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2018年9月26日 第7回 全国在宅医療会議ワーキンググループ

○日時

平成30年9月26日(水)13:30~15:30

 

○場所

全国都市会館 第2会議室

○議事

 

 ○猿渡在宅看護専門官 ただいまから、第7回「全国在宅医療会議ワーキンググループ」を開催させていただきます。
お忙しい中を御参集くださいまして、まことにありがとうございます。
初めに、構成員の交代がございますので、御紹介いたします。
鈴木構成員にかわりまして、日本医師会の江澤常任理事が構成員となられました。
齋藤構成員にかわりまして、日本看護協会の荒木常任理事が構成員となられました。
本日は飯島構成員、川越雅弘構成員、柴口構成員、辻構成員、増住構成員におかれましては、御欠席の御連絡をいただいております。
また、本日は参考人として、国立成育医療研究センター総合診療部の窪田満統括部長、日本在宅ケアアライアンスの太田秀樹共同事務局長は少し遅れての御参加となります。また、全国訪問看護事業協会の上野桂子副会長をお呼びしております。太田参考人、窪田参考人におかれましては、途中にて退席される御連絡をいただいております。
続きまして、事務局の人事異動について御紹介いたします。
医政局長、吉田でございます。
大臣官房審議官、迫井でございます。
医政局地域医療計画課長、鈴木でございます。
そのほかの異動につきましては、座席表をもって紹介にかえさせていただきます。
議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。お手元に座席表、議事次第、構成員名簿のほか、資料、ホチキス止めで1-1、1-2、1-3、1-4、1-5は1枚紙になります。1枚紙で資料2-1、2-2、資料3、参考資料1、参考資料2-1、2-2、ホチキス止めで参考資料3をお配りしております。不足がございましたら、お知らせください。
報道の方で、冒頭カメラ撮りをしている方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は新田座長にお願いいたします。
○新田座長 皆さん、こんにちは。
それでは、議事に入らせていただく前に、団体を代表して御参加いただいている構成員の方が欠席の際には、かわりに出席される方について、事前に事務局を通じて座長の了解を得ること及び当日の会合において承認を得ることにより参考人として参加し発言いただくことを認めることとしています。
本日の会議につきましては、柴口構成員の代理として、日本介護支援専門員協会副会長の濱田和則参考人の御出席を、増住構成員の代理として、横浜市医療局疾病対策部長の藤井裕久参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○新田座長 ありがとうございます。
それでは、早速議事に入らせていただきます。まず議題1の「在宅医療に関わる関係者への普及・啓発について」、資料1-1について事務局より説明し、資料1-2、1-3、1-4にある各分野の取り組みについては、それぞれ報告していただき、事務局より資料1-5の説明後、まとめて御意見と御質問をいただくことにします。
まず資料1-1について、事務局から説明をよろしくお願いします。
○松岡在宅医療推進室長 在宅医療推進室長の松岡でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料1-1について御説明させていただきます。1ページ目、在宅医療関連講師人材養成事業というものがあると思います。こちらの上の黄色いところに趣旨、それから、事業概要を書いておりますが、在宅医療に関する専門知識や経験を豊富に備え、地定期で人材育成事業を支えることができる高度人材を養成するというのがこの事業の趣旨でございます。平たく申し上げますと、地域で行われる在宅医療関係者への講演や研修といったものの講師をつくるというのがこの事業の趣旨でございます。
事業概要といたしましては、医師を対象とした高齢者向け在宅医療、小児向け在宅医療、看護師を対象とした訪問看護の3分野ごとに研修プログラムの開発を行うとともに、相応の経験を積んだ医療従事者、団体役員等に対し、中央研修を実施するものでございます。
この研修プログラムと申しますのは、あくまでも講師となる人たちをつくるためのプログラムをつくっているということでございまして、下に箱が2つ並んでいると思いますが、左は研修プログラムの開発ということで職能団体、研究機関、学会などが連携いたしまして、人材育成、つまり、講師となる人間の育成をするための研修プログラムを作成しております。
プログラムはこの主要の3分野に特化して構築しておりまして、相互に乗り入れるような内容もあるということでございます。平成27年より高齢者向けの在宅医療と、小児等の在宅医療のプログラムの開発が始まっており、28年からは訪問看護のプログラムを開発しているところでございます。
また、そのプログラムを用いまして、中央研修を実施しております。平成29年度の全国研修の状況ということで、昨年度行われた3つの研修について、その日時と参加者の数を書いておりますが、これら3つは、上の2つは3年間、一番下の訪問看護は2年間行われておりまして、およそ3年間で1番目の高齢者向けは740名、2番目の小児向けは420名、訪問看護は2年間で240名程度の講師人材をつくっているということになっております。合計1,400名程度の講師人材を教育したというところでございます。
2ページ目、これらは3つの事業を表にまとめさせていただいたものでございます。目的と内容は先ほど申し上げたような話なのでございますが、3段目以降の話は、事業実施者や今年度の開催日、それから、参加者の募集方法、プログラムの作成に取りかかった委員の名簿となっております。このような形で、在宅医療関連講師人材養成事業というものを3年ないし2年行い、今、4年目と3年目に突入している状況にございます。
先ほど座長から言っていただきましたけれども、3つの事業につきまして、事業実施者より説明をお願いしたいと思っております。
○新田座長 ありがとうございました。
続いて、在宅医療関連講師人材養成事業の小児を御説明いただきたいと思います。
資料1-2の説明を窪田参考人から、よろしくお願いいたします。
○窪田参考人 国立成育医療研究センター総合診療部統括部長の窪田と申します。
では、この在宅医療関連講師人材養成事業「小児を対象とした在宅医療分野」、資料1-2の説明をさせていただきたいと思います。
1ページ目、受託、主催は当センターでございます。昨年度から日本医師会さんに後援をお願いしております。
2ページ目、今回4年目になっているわけなのですけれども、この3年間で私自身が代表、実務責任者になりましたのは昨年度からなものですから、昨年度からの分が中心になるのですが、3年間のまとめをさせていただきましたので、報告させていただきます。
3ページ目、本事業の目的でございますけれども、ほかの分野と異なる背景が一つあります。それは、小児の在宅医療というものがまだ全然できていない、全国的に進んでいない、そういった状況の中で講師の人材を育成するという非常に難しい課題であるということでございます。そのことを踏まえていただいて、お話を聞いていただければと思います。
ここに書いてありますように、平成27年度に関しましては、地元の地域において小児在宅医療の基盤整備、推進活動においてアドバイザー役になるように知識を深めるということをテーマとしました。
その次の28年度は、この推進する上での問題点を行政職と医療職間で共有するということをテーマにしました。ということで、28年度から行政職もこの講習会に来てもらうと。各地域の都道府県の行政職にも来ていただいています。
29年度、昨年度ですけれども、これは実際に研修会を行えるように標準化できるテキストをつくって、研修会を実際に行うという形でプログラムを組んでおります。そのために、私たちがつくったスライドを全てCD-ROMにしてパワーポイントの状態で提供しております。通常はコピー・アンド・ペーストができないような形で出すことが多いのですが、これに関しましては、実際に本当に都道府県でやっていただきたかったので、何の細工もせずにそのまま使ってくださいということで提供しております。
そして、今年度ですけれども、後で出ますが、昨年度の反省で、行政職の関与が足りなかったのではないかということもありましたので、一緒に考えることを目的にプログラムを組んでおります。
それでは、平成27年度の事業から簡単に説明させていただきます。4ページ目、平成27年度の事業です。これは成育医療研究センターの講堂で行いまして、134名の医師が参加しております。1都2府1道41県でございます。講師はこちらに書いてあるとおりでございます。なお、この事業の受託責任者は本会議の構成員でもあります五十嵐隆が代表を務めております。
5ページ目、プログラムがここに載せてあります。このような形で知識習得を中心目的にして講演を組んでいます。地域連携・多職種協働ですとか、大人の在宅医との連携ですとか、診療報酬の仕組み、福祉制度の仕組みといったことを中心に述べさせていただいていますので、恐らく高齢者や訪問看護の皆様からすると当然のことかもしれないのですけれども、こういった知識をまず入れることが大事と考えてやっております。
6ページ目、平成28年度の事業でございます。同じく国立成育医療研究センターの講堂で、104名、医師が71名、行政職33名で行っております。
7ページ目、ここにプログラムが書いてありますが、この年のプログラムでは、メーンになりますのは各論で、鳥取県、大阪府、埼玉県、北海道、愛知県と書いてありますけれども、各自治体での取り組みといったものを中心に勉強していただいております。
このときのアンケートを少し供覧したいと思います。8ページ以降が平成28年度のアンケート結果になります。やはりというところなのですが、通常、こういった講習会、当然在宅医療をやっていらっしゃる先生が多く参加するものだと思うのですが、ここに書いてありますように、「総合病院」から17名、「大学病院」から9名と、この2つで約40%になってしまうというところで、一般の病院の先生たちが困っている部分があるのかもしれません。
9ページ目、参加の理由は「医師会からの推薦」「小児科医会からの推薦」「地方自治体からの推薦」というものがほとんどでして、この事業の意図に沿ったものであると考えています。ただ、「個人の希望」というのも9名いらっしゃいました。
10ページ目、実際に地域で小児在宅医療が行われているかという問いなのですが、予想どおりなのですが、「あまり行われていない」というのが医師の回答で29名、48%、半分ですね。行政職も同じです。44%、半分の方が「あまり行われていない」ということです。ただ、非常に興味深いのは「地域で小児在宅に積極的な医師がいるか」という問いに対しまして、「いる」とお答えになられた方が7割を超えているのです。だから、核になる先生は都道府県にいらっしゃるということがわかると思います。
ただ、そうはいいましても、課題としましては、アンケートの最後のページに書いてありますように、「小児を診る在宅医がいない」というところが最も課題として共有されるものでございました。「相談窓口が不明確」ですとか、行政に関する問題点もありましたが、それよりも現実に小児を診る医者がいない、在宅医がいないところが一番の問題になっています。そのために、この我々の事業があるということでもございます。
12ページ目、昨年度の事業の説明をさせていただきます。平成29年度ですが、このときから日本医師会様に御後援いただきまして、場所も日本医師会館の大講堂で行わせていただいております。その分、人数を多く入れることができまして、参加人数175名、44都道府県で、医師118名、行政職57名で行っております。日本医師会の理事でいらっしゃる松本吉郎先生にコアメンバーとして参加していただいております。
