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2023年3月31日 第51回 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(議事録)

健康局健康課

○日時

令和5年3月13日(金)15:00~17:00

 

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア8階 8D(オンライン開催)
(東京都千代田区内幸町2丁目2-3 日比谷国際ビル8階)


○議題

<審議事項>
1.次期国民健康づくり運動プラン案について
2.次期歯科口腔保健の推進に関する基本的事項案について
3.健康増進施設認定制度について
4.予防計画(保健所・地方衛生研究所等)について

○議事

第51回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会

○加藤健康課長補佐 では、定刻になりましたので、ただ今から第51回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会を開催いたします。本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます、健康局健康課の加藤と申します。委員の皆さまには、ご多忙の折、ご参加いただき御礼申し上げます。本日は、委員の皆さまには、オンラインにてご参加いただいております。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者および一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、ご承知おきください。なお、健康局長の佐原ですが、他の業務のため遅れております。到着次第、佐原よりごあいさつさせていただきます。
 議事に入る前に、ウェブ参加者への留意点、本日の出欠席状況について、ご説明いたします。まず、オンラインで参加の委員の皆さまに向けてお願いです。ビデオカメラはオンにしていただくこと。発言時以外は、マイクはミュートにしていただくこと。発言される場合には挙手をしていただき、部会長からの指名後、発言いただくこと。発言時にマイクをオンにしていただくこと。発言時に名前をおっしゃった上で発言してもらうこと。発言が終わったら、マイクをミュートにしてもらうこと。よろしくお願いいたします。なお、本会議はYouTubeによるライブ配信を行っておりますので、委員会中のチャット機能により資料提示等はお控えいただきますよう、お願い申し上げます。
 次に資料の確認をさせていただきます。事前にお送りしているファイルに不足がないかご確認ください。座席表、委員名簿、議事次第がございます。資料として資料1~6までの6つのファイル、および参考資料1~3が本日の配布資料になります。不備がございましたら、お申しつけください。
 次に出席および欠席状況でございますが、全委員28名中24名が出席されており、過半数を超えていることから、会が成立することを報告いたします。本日は、委員の方はウェブでのご参加になり、座席表上にご出席委員を記載しております。ご欠席委員については、田代委員、達増委員、津金委員、松下委員から、ご欠席の連絡を受けております。なお、友岡委員、白井委員におかれては、遅れてご出席と伺っております。それでは以後の進行は、辻部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○辻部会長 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。早速、本日の議題に入りたいと思います。時間の都合上、審議事項1および2につきましては、説明と質疑をまとめて行いたいと思います。まずは審議事項1について、事務局からご説明お願いします。なお、資料は事前に送付されていますので、審議時間確保のため説明は簡潔にお願いいたします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。審議事項1につきまして、ご説明を申し上げます。審議事項1の詳細に入る前に、歯科専門委員会と次期策定専門委員会において今まで審議事項1と2について議論をしてきたところでございまして、そこの関係性について、改めて簡単に申し上げます。参考資料1でございますけれども、次期プランのうち、歯・口腔領域以外につきましては、次期策定専門委員会で、歯・口腔領域および次期歯科基本的事項については、歯科専門委員会で議論をしていたというところでございまして、その議論が取りまとまり、ここの図中にあります矢印のとおり、この栄養部会にご報告をさせていただいているという場面であるということをご理解いただければと思います。
 では、審議事項1のほうの詳細について、ご説明差し上げます。資料1になります。健康日本21(第二次)に続きます、次期プランにつきましては、引き続き大臣告示という形でお示しすることとしております。それがこの資料1でございますが、大臣告示という性質上、全てを書き切ることも、なかなか難しいという事情もございまして、資料2、こちら説明資料案というふうにしてございますけれども、資料1の告示に書き切れませんでした考え方あるいはデータ、エビデンスといったものを記載しておるものでございます。ただ、資料1がコアの部分でございまして、その補足としての資料2でございますので、今日の説明あるいは先生方のご議論も、資料1のほうを中心にお願いできれば幸いでございます。
 では、資料1について、ご説明を申し上げます。横書きの1ページ目でございます。冒頭、「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」という正式名称でございまして、こちらのページは、次期プランのビジョンついて記載をしているところでございます。参考資料の2の1ページ目も併せてご覧いただければと思いますが、これまでの課題や背景等を踏まえまして、ビジョンといたしまして、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」を掲げて、これまで議論をしてきたというところでございます。このビジョン案につきましては、昨年11月の栄養部会でもお示しをしておったところでございまして、そこでもおおむね了承いただいていたという認識でございます。
 資料1に戻りまして、2ページ目に移ります。第一と書いてある少し前でございますが、健康日本21(第三次)というふうに記載してございまして、次期プラン、略称としましては、このような形で考えておるところでございます。
第一とございます基本的な事項というのは、先ほど申し上げました、ビジョン達成のための柱について記載をしているところでございます。参考資料の2ページ目も併せてご覧いただければと思いますが、こちらも昨年11月お示しした資料でございます。健康寿命の延伸、健康格差の縮小というところを大目標といたしまして、青色の個人の行動と健康状態の改善、緑色の社会環境の質の向上という2つを通じて、大目標の達成を目指すというものでございます。青色と緑色の関係性につきまして、緑色の社会環境の質の向上が、青色の個人の行動と健康状態の改善を促すという関係性を表したものでございます。
 この図表につきまして、11月の栄養部会でもおおむねご了承いただいたかと思いますが、緑色の社会環境の質の向上のほうが、少し重要じゃないように見えるというご指摘も頂いておりました。それを踏まえまして、資料1の3ページ目ございますけれども、「なお」以下でございます。3行目、個人の行動と健康状態の改善のみが健康寿命の延伸等につながるわけではなく、社会環境の質の向上自体も非常に重要であるという旨、記載しているところでございます。
 続きまして5ページ目になります。漢数字の四でございます。「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」とございます。こちらは、もともと11月時点では、ライフコースと書いてあったところを、参考資料2も併せまして、このような表記に変えさせていただいておるところでございます。これは専門委員会でもライフコースという言葉、あるいはライフコースアプローチという言葉も、少し分かりづらいというご指摘も頂いていたところでございまして、それを踏まえて、少し説明を加えさせていただいたという形でございます。
 資料1の5ページ目、2段落目でございますが、「現在の健康状態はこれまでの自らの生活習慣や社会環境等の影響を受ける可能性、次世代の健康にも影響を及ぼす可能性がある。これらを踏まえライフコースアプローチ(胎児期から高齢期に至るまでの人の生涯を経時的に捉えた健康づくり)」ということで、定義を置かさせていただいているところでございます。後ほど他のセクションでも、この考え方をもう少し深掘りしたような記載がございまして、そうしたもの併せまして、自治体含め現場の方に、この考え方をうまく伝えていければというふうに考えてる次第でございます。
 続いて7ページ目になります。「目標設定の考え方」というところでございまして、今、申し上げました、それぞれの柱に関連した目標の設定につきまして、考え方を述べているところでございます。1番、健康寿命の延伸、健康格差の縮小につきましては、先ほど申し上げましたとおり、最終的な目標ということでございます。
 7ページ目、下の「個人の行動と健康状態の改善」の1番、生活習慣の改善につきましては、これまで栄養・食生活、身体活動・運動等、さまざま取り組みをしてきたところでございますが、それを引き続き取り組むと。その関連した目標を設定するということでございます。
 9ページ目に移りまして、漢数字の二、「生活習慣病の予防」というところでございます。先ほど申し上げました、生活習慣の改善といったものを通じまして、生活習慣病の発症予防、重症化予防を目指すと。その関連の目標を設定しているところでございます。第二次から引き続きまして、がん、循環器病、糖尿病、COPDというものについて、目標を設定するということでございます。
 一点、生活習慣病(NCDs)というふうな表記になっておりますけれども、こちらにつきまして補足させていただきます。専門委員会で生活習慣病という名称につきまして、生活習慣が怠惰、あるいはきちんとしていないから、こうした病気に罹患するんじゃないかというスティグマを生むという、ご指摘を頂いたところでございます。
 一方で生活習慣病という言葉自体は、広く定着しておるところでございまして、にわかに他の言葉に置き換えるというのも、なかなか難しいということでございまして、中長期的には用語の在り方も含めてということでございますが、今回は、このような形の表記とさせていただいたところでございます。資料の2のほうに、この今、私、申し上げました考え方だったり、背景については記載をさせていただいてございます。
 10ページ目でございます。一番下の三、「生活機能の維持・向上」というところございますが、11ページにわたります。健康寿命の延伸のためには、生活習慣病予防以外にも心身の健康の維持・生活機能の向上といったものが重要ということでございまして、ロコモティブシンドローム、骨粗しょう症、こころの健康といったものを書かさせていただいております。
 11ページの3番、「社会環境の質の向上」でございますが、こちらも3つございまして、1つ目、社会とのつながり、こころの健康というところでございます。ソーシャルキャピタルの醸成、あるいはメンタルヘルス関係について目標を設定してございます。
 12ページ、2番、「自然に健康になれる環境づくり」でございます。栄養・食生活、身体活動・運動等で、幅広い世代へのアプローチとして、自然に健康になれる環境づくり、進んでおりますので、それに関連する目標ということでございます。
 3番、「誰もがアクセスできる健康増進のための基盤整備」というところでございます。これまでも自治体以外、企業、民間団体等、さまざま取り組みが進んでおるところでございますけれども、それをさらに進めるということで、健康経営とか産業保健に関する目標を設定してございます。
 4番、「ライフコースアプローチ」、13ページになります。こちらは先ほど申し上げた、少し深掘りした記載というところでございますが、2段落目、幼少期からの生活習慣や健康状態は、成長してからの健康状態にも大きく影響を与えるということから、こどもの健康、あるいは妊婦の健康というのが重要ではないかということ。次の段落でございますが、高齢者の健康ということで、高齢者ご自身だけではなくて、若年期からの取り組みが重要ではないかということ。
 14ページでございますが、女性につきましては、人生の各段階における健康課題といったものが、どんどん変わっていくということで、まさに女性の人生の在り方、ライフコースといったものを考えつつ、取り組みを進める必要があるということで、目標をそれぞれ設定しているものでございます。
