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2010年10月28日 第2回クリーニング師研修等事業ワーキンググループ議事録

健康局生活衛生課

○日時

平成22年10月28日(金)14:00-16:00 


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(19階)


○出席者

青山 亨 (全国クリーニング生活衛生同業組合連合会会長)
海老原 忠男 (東京都クリーニング生活衛生同業組合理事)
加藤 一良 ((財)神奈川県生活衛生営業指導センター専務理事)
久保 忠直 (埼玉県保健医療部生活衛生課長)
小宮山 健彦 ((財)全国生活衛生営業指導センター専務理事)
芳賀 康浩 (青山学院大学経営学部教授)
鴨木 房子 ((社)全国消費生活相談員協会参与)
柳 裕一 (埼玉県クリーニング生活衛生同業組合青年部会長)
佐伯 裕之 (東京都板橋区保健所生活衛生課生活衛生担当係長)
桑原 廣美 (全国生活衛生営業指導センター研修部長)
脇田 幹雄 (愛知県クリーニング生活衛生同業組合研究所長)

○議題

(1)関係者からのヒアリング
   ・クリーニング師等の代表
   ・衛生規制関係者の代表
   ・研修、講習関係者の代表    
(2)論点の整理

○議事

○奥田課長補佐 それでは、定刻近くなりましたので、まだ久保構成員がお見えではないのですが、大体お集まりになりましたので、始めさせていただきます。ただいまから「第2回クリーニング師研修等事業ワーキンググループ」を開催させていただきます。
 なお、本日、前野構成員が御欠席ということで、代理として社団法人全国消費生活相談員協会参与・鴨木さんに出席していただいております。
○鴨木参与(前野構成員代理) よろしくお願いします。
○奥田課長補佐 それでは、初めに資料の確認をさせていただきます。
 一番上に「座席表」がございまして、その次に「会議次第」。
 その次に資料1「ヒアリング関係者資料」。
 その次に資料1の別冊、2つあるうちの1つとして、桑原研修部長分の資料。もう一つ、これも桑原研修部長分の資料になります。
 その次が資料2「クリーニング師研修等事業の方向性について」。
 その次が参考資料1、前回のワーキンググループの議事録になっております。この議事録につきましては、事前に構成員の方々にお送りして修正意見をいただき、反映しております。
 その次が参考資料2「管理理容師・管理美容師指定講習事業及びクリーニング師研修等事業に関する意見募集について」というものです。
 資料は以上でございますが、不足等ございましたら事務局までお申し付けいただきますようお願いいたします。大丈夫でしょうか。
(「はい」と声あり)
○奥田課長補佐 なお、本日のワーキンググループは公開で行われておりますので、念のため申し添えます。
 それでは、以下の進行を芳賀座長にお願いいたします。
○芳賀座長 本日は、お忙しい中をお集まりいただき、どうもありがとうございました。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 初めに、本日は、クリーニング師研修、業務従事者講習の現状等について、関係者から御意見を聴取することとなっております。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、説明はお一人10分弱程度でお願いいたします。お話いただいた内容について、ほかの皆様から御確認したい点がございましたら、その都度御確認していただいて結構ですけれども、その場では最低限の確認にとどめていただきまして、後ほど4人からのお話が終わった時点で質疑応答の時間を設けますので、そちらで議論はしていただければと思います。
 それでは、早速、今日のゲストからお話をいただきたいと思いますけれども、初めにクリーニング師等を代表して、埼玉県クリーニング生活衛生同業組合青年部会部会長・柳さんにお願いしたいと思います。柳さん、お願いいたします。
○柳氏 柳と申します。着座で失礼させていただきます。
 まず、私ですが、事業所の規模といいますと、大手さんのような大規模な事業所ではございませんで、家族5人で細々と営業している、一般に普通の町中にあるクリーニング店でございます。
 まず、クリーニング師研修のことですけれども、私自身が受講して思っているというか、そのたびに思うことというのは、私自身が3年ごとに研修を受けさせていただいているのですけれども、実際、来ていただいている講師の先生のお話で、一番今、印象に残っていることを思い出しました。
 それは、いつもは教科書等、講習の本等に書かれているようなことを、改めて講習会において説明していただいたことがありました。それは、私どもが使っております水洗機、要は一般家庭の洗濯機です。水洗機の取り扱いのときに、洗うときに必要な温度、水位、時間等があるのですけれども、以前はそういったものは文章で書かれていることはわかっていたのですけれども、改めて何でこの水位で、何でこの時間で、何でこの温度が必要なのだという具体的な例を挙げて、そうしないことでどうしてこうなってしまう。例えば移染が起こってしまうとか、汚れの落ちぐあいが悪いということを具体的に説明していただいたことを非常に覚えておりまして、そのときに改めて思い出して、ああ、参考になったなという思い出があります。
 そのほかに、私がふだん思っていることといいますのは、私どもは2代目でございまして、先代から引き継いでクリーニングをやっておりますが、先代と違うところは、先代たちは若いころから現場に入って、実践を現場で積んでクリーニング師になられている方が非常に多いかと思います。
 ところが、2代目になりますと、そういった実践経験が非常に少ないような印象を受けております。学校とか本によって勉強してクリーニング師の試験を受けている。そういったことから、同じクリーニング師ではありますけれども、先代と我々次世代のクリーニング師というのは、そこに大きな隔たりというか、違いがあると思います。
 ですので、例えば講習を受けるに当たっても、先代方は実際自分で若いころから現場で働いているわけですから、改めて講習会等を受けると、いろいろなことを文言で、教科書で、ああだこうだと言われても、なかなか受け入れがたいという部分もあるのではないかと思われます。しかし、これからは私たち次世代の人間が多く講習会等に関わってくると考えられます。そうした場合は授業等で勉強してきた人間が多いわけですから、そういった受講を希望する人間は増えてくるのではないかと考えております。
 では、なぜそれなのに受講率が低いのかというお話になってくるかと思いますけれども、実際に私どもの青年部員に話をしてみました。そうしたら、こういう答えが返ってきました。私のところは、家族経営です。私を含めて、クリーニング師の資格を持っている人間は、自分の父親と私と自分の妻、3人持っている。それがこういった講習会を受けるときに、クリーニング業法の第4条が多分影響しているかと思いますけれども、資格者は事業所に各1名という一文があると思います。
 それを見ておりまして、だったら、うちは3人いるけれども、営業するに当たって1人でもいいのではないかという発想というか、認識が間違っているのかもしれませんが、そういった考えがありまして。だったら3年ごとに、今回は私が行く、この次は自分の父親が行く、その次は自分の妻が行くと回しているような実態も実際にあるのかと思います。そうすると、必然的に受講率が低くなりますし、どうしても数字が上がらないのかなという印象を受けております。
 また、私は6年前に自分の父親を亡くしたのですけれども、親子でやっている場合は、例えば息子が自分の仕事を継いだときに、これからはおまえに任せるよ。これから私は一歩引くからということで、そういった受講も、おまえ、行ってこい。私は行かなくてもいいかなというようなお話もあったのも事実でございます。そういったことから、私どもクリーニング師資格を持っている人間の認識が間違っているのかもしれませんが、1人受けていればいいのではないかという誤った認識を持っていることが多くありました。
 私自身、クリーニング師の研修を受ける上でふだんから一番思うことは、私は父親を亡くしまして、営業するにはすべて私一人でいろいろな問題点を解決していかなければいけないことに直面しております。今、多種多様な洋服と洗剤が出ておりまして、それを預かるたびに、例えばこれは色が出そうだなとか、これは洗う時間を短くしなければいけないだろう、これは洗えないのではないかといったいろいろな局面に出くわすのですけれども、そのときも常に自分と葛藤しながら、大丈夫だろうか、大丈夫ではないだろうかということをずっとやり続けております。
 そういったことで、例えばこういった講習会があると、今までの疑問とか疑念が、改めて自分のやっていた作業が間違っていたのか間違っていなかったのかという確認の場でもあるかと思います。つまり、今ですと、まだクリーニング師がたくさん周りにもいて、いろいろな先輩方に聞くことも可能なのかもしれませんが、これから少なくなる、また同年齢のクリーニング師がいないとなると、こういった講習会を利用しながら、自分自身のスキルを上げることもそうですけれども、日ごろの仕事の確認がこういうところでできるのではないかと考えております。
