2014年03月10日更新 鳥インフルエンザA(H5N1)に感染した患者の発生状況について (更新2)

世界保健機関(WHO)の情報によりますと、鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染したと確定診断された患者は、2003年から2014年2月25日時点で、15か国から658人が公式報告されています。このうち388人が死亡しています。
WHOは鳥インフルエンザA(H5N1)に感染したと確定診断された患者が1月24日から新たに8人(ベトナム1人、カンボジア5人、中国2人)発生したとの報告を受けました。

カンボジアでは、鳥インフルエンザA(H5N1)に感染した5人の確定患者と、感染の可能性が高い患者1名が報告されました。全ての患者は小児でした。コンポントム(Kampong Thom)に住む5歳男児、そしてクラチエ(Kratie)州の同じ村に住む8歳男児とその妹である2歳女児(可能性例)、4歳男児の3人です。兄妹は重症呼吸器感染症にて死亡しましたが、検体は8歳男児からのみ採取されました。4歳男児はこの一家の周囲の接触者追跡調査中に検出されました。この3人の患児は、1月中旬に村で報告された死んだり病気になった多くの家きんに、直接接触した可能性があります。残り2人の患児は10歳女児と11歳女児で、コンポントム州内の異なる村から報告されました。2人とも容態は軽症で、完治しました。この2人が住む近所では、家きんの大量死が報告されました。

中国では、2人の患者が報告されました。広西チワン族自治区に住む75歳の男性で重症肺炎症状がみられました。もう1人は湖南省に住む5歳女児で、この患児は完治しました。

ベトナムでは、ドンタップ(Dong Thap)省から、2014年1月22日に発症したインフルエンザA(H5N1)ウイルスのヒト感染による重症例が報告されました。

家きんの間でインフルエンザウイルスが循環している時は、特に家で飼育されている感染した家きんや、汚染された環境に暴露する人々の中で散発例や小規模の集団発生が発生する可能性があります。しかし、現在のところ、このインフルエンザA(H5N1)ウイルスは人の間で効率よく感染せず、このウイルスが地域レベルで拡大するリスクは依然として低いです。

患者が発生している地域に滞在する方は、鳥がたくさんいる場所で鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしましょう。

出典

WHO
Influenza at the human-animal interface
Summary and assessment as of25February2014
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/Influenza_Summary_IRA_HA_interface_
25Feburary14.pdf?ua=1[PDF形式:335KB]