 14ページ、第三、都道府県・市町村計画関係でございます。1番、「目標の設定と分析・評価等」というところでございますが、これは計画策定に当たってPDCAサイクルをしっかり回していただく、あるいはデータベース、統計等をしっかり活用していただくという旨でございます。
 2番、都道府県の関係でございますが、15ページ。都道府県は庁内連携をしながら計画を作る。あるいは自治体内の健康格差の是正に向けた取り組みを位置付けることを努める。市町村、医療保険者、企業等さまざまなステークホルダーがいる中の中心的な役割を担う、データの活用、分析を通じて、市町村の計画策定支援を行うということでございます。
 15ページの下半分の部分は、健康増進計画と関連する計画といたしまして、医療計画、医療費適正化計画等につきまして、調和を取っていく旨、記載しているところでございまして、今回、新たにデータヘルス計画だったり、成育に関する計画というものも明記しているところでございます。
 3番、市町村の役割、16ページでございますが、市町村は都道府県、保健所とも連携しつつ計画の策定に努める。あるいは都道府県と同様に関連する計画との調和を配慮するという旨、記載しております。
 17ページ、第四の調査の関係でございますけれども、1番の部分は、国民健康・栄養調査等、国は引き続きしっかり調査も行っていく、あるいは研究というのも、引き続き取り組みを進めていくという旨でございますが、18ページでございます。「さらに」とあるところ、PHRの利活用をさらに進めるだったり、あるいはビッグデータといったものも見据えながら、健康づくりを行う旨、記載してございます。
 18ページの第五以降でございますが、健康増進事業実施者、自治体や保険者ございますけれども、それらの連携および協力に関する事項という部分でございまして、ここでは健診データの円滑な引き継ぎ、あるいは複数の種類の健診の同時実施といった取り組みについて記載をしているところでございます。これをさらに今もやってる自治体等ございますけれども、さらに広めていくということでございます。
 19ページ、第六、正しい知識の普及に関する事項という部分でございます。1番、基本的な考え方というところで、健康増進には国民に対する十分かつ的確な情報提供が重要であると。20ページにわたりますけれども、科学的知見に基づく、あるいは魅力的、効果的なものとなるような工夫の仕方をしながら、情報提供を行うということでございます。
 その数行先ですが、健康増進に係るスティグマの解消に努めるということで、先ほどご紹介いたしました、生活習慣病という用語に対するスティグマも含め解消に努めていただくということを記載してございます。
 次の段落でございますが、情報提供に当たっては、ホームページ、SNSの活用といったさまざまな方法の活用をお願いするということ。また、誤った情報、著しく偏った情報など含まれ得るということの注意喚起だったり、広く国民の方がしっかりアクセスできるような基盤整備に努めるという旨、記載してございます。
 20ページ、21ページ、健康増進普及月間等につきましては、厚生労働省で行っております、種々のキャンペーンについて記載をしているところでございます。
 21ページ、第七、その他でございます。1、多様な主体による連携・協力でございまして、こちら他のセクションでも同様の記載ございますけれども、行政だけではなくて、地域の関係者あるいは民間、NPO、NGO、住民組織といったさまざまな関係者の連携、そのために地方自治体が、ハブになっていただくということを記載してございます。
 2番、関係する行政分野との連携ということで、行政内の連携でございますが、健康部局と医療、産業保健、母子保健、生活保護等々との連携、あるいは厚生労働分野以外でも教育、スポーツ、まちづくり、経済・産業等の連携というものをしっかり行っていただくということでございます。
 3番、具体的な方策の策定というところでございますが、これまで健康増進計画だったり、プランというものをいろいろ作ってきたわけでございますが、さらにその先の実際現場でどのようなアクションを取っていくか、方策を取るのかといったところについて、さらに取り組みを進める必要があろうと考えております。そのため国は具体的な方策、アクションプラン等の策定に取り組みという旨を記載してございます。
 23ページ、4番、デジタル、5番、人材に関しては、今申し上げましたアクションプランの一環とも呼べるものでございますけれども、デジタルについてはDXが進んでいる中で、健康づくりもデジタル化というのを進めていく。人材につきましては、さまざまな専門職等につきまして、人材の確保、資質の向上、あるいは多職種連携の促進といったものを記載してございます。
 24ページ、第六、その他でございますが、今回、計画期間が12年間と非常に長いので、地球温暖化、気候変動、災害、新興・再興感染症、孤独・孤立といった、さまざまなファクターによる健康への影響というものも、頭に入れながら健康づくりを行う旨、記載してございます。
 24ページ以降、別表とございますのは、先ほどご説明いたしました、目標の考え方について、具体的な目標あるいは目標値を並べておるところでございます。こちらについても簡単にご説明を申し上げます。別表第一の①、健康寿命の延伸、第二次から引き続き最上位の目標でございます。②番でございますが、これは今までは健康寿命の格差ということで、最長県と最短県の差を見ておったところでございますが、今回は上位4分の1と下位4分の1の比較ということで、上位4分の1だけではなくて、下位4分の1もしっかり底上げしておくということで、全体的な格差の是正を目指すというものでございます。
 25ページ、(1)栄養・食生活でございますが、①、②の肥満あるいはBMIの関係は、現在もございますが、こちらについては、最新のトレンド等を踏まえた目標値を再設定してございます。④、⑤、⑥、野菜、果物、食塩につきましても、ラインナップは現行どおりでございますけれども、最新のエビデンス等を踏まえた設定をしてございます。
 27ページ、身体活動・運動につきましても、ラインナップは同様でございますが、目標値につきまして、直近のトレンドを踏まえた推計をしております。
 28ページ、睡眠の関係でございますけれども、こちらについて、①睡眠で休養が取れてる者、これまであったところでございますが、②番、睡眠時間を直近のエビデンス等を踏まえて、新規に設定してございます。(4)の飲酒、29ページ、(5)喫煙につきましても、ラインナップは現行とほぼ同様でございますけれども、第二次の目標について達成できなかったということも踏まえまして、第二次の目標をまずは達成するという趣旨で、そのまま目標値を置いておるというものでございます。
 30ページ、6、歯・口腔につきましては、後ほどご説明いたします歯科基本的事項の中から、健康づくりに特に関連の深いものを抽出しておるというものでございます。
 31ページ、がん、32ページ、循環器病につきましては、がん計画、循環器病計画、医療費適正化計画といった関連する計画との歩調をそろえておるというものでございます。
 32ページの②、③、高血圧、脂質のみ、それぞれモデル等を作って、目標値を置いておるところでございます。
 33ページの糖尿病につきましても、ラインナップは同様でございますが、直近のトレンド、あるいは第二次の目標の達成具合といったものを踏まえた再設定をしてございます。
 35ページ、COPD、こちらCOPDという言葉の認知度ではなく、死亡率ということで、健康づくりの成果をできる限り捉えていきたいということでございます。
 生活機能の維持・向上につきましては、ロコモ、心理的苦痛、現行どおりでございますが、骨粗鬆症を追加してございます。
 36ページ、社会とのつながり、こちらもおおむねラインナップは、そのままでございますけれども、直近のエビデンス等を踏まえまして、例えばソーシャルキャピタルについては、目標値の取り方を変えていたり、あるいは④、⑤については、省内の他部局と連携しながら取り組みを進めるというものでございます。
 37ページ、自然に健康になる環境づくりにつきましても、直近の動きということで、①番、食環境イニシアチブについては、厚生労働省で立ち上げましたイニシアチブを踏まえた目標ということでございます。②番、国交省の取り組みと足並みをそろえてございます。
 38ページ、基盤整備でございますが、①SLPにつきましては、これまで参画数としていたところを、活動数というふうにアップデートしてございます。②番、健康経営、④番、産業保健につきましては、経済産業省だったり、あるいは省内の他部局の計画と連動しておるものでございます。
 39ページ以降、ライフコースアプローチを踏まえた健康づくりでございますが、子ども、高齢者、女性につきまして、今まで申し上げました目標をさらに性別に切ったり、あるいは年齢別に区切って、目標値の再設定、あるいは再掲というものをしているものでございます。 
目標につきましては、今申し上げたとおりですが、この考え方、背景としてでございますが、まず全体おおむね50程度ということで、現行どおりにまずはそろえるということでございます。加えまして、健康に関するエビデンスだったり、トレンドといったものを今申し上げましたけれども、そういったものをしっかり配慮するということ。あるいはデータソース、できるだけフォローアップが可能な公的なものを使うということで、抽出させていただいた結果ということで、ご理解いただければと思います。長くなりましたが、いったん私のほうからの説明は以上になります。
○辻部会長 どうもありがとうございました。
○加藤健康課長補佐 辻部会長、すいません、事務局なんですが、健康局長の佐原が到着しましたので、健康局長の佐原よりごあいさつ申し上げます。
○辻部会長 分かりました。それでは、どうぞ局長、よろしくお願いします。
○佐原健康局長 健康局長の佐原です。国会のため、遅れて参加となりまして、失礼いたしました。第51回の栄養部会の開催に当たりまして、ごあいさつ申し上げます。まず、委員の皆さま方におかれましては、ご多忙のところ本部会にご参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、いつも健康行政に対してご理解、ご協力を頂きまして、誠にありがとうございます。
 本日のこの部会の審議事項としましては、次第にありますとおり、4点の項目を挙げております。1つ目、2つ目の議題であります、次期国民健康づくり運動プラン、今、山本が説明したと思います。それから、これから説明すると思いますが、次期歯科口腔保健の推進に関する基本的事項につきましては、昨年9月から専門委員会において、それぞれ議論がなされまして、先日、取りまとめられたところであります。委員の皆さまには、本日、告示案等についてご議論をお願いしたいと考えております。
 それから、3つ目の健康増進施設の認定制度につきまして、これはさらなる制度の普及を促すために、運用の明確化を図るものになります。委員の皆さまには、その方針案についてご議論をお願いしたいと考えております。
 それから、4つ目でありますけれども、これは昨年12月に成立しました改正の感染症法における予防計画につきまして、保健所体制および地方衛生研究所等における検査に関する考え方をお諮りするものになります。委員の皆さまには、方針案についてご議論をお願いいたします。以上につきまして、委員の皆さまには忌憚(きたん)のないご意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。途中になりまして、失礼いたしました。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○辻部会長 ありがとうございました。では、審議事項2に戻ってよろしいでしょうか。では、審議事項2につきまして、事務局からご説明お願いします。
○和田歯科口腔保健推進室長 歯科口腔推進室長の和田でございます。お手元に資料3をご用意いただきたいと思います。私から資料3の次期歯科口腔保健の推進に関する基本的事項、素案について、簡単にご説明をさせていただきます。これからご説明させていただく内容は、告示の素案でございますので、今後、調整の過程で若干の変更が加わる可能性があることについて、ご承知おきいただければと思います。
 また、参考資料の3では、本基本的事項の内容について、イメージ図や概要をお示ししておりますので、併せてご用意いただければと思います。歯・口腔の健康づくりに関しましては、平成23年の8月に成立いたしました、歯科口腔保健の推進に関する法律に基づき、歯科口腔保健に関する施策を総合的に推進するために、歯科口腔保健の推進に関する基本的事項を策定するとされております。
 第一次の歯科口腔保健の推進に関する基本的事項につきましては、平成24年に策定され、昨年、最終評価を実施していただいたところでございます。なお、令和6年度から開始予定の第二次の本基本的事項につきましては、健康日本21(第三次)と有機的な連携を図り、内容面でも整合性を持たせており、本部会の下にございます、歯科口腔保健の推進に関する専門委員会におきまして、ご議論いただいたところでございます。
