厚生労働省

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照会先:厚生労働省雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課法規係(内線7838)

第6回「変化する賃金・雇用制度の下における男女間賃金格差に関する研究会」
議事要旨

日時:

平成21年6月2日(火)12:30〜14:30

場所:

厚生労働省共用第6会議室(2階)

出席者:

・委員

今野座長、佐藤委員、中窪委員、永瀬委員、中田委員、永由委員、藤村委員

・オブザーバー

浅尾主席統括研究員、藤井統括研究員、馬研究員、高田研究員

(以上、独立行政法人労働政策研究・研修機構)

【議題】

1 開会
2 議事

これまでの研究結果の整理について

3 閉会

【概要】

1 事務局より、資料NO.1及び資料NO.2について説明があった。
2 委員より以下のコメントがあった。

○ 顧客の要望にすぐに対応するという商慣行により、企業は時間の自由が利く人を配置し、そういう人が昇進していくため、女性にとっては不利。均等法施行後20年経っても男女間賃金格差がこれだけ残っている理由だと思う。一企業の中での経営側の配慮だけでは解決しないものがある。

○ 今後の議論のための視点(資料No.1)の2の雇用管理制度のあり方の中で、労働時間の管理のあり方についてのチェックをきちんとやるということが必要。管理職に昇進する際に事実的に求められる働き方は、かなり無理の利く働き方であり、女性の方が対応できる人が少ない。その業務をこなせないと、長期的には能力差がつき、結果的に昇進格差が出て、男女間賃金格差につながっている。 

→ 働く時間と場所に無理が利くか否かという意味で「転勤」も同様。

○ 長時間労働をする人が評価され、そうした仕事への入り口を女性にも広げようということを追求していくと、皆が長時間労働することになる。従来の日本の賃金制度では、雇用者が家族ケアをすることは考えられていなかったが、子育てをする人にペナルティが課されないような、新しい形の賃金制度をつくるという広い目線で今の時代をどうしたらよいのかを考え直す必要があるのではないか。

→ それは書くとすればガイドラインの前文か。商慣行や賃金制度を構造的に直ちに変えることは難しいので、それを前提とした上で少しでも前に行くためにはどのような方策がありうるのかを書くのがガイドラインである。

○ 現在のガイドラインには良いことが書かれているが迫力がない。労働基準法4条、男女雇用機会均等法、間接差別など法律的な枠組みと、その背後にある男女は能力に応じて平等に扱われるべきであるという理念をまず示した上で、企業にもう一歩先に出ていただくための方策を示すガイドラインの方が意味があるのではないか。

○ ガイドラインには、例を挙げて制度の問題点を具体的に明らかにし、ここを直せばこう変わるということを示すとよいのではないか。労使交渉の際にチェックするフォーマットをつくるということも考えられる。

○ 一定規模以上の企業に対し、コース別に男女別賃金と勤続年数の公表を義 務付けるなどしてはどうか。

→ 義務付けまでいかなくとも男女の割合を報告させるだけでも、どうしてこのような数字になるのか考えるきっかけになる。

→ 労働力が減少し、大卒の半分が女性となっているなか、優秀な女性を採用したいという企業にとってみれば、応募人数や採用人数を男女別に公表することには、メリットがある。情報公開すると優秀な女性を採れるから積極的に情報公開をしましょうと入れてはどうか。

○ 単に公正・透明な評価をするだけでは足らず、具体的評価に当たって、男性優位の歪みが入っていないかをきちんとチェックすることを入れてもいいのではないか。

○ 制度設計は人事が行うけれども、運用は現場のマネージャーが行うので、現場のマネージャーがこの問題に対応しやすいようなツールを用意すれば受け入れられるのではないか。

○ 我々は男女間賃金格差について問題とする実態分析をしているが、各企業内で男女間賃金格差を問題と思っていない可能性が大である。個別労使で男女間賃金格差がどのようにあるのかないのか実態分析すること、また、差がつけられている女性の意識や不満があるかどうかについて認識することが、まず初歩的なチェック項目として重要であり、強調すべき。

○ 労働力が減少し、大卒の半分が女性になってきている中、男女別の応募者数や採用数等の情報を公開することをガイドラインに入れれば、優秀な女性を本当に使わなければいけない企業を動かし、良い循環がつくれるのではないか。

○ 成果主義といっても、一般職の成果主義と総合職の成果主義は最初からベースが全然違っている。コース別の大きな格差を残したまま公平・透明な成果主義等の制度を推進しても無理。

→ その点は仕事ベース賃金で格差解消にはならないのか。職務分析の手法あるいは職務評価の可能性について、提言として一つの視点に挙げられないか。


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