資料3


全国で行われている医療連携の事例について

全国で行われている医療連携の事例(平成17年10月時点のとりまとめ)

全国で行われている医療連携の事例についての図

(1) 診療所が中心となった医療連携を構築している事例
(2) 病院が中心になって医療連携を構築している事例
(3) 病院・診療所・介護施設等の連携
(4) 在宅医療を支える医療連携の事例
(5) その他のシステム(計画中のものも含む)
(6) その他(既に地域連携クリティカルパスを導入している事例等
(注)  資料は、直接若しくはインターネット・雑誌等の情報をもとに、事務局がとりまとめた暫定的なものであり、今後更に精査する予定



(1)  診療所が中心となった医療連携を構築している事例

地域医療連携システム (宮城県)
 関連: 古川市立病院

病診連携Wの会 (神奈川区他)
 関連: 済生会神奈川県病院
 WAKATE→Double Doctor 病床確保

名古屋市医師会病院連携システム
 関連: 名古屋第二赤十字病院

オープンシステム (山口県)
 関連: 徳山医師会病院
 自ら主治医・24時間入院体制

 他多数
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【出典】古川市立病院ホームページ 他



イーツーネット(医2ネット) 静岡市静岡医師会・静岡市立静岡病院
 疾病別連携:糖尿病,C型肝炎,気管支喘息,虚血性心疾患・心房細動,脳梗塞,眼部腫瘍・眼形成,慢性腎不全,乳がん

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【出典】Clinician’02 No.515 他
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(2)  病院が中心となった医療連携を構築している事例

東京大学医学部附属病院 (東京都)
 地域医療連携部: 医療連携(受診支援と退院支援)

NPO法人西東京臨床糖尿病研究会 (東京都)
 地域内における糖尿病の各種研究会

りんくう医療ネットワーク (大阪府)
 地域医療協定書締結(医療機器共同利用・研究会・臨床検討会等)
 関連: りんくう総合医療センター

神戸西地域での医療連携 (兵庫県)
 関連: (財)神戸市地域医療振興財団 西神戸医療センター
 地域のほとんどの医療機関が参加(病院・診療所・歯科診療所)
 神戸西地域合同カンファレンス: 西区・垂水区・須磨区の各医師会、歯科医師会、西神戸医療センターの7者共催

中津市民病院 (大分県)



わかしお医療ネットワーク 関連:千葉県立東金病院
 電子カルテを中核とした医療連携ネットワーク
 糖尿病診療連携(インシュリン療法),在宅ホスピス支援システム(在宅中心静脈栄養療法等)

わかしお医療ネットワークの図
【出典】http://www.pref-hosp.togane.chiba.jp/J/wakasio/ayumi.htmClinician 他



道東画像ネットワーク 関連:釧路脳神経外科病院
 IT活用による医療資源の有効活用,専門医不足の地域への遠隔診療支援

道東画像ネットワークの図
【出典】Clinician’04 No.530 他



Net4U(ネットフォーユー) 鶴岡地区医師会
 4Units:病院・診療所・介護福祉施設・検査センター

医療連携型電子カルテシステム

Net4U(ネットフォーユー)の図

【出典】鶴岡地区医師会ホームページ 他



(3)  病院・診療所・介護施設等の連携

公立みつぎ総合病院保健福祉総合施設 (広島県)

地域包括医療
 地域に包括医療を、社会的要因を配慮しつつ継続して実践し、住民のQOLの向上をめざすもの。
包括医療(ケア)
 治療(キュア)のみならず保健サービス(健康づくり)、在宅ケア、リハビリテーション、福祉・介護サービスのすべてを含有するもので、施設ケアと在宅ケアとの連携及び住民参加のもとに生活・ノーマライゼーションを視野に入れた全人的医療(ケア)。地域とは単なるAreaではなくCommunityを指す。

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【出典】公立みつぎ総合病院ホームページ 他



尾道市医師会 (広島県)