 歯科口腔保健の推進に関する基本的事項(第2次)につきましては、昨年11月の本部会におきまして、骨子案をご説明させていただいておりますが、本年2月に開催された歯科口腔保健の推進に関する専門委員会において、素案を取りまとめたところでございます。基本的な内容につきましては、以前ご説明させていただいた骨子、および第1次の歯科口腔保健の推進に関する基本的事項の内容がベースとなっております。
 全体の構成につきましては、前文として総論的な内容をお示ししており、その後、第一「歯科口腔保健の推進のための基本的な方針」から、第六「その他歯科口腔保健の推進に関する重要事項」まで6つの内容で構成されております。
 また、参考資料3の6ページ目になりますが、概要をお示ししております。資料3の1ページをご覧ください。前半部分につきましては、総論的な内容で、なぜ歯科口腔保健の推進に取り組むのか、歯科口腔保健の社会的存在意義等をお示しした、歯科口腔保健パーパスの内容について説明しております。歯科口腔保健パーパスにつきましては、以前ご説明させていただきましたが、イメージ図として参考資料3の2ページ目でも、お示しをしております。
 資料3に戻っていただきまして、1パラグラフ目でございますが、歯・口腔の健康づくりの取り組みを、さらに強化していくことの背景などを記載しております。2パラグラフ目には、歯科口腔保健に係る取り組みの成果により、子どものう蝕の減少など口腔状態が改善している点、歯科口腔保健の推進のための社会環境が整備されてきている点を記載しております。
 一方で、依然として歯周病などの一部の歯科疾患は、罹患(りかん)状況が高いこと、さらには、歯・口腔に関する健康格差などの課題が指摘されていることについて、記載をしております。
 その下の3パラグラフ目になりますが、こうした状況を踏まえまして、歯科口腔保健パーパスである「全ての国民にとって健康で質の高い生活を営む基盤となる生涯を通じた歯科口腔保健を実現すること」を目的といたしまして、さまざまな分野と相互連携を図り、歯科口腔保健に関する国および地方公共団体の施策などを、総合的に推進するための基本的な事項を示すという方向性を示してございます。
 なお、その期間につきましては、健康日本21と足並みをそろえまして、令和6年度から令和17年度までの期間とし、歯科口腔保健の推進に関する基本的事項(第2次)につきましては、「歯・口腔の健康づくりプラン」という名称で、歯・口腔の健康づくりを進めていくこととしております。
 個別の内容に移りますが、まず、第一では歯科口腔保健の推進のための基本な方針をお示ししております。基本的な方針の総論におきましては、歯科口腔保健の推進に関するグランドデザインとしてお示しをしている、歯科口腔保健施策が目指していく方向性を具体的に記載しております。グランドデザインにつきましては、参考資料の3の3ページ目にも記載をしてございます。
 資料3に戻っていきます。ワンパラグラフ目になりますが、歯科口腔保健の推進に向けて、関係機関や関係職種と連携して取り組む旨が記載されてございます。2ページ目になりますけれども、生涯を通じた歯科口腔保健の推進を効果的に行うためのライフステージの特性を踏まえるとともに、ライフコースアプローチに基づく歯・口腔の健康づくりの推進に取り組む旨を記載してございます。
 なお、第一の基本的な方針につきましては、一、「歯・口腔に関する健康格差の縮小」、二、「歯科疾患の予防」、三、「口腔機能の獲得・維持・向上」、四、「定期的に歯科検診、または歯科医療を受けることが困難な者に対する歯科口腔保健」、五、「歯科口腔保健を推進するために必要な社会環境の整備」について、それぞれ取り組み内容や方向性を記載してございます。
 続いて3ページ目になりますが、第二といたしまして、歯科口腔保健を推進するための目標・計画に関する事項をお示ししてございます。第一でお示しし、基本的な方針の目標や計画の設定方法について記載してございます。一の「目標・計画の設定および評価の考え方」につきましては、ワンパラグラフ目になりますが、歯科口腔保健の関係者が共通の認識として持つ、科学的根拠に基づいた継続的に実態把握が可能な指標を原則とすることを記載してございます。
 また、中間評価および最終評価や目標値の設定等の時期につきましては、目標・計画の設定および評価の考え方の健康日本21(第三次)と足並みをそろえたスケジュールとしておりまして、参考資料3の5ページにスケジュールをお示ししてございます。
 続きまして資料3にお戻りいただきまして、二、「歯科口腔保健を推進するための目標・計画」でございます。3ページ目の下段から5ページ目にかけて、基本的な方針で示された5つの事項に対する目標と計画の考え方を記載してございます。歯・口腔の健康づくりプランでは、従前設定されていなかった1、「歯・口腔の健康格差の縮小」に関して目標や指標を設定してございます。
 続きまして4ページ目になりますが、歯科疾患の予防と4ページ目の下段から5ページ目中段にかけて記載しております3、「口腔機能の獲得・維持・向上における目標・計画」につきましては、それぞれの時期において、歯科疾患や口腔機能の特性が異なりますので、より詳しくライフステージに分けて方針を記載し、年齢調整を行った指標も設定しているところでございます。
 5ページ目の4、「定期的に歯科検診または歯科医療を受ける困難な者に対する歯科口腔保健」につきましては、今回は在宅で生活する者などに関しましても、取り組みを進めていく旨を明示してございます。
 また、5、「歯科口腔保健を推進するために必要な社会環境の整備」につきましては、ストラクチャー指標等を充実させておりまして、歯科検診に係る事業の取り組みをはじめ、ストラクチャーに係る具体的な取り組みを記載しているところでございます。
 続きまして5ページ目の下から5行目、第三、「都道府県および市町村の歯科口腔保健の基本的事項の策定に関する事項」でございます。ここでは都道府県や市町村における目標・計画の設定および評価の方針や、6ページ目の中段になりますが、二といたしまして、目標や計画策定の留意事項をお示ししております。この留意事項につきましては、都道府県、保健所、市町村で求められる役割が異なりますので、それぞれより詳細に記載をしているところでございます。
 続きまして7ページ目になります。第四といたしまして、「歯科口腔保健を担う人材の確保・育成に関する事項」を記載しております。従前はその他の項目として記載されていた内容でございますが、歯科口腔保健を推進する上で人材の確保・育成の重要性をご指摘いただきましたので、一つの項目としてお示しをいたしました。ここでは国および地方公共団体における歯科専門職や歯科口腔保健を担当する関係者の確保、資質向上に関して記載をしてございます。また、2パラグラフ目になりますが、これらの人材を確保するために、関係団体などと連携を図りつつ、研修の充実を図る旨を記載してございます。
 続きまして第五といたしまして、「調査および研究に関する基本的な事項」を記載しております。ここでは歯科口腔保健の取り組みを進めるための基礎資料となる調査や研究に関する内容を記載しております。8ページ目になりますが、2パラグラフ目に効果的に歯科口腔保健の推進に関する施策が実施できるよう、国および地方公共団体は、関係機関と連携を図りつつ、全国規模で健康情報を収集できるような仕組みを構築するよう努める旨を記載しているところでございます。
 最後に第六でございますが、「その他歯科口腔保健の推進に関する重要事項」について記載してございます。1つ目は、歯科口腔保健に関する正しい知識の普及に関する事項でございます。歯科口腔保健の推進に当たりまして、国民一人一人の意識と行動変容が重要であり、そのために十分かつ的確な情報提供や、取り組みに結び付きやすい魅力的、効果的かつ効率的なものとなるよう、工夫することなどを記載してございます。
 2つ目は、「歯科口腔保健を担う者の連携および協力に関する事項」でございます。ここでは、歯科口腔保健に係る体制確保や整備を進めるための関係者との連携や、歯科口腔保健を推進するための関係機関との連携について記載してございます。また、口腔と全身との関係から、医科歯科連携などに関する内容も記載してございます。
 3つ目は、9ページ目になりますが、「大規模災害時の歯科口腔保健に関する事項」でございます。この項目については、以前は項目を立ててお示ししていなかったものになりますが、災害発生時の二次的な健康被害を予防するための歯科口腔保健の重要性、あるいは地方公共団体における大規模災害時の歯科口腔保健等に関する活動指針の策定などの対応について、重要性をご指摘いただきましたので、新たに一つの項目として記載をしているところでございます。
 また、別表といたしまして、それぞれの基本方針に沿った目標、指標、目標値を記載してございます。参考資料の3の一番最後のスライドにおきましても、一覧としてお示しをしてございますので、ご参考にしていただければと思います。また、資料4につきましては、歯・口腔の健康づくりプランの説明用資料として、指標の考え方などを示した文書を現在作成中でございます。私の説明は以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございました。審議事項1につきまして、本日ご欠席の達増委員よりご意見を事前に頂いておりますので、事務局からご説明お願いします。
○山本健康課長補佐 達増委員から頂いております意見につきまして、代読させていただきます。「今回の審議事項である、次期国民健康づくり運動プラン案等について示された論点の方向性について異論はありませんが、都道府県の立場から何点か意見を述べさせていただきます」ということで、審議事項1に関連してでございます。「今後、国は地方公共団体の取り組みに資するよう具体的な方策、アクションプラン等の策定に取り組むこととされたことから、地方公共団体の取り組みに対して必要な財政支援に努めるとともに、都道府県間の健康格差の縮小に向けて、より実効性のある施策に取り組んでいただきたい」。以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございます。それでは、審議事項1および審議事項2につきまして、委員の皆さまからご質問、ご意見を頂きたいと思います。なお、ご質問、ご意見いただく際は、審議事項1なのか2なのか、そのいずれに関連するか、そして資料1~4のいずれに関連するかということを明示していただくようにお願いいたします。では、お願いいたします。荒籾委員からお願いします。
○荒籾委員 健康日本21推進全国連絡協議会の荒籾でございます。私からは審議事項1の資料1についてでございます。資料1の21ページ目、第七の一ですが、「多様な主体による連携および協力」というところで、第三次を推進されるために行政だけでなく、各部門の協力が必要であるとされておりまして、保健、医療、福祉等の連携とうたっております。健康日本21推進全国連絡協議会と、スマート・ライフ・プロジェクトという組織がございまして、前段の健康日本21推進全国連絡協議会におきましては、保健、医療、福祉、運動、栄養等、各専門機関、専門職の職能団体等が集まっており、また、大学の研究機関、学会等も参画している団体でございます。
 また、スマート・ライフ・プロジェクトにおきましては、民間企業等が集まって健康維持、増進、推進を図ってる組織でございますので、こういった連携を具現化、体現化している組織の活動についても、何らかの形でどこかに盛り込んでいただければ、推進のお役立てになるかと思いますので、ご検討をお願いいたします。
 それと2つ目はで、同じく資料1の23ページ目、五の「人材の育成」のところでございます。健康増進の取り組みには、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、栄養士等と記載されておりまして、医療につきましては医師の先生方、看護師の先生方、歯科口腔につきましては歯科医師、薬については薬剤師、生活習慣のところでは保健師、栄養のところについては管理栄養士の名前が記載されておりますが、健康日本21(第三次)の中で身体活動・運動というところも重要な位置付けとされているかと存じます。運動の専門家の名称が記載されていたほうがよいかと思いましたので、いろいろ制約があるかと思いますが、運動指導の専門家として健康運動指導士等というような文言を入れていただくことをご検討いただければと思います。健康日本21の第二次の大臣告示の際には、運動のほうにも文言が盛り込まれておりましたので、もし可能でございましたら、ご検討いただければと思います。
 それともう一つでございまして、資料1の27ページのところの「身体活動・運動」のところでございます。その前のページの栄養のところで、③「バランスの良い食事を摂っている者の増加」という文言がございますが、実は運動も種類がありまして、大きく分けますと、生活習慣病、肥満症、メタボリックシンドロームを予防する有酸素運動、それとサルコペニア、ロコモティブシンドローム等を予防できる無酸素運動、いわゆる筋力トレーニングですね。そういったものがございます。国民健康・栄養調査に基づいて作られているので、難しい部分もあるかと思いますが、どこかにその方の体力、年齢等に応じたバランスのいい有酸素運動と無酸素運動の実施とか、そういった文言をどこかで盛り込んでいただけると、さらなる安全で効果的な推進になるかと思います。以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございます。何名かの委員からご意見、ご質問いただいてから、まとめて事務局からご対応ということにしたいと思いますので、続きまして武見委員、お願いいたします。
