人材育成事例037
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タマノイ酢の企業ビジョンは、社員一人ひとりの自立と成長です。会社の使命はその環境づくりだと考えています。常日頃から、社員の可能性を広げ、変化に対応する力を身につけることを目指しています。高い役職や高成績の人だけが存在感がある組織は組織として魅力に欠けます。個々人の持っている潜在能力を引き出して、一人ひとりが輝くことを重視しています。 そのために『若手最前線』と『頻繁な人事異動』を行っています。当社では若手社員のうちから最前線でプロジェクトを進めます。若手がさまざまな経験を通して、変化に対応する力を身につけることにより、将来は部署のリーダーとして活躍する人材を育てます。また、人事異動を頻繁に行います。3ヶ月から1年の間隔で、社内の様々な部署や全国各地の拠点で経験を積ませます。一つの専門性を極めるよりも、あらゆるネットワークを持ったプロデューサー型の人材を育成するという事に重きを置いています。 |
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<キャリア形成支援の導入に至った背景、時期> 当社には、キャリア制社員という働き方があります。社会人・職業人としてのキャリア形成を支援することを目的として、5年間で若者に就業機会を提供しています。 現代社会では夢を目指し就職せず、アルバイトなどの短期雇用を繰り返すフリーターの増加が社会問題となっています。公的資格を取得して専門職として働くことを希望する人、社会人経験のある教師を目指す人、起業を志す人、音楽や演劇などの芸術・芸能分野での活躍を夢見る人、さらには、将来の目標がまだ定まっていない人まで、多様な若者がいます。そのような人達も、それぞれの道に進むためには、仕事の遂行能力やコミュニケーション力、問題解決能力といった社会人としての基礎力が必要になります。5年の中で企業組織の一員として働く経験から、社会人基礎力をしっかり身に付けた上で、それぞれが次のステップを目指して欲しい。キャリア制社員は、タマノイ酢を人材育成機関として活用するために導入・運営されてきた制度です。 <支援の内容> キャリア制社員は、5年間で実務を通して成長し、新たなステップへ進むことが目的です。最初から明確な目標を持っている人ばかりではなく、業務に携わる中で将来の目標を固めていく社員もいます。5年で卒業という期限を意識し、有意義な経験をしようと前向きな姿勢で仕事に取り組んでいます。 また、上司やリーダーは、キャリア制社員の成長の場をどれだけ用意できるかが問われます。そうすることで、キャリア制社員を指導するリーダーのスキルアップにもつながっています。 <支援に対する従業員の反応、満足度等> キャリア制社員は価値ある人材を社会に輩出していると共に、彼らを育てることで、正社員も育てられているという機能、効果を持ちます。キャリア制社員の卒業後の進路は必ずしも食関連の職業ばかりではなく、教師や海外の大学院への留学、海外企業への就職、あるいは資格を取得し専門職として就職または独立等さまざまです。多くは『入社当時の夢』の方向に進んでいますが、中にはタマノイ酢でのビジネス経験から、当初抱いていた夢から食関連の職業に方向転換した例もあります。私たちはキャリア制社員として育った優秀な人材が社会に飛び立つことを喜び、また、そこに価値を感じています。 <支援による効果、成果(業績との関係など)> 当社は若い人材にどんどん責任ある仕事を任せ、人材流動性の高い組織運営を行なっています。新陳代謝を繰り返し、働く時間に制約のあるキャリア制社員と共に仕事をする事は、流動性の高い組織でチームとして成果を上げていくために、社員達や指導するリーダー達を鍛える絶好の機会となっています。 |
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このキャリア制社員は当社独自の制度であり、社会的な認知度も低いのが現状です。契約社員や派遣社員とは全くバックグラウンドが違いますが、大学の就職支援機関等からは「契約社員とどこが違うのか。」という意見を頂くことが多々あります。採用の開始時期も他社の採用に比べて、半年以上遅い8、9月からの開始です。その中で、13年度採用の説明会には374名が参加しています。また、採用者数はここ数年、正社員を上回っています。 当社が抱える今後の課題としては、キャリア制社員という制度を広く認知させていくことです。本当に必要としている人と共に働き、タマノイ酢全体の意識レベルや環境の向上をはかりたい。今日の現代社会では、正社員と言う肩書きに魅せられて入社を決め、予想していた仕事と違ったと入社間もなくして会社を去っていく人が増加している問題も抱えています。その問題を解決の方向へ導くためにも、このような制度を行なっているということを周知し、大学等から賛同を頂いたり、一人でも多くの良い人材がタマノイ酢の一員として共に働いてくれるということを私たちは目指しています。 |
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【会長奨励】 |