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秋葉副大臣会見概要(違法ドラッグ対策について)

(H25.03.28(木) 14:00 ~ 14:45 省内会見室)

【広報室】

説明のポイント

  • 違法ドラッグは、「合法ハーブ」などといって公然と販売されているが、その実態は、植物片に、覚せい剤や大麻と類似した成分をまぶしたもので、多幸感を得るために若者を中心に乱用されている。
  • 最近、違法ドラッグが関係している可能性のある事例が多く報道されており、死亡や救急搬送といった使用者本人の健康被害に加え、交通事故死亡事故など、他人に被害を与える事例が多く発生し、社会問題となっている。
  • 国立精神・神経医療研究センターに「全国中学生調査」によると、中学生においても、違法ドラッグの経験があると答えた者もあり、既に違法ドラッグの乱用が見られる。違法ドラッグの使用者が身近にいると答えた者は1.2%だったが、違法ドラッグの入手可能性があると回答した者は15.6%と、違法ドラッグが中学生の身近に存在することが伺える一方、危険性の周知率は62%にすぎない。
  • 特にこの調査で初めて明らかになった重要な点は、違法ドラッグ経験者のうち、大麻・覚醒剤乱用経験者はそれぞれ約6割と非常に多いことである。違法ドラッグが大麻・覚醒剤のゲートウェイドラッグとなっている可能性が高いといえる。
  • 今回の調査で明らかになったことは、違法ドラッグを経由するルートが新たに出現したことと、そのルートでは、より大麻・覚醒剤乱用にいたる可能性があるということである。
  • 精神科医療施設に通院・入院した患者の情報を集めた「薬物関連疾患調査」によると、入院などの原因となった薬物としては、覚醒剤に次いで、違法ドラッグが2番目に多く、次に睡眠薬・抗不安薬という結果となった。また、患者の平均年齢は違法ドラッグに関する場合が27.7歳と他の薬物が40歳前後であるのと比べて若い。
  • 薬物の乱用防止を訴えるには、乱用される違法な薬物が、様々な形をもち、様々な方法で販売されていることについて広く国民の皆様に知っていただくことが大切。また、全国の中学生調査の結果と合わせると、違法ドラッグについて、若い頃から啓発を進めていく必要が強まっている。
  • 違法ドラッグ対策については、これまで実施してきた指定薬物指定の迅速化、海外流通物質の国内流通前の指定、包括指定など指定薬物制度による指定を進め、取締りを強化していきたい。また、違法ドラッグの危険性などについて正しい理解を図るための啓発活動も進め、規制と啓発活動を合わせて対応をしていきたい。

会見の詳細

《冒頭》

(副大臣)