 では、デメリットは何なのだろうかと考えると、これは個人のとらえ方でいろいろあると思います。幾らがいいのかわかりませんけれども、費用が高いということもあるでしょうし、会場が遠いとか、幾らでも理由は付けられるかと思いますが、私自身は講習会で特別デメリットという思いは受けておりません。
 これからクリーニング研修に望むことですけれども、例えば海外のクリーニング事情を教えていただけるとか、クリーニング先進国等もあるかと思います。私個人ではとても見ることができないクリーニング事情。あと、現在、インフルエンザとか、いろいろな伝染病の情報等、予防とかはどうしても私どもはわかりませんので、情報等を出していただくと、日ごろの予防に役立つのではないかと思います。
 受講促進、受講率を上げるということですけれども、これは私から言っていいのかわからないですけれども、罰則ではなくて、運転免許証のように更新制度みたいなものがあれば、受講率は確実に上がると思われます。それがいいか悪いかというのは、私にはわかりませんけれども、更新制度にしていただければ確実に受講率が上がるのではないかと考えております。
 最後ですけれども、私自身はこの講習制度を是非とも続けていただいて、今、クリーニング業界もちょうど世代交代でして、新しい世代の人間が入ってまいります。これから中心となってやっていきます。ですので、この時期にクリーニング講習制度をいきなりやめると言われてしまうと、いろいろな意味で後々リスクが高いことが出てくるのではないか。少なくとももう少し我々次世代がしっかりと継承した後に、そういった議論をしていただくと大変ありがたいかなと思っております。
 以上でございます。
○芳賀座長 ありがとうございました。ただいまの御説明について確認したい点がございましたら、お願いします。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○芳賀座長 続きまして、衛生規制関係者を代表して東京都板橋区保健所生活衛生課生活衛生担当係長・佐伯さんにお話をいただきたいと思います。それでは、佐伯さん、お願いいたします。
○佐伯氏 板橋区保健所の佐伯でございます。よろしくお願いします。
 私は、常に現場に出てクリーニング関係の方といろいろコミュニケーションをとっていますので、その視点からお話させていただきたいと思います。資料に従ってお話しします。
 1点目ですけれども、研修、講習受講に関する我々保健所の指導状況ですけれども、特別区の場合、衛生措置基準については現在東京都さんが持っていますので、それに従って現場で指導しているのですけれども、23区、別々の自治体なのですが、おおむね同じような形で指導していますので、その上で解釈していただければいいと思います。
 1つは、新規の店のときには研修、講習を受講するように指導していまして、センターさんからいただいている日程表を渡しています。クリーニングの新規といいましても、研修、講習だけではなくて、公害関係、消防関係とか、手続がいっぱいありますので、新規事業者さんの負担になっていると思いますけれども、そういう大きなものの中に1つ入っているということです。
 それから、通常の監視業務の中で、衛生状態を見たり、ドライ機の状態、テトラクロロエチレンの廃液の問題など、トータルして現場へ行くのですけれども、そのときに台帳で確認しまして、未受講施設については受けてくださいという指導を行っています。
 こういった現場指導をしているのですけれども、受講の状況ということで、都内の第7クールのデータが見つからなかったものですから、比較ということで第6クールの数字を挙げさせていただきました。全国で31.2%に対して、特別区、東京都も含めてですけれども、14.9という低い状態です。
 急なお話だったので全部調べていないのですけれども、23区に連絡しまして13区から回答をいただいたのですけれども、調査した結果、一度でもいいから研修を受けている人がいるのは、どこの区も60から90%近くいるということです。全然受けていないところもあるのですけれども、現場へ行っていろいろ話をしますと、マスメディアの影響が強いのですけれども、ここに書いてあるように、天下り団体の制度になぜ私たちが加担するのだという誤解があって、なかなか受けてくれない施設は確かにあります。それでも、全体としては7割~8割の施設が受けていただいている。
 では、問題点は何かということですけれども、2回以降の受講率が下がっているということです。実際に現場へ行って経営している方といろいろ話をしながら拾ってきた話ですけれども、やはりタイムリーな話題が欲しいということです。ここに書いていますのは例えばですけれども、昨年来、建築基準法用途規制の違反ということで、住宅地にあるクリーニング所が問題になっています。
 今年9月だったと思いますけれども、国土交通省がそういう施設について、ある一定の安全措置をとりなさいという技術的基準を出したのですけれども、今、監視で回っていると必ずこの話を聞かれます。どういう措置をとるといいのですかという話があります。文章として出ているのですけれども、現場でどういった対策をとればいいのかという細かい点がなかなかわかりにくいということで、そういう関心が非常に高いものですから、省は違うのですけれども、そういうニーズがあるということで、そういうものを取り込んでいただけたらと思っています。
 それから、開催時期についてもいろいろ言われていますけれども、東京都の場合は、以前は日曜日だったのですけれども、今年度、水曜日と木曜日に実施していただいています。行くと、木曜日は出やすいという話も聞きますので、よかったなと思っています。
 それから、開催場所が2か所ということで、なかなか出づらいというお話も聞いております。
 それから、(2)ですけれども、春の事業仕分け以降、実際そう思っているのか、受けない理由とされているのか、よくわからないですけれども、いろいろな形で指導している中で、この制度はなくなると理解している。だから、今から受けろと言ってもむだになるのではないかというお話をよく聞きます。それが、今回早く結論を出していただかないと、現場が非常に混乱するのかなと思っております。
 その他で挙げたのですけれども、実は大手のチェーン店さんから、取次店では今の講習を受けた後に、それぞれの会社のシステムが違いますので、それプラスアルファ、より細かい研修制度ということで現場はやっているのですけれども、そういうことを考えてみると、個人でやっている方はそういうノウハウが余りないものですから、現在の研修をより細目にやっていただければ現場は助かるのかなという気がしています。
 なぜかというと、例年、何施設かうちの保健所でもあるのですけれども、お店を始めるのですが、短期間で廃止届を持ってくるのです。全部内容を聞いているわけではないですけれども、たまにどうしてすぐやめてしまうのですかと言うと、受け付けのノウハウがきちんとしていないのでトラブルが多いのです。トラブルが多いと、お店を一生懸命始めようと思っているのですけれども、精神的ダメージが大きいみたいなので、家族で話し合って、続けられないのでやめますというお話が出てくることが結構多いです。
 ちょうど今、過渡期になっていますので、現場へ行くといろいろなお話をしてくれるお店の方が多いのですけれども、私たちとしては、皆さんが一生懸命新しいものにチャレンジして勉強したいということについては、できるだけ応援したいという気持ちでいるのですけれども、それが制度上、年数がたっていますので、どう直しながら進めていくのかというのがこれからの課題でないかという気がしています。
 以上でございます。
○芳賀座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について確認したい点がございましたら、お願いいたします。
○鴨木参与(前野構成員代理) 1点だけよろしいでしょうか。
○芳賀座長 はい。
○鴨木参与(前野構成員代理) お話ありがとうございます。
 各区に従業員台帳等があるというお話ですが、これは項目等、すべて同じ条件ですべて保持していると理解してよろしいですか。
○佐伯氏 正確ではないのですけれども、先ほども言いましたように、衛生措置基準を東京都が持っていて、それに従ってやっているのですけれども、従業員台帳は、区によってはOAのシステム上に入れている区もありますし、紙については23区で印刷費がかかるものですから、共同で頼んで安く上げるために印刷していますので、もともとスタートは紙ベースで同じものを使っております。それは、多少アレンジを加えたり、OA化していたりということはありますけれども、基本的なベースは一緒です。
○鴨木参与(前野構成員代理) わかりました。保存しているということで、ありがとうございました。
○芳賀座長 ほかにはいかがでしょうか。
 それでは、次に進みたいと思います。次は、研修、講習関係者として、財団法人全国生活衛生営業指導センター研修部長・桑原さんにお話をいただきたいと思います。桑原さん、よろしくお願いいたします。
○桑原氏 全国生活衛生営業指導センターの桑原です。当センターのクリーニング研修事業について御説明します。資料はお手元の1/2と2/2の2つです。レジュメしたがい、制度の仕組み、評価指標の統計について、全国センターの取組み状況、関係者の意見、最後に今後の全国センターの取組み方針を説明させていただきます。
 カラー刷りの資料を参照しながら聞いていただければと思います。まず最初に、この制度の仕組みを確認しておきたいと思います。資料1です。
