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秋葉副大臣会見概要(DPAT(災害派遣精神医療チーム)の構想について)

(H25.02.28(木) 11:43 ~ 12:00  省内会見室)

【広報室】

説明のポイント

  •  精神医療や精神保健活動の支援を行う専門的なチームとして、「災害派遣精神医療チーム」、略称「DPAT(ディーパット)」を整備していくこととした。
  •  DPATは、自然災害や航空機・列車事故、犯罪事件などの大規模災害等の後に、被災地域の都道府県の派遣要請等により被災地域に駆けつけ、精神医療や精神保健活動の支援を行うための専門的な精神医療チームである。
  •  DPATの1チームは、精神科医、看護師、事務職員等の数名で構成される。活動期間は1週間を標準とし、必要に応じて派遣元の都道府県から、交代しながら数週間から数か月継続して派遣される。
  •  DPATの設置主体は、各都道府県・政令指定都市で、厚生労働省は、平常時にDPATの活動要領の策定や演習を行うとともに、災害発生時には、DPATの活動に関わる情報集約や総合調整、関連省庁との必要な調整のほか、被災地域外の都道府県に対するDPATの派遣要請を行うことを予定している。
  •  派遣調整は、国立精神・神経医療研究センターに委託して災害時こころの情報支援センターを設置するとともに、災害時精神保健医療情報支援システム(DMHISS:ディーミス)を整備し、都道府県間、厚生労働省、DMATをはじめとする多様な医療チームや保健師チームとの有機的な連携を含めて、効率的に調整を行うことを可能とするための体制づくりを行っている。

会見の詳細

《冒頭》

(副大臣)

 どうも皆さんこんにちは。副大臣の秋葉賢也です。今日は、DPATの設立構想の状況について、皆さんに御紹介させていただきたいということで、こうした会を開催させていただいたところであります。特に、東日本大震災では、DMATの活躍は、つとに知られているところですが、精神面のケアということについても、今回、厚生労働省が把握している心のケアチームについては、全体で申し上げますと、平成23年の3月から、24年の3月までに、57チーム、延べで3504人の皆さんに大変活躍をしていただきました。その検証もちょうど今般終えまして、こういった形で平成23年の東日本大震災心のケアチーム活動に関する調査報告書ということで、取りまとまったところでして、今回こうした活動の成果を更に検証して、これからの大規模災害にも備えていくということが必要だと思っています。
 災害時の医療体制といたしましては、パネルの1枚目にもお示しをしています。また、皆さんのお手元の資料も御覧いただければと思いますが、災害派遣医療チーム、通称DMATが、初動体制を担うこととしています。このDMATとDPATの違い、先ほど言いましたように、救急医療チームということと、心のケア、精神面ということが、まず大きな違いになるわけですが、活動の期間も大きく異なります。DMATの場合には、48時間以内の対応というものが基本になるわけですが、DPATの方は、概ねですね、こちらに書いてありますとおり、一つのチーム当たりの活動時間が大体1週間くらい。あるいは必要に応じて数週間、あるいは数か月に及ぶ等、活動期間の違いというのもあります。それから、チームの編成ですが、皆さん御案内のDMATの方はこちらに書いてありますとおり、基本的には医師1名、看護師2名、それから業務調整員1名の4名が基本となっているわけでありますが、今回皆さんに御紹介をさせていただいていますDPATの方はですね、これは精神科の医師が基本的に1名、それから看護師が1名、そして事務職員等による最低3名以上の陣容でということの特徴になっているわけです。このDPATにつきましては、先々週の金曜日から、今週の水曜日、昨日までですね、都道府県等の担当者を対象に、派遣調整等に使うシステムに関する演習をちょうど行いまして、私も一昨日ですね、国立精神・神経医療研究センターの視察をしたときに、ちょうどその研修が終えたところでしたが、熱心に研修が行われたというふうに伺っているところでして、改めて、精神医療の支援体制について、我が省として情報を発信していきたいと思っています。今回の東日本大震災では、被災地以外の都道府県からも多くの心のケアチームということで御支援を頂きました。しかしながら、心のケアチームの活動要領が、明確に定められていませんことから、被災地での精神医療供給体制の中での位置付けや役割が明確でなかったということがあって、効率的な活動が必ずしもできなかったのではないかという御指摘を頂いております。また、厚生労働省では、平成24年度から開始した心のケアチーム体制整備事業の中で、各都道府県等に平時から心のケアチームの整備を促してきているところですが、この過程の中でも、より明確な定義や位置付けを求める意見が出ていました。
 このため、今般パネルの2枚目を御覧いただきたいと思います。皆さんのお手元の資料の2枚目になりますが、DPATの名称をですね、しっかりとこの大規模災害における精神保健医療活動を担う派遣チームを正式にDPATということで位置付けまして、その定義や活動内容を明確化することとしました。こちらに書いてありますとおり、東日本大震災における心のケアチームの活動については、活動要領が定まっていないことから、一部非効率的な運用があったと。こういう課題に対応するために、各都道府県における心のケアチームの整備を促進するために、平成24年度から、心のケアチーム体制整備事業を実施して、具体的な活動要領の作成を検討してきたところです。そこで、厚生労働省では、平成23年から設立されていた災害時こころの情報支援センターなどと相談をして、DMATの名称や活動要領を参考に、災害派遣精神医療チーム、DMATというのに対抗して、DPATということで、定義付けさせていただいたところです。なお、このDPATの設置主体は、基本的には各都道府県・政令指定都市になります。厚生労働省は、平常時には、このDPATの活動要領の策定や演習を行うとともに、災害発生時には、DPATの活動に関わる情報の集約や総合調整、あるいは関連省庁との必要な調整を行う他、被災地外での都道府県に対するDPATの派遣要請というのを予定しています。
 なお、派遣の調整等につきましては、パネルの4枚目ということになりますが、その前にこれは、先ほど御紹介したとおりDPATの構成メンバーは、精神科の医師が中心となって看護師と事務職員と連携をしながら対応するということでございまして、基本的には都道府県等に設置をして対応していくようになります。この派遣の調整については、パネルの4枚目にお示ししたとおり、昨日まで研修を行っておりました。小平にございます、国立精神・神経医療研究センターに委託して行っているところでございます。参加自治体といたしまして、全67か所の都道府県・政令市のうち56か所の計155人が災害時こころの情報支援センターで研修を受けていただいております他、今回の約1年間に及ぶ心のケアチームの初めての体系的なといいますか、組織的なチーム編成での対応というものを次の災害の対応にしっかり活かしていくということが大事だと思っております。
 震災に関連した震災関連死でありますとか、色々な震災から2年経っての状況というものが、まだまだ目に見える形で、途上の中で、その掌握というのも色々大変な面がありますけれども、内閣府が取りまとめている資料によりますと、例えば自殺者の数でも、東日本大震災に関連して、平成23年におきましては55人、平成24年におきましては22人と、平成25年、今年に入ってからも4人ということで報告をされています。これから現状は、各都道府県の心のケアセンターが中心になって対応していくということにはなりますが、心のケアチームというものの活躍が23年、24年におけるこうした不幸な事件の抑制にも多少なりともつながってきたのではないかなと思いますし、これからも特に子どもたちや、あるいは高齢者の方々、60歳以上の自殺者が多かったということを鑑みますと、そうした高齢者を中心としたこれからの心のケアの対応というのが、一層重要性が増してくるのでないかと思っております。いずれにいたしましても、DMATを始めとする多様な医療チーム、あるいは保健師のチーム等々の有機的な連携を更に強めながら、効率的に調整を行うために引き続き精神・神経医療研究センターに委託・設置した災害時こころの情報支援センターを中心に、これからも更に充実をさせていきたいと思っております。そういうことで、今日はDPATの設立構想、またこれからの取組について皆様に御紹介をさせていただきました。今後とも災害時における精神医療についての確保、そして各種医療チームとの連携体制の強化こういうものを実効性のあるものにしていくために更にブラッシュアップしていきたいなと思っております。
 どうぞこれからもよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