 どうも皆さんこんにちは。厚生労働副大臣の秋葉賢也です。今日の副大臣会見では、いわゆる違法ドラッグ対策について、皆様に御説明させていただきたいと思います。本日は、最新の調査結果を御紹介させていただいて、我が省の違法ドラッグ対策について御説明させていただきたいと思っているわけでありますが、皆様に今日は資料を配布させていただいていますが、まず1ページ目を御覧いただきたいと思います。
 違法ドラッグ、マスコミなどではしばしば脱法ハーブですとか、脱法というような言葉も使っていますが、これが公然と販売されているような状態にありまして、その実態は植物性のものに、覚せい剤や大麻と類似した成分をまぶしたものでして、いわゆる多幸感を得るために、若者を中心に今、乱用が大変増えているわけです。
 特に、自分だけが使用して自分だけが犠牲になるというのであれば、それは自業自得ということにもなりますが、資料の右側を御覧いただきたいと思います。この近年だけで見ても、死亡事故が3件あります。その他にも、違法ドラッグを吸引したことが原因で、交通事故も3件確認されているわけでして、中には昨年の10月、高校1年生の女子高生をはねて死亡させたという事故も出ていまして、いわば第三者と言いますか、他人へ危害を与えるケースというものが出てまいりました。本当にそういう意味で、大きな社会問題の一つなのだろうと思います。また、救急搬送、それから不審行動と、これは新聞報道から拾っただけでも、これだけの事例が散見されているわけです。
 また、その左側には、店舗数、確認されているだけでも191、また、インターネットが53件、店舗とインターネットで61件ということで、業者数もかなりの数に上っているわけでして、24年につきましては、76件検挙されたということで、この76件というのも、本当にある意味では氷山の一角ではないのかなと思っています。たまたま私は、先月26日だったと思いますが、国立精神・神経医療研究センターを視察しまして、センターで取り組んでいる研究の内容について、説明を受けてきました。このセンターでは、薬物依存に関する研究などを行っていますが、違法ドラッグについても健康被害が生じていることから、研究対象としていまして、最新の研究成果で、非常に重要な知見が得られていますので、それについても今日、御報告をさせていただきたいと思います。
 違法ドラッグ関連の内容は、大きく二つありまして、一つは、パネルの1枚目に示していますように、全国中学生の調査。そしてもう一つは、精神科、医療施設に通院、入院した患者の情報を集めた薬物関連疾患調査でありまして、今日はセンターからも、職員の方にも同席を頂いていますが、本当に国民の皆さんに是非知っていただきたい、注意を喚起したいという調査結果が得られていますので、是非皆さんにも取り上げていただいて、注意喚起を強化していければいいと思っています。
 資料を御覧いただきたいと思いますが、薬物乱用についての調査概要で、特に違法ドラッグについて、全国の中学生235校を対象にして、その内124校から、約5万5000人の調査結果を得ることができました。
非常に驚いたのが、120名の中学生ですよ、皆さん、高校生じゃなくて。120人の中学生が、違法ドラッグを乱用した経験があると答えているのですね。パーセンテージにすれば、あまり大きな割合じゃないかもしれませんが、中学生までこうした違法ドラッグを使用している。身近に違法ドラッグを使用した者がいるかという問いに答えた者は、1.2%いるよと答えているので、正直に答えた学生ばかりではないということですよね。実際、だから120人よりも多いということも推計できるのではないかと思います。
 また、違法ドラッグを入手可能とした者はという問に対しては、15.6%、さっきのグラフで見ていただいたとおりですね。やはりインターネット、あるいはそういった店舗が身近に開設されているということが影響しているのだと思います。
 違法ドラッグの危険性の周知率は、61.9%という数字が出ていまして、とにかく中学生においても、身近に違法ドラッグが存在しているのだということが、この調査結果から、明らかになったということです。
 そして、もう一つ重要なのは、この下に書いてあります、シンナー遊び経験者の内、大麻や覚せい剤の乱用者は、それぞれ2割程度に過ぎないのですが、違法ドラッグ経験者の内、つまり違法ドラッグをやった人は、かなりの割合で大麻、覚せい剤乱用経験者になっているということなのですね、6割ですから。こういう点も、今回の調査で明らかになったことでして、やはり、違法ドラッグというものは、大麻や覚せい剤のゲートウェイドラッグとなっていると。入口になっているということが、今回の調査から見てとれるのではないかと思っています。
 パネルの2を御覧いただきたいのですが、従来の薬物乱用に至るケースというのは、まず中学生ですね、まず喫煙ですね、未成年者の喫煙。これも未だに克服できない大きな課題ですが、従来はたばこから、それに飽き足らなくなると、シンナーなどの有機溶剤に走るルート、この人たちがやがて大麻や覚せい剤に走るというのが、従来のルートで言われてきたのですが、今回調査して浮かび上がったのは、たばこから違法ドラッグに走る者も2.6%いて、そして、違法ドラッグから一気に、シンナーなどを経験せずに、中には経験する人もいますが、大麻や覚せい剤に走っている。新しく現れた可能性のあるルートということが、調査結果から浮かび上がってきました。