 ケアマネジメントと地域医療連携がもたらす患者本位の継続ケア。

 他職種協働・主治医機能

 主治医がケアカンファレンスに必ず出席し、高齢者の退院時から在宅まで継続的にかかわる「尾道方式」

公立みつぎ総合病院保健福祉総の図
【出典】尾道市医師会ホームページ 他



(4)  在宅医療を支える医療連携の事例

在宅ホスピスケア推進事業 宮城県・保健福祉事務所
 病院主治医・かかりつけ医・訪問看護ステーション・在宅介護支援センター・薬局

 みやぎ在宅ホスピスケアネットワーク
 地区在宅ホスピスケア連絡会

在宅ホスピスケア推進事業の図
【出典】宮城県ホームページ 他



イエローカード
 かかりつけ医に連絡がとれない急変時にも指定の病院に入院できるシステム

グリーンカード
看取りが必要となったとき、医師会当番医が必ず診療してもらえるシステム

静岡市静岡医師会と市内の病院、救急隊との地域医療連携

 在宅患者相互連携システム(イエローカード・システム)
 静岡市静岡医師会と静岡市内の5病院が連携して実施している、在宅の寝たきりの患者に対する連携システムです。
制度の概要
 在宅の寝たきり患者が、病状の悪化などに備えて、自分が診療を希望する病院を選択し、かかりつけ医は、当該患者の病状をあらかじめ病院に登録します。
→ 患者にイエローカードを配布。
 家で寝たきりの患者の容態が急に悪くなったときは、まず、かかりつけ医に連絡しますが、万一、連絡がとれない場合は、イエローカードに登録してある病院に連絡し、当該病院で診療を受け、必要ならば入院もできます。

 在宅医療支援看取りシステム(グリーンカード・システム)
制度の概要
 家族とともに在宅で最後を全うしたいと希望する患者について、かかりつけ医は患者の希望を受けて、あらかじめ病状を医師会に登録しておきます。
→ 患者にグリーンカードを配布。
 在宅で看取りを希望される患者の容態が急変したときには、まず、かかりつけ医に連絡します。万一、連絡が取れない場合は、救急隊に電話をし、グリーンカードを持っていることを伝えると、救急隊が当番の医師に連絡し、当該医師が駆けつけ、在宅患者の看取りを行います。
【出典】静岡県医療計画ホームページ 他



(5)  その他のシステム

 病院で高度な治療後、診療所に逆紹介。

周産期医療システム
 周産期医療体制(重症な合併症等危険な状態にある妊産婦や低出生体重児等に適切な医療を提供する医療体制)の整備

産科オープンシステム (静岡県)

県西部浜松医療センターと診療所で行われている地域医療連携
 県西部浜松医療センターにおける産科オープンシステム
制度の概要
 出産までの健康診査は、産科の診療所で実施
 出産については、県西部浜松医療センターで対応
 出産後の健康診断は、紹介元の診療所で実施
 帝王切開等のハイリスクの出産は、出産後も県西部浜松医療センターで対応
 病院の医師と診療所医師が、患者への直接指導や面談による治療方針の検討などにより、退院指導、術後管理等に関して共同指導を実施
 病院の対応状況等
 病院の利用病床数は産科18床及び婦人科病棟40床の一部
 病院の総出産数1,035件中オープンシステムによる出産690件(平成15年度)
【出典】静岡県医療計画ホームページ 他

産婦人科のセンター化 (北海道中空知地区)
 砂川市立病院と滝川市立病院、市立美唄病院の診療科単位の広域連携
 特定の医療機関に医師を集中し、他の医療機関に外来医師を派遣するシステム



地域小児科センター構想 (日本小児科学会)

地域小児科センター構想の図
【出典】日本小児科学会ホームページ 他
豊能広域こども急病センター:箕面市立病院隣接別棟,終夜型。4市2町による設置



地域連携による精神障害者支援の取組み想 (富山県)
 関連: 砺波厚生センター(精神障害者の地域医療の推進を目指した退院支援のための企画立案研究)
 医療機関及び授産施設、地域生活支援センター、行政が協力して実施。
 連携クリティカルパスを作成するとともに、円滑に退院し、地域で安心した生活が送れるようにすることが目的

治験ネットワーク
 大規模治験ネットワークの構築:複数の医療機関をネットワーク化し、質の高い治験の症例数を速やかに確保
 地域におけるネットワークへの支援:疾患群ごとのネットワークや、大学病院や地域医師会、地方自治体等を中心としたネットワーク



置賜公立病院組合 公立置賜総合病院 (山形県)
 山形県・2市2町(長井市・南陽市・川西町・飯豊町),機能分担とネットワーク化

置賜公立病院組合 公立置賜総合病院の図

北海道総合保健医療協議会における検討 (北海道)
 地域の検討会での議論を踏まえ、広域連携や集約化について検討



(6)  その他(地域連携クリティカルパス等)

国立病院機構 熊本医療センター 疾患別病診連携システム
国立病院機構熊本医療センターの図
【出典】熊本医療センターより入手 他



大腿骨頚部骨折シームレスケア研究会(熊本市)

