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秋葉副大臣会見概要(薬物乱用対策について)

(H25.08.06(火) 17:05 ~17:19  省内会見室)

【広報室】

説明のポイント

<第三次薬物乱用防止五か年戦略に関する主な成果>

  •  違法ドラッグ対策として、指定薬物の迅速な指定、包括指定を導入するなどの規制強化を行った。
  •  指定薬物の数を68物質(平成24年4月)から881物質(平成25年7月)に拡大した。
  •  「麻薬及び向精神薬取締法及び薬事法の一部を改正する法律」(議員立法)が平成25年5月に成立したことにより、麻薬取締官(員)に対する取締権限の付与等、取締体制の強化を行った。

<第四次薬物乱用防止五か年戦略策定に向けた今後の主な取組>

  •  多様化する乱用薬物に対し、新たな包括指定の実施等による指定薬物の迅速かつ効果的な指定を推進、規制、取締り等の取組を強化していきたい。
  •  乱用拡大を防止するため、情報提供、広報活動を的確に実施したい。

会見の詳細

《冒頭》

(副大臣)

 みなさん、こんにちは。久しぶりですけれども、副大臣会見を行わさせていただきます。今日はお手元に資料を配付させていただいていると思いますが、第三次の薬物乱用防止五か年戦略に関する主な成果についてまず御報告をさせていただきたいと思います。政府全体といたしましては、薬物乱用対策推進会議におきましてこれまで、薬物乱用防止五か年戦略を策定し、各省庁が連携をして総合的に薬物乱用対策を進めてまいりましたけれども、第三次の五か年戦略が終了する時期でございますので、厚生労働省がメインの事業ということになります。これまでの薬物乱用対策と今後の取組について今日は御説明をさせていただきたいと思います。
 まずパネルの1枚目を御覧いただきたいと思います。何といいましても取締りと規制の強化ということで麻薬取締官による末端乱用者や密売人等に対する徹底した捜査から、薬物密売組織の中枢に対する取締りを実施してまいりました。特に近年は違法ドラッグ対策として指定薬物の迅速な指定、包括指定によってその対象範囲の拡大などを導入するなど規制強化を図ってまいってきたところでございます。今現在、指定薬物の数も68物質だったものから一挙に881物質まで増やしてまいりました。「麻薬及び向精神薬取締法及び薬事法の一部を改正する法律」、これが議員立法で成立いたしましたが、平成25年の5月にこれが成立したわけでございますけれども、この中で麻薬取締官に対する取締権限の付与が実施をされたところでございます。指定薬物の疑いがある物品を収去できる規定が新設をされたわけでございまして、取締体制が強化をされたわけでございます。ただ、なかなか全体の定員管理中で本当に取締官の数が十分かといえば必ずしもそうではないので、今後そうしたマンパワーの増員なども図れれば一番いいと思っているのですけれども、現在のところはなかなか難しいものですから、広域連携の強化等で今対応をしているということでございます。薬物乱用防止のための啓発活動でございますが、全国での「ダメ、ゼッタイ。」普及活動などの街頭キャンペーンや普及啓発活動読本の配布などによって、違法ドラッグを含む薬物乱用防止に関する正しい知識の普及啓発を毎年実施をしてまいったところでございます。「あやしいヤクブツ連絡ネット」を開設をし、違法ドラッグ等に関する情報の収集や提供、相談対応を開始をさせていただいてきたところでございます。
 次にパネルの2を御覧をいただきたいと思います。このグラフは薬物事犯の検挙人員の推移を示しておりますけれども、第三次薬物乱用防止五か年戦略に基づく施策によりまして、検挙人員は若干ではございますけれども着実に減少傾向を示してまいりました。これはやはり一定の成果を上げてきたといってもいいんだろうと思います。覚醒剤事犯の検挙人員は約12,000人というふうになっているわけでございます。大麻が1,692人ということ。全体として、なかなか高止まりをしている状況も見られるのも事実でございまして、さらに近年はこのグラフにはございませんけれども、いわゆる違法ドラッグを使用したものがこうした麻薬や覚醒剤に手を染めてきているということで脱法ドラッグの広がりと一つのゲートウェイとしての機能を果たして来ているという問題をしっかり認識して対応していくことが大事だというふうに思っております。今後薬物乱用の根絶を図るために政府を挙げた総合的な対策を推進していく必要があるわけでございまして、その中心になるのが私ども厚生労働省だと思っておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
 次にパネルの3を御覧をいただきたいと思います。この第三次の薬物乱用防止五か年戦略が今年度終了するのを受けまして、今月中に薬物乱用対策推進会議におきまして新たな第四次の戦略を策定をしたいというふうに考えております。これまでの取組を引き続き積極的に推進するとともに、新たに違法ドラッグ等のですね、5年前ではあまりこれは顕在化していなかったわけでありますけれども、この違法ドラッグ等の多様化する薬物乱用に関する取組を追加をしてまいりたいというふうに思っております。厚生労働省における具体的な取組といたしましてはやはり何といってもこの取締り・規制の強化ということになるわけでありますが、引き続き薬物乱用の成分を指定薬物として迅速に指定するとともに、新たな包括指定を実施するなど指定薬物の迅速かつ効果的な措置をさらに推進をしてまいりたいと考えております。指定薬物に指定後も不正な流通が継続し、麻薬と同種の有害性などが確認されたものにつきましては、毒性を調査した後に麻薬に指定し、規制を強化してまいりたいと考えております。麻薬取締官に付与された権限も活用して、規制薬物・指定薬物の取締りを強化していく、また、関係機関との連携を強化して、販売実態の把握に努めるとともに販売する可能性がある店舗等に対し、指導や警告も実施をしてまいりたいと思っております。そして、やはりこの麻薬については組織犯罪対策の推進というものも極めて重要なポイントになってまいります。麻薬等の薬物の供給源をしっかりと絶っていくためにも組織的な薬物密売について麻薬取締部において広域的な取締りを強化をしてまいりたいというふうに考えております。
 最後にパネルの4でございますけれども、先ほども少し申し上げましたが、啓発活動についても特に青少年に対して的確な情報提供をしていくことが大事だと思っております。地方自治体や関係機関、団体と連携をしながら各種資材資料を用いての情報提供、広報活動をより積極的に推進をしてまいりたいと思います。以上、厚生労働省といたしましては、今後とも各省庁と十分連携を図りながら、徹底した取締りを実施するとともに、薬物乱用を防止するための啓発活動を推進してまいりたいと考えておりますので、どうぞマスメディアの皆様も御理解・御協力を頂戴しますようよろしくお願いを申し上げます。今日は以上でございます。