 特に着目いただきたいのは、違法ドラッグを経験した人は、前のパネルにも数字、割合を出しておきましたが、60%の人が大麻ですよ。63.3%の人が覚せい剤ということで、従来のルートよりも、かなりの高い確率で大麻や覚せい剤に走っているということが、大変大きな特徴であり、問題ではないかと思っています。
 続いて、パネルにはちょっと字が細かいので示していませんが、皆さんのお手元に配布させていただいた資料の4ページを御覧いただきたいと思います。この資料も、大変重要な資料だと思っています。この調査は、全国の精神科医療施設を対象として、そこに通院、入院した患者の皆さんの、薬物関連障害に関する情報を集めたものです。入院などの原因となった薬物としては、覚せい剤について、違法ドラッグが2番目に多くなってきているということです。ここは、私の知る限り、どのマスコミの皆さんも、まだ報道していただいていない点だと思います。覚せい剤は相変わらず42%で一番担ぎ込まれる要因としては多いのですが、二番目がもう違法ドラッグで16.3%という、違法ドラッグが二番目に多くなって、睡眠薬や抗不安薬を抜いてしまったという状況になってるという結果が明らかになりました。また、患者の平均年齢は、違法ドラッグに関する場合が27.7歳と、他の薬物が40歳前後にあるのと比べると、この違法ドラッグがいかに若年層によって乱用されているかという実態が、示されているのだと思います。
 これらの結果は、違法ドラッグ乱用者という、新しい薬物乱用者が出現したと考えてもいいのではないかと思います。薬物の乱用が多様化してきていることの証左であろうということも言えます。このため、薬物の乱用防止を訴えるには、従来のように、麻薬あるいは覚せい剤、大麻の恐ろしさだけではなくて、乱用される違法な薬物が、様々な形を持っていて、様々な方法で販売されていることについて、広く国民の皆様に知っていただきたいと強く思っています。
 また全国の、最初に見ていただいたパネルのとおり、中学生調査の結果と合わせると、違法ドラッグについては若い頃から啓発を進めていく必要が強まっていると考えています。私がセンターを視察して、色々な説明を受ける中で、非常に興味深かったことがたくさんあるのですが、まさに今日皆様に報告しました、この二つのリポートはもちろんですが、いわゆる覚せい剤や大麻の常習者いますよね、そういう、いわば何て言うのでしょうかね、プロ。そういう人たちは、この違法ドラッグには手を出さない傾向があるのだそうです。
 つまり、大麻や覚せい剤の影響なり、被害というのは想定できるわけですが、違法、脱法ハーブなんていう言葉に象徴されるように、違法ドラッグの場合には、品質も均一ではありませんし、非常にその影響も予測し難いことから、非常に危険だということで、大麻、覚せい剤の乱用者はむしろ手を出さないと。そういう傾向もあるのだという話を聞いて、それだけ、ある意味では従来麻薬指定をしてきたものよりも、大変影響の大きいもの、そして実際に死亡事故が多発していると。そして、それが従来の、大麻や覚せい剤に比べて、若年化してきているということで、大変やはり看過できない状況に来ているのではないかと思います。
 そういう状況を受けて、パネルの4枚目になりますが、啓発活動の強化として、今年の2月から、違法ドラッグに関する情報収集と提供を行う新たな事業として、「あやしい薬物連絡ネット」というものを事業として、2月にスタートさせていただいています。これも、せっかく2月にスタートしたのですが、あまりまだ始めたばかりということもあって、十分知られていません。コールセンターを設置して、情報収集や違法ドラッグの販売、健康被害情報を提供する。そして、ホームページを通して、情報提供や消費者への注意喚起をする。そして、寄せられた情報を基に、監視指導等の行政による活用を積極化して、特に若い人にしっかりと訴えかけていきたいなと考えています。
 違法ドラッグの対策につきましては、これまで実施してきた指定薬物の指定の迅速化、それから海外流通物質の国内流通前の指定、それから包括指定ですね。指定薬物制度による指定を迅速化して、取締りをこれからも強化していかなければならないと考えています。同時に、違法ドラッグの危険性などについて、正しい理解を図るための啓発活動も進めて、規制と啓発活動を併せて対応を強化していくということが大変大事だと思っています。そういうことで、今回二つの重要な調査結果の中から、この違法ドラッグの低年齢化が進んでいるということと、本当に特に若い人たちを中心に、普及啓発を徹底していかなければいけないということを、厚生労働省として発信をしていきたいと思っていますので、皆様におかれましても、そうしたPRにつきまして、御協力を頂ければと思っています。
 また、今日は先生にもおいでいただいていますから、せっかくですから先生、一言お願いします。