 厚労省が定める指定基準に基づきまして、研修、講習を適正かつ確実に行うことができる公益法人が主催者となって、県知事の指定を受けて実施する仕組みということで、全国センターが主催者になり、実際の実施事務を行う機関である県指導センターと委託契約を結んで実施しています。
 そして、知事は、全国センター、県センターに対して適正な運営を図るための指導を行い、保健所は名簿提供を行うという協力を実施しています。一方で、知事、保健所は、クリーニング師、営業者に対して受講指導や監視指導を実施する。
 それから、黄色のところの、クリーニング師・営業者についてでありますが、受講の義務は、研修はクリーニング師個人、講習は営業者という仕組みになっています。
 そして、黄色いところから保健所に向かって矢印が出ていますが、かつては受講を修了すると、営業者は保健所を経由して知事に対して、修了者の氏名等を届け出する仕組みがあった。これが12年4月1日に廃止されております。
 留意点についてですが、全国団体である全国指導センターが各県の知事から指定を受けているという仕組みは、研修、講習が全国共通の基準で実施できるようにということです。主催者である全国センターは、そういう企画・調整を実施しているということです。
 いま一つ、この研修等事業の的確な実施のために、三者あるいは四者になるでしょうか、関係機関の役割分担が必要になります。行政機関は受講指導を行います。業界団体は指導はできません。あくまでも「受講勧奨」ができるという仕組みだと思います。行政の役割が非常に大きい。そして、営業者は、図の下に書いてあるようにクリーニング師に対して受講の機会を与えるとか、講習の場合は受講させる義務がある。以上のような仕組みは、知事の指導監督による事業と言えるのではないか。
 最後にもう一点、全国センターと県センターの関係を委託契約関係と言いました。この事業の経費でありますが、受講料収入のみで賄われております。ちなみに、ここに書いてありますように、第7クール、19年から21年度でありますが、1億6,500万円の収入に対して、支出額は1億6,900万円ということで、若干持ち出しになっている。不足分は、これまでの繰越金で処理しています。
 次に、「2消費生活相談に見るクリーニングに関する相談の動向」について説明します。
 クリーニング業の役割は、衛生水準の維持向上を図る、人の健康に危険・危害を及ぼさない。衣料品の財産保全ということであります。この役割を消費生活年報に基づいて整理してみたのが資料2です。
 クリーニングに関する消費生活相談がどういう推移か、左側の相談件数を見ると、約1万件で推移しているということがわかりますが、右側にキーワード別順位があります。前回、前野構成員から説明がありましたけれども、昔はクリーニングの相談件数は研修開始当時は第1位、今は第14位ということですが、研修の第クールで2位、第3クールで4位になり、5位になりという形で、最近は14位になったという状況であります。
 それでは、相談の中身がどうかというのが3ページです。
 下の棒グラフを見ると、赤と空色とグリーンがありますが、5年ごとに相談内容がどう変化しているかがわかります。赤は、「役務品質」の分類で内容は、穴あきとか落ちていないとかです。空色は、「契約・解除」で、穴があいたから、紛失したから損害賠償してほしいというもの。緑は、「接客・応対」で、窓口でのトラブル。図は、5年ごとの変化をあらわしており、赤がだんだん減ってきて、その分、空色が増えている。しかし、この二つは内容的には一緒ですね。クリーニングトラブルが起こっている割合は変わっていない。最近は、賠償してくださいという相談が増えている。もう一つの問題はグリーンの部分でずっと2割以上で推移しており、窓口のトラブル状況は変わっていないことがわかります。
 それでは、赤と空色と緑のところについて、消費生活相談全体に占める相談内容別ランキングがどうなっているかというのが4ページです。
 「安全衛生・役務品質」は、ずっと今も昔も1位で続いている。一番右側の「接客対応」もずっと1位だったのですが、最近は2位、3位になりました。その隣の「取引、契約・解除」は、最近ですと電話サービスとかサラ金の問題が非常に多いので、クリーニングの中では割合増えているけれども、順位としてはこういう状況にあります。
 次に、資料5はクリーニングに関する衛生水準関係、危険・危害の関係はどうかということで、これは5年間計の統計です。5年間でクリーニングは47件の相談しかなかったということです。
 次に、クリーニング師研修の統計について説明したいと思います。資料6です。
 これは、厚労省から第1回ワーキンググループで説明があったので、この図のグリーンのところだけ説明します。グリーンは、洗いをしている「一般」の施設数で、この20年間で29.3%の減少です。ここの図には書いていないですが、同じ間の従業クリーニング師数の減少幅は21.6%ということで、両者の減少幅に乖離がある。
 この理由はいろいろ考えられます。1つは、一事業所当たりのクリーニング師の雇用数が増えている。あるいは、この前から議論されているように、実際には働いていない、あるいは死亡したのに届け出がされていない。そこは、実際にはこの統計からは確認できない。
 次に、資料7は、全国の研修、講習の受講者数です。
 一番上の図は、年度ごとにどれだけの人が受けているか。次の図は、クール別に整理したものです。
 一番下の折れ線グラフのグリーンの線が研修、青が講習であります。グリーンの研修は第2クールで伸びたが、その後、ずっと非常に大きな落ち込みをして、毎クール10%以上の下落で推移してきました。青色の講習についても毎クール落ち込んできたけれども、第7クールになって、研修はマイナス3.6%で、初めて10%以下の減少率となり、減少幅が非常に縮小した。講習については、初めて伸び率がプラスに転じたということであす。
 こういう受講状況ですけれども、統計は数字だけでもなかなかわからない。図にしてみると変化や水準がよくわかるということで、資料9をごらんいただきたいと思います。
 受講率の32%は全国平均の数字ですが、これを都道府県別に率のよいものから順に並べてみます。真ん中の赤い棒が全国平均で32.0%、その右側の黄色の部分が全国平均以下で15都道府県あります。概して東京、大阪、福岡、神奈川など大都市が含まれています。
 今度は資料10でブロック別に整理してみると、やはり大都市地域で全国平均以下が多い。地方別では、西日本地域で全国平均を下回るものが多く見てとれるという状況です。
 次に、このクリーニング師の統計に関する留意点について、若干説明しておきたいと思います。今、説明した統計は、あくまでも全国指導センターが作成している民間統計ということであります。
 平成元年に研修、講習が制度化されましたが、その当初から、研修、講習に関する公的統計、例えば衛生行政報告ですが、の作成は行われなかった。このことで、都道府県あるいは保健所では、評価指標となる統計がなかったのではないか。地域における自県の受講水準が確認できなかったのではなかろうかと推察しております。
 次に、前回のワーキンググループで受講率の算定基礎となる母集団情報の在り方が議論されたので、ちょっと注意を喚起する意味で言っておきたいのですが、全国センターで算出する受講率ですが、各クールの3年間の受講者数をクール初年度の従業クリーニング師数、つまり第7クールですと平成20年3月31日現在の数で除して算出しています。
 毎年、従業クリーニング師数は減っているわけですから、2年目、3年目は母集団数は減少しているわけです。実際に、3年間の平均をとると母集団がもう少し小さくなりますが、この変化分が今は母集団情報に反映されていない。しかし、受講率の統計の作成の仕方としてはこれでいいのではないかと考えています。
 次に、「4全国センターの受講促進対策の取組み」であります。実施事務について工夫や改善を凝らして、本当にいろいろなことをやっているのですが、ポイントだけの説明になります。
 ニーズに即した企画・運営については、基本テキストのほかにサブテキストを作成している。今回作成したのは、クリーニング事故賠償基準と新型インフルエンザに関するもの。スライドデータも衛生法規と新型インフルについて作成しています。それから、講師に関しては、他の都道府県で開催される研修等の講師を受諾可能にしようということで、講師の登録制度を今、実施しております。準備中であります。実際には、県センターから要請があれば紹介する仕組みとなっています。
 県センターに対する実施計画作成・運営に関する指導については、担当者会議を開催しレジュメの3ページのような指導を行っています。
 一番重点的に行っているのは、受講対象者の正確な把握、行政の協力を得て実施するということです。それから、全営業者に対して受講案内は発出するということ。計画作成に当たっては、関係機関、県保健所、組合と協議するということ。
 実施の方法では、地域、回数、曜日、開始時間を再検討して受講機会の拡大を図るということ。前回、神奈川指導センターから発言があったとおり、こういう対応を神奈川県センターでは行っていただいたと思います。
 それから、研修・講習は、なかなか費用がかかるので、それを同一期日、同一会場で実施すると効率的に実施できる。また、講師の先生方の負担の軽減にもなるということです。
