別添1

生活塾の普及促進に関する研究会報告書(ポイント)

生活塾とは
 人生経験豊かな退職者や子育てを終えたベテラン主婦などが、小学生を預かり、親に代わっておやつや食事を与えたり、挨拶などの基本的な生活習慣を身につけることなどを支援する取組。
 〔特色〕
 主に自宅で、複数の預かりも含めて行う。
 預かりだけでなく、おやつや食事の提供、挨拶等のしつけを身につけさせる等の援助も併せて行う。
 預かりは有償とし、その報酬の支払いは当事者間で行う。
 市区町村は、預ける者と預かる者の間のマッチングを行う。
 ファミリー・サポート・センターやシルバー人材センターなどの既存の仕組みを活用して行うことができる。

実証実験を踏まえた生活塾の評価
放課後の預かりニーズ
放課後、特に夕方以降の時間帯における小学生の預かりについては、フルタイムで働く親とその子どもの立場から切実なニーズがある。
預かり以外の取組
食事の提供については、強いニーズがある。文化伝承等の取組へのニーズは強くはないが、実際に提供された場合には肯定的に受けとめられている。
預かり手の確保
生活塾を行う意欲・能力のある預かり手が存在する。

生活塾運営上の課題
(1)  生活習慣を身につけさせることについては、ニーズが少ないこと。生活習慣については、親、預かり手ともに考え方に個人差が大きいこと。
(2)  複数預かりについては、親の帰宅時間が異なること、子どもの相性等の問題があること。
(3)  利用者の多様なニーズに応じたマッチングを行うことが困難であること。

放課後対策全般及び他の制度とのかかわり
(1)  生活塾は、小学生の放課後対策の中心的な役割を果たすものではないが、多様な預かりニーズへの個別対応を行いやすいことから、他の制度(放課後児童クラブ等)を補完するものとして有意義である。
(2)  生活塾と同様に小学生を自宅で預かるファミリー・サポート・センター事業は、従来から親が帰宅するまでの預かりや食事の提供を行っており、日々の預かりのなかで生活習慣の形成など生活塾と同様の機能を果たしている。
今後の方向
(1)  生活塾の取組は、小学生の放課後対策の一つとして、将来的に発展する可能性を秘めている。一方で、その実行にあたっては、さまざまな課題がある。
(2)  生活塾の考え方や事例を周知することにより、各地域において、自発的に取組を行える環境をつくっていくことが適当である。

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