(和田清国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部長)

 どうもありがとうございます。本日のですね、紹介いただきました、全国中学生調査、それと、全国の精神科病院調査ですね、それを担当させていただきました、薬物依存研究部の和田と申します。私たちのところは、本日紹介しましたこの調査を、もうかれこれ15年以上、2年に1回ずつ続けています。ですから、全体のトレンドというものを全部把握しているわけですが、この脱法ドラッグ、いわゆる違法ドラッグにつきましては今回、昨年初めてやったということですね。実は、5,6年前にも一度試みているのですが、その時には今ほど周知されていませんで、そういう言葉を出しても知っている方がほとんどいなかったということもあります。ところが、今回この秋にやってみましたら、すごい数字が出たということでして、これはもう大変な事態だなと。本当に日本の薬物を取り巻く状況及び乱用状況が今後激変する可能性を感じてしまいます。非常に、今後どうなるか非常に難しいところで、是非これはここで止めたいという思いです。御協力の程、よろしくお願いいたします。

《質疑》

(記者)

 今調査の、和田先生にお聞きした方がよろしいのかもしれませんが、昨年秋というふうにおっしゃっていましたが、調査期間というのは、これは昨年何月とかというのは分かりますか。

(和田薬物依存研究部長)

 全国中学生調査は、これは原則的に10月です。10月1か月間を使っています。各学校ごとに一応決めて、調査をやると。それから病院調査は、8月、9月の2か月間に入院ないしは通院した患者さんを各病院に問い合わせてるという、そういう調査です。

(記者)

 中学生調査の方で、入手可能とした者はという項目がありますが、具体的な例えば違法ドラッグの関係で、入手経路というのは、例えばインターネットとか、直接とか、その辺は聞いてらっしゃるのでしょうか。

(和田薬物依存研究部長)

 これは、中学生調査ではそこは聞いていません。ただし、いわゆる病院調査の方ではそれは聞いています。ちょっとお待ちください。病院調査の方では、入手経路を聞いています。これは、覚せい剤との比較すると一番違いが分かるのですが、覚せい剤は、さすがにいわゆる密売人です。それに対して、違法ドラッグの方は、一番多いのはインターネットですね、21%。それにちょっと差があるのですが、19%が友人からという、人的ネットワークというのでしょうか、そういうところになってきますね。ちょっとごめんなさい、先ほど私8月9月と言いましたが、9月10月でした。ごめんなさい。

(記者)

 包括指定の関係で、新しく包括指定が今度始まりましたが、それを見越してなのか、そこはちょっと分からないのですが、既にそこにも引っかからない薬物が実際に出回っているというようなことなのですが、その辺についての副大臣のお考えとか、今後の見通しのようなものを教えていただけますか。

(副大臣)

  そうですね。本当にこのいたちごっこを繰り返してはならないと思うのですね。新たな違法ドラッグが次々に登場しているような状態があります。包括指定をすることによって、その迅速化に対応してきたつもりですが、化学式が全く異なる新たな物質が出てきていることは事実ですので、そうした別の構造を持つものについても、海外の情報もしっかり収集しながら、迅速な包括指定をしていくということが必要なのだろうと思います。
 今までは、ある化学式のものが出てきて、それを基に色々な種類が出回ったということで、まずそうした事実が先行して、後追いの形で包括指定ということでしたが、今は、新たなものは確かに出ていますが、同時にこのセンターを中心に成分検査もし、どういうものが出回っているのかということもほぼ把握しながら、今後はやれる体制にあります。ただ、これも早く公表の時期によってもまた色々とまた違う対応とか、それこそいたちごっこになりますので、いずれにしても、基本構造が異なるものが出てきても、従来にも増して、早い対応で包括指定をかけていくと。そして、これまでも、指定薬物の数の中から包括指定をかけることによって、24年の4月1日現在ですと、指定薬物68物質を851物質にまで拡大をしてきたわけですが、その中で麻薬指定をしたものも10あるのですが、そういう形でどんどん違法ドラッグで、指定薬物に指定を増やして、さらに、なかなか市場からなくならないものについては、麻薬指定の手続も更に踏んでいくということで、強化をしていく必要があるのだろうと思っています。

(記者)

 最初の方、欠けちゃったので、ひょっとしたら説明があったのかもしれないのですが、言葉の問題ですが、違法ドラッグというのは、要するに指定薬物のことを指しているという理解でよろしいでしょうか。

(副大臣)

 いや、違法ドラッグというのは、まだ指定薬物には指定は必ずしもしていないものも含めて、いわゆる脱法ドラッグという言い方になりますと、法には違反していないのだというイメージを持つ人もいるようなのですね。これは法に違反しているのですよということを、我が省としてはしっかりと啓蒙していきたいということです。実は、厚生労働省と警察庁も、十分言葉の定義を協議してきているわけではないのですが、極力我が省としては、脱法という言葉を使うことによって、法には違反していないのだと。だからいいのだという誤解が生じないように、あえて違法ドラッグという言い方で、徹底していきたいと思っています。だからまだ、指定薬物として規制はしていなくても、違法なのだよということで、我々としてはそこを強調したいということです。