 次に、関係者との連携についてであります。これはかなり効果を上げており、少し細かく書いています。
 平成20年度から「受講促進のための関係者懇談会」を各ブロックで開催しています。行政機関、県の組合、全国の組合、県センター、全国センターの五者が一堂に会しまして、受講促進の具体的方針、例えば名簿をどのように作成するか、保健所・県にどういう御指導をいただくか、改善事項等をいろいろと協議して実施計画を作成しています。20年度は6か所、21年度も6か所、今年度も6か所で開催していますが、その実施の結果は、どのようになっているかを示したのが資料11です。
 この図は、第7クールの研修、講習の受講者数が、上の図はどれだけ増減したか、下の図はその増減率がどれだけかということを示しています。黄色のマーカーで塗ってある県は懇談会を実施した県で、ほとんどがプラスに位置していることがわかります。
 済みません。10分の説明時間を完全に超えていますが、もう少しお時間をいただければと思います。
 こういう懇談会を実施すると関係者からやるといろいろな意見があります。その意見を紹介します。
 制度的な仕組みに関しては、先ほども御意見ありましたが、クリーニング師免許あるいはクリーニング店の更新制を導入すべきではないか。それから、研修は今、3年ごとに受けることになっているのですけれども、5年ごとにできないかという意見。
 カリキュラム、時間については、消費者行政あるいは営業者の観点のカリキュラムを追加できないかという意見があります。
 次に、受講料についてです。引き下げ、ただの引き下げではなくて、継続の受講者についてだけ引き下げてはどうか。あるいは無料化できないかという意見があります。
 企画・運営に関してテキスト、資料については、継続の受講者については簡略版でいいのではないか。それから、研修、講習内容は全国統一にし、それが可能なように重点講習項目について研修等を行うという意見。これは、その場合には講師のあり方も考えないといけないと思います。タイムリーな話題の副教材の作成。DVDをクールごとに作成。新素材や事故品のサンプル品を研修等に使用してはどうかという意見。
 カリキュラムについては、産業クリーニングとか技術の研修を実施してほしい。事例紹介、事例発表や実演の導入。受講者ニーズを把握するためのアンケートを実施してはどうかという意見。
 講師については、指導力に優れた講師を派遣してほしい。さまざまな専門講師を選任する。講師のプレゼンテーションのテクニック向上を図るべき。高度な質問にも対応できる詳細事項を記載した講師用マニュアルを作成するという意見。
 開催場所、回数、曜日については、参加しやすいように場所、曜日等を多様化すべき。ニーズに合致していないのではないかという意見。
 通信制の研修・講習については、自宅で受講できる通信制の研修内容(教材等)の充実を図ってはどうかという意見。
 修了者の優位性に関してですが、修了者にはこういうステッカーを配付します。回覧をしますので見てください。このステッカーをもっと大きくすればとか、もっとセンスのいいものにする。ゴールドステッカーにしてはどうかという意見があります。
 修了した者に対しては、公庫融資に際して、例えば利率が低いとかの特典。あるいは、行政機関におけるクリーニングの入札に際して、受講者を入札の条件とするという優遇措置がとれないかという意見。
 PRについてはいろいろとあり、特に消費者へのPRが必要ではないかという意見がかなりありました。
 5ページの都道府県指導センターの実施経費に関する要望・意見も、実はたくさんいただいています。全国センターと県センターは委託契約関係ですが、受講率の向上を図るためには、県センターも全国センターも赤字覚悟の取組みが必要なのではないだろうかという意見があります。この事業は受講料収入だけで賄っているわけですから、当日の受講者が少ないと赤字になってしまう。採算ラインは一会場で30数人です。それ以下の受講者数では開催は赤字です。全国では先程の説明のように第7クールは若干の赤字です。
 全国センターに対して、十分な経費負担、特に郵送料とか督促とかが必要になるという意見。それから、不採算時には補てんをしてほしいという要望が出されています。
 最後に、「6全国センターの現時点における今後の取組み方針」について説明します。
 第1は、資料1の図で説明しました事業の仕組みについてです。現在、全国センターと県センターのネットワーク体制があり、これを基本に全国共通の基準で実施している。このことによって、行政事務の効率化、減量化を下支えしているのではなかろうかと考えています。ただし、この事業の適正かつ確実な実施には、行政機関からの御指導が必要であります。受講率の地域格差をなくすということで、行政の御尽力をお願いしたいことが第1点。
 第2点目は、全国センターとしては、受講者のニーズに即した研修等の企画・運営を引き続き実施していくということであります。統計を見ますと、第7クールは若干改善の兆しが見られるということで、これまでの取組みに加えて、アンケートを実施してはどうかという意見もありましたので、そういうことの実施結果を踏まえて、カリキュラムとか教材の改善に取組む。
 講師に関する対策については、全国センターではなかなか取組めていなかったので、養成方策あるいは講義の方法の改善を考えていきたい。カリキュラムと一体的に考える必要があろうかと考えます。
そして、これらのことによって一定の受講率の確保、地域格差の解消を図っていきたいと思います。なお、受講率を一定の水準に引き上げるには、行政の御支援・御指導が必要ということを改めて強調しておきたいと思います。
 最後に、こういう取組みを行う上で関係機関に対する要望ということで、国に2つ、県に対して2つあります。
 国に対しては、第1は指定基準の見直しをお願いしたいということであり、16年法改正で利用者の利益の擁護が法の目的に入りましたが、これに関連するカリキュラムを追加していただくとともに、現行は新規ですと4科目各1時間という科目・時間数基準ですが、内容・時間の若干の弾力化をお願いしたい。
 第2は、公的統計の作成を要望します。公的統計を県・保健所を通じて作成するという仕組みになると、都道府県・保健所においても研修等事業に対する認識が高まると期待しております。
 次は、県・保健所等に対してであります。まず、前から言われているように名簿の整備をしっかりとお願いしたい。
 それから、クリーニング師、営業者に対する受講指導の強化、あるいは指導内容の工夫をお願いしたい。県センターとの連名で開催案内を出してもらったり、指導文書や、周知用のチラシを作成しておられるので、最新の状況で営業者に訴求する内容で実施していただければという要望であります。
 長くなりました。以上です。
○芳賀座長 ありがとうございました。
 それでは、今のお話について、まず確認しておきたいことはございますでしょうか。よろしいですね。
(「はい」と声あり)
○芳賀座長 はい。
 それでは、最後に研修、講習関係者として講師を務めていらっしゃいます愛知県クリーニング生活衛生同業組合研究所長・脇田さんにお話いただきます。脇田さん、よろしくお願いします。
○脇田氏 どうも皆さん、御苦労さまでございます。私の方からはしゃべる立場という形でお話させていただきます。研修、講習が平成元年から始まったわけで、私自身も第1クールから現在に至るまで話をさせていただいたりしております。第2クール、第3クールは、そんなに私はタッチはしておりませんけれども、それ以外については結構お話をさせていただいております。
 私ども愛知県の場合は、講習する講師陣は常に大体2人ないし3人、現在でも3名体制でございます。3名体制でやるというのは、クリーニング師研修、他県におきましても講師不足というお話を聞いておりまして、私も愛知県をはじめとして、今、三重県、岐阜県、福井県、富山県、お話があってお願いされたりしておりますので、日程的にも結構バッティングしてしまう部分がございます。
 私自身、組合の事務も務める人間でございますので、勿論日曜日、そういう形で出ますけれども、組合の事業も当然ございますので、限界がございます。ですけれども、なるべく意に沿うような形でやらさせていただいております。
 私どもの工夫は、第3クールか第4クールぐらいからOHPフィルムを独自につくりまして、私ども自身が扱っているトラブルの解析と対応策についての取組みを早くから行っております。第7クール、第8クールはパワーポイントを独自でつくって使っています。私自身が組合に入りまして研究室等にずっとおった関係で、クリーニング店さんの方からの相談もたくさん受けておりますし、事故品を調べてほしいというのも勿論ありますし、洗いについての相談とか、さまざまなお話をいただいております。
 それと同時に、私どもクリーニング損害保険というのも昭和51年ぐらい、早くから取組んで行っておりますので、そちらの方からのさまざまな事故事例も出させていただいております。ただ、そういうものを見ていますと、実際に弁償まで行っているケースが結構あるのですけれども、もう少し何とかすれば弁償に至らなくてもという事例は実はたくさんあります。
 そういった部分もありまして、せっかく研修、講習にお金を払って来ていただける組合員さんとか従業員の皆さん方に少しでも喜んでいただけるように、何か情報的なものを出さないとという形で、例えば直せるようなところの紹介とか、情報発信をなるべくしてあげる。そうすると、修理はこういうところでやるといいですよ、直せますよという最終的な部分までのお話を極力するようにしています。
