厚生労働省

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連絡先

厚生労働省医政局研究開発振興課

担当 井本・梅垣(内線2545)

電話 03-5253-1111(代表)

03-3595-2430(直通)

平成20年10月14日

厚生科学審議会科学技術部会
第6回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会
議事概要

1.日時

平成20年10月14日(火) 17:00〜19:00

場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省 共用第8会議室

2.出席委員

永井委員長
青木委員 位田委員 掛江委員 春日井委員 貴志委員
木下委員 小島委員 戸口田委員 中畑委員 中村委員
前川委員 松山委員 水澤委員 湊口委員 山口委員

(事務局)

厚生労働省 医政局研究開発振興課

3. 議事概要

すでに厚生科学審議会科学技術部会に付議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画のうち、継続審議となっていた田附興風会医学研究所北野病院、東京女子医科大学、慶應義塾大学からの申請に加え、平成20年9月17日付で新たに付議された北楡会札幌北楡病院の申請、平成20年9月26日付で新たに付議された愛心会湘南鎌倉総合病院、虎ノ門病院の申請、さらに平成20年10月8日付で付議された東海大学医学部からの変更申請の合計7件の申請について審議された。

その結果、東海大学医学部からの変更申請については了承し、次回以降の科学技術部会に報告することとされた。また東京女子医科大学の申請については持ち回り審議、その他の5件の申請については、次回審査委員会以降も継続して審議していくこととされた。

(審議された臨床研究実施計画の概要は別紙1〜7参照。)


(別紙1)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年10月14日審議分

研究課題名 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験
申請年月日 平成20年6月17日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:田附興風会 医学研究所 北野病院

研究責任者:塚本 達雄

対象疾患 既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病)
ヒト幹細胞の種類 自家末梢血単核球細胞
実施期間及び
対象症例数
厚生労働大臣の意見発出から3年間、144例(推奨療法群72例,推奨療法+細胞移植治療群72例)
治療研究の概要 G-CSF皮下注射から4日目に自己末梢血を採取、アフェレシスによりCD34陽性細胞を採取、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射し、末梢血管再生効果を見る。札幌北楡病院をはじめとする計19施設による多施設共同研究を予定。
その他(外国での状況等) Inabaら、Asaharaらは,G-CSFで動員された末梢血単核球からCD34陽性細胞を単離・純化し,慢性重症下肢虚血患者に対して臨床研究を実施。一方,Kawamuraら(2005)はCD34陽性細胞を単離・純化することなく,G-CSF動員による末梢血由来の単核球細胞を重症下肢虚血患者への移植を報告している。その他、Huang, Ishida(2005)、Hoshino(2007)による同様の臨床研究の報告がある。
新規性について 本研究は用いる幹細胞、対象疾患としての新規性はないが、計19施設が参加予定の多施設臨床研究として実施され、推奨療法群あるいは推奨療法及びG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植併用治療群のいずれかを無作為に割り付け,この併用治療の有効性と安全性を推奨療法との比較によって評価するものであり、プロトコールとしての新規性を認める。

(別紙2)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要  平成20年10月14日審議分

研究課題名 自己培養口腔粘膜上皮細胞シートを用いた口腔顎顔面の再建
申請年月日 平成20年6月25日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:東京女子医科大学

研究責任者:安藤 智博

対象疾患 外傷、腫瘍切除、加齢などによる、口腔前庭の狭窄、口腔粘膜欠損、口腔瘢痕拘縮
ヒト幹細胞の種類 口腔粘膜上皮由来上皮幹細胞
実施期間及び
対象症例数

厚生労働大臣の意見発出から2年間

10例

治療研究の概要 広範囲に渡った付着歯肉の欠損に起因した口腔前庭の狭窄や口腔粘膜欠損、瘢痕拘縮を対象とし、新規に開発した手法である自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植によって、低侵襲な顎顔面再建技術の治療効果及び安全性を検討する。
その他(外国での状況等) マウス由来フィーダー細胞を用いた自己口腔粘膜由来の培養口腔粘膜上皮移植は1997年に上田らによって報告されている。温度応答性培養皿を用いた自己口腔粘膜上皮細胞シートは、大阪大学眼科との共同研究による角膜再生、大阪大学心臓外科との心筋シート、さらに東京女子医大外科で食道粘膜欠損部への移植等の臨床研究がすでに行われている。
新規性について 本研究では異種血清や、フィーダー細胞を用いない。また、温度応答性培養皿上で作製された培養口腔粘膜上皮細胞シートは、培養の間に沈着した細胞外マトリックスを底面に保持したまま回収できるので、酵素を用いた従来法で回収された細胞シートと比較し、移植創への短時間かつ良好な生着が確認され、無縫合で移植を行うことができる点で新規性が認められる。