受講者としましては、次のページにプロファイルを書いておきましたけれども、小児在宅医療に関して頑張っていらっしゃる先生3名以内ということにしております。行政職に関しましては、医療担当部局・障害福祉担当部局等から2名以内ということで、合わせて5名までということで募っております。
14ページ目の写真にありますようなテキストを使っております。先ほど申し上げましたように、このDVDの中に全ての教材が入っております。
29年度のプログラムは、15ページ目にあるとおりでございます。今までに比べるとかなり詰め込みました。これを使って都道府県で講義をしてほしいという思いがありましたので、入れるだけ入れたという感じですので、かなり忙しいスケジュールになってしまったのは否めません。それが反省点でございます。
アンケートの結果が16ページ目にありますけれども、「大学病院」が非常に多い、17ページ目、「医師会からの推薦」がやはり多いということで、この辺は例年変わらないところでございます。自治体の所属部局は「保健・医療担当部局」が多うございました。
18ページ目、取り組んでいるのかということに関しましては、この地域での研修会にはかなりのところが取り組んでいらっしゃるということで、これは非常にうれしい情報でございます。「医療技術講習会」を中心にした地域での取り組みが行われ始めていることがうかがえます。実際にその会場に来た皆さんとグループワークをしまして、どのような研修会をつくりますかということで、時間をとって研修会をつくるためのノウハウを勉強したのですけれども、立案の例としましては、「(内科医がする)あなたしかできない、あなたもできる小児在宅医療」という、この真ん中で囲ってあるものがあるのですけれども、こういう非常に魅力的な研修会を企画される自治体もございました。
去年のまとめですけれども、やはり日本医師会の御後援があったことは大きいと思っています。この小児在宅医療が一部の小児医療の問題ではなく、日本の医療全体の問題なのだというメッセージが伝わったと考えております。
また、自分の勉強になった、我が国の小児在宅の現状がわかったというだけでは、具体的に講師になる人材にはつながりにくいと感じています。ですから、今回は全てパワーポイント・ファイルとして持ち帰っていただいております。すぐに使えるようにしてあります。何とか今年度のこの講習会では、差し上げたパワーポイントファイルを使ったかどうかということも含めて調査をしまして、ちゃんとやったところには、今年度の講習会の中で表彰をしたいと考えております。
最後に、今年度の内容も少し皆様にお知らせしたいと思います。21ページ目、今年度、こういったことを考えているということです。
22ページ目、受講者に関しましては、幅を広げました。最初から小児在宅をやっている人だけではなく、もちろんそれも大切なのですけれども、病院において小児在宅医療に関連する医師というところにも力を入れて、みんなで考えていきたいと考えております。行政職の募集は同じです。医師会館の大講堂をお借りできますので、少し多目の人数募集にしております。
23ページ目、今年度の特徴を書いておきましたけれども、昨年度は短時間に詰め込み過ぎたという反省が多かったことと、行政職の発言が少なかったという反省がございましたので、スリムにするということと、具体的な事例検討を入れてわかりやすく、行政職の人にも、では、自分たちの自治体は何をすればいいのかがわかるような研修会にしたいと思いまして、24ページ目に一つの症例を出しております。
24ページ目の症例は、現在企画が進行しているものなのですけれども、読ませていただきます。症例検討に2時間25分をとっております。NICUから一度も退院していないミオパチーの3歳女児(人工呼吸器管理)ということで、この患者さんを自分の自治体では在宅に出せるのか、出せないならば障壁は何かをそれぞれ考えていただくというように考えております。3歳で非常に元気がよくて、人工呼吸器がついているだけの女の子という設定でして、ある意味、しっかりとした自治体であれば、問題なく在宅に持っていける症例です。在宅医療と病院の医療が連携して、障害児医療も含めて連携してやっていける、療育とも連携してやっていけるケースなのですけれども、これが本当になぜ一部の地域では在宅で御家族と一緒に暮らせないのかというところを考えていただきたいと思っています。できないところはできないと言うと思いますので、広域ブロック毎のグループ内でまず発表してもらいまして、うちはできるよというところの話を聞いていただく。それから、もう一回自分の自治体に戻って、では、どうしたらいいのかというところでお話をしてもらいたいと思っています。非常に具体的な事例ですので、こういった事例をもとに、何が足りなくて何をしなければいけないのかが具体的に見えればよいなと考えています。
最後のページですけれども、私たちコアメンバーが考えている医療的ケア児の支援ネットワークです。当たり前のことなのですけれども、子供たちは医療だけで生きているわけではありません。ほかの生活のほうが多うございます。いわゆる生活へのサポートですね。家庭での支援ですとか、短期入所ですとか、日中の活動ですとか、そういったところが最も重要で、医療ネットワークはそれに付随するものといいますか、それをサポートするものであると私たちは思っています。その医療ネットワークで家族、患者さんを支えられる、そういった人材を育てるための研修会であると。講師人材を養成するための研修会なのですけれども、私たちが求めているのは、ここに書いてありますようないろいろな場所にいる担当医の先生です。一人の医療的ケア児をたくさんの人がサポートします。そのたくさんの人をどう育てればいいのか、それができる人材を育てたいと思っています。
この四角の枠で囲った中に書いてありますけれども、何でもできる在宅の専門医を育てたいのではないのです。スーパーマンでなくてもいいので、自分の地域で子供の在宅医療を支えられる人を育てていきたい、それを育てるための人材をここで養成したい、そのように考えております。
以上です。
○新田座長 ありがとうございました。
続いて、在宅医療関連講師人材養成事業の高齢者を説明いただきたいと思います。
それでは、資料1-3の説明を太田参考人から、よろしくお願いいたします。
○太田参考人 日本在宅ケアアライアンス共同事務局長の太田でございます。よろしくお願いいたします。
1ページ目、在宅医療関連講師人材養成事業研修会は、主催が日本在宅ケアアライアンスでございます。共催が日本医師会、受託・事務局、そして共同主催なるのが、公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団でございます。
平成27年度、これは初年度となります。こういった事業は初めての試みであり、どのように組み立てていこうかということで、こういうシェーマをつくって検討いたしました。地域医療構想は都道府県の役割となりますし、地域包括ケアシステムは基礎自治体の役割でございまして、その接点に位置づけられるのが在宅医療かと考えております。したがいまして、行政と医師会との連携が非常に重要になってくるであろうと。都道府県と都道府県医師会、市区町村と地区医師会ということでございます。ここにキーワードになるものを掲げてございますが、少し印刷が悪くて申しわけございません。人材を育成ということになると、どれぐらいのボリュームでという目標が必要で、当初は200人から300人ぐらいを目指しました。
3ページ目、ここはコンテンツにどのような内容を盛り込むのかということでございます。私どもが重要視したのは基幹病院、つまり、地域の中小個人病院の医師に、ぜひ在宅医療の理解をいただきたく、また、医師がリーダーとなって地域をつくるという意義を共有したいということ。そして、行政を含む、地域連携の構築と行政との良好なる関係性をどう維持していくのかということになります。それから、多職種協働(IPW)の推進、その他の職種、職能・役割をしっかり理解するということ。さらに、高齢者だけではなく、精神疾患やただいま小児在宅医療のお話がございましたけれども、私どもは小児の特殊性というものよりも、高齢者の成人の在宅医療の内容と共有するものが小児においてもかなりあると考えておりまして、高齢者だけではないというような立場でございました。
4ページ目、日本医師会館大講堂において、27年度、28年度、29年度、1月に開催しております。朝9時から5時まで、かなり内容の濃い研修会となっております。参加者はここに示してございますが、300人を超えまして、都道府県医師会からは当初41、昨年は40都道府県ということで、参加いただけない都道府県も少数ですがございました。
さて、コンテンツでございますが、これは平成27年度のプログラムの目次でございます。ここには全国都道府県医師会から推薦された受講者、医師が地域で在宅医療普及活動のアドバイザーを担えるように、本研修を位置づけると明記してございます。内容は、在宅医療の医学的技能や知識ではなく、多職種協働のスキルあるいは行政との連携のヒントなどが盛り込まれてございます。
午前の部は日本医師会及び厚生労働省それぞれのお立場から在宅医療の意義を、また、行政との連携の重要性、病診連携、居住系施設の連携などについての講演をいただきました。午後は多職種協働と地域連携をテーマに、モデル・ケアカンファレンスを試みました。このケアカンファレンスというのは、実際の症例を参考にモデル症例を掲げて、特に遭遇しやすい例としました。介護依存度の高い認知症と医療依存度の高いがんのケースを提示しました。
28年度でございます。28年度では「高齢者対象とした在宅医療分野」という副題が追加されております。前年度は小児在宅医療を一領域として位置づけてございましたが、小児在宅医療が成人の在宅医療と共通点が多いということから、座学にも一項目盛り込んでございます。
午前、午後、例年同様のコンテンツに加え、午前の部には都道府県医師会の取り組みの好事例を紹介させていただいております。静岡県医師会、千葉県医師会、埼玉県医師会です。さらに、午後の部は前年度と同様、モデル・ケアカンファレンスを行いましたが、そこに加えて、医療・介護連携事業報告及び地域づくりの実践活動報告をいたしました。栃木県医師会から「地域包括ケアステーション構築を目指して~在宅看取り率20%の町から~」という御講演でございました。
さて、昨年でございますが、29年度のプログラムの特徴は、全国都道府県医師会から推薦された受講者の先生方が、地域において在宅医療に関する講師となれるように本研修を位置づける。「アドバイザー」という文言が削除され、講師人材であることが強調されております。
過去の2年間は多職種協働のためのモデル・ケアカンファレンスを午後の部に盛り込んだわけでございますが、29年度からは、地域特性を重視し、内容の変更が行われました。地域特性は、人口規模で3つに分類いたしました。5万人未満、20万人未満、20万人以上ということです。それぞれの地域での取り組みの紹介とワークショップとなっております。
ただ、地域のかかりつけ医の中には、ワークショップ形式での議論になじみの薄い世代の参加もございます。そこで、Q&Aを作成しております。これは参考までにこの資料の中に盛り込んでございます。ワークショップのテーマは「在宅医療の継続」、これは裏を返せば、望まれない形で在宅医療がどのようにして中断され、それを防ぐためにはどうしたらいいかということでございます。そして「24時間の対応」、しかし、これは医師の負担感が相当強いわけでございまして、どのような工夫で乗り切っているのかということも話題に上がっておりました。さらに「多職種協働」、在宅医療の業際性というのでしょうか、さまざまな領域の業と関連して行っているということで、この3つのテーマでございました。
11ページ目、12ページ目、これはワークショップに当たり、基礎的事項に関するQ&Aということでございます。ここに書かせていただきましたけれども、日本医師会において研修会でこのようなワークショップを取り入れるというのは非常に斬新でございます。ここに書かせていただきましたように、医師会の会員の年齢層は幅広く、いわゆる参加型の学習になじみの薄い世代の医師も少なくない。忙しい日常診療の合間の知識獲得においては、書籍やAV教材などによる受動的学習に頼りがちで、グループディスカッションなど、能動的学習に参加する機会は乏しいのではないかということで、ここに9つのQを掲げて、一般的なワークショップに使われます用語とか、KJ法についての解説等がございます。
