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あさコラム vol.49
感染症エクスプレス@厚労省 2017年4月7日
メモリアルコンサート
こんにちは、厚生労働省健康局結核感染症課長の浅沼一成です。
新年度が始まり、皆様の職場などにも、人事異動や新規採用で加わった方
々がいると思います。
結核感染症課も同様で、22名の課員が4月1日付けで異動してまいりました。
仕事上、前任者からの引継ぎが各自きちんとなされているのか、大変気に
なるところです。
もし、事案の引継ぎが上手くいかなかったり引継ぎがなされていなかった
りすると、業務が滞り、結果次第では事案そのものが風化してしまうという
ことにもなりかねません。
そうならないために、職員一同、十分に留意をしているところですが、私
たちが絶対に風化させてはいけないことの一つに、薬害エイズ訴訟への対応
があります。
1996年(平成8年)3月に薬害エイズ訴訟の和解が成立してから21年が経ち、
当時の経緯や状況を覚えている方々も年々少なくなってきています。
私も先月、訴訟原告団の皆様との協議や薬害エイズ裁判和解21周年記念集
会に出席いたしましたが、当時の状況を少なからず知る者としては、反省と
教訓を継承し、広く語り継いでいかなければならないと、強く感じておりま
す。
抗HIV薬の開発等、医薬品や医療技術の進歩により、HIVの治療は進歩・向
上したとはいえ、恒久対策としての救済医療の徹底と推進、長期療養に対す
る取り組み、偏見・差別の解消など、対応しなければならない課題は未だあ
ります。
そうした中、今年も「はばたきメモリアルコンサート」が開催されます。
このコンサートは、ある薬害エイズ被害者の方と音楽家の方の出会いをき
っかけに、多くの音楽家の方から共感の輪が広がり始まったもので、今回で
13回目を迎えます。
主催は社会福祉法人はばたき福祉事業団で、厚生労働省も後援しておりま
す。
第13回のはばたきメモリアルコンサートは、来る4月21日(金)の午後7時
から、会場は王子ホール(東京都中央区銀座4-7-5)にて、開催されます。
このコンサート、毎回、多彩な出演者の方々による演奏と心に浸みる詩の
朗読など、趣向を凝らした内容となっています。
今回はチェロとピアノの演奏がメインとなるようですが、トランペット独
奏やヴァイオリン独奏も予定されています。
私も例年、お伺いしていますが、特に、最後の即興演奏は、即興とは思え
ないほど驚くほど完成度の高い素敵な演奏をご披露していただいており、い
つも感銘を受けているところです。
このコンサートを通じて、HIV・エイズの現状について確認される方もおら
れるとのこと。
ぜひ、1人でも多くの方にコンサートにお越しいただき、HIV・エイズにつ
いて関心を持っていただけたら・・・と、思います。
現在、厚生科学審議会感染症部会では「後天性免疫不全症候群に関する特
定感染症予防指針」の改正作業に取り組んでおり、改正に向けて多くのご意
見やご要望をいただいているところです。
感染の理由を問わずHIV感染者の皆様が安心して治療が受けられ、偏見・
差別をなくし穏やかに暮らすことができる社会を作るためにも、予防指針の
改正や医療体制など個別施策の充実等を図りながら、課題解決に向けて汗を
かいてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
※はばたきメモリアルコンサートのお問い合わせは、社会福祉法人はば
たき福祉事業団まで。
http://www.habatakifukushi.jp/information/concert/12-1.html?2_s
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