《質疑》

(記者)

 2点ありまして、1点目なのですが、DPATは例えば現地の被災者の中で、精神疾患を元々抱えていらっしゃる方もいらっしゃると思うのですが、そういう精神科の病院とかあると思うのですが、そういった患者の対応というのもなさるのかというのが1点で、あと2点目は運用に関しては非効率な点もちょっとあったということですが、逆に評価として、今回どういうような評価があったかというところを教えていただきたいのでよろしくお願いいたします。

(副大臣)

 今回の活動の内容といたしましては、特に避難所や、あるいは在宅で震災に関係なく精神障害者への対応というのもしています。やはり震災を機に更に悪化した人というのもいるわけでありますから、そうした皆さんの症状の悪化や急性反応への対応、それから薬が入手困難な患者への投薬、そして、例えば今回沿岸部を中心にかなりの診療所がダメージを受けました。そうした診療所がなくなる、あるいは受診先と連絡が取れない患者への対応、あるいは現地医療機関への紹介、そして更に移動困難な在宅患者への訪問ということで、必ずしも120%であったかどうかは分かりませんけれども、延べにすると約3,500人の皆さんがかなり熱心に活動いただいたなというふうに私どもは評価しております。また、定義が明確でない、あるいはどういう組織なんだというのは、主に都道府県を始め自治体の皆さんから協力要請をしたときに、DMATの方は比較的協力を得て、まずは救急・救命活動が先ですから、そのまま進んでいったところがありますが、この精神面でのケアということについては、どういう根拠でどういうチーム編成で協力を求めたらいいのか明確に定義して欲しいといったような、むしろ自治体側からの要請がありまして、厚労省としても今回DPATということで、活動要領を明確にし取り組んでいくということになった次第です。
 今日はありがとうございました。来月で2年が経つわけであります。そして、やはり災害で受けた心のストレスというのは、大変子どもたち、お年寄りを中心に深刻なものがございますので、私は復興副大臣も兼ねているわけですが、まだまだ現地では大変な状況が続いております。こうした報告書も出させていただいておりますので、必要な方は事務局の広報室に言っていただければ、皆さんにお配りさせていただきますので、お申し出を頂きたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。今日はありがとうございました。

(了)


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