13ページ目、これはラーニンピラミッドでございますが、能動的学習と教えることの重要性をこの強調いたしました。といいますのは、講師であるということが昨年度から非常に重視されたということでございますので、このように示したわけでございます。
さて、過去の受講者に関する分析を行ってみました。3年間で総受講者数は594名でございます。二次医療圏別に受講者マップを作成いたしましたので、後でお示しいたしますが、この594名のうち498名は1回参加でございまして、中には3回参加された非常に熱心な方もいらっしゃいました。
参加自治体の傾向でございますが、参加のない都道府県は、去年は出たけれども、今年は出ないというよりは、3年間にわたりまして、余り関心を示してくださらなかったということでございます。
特徴ですが、北海道、四国からの参加はやや少ない傾向にあるかなというところでございます。また、人口規模が大きい県域からの参加者が多い傾向にある。これは母集団が多いわけですから、当たり前のことかもしれません。さらに東京、日本医師会館で開催したという影響もあろうかとは思うのですけれども、約30%、205名は関東甲信越からの参加でございました。
後でマップをごらんいただきますけれども、それぞれの圏域には特有の課題がございました。具体的にお話しいたしますと、在宅医療推進の社会資源、いわゆるソーシャルキャピタルですね。この質と数、人口規模によって、規模が大きいからといって資源が豊かだというわけでもない、また、小さいから乏しいわけでもないわけでございます。
また、在宅医療に対する地区医師会の認識だとか、行政の姿勢がかなりあらわれているのではないかと思います。
また、住民の意識ですね。病院で最期を迎えるなど、ある意味で看取りの文化と言ってもいいかと思うのですけれども、それが当たり前のようになっている地域があるかと思えば、家で最期を迎えるのが当たり前だという地域もあるわけでございまして、これは制度とかといった問題ではなくて、コミュニティーの課題かと思っています。
また、地理的要因ですね。離島だとか中山間地域、あるいは人口密集地域です。東京のようなところでございますと、半径1キロのところに高齢者がたくさんお住まいになっていて、自転車などで訪問診療が行える地域がある一方で、午前中に2軒しか訪問できない地域もあるということでございます。
15ページ目、養成に関する基礎的情報として、参考までにお示ししておりますが、二次医療圏の数は335でございます。郡市医師会、大学病院の医師会を除くと827、市区町村の数が1,718ございます。理想を言えば、1,718、各市区町村に講師人材を養成することがよろしいかと思うわけですけれども、実際、なかなかそうはいきませんので、まず、今、二次医療圏で講師人材をどれぐらい育成されたかと眺めてみますと、多少の課題も浮き彫りにされるわけでございます。といいますのは、二次医療圏には複数の市区町村が存在し、郡市区医師会にも複数の市区町村が存在いたします。一方で、市区町村に複数の郡市区医師会が存在する場合もあります。これは平成の大合併などによる影響でございます。
私は栃木県小山市で在宅医療に力を入れており、小山市小山地区医師会に所属しております。この小山市小山地区医師会は、2市2町から構成されておりまして、郡市区医師会は4つの市町と連携せねばなりません。また、一方で、二次医療圏には3市3町あるのが現状でございます。
それでは、この地図を見ていただきますが、北海道地区は6名、東北地区が39名、ここに小さな緑色のドットが示されておりますが、これが二次医療圏から参加された医師の数でございますので、全く参加されていない地域もあるということでございます。北関東31名、埼玉県33名、千葉県12名、東京都82名、神奈川県25名、北陸16名、東海29名、甲信越21名、近畿89名、四国15名、中国・山陰51名、九州・沖縄48名ということでございます。
この講師人材の研修会におけるアンケートをいたしました。これは回収率56%でございますが、この講師人材研修会に参加された方は、8割以上が地域での研修会の開催にかかわっているということでございます。この研修会の内容が参考になったかということに関しましては、8割以上が参考にしているということでございます。また、在宅医療関連の研修会等の開催協力があったかという質問に対しましては、郡市医師会からの依頼が78%、市区町村からの依頼が73%でございます。県行政からの依頼は38%、県医師会からの依頼は48%ということで、基礎自治体、市区町村からの依頼が多いということがわかります。
アンケートの中に自由記載がございましたので、簡単に抜粋してございますが、本研修会については、医療的技術あるいは医療的知識など、また、ACPやICTの活用など、新しい情報の提供などを期待しているというコメントもございました。一方で、本研修に対して、自画自賛になりますが、賛辞もかなり聞かれまして、ワークショップ、並びにモデル・ケアカンファレンスは非常によかった、今後も継続してほしいというようなコメントでございます。ただ、ワークショップにふなれなファシリテーターも参加しておりまして、ここが一つの課題でございます。
地域での研修会については、これは地域で開催される研修会でございますが、医師の関心に課題があろうと。また、一方で、行政や医師会への苦言も書かれてございました。みとりの文化の醸成の重要性、あるいは、多くの人が参加できるような開催時間帯への配慮、そして介護職への周知ですね。医療・介護連携といいましても、なかなか介護職に情報が行かないということもございます。
在宅医療全般についてのコメントもございました。
課題と今後でございます。事業に関しましては、お示ししましたように、二次医療圏マッピングから参加者に偏りがございます。従って、今後募集方法だとか開催地の工夫が必要ではないかということでございます。東京都でずっと開催しておりましたので関東甲信越からの参加が3分の1を占めているのが現実とういうことでございました。あとは在宅医療を既に実践している医師の参加が少なかったということでございます。受講者名簿の活用状況の把握も重要だと思います。ワークショップの企画を今後も継続していくには、ファシリテーターの養成が非常に重要でございます。講師人材とは、在宅医療推進における地域のリーダーであり、資質とマインドが非常に大切だということでございます。
なお、研修会コンテンツについては、今年度もさらに魅力的にブラッシュアップして、地域医療計画と地域包括ケアの接点としての在宅医療の役割を強調して伝えていきたいと思います。ここは重複しますが、ファシリテーターの育成が非常に重要でございます。昨年度行いました人口規模での地域別議論は、非常に重要なポイントではございますが、結局大都市圏からの参加が多いわけでございまして、グルーピングには課題は残しました。小規模自治体からの参加は少なかったということでございます。
以上でございます。ありがとうございました。
○新田座長 ありがとうございました。
それでは、引き続いて在宅医療関連講師人材養成事業の訪問看護を説明していただきたいと思います。
資料1-4の説明を上野参考人から、よろしくお願いいたします。
○上野参考人 全国訪問看護事業協会の上野と申します。よろしくお願いいたします。
訪問看護分野の報告を行います。訪問看護分野では、地域で在宅医療、訪問看護の人材育成を担うことのできる人材を養成することを目的に事業を行いました。
1ページ目、事業実施内容の全体像としては、7項目を挙げました。研修プログラムの開発、受講者の推薦(各都道府県)支援、事前課題の提示・収集、研修会の開催、自治体等への情報提供、活動状況の把握、受講者フォローアップです。詳しくはまた資料に目を通していただければと思いますが、この順に沿って少し報告させていただきます。
2ページ目、まず研修プログラムの開発です。28年度は検討委員会で検討を行い、プログラムを決定して、研修会終了後にプログラムの見直しの検討会をまた行いました。見直しの検討会のときには、受講者を含めまして、受講者のプログラム評価や自己評価の結果を踏まえて、プログラムの内容を検討しました。
29年度は、28年度の検討を踏まえて、前年度プログラムを基本として内容の改訂を行い、受講者をまた4名含めてプログラム評価を行い、検討を行いました。
30年度に関しては、29年度同様のプログラムで実施を計画しているところです。
3ページ目、研修会の日時・会場・目的・方針についてですが、28年度は訪問看護師の量的・質的確保の課題を整理し解決策の糸口を提言できる、地域の実情に沿った訪問看護の基盤整備、推進活動について方策を考えることができる、また、それを地域において企画・運営できる人材を養成し、受講後、都道府県の訪問看護担当者とともに伝達講習をすると挙げました。
29年度は、人材育成とは何か、人を教育することの基本的な考え方を身につけて、地域において講師人材となることができる、訪問看護の人材の確保、推進・普及に関する研修の企画・運営ができる人材を養成するというように挙げました。
30年度は、29年度にプラスして、地域における課題の解決に向けて受講者が大分集まりますので、受講者同士が継続的に有機的なつながりが持てるようにするというように方針を決めました。
4ページ目、平成28年度のプログラムは、総論と各論に分けて示してあります。前の2つの事例もそうなのですが、非常に時間が短くてタイトなところで研修プログラムを組んでおりまして、全体的には「地域包括ケアシステムと在宅医療」、それから、「訪問看護への期待と役割」という講義がありまして、その後にグループワークを行います。グループワークでは、「地域における訪問看護の現状と課題~本当に支えていますか~」ということでグループワークをして、地域における訪問看護師の量的・質的確保の問題解決の方策について考えを共有しながら、次の行動の手がかりとするというようにしました。
その後、午後からは各論のところで、「訪問看護の人材の育成と質の確保」として、訪問看護の人材育成に必要なスキルやコンテンツを理解し、人材育成の方法についての講義があって、その後にグループワークにつないでいます。最後のグループワークでは、地域のリーダーとして、また、地域においてリーダーとなれる人材を育成するにはどのようにしたらよいかについての方策を具体的に検討します。その後に、そのグループ発表をしながら、プレゼンテーションができる能力を養うとしました。
29年度のプログラムも、総論と各論に分けてありますが、28年度は企画・運営できる人材養成を目的にプログラムを開発して研修を行ったわけですが、29年度は訪問看護の講師人材として活躍してもらうために、まず、訪問看護の対象者を理解してもらう。訪問看護師なのですが、再度、訪問看護の対象者を理解してもらい、成人学習者を教えるための「学習支援と教育」という講義を中に入れ込みました。
29年度の午後は、ロールプレーと、28年度の受講者の活動報告を中に入れまして、その後のグループワークにおいて、地域に戻ってから実際に活用できる研修プログラムについて話し合いながら、プログラムの開発をするという組み立てをいたしました。
8ページ目、受講者の推薦に関してです。受講者の推薦(各都道府県)支援のところでは、厚生労働省から各都道府県訪問看護担当者へ推薦依頼を通知していただきまして、日本看護協会や全国訪問看護事業協会から都道府県看護協会、訪問看護ステーション協議会への推薦依頼状を発出しています。
29年度に関しては、都道府県で行政担当者も推薦していただくことにいたしました。推薦者の要件ですが、28年度に関しては、講師人材として活躍でき、訪問看護の普及・推進活動について企画・提案し実践できる看護師として120名、29年度は人材育成の研修講師として活躍できる看護師、普及・推進活動について企画・運営できる看護師、それと都道府県における訪問看護担当部局の職員ということで119名の参加者でした。受講者の主な属性に関しては、資料を御参照ください。不参加県は、28年度は全県から参加があったのですが、29年度は3つの県が不参加でした。
