第3回保育士養成課程等検討会 議事要旨
1 日時
平成22年1月18日(月) 17:00〜19:00
2 場所
厚生労働省 専用第21会議室
3 出席者
網野委員、上村委員、埋橋委員、大嶋委員、汐見座長、藤林委員、増田委員、矢藤委員、山本委員
4 議題
保育士養成課程等に関する検討課題について
5 議事要旨
委員より以下のような発言があった。
○「保育心理学」(発達心理学と教育心理学を統合)について
- 学問体系として確立されていないので、教科名として適切か吟味する必要がある。
- 教育心理学や発達心理学のように心理学の応用分野として新たに打ち出し、定着させていくということもあり得る。
- 内容的に臨床心理学の応用のように思うが、〈内容〉にある「カウンセリングマインド」はやや唐突ではないか。
- 教育心理学が統合されたが、「教育」という言葉がなるべく残されることを希望する。
- 教育の要素である「学び」「学習」という言葉が〈内容〉に十分盛り込まれている。
- 教科目全体の統一感やバランス等も考慮し、教科名について再考し、〈内容〉についてもより明確になるようにする。
○「保育相談支援」について
- 「家族援助論」を「家庭支援論」とすることとの関連で、また、保育士が行う保護者支援を中心にした内容とする等により「保育相談支援」とする案に賛成する。
- 「保育相談支援」とするエビデンスがどこにあるのか疑問であり、教えられる人がいるとも思えない。
- 「保育に関する相談援助」又は「保育における相談援助」としたらどうか。
- 社会福祉士の業務の「相談援助」ではない、保育士の専門性を生かした相談支援を戦略的につくっていくということだと思う。
- 社会福祉士、介護福祉士等の資格取得を考慮する必要もある。「保育相談支援」「保育相談援助」「相談援助」等、教科名は関係部局との調整もあり要検討。
○「精神保健」の統合について
- 児童精神保健の医師や専門家がたいへん少ない中、心理や保健の分野から子どもの心とからだをトータルにみていくことに異存はない。
- 今日、精神保健を学ぶ重要性が増している。内容を分散させても薄まらないようにしたい。
- 保育心理学に移した「子どもの心の健康障害」は「児童の保健」の中に入れた方がよい。
- 現行の「精神保健」の内容を再度見直し、移行させる箇所や文言などを精査する必要がある。
○「保育課程論」について
- 内容がわかるように「保育の計画と評価」の方がよいのではないか。
- 保育所以外の施設の計画や評価は含まれないのか。
- 既に、幼保両免に関わる授業として「教育課程論・保育課程論」という授業が多くの養成校で行われている。教育課程と合わせられる方がよいと思う。
- 他の科目名や幼免課程などを踏まえ、教科名を決めるべき。
○「保育表現技術」について
- 「基礎技能」を「表現技術」に変えることに基本的には賛成だが、5領域の表現についての技術だけでなく、保育の様々な要素を含んだものとして「表現」を広く捉えることが重要であり、こうしたことに関して十分周知すべきである。
- 保育の基礎技能としてこうした内容が盛り込まれるのはとてもよいことと思う。
- 他の科目名や幼免課程などを踏まえ、教科名を決めるべき。
○「保育者論」について
- 保育者論よりも、「保育士論」とした方が明確ではないか。
- 教育課程の方では、「教諭論」と資格名にしないで「教師論」としている。
- 〈内容〉にある「キャリア発達」は制度的な保障がないまま盛り込んでよいのか。また、「保育士のアイデンティティ」という言葉はこのままでよいのか。
- 少子化特別部会報告書にも保育士のステップアップ等について盛り込まれており、こうしたことを受け教科内容に「キャリア発達」が出されるのはよいと思う。
- 精神主義的に陥らず、具体的な学びとなるようにしたい。
- 文言の精査を行うとともに、幼免課程などを踏まえ、教科名を決めるべき。
○その他の意見
- 保育士養成課程も大切だが、保育現場に出てからの研修やそれと連動させた処遇など、ステップアップの仕組みや養成校との連携が必要だろう。
- 保育所以外の施設実習先を確保するのはたいへんなことであり、実習先が広がり、施設の選択が増えるのは喜ばしいことである。
- 保育所保育士が大多数であるが、保育所以外の施設等で働く保育士も視野に入れるべき。施設養護等を担う保育士の専門性の構築も必要。
○次回の予定等
- 教科目名は告示であるので、告示に耐えうる教科名とすること。
- 事務局において関係部局、文科省と確認(資格取得における科目読み替え等について)し、養成課程案をかためる。
- 保育士国家試験の受験科目及び経過措置等について、具体的につめていく。また、次回は試験科目とその内容についても検討する。
照会先
厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課保育係
電話 03−5253−1111(内線7947)