厚生労働省

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第3回労働分野経済協力に係る政労使懇談会議事要旨

1.日時:

平成21年10月22日(木)14:00〜16:00

2.場所:

厚生労働省専用第12会議室

3.出席者:

政府 村木 太郎 厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)
高倉 信行 厚生労働省大臣官房国際課長
安井省侍郎 厚生労働省大臣官房国際課国際協力室長補佐
使用者側 立石 信雄 日本経団連国際労働委員長(オムロン相談役)
鈴木 俊男 日本経団連国際協力センター参与(ILO使用者側理事)
高澤 滝夫 日本経団連国際協力本部主幹(次長)
労働者側 中嶋 滋 連合国際顧問(ILO労働者側理事)
生澤 千裕 連合総合国際局長
湯本 健一 連合国際局部長
ILO関係者等 長谷川眞一 ILO駐日事務所代表
中村 正 財団法人日本ILO協会会長

4.議題

(1)労働分野の国際協力の実施状況について

(2)今後の労働分野国際協力に係る方針・取組について

(3)平成22年度予算要求について

(4)その他

5.議事要旨

議題1

事務局から資料1〜8に沿って説明を行った後、意見交換が行われた。参集者からの主な意見等は以下のとおりである。

(1)予算について
(労働者側)

○ 財源が厳しいから予算が減っているという理由は、他国も同じ状況にあり説明にならない。

○ RBSA(通常予算補足勘定)にも支出しておらず、任意拠出金も弱いとなるとILOに対する積極性がないと受け取られる。労働分野の支援は民生的な支援であり、他のきなくさい貢献を削っても、労働分野に回すぐらいの姿勢があってしかるべきだ。ILOに対して貢献度を高めるべき。

(使用者側)

○ RBSA(通常予算補足勘定)に関連して、ILOの予算はスクラップ&ビルドでなく、プラスプラスで増額が続いているということに留意すべき。

○ 日本のILOに対する任意拠出金の割合が減っている理由を書いた方がいい。

(ILO関係者等)

○ そもそも日本の労働に関する技術協力のための拠出金はその他の先進国と比較して小さく、そのあり方を政治レベルで議論すべきだ。

(政府)

○ このところ、日本全体のODAが減少傾向。ILO拠出金予算について財務当局、政務三役の理解を得るように努める。

○ 一方、ILOが効率的に運営されているかというとそうでもないので、効率的・効果的な予算執行についてILOに求めていく。また、限られた予算の中で、アジアで求められているもの、ILO、日本の得意分野について、ILOと議論しながら、効果的な予算執行に努めたい。

(2)日本のプレゼンスの向上について
(労働者側)

○ マルチ・バイの額がこれだけ減っている中で、どういう形で日本の貢献度を表すかはなかなか難しいが、例えば、本部経由でお金を回す等について検討すべき。

(ILO関係者等)

○ 本部にお金を回せば、本部でのプレゼンスは上がるが、アジアに対するプレゼンスにならない。日本がどこに向けてプレゼンスを示しているかと言うことを考えるべき。また、本部に回せば、アジアからコントロールできなくなるおそれがある。

(政府)

○ ILO本部に対する日本のプレゼンスを高めることについては、大きな課題であり、今年いろいろと取り組んでみた。なお、本部はグローパルな視点であり、日本のアジア重視の観点から、拠出先は慎重に検討すべき。

(3)その他
(ILO関係者等)

○ アジアの安定的な成長が日本のこれからの安定的成長につながるとするなら、アジアで一番遅れている労働面、特に労使対話について技術協力を増やすべき。

議題2

事務局から資料9〜11に沿って説明を行った後、意見交換が行われた。参集者からの主な意見等は以下のとおりである。

(1)国益について
(労働者側・使用者側・ILO関係者等)

○ 「日本の国益」を前面に出すのではなく、日本にも相手国にも為になるwin−winの関係になることを目的とすべき。

(政府)

○ win−winの関係について、相手国に押しつけるのではなく、日本・相手国双方のためになるように努める。

(2)支援対象国について
(使用者側)

○ 人道・人権上問題のある対応をとっている国に対しては全ての支援をやめるなどの方策も検討すべき。

(ILO関係者等)

○ 全ての支援をやめるのではなく人道・人権に係るプロジェクトは実施すべき。

(3)その他
(労働者側)

○ 2006年のアジア地域会議において、「アジアにおけるディーセントワークの10年」が確認されたところであるので、日本の活動もそういうスタンスを踏まえていくということを書いておいた方が良い。資料9の第4に「ディーセント・ワーク・アジェンダ」や「CSR」といったキーワードも加えるべき。

○ 資料9に「日本式の労使協調を」とあるが、「日本的な健全な労使関係」等表現を適切にすべき。

(使用者側)

○ 各国の労使よりヒアリングを行うだけでなく、アタッシェから定期的に報告させることも実施すべき。

○ 日本の労使関係や人材開発などに力を入れるのは、戦後民主化のためにという理由があったことを認識すべき。

○ いろいろ周知広報に努められているが、更に効率的あるいは広範に周知広報する方法を検討すべき。

(ILO関係者等)

○ 資料9に「アジア諸国の社会格差の解消、セーフティネットの構築、貧困層の底上げ」とあるが、健全な労使関係の構築は、社会開発を支援する一つの重要なポイントであり加えるべき。

○ 資料9に「労働条件と社会保障を同じレベルにそろえるべき」とあるが、ILOでは、経済の発展と社会的な発展がシナジックに進むべきといっており、ILOの表現にあわせるべき。

○ 資料9に「社会開発分野に関して、国際基準・国際標準といったものは少ない」とあるが、ILOの条約・勧告は約380あり、少ないとは言えない。

○ シンポジウムは、是非継続してほしい。また、労働分野の国際協力全体で実施した方がよい。

○ 労働分野全体の技術協力を俯瞰して、その中でILOマルチ・バイの位置付けをすべき。

○ ILO内の動きとして、児童労働、マイクロ・ファイナンス、アフガニスタンなどの復興支援のあとの職業訓練に関心が高まっている。

(政府)

○ 日本の企業、NPO等に対して、ILOのやっていること、労働関係の国際協力の考え方、あるいは日本企業が海外進出する際に心得ておくべきことなどの情報提供に努める。

議題3

事務局から資料12〜13に沿って説明を行った後、意見交換が行われた。参集者からの主な意見等は以下のとおりである。

(労働者側)

○ One−UNポリシーの観点より、予算規模の大きいUNDPから拠出を受けることを検討すべき。

(政府)

○ UNDPからは本部レベルでは拠出を受けているが、フィールドレベルでの連携が可能かどうか検討したい。

照会先:厚生労働省大臣官房国際課

国際協力室協力調整係

03-5253-1111(内線7314)


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