9ページ目、事前課題の提示・収集という項目がありますが、この研修に臨むに当たって、受講予定者に事前にその地域の訪問看護に関する人材養成・人材確保・研修ニーズについての課題を考察してきてもらい、研修会でのグループワーク等において、自地域で企画・開催可能な研修会を検討するということで、事前課題として非常に研修生の方々は本当にくまなく資料を探してきて、学習して、研修に臨んでおりました。28年度は現場の課題だったのですが、29年度においては必要な研修という形で、自地域における訪問看護師のための研修等を把握し自地域における必要な研修を考察するというようにいたしました。
10ページ目、4.研修会の開催です。開発した人材育成研修プログラムを活用し、研修会を1日間で開催して、伝達講習に活用できるような媒体を配布しました。これが資料になります。28年、29年、それと、DVDをつくって、そのまま活用できるような形にして配布いたしました。研修内容は表のとおりなのですが、研修会は、講義とロールプレー、グループワークの手法を用いて実施しました。
11ページ目、28年度、29年度受講者からプログラム評価と自己評価を行いました。受講者のプログラム評価では、評価項目3項目に対して95%以上が、今後の取り組みの必要性や検討につなげる内容になっていたかという問いに対しては、「概ねなっていた」と答えていますし、28年度の方策を考えることができる人材を育成する内容になっていたかに関しても95%、29年度は99%で、ほとんどが「なっていた」「概ねなっていた」で、多くの受講者がプログラム内容を評価してくれていました。
自己評価のほうでは、28年度は95%から85%が「できる」または「概ねできる」と評価して、29年度の場合は、訪問看護の人材確保や育成を都道府県担当者と検討できるかというところに関しても、90%から97.5%が「達成」または「概ね達成」と非常に大きく評価していただいています。
13ページ目、活動状況の把握に関しては、事業の効果測定として、今年度、30年度に28年度、29年度の受講者と行政を対象に、受講後の活動のアンケート調査を実施いたしました。
平成28年度の受講者への調査では、アンケート回収率が70.3%、受講者数が118名でしたが、回答者が83名です。研修受講後に地域での研修企画や講師として活動したかという問いに対して、75名、90.4%が活動したと答えています。
29年度の受講者への調査では、アンケート回収率が70.9%、受講者数86名で、回答者数が61名です。受講後、自地域の研修企画や講師として活動した数としては48名、78.7%、行政への調査も行っていまして、29年度受講者が32名中の自治体へ発送しまして、回収率は65.6%で、研修受講後、訪問看護師の育成に関する研修会を開催または予定していたかということに関しては13県で61.9%、質に関する研修会を開催または予定していたかに関しては57.1%となっていました。
受講者の受講後の活動状況の調査をいたしました。講師人材養成研修会後、自地域での研修開催は平成28年度受講者が28、29、30年と、3年間で356回、29年度受講者は2年間で173回研修会を開催しています。1回以上研修会を開催したのは、平成28年度の受講者では65.5%、29年度では64.7%でした。このグラフの赤枠の中がそれです。
講師人材研修後の自地域で開催した研修の内容はどういうことかといいますと、一番多いのが「その他」で「他職種連携」、災害が非常に多かったからかもしれないのですが、「災害対策等」になっています。それ以外に「訪問看護の周知・啓発研修」「スキルアップ・ステップアップ研修」「訪問看護師のための基礎研修」等になっています。
15ページ目、研修会の開催を可能にした要因は何かと聞いていますが、「研修会の開催にあたり中心的に動く人がいた」というものが非常に多くを占めていまして、講師人材養成研修会で学んだことが役に立ったかの質問について、5段階評価で聞いていますが、3以上の回答者が8割以上、学んだことが役に立ったと答えています。
16ページ目、この研修会受講後の行政への訪問看護担当部署への調査の結果です。訪問看護講師人材養成研修会の受講後の各地域での取り組みについて、回答のあった21都道府県中「訪問看護師の育成研修会の開催又は予定」は13カ所、「訪問看護師の質の研修会の開催又は予定」は12カ所でありました。それ以外に「地域医療計画に訪問看護事業所数や種類を入れた又は予定」が11カ所、「担当課等で訪問看護の理解が進んだ」が9カ所になっています。
17ページ目、訪問看護師の育成及び質に関する研修の実施形態は、28年度、29年度ともに、「訪問看護ステーション協議会や看護協会に委託」がほとんど、県のほうが委託をしていたということがほとんどでした。
委託している研修会の内容ですが、下の欄に書いてあります、訪問看護推進事業の一環として、管理者の育成、専門知識や技術の習得を図るための研修会、訪問看護養成講習会とか、県内ステーションの従事者を対象に地域包括ケアシステムの構築において訪問看護師として自分ができることを考えてもらう研修会を開催、訪問看護師養成研修会等々、訪問看護にかかわる研修会をたくさん企画していただいています。
18ページ目、「地域医療計画に訪問看護事業所の数や種類を入れた又は予定」に関しては、地域医療計画への取り組み内容について、具体的に訪問看護事業所の目標数や種類を決めた都道府県は11カ所中9カ所ありました。「具体的に訪問看護事業所目標数や訪問看護の種類を決めた」とか、「推進会議等の委員会メンバーに現場の訪問看護師を含めた」「地域医療計画や検討会議に訪問看護の視点を入れる認識を持った」という回答者が多いです。
それと、地域医療計画に入れた具体的内容としては、下段に書いてあります地域医療計画の在宅医療に関係する項目に訪問看護に関する記載を盛り込んで、訪問看護の特徴を入れた目標数を入れるとか、24時間体制の目標数を掲げるとかという具体的な入れ込みになっているようです。
19ページ目、担当課で訪問看護の理解が進んだ具体的内容は「訪問看護の課題」が最も多く、9都道府県中8カ所でした。「訪問看護の課題を理解した」が非常に多く、理解した項目、何が理解できたかというと、訪問看護ステーションにおける課題として、不安定な経営、研修体制が不十分、看護師確保、厳しい職場環境という4点が挙げられて、研修と現場の実践がつながるような教育が必要であると。また、小規模事業所では従事者数が少ないことから、事業所間の連携が必要である。過疎地域のことも出ていまして、過疎地域で大規模事業所であっても、地域ごとに事業所を設置すれば従業員数は少なくなって、小規模事業所と同じではないか。それと、問題解決に向けた訪問看護事業所数の確保と質の向上が同時に必要であるとか、訪問看護等々の管理者が気軽に相談する窓口の設置が必要である等々、県担当者に訪問看護の理解が進み、訪問看護の課題や役割が理解されたことは、非常によかったかなと思いました。
最後、もう一つは、受講者のフォローアップです。前年度受講者に対して、フォローアップの研修会を開催しているのですが、29年度は12月に行って、30年度はこれから11月に行う予定になっています。このフォローアップでは、各地域における受講後の活動状況を共有することにより、訪問看護推進の活動に生かすことができる。それから、自主的・積極的・経年的に事業所自己評価を実施し、訪問看護の質を高めるための事業所自己評価ガイドライン普及の講師人材を育成するという目的でもって、フォローアップを行っていきます。
報告会とか講師人材の研修会を行うわけですが、その後にメーリングリストを作成して受講者間がネットワークを構築していく支援を事業協会ではやっていきたいと考えているところです。
以上です。
○新田座長 ありがとうございます。
それでは、資料1-5の説明を事務局よりお願いいたします。
○松岡在宅医療推進室長 それでは、資料1-5に基づきまして、御説明を申し上げます。
今後の人材養成事業の方向性でございますけれども、このような講師人材をつくることは非常に重要だと考えております。ただ、養成された人材がどのように活動しているかという実態は、一体的な形で捉えられていない。つまり、同じような指標で3つの事業で見ていないということで、ばらばらと指標をつくって見ている現状でございます。
そこで、31年度は、当該事業で養成した人材の地域での活動の実態調査などを3分野で共通してやっていってはどうかと考えております。具体的には、研修後に必要な知識の習得につながったかどうかとか、地域での講師としての活動実績というものを、共通指標を設けてどれぐらい進んでいるのかということについて把握したいと思っております。
以上でございます。
○新田座長 ありがとうございました。
それでは、今まで説明がありました資料1-1から1-5に関して、御質問、御意見等、よろしくお願いいたします。
山口構成員、お願いします。
○山口構成員 いろいろ御説明ありがとうございました。
この在宅医療関連講師人材養成事業というのは、地域の中でコアになって進めていく人を養成するということで、非常に大事な事業ではないかと思っています。
今の御説明で、上野参考人の御説明の中で、訪問看護については講師の人材として活躍できるとか、要件を明確にして推薦という形をとっていらっしゃることがあったのですが、それ以外の小児と在宅医療については、人選についてどのようになっているのかわかりませんでした。
というのも、やはりこういうことは系統立てて計画的にやっていかないと、実際に地域の中でしっかりと在宅医療を展開することにつながらないのではないかと思っています。どうもお聞きしていると、例えば在宅医療であれば3回出た人が15人、ということは、毎回ばらばらの方が出てきているということですので、そのあたり、計画的、系統立ったということは、厚労省としてこの事業を行うに当たって、3つの事業に対してどのように設けていらっしゃるのかをお聞きしたいと思いました。
恐らく、小児や在宅医療は、これから進めていくためのコアになる人をどうやっていくかということを考えていらっしゃって、訪問看護はもう既に活躍している方たちがいらっしゃって、そこで講師になれる人ということで、明確になりやすいのかと思ったのですが。なので、フォローアップをしたりとか、メーリングリストをつくったりという次の段階にまで行けていけるのかなと思いましたが、そのあたり、小児と在宅医療について、どういう動きなのかを教えていただきたいと思います。
○新田座長 ありがとうございます。
これは事務局ということでよろしいでしょうか。
よろしくお願いします。
○松岡在宅医療推進室長 2つの事業のほうから、もし何かつけ加えていただくことがあればおっしゃっていただきたいのですけれども、私どもといたしましては、小児に関しては、人材が非常に少な過ぎるということもございますので、なかなか現在やっておられる方を講師人材になってもらうことは難しいだろうと考えております。ですから、そういった観点からも、少し広目の人材から講師人材となっていただけるようなセッティングをしていただいているように、私どもとしては考えているところです。
もう一つの成人といいますか、高齢者のほうなのですけれども、高齢者につきましては、たくさんの方が在宅医療に参入していただいているという実態は確かにあるのですけれども、なかなかコアになっていただけるような方々を見出すのが非常に難しいということもあります。どうやってコアになっていただくような方を見つけるかというところから、動機づけるかというところから始めないといけないところもありまして、なかなか私どもとしては、こういう人に高齢者のコアになっていただくような人ということが定義しにくいところがありますので、そこは事業を行っていただいている勇美記念財団さんとケアアライアンスさん、日本医師会さんに毎年検討していただいて、どういう人にしていただくのかという条件づけをやっていただいている状況でございます。
○新田座長 お願いします。
○山口構成員 簡単に言えば、どうやって人選されているかということを聞きたいなと思ったのです。
○新田座長 それは、参考人から。