(別紙3)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年10月14日審議分

研究課題名 重症心不全患者への外科的治療に付随して行う、自己骨髄由来間葉系細胞を用いた細胞移植に関する臨床研究
申請年月日 平成19年11月14日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:慶應義塾大学医学部

研究責任者:四津 良平

対象疾患 冠動脈バイパス術及び左室形成心臓外科手術施行予定の重症心不全患者
ヒト幹細胞の種類 (自己)骨髄間葉系幹細胞
実施期間及び
対象症例数

2年間

20歳から79歳までの5症例

治療研究の概要 冠動脈バイパス術や左室形成術などの心臓外科手術が必要な重症心不全患者に対して、自己骨髄より採取し培養した間葉系幹細胞の浮遊液を、心臓手術時に直視下に心筋内に注入し、安全性とともに手術によって得られると予想される心機能改善効果に付加的な改善効果が認められるかを、historical controlとの比較により確認する。
その他(外国での状況等) 心臓への骨髄間葉系幹細胞(MSC)移植は、中国で経冠動脈投与による70例弱の臨床例があるが、動脈塞栓の危険性により現在は心筋への直接注入が主流。特殊なカテーテルを用いて心臓内から心筋へ細胞を注入する大規模臨床試験が米国で進行中であり、本邦でも国立循環器病センターが同様の手法による臨床研究を行っている。開胸手術時に直視下に針を用いて心筋内へ細胞を注入する方法での臨床例は、2001年にLancetでの報告がある。
新規性について 開胸術時にMSCを心筋に直接注入する方法は、前述のLancetによる報告の他、大阪大学でも骨髄由来CD133陽性細胞移植の臨床研究開始が予定されている。今研究は慶應義塾大学医学部での初めての幹細胞臨床研究であることから新規性・審議の必要性を認める。

(別紙4)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年10月14日審議分

研究課題名 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験
申請年月日 平成20年9月4日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:特定医療法人北楡会 札幌北楡病院

研究責任者:堀江 卓

対象疾患 既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病)
ヒト幹細胞の種類 自家末梢血単核球細胞
実施期間及び
対象症例数
厚生労働大臣の意見発出から3年間、144例(推奨療法群72例,推奨療法+細胞移植治療群72例)
治療研究の概要 G-CSF皮下注射から4日目に自己末梢血を採取、アフェレシスによりCD34陽性細胞を採取、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射し、末梢血管再生効果を見る。北野病院等を含む計19施設による多施設共同研究を予定。
その他(外国での状況等) Inabaら、Asaharaらは,G-CSFで動員された末梢血単核球からCD34陽性細胞を単離・純化し,慢性重症下肢虚血患者に対して臨床研究を実施。一方,Kawamuraら(2005)はCD34陽性細胞を単離・純化することなく,G-CSF動員による末梢血由来の単核球細胞を重症下肢虚血患者への移植を報告している。その他、Huang, Ishida(2005)、Hoshino(2007)による同様の臨床研究の報告がある。
新規性について 本研究は用いる幹細胞、対象疾患としての新規性はないが、計19施設が参加予定の多施設臨床研究として実施され、推奨療法群あるいは推奨療法及びG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植併用治療群のいずれかを無作為に割り付け,この併用治療の有効性と安全性を推奨療法との比較によって評価するものであり、プロトコールとしての新規性を認める。

(別紙5)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年10月14日審議分

研究課題名 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験
申請年月日 平成20年9月19日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:医療法人社団 愛心会 湘南鎌倉総合病院

研究責任者:小林 修三

対象疾患 既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病)
ヒト幹細胞の種類 自家末梢血単核球細胞
実施期間及び
対象症例数
厚生労働大臣の意見発出から3年間、144例(推奨療法群72例,推奨療法+細胞移植治療群72例)
治療研究の概要 G-CSF皮下注射から4日目に自己末梢血を採取、アフェレシスによりCD34陽性細胞を採取、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射し、末梢血管再生効果を見る。北野病院等を含む計19施設による多施設共同研究を予定。
その他(外国での状況等) Inabaら、Asaharaらは,G-CSFで動員された末梢血単核球からCD34陽性細胞を単離・純化し,慢性重症下肢虚血患者に対して臨床研究を実施。一方,Kawamuraら(2005)はCD34陽性細胞を単離・純化することなく,G-CSF動員による末梢血由来の単核球細胞を重症下肢虚血患者への移植を報告している。その他、Huang, Ishida(2005)、Hoshino(2007)による同様の臨床研究の報告がある。
新規性について 本研究は用いる幹細胞、対象疾患としての新規性はないが、計19施設が参加予定の多施設臨床研究として実施され、推奨療法群あるいは推奨療法及びG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植併用治療群のいずれかを無作為に割り付け,この併用治療の有効性と安全性を推奨療法との比較によって評価するものであり、プロトコールとしての新規性を認める。