(事務方)

 副大臣の説明をちょっと補足させていただきます。おおむね、今副大臣が申し上げたとおりですが、いわゆる私どもが言っています違法ドラッグの中には、まだ指定薬物に指定して規制する前の概念のものも含まれておると。
 ただし、本来であれはそれはワーディングで言えば、規制対象外でありますから、違法という言葉は使えないはずなのですが、ただそれは、じゃあ違法でないのならば安全なのかとか、要するに使ってもいいのかということになると、要はいたちごっこという言葉がありますが、それは、毒性があればどんどん本来ならば指定すべきものであるのが追いついていないという実態がありますので、それは今副大臣が申し上げたとおりです。要するに、対外的には、いわゆる指定したものと同じような毒性のおそれがあるものなのだというのを御理解いただくために、あえて、違法という言葉で、違法ドラッグという言葉を使わせていただいたということです。

(記者)

 なるほど、今のことで分かりました。それとすみません、指定薬物になっても、輸入販売等は禁止されますが、使用しても法律上は縛ることができませんよね。それについては今後、見直し等する考えはありますか。

(副大臣)

 この間も指定薬物から10を麻薬指定してきました。ですから、これからも指定薬物を指定ということを踏まえて、所持についても、規制ができるようにいわば格上げをしていくというのですかね、そういう対応を迅速に進めていきたいなと。そしてやはり実効性のあるそうした取締りも含めた効果を得ていきたいと思っています。指定薬物の使用者については、単純所持規制を設けることについては、有害性の程度に応じて、規制している他の薬物とのバランスや、規制の政策的な効果を勘案して、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

(記者)

 すみません、つまり最初に副大臣がおっしゃられたことは、格上げして規制していくということですよね。つまり、指定薬物を。

(副大臣)

 つまり、市場から指定薬物に指定して、市場からなくならないものありますね。これ、なくならないものを規制するためには、やはり所持自体を規制していかなければなりませんから、今までも、薬物指定、指定薬物に指定した後も流通している物質で、依存性が認められるものについては、昨年1年間だけでも、10物質について麻薬指定をしていますのでね。やはり、依存性が強くて、なかなか市場から取り締まりをしてもなくならないもの、これはやはり格上げをしていくということにはなるのだろうと思いますが、ただ、その範囲についてはやはり慎重に、全体のバランス、状況を見ながらやっていくということで、いたちごっこと言われないように、しっかりとそこは対応していかなければいけないと思っています。

(記者)

 今の関連なのですが、ということは、指定薬物の単純所持というわけではなくて、やはり格上げして麻薬として、麻薬に格上げして、麻薬の方はもう所持とかも駄目だから、ということですか。それとも、指定薬物自体も、単純所持なのか。を、規制していきたいと。

(副大臣)

 指定薬物の単純所持という問題については、やはり有害性の程度、だから、同じ商品名でも、品質に差もあって、なかなかその辺の立証も難しかったりも色々しますので、指定薬物の中で、単純に所持規制をするということについては、実効性の問題もありますので、そこは他の薬物とのバランスを見ながら対応していくということですが、しかし、指定薬物に指定をしても、なかなか普通なら市場から段々消えていくわけですが、なくならないものありますね、市場から。指定薬物に規制しても、なかなか市場から消えないもの。こういうものについては、最終的には麻薬指定をして、対策を強化していかないと、まったく取り締まることができませんから、麻薬指定も含めて対応の強化を図っていくということになるのだと思います。

(記者)

 つまり、薬事法を改正して、指定薬物の中に所持規定を入れるということについて聞いているのですね、私たち。

(副大臣)

 それはまだないでしょ。

(事務方)

 ただいま副大臣が申し上げましたとおり、いわゆる指定薬物の単純所持規制につきましては、例えば麻薬ですとか、他の薬物との規制のバランスの問題ですとか、あとそれから国民の皆さん一人一人に規制をかけるというこでありますので、その政策的な有効性ですとか、課題を整理しながら慎重に検討していくべき課題であると考えています。慎重に検討しているところです。

(記者)

  これまで指定薬物について、常習でしたっけ、が認められたら麻薬でしたっけ。乱用性でしたっけ。 (事務方)乱用の実態と、それから依存性の立証です。ですから、副大臣が申し上げられたとおり、指定薬物指定後も乱用の実態が認められ、なおかつ、いわゆる常習性、いわゆる依存性ですね、それと毒性の立証度が高まったものについては、これは速やかに麻薬にしていくというのは、私どもの従来どおりの方針です。それは、強化していきたいと考えています。