○武見委員 武見です。よろしくお願いします。審議事項1について、2点意見申し上げます。まず資料の1の中で、11ページの「社会環境の質の向上」の社会とのつながりのところの目標、3つ目ですか、11ページの一番下に「共食をしている者」というのがあります。これは、36ページの別表第三のところにもあるんですけれども、これは資料2のほうの説明を読むと、家族との共食という、以上にというか、今回は社会とのつながりの観点で地域等で共食をしている者を増やす、それを目標とすると書いてあるので、やはり表現としては、地域等で共食をしている者というふうに、はっきり書いたほうがよろしいと思います。たぶん一般の方は共食というと、どうしても家庭をまずイメージされるので、今回は社会とのつながりというところを着目してるということで、地域等での共食をしている者の増加というふうに、資料1、資料2とも検討して修正していただけるとよろしいと思います。これが1点目です。
 それから2点目は、資料2の文言についてなので、細かいことなんですけれども、59ページの「循環器病領域のロジックモデル」、それから66ページに「糖尿病領域のロジックモデル」という、ロジックモデルという言葉が出てくるんですけれども、この図は目標間のつながりを示しているということで、とても分かりやすい図だと思うんですが、ただ、ロジックモデルというよりは、目標間のつながりの図なんですね。
 一方で、歯科のほうで、資料の4に入ってるロジックモデルを見ますと、そちらはいわゆるインプット、アウトプット、アウトカムという整理の中で、ロジックモデルっていうふうにされていて、一般的には、この歯科の作り方がロジックモデルとしては一般的というか、標準的に使われてるものだと思いますので、循環器病領域と糖尿病領域のところでロジックモデルという言葉を使われること、これが場合によっては誤解を招くと思いますので、そこについては修正をご検討いただきたいと思いました。以上です。
○辻部会長 ありがとうございました。では、田中委員、お願いします。
○田中委員 日本食生活協会、田中です。私のほうからは2点です。まずは審議事項の1、次期国民健康づくり運動プランについて、資料1の20ページの情報提供についてでございます。このたびホームページやSNSが追加されまして、現行の第二次で明記されていました健康増進に関するボランティア団体、産業界、医療保険者の記載がなくなっています。三次でも同様に残していただきたいと考えます。
 理由としましては、私どもの食生活改善推進員などのボランティア団体は、これまでホームページやSNSがない時代から、人から人への伝達という、今で言うソーシャルネットワークを使って、身近な立場で情報を提供してきました。まずはこの人とのつながりの中で、正しい情報の提供は日本の健康づくりの活動の歴史でもあり、今の長寿社会を築いた功績の一つであると考えています。人とのつながりが希薄になり、健康日本21の目標に地域の人々とのつながりが強いと思う者の増加を示す、あえて目標に示さないといけない時代だからこそ、三次にも二次同様に残していただきたいと考えています。ご検討お願いします。
 2点目でございます。荒籾委員とも重複するところがございますが、23ページの五の「人材育成」についてでございます。その前の21ページの「多様な主体による連携および協力」にもつながるところと考えておりますが、人材育成について現行の第二次では、専門職以外にも具体的に健康運動指導士などとの連携、食生活改善推進員、運動普及推進員、禁煙普及員などのボランティア組織と明記されています。このたびの三次では補足の説明資料、資料2の101ページに記載はありますが、告示のほうにも記載していただきたいと考えております。
 理由としましては、このたびの三次では、ビジョンにさまざまな担い手、プレイヤーの有機的な連携や社会環境の整備が掲げられており、現行の第二次よりも、さらなる国民の主体性を重視した取り組みや、多岐にわたる分野での連携を特徴としていると考えています。さまざまな担い手については、これまでボランティア、民間団体、住民組織と明記がありますが、具体的な名称については記載が入っておりません。ビジョンにも掲げている担い手を補足の説明資料への記載だけでは、重要さやイメージが伝わらないと考えております。国民がさまざまなプレイヤーとなって、活躍できる社会環境の整備やソーシャルキャピタルの醸成や活用にもつながり、それが誰一人取り残さない健康づくりの実現につながると考えておりますので、どうぞご検討をお願いしたいと考えております。以上2点、いろいろと制限があるとは存じますが、ご検討をお願いいたします。
○辻部会長 ありがとうございました。ただ今、3名の委員からご発言ありました。これにつきまして、事務局からご対応お願いします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。まず、頂いた意見として大変ありがたいものだと存じます。全体を通してですけれども、冒頭、私からも申し上げましたとおり、資料1というのが告示という法令である性質上、なかなか全てを書き切るのは難しいという制約もあるというところでございまして、その点も含めてご理解を頂ければ幸いでございます。その上でございますけども、荒籾委員から頂きました、多様な主体あるいはその連携といったところにつきましては、まさに連携協議会あるいはスマート・ライフ・プロジェクトといったところの重要性が、非常に高いかというふうに考えてございます。こうしたもの、まさにアクションプランで、今後展開していく時に、ぜひご協力あるいはご指導いただけたらというふうに思ってるところでございますが、書きぶりについては、どのようにするかというのは、検討させていただきたいと思います。
 人材の育成の部分についても同様でございまして、現行は、今のところはある程度記載もコンパクトに収めているというところでございます。先ほど田中委員からもございましたが、説明資料のほうでしっかり記載させていただいているところでございますけれども、そうした中で、どのようなことがあり得るかといったものを考えていく必要があるのかなと思います。
 27ページの身体活動・運動の関係、バランスの良い有酸素運動、無酸素運動につきましては、先生からもありましたとおり、国民健康・栄養調査等で、これを取ってるわけではないので、なかなかこれは告示には、にわかには難しいというふうに考えておりますけれども、何かしら補足できるのかと、あるいはどういった書きぶりがいいのかといったところは考えたいと思います。
 武見先生から頂きました、まず、ロジックモデルのほうですけれども、こちらについては、先生おっしゃるとおり、インプットの部分が今のものではないというところでございます。一方でロジックモデルの一部であるということはあるかと思いますので、そうした上で、どのような表記方法があるのかと、誤解があるのではないかというご指摘も踏まえつつ、どうしたやり方があるのかというのは考えたいと思います。共食の件につきましては、別の者からお答え申し上げます。
○齋藤栄養指導室長補佐 栄養指導室でございます。先ほど武見委員からご指摘いただきました共食に関しましては、委員ご指摘のとおり、今回は地域に共食を広げていく予定ですので、新しい項目であるということが伝わるように、ご指摘を踏まえて修正の方向で検討していきたいと思います。ありがとうございます。
○山本健康課長補佐 すいません、戻りまして、私のほうから田中委員からのご指摘について、ご回答申し上げます。20ページの部分、正しい知識の普及の部分につきまして、さまざま今まで保健所だったり、ボランティア団体の方に、ご尽力いただいて健康づくりというものが広まってきたという事実はあるかと思います。今のところ少し表記としては、省略したような形になっておるところでございまして、そこについてどういったものが、どこまで例示するかということを検討したいと思います。
 また、人材育成につきまして、先ほどの荒籾委員へのご指摘へのご回答と同様でございますけれども、どういったことがあり得るかと、どういったものができ得るかというところは検討したいと思います。以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございました。ご発言いただいた委員の皆さま、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。特に何かご追加ございますか。大丈夫ですね。では、次に植木委員からお願いします。
○植木委員 日本糖尿病学会の植木でございます。審議事項1につきまして、資料1で言いますと34ページ、資料2で言いますと69ページのところにございます、糖尿病有病者の増加の抑制の目標値についてでございます。目標値そのものに何か疑義があるわけではないのですけれども、糖尿病はいったん発症いたしますと、血糖コントロールがいくら良くなっても、糖尿病でなくなるわけではございませんので、糖尿病有病者というのは、今後のde novoの新規の発症者数が増加分で、亡くなった分がマイナス分になるわけで、糖尿病患者さんが予後が良くなれば、その増加の抑制は少なくなるわけです。ですので、この増加の抑制というのは、必ずしも悪いことばかりでは恐らくないということが、資料2の解説部分、恐らく予測のロジックの中には、組み込まれてるんだろうと思いますけれども、その要素が入ってるということの記載があったほうが分かりやすいというふうに思います。本来は糖尿病新規発症者数の抑制というのが、目標なんだろうと思うんですけれども、それがこれまで統計としても取られてないので、連続性の意味からも有病者数の増加の抑制というのは、理解は可能なのですけれども、その点について、もし万が一目標が達成しなかった場合にも、それは患者さんの予後が良くなったからなのかどうかということの分析も必要だろうと思いますので、その点、記載の仕方について、一つ工夫を願えればというふうに思いました。以上です。
○辻部会長 ありがとうございます。では、続きまして長津委員、お願いします。
○長津委員 日本薬剤師会の長津でございます。審議事項1についてでございます。お示しいただいた告示案に、おおむね賛同するところでございますが、その上で幾つか意見申し上げますので、ご検討いただきますようお願いいたします。まず全体としての感想ですけど、医療に係る要素というのが、かなり薄くなったのかなという感じがしてます。これは医療計画ですとか、がん対策ですとか、その他の計画が充実されているからかなということは、重々承知しておりますけども、ここに書かれた健康関連の施策というものを、どう地域でうまく進めていくかということにつきましては、地域医療の専門職を活用するという視点が非常に重要なのかなと思っております。
 私自身は薬剤師でございますので、薬剤師会の活動の中でも地域の医療ですとか、保健、福祉関係者などと連携を取りつつ、地域の健康の増進に寄与していると思いますけども、また、一薬局の薬剤師としましても、日々薬局で業務に当たっている中で、こうした施策に薬局や薬剤師が貢献できること、例えば検診の受診勧奨などは、まさしくそうだと思いますけども、そのようなこともたくさんあると思っております。
 薬局においては、近年、健康サポート薬局という地域住民の健康増進に寄与するということに関して、一定の要件を満たした薬局の制度が展開しているわけです。また、この届け出をしなくても、薬局全体が健康サポートの機能というものを充実、強化に取り組んでいる中です。で、ぜひ、こうした施策の実行に当たりましては、地域の専門職、薬局、薬剤師を活用するという考え方を加えていただきたいと考えております。
 さらに、もう一点なんですけども、別表第三の「社会環境の質の向上に関する目標について」というところですけども、健康日本21の第二次のところでは、健康づくりに関して、身近で専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点数の増加という項目がありました。これが推進のための資料では、栄養ケア・ステーションですとか、薬局の活動について言及いただいておりましたが、最終評価報告書では、先ほど申した健康サポート薬局については盛り込んでいただきましたところでございます。
