厚生労働省

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厚生労働省

プレスリリース


医薬食品局 食品安全部 企画情報課

国際食品室

室長 池田

担当 井関(内線2407)

(代表:03-5253-1111

(夜間直通:03-3595-2326)

平成21年6月23日

厚生労働省

農林水産省

第40回コーデックス連絡協議会の概要

第40回コーデックス連絡協議会を平成21年 6月19日(金曜日)に、三田共用会議所大会議室において、開催しました。主な質疑応答事項及び意見は以下のとおりです。

1 経緯

(1) 厚生労働省及び農林水産省は、コーデックス委員会の活動及び同委員会での我が国の活動状況を、消費者をはじめとする関係者に対して情報提供するとともに、検討議題に関する意見交換を行うためコーデックス連絡協議会を開催しています。

(2) 今回は、3月下旬から5月中旬の間に開催した第41回残留農薬部会、第37回食品表示部会及び第18回食品残留動物用医薬品部会についての報告と、6月下旬から開催を予定している第32回総会の主な検討議題の説明を行いました。

2 質疑応答及び意見交換の主な内容

(1)第41回残留農薬部会

・ 議題9の「残留農薬部会(CCPR)が適用するリスク分析の原則の改訂」に関し、Alternative GAPとはどのような手法か問われた。最大残留基準値(MRL)が、農薬の使用基準(GAP)を守り生産された農産物における農薬の残留試験結果に基づいて作成されることを説明した上で、1)各国ごとにGAPが異なるため、複数国からの残留試験データがある場合、各々の国または近くの国のGAPと組み合わせて評価する、2)その中で一番高いMRLを導き出す組合せを選び、このMRLをコーデックスMRL案として提案する、3)曝露評価の結果、推定短期摂取量が急性参照量(ARfD)を超過することが判明した場合には、2番目に高いMRLを導き出すGAPと残留試験の組合せを選択するということをFAO/WHO合同残留農薬専門家会合(JMPR)で行っていることを説明した。 ・ 議題6の「食品及び飼料のコーデックス分類の改訂原案」について、こうした分類は生物学的、科学的な分類や貿易量に加え、各国の食文化を考慮しなければ正確なものとならないのではないかとの意見が出された。これに対し、1)当該食品分類はMRLの対象を記述しやすくするためのものであり、各国の食文化といった食品の側からではなく、作物の側から分類しているものである、2)植物学、形態、農法等を考慮しているが、例えば使用後の農薬の挙動が同じであれば、分類学上異なる科に属する種であっても同一の分類に整理する場合がある等、説明した。

・ 議題8の「コーデックスを通じて世界的に調和されたMRLの実現」において、パイロットプロジェクトについて、途上国の多くが賛同し、一方でECが懸念を示したことについて、それぞれどのような理由があるのかを問われた。これに対し、パイロットプロジェクトは、各国で登録される前に、コーデックスMRLを定めるというものであることを説明するとともに、1)途上国にとっては、コーデックスMRLが設定されれば、自国での評価をしていない農薬を使用して生産された農産物であっても輸出出来るという貿易上のメリットがあること、2)ECについては、パイロットプロジェクトを実施することによる効果が図れない、あるいは先にコーデックスMRLが出来てしまうと自国の評価が活かせない、といった考えがあるように見受けられる旨を回答した。

(2) 第37回食品表示部会

・ 任意又は義務的に常に表示される栄養成分リストに、トランス脂肪酸を追加することについての日本のスタンスを問われ、食品安全委員会のファクトシートにもあるように、日本人一人当たりのトランス脂肪酸摂取量は必ずしも多くはなく、欧米の食生活を基本に、現時点でリストに加えるのは時期尚早と考えている旨回答した。

・ 有機食品に関するガイドラインで、使用許可資材として規定されているロテノン(デリス根に含まれる殺虫目的で使用する資材)について、使用に際しては水系に入らないよう限定することとの注釈を追加することで合意されたが、ロテノンを使用することによって地下水が汚染されるといった危険性もあると思うが、実効性をどのように担保していくのか問われ、どう実効性を担保していくかは、各国で考慮すべき問題であると回答した。

・ 遺伝子組換え/遺伝子操作技術由来食品の表示に関する勧告原案について、消費者のためにも世界的に推進していくべきと考えるが、今後日本はどう対応していくのか問われ、今後も部会で合意出来るように努力していきたいと考えているが、現在は、勧告原案の冒頭部分で議論がまとまらない状況であり、短期間での合意は難しいのではいないかと考えている旨回答した。一方で、遺伝子組換え表示については各国の事情も様々であり、統一の基準を作るのは困難である。作業をやめてしまうか、一定期間中断する等、何らかの手を打つ必要があるのではないかとの意見も出された。

(3) 第32回総会

・ 第25回一般原則部会から提起された事項として、コンセンサス形成促進のための方策があげられていることについて、コーデックスの原則は多数決だと思うが、これまでコンセンサスの形成を重視し、透明性を確保した運営を行ってきていると思うので、今後もこの方向性を維持して欲しいとの意見が出された。これに対し、コーデックスでは、多数決が原則ではなく、コンセンサスを得るための努力を最大限行ってきており、現在の取組を維持していくことが大事であると説明した。

・ 議題11b)「コーデックス事務局の評価」について、作業文書の中では、FAOとWHOの意見の食い違い等が記載されているが、FAO及びWHOに多大な出資をしている日本としては、何か発言するべきではないかとの意見に対し、事務局の体制にとどまらずFAO、WHOの予算、人員等様々な点について、大局的に見る必要がある旨回答した。また、コーデックスの年間予算については、拠出国の恣意による運営を防止する意味もあって、FAO及びWHOの通常予算から支出されているが、一方でコーデックスをサポートするための専門家会合の予算について、各国からも任意に支出されている例などにおいて、コーデックスの活動に間接的に貢献している国も多くあることを説明した。

(4) その他

・ 厚生労働省、農林水産省の組織について、消費者庁創設と関連して、農林水産省においては国際基準課が無くなると聞いており、厚生労働省においては国際食品室が無くなるという噂を聞いているが、今後、せっかく築き上げてきた国際対応が弱まるのではないかとの意見に対し、国際対応業務の重要性につき、皆様の声を頂戴することが重要であると回答するとともに、国際交渉への対応は、組織の問題というより、人材の問題であり、専門知識をもって対応できる者を増やすとともに個人の能力向上を図ることが重要であると回答した。また、コーデックスでの議論は長期間に渡るものであり、役所の人事異動の中で担当者が変わっていく中、いかにこれまでの蓄積を引き継いでいくかも重要である旨回答した。

お問い合わせ先

厚生労働省食品安全部企画情報課国際食品室

国際食品室長 池田 千絵子

担当:井関(電話:03-5253-1111 内線2407)

農林水産省消費・安全局国際基準課

調査官 山田 英也

担当:小出(電話:03-3502-8111 内線4471)
((直)03-3502-8732)

(注:資料配布は厚生労働省のみ)


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