(記者)

 依存性とか毒性の立証がなくて、市場にまだ、指定したのだけれど残っているというだけで、格上げするわけではないですよね。

(事務方)

 もちろんそれは依存性の立証が前提になりますが、ただ、必要条件としては、当然市場に残っていることが前提になります。乱用の実態というのがあります。

(記者)

 そこは変わらないということですね。

(副大臣)

 はい、変わらないです。

(記者)

 どちらかと言うと、研究者の方にお尋ねした方がいいのかと思いますが、調査なのですが、もうちょっと分析的なところを伺いたいのですが。ずっと、これまで2年に一度やってこられて、傾向を見ておられるということなので、今回の結果だけ見ても、入手可能、大麻12.4%、覚せい剤12.3%、これだけでも結構高いような、本来違法でですね、本来入手しにくいもの。この辺りの数字とかをどう見たらいいのかということと、そういう大麻、覚せい剤に比べて、これは改めてになりますが、違法ドラッグがやはりハードルが低いということだと思いますが、そのハードルが低い理由ですね。価格なのか、販売形態なのか、あと見た目なのか。ちょっとその辺りを。

(和田薬物依存研究部長)

 入手可能性は、傾向としては2年に1回ながら、この10年間でも確実に調査をやる度に中学生での入手可能性は低下しているということです。これは、全ての薬物について言えます。ただ、脱法について、いわゆる違法ドラッグについて調べたのは今回初めてなので、これについてどう変化したかというのは、ちょっと言えません。そもそも、この違法ドラッグ自体が、本当にこの2年位の間に一気に広まったというところがありますから、前にデータが無いということも重なって、こればっかりトレンドが分かりません。それからもう一つ、二番目の話ですが、もう1回確認させてください。

(記者)

 ハードルの低さについてです。

(和田薬物依存研究部長)

 それについては調べていませんので、何とも言えません。ただし、これはこれまでに1回もやったことのある中学生のパーセンテージということになりますと、実は0.2%ということになるわけですが、この0.2という数字は、大麻の経験者、覚せい剤の経験者も実は0.2なのです。
 ところが、これ若干人数の違いがありまして、同じ0.2%でも、大麻が一番人数が多いです。次に違法ドラッグ、三番目が覚せい剤と。若干の%は同じですが、やったことある人数というと、そういう違いが出てきます。その辺りのことは、我々の感覚としても、やはり覚せい剤怖いなとか、そういう心理的な順番と一致しているのだろうと一応見ています。

(記者)

 ちょっと伺いたいのですが、まず一つは、この調査結果で、違法ドラッグの危険性の周知率が大体6割ということで、皆知っていながら、入手可能だったり使っていたりして、つまり今後の対策で周知活動と言っていますが、知っているけれども使われている実態が含まれていて、その対策が必要にも感じるのですが、どうでしょうか。

(副大臣)

 そうですよね。やはり知っているのだけれど、そんなに禁止、法律で禁止されているわけではないのだから、大麻や覚せい剤みたいな深刻な影響はないのだろうみたいな安易な気持ちで利用する人がやはり多いのではないかなとも思われるのですよね。ところが先ほど、私が申し上げたように、非常に和田部長からの説明でも、私現場に行ったときに象徴的だったのは、大麻や覚せい剤の常習者は、もうほとんど手を出さないくらい、ある意味では逆に言うと危険なわけですね。ですから、そういう本当にまだ法律で規制はしていないけれども、危険なのだということを、特に普及啓発していくということが大事なのだと思います。

(記者)

 調査結果が二つあって、先ほどは関連させながら御説明あったと思いますが、別の調査で一緒に捉えてよろしいのでしょうか。つまり、最初中学生の調査結果があって、その後背景とかを説明するのに、入院とかの調査結果の説明があったと思うのですが、これを一緒の調査と言いますか、原因はこういうことみたいな説明に、一緒にしちゃっていいものなのか。

(副大臣)

 別の調査です。

(和田薬物依存研究部長)

 独立しています。

(副大臣)

 中学生の抽出調査と、こっちは病院にした実質的なヒアリングの調査と、別の二つの調査であると。特に、後者のやつは、今病院に担ぎこまれる人の第2位になってきているのだと。この違法ドラッグの使用者がですね、ここがこの二つ目の調査の、私が一番皆さんにお伝えしていただきたいことです。