 この項目は新しい今回の案では、「誰もがアクセスできる健康増進のための基盤整備」という項目になっているのだろうと理解しておりますけども、先に述べたような地域の多様な専門職の活動が落ちてしまっているという。ここは非常に重要と考えておりますので、先ほども申し上げましたが、地域の専門職を活用する視点というものを、ぜひ加えていただきたいと思います。例えばこのスマート・ライフ・プロジェクトの参画企業、団体につきましても、ホームページを拝見いたしましたが、業種ごとにくくられてしまっておりまして、その企業や団体が有している専門性というものが見えてきません。そうしたところも国民目線で、この活動主体の専門性が分かりやすい情報発信が必要だと考えます。
 また、最後でございますけども、確認させていただきたいのですが、資料1の20、21ページの「関係機関および関係団体」というところが示させております。そうした専門職の団体、私どもで言えば、薬剤師会というものが入っているという、これはその理解でよろしいかお尋ねいたします。以上でございます。よろしくお願いします。
○辻部会長 ありがとうございます。では、続きまして松本委員、お願いします。
○松本委員 全国保健師長会の松本です。私のほうから2点意見を申し上げたいと思います。まず1点目ですけれども、審議事項の1、「次期国民健康づくり運動プラン案について」でございます。この内容、確認をさせていただきましたところ、内容に特段問題があるということではないのですけれども、公衆衛生の視点といたしましては、ヘルスプロモーションという概念に基づいて、この運動が推進されているというふうに認識しております。このヘルスプロモーションという概念が、ここの中ではまったく触れられていないというような状況になっておりますので、専門家であります公衆衛生の立場から、何かをしようとした時には、このヘルスプロモーションというような文言が、どこかに入っている必要があるのではないかという点でございます。
 2点目でございますけれども、資料の2の健康日本21推進のための説明資料の32ページのほうには、社会経済的要因による格差ということで、コラム的にまとめていただいてはおるんですけれども、やはり貧困の問題というのは、非常にこの健康づくり運動プランにつきましては、大きな課題になるものというふうに考えておりますので、そこにつきましても格差の要因の一つということで、引き続き加えていただいてはいかがかという点でございます。以上でございます。ご検討いただければ幸いです。
○辻部会長 ありがとうございます。ただ今、3名の委員からご意見ございました。事務局からいかがでしょうか。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。植木委員から頂きました糖尿病の関係でございますけれども、先生からもご指摘を頂きましたが、有病者数といったところはアウトカムとして捉えていて、それは今、データとしてavailableなものから、こうしたものを立てているという背景がございます。先生がおっしゃるとおり重症化の観点とか、あるいは予後の観点とか、そうしたものが抜け落ちてしまっているということで、これが全て完璧なものであるということではないということでありますけれども、取り得るものの中で、こうした目標を立てさせていただいておるというところでございます。
 加えて先生からご指摘いただいたような点につきましては、中間評価あるいは最終評価といったところで、これまでと同様でございますけれども、さらに詳細な分析をして、いろんなファクターについて、もう少し広く捉えて、健康づくりに生かしていくということとしたいというふうに、考えている次第でございまして、まさに先生からも引き続きご指導いただければ幸いでございます。
 長津委員から頂きました関係でございますけれども、医療のまず要素が薄まっているのではないかということにつきまして、これも委員からご指摘のとおり医療計画、適正化計画、あるいは直近で申し上げますと、循環器病計画とか、新しいものが次々と整備されてきておるというところでございまして、そうした計画とのすみ分けとか、連携といったところで、今回も改訂を進めてきたところでございます。
 もちろん医療との関わりというのは、非常に今後も重要なところでございまして、そのためのアクションプランということで、今後どのような施策を進めていくか、しっかり検討していくということが、重要だというふうに考えているところでございます。まさに委員から頂きましたとおり、薬局といったところは、一つ大きなプレイヤーというふうになってくるというふうに承知しておりますので、その点につきまして、しっかりとわれわれのほうも、重要な論点ということで検討したいというふうに考えてございます。
 健康サポート薬局の関係につきまして、目標は先ほど申し上げたとおり、総合的に勘案したという結果でございまして、ただ、非常に重要な役割を持っているということは、そのとおりであるというふうに考えているところでございます。SLPの在り方等含めて、どのように民間あるいは他のセクターのプレイヤーの方を、巻き込んでいくかといったところについては、しっかりと検討していきたいというふうに考えてございます。
 最後の21ページ、関係団体というところにつきましては、委員からご指摘のとおり、薬剤師会も当然含んでいるという理解でおるところでございます。
 松本委員から頂きました1つ目の意見、ヘルスプロモーションという考え方についてでございますが、こちらにつきましては、資料2の冒頭でございます。6ページ目にヘルスプロモーションの考え方について、これまで国際的な潮流といったものを簡単でございますけれども、書かせていただいているところでございます。第二次から後の約10年間の動きというものも、ものすごく詳細ではございませんけれども、われわれのほうで記載をさせていただいているところでございます。こうした説明資料と併せて関係性等、あるいは概念の説明というものをしていきたいというふうに考えている次第でございます。
 加えまして、格差についてでございますが、おっしゃるとおり貧困との問題というところも指摘を頂いているところでございます。今回、関連する分野との連携という部分で、生活保護とか、あるいは生活困窮者自立支援制度というものを新たに入れさせていただいたのは、そうしたところの部局間連携というものを進めることによって、健康格差の問題にも取り組みが進んでいくことを期待してというものでございます。格差の問題につきましては、さまざま目標についても、しっかり事後的にも中間評価、最終評価でも分析するとか、そういった記載を散りばめさせていただいているところでございまして、われわれとしても、できる限りの対応をしていきたいというふうに考えている次第でございます。以上です。
○辻部会長 ご意見いただいた3名の先生方、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございます。では、続きまして松岡委員からお願いいたします。
○松岡委員 どうもありがとうございます。私のほうから2点、意見を述べさせていただきたいと思います。1点目ですが、この目標の上位目標になっている健康寿命ですけれども、この出し方については、資料の1の24ページに健康寿命の目標を定めております。その説明については、資料2の21ページの辺りにございますけれども、国民生活基礎調査のデータを基にしております。この中で、日常生活に制限のある不健康な期間として認識しているということをベースに出していると伺っております。ここの記載にもありますけれども、より客観性のあるデータなど、補完的な指標についても、引き続き研究を進めていただければと思います。
 2点目ですが、健康日本21は、保険者が保健事業を進める上で重要な指針となるものであります。逆に保険者の各種の保健事業の取り組みで、この目標を達成できていくといった部分も大きいと思います。保健局のほうで定めております医療費適正化計画など、これも今後定められていきますけれども、これらとも十分に連携を取っていただきまして、この健康日本21を中心となって担われる健康局におかれましても、保険者が行う保健事業のついても、十分注視していっていただければと思います。よろしくお願いします。以上です。
 
○辻部会長 ありがとうございます。では、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いいたします。私のほうでお願いしたいことは、この総論のほうにぜひ入れていただきたいのが、最初の前段のほうですね、健康づくりというと、どうしても非感染性疾患としてのNCDsということが説明があるんですけども、前回からも、この部会でも何回かお話が挙がったと思いますけれども、何年にもわたる新型コロナウイルスの感染症についても、やはり糖尿病であるとか、高血圧であるとか、いろいろな基礎疾患のコントロールが十分重要な、感染性疾患についても重要な事項だったと思うんですね。
 で、この非感染性疾患と感染性疾患を二分するものではないと思いますので、健康づくりの中に、NCDsということだけではなくて、健康習慣としての栄養、運動、睡眠とか、休養についても、これは基礎体力を付けるということで、免疫力の維持であると思いますので、そのような記載を入れていただいて、感染性疾患もこれで防ぐことができるというか、重症化を予防できるということが言えるんじゃないかなというふうに思ってます。従前からの結核についてもそうですので、その辺の視点を、ぜひ融合して入れていただきたいなと思います。
 また、細かいところなんですけども、COPDの死亡率を今度は指標に入れるということなんですが、これは年齢調整をしての死亡率と考えてよろしいんでしょうかという、高齢化に伴って、どうしても死亡率が高くなると思いますので、その辺を教えていただければと思います。以上です。
○辻部会長 では、水澤委員、お願いします。
○水澤委員 ありがとうございます。私のほうからは非常に簡単な質問を1つお願いします。資料2の72ページ~73ページに、ロコモティブシンドロームの話が出てきます。で、指標としまして、痛みだけが捉えられているのですけども、これはとても重要だと思いますので、これはこれで結構なのですが、ちょっと教えていただきたいのは、高齢者になりますと、今、フレイルとかサルコペニアという言葉もあるように、筋力低下、脱力というのは、かなりの大きなファクターかと思うのですが、それは入ってなくてもよいものかどうかです。そこをちょっと教えていただければと思います。以上です。
○辻部会長 ありがとうございます。では、米川委員、お願いします。
○米川委員 ありがとうございます。審議事項1について申し上げます。私は健康保険組合連合会から出ております。われわれ健康保険組合は、特定健診、特定保健指導という役割を担っておりまして、平成20年度から十数年続けておりますが、この特定健診、特定保健指導の効果は、本来、生活習慣病への移行を防ぐこと、医療費の適正化を目指すところですが現実を見ますと、今回の目標にもありますように、糖尿病の有病者数や、メタボリックシンドロームの予備群の数等に顕著な効果が出ておりません。事業主、それから被保険者、加入者に、とても負担をかけた事業ですので、この効果をぜひ今回の目標値にも、何とか取り入れたいと思っています。
 今回お示しいただいた目標値、特定健康診査の実施率、それから保健指導の実施率、ここに異論はないですが、この効果によって個人、それから健康経営の絡みから企業にとっても、従業員の生産性が向上している等、そういったものが見えるような指標を加えると、説得力が加わるのではないかと思います。
 例えば令和6年から特定保健指導では、体重と腹囲に2キロ、2センチのアウトカム評価が導入されます。ただ、このアウトカム評価をクリアできる人の割合である、労働生産性という意味で、有病率の方が減りましたといったことまで数値化できるのではないかなと思います。健康局だけではなく、保健局、これは経産省とも絡む話かも分かりませんが、指標の取り方について、ぜひご一考いただければと思っております。ありがとうございます。
○辻部会長 ありがとうございます。それでは事務局、お願いいたします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。最初、松岡委員から頂きました健康寿命の関係でございますけれども、委員からご指摘ありましたとおり、健康寿命につきましては、国民生活基礎調査の日常生活に支障があるかどうかという質問項目から、算出をしているものでございます。併せまして、補完的な目標というものも、しっかり示していくべきということで、資料2の20ページに記載があるところでございます。こちらにつきましては、健康寿命の在り方に関する有識者検討会の報告書等を踏まえました対応でございますけれども、委員ご指摘のとおり、さらに指標のブラッシュアップというのは、引き続き行っていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、保険者との関係性でございますけれども、今回の健康づくりプランが保険者の取り組みにも非常に使われているということで、認識しておるところでございます。また、健康増進計画側から保険者との連携というのも、非常に重要だと思っておりまして、今回、告示の本文でございますけれども、医療費適正化計画に加えまして、データヘルス計画とか、あるいは特定健診の実施計画との連携といったものも、明記をさせていただいているところでございます。