(別紙6)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年10月14日審議分

研究課題名 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験
申請年月日 平成20年9月19日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:国家公務員共済組合連合会 虎ノ門病院

研究責任者:高市 憲明

対象疾患 既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病)
ヒト幹細胞の種類 自家末梢血単核球細胞
実施期間及び
対象症例数
厚生労働大臣の意見発出から3年間、144例(推奨療法群72例,推奨療法+細胞移植治療群72例)
治療研究の概要 G-CSF皮下注射から4日目に自己末梢血を採取、アフェレシスによりCD34陽性細胞を採取、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射し、末梢血管再生効果を見る。北野病院等を含む計19施設による多施設共同研究を予定。
その他(外国での状況等) Inabaら、Asaharaらは,G-CSFで動員された末梢血単核球からCD34陽性細胞を単離・純化し,慢性重症下肢虚血患者に対して臨床研究を実施。一方,Kawamuraら(2005)はCD34陽性細胞を単離・純化することなく,G-CSF動員による末梢血由来の単核球細胞を重症下肢虚血患者への移植を報告している。その他、Huang, Ishida(2005)、Hoshino(2007)による同様の臨床研究の報告がある。
新規性について 本研究は用いる幹細胞、対象疾患としての新規性はないが、計19施設が参加予定の多施設臨床研究として実施され、推奨療法群あるいは推奨療法及びG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植併用治療群のいずれかを無作為に割り付け,この併用治療の有効性と安全性を推奨療法との比較によって評価するものであり、プロトコールとしての新規性を認める。

(別紙7)ヒト幹細胞臨床研究実施計画変更概要 平成20年10月14日審議分

研究課題名 自家骨髄間葉系幹細胞により活性化された椎間板髄核細胞を用いた椎間板再生研究
変更申請年月日 平成20年7月17日
申請者 東海大学医学部長 猪子英俊
実施施設及び
研究責任者

実施施設:東海大学医学部

研究責任者:持田 譲治

対象疾患 腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎椎間板症
ヒト幹細胞の種類 骨髄間葉系幹細胞および椎間板由来細胞
実施期間及び
対象症例数

2年間

10症例

治療研究の概要 腰椎椎間板摘出+椎体間固定術を行う腰椎椎間板変性疾患手術例において、摘出した椎間板の髄核細胞を自家骨髄間葉系幹細胞との細胞間接着を伴う共培養法によって活性化し、活性化終了直後にその髄核細胞を変性進行が予測される隣接椎間板内などに移植し、その椎間板の変性過程の抑制あるいは再生を試みる。
今回申請された主な実施
計画の変更点
細胞の調製に用いる試薬(コラゲナーゼ)に変更を行う。

(参考)

厚生科学審議会科学技術部会
ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿

  氏名 所属・役職
  青木   清 上智大学名誉教授
  阿部  信二 日本医科大学呼吸器感染腫瘍内科部門講師
  位田  隆一 京都大学公共政策大学院教授
  掛江  直子 国立成育医療センター研究所成育保健政策科学研究室長
  春日井  昇平 東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学教授
  貴志  和生 慶應義塾大学医学部形成外科准教授
  木下   茂 京都府立医科大学眼科学教室教授
  高坂  新一 国立精神・神経センター神経研究所長
  小島   至 群馬大学生体調節研究所所長
  島崎  修次 杏林大学救急医学教室教授
  高橋  政代 理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チームチームリーダー
  戸口田  淳也 京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野教授
永井  良三 東京大学大学院医学系研究科循環器内科学教授
  中畑  龍俊 京都大学大学院医学研究科発達小児科学教授
  中村  耕三 東京大学大学院医学系研究科整形外科学教授
  西川  伸一 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 副センター長
  前川   平 京都大学医学部付属病院輸血部教授
  松山  晃文 大阪大学医学部附属病院未来医療センター准教授
  水澤  英洋 東京医科歯科大学大学院脳神経病態学教授
  湊口  信也 岐阜大学大学院医学研究科再生医科学循環病態学・呼吸病学教授
  山口  照英 国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部長
 

(○は委員長)

敬称略 50音順


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