厚生労働省

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第1回建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等検討会議事要旨

1 日時

平成19年11月26日(月) 17:00〜19:00

2 場所

中央合同庁舎第5号館16階労働基準局第1、2会議室

3 出席者

(委員)工藤委員、神山委員(中座)、小西委員、白石委員、名古屋委員、松村委員、本橋委員、森永委員

(事務局)鶴田安全衛生部長、榎本化学物質対策課長、荒木石綿対策室長、半田労働衛生課環境改善室長、和田化学物質対策課化学物質情報管理官、他

4 議題

(1) 石綿ばく露防止対策等について

(2) 今後の進め方について

(3) その他

5 議事要旨

(1) 安全衛生部長より挨拶があった後、事務局より資料の確認及び出席者の紹介があった。

(2) 化学物質対策課長より本検討会の趣旨説明が行われ、その後座長として、名古屋委員を選出した。

(3) 議題(1)について

事務局より資料1-1から1-10に基づき説明が行われ、意見交換等が行われた。主な内容については以下のとおり。

[保護具関係]

・ 電動ファン付防じんマスクについては、防護率が非常に厳しく求められることを考えると、基本的には面体型に限って使用すべきではないかと考える。フード型では陽圧差に若干問題があるのではないか。

・ 作業環境が良好な作業場であれば、マスクをしなくてもよいとの規定が海外にはあったと思うが、検討する必要があるか。

・ 呼吸用保護具の選定については、繊維濃度数ではなく作業形態で決めた方がいいと思う。

・ 作業の時間帯によって、作業場の石綿粉じん濃度は変化する。また、作業場所も移動していく。濃度と比較してマスクを選択する事は困難と考える。むしろ、フィルターの交換方法、フィットテスト等全体的に見た方がよい。

・ 呼吸用保護具の選択基準については、発じんの少ない場合に防じんマスクの漏れ率をある水準に設定して基準を定めたと聞いたことがあるがどうか。

→ 承知していないが、結論を見る限り、漏れの程度を勘案した上で決めているのではないかと考える。

[石綿粉じん濃度測定関係]

・ 作業環境測定基準準拠の測定を実施しているケースはほとんどない。従来のメンブランフィルター法では、フィルターに飛散抑制剤が付着してしまい、実際の濃度計数に相当の影響を与えている。測定結果もすぐわからない。

・ 呼吸用保護具の選定については、繊維濃度数ではなく、作業形態でルールを決めた方がいいと思うので作業中の測定は不要ではないか。

・ 全体的な測定の考え方は、各省庁で個別に検討するのではなく、当該工事に伴う測定方法を全体で考えなければいけないと思う。測定者は同一の者で、正確な測定ができる人がやるべき。でなければただ測定しているだけになってしまう。

・ 測定は、結果が出るまで時間がかかるので、リアルタイムでできる方法や間接的に評価できる方法である程度チェックし、最終的にはきちんとした測定で担保する形であると、早めに対応ができるので、そういったスキームも構築できると良いと思う。

[事前調査関係]

・ 製品中の石綿含有量の分析で、0.1%レベルの含有量の判定は技術的に難しい。

・ バーミキュライトの分析は難しいのではないか。

→ まだ公表されていないと思うが、JISの改正案では、吹付けバーミキュライトの分析も盛り込まれると聞いている。

[その他飛散防止措置等関係]

・ 作業中はマスクをちゃんとしてもらえばよいが、次に考える必要があるのは再飛散防止策の徹底である。

・ セキュリティーゾーンの入退出の手続きについて、エアシャワーより真空吸引の方が安全だと思う。

・ 湿潤化は、本来発じんする前にするもので、発じんしたものに使用してもなかなか効果が上がらない。

・ 湿潤化は、濃度を一定値以下にコントロールしろというものはないので、作業をどれだけ丁寧にやるかが重要である。

・ 隔離措置については、現在より幅を広げられるなら広げてもよいのではないか。

・ 保温材のはく離作業の場合、隔離措置が難しい場合があり、グローブボックスを使用している例が多いように思う。このような作業への対応を検討すべき。

・ 衣服の洗浄は、専門の人なりが洗浄する等、より具体的な規定があってもいいのではないかと考える。

・ 特別教育の講師の資格が明確でない。整理した方がいいのではないかと思う。

→ 特別教育は事業主がやることになっている。また、外部には依頼できる。

[吹付け石綿の管理関係]