 こうしたところで、さらに現場レベルで連携が深まっていくということを、まず告示だったり、説明資料で書かせていただいたということで、加えてアクションプランということで、今後、実際にどのように展開していくかという際には、その点も非常に重要な要素だと考えておりますので、しっかりと考慮しながら、考えていきたいと思っております。
 白井委員から頂きました非感染性疾患とか感染性疾患の関係でございますが、ここに関しては、幾つかの部分で感染性疾患との、あるいは感染症との関係というものについては、少し告示本文だったり、説明資料のほうで書かせていただいておるところではございます。この計画が自治体の健康増進計画というところに落ちていく際には、ある程度この生活習慣病とか、あるいはNCDsといったところに、着目した取り組みになってくるというのは、今の現状からすると、そういったことが中心になってくるのかなとは思うんですけれども、最後の部分にも新興感染症、再興感染症との健康影響の在り方とか、あるいは前文の部分にも、次なる新興感染症も見据えた新しい生活様式の対応といったところで、頭出しはさせていただいているところでございます。
 エビデンスレベルでどういった、この運動とか栄養とかの取り組みが感染症の予防につながってくるかというところは、さまざま意見があるというふうに承知をしておるところでございます。こうしたものを踏まえまして、どういった示し方があるかといったところについては、引き続きできる範囲で、しっかりとお示ししたいというふうに考えてございます。
 2点目のCOPDの死亡率につきましては、年齢調整はしない方向でございます。この理由としては、今、高齢化しているところでございますが、COPDの死亡者数というのは、直近のトレンドでは減ってきているというところと、あとは公的な機関で今のところ、COPDの年齢調整がされている数値が出ていないといったところを踏まえてのデータでございます。ただ、年齢調整の在り方につきましては、引き続きしっかりとどういったものが適切なのかというのは、この12年間の間でも考えていきたいと思っております。
 水澤委員から頂きましたロコモの関係ですけれども、この目標については、第二次から引き続き取っておるところでございます。国民生活基礎調査にあるデータから、継続性も鑑みて取っておるところでございます。ロコモにつきましては、ロコモというか、フレイルあるいはサルコペニアについては、もう少し幅広い概念であるというのは、承知しておるところでございますけれども、取り得るデータの中で、この目標を設定しておるというところもございますので、全て事象を捉え切れてるわけではないという部分もあるとは思うんですけれども、こうした目標を立てさせていただいてるというところでございます。
 米川委員から頂きました特定健診、特定保健指導の関係でございますが、こちらにつきまして、保険者の方々が大変ご尽力されているということでございます。個人への、あるいは企業への効果といったものについては、なかなかにわかに今、これというものが、先ほど申し上げました、目標の考え方に沿うものがあるかというと、なかなか難しいのかなと思うんですけれども、先ほど別の項目でも申し上げましたとおり、中間評価、最終評価におきましては、さらに深掘りをする研究をしたいというふうに考えているところでございますので、ご指摘いただいた点も含めて、しっかりと検討したいというふうに思います。以上でございます。
○辻部会長 皆さん、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
○水澤委員 よいでしょうか。
○辻部会長 水澤委員、どうぞ。すいません。
○水澤委員 回答ありがとうございました。それは大変結構なのです。質問は、筋力低下というのは、項目にないのでしょうか、ということです。
○山本健康課長補佐 筋力低下を、そのものを測ってる指標はないかなと。
○水澤委員 そうですか。
○山本健康課長補佐 はい。それを踏まえて身体活動・運動分野としてどういった、あるいは社会環境分野のところで、どう捉えていくかということかと思います。
○水澤委員 恐らく増えるというか、サルコペニアという概念が出る前から、やはり力が入らないといったことが、かなり大きなファクターだというふうに思うのですけれども、ぜひこれは少し長期的な視点で検討したほうがよいかというふうに思いますので、よろしくお願いします。以上です。ありがとうございました。
○山本健康課長補佐 承知いたしました。研究というか、長期的な視点ということで、ご指摘承りました。
○辻部会長 ありがとうございました。それでは尾崎委員ですか。じゃあ、時間の関係で、尾崎委員で終わりにしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○尾崎委員 すいません、よろしくお願いいたします。私、資料4の歯科のほうに1つお願いがございます。資料4の第6章、人材育成のところ、54ページのところでございます。こちらの専門職の最後にで結構ですので、ケアマネジャー、介護支援専門員をぜひ加えていただければと思います。先生方ご存じのように、歯科の先生の指示書で衛生士さん等、訪問できると思うんですけれど、例えば医科の先生が担当しているところで、ケアマネジャーさんが、この方、訪問したほうがいいんじゃないか、歯のケアをしてもらったほうがいいんじゃないかといった時に、ケアマネジャーさんが気がついて、ケアプランに入れていただくような、そういったような働きかけがとても重要になってくるかと思いますので、そちらをご検討いただければと思います。以上です。ありがとうございました。
○辻部会長 事務局、いかがでしょうか。
○和田歯科口腔保健推進室長 事務局でございます。今、尾崎委員からご指摘いただいた介護関係者との連携は、非常に重要な点だと思いますので、説明事項に限らず基本的事項の中に入れられるかどうかも含めて、事務局で調整をしたいと思います。ありがとうございました。
○辻部会長 よろしいですか。ありがとうございました。それでは、審議事項1および2につきまして、委員の皆さまから、おおむねご了承いただいたというふうに考えてよろしゅうございますでしょうか。
 なお、幾つか大変貴重なご意見を頂きましたので、それにつきまして、修正をかけさせていただきたいと思いますが、その修正につきましては、部会長にご一任いただきたいというふうに思いますけども、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。お認めいただきました。ありがとうございます。それでは、審議事項1および2については、ご一任いただいたものとして、私と事務局で調整を進めたいと思います。今後のスケジュールにつきまして、事務局からお願いいたします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。今後につきましてでございますが、告示に向けまして所要の手続き、行政手続法に基づくパブリックコメント等など、準備を進めていくことになります。パブリックコメントを踏まえた修正等につきましては、再度本部会にご報告させていただく予定でございます。以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございました。では、続きまして審議事項3につきまして、事務局からご説明お願いします。
○小田健康課長補佐 健康局健康課、小田と申します。それでは、資料5を用いて説明差し上げたいと思います。今回、健康増進施設認定制度、こちらの運用の明確化について、先生方にご議論いただきたいと考えてございます。まずは、こちらの健康増進施設認定制度の概要について、簡潔にご紹介差し上げます。国民の健康づくりを推進する上で、適切な内容の施設を健康増進施設と認定しているところでございます。こちら大臣告示としまして、健康増進施設認定規程が定められてございます。こちらの認定規程に沿いまして健康増進施設、3類型ございます。
 まず一番上にお示ししておりますのが、運動型健康増進施設、こちら施設形態としましては、フィットネス等の運動施設でございます。2番目としまして、温泉利用型健康増進施設、こちらは上記の運動施設に加えまして、温泉設備を備えた施設でございます。一番下の温泉利用プログラム型健康増進施設、こちらは運動設備がなくて温泉設備のみというところでございます。それぞれ3類型ともに設備要件、人的要件、定めてございまして、これらに従って大臣認定をしているというところでございます。
 2ページ目でございます。先ほどの一番上の運動型健康増進施設の要件に加えまして、さらに運動療法が適した施設に、上乗せ要件を満たしたものにつきましては、指定運動療法施設と定めているところでございます。こちらの要件としましては、健康増進施設の提携業務担当医が運動療法に関する知見を有する健康スポーツ医等であること。また、1回当たりの施設利用料金が1万円以内であること。また、提携医療機関との間で運動療法の実施に関して、随時指導・助言を行う旨の契約関係を有すること。この3点を満たしたものについては、指定運動療法施設として認定をしているところでございます。
 こちらの施設で行います、医師の処方の下で行う運動療法につきましては、医療の一部を担うというところで、施設の利用料金につきましては、医療費控除の対象となるというようなものでございます。
 次のページでございます。こちら健康増進施設における職員の配置について基準をまとめたものをお示ししてございます。まず一番上、こちら大臣告示の認定規程の一部をお示ししてございます。こちらの中では「体力測定、運動指導、生活指導および応急手当を行う者を配置していること」と記載がございます。また、温泉型については、運動型に掲げる基準として記載がございます。
 2番目には、運動型につきまして、より詳細な基準について定めた通知の一部を記載してございます。こちらには、運動指導を行う者をトレーニングジム、運動フロアにおいては常時1名以上、プールにおいては、常時2名以上の配置をすることと定めてございます。また、一番下には温泉型についてでございますけれども、こちらは運動型に準ずる取り扱いというところで、運動型と同様の運用をしているというところでございます。
 4ページ目でございます。今回、先生方にご審議いただきたい内容としましては、現在、運動指導を行う者を常時配置としているところでございますけれども、近年、台頭している24時間営業のフィットネス施設が、健康増進施設の認定を受けるに当たっての基準の適用が不明確であるという問題がございます。
 施設の質の担保のためには、適切な人員配置が必要というところでございますけれども、一方で運動指導を行う者を24時間べったりその施設に配置する必要があるのかという問題から、われわれの対策案としましては、健康増進施設として営業する時間帯におきまして、運動指導を行う者を常時配置すること。また、時間帯について施設利用者へ分かりやすく周知すること。この2点につきまして、認定基準として明確化してはどうかというものでございます。具体的な施設のイメージとしましては、何時~何時までは健康増進施設として営業。また、何時~翌何時までは、通常のフィットネスとして営業するというものでございます。こちらの中で施設のホームページ、施設の案内パンフレット、施設内掲示などを用いて、分かりやすく周知することを求めるというものでございます。
 また、これらに加えまして、健康増進施設として営業を行わない時間帯につきましても、安全管理の観点から、緊急対応を取れる体制の確保を要請するというものでございます。以上の内容につきまして、事務連絡等で関係各省へ通知するというところで考えてございます。以上、健康増進施設認定制度の一部、運用の明確化についてでございます。説明は以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございました。それでは審議事項3につきまして、委員の皆さまから、ご質問、ご意見いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。荒籾委員からお願いいたします。
○荒籾委員 健康日本21推進全国連絡協議会の荒籾でございます。私は、健康運動指導士でもありますので、今回の案にて、今まで以上に安全性等、そして、また効果的な運動指導ができる条件が整うのではないかなと思っております。私がこの案を見た時に抱いたイメージとしましては、例えば薬局などで薬剤師の先生がいらっしゃる時には、薬剤師の先生おりますというような看板が掲げられて、薬剤師の方でないと処方できないお薬と売られてる時間というのが、明確化されてるかと思います。そんなイメージを私は、抱きました。
 この案の実施に当たりましては、文言等詳細にわたりまして、検討いただき実施していただければ、とても24時間フィットネス等明確化されて、利用者の皆さまも安心してご利用いただけるようなことになるんじゃないかと思いました。以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございます。続きまして松本委員、お願いします。