 それ以外に、いつもお話しするときに、各県によってはプロジェクターを持っていてやっていただけるところと、何もないところがあります。何もないところにつきましては、クリーニングに関する新聞事例、新聞にいろいろなことが載るわけです。例えば環境面の話とかトラブルの話。そういった題材は実はたくさんございまして、過去3年間にクリーニングに関するような新聞に載ったものを1冊にして、その検証をやるだけでも話としてはおもしろいものができ上がるわけでございまして、題材としてはいろいろある。
 それとか、私自身も講習等にもうちょっとこういうものを入れたらなと思う部分は、今、高齢化社会でございますので、高齢化社会に対する私どもクリーニングの向かい方。老人福祉施設関係も随分増えてきている。高齢者対策といったら変ですけれども、そういった部分に対応できるように私どもが少しでもお手伝いできるような。お手伝いというのは、単に格好いい言葉だけではだめですから、その中で業界がもうかるような仕組みも含めて、今、消費が冷え込んで売り上げが下がっているという暗い話ばかりやってはいけませんので、未来のあるような話を盛り込んだ形を心がけるようにしている。
 ですから、高齢者に向けたクリーニングのあり方というのも、実は私どもの組合も研修会で取り上げてやっていきたいぐらいのテーマですけれども、いろいろな施設があるわけでございます。それぞれ施設の意味がよくわからない。例えば介護保健施設、介護療養型医療施設、介護老人福祉施設、いろいろな呼び方がたくさんございまして、そこから出るクリーニング品は具体的にどういう形で扱ったらいいのか。指定洗濯物でやらなければいけないのか、そういった境目が最近、非常にわかりづらくなってきています。
 例えば公衆衛生面につきましては、そういった話を取り上げていただくだけでも非常に参考になりますし、またそういったものを、例えば自分でやりたいということであれば、どんな措置をとっていかなければいけないか。具体的に指定洗濯物として取り扱うのであれば、当然保健所への届け出等もありますし、設備面とかはどうしたらいいのかというさまざまな、これをこうしていくと、こういう仕事もできますよという道筋も講習会の中でやっていきますと、こういう仕事を一遍やってみようかなという意欲がわく。意欲がわくような講習会。こういったものの取り上げ方が非常に必要ではないかと思っております。
 あとは、実際にトラブルになったとき、法律に絡む話が実は非常に多いものですから、最近のテレビドラマではございませんけれども、弁護士さんがQ&Aみたいなものを取り上げていただいて、実務方の相談に乗れるような話をいろいろ取り上げていただくとよろしいのではないかと思っております。
 ですから、私自身もお話しするときに、少しでも興味を持っていただく、少しでも元気になっていただくという形で、クリーニングの販促につながるようなお話を心がけておりますし、もう一つは、クリーニング屋さん、ここはいろいろ問題があるのではないかという部分があれば、それも提起させていただいております。
 現在、第8クールで、クリーニング屋さん、ちょっと店舗がくさいんじゃないのというにおいの話をさせていただいております。消費者の方が気持ちよく店舗に足を運んでいただくように、そういったことについてももう少し考えた方がいいのではないでしょうかという提案はさせていただいております。
 それ以外にも、私自身、他業種を見ておりまして、生衛連合会に愛知県から16団体、各業界からの新聞等も見させていただいているときに、美容組合さんは比較的活発というか、活性化されているようなイメージがあります。中身は私、よくわかりません。新聞等を見させてもらっているといろいろな活動があって、明るく見えるのです。同じ髪を扱う理容組合さんですと、事業内容を見させていただいても、ちょっと職人的で夢がないように見えてしまうというのがあります。
 我々クリーニングはというと、どうしても衣類を取り扱うことばかり目が行って、これももう一つ夢がないなという部分があって、もう少し華やかで便利になるという業界になれないものかと思っております。例えば成人式の日になりますと、女性は着物を着るわけでございますけれども、着物を着るときに美容院へ行って着付けをやるわけです。あの姿を見ていて、何で着付けを我々クリーニングの方でやらないのか。もうかるのにな。これもクリーニング師研修等でいろいろお話をさせていただく。元手が要らない。着付けができればお金になる。そういううまいPRの仕方をもう少し考えてやったらどうでしょうかとか、いろいろな話をさせていただくわけです。
 ですから、テキストに基づいて話をしているかというと、テキストはクールごとに、どこが変わったかだけは、まず見ます。変わった部分については、勿論話は入れさせていただいておりますけれども、それ以外は結構無視した形の話になっていると私は思っております。確かに第1クール、第2クールですと、テキストを用いて、特に第1クールのときには全体6時間講習で、非常に長い講習でした。聞く側でいけば、私は全体で見ても、いいところ3時間、できれば2時間で済ますべきだろうと思います。
 第1クールのときには、基礎的な話からという形で、このテキストは非常に役に立って、そういう面では非常によかったなと思っております。それと同時に、我々クリーニング業界は非常に零細の業者が寄り集まっているわけでございまして、一つの情報がなかなか末端まできちっと伝わりにくい。クリーニング師研修があるというのは、100%参加していただければ間違いなく情報が来る。しかも今、建築基準法の問題も当然いろいろ問題になっております。いろいろな法律改正があったときに末端まで知らせる方法があるのだろうか。なかなかないのではないか。
 そういう観点からいけば、こういう制度がないと末端まではなかなか行きにくい。伝達の仕方そのものは、もう少しやり方があると思います。指導センターさんの方でもいろいろなお話がありました。確かに今、ネット社会でありますので、例えば指導センターさんの方から、こういう講義内容をネットで流していただいて、会社の方で見ていただくという形がとれれば、会場は要らない。そういった形での参加で、例えば3割~4割のクリーニング屋さんが参加できれば、飛躍的に上がるでしょうし、経費的にも非常にお安く済むのではなかろうかと思います。そういういろいろな形があるのではなかろうかと思っております。
 話がまとまっているようで、全然まとまっておりませんけれども、そういう身近な話というのを私はなるべく入れるようにしております。ちなみに、いろいろなトラブルの中で、私も現在、消費者の方と裁判事例が継続中でやっています。いろいろな経験の中で、クリーニング屋さんの方にはお伝えできるのではないか。これからの社会、なかなか難しいです。世代ごとで考え方が違いますし、イエス、ノーの社会になってきたという部分で、皆さんの方の心構えといいますか、取り扱い方につきましても、これからますます注意を持ってやらないと大変なことになります。
 それと、便利にならない業界だったら、これは先行き暗いよということもお話しさせていただいて、そのような話を私の方からはしております。
 以上でございます。
○芳賀座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、確認したい点、ございましたらお願いいたします。よろしいですね。
(「はい」と声あり)
○芳賀座長 それでは、これで4人のゲストの方から御説明いただきましたが、全体を通して御意見、御質問がございましたら御発言ください。いかがでしょうか。どなたのお話にでも結構ですけれども。
○青山構成員 大変単純な質問をさせていただくのですけれども、いっとき講師のレベルという問題が起きまして、先ほど桑原さんの方から講師の研修という問題もちょっと触れられたのですけれども、全国で講師として携わっている方は今、何人ぐらい把握していらっしゃいますか。
○桑原氏 全国指導センターが委嘱した講師をデータベースに入れておりますが、正確な数を今、申し上げることはできませんけれども、これまでで1,900人ぐらいです。研修科目は4科目ありますが、衛生法規担当の方がどんどん交代する一方、脇田さんのような技術系科目担当の講師の交代はそう多くありません。
 ちなみに、最近では1年間に私どもが講師に委嘱するのは50人ぐらいで衛生法規の方がその中では多い。
○鴨木参与(前野構成員代理) 関連でいいでしょうか。
○芳賀座長 お願いします。
○鴨木参与(前野構成員代理) 技術者の養成ということですが、技術者の講師は、現在よそからお迎えしていらっしゃいますがクリーニング事業を長年実践された中から講師が誕生しているケースもありますか。
○桑原氏 そうです。講師の指定基準で資格が定められていますが、実際は、その指定基準に合致すると認められる方を都道府県の指導センターから御推薦いただく。書面審査で、経歴書を見せていただいて、この方ならば指定基準に合って、講師もやっていただけるという方を委嘱しています。
○鴨木参与(前野構成員代理) ということは、指定基準の中に経験年数とか、技術能力が組み込まれているわけですね。
○桑原氏 技術関係の方の経験年数についてというと、「経験を有する者」という形で、現場で確認していただいているのが実態です。