窪田参考人、お願いします。
○窪田参考人 小児に関しましては、各医師会からの推薦が一番多うございます。最初のルートとしましては、都道府県に厚労省から通知を出していただきまして、都道府県から各医師会に誰かいませんかというお声かけをしていただいて、医師会の推薦ということになります。その地域の医師会の中で、在宅医療に興味を持っている、小児在宅に興味を持っている方が来られているというところになってくると思います。
そうしますと、今、室長からもありましたように、今、本当に小児在宅をやっていなくても、例えば大学病院が多いというのはそういったことなのですけれども、今、なかなか在宅移行ができない患者さんがいて困っている、その方をどうやったら親元に帰せるのかということをここで学んでいただいて、それを自分の自治体で実践していただき、今年度の講演会で、この症例はこのようにして在宅に出ましたよということを話すことができるのであれば、それは私は立派な在宅の人材を育成していると考えております。
○新田座長 太田参考人、お願いします。
○太田参考人 成人のほうですけれども、県の医師会、都道府県医師会に推薦依頼をいたしました。地域の事情はそれぞれございまして、在宅医療の手法もいささか異なるわけでございます。実践者であって、かかりつけ医として在宅医療をがっちりやっている人を推薦いただいて、その方々が学んだということだと思っています。
○新田座長 ありがとうございます。
佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 3名の参考人の皆様、どうもありがとうございました。
私から、資料1-1について質問させていただきます。まず、前提として地域包括ケアの推進に当たっては、この在宅医療というのは非常に縮図といいますか、いかにこれを進めるかということが地域包括ケアの推進にもつながっていくのではないかと個人的には思っています。
一方で、今回3分野を示されましたが、例えば現実に在宅の場面に行きますと、私は歯科医師ですが、例えば服薬管理であったり、残薬の状態であったり、多剤投与であったりという場面も時々見るわけです。今回の3分野という分け方について言えば、例えば歯科医師、例えば薬剤師、どういう位置づけになるのかをお示しいただきたい。これは、どの分野でどのようなことを我々はやるべきかということが全く見えてこないと思います。もし万一、高齢者の部門で言えば、例えば介護給付費分科会等では多くの構成員が口腔健康管理の重要性を皆様おっしゃいますが、その分野であったとしても、今回の人材育成についてのプログラムに関して言えば、例えば在宅、歯科にかかわる部分であったり、いわゆる調剤の部分であったり、全くメンバーが一人も入っていない現状を見ますと、さらにこの3分野におけるそれぞれの役割が見えてこない、そのような気がするのですが、その点はいかがでしょうか。
○新田座長 まず窪田参考人から、お願いします。
○窪田参考人 今のお話のとおりでございまして、実際の場では、例えば私たちは薬剤師さんとかなり密に連絡をとってやっています。成育医療研究センターで行われる研修会、地元の研修会にも近くの薬剤師さんに多く来ていただいてやっております。そういったことをこの講習を通じて教えております。こういったネットワークの中でやっていくと、テキストにも明記してあるのですけれども、そういったことを来ていただいた受講者に教えまして、受講者が地元に帰りまして、そのような多職種のネットワークの大事さということを皆さんに教えていっていただくというような形で取り組んでおります。実際に薬剤師さんや歯科医師さんは受講生に入っていないのですけれども、そういう形で重要性を説いていきたいと考えています。
○新田座長 ありがとうございます。
太田参考人、お願いします。
○太田参考人 プログラムを見ていただければおわかりだと思いますけれども、IPWを非常に強調した組み立てになっております。実際に歯科医師の参加もございますし、また、薬剤師さんも加わってプログラムを作り上げたわけです。
○新田座長 ありがとうございます。
上野参考人、訪問看護から見た歯科、薬剤との関係性のことも佐藤構成員から質問があったと思います。
○上野参考人 今回の研修の中では、そういう形の触れ方はしていないのですが、日常的には薬剤師さんとか歯科医師、歯科衛生士との関係は多職種連携というところで非常に重要なことで、日常的には行っていますけれども、この研修会の中では、多職種連携のところは触れてはいるのですが、これといって特出しではやっていません。
受講者が地域に戻って自主研修になりますね。そのときには、薬剤師さんとか歯科衛生士さん、先生方との研修会をやっているようです。
○新田座長 中央研修の中では入らないけれどもということですね。
○上野参考人 そこではやっていないのですが、受講生が地域に戻ってやっているというのは、アンケート結果から出ております。
○新田座長 佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 冒頭、申し上げましたとおり、3名の構成員の皆様にはお礼を申し上げたとおりでございます。説明をよく理解しているつもりです。結局、現場で動いているのですね。それが国のスキームの3分野といったときに、それが国の中に入っているかという話を私は質問の趣旨として申し上げたわけです。ですから、現場はそのとおり動いていて、それぞれ小児の部分であったり、高齢者の部分であったり、また、看護の方たちと連携しているという事実がある。事実があるのもかかわらず、この3分野のくくりの中では、国の説明の中ではそれが見えづらいのではないかというのが、最後、意見でございます。
○新田座長 何か御意見はありますか。
お願いします。
○松岡在宅医療推進室長 構成員のおっしゃるとおりでして、現場では確かにいろいろな職種間での連携が図られておりまして、私どもの養成事業の中でも、対象者がどうしても今のところは医師と看護師という形になっておりますので、いろいろな多職種を中央研修するつくりには今のところしておりませんが、内容では多職種連携が非常に重要であるということを強調していただいているというのが、私どもの考えと一緒だと思っております。
○新田座長 ありがとうございます。
江澤構成員、お願いします。
○江澤構成員 これはいずれも講師の人材養成ですので、都道府県行政と都道府県医師会がうまく連携をして、地域において既に在宅医療の講師が豊富にいるエリアもあれば、あるいは講師が欠けているエリアがあって、県内でも、あるいは二次医療圏とか市町村でもかなり差がありますので、そういう不足しているところを狙っていったほうが有効的です。都道府県レベルにおいても似たようなと言うと失礼かもしれませんが、在宅医療と訪問看護の研修はかなりふんだんに、あるいは多職種連携、医療・介護連携の研修会も相当多く実施がされている中で、特に我が国においてそういった不足している地域をやっていったほうが効果的になるのではないかと。
先般の会議におきましては、必ずしも地域のリーダー的な在宅医療の先生が余り過去の参加名簿になくて、逆にそういった先生はこういうものが必要ないと判断されているのかもしれないし、そのあたりも含めてバランスよく、各都道府県と都道府県医師会で把握は可能だと思いますので、そういったところを考慮してやったほうが有効的になると思うのが一点です。
あと、これは我々医師会も考えなければいけないのですけれども、同一県において小児のほうは実は医師と行政のセットの参加を推奨しているわけで、ところが、同一県においてどちらも参加がないというところが、抜けているところがございます。そういうところは特に声かけを積極的にしていくほうがいいかと。
最後にポンチ絵がありますけれども、障害者差別解消法が施行されて、今後、恐らく特別支援学校のみならず、一般学校でも少しずつ医療的ケア児とか人工呼吸児の受け入れが少しずつ増えて、少なからず進んでいくと思うので、特にこういった在宅医療の先生と、学校医の連携ですね。医師会でもこの在宅医療をやっている先生の指示と学校医の先生の指示が異なるという意見も幾つか聞いております。今後そのあたりの学校医との連携も非常に重要ではないかと思っております。
訪問看護も、実は地元で開催しても、まだまだ小規模の訪問看護が大変多くございまして、研修に1人派遣すらなかなかできない。丸一日1人を派遣することができない訪問看護ステーションが全国に相当あるのが実態なので、DVDがおありなので、これを逆にステーションに貸し出しして、一定の研修をして、ちゃんと報告書をまとめてもらうとか、もうされているかとは思うのですけれども、そういった形で、せっかくのDVDをいかに使うかが非常に重要かと思います。もうされていれば、もっと御検討いただければありがたいと思います。
最後に、資料1-5ですけれども、一番最後に評価とあるのですが、大事なことは、この研修を受けた方が地元で講師なり、どんどん活躍していただいて、ちゃんと在宅医療に目覚めたり、これから在宅医療に取り組む人が出てくるというのがアウトカムだと思うのですけれども、このあたりの評価をどのように考えているのか教えていただければと思います。
○新田座長 それでは、最初は御意見として聞いておいて、最後の評価というところで、よろしくお願いします。
○松岡在宅医療推進室長 確かに在宅に参入する方々がふえるのが一番の、もしくは在宅を受けられる患者さんがふえるのが最後のゴールというか、評価だと思うのですけれども、なかなかそれはたくさんの要因があって、これだけで説明し切れないと思います。どちらかというとプロセスの評価になってしまうのですが、きちんと均てん化できているかとか、つまり、研修を受けた方々が満遍なくいるか、その人たちがどれだけたくさん研修会をやったか、そういうプロセスの評価になるのではないかと私どもは考えております。
○新田座長 お願いします。
○窪田参考人 1つだけ、講習会に来ていない都道府県の話が出たと思うのですが、実はある県は同じ日に在宅の研修会をその自治体で、非常に大きなものをやっていたのです。ですから、これは来られないのです。ですから、年に1回しかやっていませんので、そういったことがあったということで、決して誰も来ていない自治体がだめな自治体ではないということだけ一言申し上げさせていただきたいと思います。
○新田座長 江澤構成員、お願いします。
○江澤構成員 ですから、医師会も来ていなかったとかとあったので、これは医師会にももうちょっと言わなければいけないのですが。
私は評価というよりは、参加した人にはノルマというか、参加して一定期間の間に報告書を義務づけするとか、評価となると構えてしまって、むしろ逆にこれの参加を手控えるようなことになってはいけないので、ちゃんと参加した以上は活動をお願いして、それをちゃんと一定期間内に報告していただくというほうが、プロセス評価であれば、アウトカムでないのであれば、そちらで十分かなと思います。
○新田座長 この1-5の評価等について、具体的には3分野で共通したということなので、これはまた検討会みたいなものをまたつくらないといけないのかな。それとも、事務局の中で。
○松岡在宅医療推進室長 そこまで大げさなものは考えておりません。
○新田座長 わかりました。
では、案が出まして、こういったようなことで、私も考えると、それぞれがそれぞれ評価をして、それぞれでやっているではないですか。行政とのかかわりもそれぞれになって、地元行政にとっては、こっちも来た、こっちも来たと、これは大変なことでございまして、そういったことも何か共通した事業形態にしないといけないのかなと思っていますので、評価ともども一緒に検討していくということでよろしいでしょうか。
ほかに御意見はありますでしょうか。
荒木構成員、お願いします。
○荒木構成員 荒木です。
質問ですけれども、小児の訪問看護については、恐らく両方のプログラムでカバーするのかなと思うのですが、例えば1-2の11ページのアンケート結果で見ましても、医療に関する問題点のところで「小児を診る在宅医がいない」、これが恐らく先決かと思いますが、同時に「訪問看護師不足」であったり、「医療職間の連携の不足」ということもあります。小児の訪問看護でどこを中心に考えていくのかというところは、お二人の参考人の先生からお願いしたいと思います。