○松本委員 こちらのほうの運動指導を行う者の配置につきましては、特段これで問題ないかというふうに思っております。ただ1点、感染対策につきまして、特段の記載はないということでお聞きしておるんですけれども、やはり今回のコロナ等でも換気とか、さまざまな問題というのが出てきておりますので、そういったとこへの配慮というものも、併せて求められる方法がないのかなというふうに感じております。以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございます。他にございませんか。では、お二方の委員のご質問、ご意見につきまして、事務局からお願いします。
○小田健康課長補佐 事務局でございます。先生方、ご意見ありがとうございます。まず、荒籾委員から頂きましたご意見ですけれども、先生、具体的なイメージまでお示しいただきありがとうございます。先生のご認識のとおりでして、運動指導の者がいる時間をきちんと掲示して、その時間に限り適切な運動プログラムを提供するというようなものでございますので、そちらの内容について、また事務連絡等の内容につきましては、しっかりと検討していきたいと思います。
 また、松本委員からご指摘いただきました、感染対策についてでございますけれども、こちらフィットネスにつきましては、他のその他の運動指導以外の部分に関しては、一般のフィットネスと同様の運用というところで、こちらの事務連絡等の中に、どこまで記載するかというところは、バランスを見る必要があるのかなというように考えております。一方で、先生からご指摘いただきました感染対策等、重要な観点かと思いますので、そちらの内容を、どのような形でお示しするかというところも含めて、検討させていただきたいと考えてございます。以上でございます。
○辻部会長 ありがとうございます。先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。他にございませんでしょうか。他にございませんようですので、では、まとめてみたいと思いますが、この審議事項3につきましては、ご了承いただいたということで、若干形式的な修正ございますので、その修正につきましては、部会長にご一任いただきたいということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは審議事項の修正につきましては、了承の上で、修正についてご一任いただいたということで、私と事務局で調整を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。では、次に審議事項4につきまして、事務局からご説明お願いします。
○綾企画官 審議事項4でございます。健康局企画課の綾からご説明をいたします。まず資料6に入る前に、今日のご議論の背景について、簡単にご説明したいと思います。まず、参考資料の3ページ目、をご覧下さい。資料の3ページ目に書いてありますのは、昨年の12月の成立をしました、感染症法の改正についてご覧いただきたいのは、予防計画の欄でございます。
 施行は令和6年4月1日施行ということで、第10条でございますけれども、例えば第2項の第三号に「病原体等の検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項」というのを、予防計画に盛り込むことになっているということであるとか、六号でございますけれども、医療提供体制について盛り込むであるとか、十一号については、感染症の予防に関する保健所体制の確保に関する事項について盛り込むということ、それから14項につきましては、保健所設置市も予防計画を定めるというようなこと。
 さらに、15項の第二号でございますけれども、「病原体等の検査の実施体制の確保その他感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するための措置に必要なものとして厚生労働省令で定める体制の確保に係る目標に関する事項」と書かれております。
 4ページ目をご確認いただきたいんですけれども、ちょっと条文を見て説明するのは、なかなか難しいので、4ページ目にまとめてございます。これは法案の感染症法のご説明をする時に使ったものと、まったく同じ資料でございますけれども、先ほど申し上げた条項については、4ページ目にまとまってございます。4ページ目の表の中段、「予防計画に追加する記載事項」と書かれている中で、今回お諮りしたいのは、まず1つ目として、②の検査の実施体制、検査能力の向上の項目、これは先ほど条文で確認をいたしました。
 それから、⑧でございますけれども、保健所の体制整備に係る事項。それから、その1つ上、関連事項でございますけれども、⑦人材の養成・資質の向上でございます。これ右に「体制整備の数値目標の例」と書いておりまして、今明らかになってるのは、数値目標として定めるのは、②の検査のところで言いますと、検査の実施件数であるとか、検査設備の整備数であるとか、こういうものについて例で挙げられております。ところが、保健所の体制整備のところについては、数値目標として現状としては、挙げていないということでございます。
 1ページ目に戻っていただきまして、ここから先は口頭でご報告をいたしますけれども、本日この予防計画全体につきましては、感染症部会の所掌ということで、本日、感染症部会のほうで、予防計画をどういうふうに進めるかということについて、議論がされております。この中で、予防計画の先ほど申し上げました数値目標につきましては、これは、予防計画の記載自体の実効性を担保するために定めるということでございますので、数値目標について、どういうふうな項目について設定する必要があるのかであるとか、あと、数値目標について具体的にどのような考えで、都道府県等に設定してもらうのかというふうなことについて、議論がなされているということでございます。
 その中で、ちょっと本日の資料でございますので、お示しできないのが大変恐縮なんですけれども、本日、感染症部会で言われておりますのが、1つ目として、次の感染症対応を担う人材養成等を目的として、人材の養成および資質の向上に係る事項について設定してはどうかというのが1つ目。2つ目としまして、感染症対応の中心を担う保健所等が流行初期から早期に体制を整備できるよう、保健所の体制整備についても、数値目標を設定してはどうかということについて、議論をされているということでございます。
 そうした中で、感染症部会のほうで提示されておりますのは、検査体制としては検査能力、地方衛生研究所における検査機器の確保数について、数値目標の案が掲げられているところでございます。もう一つ、保健所の体制整備については、最大業務量を見込んだ人員確保数というのが掲げられているところ。それから、人材の養成および資質の向上ということについては、医療機関と同じなんですけれども、医療機関ならびに保健所職員や保健所以外の職員に対する研修の実施回数を、定めてはどうかということ。このようなことが、感染症部会のほうで議論されているということでございます。
 保健所や地方衛生研究所につきましては、本部会が所掌というふうなことでございますので、今、感染症部会のほうで議論されていることというのを、深掘りをして、今後でございますけれども、具体的に事務局のほうから感染症部会、それから本部会での議論というのを踏まえた数値目標案を提示させていただきたいと考えているところです。
 今回お示ししようとしている1ページ目の数値目標の考え方というのは、どういうふうな考え方で都道府県または保健所設置市、特別区で、数値目標を作ってもらうのかという、基本的な考え方の案を作っているところでございます。本日、委員の皆さま方からご意見等を賜りまして、それで具体的な数値目標案を具体化をして、また委員の先生方に見ていただくと、このような流れで進めていきたいと考えております。
 ちょっと前振りが長くなりましたが、1ページ目のご説明をさせていただきたいというふうに思います。1ページ目でございますが、まず1つ目、保健所の体制についてというふうなことでございます。数値目標を策定するに当たっての考え方でございますけれども、保健所がまず、最大業務量を見込んだ人員体制を迅速に構築することが重要ではないかと。つまり、それに関わるような数値目標というのを、しっかり設定すべきではないかというのが、事務局案の基本的な考え方の部分でございます。
 その下のポツのところに書かせていただいているのは、積極的疫学調査など保健所で対応する業務につきましては、専門性が求められるというふうなことを考えると、今回、昨年12月の地域保健法の改正で、新たに法定化しましたIHEAT、これについては、IHEAT要員を迅速に確保することが重要じゃないか、これに関わるような数値目標というのも、設定すべきではないかというのが案ということでございます。
 2つ目の丸でございますけれども、これと併せて、これ自体は数値目標にならないんだというふうに思うんですけれども、人員体制とともに流行初期段階から並行して感染症の状況を踏まえながら、保健所業務の外部委託であるとか、また、都道府県等による一元化等を検討し進めていくと、こういうふうなことが重要なのではないかということです。
 3つ目の丸でございますけれども、上記の人員体制として想定されている人員については、これは研修の部分でございますけれども、実践型訓練を含めた研修を行うこと、これが必要なのではないかという、問題設定をさせていただいております。
 下のポンチ絵でございますけれども、これは、今ご説明をした内容を具体的な形でお示ししているものです。保健所において、感染症対応において、想定される最大の業務量というのを想定していただいて、それに見合う人員数というのを、それぞれ設定していただく。これを感染状況であるとか、業務量に応じて、保健所のほうで需要に応じて、しっかり素早く必要な体制を構築していただく。このための方策等を検討していただいて、計画化していただくというのが、大事なのではないかと資料の右側に書かせていただいております。
 続きまして、地方衛生研究所等における検査体制でございます。これも保健所と同じようなことでございますけれども、地方衛生研究所等において、最大限の検査能力を実現可能な検査体制を早期に構築することが重要と考えられると。それで、これに伴うような数値目標としまして、検査数に見合った検査設備、PCR装置等、これはすぐに確保することができませんので、そういうものを確保することが重要ではないか。これに関わるような数値目標というのを、設定すべきではないかというのが、このポツのところでございます。
 そうした上で、下の矢印のところでございますが、こうした目標について、健康危機対処計画、これは保健所、それから地方衛生研究所、それぞれで個別に作る、それぞれの施設の計画でございますけれども、これと併せて、こうした予防計画というのを都道府県連携協議会の中で、共有することにしてはどうかと考えております。
 これは平時のうちから、お互いの自治体が都道府県の指導の下で、自治体間の調整を行う必要があることから、それぞれの自治体がどのような計画を作っているのかというのを、お互いに開示して共有し合うことが大事なんじゃないかと、このような問題意識で事務局案を作らせていただいております。雑ぱくでございますけれども、事務局からの説明は、以上とさせていただきたいと思います。
○辻部会長 ありがとうございました。審議事項4につきまして、本日ご欠席の達増委員より、ご意見を事前に頂いておりますので、事務局からお願いします。
○綾企画官 では、私のほうから代わりに代読をさせていただきます。「今回の審議事項である次期国民健康づくり運動プラン案等について示された論点の方向性について、異論はありませんが、都道府県の立場から何点か意見を述べさせていただきます。審議事項4「予防計画(保健所・地方衛生研究所等)について」について。「保健所体制」新興感染症の感染拡大に速やかに対応する必要があるが、流行初期段階においては、業務のアウトソーシングなどには時間がかかることから、本庁等からの応援や市町村との連携、即応可能なIHEAT要員の確保が重要になると考える。このための実践型訓練は必要と考えるが、国としてIHEAT要員や保健所専門職員への研修についても取り組んでいただきたい。具体的な数値目標の設定に当たっては、自治体が円滑に目標設定できるよう、新型コロナの実績を踏まえて、どのような感染レベルを想定して最大業務量を見込むのか、いつまでに整備するのか等についてもお示しいただきたい。「地方衛生研究所等の検査体制」感染症対応における地方衛生研究所等に期待される役割は、特に感染症発生から民間検査機関が検査を開始するまでの間の検査体制をしっかりと確保することである。このためには、有事の際に迅速に最大の検査能力が発揮できるよう、新型コロナ対応で整備した検査機器等を維持することが不可欠である。具体的な数値目標の設定に当たっては、自治体が円滑に目標設定できるよう、いつまでにどの水準の検査能力を設定すべきか等お示しいただきたい。地方衛生研究所が今後の新興感染症流行時にその機能を発揮するため、検査保守点検や修繕に係る費用も含め国からの十分な財政支援が必要と考える」。以上です。