《質疑》

(記者)

 最後の方で青少年への啓発活動というふうになってますけど、特に違法ドラッグについては脱法ハーブなどの若者の乱用が言われていますけども、そこら辺でもう少し対策ですとか、あと副大臣の所感というか考え方があれば教えていただければと思います。

(副大臣)

 どうしてもこの違法ドラッグの問題はですね、大麻や覚醒剤と違って、逆に言うと合法なんだろうっていう誤解の下に手を染めてしまうケースもあるわけですね。ですから、これはあくまでも違法なんだという、その違法性の認識を子ども達にしっかり持ってもらうということは大事なんだと思うんですね。国立精神・神経医療研究センターを視察をした時に、若い研究員が2人で成分検査頑張っていただいているわけですが、その時に聞いた非常に印象的な言葉が、覚醒剤や大麻っていうのは再犯率が非常に高いわけですが、いわゆるその常習者は違法ドラッグには手を出さないんだそうです。それはつまり成分が不統一で、非常に違法ドラッグの方が危険だという認識が、いわゆるそういう常習者にはあるんですね。ですから、逆に言いますと、もちろん覚醒剤や大麻が悪いのは当然ですけれどもね、違法ドラッグも本当に覚醒剤や大麻と変わらぬ劇薬なんだと、毒物なんだというですね、そういう面での認識の徹底ということはですね、さらに私は一番大事なポイントになってくるだろうというふうに思ってます。

(記者)

 確認なんですけれども、最後に説明いただいた四次の五か年計画の策定に向けてということで、取締りや規制の強化と説明をいただいた部分というのはすでにもう打ち出しているものなのか、それとも新規のものなのか、どうなんですか。

(副大臣)

 5年前に策定した時に比べますとやはり違法ドラッグの問題というものが大きなウェイトを占めるようになってきておりますので、今まさに精力的に各省と連携しながらこの戦略を策定中でございますが、今月中には策定をして公表させていただきたいと思っております。その中でここに書いていますように、新たな違法ドラッグ等の多様化に対する取組の強化ということをしっかり明記をして、今言ったような普及啓発の充実と併せてしっかり対応していかなければならないということと、それから指定薬物の迅速かつ効果的な指定を推進していくことが重要だと思います。これもある意味ではいくら指定をしても、化学式を変えてまた新たな違法ドラッグが生まれるといういわばいたちごっこの繰り返しではあるんですが、先ほど取組実績の中で見ていただいたように、たった1年間に68物質から881物質にまで一挙に拡大をしてきたわけでございますけれども、これにつきましても今専門家による検討を進めているところでございまして、この秋に審議会をまた開催をいただきですね、ここで次の包括指定の物質群を決めていきたいというふうに思っております。そういった取組の強化についても今度の第四次の戦略の中にはしっかりと明記をしてまいりたいと考えております。

(記者)

 麻薬取締官のマンパワー不足をおっしゃってましたよね、現在何人ぐらいいて、もし増員するんであれば概算要求などで増員などもまた要求されるんでしょうか。

(副大臣)

 ちょっと今数は定かではないので、後で事務方から報告してもらいますけれども、私も副大臣に就任して以来ですね、地元の東北厚生局はもちろん、札幌の厚生局、それから名古屋、そして大阪と4か所見てまいりましたけれども、どこの地方支局に行きましてもやはり限られた人数で対応しているのが現状でございます。そうした少ない人数で効果的に取締りに当たるために、いわゆる広域連携の中でそれぞれの地方支局がお互いに協力をしながら、人員をお互いやりくりをしながら何とか広域捜査に当たっているということなものですから、本来ならば権限の新たな付与に見合う人員の増強というものを図りたいところなんですけれども、なかなか総務省からの定員管理の中でですね、概算要求に予算を盛り込むのは今厳しいという状況でございます。ただ、取締りの成果は先ほど見ていただいた検挙人員のグラフの中でも若干ではありますけれども、少ないマンパワーの中で本当に麻取の皆さんには大変な御努力をいただいてかなりの成果を上げていただいております。これをやはりもっと徹底していくためには根本的には人員の問題ということは大変大事な課題になってまいります。ですから、何とか総務省の御理解もいただいて拡充をできればなと思ってますが、なかなか全体の定員管理がある中で麻取だけ拡充するというのは現状では厳しい状況でございます。なお、平成25年度で麻薬取締官の数は265名ということでございます。
 今日はお盆前で何か心なしか少なそうな感じがいたしますが、本当にこの問題は特に青少年の皆様に対する文字どおり違法ドラッグが危惧されるところでございますので、法律で規制されてないから大丈夫だという発想ではなくて違法なドラッグだから止めるようにという視点からぜひ啓発PRに御協力いただければ幸いでございます。今日はどうもありがとうございました。

(了)


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