○新田座長 まず、窪田参考人からお願いします。
○窪田参考人 実は、私は訪問看護分野の委員もさせていただいています。そういう形で相互乗り入れをさせていただいていまして、講義もこちらのコアメンバーが講義に行ったりさせていただいていますので、そういう形で、両方で協働して小児の分野の訪問看護及び小児の在宅医療の推進に努めていきたいと考えております。
○新田座長 上野参考人、お願いします。
○上野参考人 この研修では小児分野の講義が中に入っています。それ以外に、訪問看護事業協会においては、小児訪問看護推進委員会とか、小児の訪問看護の研修会とかというのを企画して、運営しているところです。
○荒木構成員 そうすると、行政担当の方が見えて、一緒に小児の訪問看護について何らか議論をして、計画をするようなグループもありましたか。
○窪田参考人 私、訪問看護のほうの講習会に参加させていただいて、壁にたくさん模造紙が張られていまして、どういうものをやりたいなどと書いてあるのですが、結構小児の計画を立てているところがあったと思います。
○荒木構成員 ありがとうございます。
○新田座長 上野参考人、お願いします。
○上野参考人 研修会の中で、小児の訪問看護とかかかわりとかというのはたくさんグループワークの中でも出てきていて、先生がおっしゃったように、発表のときにもそのことが発表されていてということで、非常に関心度は高いです。そういうことでよろしいですか。
○新田座長 関心度というより、具体的に行政、地域行政も含めてどうかかわりを持つようになったか。関心度だけではだめなので。
○上野参考人 今回は行政の方ももちろん入っていたのですが、行政の方は訪問看護担当だけれども、小児担当というわけではないのですが、ただ、一緒にディスカッションする中で、訪問看護は小児のことまできちんと見ているということの御理解は得ていただけたのではないかと思います。
○新田座長 お願いします。
○窪田参考人 非常に重要なポイントだと思います。私自身の個人的な意見ですが、地域医療計画にきちんと数字として載るということが重要だと思っています。小児在宅を何人、小児の訪問看護を何人ときちんと載るところまで私たちが人材を育成して、地域でそういった実績を積み上げていく。そのためのプログラムだと思っております。今のところ、まだ地域医療計画に小児在宅医療の数字が載っているところはほとんどないと思っておりますので、これから先の努力かなと考えております。
○新田座長 お願いします。
○上野参考人 行政からのアンケート調査の中で、地域医療計画に訪問看護事業所の数や種類、そのところに、小児訪問看護を行っている事業所または予定する事業所を入れたいと回答をしているところが11件ありました。
○新田座長 今、窪田参考人が言われたようにとても重要な話で、具体的に地域医療計画の中に小児の話で在宅を含めて、NICUのベビーちゃんたちがどこへ行くかという話で、11件載っているという話ですか。
○上野参考人 はい。
○新田座長 わかりました。ありがとうございます。
数値は後でよろしいですね。ありがとうございます。
何か御意見等はありますでしょうか。
お願いします。
○井原構成員 先ほどの評価の点について、事務局の考えを確認させていただきたいのですけれども、例えばプロセスで評価するということで、先ほど訪問看護の話の中では研修会を地域に帰って何回開催したかというのが、例えば、人材育成を担うことのできる人材というところの一つメルクマールになっています。それから、江澤先生がおっしゃったように、帰ってどういう活動を行ったかをレポートにまとめるというのも人材育成を担うことのできる人材ということの一つの指標になるということで、それぞれの事業主体、受託者がそれぞれ考えてつくってほしいということをおっしゃったという理解でよろしいですね。あるいは、具体的な参考例を今後提示される予定があるのかどうか。
○新田座長 よろしくお願いします。
○松岡在宅医療推進室長 3つがばらばらにならないように、3つの事業を受けていただいている方々と相談しながら、できるだけそろえていくということを考えています。ですから、我々がこのような形でとお示しすることもあるかもしれませんけれども、まずは今までやってきた中でこのような数字だったらとれますというようなことを聞いた上で、このような形でできませんかということをできれば提示したいと思っています。
○新田座長 恐らく3つの事業計画がそれぞれ評価を調整しながら、そして、それを最後に調整という話になるだろうと思いますが、よろしくお願いいたします。
ほかに御意見はいかがでしょうか。
西澤構成員、お願いします。
○西澤構成員 今まで、人材育成事業を非常に積極的にやってきたことは評価したいと思います。今後人材を育成した後、講師の方がどのような人たちを対象にするかということを考えると、例えば医療で言うと、当然訪問診療専門の先生方、あるいは、クリニックであって、外来もやっているけれども、在宅もやっている方、あるいは病院も訪問診療をやっているということでは、その対象者はかなり広いと思いますので、そういうことを踏まえた人材育成もやっていただければと思っています。
訪問看護ですが、今回、この在宅医療関連講師人材養成事業訪問看護分野において、訪問看護の中の在宅医療関連というのはどのように切っていいのかなかなか難しいと思います。保険の上では、医療保険対応あるいは介護保険対応があって、非常に難しいと思います。今回行っている講習を見ると、在宅医療関連というよりも、いわゆる一般の訪問看護の内容の人材育成に見えてしまいます。それも非常に大事ですが、今回、在宅医療関連ということでは、もっとそのあたりに絞った人材育成のプログラムにしたほうがいいのではないかと感じました。
以上、意見です。
○新田座長 よろしいですか。ありがとうございます。
お願いします。
○窪田参考人 私の資料の最後のポンチ絵にありますように、さまざまな立場のドクターが重要なキーパーソンになると思っています。特に今年度に関しましては、先ほどの3歳までNICUに入院していた女の子という事例にしまして、病院にいる先生たちにどのようにしたらこの子たちがおうちに帰ることができるのかを考えていただくというところも、私は在宅医療の重要な部分だと思っています。実際に在宅で訪問医療をする人だけが在宅医療を担っているわけではないと我々は考えておりますので、そういう形で対象を広げて、多くの人に在宅医療を担ってもらいたい。そのように思っております。
○新田座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
お願いします。
○吉田構成員 1-1の資料の研修プログラムの開発の3つの丸が重なっている部分がありますが、例えば行政の方がそれぞれマル2、マル3で参加されていて、各都道府県に戻られたときに、それぞれの県の中で連携をとられて事業を進めていくようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。例えば地元の薬剤師会と連絡をとり合って、地域の中で何をやっていくのかということで、どなたが参加されていて、それぞれ参加者が連携していくということがあるのかどうかというのをお聞きしたいのです。
○松岡在宅医療推進室長 行政の方々の参加というのは、マル2とマル3の小児と訪問看護の事業で行われているわけでございますけれども、この方々が帰られたときに何をしていただきたいかというと、その在宅医療に必要な研修を地域で企画していただきたいというのが我々のもくろみでございます。当然、在宅医療にかかわっていただく方々の研修に何が必要なのかということをこの研修で知っていただいた上で、例えば関係職種の方々、それぞれに必要な研修があるならば、関連団体の方々と一緒になってつくっていただくことを私は願っているところです。ですから、当然この方々が帰ってただ単に自分の知識として取り込むわけではなくて、研修という形に新たにつくっていただくことを企図していると考えていただいてよろしいかと思います。
○新田座長 それでは、次に進みたいと思います。後ほど御質問があれば、そのときによろしくお願いいたします。
それでは、議題2「国民への在宅医療に関する普及・啓発について」、資料2-1、2-2の説明を事務局よりお願いいたします。
○松岡在宅医療推進室長 資料2-1でございます。「国民への在宅医療に関する普及・啓発について小グループにおける議論」というペーパーでございます。先ほどまでは専門職種における普及・啓発というようなお話だったのですけれども、資料2-1からは、国民へのという形になります。国民への在宅医療に関する普及・啓発について、ワーキンググループの中では、前回「小グループ構成し具体的な取組について集中的に議論すること」となっておりました。小グループをつくりまして、2回の議論を行ったところです。
小グループのメンバーは、裏面の小グループ構成員という形で名前を挙げさせていただいております。この方々でお集まりいただき、議論を行った結果、入院が必要な状態となる前に在宅医療に関する知識を得ておいていただくことによって、外来へ通院できなくなった場合や介護の療養の場、方法を選択する選択肢の一つとして、在宅医療を選んでいただくかもしれないということで、そのようなことに資する理解が深まるように、普及・啓発のリーフレットを作成することとなりました。
そのリーフレットのサンプルが2-2なのでございますけれども、3つ折りの1枚紙でございます。このリーフレットの目的でございますけれども、高齢者が住みなれた地域で暮らしている時期に、必要となる可能性のある在宅医療についての情報と知識を得ることを目的とするということで、在宅医療とはどういったもので、どういったときに使えて、最初に誰に相談したらいいのかというようなことを、病状がそんなにひどくない状況で皆さんに知っていただくことが目的になります。
コンセプトという形で、4つの提案を出してもらっております。在宅医療について、療養の一つの選択として情報提供を行う、多様な住まいにおいて提供される在宅医療を想定して作成する、自治体や医療機関等からの情報提供の際に使用できるよう簡易なものとし、3つ折り両面印刷1枚の様式で作成する、自治体や医療機関等が地域の実情等によってカスタマイズできるようなサンプルとして提供するということです。
リーフレットの対象として、主に提供する対象者は、外来へ通院中の高齢者がコンセプト的には対象となっております。
リーフレットの活用方法といたしましては、このようなものを今回作成し、厚生労働省ホームページ上のサイト「在宅医療の推進について」というところにパワーポイントのバージョンで掲載し、使用される方が必要に応じて加工して活用できるようにしたいと考えております。
都道府県や医療・介護関係団体に対しまして、リーフレットを広報に当たって御活用いただけるように周知していきたい。この設置場所は診療所、病院の外来や薬局などといったところを想定しておりまして、普通に通ってこられる、また、外来の診療を受けておられるような方々を対象とするために、そのような場所に置くことを想定しているものでございます。
2-2でございますけれども、これを3つ折りにしていただきますと、「在宅医療について」というものが表紙になりまして、「編集」となっています。これはパワーポイントで提供しますので、もし改編を加えられる場合は、誰が改編したかがわかるように「編集」という形になります。
3つ折りにしたときに、まず「在宅医療の基礎知識」というものが一番裏に来る折り方になると思うのですけれども、それは在宅医療で受けられる主なサービスを記述しております。折り込んだところには「困ったときのために」というところが残っていますけれども、在宅医療を利用できる方はどういう方なのか、在宅医療での医師の診療はどのような形でなされるのかを少し説明しています。
めくっていただきまして、これは3つ折りを開いて展開できるような形にして見るところになりますが、まず、病院や診療所から通院されていたりする方が、在宅医療に移行するケースが2つあり得ますと。そのようになって、在宅医療になるのですけれども、そのときのために前もってかかりつけの医師やケアチームと相談して、いろいろな選択肢を見つけておきませんか、そのうちの一つが在宅医療ですよというメッセージでございます。
