連絡先 厚生労働省大臣官房厚生科学課 担当 坂本(内線3803) 内田(内線3807) 電話 03-5253-1111(代表) 03-3595-2171(直通) |
平成20年7月17日
厚生科学審議会科学技術部会
第21回がん遺伝子治療臨床研究作業委員会
議事概要
1. 日 時 平成20年7月15日(火) 10:00〜12:30
場 所 厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館 9階)
2. 出席委員 笹月委員長
浅野委員 荒戸委員 上田委員 小澤委員 金子委員
金田委員 島田委員 濱田委員 早川委員 吉倉委員
(事務局)
厚生労働省 坂本研究企画官 内田主任研究官 他
3. 議事概要
概要は以下のとおり。
国立がんセンター中央病院より申請のあった遺伝子治療臨床研究実施計画(対象疾患:造血器悪性腫瘍)について、審議が行われた。
まず、実施計画について総括責任者らより説明を受けた後、委員間で実施計画の妥当性等について審議が行われた。
(遺伝子治療臨床研究実施計画の内容は別紙1参照。)
引き続き、三重大学医学部附属病院より申請のあった遺伝子治療臨床研究実施計画(対象疾患:食道癌)について、審議が行われた。
まず、総括責任者らより説明を受けた後、委員間で実施計画の妥当性等について審議が行われた。
(遺伝子治療臨床研究実施計画の内容は別紙2参照。)
いずれの計画に対しても、各委員から出された意見について事務局で整理し、申請者に検討を依頼することとされ、その結果を基に再度審議することとされた。
(別紙1)遺伝子治療臨床研究実施計画の内容 平成20年7月15日審議分
研究課題名 | ハプロタイプ一致ドナー由来T細胞除去造血幹細胞移植後のHSV-TK遺伝子導入ドナーTリンパ球“Add-back”療法 |
申請年月日 | 平成20年6月9日 |
実施施設及び 総括責任者 |
実施施設:国立がんセンター 総括責任者:国立がんセンター中央病院・薬物療法部 幹細胞移植療法室 平家 勇司 医長 |
対象疾患 | 造血器悪性腫瘍 |
導入遺伝子 | 単純ヘルペスウイルス1型-チミジンキナーゼ(HSV-TK)遺伝子及び細胞内領域欠損ヒト低親和性神経成長因子受容体(ΔLNGFR)遺伝子 |
ベクター | レトロウイルスベクター |
実施期間及び 対象症例数 |
厚生労働大臣了承日から3年間 10例 |
治療研究の概要 | 本研究は、高リスク造血器悪性腫瘍患者に対して、ヒト白血球抗原(HLA)ハプロタイプ一致ドナー由来T細胞除去造血幹細胞の移植を施行した後、レトロウイルスベクターを用いてHSV-TK遺伝子及びΔLNGFR遺伝子を導入した同一ドナー由来のTリンパ球を追加輸注(Add-back)する治療法の安全性の評価とAdd-back後の免疫系再構築並びにGVHD発症頻度及び制御能の評価を主要エンドポイントとする。副次的エンドポイントは、感染症頻度、無病生存率及び全般生存率。 |
その他(外国 での状況等) |
イタリアのモルメド社により欧州で同一のベクターを用いた同様の臨床試験(第I/II相)が実施されている。また、筑波大では、対象疾患等は異なるが、同一のベクターを用いた遺伝子治療臨床研究を実施中である。 |
(別紙2)遺伝子治療臨床研究実施計画の内容 平成20年7月15日審議分
研究課題名 | MAGE-A4抗原特異的TCR遺伝子導入リンパ球輸注による治療抵抗性食道癌に対する遺伝子治療臨床研究 |
申請年月日 | 平成20年6月9日 |
実施施設及び 総括責任者 |
実施施設:三重大学医学部附属病院 総括責任者:三重大学大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学講座 珠玖 洋 教員 |
対象疾患 | 食道癌 |
導入遺伝子 | MAGE-A4抗原特異的T細胞受容体α鎖及びβ鎖遺伝子 |
ベクター | レトロウイルスベクター |
実施期間及び 対象症例数 |
厚生労働大臣了承日から3年間 9例(最大18例) |
治療研究の概要 | 本研究は、治療抵抗性の食道癌患者〔HLA-A2402陽性、腫瘍組織中に腫瘍抗原MAGE-A4 が発現〕を対象とし、レトロウイルスベクターによりMAGE-A4をHLA-A2402存在下で特異的に認識するT細胞受容体(TCR)のα鎖及びβ鎖の遺伝子を導入した患者の自己リンパ球を輸注後、MAGE-A4143-151ペプチドを投与する治療法の安全性の評価を主要エンドポイントとする。副次的エンドポイントは、TCR遺伝子導入リンパ球の血中動態及び腫瘍組織への浸潤、腫瘍特異的免疫反応、腫瘍縮小効果。 |
その他(外国 での状況等) |
MAGE-A4抗原特異的TCR遺伝子を発現するレトロウイルスベクターを用いる遺伝子治療臨床研究は、国内、海外を含めて今回が初めてである。海外での類似の研究として、悪性黒色腫を対象疾患として、腫瘍抗原MART-1特異的TCR遺伝子を導入したリンパ球を投与する臨床研究が実施されている。 |
厚生科学審議会科学技術部会
がん遺伝子治療臨床研究作業委員会委員名簿
氏 名 | 所 属 |
早稲田大学理工学術院特任教授 | |
独立行政法人医薬品医療機器総合機構生物系審査部審査役 | |
名古屋市立大学大学院医学研究科臨床分子内科学教授 | |
自治医科大学医学部教授 | |
※ |
国立がんセンター名誉総長 |
金沢大学医学部長 | |
大阪大学大学院医学系研究科教授 | |
○ |
国立国際医療センター名誉総長 |
日本医科大学医学部教授 | |
札幌医科大学教授 | |
独立行政法人医薬品医療機器総合機構顧問 | |
厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課参与 | |
(がん化学療法、造血器) | |
名古屋市立大学大学院医学研究科臨床分子内科学教授 | |
(食道がん) | |
東京歯科大学市川総合病院長 |
※ 垣添委員については、国立がんセンターからの申請のため審議には、不参加
○委員長 (五十音順 敬称略)
(平成20年4月18日現在)