○辻部会長 ありがとうございます。それでは審議事項4につきまして、委員の皆さまからご質問、ご意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。保健所からの立場としても、感染症部会にも私、参画しておりますので、このような話を共有してはいるんですけれども、感染症部会のほうで気にしていただいたところが、保健所の人材の養成と資質の向上といった意味での研修とか訓練、どのようにするのかということを、かなり関心を持っていただきました。そういう意味では、こちらの部会のほうでも、実践的な訓練というような言い方を、事務局のほうでしていただいてますので、意見を頂きたいなというふうに思いますし、あとは保健所の体制整備の中で、最大業務量といった時には、先ほどのポンチ絵を示していただいたんですけども、地域によってかなり経験した、今回のコロナのことについて、それをなしにすると、最大っていうイメージが全然違うと思うんです。
 そういった時には、もともと保健所の職員が感染症対応であったら、2人ぐらいしかいないような、保健師さんが、そういうところもあったと思いますし、大都市であれば、かなりの人数がいても、需要には応じられないというところがありますので、その辺の考え方ということが、ちょっとこれを下したところで、イメージが十分つくのかなっていうような心配というか、ちょっと懸念がありました。
 そういったところと、あと、最大の業務量を考えた時にっていった時に、最初のほうから全庁体制を考えないといけないと思ってるんですけども、そういった時には、実際のBCPを発動していただかないと、保健所のほうに人が割けないということになりますので、そういったところの観点も、ここに入れていただく必要があるかなというふうには思いました。取りあえずその辺で、また皆さんの意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
○辻部会長 ありがとうございます。それでは水澤委員、お願いします。
○水澤委員 ありがとうございます。あんまり専門家ではないので、非常に単純なザクッとした意見なのですけども、保健所のこの体制というのでしょうか、それにつきまして、2つあると思うのです。1つは、ここのイメージ図にあるように人員ですね。通常は保健所にはおられないのだけれども、そういう緊急時に他の部署からの応援という形で補うというのが一つと。それから、保健所の職員の方の数を増やすという方向で、今検討されてるというふうに思うのですけども、その時に通常は、いつも緊急事態が起きるわけではないので、他の業務をたぶんされることになると思うのです。これは今、地域でのケアというのが非常に重要になってきていて、認知症でも難病でも、それぞれの領域が別々にやってるような感じを、ちょっと私はするのですけども、そういったものが連携、統合されて、非常に効率よく動いていくと、こういったものとの連携が、うまくいくんではないかなというふうに思いました。緊急時でない時の業務というのでしょうか、そういったものをよく考えて、連携することが大事だっていう意見です。
 もう一つは、地方衛生研究所等の検査体制ということなのですけども、例えばこれPCRということが、ここに載っておりますけども、そういうことを準備しておくという意味なのかどうかよく分かりませんが、非常に大事なことは、PCRの例えば装置は、基礎の研究室と全部統合したら、いっぱいあるのですね。各大学とか研究所は、ものすごく数が多いと思います。病院でもかなり使えるところを持ってる、使えるPCRを持ってる部署はあるのじゃないかと思うんですけども、ただ、最初はそれが使えるかどうか、なかなか皆さんいろんなことを考えて使わなかったと思います。
 ですから、やはり使えるようなやり方を指導するとともに、そういう命令系統で使えるようにするという、ある意味の強制だと思いますけども、そういう体制をつくっておかなければ、これはたくさん持っていても、なかなか難しいと思いますし、すぐ機械は古くなってしまいますので、あまり効率がよくないというふうに思います。そういう意味では、最新の機械を持ってらっしゃる基礎の研究室等、日本にある全てのものをうまく動員する体制をつくるということが、非常に大事ではないかというふうに思いました。以上です。
○辻部会長 ありがとうございます。では、松本委員、お願いします。
○松本委員 ありがとうございます。全国保健師長会の松本です。2点ありまして、1点は、人員につきまして、最大を見込むということは、大事なことだと思いますが、感染症の場合は他の災害と違いまして、減少を必ずする、波があるということになりますので、ここの段階で減少に対して、どのような対応を取るつもりかというようなことも、併せて計画することが重要ではないかなというふうに思っております。
 もう一点ですけれども、これは数値目標として、うまく示せるかどうか分からないんですが、まず感染症が起きますと、24時間対応というのを保健所が求められます。特に電話相談といった部分では、24時間体制にすぐ取るということが求められてしまいますので、その24時間対応にかかるまでの日数とか時間とか、そういったものをお示しいただけると、一斉に何日後からは、保健所の24時間体制の電話が使えますということも言っていただけるのではないかなと思いますので、併せてここについて計画を立てていただくというような、準備が要るのではないかなというふうに思います。以上です。
○辻部会長 ありがとうございます。では、事務局からのご対応お願いします。
○綾企画官 ありがとうございます。白井先生からお話がありました保健所職員、保健師も含めてだと思いますけれども、人材育成であるとか実践型の訓練とか非常に重要と考えております。国としても、どういうふうな支援ができるのかとか、そこは全力で取り組んでまいりたいと考えておりますし、また、数値目標の中にも、そういう項目について、盛り込みたいと考えているところでございます。
 さらに最大業務量という時にも、地域によって全然やり方が違うと、この考え方というのが、ちゃんと伝わるかどうかということでございます。今日、基本的な考え方について、お示しをしていることですので、われわれのほうも、数値目標を立てていただくに当たっては、全てのところがしっかり立てられるように、ガイドライン等を出すことになっておりますので、そういう中で工夫していこうと考えております。
 それから全庁体制を取るには、保健所だけではなくて、自治体のBCP自体が必要で、自治体が、そういうふうに危機対応体制に移らなければ、保健所の支援はできないんじゃないかというふうな、ご発言だったかと思います。参考資料の5ページ目に、「健康危機対処計画について」という資料を付けさせていただいておりまして、それでちょっと簡単にご説明をさせていただきたいんですが、左下の図のところでございます。
 小さくて恐縮なんですけれども、健康危機対処計画自体は、以前にもご説明をさせていただいたと思うんですけれども、保健所や地方衛生研究所のほうで人員体制であるとか、あと、どういうふうな業務を絞り込んで、有事体制を取るのかであったりとか、あと、外部からの応援職員をどのように受け入れるのかであったり、そういうふうな有事に備えた具体的な計画を立てていただくということですが、先生がおっしゃるように、自治体と一体となって、理解された中で、そういう体制を取らなければ、絵に描いた餅になってしまうということだと考えております。
 ですので、各自治体の本庁のほうでも、策定する予防計画を地方衛生研究所や保健所のほうで策定する現場で作る計画と、しっかりとリンクをさせて、それで現場からのご意見が、ちゃんと本庁に伝わって、本庁と現場の間でコミュニケーションを、ちゃんと取った上で、全体としての計画を作るというふうな、仕組みにさせていただいているところでございます。このような趣旨をきちっと自治体、本庁のほうにもしっかり伝えることで、そうなると、一番最初から保健所の体制についても、保健所外部から全庁的な対応で、応援をするということも含めて、計画を立てなければなりませんので、本庁のほうでもしっかりBCPを立てて、それで本庁のほうから、どのように保健所に対して、応援職員を送るのかということを、考えていただくということになろうかと思います。これから丁寧に示してまいりたいと思います。
 水澤委員からお話、2点頂きました。1点目は緊急時に集める職員について、緊急時以外の時に、どういうふうな業務をやってるのかというふうな、そことの連携をしっかり考える必要があるんじゃないかというようなご意見を頂いたかと思います。それはおっしゃるとおりだというふうに思います。今後、深めてまいりたいというふうに思っております。
 地方衛生研究所の設備に関して言いますと、これはわれわれのほうも、さまざまな補助をやっていたりしてまして、感染症対応において、今回のような新興・再興感染症が発生した直後というのは、もう国立の感染症研究所と地方衛生研究所が初動で動くというのが、現実的であろうと思います。具体的には国立の感染症研究所のほうから、例えば検査試薬のほうを地方衛生研究所のほうに配られて、それで地方衛生研究所が、一番初期のPCR検査を行うという体制になっております。もちろん周りの研究所を巻き込んで、しっかり検査件数を上げていくというのは、これについても検討しないといけないと認識しておりますが、まず当部会の所掌範囲として、地方衛生研究所ということですので、地方衛生研究所については、今回お示ししたとおりとしたいと考えます。その上で、その後、周りの研究所をどういうふうに巻き込んで、動員して検査件数を上げていくのかというのは、また厚生労働省のコロナ本部のほうにも、検査チームというのもありますので、検査チームとも情報を共有しながら、しっかり検討してまいりたいと考えております。
 最後に松本先生のほうから2点ございました。人員を見込んだ際に、業務が減少した際に、どういうふうに対応するのかということについて、これについても考える必要があるというご指摘を頂きました。これは我々のほうも、しっかり考えてまいりたいと思っております。
 2つ目、24時間対応、いつからということについて、例えばコールセンターとを例に挙げられて、それでいつからというのを国から仮に示されれば、業務をやりやすいというお声も頂きました。われわれのほうでも、しっかり議論してまいりますが、地方によって、これは先ほどもありましたが、保健所の業務体制というのは、いろいろ違うと、自治体の対応についても、違うというふうなこともありますので、何を国のほうで統一的にお示しをして、それでどういうことを自治体のほうにお願いするのかということは、非常に大きな問題だなというふうに思いながら、聞かせていただいておりました。今後の参考にしたいと思います。以上です。
○辻部会長 ありがとうございました。今ご発言いただいた先生方、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
○白井委員 ありがとうございます。白井ですが。
○辻部会長 白井委員、どうぞ。
○白井委員 そのように事務局のほうから、本庁と保健所の連携というか、予防計画と対処計画の在り方について、ご説明いただいたことはありがとうございます。これを全国にもまた分かりやすく説明していただくことを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
○綾企画官 しっかりやってまいります。
○辻部会長 ありがとうございます。それでは審議事項4につきましては、資料に記載されている対応の方向性の考え方と、あと、本日の委員の皆さまから頂いたご意見に沿って、事務局でさらに検討を進めていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。それでは以上で審議事項1~4について、全て説明とご意見、ご審議終わりましたけれども、若干時間ありますので、皆さんから何かご質問とかご追加ございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは他にないようですので、本日の議論は、ここまでとさせていただきます。では、最後に事務局から何かございますか。
○加藤健康課長補佐 先に部会長より頂きましたとおり、委員の皆さまからのご意見を踏まえて、事務局で整理させていただきたいと思います。なお、今後のスケジュールについては、追って調整させていただきますので、お忙しい中、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
○辻部会長 それでは、本日の部会を終了したいと思います。委員の皆さまにおかれましては、大変貴重なご意見、そしてスムーズな議事進行にご協力いただきまして、誠にありがとうございます。では、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。




── 了 ──

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