その在宅医療に移行する前には、高齢者の場合には介護サービスの利用についても知っていただくことが必要でございますので、介護サービスの利用についても今から調べておいたほうがいいですよというサジェスチョンをした上で、ケース1やケース2のような形で在宅医療に入るような方々については、在宅医療というのはどのような人が来て、どのようなサービスを受けるものなのですということが下の大きい四角のところにあります。在宅医療の提供者と、それに名づけられた名前を書いておりまして、その青に塗ってある「訪問診療」とか「訪問歯科診療」といったサービス内容については、先ほど申し上げましたように裏面といいますか、表面といいますか、よくわかりませんが、「在宅医療で受けられる主なサービス」のところに全て抄出しているような形になっております。
この1枚を通じまして、在宅医療というものはどういうときに受けることができて、誰に相談して、どのようなサービスなのかが大体わかる、概略がわかるというものをつくりまして、これを外来などに置くことによって、在宅医療が必要な状況になる前から、在宅医療というものについてある程度知っていただくということを通じて普及・啓発を図っていくということを考えたものでございます。
私からは以上でございます。
○新田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま説明のありました資料2-1及び2-2について、御質問、御意見等はありますか。
山口構成員、お願いします。
○山口構成員 私も小グループのメンバーですが、2回のうちの2回目に参加できなかったので、確認をさせてください。
1回目の議論のときに、在宅ということで、基本的なことを理解していない方がたくさんいらっしゃるからこういうものが必要だという話があって、でも、さらに詳しい情報を欲する方には、例えば厚労省でつくられるホームページ上で、訪問看護だったら「訪問看護」というところをクリックするとさらに詳しい解説に入っていくようなことを2段構えでつくる話が出ていたと思うのですが、今回、このリーフレットしか御説明がないというのは、1段階しかやらないということなのでしょうか。
○松岡在宅医療推進室長 私どもとしては、まずはこのリーフレットをつくってみるということと、ホームページにつきましては、もう少し私どもの予算状況とか、そのようなものを見ながら、少し相談させていただきながら進めていきたいと思っております。
詳しい情報が欲しいというのは確かにあると思います。私どもだけでなかなかコンテンツとしてつくるのは難しいというのもありますので、例えば私どものホームページがハブになって、いろいろなところにリンクさせていただくという形でつくることもできると思いますので、一旦このような形の入り口というものと、私どもの先ほど申し上げていたような「在宅医療の推進について」というホームページがございますけれども、これをどのように活用するかについて、もう少し御議論をいただけるのならばありがたいと思っております。
○新田座長 お願いします。
○山口構成員 介護が必要になったときにどこに行けばいいのかとか、どういう手続をとればいいのかとか、このリーフレットの中では十分に書き切れないようなことで、最低限必要なことはまだまだあるような気がするのです。できれば、さらに詳しいというところまで行かなくても、次の段階ぐらいまでのところは何か考えていただきたいというか、予算の範囲でできることを考えていただきたいと思います。
○新田座長 佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 私も2回目に欠席でございましたので、ですが、こういうパンフレットは、もし病院に置かれていて、通院時々在宅などを考える方には、これだけのサービスを受けられるのだというものには非常に有効だと思いますので、こういうものを予算の範囲内で広げられるところを広げたほうがよろしいと思います。
一方で、地域医療計画に基づいての在宅医療を見ますと、幾つかの県のホームページを見ますと、まずこれも難しいですね。在宅医療の受け皿がどこにあるのか行き着くまでが物すごく大変なので、厚労がここまで頑張っているのですから、都道府県に対してもこのような取り組みについて案内する。やはり、都道府県でないと地域医療計画の該当する在宅医療をやっているところの具体的な場所などがわからないという現実がございますので、それぞれ地方と国と役割分担を重ねてより具体的になっていくと、もっと進むのではないかという気がいたします。
○新田座長 ありがとうございます。
お願いします。
○吉田構成員 済みません。2回目のときにもう少し踏み込んでお話をしていたらよかったのですけれども、表側の真ん中の「在宅医療で受けられる主なサービス」の「訪問薬剤管理」のところですが、「医師から処方された薬を」となっているのですけれども、これだけではなく、いろいろなものも含まれるかと思います。OTC医薬品や衛生・医療材料等ですね。ですから、これは「薬等を」と、「等」を入れていただきたい。
それから、「薬剤師がご自宅に届け」となると、配達だけをするようなイメージになってしまいますので、ここは「ご自宅に伺い」という表現にしていただくと、訪問薬剤管理・服薬指導をするということで、薬の配達だけではないということがわかるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○新田座長 「訪問薬剤管理」の中身の具体的な言葉ですね。わかりました。
お願いします。
○濱田参考人 小グループの先生方、本当にありがとうございました。また、裏面にケアマネジャーも相談窓口と記載いただきまして、感謝いたします。
参考資料3の16ページ、19ページ、20ページにも、かなり医療・介護連携の実態調査の結果が出ておりまして、本当に地域の先生方とケアマネジャーとの連携も進んできた様子がわかりました。先ほど御意見もありましたが、紙面は限られておりますが、介護サービスの相談窓口について、校正の機会がありましたらもう少し何カ所か充実させていただけるとありがたいかと思っています。これは意見でございます。
以上でございます。
○新田座長 ありがとうございます。
江澤構成員、お願いします。
○江澤構成員 これは医療機関に置かれるということなので、恐らく日本全国津々浦々、これだけの職種が物理的に訪問できないところもありますし、これの扱い方にちょっと説明を加えておいたほうがいいと思います。特に在宅医療の必要量の推計というのはなかなか難しいところがあると思うのですけれども、高齢化の人口がピークアウトして、高齢者も減っている地域もふえてきている中で、これから在宅医療の提供を非常にふやさなければいけないエリアもあれば、在宅医療は今の状況でほどほどになっているエリアも、いろいろ千差万別であります。
会議のときに申しましたけれども、在宅医療というのは決して自宅だけではありません。2017年もその5年前も変わっていなくて、約10万人の介護離職が起こっております。御本人と御家族の中で選択肢は当然御本人と御家族の意思が最大限尊重されるべきですけれども、自宅療養となりますと家族の負担は当然セットになりますから、在宅医療はそのために介護施設とかケアつきの高齢者住宅でありましたり、選択肢も増えてきているので、そのあたりも含めて、真ん中のイメージが一軒家のおうちに見えるので、米印を右上につけてもらったと思うのですけれども、いろいろな選択肢があることを御家族にも十分知っていただく。
特に人口過疎部においては、恐らくもう集住化政策は避けて通れないと思いますし、30分、1時間かけて1人の方に訪問するというのは、ビジネスとしては成り立ちませんし、今、そもそも平均レベルで訪問系の従事者の8時間のうち6割ぐらいが移動とかで実際に直接のサービスは4割ぐらいしかない。ですから、今後人口過疎部においてはどう集住化で効率化していくのか。あわせて、そういうところにおいては余り集合住宅減算とか大規模減算というのはなじまないと考えているのですけれども、そういったところを含めて、地域包括ケアも御当地システムですから、地域ごとにかなり違うので、この1枚だけで全国で通用するかというと、なかなか難しいところもあるので、その辺の使い方をぜひ医療機関に説明の上、配布いただければありがたいと思います。
○新田座長 ありがとうございます。
恐らく編集がそれによって違う、そこが今の答えでしょうね。もちろん在宅というのは、今、言われたように住まいというのは自宅だけではないということはもう皆さん周知なのだけれども、国民にとって周知しているか、住まいというと自宅なのか、そういったようなことも恐らくある。そのような御意見だと思いますので、そこのところはまた丁寧にということで、よろしくお願いいたします。
ほかに御意見はありますでしょうか。
お願いします。
○井原構成員 こういうパンフレットの作成、どうもありがとうございました。うちのセンターにも完成したら置きたいと思います。
その上で、これを作られるに当たって、これは対象が外来へ通院中の高齢者ということですけれども、実際にこのサンプルをどなたか例示的にお見せになって、これについての御意見を聞かれているかどうか、あるいは、これから配布後、意見を伺って改訂を出すのか。もし実際に何も知らない高齢者の方が見てどういう反応をされたか、あれば教えてください。
○松岡在宅医療推進室長 それはやっていないので、ぜひ私の父親にでも見せたいと思います。これは見やすさを追求するという意味では、うちの広報のセクションと相談しながらつくってはいるのですけれども、確かに高齢者が見やすいかどうかとか、わかりやすいかどうかというのは課題ではありますので、そこはぜひ、もし誰か見ていただける方がおられるのでしたら、私どもは意見を聞きたいと思います。
○井原構成員 早速、帰りまして、うちのセンターで意見を聞いてみます。
○新田座長 リーフレットの対象が外来通院中の高齢者だけでない、恐らく家族というのも入るだろうから、見やすさというのは誰を対象にするかというのもあるでしょうね。
お願いします。
○西澤構成員 このようなパンフレットがあることは非常にいいことだと思います。
2点、意見ですが、一つは、カスタマイズできるということですが、余り勝手にやられるのは問題なので、どこまでできるかを明確にしておいたほうがいいかと思います。
それと、パンフレットを見ると、中の頁の文章は非常にやわらかい、「見つけておきませんか」となっていますが、表紙が「在宅医療について」とかたい表現なので、ここあたりも、例えば「在宅医療を御存じですか」などの表現にしたほうがいいと思います。先ほど言ったような、本当に利用者の方々の意見を取り入れて、みんながすぐ手にしたいと思うようなものにしていただければありがたいと思います。
以上です。
○新田座長 貴重な御意見、ありがとうございます。
国のレベルでこういったパンフがきちんとできるというのは大変なことで、本当に構成員の皆様を含めて感謝したいのですが、ほかに御意見はありますでしょうか。
川越構成員、お願いします。
○川越構成員 今、御意見のありました、このタイトルは「在宅医療について」となっておりますが、外来へ通院中の方が来る医療機関の中に置いてあるということを想定していらっしゃるのだと思いますので、山口構成員などの御意見を伺いたいのですけれども、これを高齢者の方が御自分の見るべきものだと認識なさるのかなというのはそもそも論としてあります。自分のことだと思えばいろいろ知りたいなと入っていくと思うのですけれども、そもそも手にとってもらえるのか。
開いてみると、「通院が困難。例えば」とかと書いてあるのですけれども、例えば、一番最初に「通院でお困りではないですか」とかと書いてあると、そういえばここに来るのも楽ではなくなったなどと思ったり、実際に御家族同伴で通院していらっしゃる方はいらっしゃると思うのですが、何か自分のことだと思えるような、表面にそういうものがあったほうがいいのではないか。専門職の立場より市民の立場のほうがわかりやすいかと思いますので、教えていただければと思います。