大腿骨頚部骨折シームレスケア研究会(熊本市)の図
【出典】熊本医療センターより入手 他



循環器疾患における地域連携クリティカルパス 福島県会津・南会津医療圏,竹田綜合病院

循環器疾患における地域連携クリティカルパスの図
【出典】竹田綜合病院より入手 他



高知県における疾患別病診連携システム 高知県医師会・高知市医師会・高知医療センター

なっとくパス9疾患:呼吸障害,心臓病,糖尿病,脳血管障害,前立腺,肝臓,小児喘息,女性尿失禁,閉経後卵巣機能不全症
図
【出典】高知医療センターより入手 他



地域連携クリティカルパスの試み

 国立病院機構 横浜医療センター  病診連携パス(胃・大腸がん術後)
 Data Based Medicine:膨大なデータを1枚の連携パスに
 NTT東日本関東病院  逆紹介連携パス(6疾患12種類)
 患者さんの立場で医療連携を進める会
 なるみやハートクリニック・聖隷三方原病院  PCI(冠動脈インターベンション)連携パス:循環器
 沼津市立病院・NTT東日本伊豆病院  病病連携パス(脳血管障害)
 済生会熊本病院  クリニカルパス
 多職種参加によるチーム医療



地域連携パス標準化モデルの開発・普及事業(青森県)
 地域の健康・医療・福祉関係者の役割分担やサービスの連携内容を定めた「地域連携パス標準化モデル」を開発し、医療機関の利用者が安心して円滑に地域での生活に戻り、早期に社会復帰できるようにすることを目的として実施するもの

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青森県「地域連携パス標準化モデル」開発・普及事業実施要綱
(実施目的)
第1  この事業は、疾病別に病態・病期ごとの保健・医療・福祉関係者の役割分担やサービスの連携内容を定めた「地域連携パス標準化モデル」を開発し、全県的な普及を図ることにより、医療機関の利用者が安心して円滑に地域での生活にもどり、早期に社会復帰できるようにすることを目的として実施する。
(定義)
第2  「地域連携パス」とは、急性期から慢性期に至る医療機関の連携パス(医療連携クリティカルパス)を地域まで延長し、保健・福祉のサービスを連動させるものをいう。
(実施主体)
第3  青森県(以下、「県」という。)とする。
(実施地域)
第4  次の二次保健医療圏を対象として実施する。
(1) 八戸地域保健医療圏
(2) 下北地域保健医療圏
(実施方法)
第5  次に掲げる調査等を行うとともに、実施組織を設置し、適切かつ円滑に実施する。
(1) 中核病院を退院した患者について、その後の経過、提供されたサービス内容、関係者の連携状況等に関する追跡調査
(2) 関係機関に対するアンケート調査
(3) その他、県が必要と認めた事項
(実施組織)
第6  各実施地域に次の組織を設置する。
(1) 地域連携パス標準化モデル開発・普及検討会(以下、「検討会」という。)
(2) 地域連携パス標準化モデル開発・普及ワーキンググループ(以下、「ワーキンググループ」という。)
(地域連携パス標準化モデル開発・普及検討会)
第7  検討会は、次に掲げる事務を行う。
(1) 開発する地域連携パス標準化モデルの疾病の選定
(2) 地域連携パス標準化モデルのデザインの検討
(3) 地域連携パス標準化モデルの試案の検討
(4) 地域連携パス標準化モデルの承認
(5) 地域関係者の共通認識の形成に向けた関係団体、機関等との連絡調整
(6) 普及・啓発に向けた検討
(7) その他、検討会が必要と認めた事項
 検討会の組織は、別に定める。
 その他、検討会の運営については、別に定める。
(地域連携パス標準化モデル開発・普及ワーキンググループ)
第8  ワーキンググループは、次に掲げる事務を行う。
(1) 実態調査等の分析結果の活用
(2) 各病期に応じた核種サービスの体系案の検討
(3) 利用者・サービス提供者の役割案の検討
(4) 試案作成と検討会への報告
(5) 普及・啓発に向けた基盤整備の検討と検討会への提案
(6) その他、ワーキンググループが必要と認めた事項
 ワーキンググループが、第6に掲げる検討会委員から推薦を受けた者で構成する。
 その他ワーキンググループの運営については、別に定める。
(個人情報の保護)
第9  青森県個人情報保護条例に基づき適正に取り扱う。
(その他)
第10  その他実施について必要な事項は、別に定める。

 附則
 この要綱は、平成17年5月27日から施行する。

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