・ 国交省の指針では、囲い込みや封じ込めは劣化の程度が低いものを対象にしており、劣化の程度が高いものについては、除去すべきと考えるが、濃度などの基準があるわけではないので、行政の方で何か決めていただくとありがたい。

→ 一定の基準を作るのは非常に難しいだろう。

→ 古いものであれば劣化しているといったものでもない。

・ 除去、囲い込み又は封じ込めを行う場合の石綿粉じん濃度の基準を示してもらえるとよい。

・ 過去に、除去したらかえって石綿粉じん濃度が高くなり、当該場所を立入禁止にしたという論文が提出されている。

→ そういった事例は散見されたが、それは、封じ込めが一般的とか除去が不適切というわけではなく、工事の質の問題である。

・ 除去等の作業後、空気がきれいになっているかの確認の測定が必要ではないか。

→ 室内の基準値を定めることは非常に困難なため、過去や外部環境との比較程度しか判断方法がない。

→ 一部の事業者は自主的に計測しており、基準は、概ね(根拠はないが)10本/リットルでやっており、それを超えていた場合は、再度チェックすることとしているようである。

[臨時の作業に係る措置関係]

・ 天井裏等で作業を行う場合、吹付け石綿の劣化の判断基準や、作業者に対してどのように注意喚起するか、非常に重要だと思う。

・ エレベーターシャフト等は石綿が使用されている例が多いのではないか。エレベーターが動くと風が強く動くが、何か危惧されることはあるのか。

→ データはあまり多くないと思う。

→ エレベーターシャフトは湿式でやっている場合が多く、コンクリートのようなもので、そのままでは飛ぶおそれはなく、むしろ除去するために飛散させているような場合もある。

→ 人が出入りしないところは、劣化は進行しにくい。

・ 天井裏の配線の補修等のメンテナンス作業を行う作業者は、石綿を取扱っているかどうか認識することが困難な場合があると思う。

→ 石綿かどうかわかっていたら、知らせるべきだが、それが徹底できれば画期的だろう。

→ そういうところに入るときはしっかりと防護措置をとる必要があるだろう。

→ 少なくとも、オーナーは石綿が使用されていることを知っていたのに、それを伝えないで作業を発注するというのは、問題があるのではないか。

[その他の作業関係]

・ 大型船舶の解体は、最近は我が国ではほとんど行われていない。やるとしても小型のものだと思う。船舶の取扱いマニュアルはできている。

・ 廃棄物の処理に関してだが、大きなスレート材等は処理の前に粉砕を伴う場合がある。また、当該作業に伴う運搬の業務もある。さらに、そういった施設における除じん装置や中間処理後のものを扱う業務もある。これらの業務は、石綿を多く取扱う場所になるので、作業を通してばく露防止措置が必要ではないかと考える。

→ 処理場においては、屋外作業場が多いと思うので、屋外作業場における作業環境管理に関するガイドラインが役に立つと考える。

・ シール材は、大きいものはなく、また、結構固まっているので、それほど問題は無いと思う。

→ シール材はアスベスト含有率が高く、保管については注意が必要ではないか。

・ 古い車両においても、多くの場合青石綿が使用されていたと思うので注意が必要だと思う。

→ 防音や断熱のためにアスベスト含有塗料等が使用されているものがある。

・ アスベスト含有塗料は、建築物にも、防音等のため使用している場合がある。

(4) 議題2について

事務局より、資料1-11に基づいて説明が行われた。

(5) 議題3について

次回の日程については、年明け1月15日17時から開催することで調整を行うこととされた。

(照会先)労働基準局安全衛生部化学物質対策課衛生対策班(内線5515)


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