○新田座長 お願いします。
○山口構成員 私はこれはできれば置いていただくよりも、手渡すようにしていただいたほうがいいのではないかと思うのです。というのが、医療機関にいろいろなチラシやポスター、リーフレットの類が置いてありますけれども、患者として行っているときは余り関心がないのです。置いてあるということは目にしていたとしても入ってこないというのがありますので、できれば初診で来られた方などにお渡ししてはどうでしょうか。
きちんと読んだりするのは、どちらかというと付き添って来ている家族の方かもしれません。これぐらいの情報だとしたら、こういうことで在宅医療は選べるのだと言えるのではないかという気もしますので、そこは例えば初診の方に積極的にお手渡しくださいとか、そういう形でお渡しいただいたほうが、実際には読まれる方がふえるのではないかと思います。
ただ、気になっているのが、いろいろな国の施策は大体家族は4人家族を基本にされていますけれども、今、最も多いのは1人世帯になっています。そうすると、かつて考えていたような、誰か家族がついてくるということも、これからは一般的でなくなってくる可能性が高いと考えたときに、どうやって高齢者の方に、例えば1人でも在宅ということが可能なのか。こういったことも相談できるのですよと伝えていくことも必要になってくるかなと思います。やはり、積んでおくだけではなかなか普及しないかなと思います。
○新田座長 ありがとうございます。
行政から、藤井先生、どうでしょうか。
○藤井参考人 大変ありがたいと思います。内容はもうこれでいいと思うのですけれども、今、お話にあったとおり、これをどう使っていくのかが課題かなと思います。外来というのも一つ方法はあると思うのですけれども、地域には元気な高齢者の方のいろいろな集いが、地域ケアプラザですとか、いろいろなところでありますので、そういうところで活用していく必要があるのかなと思います。
もう一点は、先ほど山口構成員がおっしゃっていたのですけれども、これを見た後、さらに情報が欲しい方、横浜市の場合も、大分前から全戸配布の冊子などで在宅医療の普及に努めていまして、少しずつ関心を持ってくると、これの次には、お金は幾らかかるのですかというお話と、どこに相談すればいいのですかというお話は必ずセットで出てくるので、最近は講座にその2点は入れるようにしているのです。
一方、介護保険のほうの地域支援事業では、各市町村に在宅医療に関する相談窓口が今年度中に整備されることになりますので、ここからそこにつながるような形、先ほどのホームページでも結構なのですけれども、そういう流れがあるとありがたいと思います。
○新田座長 ありがとうございます。
時間になりましたが、江澤構成員、最後の質問でお願いします。
○江澤構成員 2回目の小グループに参加したときに議論になったと思うのですけれども、見出しに、当然在宅医療は通院が困難ということが前提になっているのですけれども、「通院が難しくなったときや」になっているので、多分、これの前の原案が、安易に誰でも訪問診療が使えるような誤解を生むかなというシェーマだったと思うのですが、この文章も「なったときや」というか、なったときは絶対条件であって、今は軽度者に在宅医療が行われていると一部指摘されている中で、ちゃんと本来の通院ができない困難事由がある人に限られてということと、あるいは介護保険サービスにおいて通所サービスを使っていると、在宅医療を認める、認めないという議論がいろいろある中で、そのあたりを明確にしておいたほうがいいかなと思っています。「ときや、」というのが、表現的にどうかという気がしました。
○新田座長 ありがとうございます。
恐らく2年前の診療報酬の中で、在宅医療の定義まで入ったことがあると記憶しております。そこら辺も含めて言葉遣い等、よろしくお願いいたします。
それでは、次に行きたいと思います。議題3の「在宅医療に関する医療連携モデルの構築について」、資料3の説明、事務局、よろしくお願いいたします。
○松岡在宅医療推進室長 それでは、資料3と参考資料3を御説明させていただきたいと思います。
私ども、この全国在宅医療会議の3つのテーマ、重点項目という形で、一つが在宅医療の連携モデルということがあったと思いますけれども、その一環といたしまして、在宅医療連携モデル構築のための実態調査事業というものを平成29年度に行いまして、その調査報告がまとまりましたので、皆様に御報告する次第でございます。
在宅医療連携モデルというのは、ここに書いてありますように、地域の複数の医療機関が一定のルールのもとに連携・役割分担をし、地域の在宅医療患者の診療に対応しているモデルということなのでございますけれども、全国にはさまざまな在宅医療で成功しているというか、よくやっている地域がございまして、その中で特徴的な市町村を選びまして、14個ほど調査をいたしました。
その調査の結果が参考資料3でございまして、これは非常に分厚くて、300ページ近くあるようなものでございますので、皆様に刷るのは難しかったものですから、抜粋版としてお配りしております。全体版はホームページに掲載しておりますので、そこで見ていただければと思いますが、構成を見ていただきますと、目次のところを見ていただきますと、「実施概要」と「調査結果」としてアンケート調査を行っております。この14市町村の診療所等に対してアンケート調査を行っております。その後「各地域の概要」ということで、各地域のやっておられることをモデルという形であらわしているものでございます。
そのモデルというのが、例えば皆様のお手元で言いますと27ページからなのでございますけれども、在宅医と病院と、その他もろもろの方々がどのような形でつながっているか、どのような役割を果たしているかということを図示したものでございまして、このような類型化を行って、皆さんにどのような取り組みをやっているかどうかということについて、わかりやすいような形で書いていると。
34ページ以降、類型化の部分だけを切り抜いて14個載せておりますけれども、当然、この一つ一つの絵の後には、例えば釜石市・大槌町であるならば、釜石医師会が何をやってきているのかについて、10ページから20ページにかけて記載させていただいているようなものでございます。
このような実態調査を行いまして、もし自分たちの市町村がどのような形で在宅医療の連携を図っていかないといけないのか、今ごろそういうことを言っているところはなかなかしんどいのだと思いますけれども、そういったところがございますれば、この類型化されたモデルを見ながら、自分たちはどういった形でやっていけばいいのかを選んでいただいて、まねしていただくということで、少しは在宅医療の連携の推進が図れるのではないかということで、資料として皆様に提供するものでございます。
時間もないので、これぐらいで私からの報告は終わらせていただきたいと思います。
○新田座長 ありがとうございます。
それでは、ただいま説明のありました資料3について、御質問、御意見等はありますでしょうか。
お願いします。
○佐藤構成員 ありがとうございます。
歯科医師会でもおくればせながら、全国在宅医療会議の方向性、さまざまな知り得たことを全国の歯科医師に広めようという動きをすることが決まりました。特に親会議に入っております全国在宅療養支援歯科診療所連絡会の方々にも入っていただきながら、何より日本歯科医師会にも入っていただきながら、そういう取り組みを吸い上げて広めていきたいと思っています。
ただ、一方で、前回もきょうの1番目もそうなのですが、今回のモデル構築の中に、歯科診療所との連携という項目がなくて、結局そこの実態がなかなかわからない。これをお知らせしようとしたときに、どういう実態があって、どこが不足しているのかという部分がないような気がします。そこら辺のところの調査項目については、今後の調査で御検討いただきたいと思います。要望です。
○新田座長 ありがとうございます。
了解いたしました。
何かほかに御意見等はありますでしょうか。
お願いします。
○江澤構成員 今、初めて見て、いろいろなモデルがあって参考になるところはあるのですが、ホームヘルパーさんが記載されておらず、在宅医療はホームヘルパーさんの日常生活支援の基盤が崩れるとあっという間に破綻するので、本来、一番下支えになっているのはホームヘルパーさんの生活支援の部分であって、その上に医療や看護が乗っかってきているイメージがある。ですから、一番の生活の基盤を支えているヘルパーさんと在宅医療が密なる連携をして、医師と看護師だけで在宅医療ができるわけでは到底ありませんので、そのあたりをもうちょっと視野を広げたらいいかなという気がします。これは感想です。
以上です。
○新田座長 ありがとうございます。
これは医療連携モデルですね。わかりました。
御意見等、ありますでしょうか。
お願いします。
○川越構成員 追加で、同じことになるのですけれども、佐藤構成員がおっしゃってくださった医科と歯科の連携は本当に重要なことだと思いますので、このモデル類型をまとめてくださったことはすごくわかりやすいと思うのですけれども、これは病院と在宅医ということを基本コンセプトでつくっていらっしゃるようなので、多分2軸あって、病院とかかりつけ医、それから、かかりつけ医師とかかりつけ歯科医師というもの、常に2つが基本型なのだと考えていただいて、本当はそこにプラス、今、江澤構成員がおっしゃった介護との連携というのももちろんあるわけなのですけれども、これはとりあえず医療モデルだということであったとしても、少なくとも2軸は入れて今後は御検討いただきたいと思いました。
○新田座長 逆に言うと、これは医政局のモデルでもありますが、今の話は老健局モデルと一体化するということですね。医療・介護も含めてというように話を聞いておりましたが、松岡室長、何か御意見等はありますか。
○松岡在宅医療推進室長 おっしゃるとおりでございます。ありがとうございます。
○新田座長 せっかく吉田局長がいらっしゃいますから、意見を聞いてはいけないですか。
お願いします。
○吉田医政局長 ありがとうございます。
時間も押しておりますので、ここまでの御熱心な議論、ありがとうございました。
最後のところで座長がおっしゃり、また、川越構成員がおっしゃったこともまことにそうでありまして、我々も医療・介護連携という言葉を掲げて、地域包括ケアというものを掲げてまいりますけれども、時々こういうところにお里が知れるといいましょうか、まだ我々の中で払拭していない部分があるのかもしれません。
また、佐藤構成員がおっしゃったように、歯科の分野について、先ほどの御発言も含めれば、この後ろの資料にも歯科の関係、意識してかどうかは別にしてそれぞれの登場人物としては載っておりますが、では、それぞれ実績としてどうなっているかということからすると、まだ我々の中に非常に全面に認識されているかどうかということも反省点だと思っております。こういう機会に我々自身もリマインドをさせていただきながら、この会議には、当然老健局も一緒におりますので、省の中ではそこは風通しよくと思っておりますが、時々に御指摘をいただきながら、一体となって進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○新田座長 貴重な御意見、ありがとうございました。
本日、ただいまの意見を踏まえて、事務局においては引き続き在宅医療の推進に向けた検討をお願いしたいと思います。
最後に、全体を通して御意見があれば伺いたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、事務局、何かありますでしょうか。
○猿渡在宅看護専門官 次回のワーキンググループについては、詳細が決まり次第御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○新田座長 それでは、本日のワーキンググループはこれまでとさせていただきます。大変お忙しいところ、どうもありがとうございました。 

 

 

 

(了)
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