としては、前項で紹介した【社員教育】の他に、主なものとして、BB制度、資格取得、技能競技大会、TQMサークル活動、改善提案制度を挙げることができます。特徴としては、それぞれについて会社からの支援制度があり、適したインセンティブを与えることによって、社員が積極的に取り組めるような仕組みも構築されています。

【BB制度】BB制度とは入社してから半年(9月末)の間、新入社員一人に対して一人のB.Bを選任し、就業時間は行動を共にさせる制度です。B.Bとは、Big.Brotherの略であり、お世話をするお兄さん役のことであり、概ね入社5年目から10年目の社員が担当しています。

【資格取得】取得すべき資格として、職種ごとに必須資格と、その取得年限が定められています。会社推薦の要件を満たせば推薦者となり、その資格取得に必要な費用(受験を伴う場合は2回受験までの費用)は会社費用で賄われます。また、受験合格の場合は試験により2万円~30万円の報奨金が一時金として合格者本人に支払われます。この報奨金は会社推薦を受けないものが自主受験(個人で受験)して合格した場合にも支払われます。

【技能競技大会】技能競技大会は毎年初秋に開催する島根電工グループ社内技能コンクール(電気工事部門・管工事部門)から始まります。島根県電気工事技能競技大会、中国ブロック規模の全中電工連技能競技大会、また、管工事部門においては技能五輪全国大会では、毎年多くの上位入賞者を輩出しています。これらの競技大会に向けては各所での訓練が欠かせません。その訓練に必要な材料その他の費用はすべて会社費用で賄われています。

【TQMサークル活動】各事業所の部門長はTQMサークルに対して活動課題を与えます。TQMサークルではこの課題を達成するためのテーマを決定し、サークル活動を行なっています。サークル活動は主に2~8名程度のサークルメンバーによって構成され、3ヶ月を目安にリーダーを中心にTQMサークル活動を行います。サークル活動の中から、課題達成の対策として提案書にまとめて標準化を行い、それを全社に展開します。また、サークル活動の発表大会を1年に2回開催して、優秀な活動を行ったサークルを表彰しています。

【改善提案制度】改善提案制度については、各事業所の提案立案状況を集約して各事業所の部門業務成績に反映しています。また、その提案は審議会によってA級~D級の優秀提案として選考され、毎月の経営協議会(事業所長会議)にて表彰し、各事業所に普及しています。

<支援に対する従業員の反応、満足度等>
入社して3年間の社員研修は、同期の社員が一同に会する4ヶ月に一度の貴重な三日間でもあります。各事業所に配属されてからは上下のつながりが主で、若年社員にとっては気遣いも多く落ち込むこともあります。一つ屋根の下の研修で寝食を共にしながらお互いの思いを話し、皆が自分と同じ壁を乗り越えようと喘いでいることがわかります。研修三日目には皆が元気になってまた事業所へ向かいます。最後の10次研修では、同期の研修としてはもう会することがない寂しさと、これからは後輩指導という責任感を抱えながら卒業し、それぞれが中堅社員としての扉を開くことになります。

新入社員のOJTにおけるB.Bの役割は技能指導の他に、6ヶ月間の人間関係の悩みとかプライベートの相談役でもあり、新入社員の心の支えとなっています。この制度により、選任されたB.Bも、この時期に部下指導の極意を修得することになります。新入社員は一番不安な時期を頼れるB.Bとともに過ごすことから、当社における定着率は高いものとなっています。

建設業、特に電気設備業ではその資格がないと業務そのものに携われない業務独占資格が多いこともあり、社員の資格取得意欲は非常に高いレベルにあります。資格取得そのものが目標面接において半期の個人目標項目に挙がることも多く見受けられます。また、技能競技大会に向けての出場意欲、入賞意欲は資格取得と同様で非常に高いものがありますが、試験受験と異なり参加人員に制限があるために希望どおりに参加できないのが残念なところでもあります。

TQMサークル活動や改善提案制度を推進することにより、社員の自主的な小集団活動意欲が生まれ、社員同士が切磋琢磨しながら自然に成長しています。なお、改善提案は新入社員からベテラン社員まで一人当たり年に4回の提出を行なっています。提案書の作成に当たっては必然的に上司と部下のコミュニケーションがはかられています。

<支援による効果、成果(業績との関係など)>
当社では「住まいのおたすけ隊」として、一般家庭等の小さな工事を行うサービスを展開しています。今では地域に密着し、お客様のニーズを見抜き、誠意を持って迅速・的確に対応できる柔軟な姿勢で、住まいの「ちょっとした困ったこと」をすぐに解決する、お客様の心強い味方として親しまれています。

この「住まいのおたすけ隊」を身近に感じていただくためのテレビや新聞のコマーシャルには、若い社員が主役になって登場しています。このことは社員自身の中に芽生える、しっかりとしなければならないという自覚となり、その自覚と共に育っていくということにもつながっています。

地域建設業の消滅が叫ばれている中、当社はグループ会社を含めて「住まいのおたすけ隊」が小口工事を中心に、非常に元気に1年間毎日忙しく動いています。特に省エネ、新エネの工事に関しては数々の補助金をお客様に獲得してあげ、喜んでいただきました。

一人ひとりの社員この動きができるのも、社員教育他のキャリア支援の賜物であります。従業員を大切にし、立派な社会人として育て上げることがお客様の感動を招き、その感動からさらに元気を頂戴するというスパイラルを構築しています。
人材の確保と人的資源管理はこのところの課題であります。「住まいのおたすけ隊」による小口工事は依然として増え続けております。大型工事は減少はしているものの、年度末にかけての工事の集中により、現場管理者、工事施工者、協力店施工者共に一時的な不足が見られます。大型工事を経験した方の多くが次々に定年退職されていく中で、その技術を経験し修得する機会も減少しています。また「住まいのおたすけ隊」をフランチャイズ事業として立ち上げたことから、加盟事業所も想定以上に増えており、その指導者層の確保も急務になってきました。将来の技術者と技能者不足を見込んで、昨年は21名、今年は32名の新卒者の採用が決定しております。新卒者にも中途採用者にも協力店にもフランチャイズ加盟店にも、将来を見据えた効果的なキャリア形成の支援を行っていきます。
【会長奨励】
教育訓練体系図

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