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平成29年6月20日 【照会先】 医薬・生活衛生局総務課国際薬事規制室 室長 中島 宣雅 (4223) 専門官 高梨 文人 (4224) (代表電話) 03(5253)1111 (直通電話) 03(3595)2431 |
報道関係者各位
第4回医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催されました
平成 29 年 5 月 27 日~ 6 月 1 日にモントリオール(カナダ)で、第 4 回医薬品規制調和国際会議( ICH )が開催されました。本 ICH 会合では、主に以下の進捗がありました。
1.中国国家食品薬品監督管理総局( CFDA )を新規の薬事規制当局メンバーとして承認
2. ICH ガイドラインを作成するための新規のトピックとして、「 E8 (臨床試験の一般指針)の改訂」「小児医薬品開発における外挿」の 2 課題を採択
3.専門家作業部会による ICH ガイドラインの作成で、 Q12 (ライフサイクルマネジメント)ガイドライン案の暫定合意、 M7 ( DNA 反応性不純物の評価と管理)ガイドライン付録の採択など、多数の進捗あり
次回会合は、平成 29 年 11 月 11-16 日にジュネーブ(スイス)で開催される予定です。
(参考)医薬品規制調和国際会議( ICH )について
医薬品規制調和国際会議( ICH, International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for human use )は、平成 2 年に始まった日米 EU 医薬品規制調和国際会議を基礎として、平成 27 年にスイス法に基づく非営利法人として新たに設立された組織です。新医薬品の品質・有効性・安全性の評価等に係る技術的なガイドラインを作成し、各国の規制の標準化等に貢献しています。
ICH 新法人の設立について(平成 27 年 10 月 26 日付け厚生労働省プレスリリース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102412.html
以下では、上記の主な進捗について詳細を説明します。
1.新規メンバー、オブザーバーの参加
本会合では、中国国家食品薬品監督管理総局( CFDA )が新規の規制当局メンバーとして承認されました。また、医薬品査察協同スキーム( PIC/S )が新規オブザーバーとして承認されました。
これにより、 ICH メンバーは 14 団体、オブザーバーは 23 団体となりました(参考1に一覧を掲載)。
2.新規課題の採択
本会合では、 ICH ガイドラインを作成するための新規のトピックとして、 以下の 2 課題が新規に採択されました。今後、専門家作業部会の設立に向けた議論が開始される予定です。
● E8 (臨床試験の一般指針)の改訂( FDA 提案)
(概要) 1997 年に作成された E8 ガイドラインは、 基本的にはランダム化比較試験が前提とされていた。それと異なる種類の試験や多様なデザインの試験を含めて、広く臨床試験の質を適切なレベルに保つため、試験の質とそれに影響を与える試験デザインに関する事項を最新の内容に改めるもの。
● 小児医薬品開発における外挿( FDA/PhRMA 提案)
(概要) 成人等での有効性・安全性データをもとに医薬品の小児適応を設定する(「外挿」)ための、 薬理学、薬物動態学及び統計学を用いた手法を 提供するもの。本ガイドラインの作成により、より早期に医薬品の小児適応が追加されることが期待。
3.専門家作業部会による ICH ガイドライン作成の進捗
専門家作業部会による ICH ガイドラインの作成で、本会合中に 3 つのガイドラインに進捗があり、会合後にさらに 7 つのガイドラインに進捗が見込まれています。
○ 本会合中にステップが進捗したもの
[ステップ 1 (作業部会でガイドライン案の合意・今後各国で最終確認後に、パブリックコメントを実施)]
● Q12 :ライフサイクルマネジメント(ガイドライン案の作成)
[ステップ 4 ( ICH ガイドライン等として採択・今後各国で通知)]
● M7(R1) : DNA 反応性不純物の評価と管理(付録の作成)
● E2B(R3) :症例報告の電子的送信( Q&A の作成)
○ 本会合後、次回会合までの間にステップの進捗が見込まれるもの
[ステップ 2 (ガイドライン案の合意・今後各国でパブリックコメントを実施)]
● S5(R3): 医薬品の生殖毒性試験法(ガイドラインの改訂)
● E9(R1) :臨床試験の統計的原則(付録の作成)
[ステップ 4 ( ICH ガイドライン等として採択・今後各国で通知)]
● E11(R1) :小児集団における医薬品の臨床試験(ガイドラインの改訂)
● E18 :共同利用のための DNA サンプルの採取と情報管理(ガイドラインの作成)
● S3A :マイクロサンプリングによる非臨床安全性試験( Q&A の作成)
● Q11 :原薬の開発と製造( Q&A の作成)
● M8 :電子化申請様式( eCTD v3.2.2 & v4.0 Q&As の作成)
(参考1) ICH 参加団体一覧(平成 29 年 6 月時点(下線:今回承認))
【メンバー( 14 団体)】
○ 常任規制当局メンバー:厚生労働省・医薬品医療機器総合機構( MHLW/PMDA )、米国医薬品食品庁( FDA )、欧州委員会・欧州医薬品庁( EC/EMA )、ヘルスカナダ、スイスメディック
○ 常任産業界メンバー:日本製薬工業協会( JPMA )、米国研究製薬工業協会( PhRMA )、欧州製薬団体連合会( EFPIA )
○ 規制当局メンバー: ブラジル国家衛生監督庁( ANVISA )、中国国家食品薬品監督管理総局( CFDA ) 、韓国食品医薬品安全処( MFDS )
○ 業界団体メンバー:バイオテクノロジーイノベーション協会( BIO )、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会( IGBA )、世界セルフメディケーション協会( WSMI )
【オブザーバー( 23 団体)】
○ 常任オブザーバー:世界保健機関( WHO )、国際製薬団体連合会( IFPMA )
○ 規制当局オブザーバー:インド中央医薬品基準管理機構( CDSCO )、キューバ国家医薬品医療機器管理機関( CECMED )、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会( COFEPRIS )、シンガポール保健科学庁( HSA )、南アフリカ医薬品管理審議会( MCC )、カザフスタン国家医薬品医療機器専門機関、ロシア連邦保健・社会発展省( Roszdravnadzor )、台湾食品薬物管理署( TFDA )、オーストラリア医療製品管理局( TGA )
○ 地域調和イニシアティブ:東南アジア諸国連合( ASEAN )、アジア太平洋経済協力( APEC )、東アフリカ共同体( EAC )、湾岸協力理事会( GCC )、汎アメリカ医薬品規制調和ネットワーク( PANDRH )、南部アフリカ開発共同体( SADC )
○ 業界団体オブザーバー:医薬品原薬委員会( APIC )
○ 医薬品関連国際団体:国際医学団体協議会( CIOMS )、欧州医薬品医療品質理事会( EDQM )、国際医薬品添加物機関( IPEC )、医薬品査察協同スキーム( PIC/S ) 、米国薬局方( USP )
各団体の英字の正式名称は ICH ウェブサイトに掲載されています。
http://www.ich.org/about/membership.html
(参考2) ICH ウェブサイトにおける本会合結果のプレスリリース(英語)