 申し上げておきますと、新しく講師にお願いした方に対して、全国指導センターで指導者講習会のようなものが実施できるかといったら、現在までのところは全くそういうことを実施せずに、例えば脇田さんのように講師のご判断にお任せしているというのが実態です。
○芳賀座長 ありがとうございました。
○海老原構成員 よろしいですか。
○芳賀座長 お願いします。
○海老原構成員 研修のメリットというか、受講料5,000円をお支払いしていて、今までと同じようなあれをやっていたら、私、必要ないのではないかという意見です。だから、これからもっとすばらしい講師をどんどん入れてやれば、私はいいと思いますけれども、今までと同じことをやっているのでは、ちょっと考えますね。そう思いますけれども。
○芳賀座長 いかがでしょうか。
○桑原氏 5,000円の受講料と全体的な事業経費のことを先ほど説明しましたが、現行の経費の中で、謝金が非常に高い講師をお願いするわけにはいかないと思います。受講者数が多いかどうかにかかります。この前議論があった内容がよければ受講料が高くてもいいという考えもあろうかと思いますが、そこは研修、講習のカリキュラムをどうするか、講師をどうするか、全体的に考えていかないといけないことではないかと考えます。
○芳賀座長 海老原さん、よろしいですか。
○海老原構成員 ですから、結局国の方から補助をいただいて、もっと立派な講師をどんどんやれば、皆さん受けるあれも私はあるのではないかと思います。今までのでは、私としては受けるあれがないのではないかという気がありますね。
○桑原氏 先ほどから話に出ていますように、初めて受ける方、二度目、三度目を受ける方、修了者でやっている仕事の内容が非常に高度な方、あるいはそこまでは要求されていないレベルの方、いろいろな受講対象者の方がいらっしゃるわけです。
 そういう方たちに対して、現行は一律で受講料が5,000円あるいは4,500円になっていますが、会場ごとに内容も受講料も違う形で実施するということは、今まではやってこなかった。しかし、この議論でどうなっていくのかわからないですけれども、そういう実施方法は、今の仕組みでも工夫をすればできるのではないかと思います。
○芳賀座長 全体の研修プログラムのアレンジメントは、いただいた資料、レジュメの5ページに、全国センターが全国共通の仕事で大枠をつくるということが、行政事務の効率化や減量化を下支えしている。ある種効率化を支えているのだというお話だったと思います。
 そのときに、先ほど例えば講師の育成は、かといって全国でできなくて、都道府県センターにお願いしている状況だったりするというお話でした。結局、指導センターでやりたいことはたくさんあると思いますけれども、そこには資金が足りなかったり、マンパワーが足りなかったりといういろいろな制約があると思われます。そういった制約条件、一番困っていることをお話ししていただくといいかなと思います。
○桑原氏 これを言い出すと、本当に長くなると思います。
○芳賀座長 いっぱいあると思いますが、端的に。
○桑原氏 その前に講師の話ですけれども、委嘱してから育成というよりも、もっと即戦力的に今すぐやっていただける方を講師に推薦してもらい、委嘱している状況です。
 全国指導センターと県指導センターの実施体制の説明を全くしなかったのですが、全国指導センターで研修を担当しているのは、私、研修部長1人です。その下にだれかいるかというと、いなくて、今は、嘱託が1人いて、その方にマンパワーにして2分の1ぐらいの仕事をお願いしている。
 これを県指導センターについてみると、県センターには基本的に3名の経営指導員と1人の事務員がいる。そのうちの1人の経営指導員がクリーニング研修事業を担当していて、それ以外の業務も担当しているという状況です。県指導センターの場合も、この研修事業を事細かくやれば、どれだけやっても仕事がいっぱいあるという状況になろうかと思います。
 開催案内の仕方一つをとってみても、クリーニング師や営業者の名簿がきちんとできている県では、これらの県での成果を見ていると受講率が高くなっていますが、最初から高いのかと言ったら、それまでに名簿をきちっとつくるために、県庁、保健所ときめ細かな連絡を取り合って整備してきている経緯がある。その後、開催案内の文章表現も、県庁、保健所とすり合わせながら作成する。
それで開催案内を出してみて、なかなか返事が来ない。今回のこの会場は、100人出したのに50人しか返事が来ない。
 50人は歩留りがいい方なのですけれども、そういうときは保健所に行って、こういう状況です。組合に行って、こういう状況ですから、組合員に対しては組合の方からも勧奨していただく。行政の方からは、電話でも結構ですから指導していただけませんかということを繰り返しやっているのです。
現場ではこういう厳しいことをやりながら、一人でも多く受講していただくという取り組みをしています。
○芳賀座長 ありがとうございます。
 それでは、ほかに何か御質問、御意見等、お願いします。
○鴨木参与(前野構成員代理) 指導センターさんの方にお尋ねするのですが、実は第7クールのクリーニング師研修実施回数ですが、各都道府県で非常にバラツキがあります。最低で2回最高で28回ですが、どうしてこう違いが出てくるのかを御説明願いたいのです。
○桑原氏 基本は、1クール内に皆さんが受講すれば、それで足りるということになるわけです。今、東京都の実施回数が一番多いですが、例えば受講率が一番高いのは佐賀県だと思いますけれども、そういうところは従業クリーニング師数自体がそう多くないので、県も比較的小さいので、年に1回実施すれば足りる。
 また、クリーニング師が参加し易いために、小さな県では交通の便も考慮して、一度に皆さんに県庁所在地に集まっていただくのではなくて、県を3つぐらいのブロックに分けて、3年ローテーションで年1回ずつ実施するという形が多いです。
○鴨木参与(前野構成員代理) そうしますと実施回数と受講率は、今おっしゃったクリーニング師の人数と地域性、そしてやりやすい条件が整った環境があるからできるのか、その辺りはいかがでございますか。
○桑原氏 先程、申し上げたように、一つは、知事の事務であるわけですから、この事業に対してどういう認識を持っているか、結局は地元の都道府県、保健所がどのような指導監督をしていくかということがあります。
 もう一つは、都道府県指導センターの経営指導員が、この事業をどう実施していくかということで、関係者に何回も繰り返しお願いに行って、協力依頼をしてという取組みが求められます。そういう仕組みを、全国指導センターでは20年度から「受講促進のための関係者懇談会」という形で立ち上げ、行政、保健所、それから県の組合、全国の組合で、全国センターと県指導センターが集まり協議する場をつくりました。こういう仕組みをつくり上げて、兵庫県のような実施の形になっていけば、どんどん受講率、受講者数も上がってくる。そういう努力を始めており、また、やってきました。
○鴨木参与(前野構成員代理) 各県に研修部長がいらっしゃるわけですか。
○桑原氏 いません。クリーニング研修担当という形になります。
○芳賀座長 よろしいでしょうか。
○鴨木参与(前野構成員代理) はい。
○芳賀座長 では。
○三川課長補佐 事務局の方から、せっかくですので、脇田さんにちょっとお伺いしたいのです。
 県によって違うというお話で、幾つかの県の講師をされていると思いますけれども、そこで、余り悪いことは言えないと思いますけれども、県の違いとかが何かあれば教えていただければと思います。
○脇田氏 クリーニング業者の皆さん、どの地域へ行っても大変いい方が多いです。真面目な方が多い。ただ、県民性が多少ありますので、同じ話をしていても反応はいろいろ違いますけれども、少しでも精いっぱい、こちらも何か伝えていくことができるようにします。特にというのは、それほどはないです。先ほど言いました、用意していただく設備面が若干違うということはあります。そうすると、時間配分がまた変わってまいりますので、その中で話す内容が若干変わるということです。
 ですから、私自身もいつも話に行くときに、今日は何の話をしようか。テレビで見ている中でヒントというものは意外にあるものですから、そういったものを取り入れてお話しさせていただくという形をとっております。
○芳賀座長 お願いします。
○桑原氏 県指導センターの保有設備の話をしますと、プロジェクターを持っていない都道府県指導センターがまだ若干あり、プロジェクターを会場で借りると3万円ぐらいかかり、経費の問題もあります。
○芳賀座長 私、脇田さんに追加で質問させていただきたいのですけれども、毎回、今日は何をお話ししようと考えられて、最初の御説明のときもすごく工夫されていらっしゃるではないですか。講座で指定された枠組みというか、テーマと時間が決まっていますよね。その中で標準的なカリキュラム、最低限やらなければならないものと、ある種サービス的にというか、プラスアルファで御自身で工夫されて話している部分の比率は、どのぐらいでやられていますか。
○脇田氏 テキストに沿ってやる内容は、本当にごく一部ですね。ほとんど自分でつくっているような内容になっております。ですから、テキストに沿ってやって、多分皆さん余りおもしろくないのではないか。そういう部分で、随分変えてやってしまっているというところですね。何割かと言われると、2割ぐらいしかないかもしれない。
○芳賀座長 ということは、脇田さんは2回目以降の受講者を意識されて講義をされているという感じですか。