(記者)

 すみません、ちょっと用語の問題なのですが、和田先生にお聞きした方がいいかもしれない。中学生の調査のときに、今回脱法ドラッグが初めて調査というふうにおっしゃいましたが、中学生とかの間ですと、やはり違法ドラッグというより脱法ドラッグという言葉の方が、自然に広まっているのかなという感じで、設問としては、違法ドラッグという聞き方をしているのですか。また、その定義とかというのも、どこかで説明された上で聞いているのでしょうか。

(和田薬物依存研究部長)

 言葉として、私たちは脱法ドラッグという言葉を使わせていただきました。そこには、どういうドラッグかということも一応は説明を付けています。それは、作用としては、麻薬あるいは覚せい剤、それに大麻、そういうものに非情に類似しながらも、ストレートな法規制がなされていない薬物という定義を付けて調べています。

(記者)

 2ページ目に、違法ドラッグ乱用経験と覚せい剤乱用との関係2012の表、これの実人数を教えてください。

(和田薬物依存研究部長)

 皆さんから見て右のグラフでしょうか。

(記者)

 はい、そうです。

(和田薬物依存研究部長)

 まず、男性で言いますと、覚せい剤の乱用経験と、脱法ドラッグの経験のない男性の場合には、ここで覚せい剤の経験があると答えた生徒は26人です、僅か。それに対して、脱法ドラッグの経験があるという男性、男子ですね。そこで覚せい剤の経験有と答えたのは、43人と。それから、女子について言いますと。脱法ドラッグ経験なしで、覚せい剤経験があるという者は、14人。それに対して、脱法ドラッグ経験有と答えながら、覚せい剤経験有というのが31人。ちょっと数字がどうもおかしいですね。僕がちょっと違うとこを答えてしまった。

(副大臣)

 二つのこれ、大変いい調査をやっているのですが、なかなか取り上げていただく機会も少ないわけですので、中学生に対する調査、これ非常に低年齢化してきているのだということ、そして病院に対する調査でも、今、救急で担ぎ込まれるの第2位になってきたのだということを中心に、そして先ほど御質問ありましたが、いたちごっこでなかなか市場からなくならないもので、依存性の高いものは、昨年1年間で10個ですね、麻薬指定しましたが、今年もどんどんこれを強化していきたいと思っています。先生、大丈夫ですか。

(和田薬物依存研究部長)

 少々その、両方クロスさせているので、逆に言ってしまいました。両方から見ているものですから。

(記者)

 取締りとか出ましたが、一方でこれだけ、いわゆる捕まらない薬にシフトしている人がいる中で、日本の薬物依存の治療とか、回復支援のプログラムの体制が非常に貧弱だと言われていますが、その辺、今日たまたま3時から、依存症の検討会の強化をするような会合が、報告書をまとめますが、副大臣として、いわゆる治療、医療の面からの充実をどう考えるかというのをちょっと教えてください。

(副大臣)

 今日は本当に和田部長のところでの知見も活かしながら、やはりそうした再起に向けての治療についても、十分強化をしていけるように、一方で取り組んでいかなければいけない重要な課題だと認識していますので、特に従来と違ってこの違法ドラッグに起因する特に若い人がこれだけ増えてきていますので、やはり常習者になる前に、しっかり自立できるように、支援の強化を十分検討していきたいと思っています。
 よろしいですか皆さん。今日は、副大臣会見もう何回目かになりますが、45分にわたって、一番長い時間、皆さんにお付き合いいただいたわけです。大変、精神神経センターの、いい仕事をしていただいていますので、そして、私がたまたま視察させていただいたときに、今回初めてのこの違法、脱法ドラッグという言葉での調査ではありましたが、調査結果がまとまったというタイミングだったものですから、やはりこういう事実を広く国民の皆さんに、知っていただいて、注意喚起につなげていきたい。特に、脱法なんていう言葉は使われてても、やはり違法だっていうことと、ある意味では大麻や覚せい剤よりも、その副作用というか影響というか、悪影響ですね、これが非常に著しいものだと。死亡事例も、交通死亡事故の例も増えてきていますので、ここでしっかり抑制していくということが大事だと。今まさにその分岐点に立っているのだという認識で取り組んでいきたいと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。今日は、ありがとうございました。

(了)


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