○脇田氏 はい。第1クール、第2クールというのは、どちらかというと本に沿って。何回もお受けになっている。クリーニング師研修の場合は特にそうですね。従事者講習、従業員さんを意識するときには、事前に、今日、お受けになる方は、取次店関係の方が多いのか、工場内、どちらが多いかということと。あとは、大手さんかどうかというのは多少お伺いするようにしております。
○芳賀座長 ありがとうございます。
 同じことなのですけれども、今度は柳さん、聞く側に教えていただきたいのですが、教本上のベーシックな部分と、もう少し実務的なトピックスみたいな部分が研修の中であると思いますけれども、ベーシックな部分は多分評判が余りよくないのだと思います。
○柳氏 基本的なことですね。
○芳賀座長 言いにくいこともあるかと思いますけれども、差し支えない範囲で率直に。
○柳氏 率直にですか。実を言うと、今日皆さんお越しの方がスーツを着られていますね。これには必ず品質表示というものが付いているかと思いますけれども、現場ではあの品質表示と違うやり方をする場合が多いのです。特に夏物、汗をかかれるような品物でありますと、この品質表示のとおり洗って、そのままお客様に納めますと、必ず次の時期にクレームが出ます。
 ただ、表示どおり洗ったのだからいいだろうということでは、とてもではないですけれども、必ず次にクレームが来ます。というのは、汗とか皮脂の残留が必ずあるのです。夏物は、特に白いものが多かったりしますので、黄変が出てしまうといったものがあります。ですから、現場ではそういった基本的な作業、ベーシックな作業のほかに、各店舗で工夫しながら、汗取りとか皮脂の黄変取りとかをやっているのです。
 ですので、先ほども私、この3年ごとの講習会は確認だというお話をさせていただいたと思いますけれども、それは私が直接預かった品物を、汗を抜いたり、染みを抜いたりした作業が間違っているのか間違っていないのかというのは、相談するところがないのです。経験の上でやっているわけで、講習会等で、それが間違っていなかったなという確認作業の場でもあるのです。ですので、ベーシックというのは基本的に大事な一部分だと思いますけれども、現場では正直言うと役に立たなくなった。
 基礎ですよ。なければいけないものですけれども、それをやったからといって商売になるかというと、それはならないです。ただ、それを知らなければいけないというのは重々承知しています。知らなければ基本的な作業はできませんから、それはないといけないと思います。ただ、それだけではだめだと思います。
○芳賀座長 では、実際に仕事の現場で必要とされるノウハウみたいなものがあって、それを共有するのに現行の研修というのはある程度役に立っている。
○柳氏 そうですね。例えば洋服などは、新製品が出ますね。そうすると、洗われるのは次のシーズンだと思います。そういったいろいろなデータとか情報、例えば色落ちがあったとか、中にはこういう変形が出たという情報は、私たち末端には届かないのです。実際やってみて失敗した方が出て、ああ、これは大変だとなることは大いにあります。でも、事前にそういったデータがセンターとかに上がったものが私たちにおりてくるのであれば、それは事故が1つ防げるようなことでもあるかと思います。
 というのは、全体を占める洋服のシェアが、どんな大手さんでも何%かではないかと思います。そうすると、私が預かる品物というのは、ほかの店で同じものを扱うか。そこには違う品物が出ているわけで、多種多様なわけです。でも、隣の店に出たお客さんの品物は、うちには情報がないわけです。違うお店に出た品物は私にはないわけです。私の持っているのは、自分で扱った品物の情報しかないわけです。
 でも、そういった情報をどこかで集約していただいたものを出していただければ、もし出くわしたときに事前にそれの対処ができる。そういったメリットはすごくあると思います。
○芳賀座長 ありがとうございました。柳さん、研修を受けられる立場から随分積極的に評価していただいている方なのかなと思いますけれども、逆に、研修を受けられている中で、前回から意見として出ているのは、やはりマンネリ化している部分があるというのですけれども、2回目以降、ここは要らないのではないかと思われる部分はありますか。
○柳氏 ベーシックな部分というのは、試験を受けたときに勉強しているわけですから、そこは触っていただいても結構ですけれども、長く時間をとるものではないと思います。さらっと流していただいて、新しい繊維とか事故例とか、新しいものをどんどんやっていただければありがたい。古い部分に関しては、さらっと流していただきたいという部分はございます。
○芳賀座長 ありがとうございます。
 佐伯さんのお話の中にもありましたけれども、2回目以降の受講率が下がる、ここに御苦労されているわけですね。そうしたときに、こういう積極的な意見は余り出てこないですか。
○佐伯氏 私たちが監視に行くのは、受講してくださいという監視ではなくて、クリーニング業の衛生的な措置がどうなっているかという全体を見ていくので、その中の一部として、受けていないときには受けてくださいという話になります。例えば確信的に受けていない人はどうかというと、非常に一生懸命勉強して、お店の方もきれいなのです。これだけ自信を持っているから、逆に受けにくくなっている面もあるし。
 だから、先ほど言いましたように、ケースによってクリーニング師さんのレベルが違いますし、お店によって取り扱うものが違います。状況がかなり幅が広いので、一概に一つのものというのは難しい面があるのかなという気がします。
○芳賀座長 わかりました。ありがとうございます。ですから、仕事に関するノウハウ的なものもすごくありますし、受講者のレベルのようなものはかなりばらつきがあるので、受講者別に弾力的にプログラムができるようになるといいということですか、先ほど桑原さんがおっしゃったのは。
○桑原氏 そのようになれば理想的であります。先ほど申しましたように、例えば産業クリーニングの研修をやってほしいという要望もいただいています。それは、おしぼりとか特定のものについてやることになる。各県で研修を行う場合に、回数が少ないと、すべての科目等を1回で終わってしまわないといけない。産業クリーニングの研修などを含め複数回できればいいのですが、小さな県では何回も何回もやれない。
 そこで、基本は県単位で実施するという仕組みになっておりますけれども、交通の便がよくなっているので、より広域化して、特殊な研修については東京に集まってもらうとか、大阪に集まってもらって実施するという運用も必要なのかなと考えています。
○芳賀座長 ありがとうございました。済みません、私が少ししゃべり過ぎてしまいましたけれども、海老原さん、お願いします。
○海老原構成員 佐伯係長に1つお聞きしますけれども、昔、保健所というと意外と力があったような気がするのです。今、クリーニング所にほとんど回ってくることもないです。昔はちょこちょこ顔を出していまして、そういった保健所のあれにも、クリーニング師が研修を受けないという責任があるのではないか。消防署もそうですよ。昔は溶剤をちょっと余分に置いておくものなら、びくびくしていたものですよ。保健所さんも月に2回ぐらい顔を出した時期がございました。
 私は、もうちょっと保健所さん、昔のように力があれば、こうした受講する方ももうちょっと増えるのではないかと思います。
○佐伯氏 先ほど言いましたように、私たちが現場へ行くときにはトータルで物を見る。例えば東京都内ですと、密集地にお店があるものですから、排気とか廃液の問題というテーマを持って入っています。ほかの自治体のことは全部把握しているわけではないですけれども、私がいる板橋については、現場を回る人間が4人いまして、クリーニング所だけで約500軒。六法、理容、美容、クリーニング、興行場、旅館、浴場、それからプールなども回っているのですけれども、主なものだけで1,700施設ぐらいあります。
 ですから、一月に1回、4人で全部回るというのは物理的に不可能な部分があるので、重点的な監視といいますか、クリーニング店については溶剤関係とかドライ機とか、毎年テーマを持って、この部分を直していこうということで立ち入りしています。なかなか人が削減されて、やり繰りしながらやっています。本来的には、今、言われましたように、毎月でも顔を出せればいいと思いますけれども、全体的な地域の衛生事情を上げていかなければいけないものですから、現状としては細かいことを見るのはなかなか難しいというのがあります。
○芳賀座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。ほかに構成員から、何か御質問、御意見等ございませんか。では、お願いします。
○加藤構成員 神奈川県で指導センターの理事をしております。
 先ほどカリキュラムの中で、もういいかなというのがあるという話ですが、実際現場でやっていますと、公衆衛生がクレームが多いです。平成15年でしたか、大きな法改正がありましたが、その後はほとんど変更がないです。3年ごとというと、ほとんどそのまま。時間は40分です。講師の側からすると、40分では短過ぎて十分に説明できないという逆の意見もあります。
 ただし、3年に1回ですから、皆さん3年前のことは覚えています。逆に実技に関する講習は、非常に好評でして、講師の先生は、終わってから30分、40分と延長で質問攻めみたいなこともよくあります。
 それから、公衆衛生法規は、何か大きな法改正とかがあったときに開催されるコースをやって、そのほかの大きな変更がない場合は、実技をやっていただいた方が非常に有効だと思います。
○芳賀座長 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等ございませんでしょうか。
○鴨木参与(前野構成員代理) 提案というのはよろしいでしょうか。
○芳賀座長 結構です。お願いします。
○鴨木参与(前野構成員代理) 先ほど柳さんから、御自分のところで扱った商品の扱い方の問題点はわかるけれども、他の店で抱える問題点はわからないとお話しがありました。そこで提案ですが、研修のときに新しい科目を増やしてほしいという中の一つに、トラブルの事例と解決方法を発表し合うことで、参加した方が実践から学び更に御自分もそういう事例に対処した話ができるようにクリーニング師研修に参加して情報提供してみようかとなれば、自己啓発にもなり、相手にまた啓発を与えられることがあるので、デメリットであるところのトラブルをメリット化するために科目の中に少し入れると、聞いている方も非常に身近な話で、いいのではないかなと思い提案でございます。
○芳賀座長 ありがとうございました。今日、いろいろと御意見をたくさんいただきましたけれども、前回のワーキンググループの中で、カリキュラムのマンネリ化、2回目、3回目、続けて受ける理由があるのかないのかというところが中心的なテーマになっていたかと思います。幾つか御意見をいただく中で、更新していくべき内容があるのだなということに気付かされたように思います。
 例えば現場で日々クリーニングをされている柳さんも、日々迷うことがある。ということは、新しい技術とかは常に情報として更新していかなければいけないのだな。それから、苦情のデータを見ても、衛生面、技術面のトラブルが多い。それとともに、接客、カウンター対応のトラブルが非常に多い。こういったところも常に情報共有していく必要があるだろう。
 それから、脇田さんは日々の研修の中で非常に工夫されているようですけれども、いろいろな新聞で記事になるようなホットなトピックスをどんどん取り込んでいく。例えば高齢者対応の話とか個別事業者の高齢化に対応した経営のあり方とか、いろいろ工夫すべきというか、変えていくことがあるのだなということがわかったのではないかと思います。非常にたくさんの御意見、ありがとうございました。
 続きまして、論点の整理について、事務局より説明をお願いいたします。
○三川課長補佐 それでは、事務局より御説明いたします。資料2をごらんいただければと思います。
 資料2の方向性についてというペーパーの四角の枠囲みの中のものにつきましては、前回、第1回のワーキンググループの際の意見として整理したものになります。その下に第1回目でいろいろ出ました意見を記載しておりまして、その下に方向性ということで考え方を少し織り込んでおります。
 説明していきますと、まず期待される役割というのは、全体に関わることでしたので、特にここには記載しておりません。
 研修、講習科目についてですけれども、方向性といたしまして、現場のニーズに即した内容を盛り込むべきではないかというのが1つと。あと、初めて研修、講習を受講する人と2回目以降の人は同じでよいのかというのが考えられるかと思います。
 次の研修、講習時間ですけれども、こちらの方向性といたしまして、実施の回数、場所について何か工夫できないか。また、その周知方法についても工夫できないかというのが1つ。それと、科目の話と同じようなことですけれども、講習の時間について、初めての人と2回目以降の人、同じでよいのかというのがあると思います。
 2ページ目、講師の話も先ほどから出ておりましたけれども、方向性のところで、講師の養成方法を何か工夫できないか。また、講師不足という話もありますので、それを補う方法はないかということを書いております。
 研修、講習成果の確認については、前回の中でこれに特化した話は特段なかったかと思いますけれども、方向性といたしまして、受講日を確認しやすいような修了証書を工夫する。あるいは、受講済みであるということを消費者に伝えるにはどうしたらよいのか。それと、研修等未受講者への対応をどうするのかを記載しております。
 研修、講習の実施機関、受講料ですけれども、現在、実施機関として委託されております全国生活衛生営業指導センターの役割をどのように考えるのか。また、受講料に関しては、研修、講習の質の確保と適正な受講料について、どのように考えるかということを方向性として挙げております。
 行政の指導監督のあり方につきましては、事業者の情報等についての情報の共有、また連携の強化についてどのように考えるのか。また、クリーニング師の情報を開示することについて、どのように考えるのか。保健所での立入検査と研修、講習の受講確認をリンクさせるのはいかがかということを記載しております。
 3ページ目ですけれども、その他といたしまして、研修を受けていない方などに対する罰則の対応について、どのように考えるのかということを記載しております。
 最後に、クリーニング師研修、業務従事者講習のあり方についてということで、考え方と方向性を記載しております。
 考え方の1つ目といたしましては、消費生活年報によりますと、相談件数が2008年でも約8,400件ある。
 2つ目といたしまして、新しい知識を常に得る必要があるということが考え方にありまして、これらを基に、方向性といたしまして、クリーニング師研修、業務従事者講習制度の継続の是非、またこの内容の充実についてどのように考えるかということを記載しております。
 それと、参考資料2になりますけれども、こちらは「管理理容師・管理美容師指定講習事業及びクリーニング師研修事業に関する意見募集について」ということで、昨日から、この2つの事業に関する意見募集、パブリックコメントを実施しております。第1回目の資料の論点に当たるもの、4ページになりますけれども、この論点についてということで意見募集をしておりまして、11月3日までという期限で、今、行っているということを付け加えさせていただきます。
 資料についての説明は以上です。
○芳賀座長 ありがとうございました。ただいま論点の整理について御説明いただきましたが、その中で、第1回目、前回のワーキンググループの意見、そこから今後の検討の方向性を示していただきました。これにつきまして、先ほどのヒアリングの内容も踏まえて、御意見、御質問等ございましたら、御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鴨木参与(前野構成員代理) いいですか。
○芳賀座長 お願いします。
○鴨木参与(前野構成員代理) 研修が終わった後で、受講者からその場でアンケートをとるとか、そういう方法はなさっていらっしゃるのでしょうか。
○桑原氏 1回目のワーキンググループで、東京都指導センターがとったアンケートが紹介されました。すべての会場で実施しているわけではありません。
○鴨木参与(前野構成員代理) そうですか。今、時代はお互いを評価し合いながら成長していくという風潮になっていますので、私たちもそうなのですが、一つの講座を担当したときに、その講座の中で受講者から、よかった点、こうしてほしかった点、講師が適切であったのかどうか、今後にこういうテーマを希望したいといった意見をもらっておくと参加した人の声が次回の企画に活用できると思いましたので、提案として申し上げます。
○芳賀座長 どうぞ。
○桑原氏 ありがとうございます。アンケートのとり方もいろいろ工夫しないといけないと思います。今の調査票は、1回目の方、2回目の方などの分類区分なしに調査している。先ほどから議論が出ているように、2回目、3回目の参加の方がどう思っているかが浮かび上がるような質問の工夫が必要かなと思っております。今後、そこの点を検討していきたいと思います。
○鴨木参与(前野構成員代理) よろしくお願いします。
○芳賀座長 ありがとうございました。受講者による研修評価とか、あるいは先ほどの受講者の属性、そういったものが事業仕分けに際して説明する必要があることかもしれませんので、検討する必要が大いにあるかもしれません。
 ほかには、御意見、御質問、いかがでしょう。大丈夫ですか。
(「はい」と声あり)
○芳賀座長 それでは、本日はたくさんの御意見をいただきありがとうございました。
 本日いただいた御意見、及び現在募集しておりますパブリックコメントにおける意見を踏まえて、事務局において報告書案を作成した上で、次回の検討会で議論していただきたいと思っております。
 次回の予定について、事務局から説明をお願いします。
○奥田課長補佐 次回は11月19日金曜日を予定しております。詳細につきましては、決まり次第、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○芳賀座長 本日の議題は以上ですけれども、その他、何かございませんでしょうか。よろしいですか。
(「はい」と声あり)
○芳賀座長 特にございませんようでしたら、これをもちまして第2回クリーニング師研修等事業ワーキンググループを閉会いたします。
 本日はどうもありがとうございました。


(了)
<本件に関する問い合わせ先>

健康局生活衛生課

 新川智之: 内線2439
代表電話: 03-5253-1111

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