1 | )「舌発がんプロモーション試験1」(以下、「試験1」)について
・ | トランスジェニックラットの数が限られているので、優先順位をつける必要がある。飯郷先生の前回の試験(以下、「前回の試験」)では、統計的に判定ができなかったので、1群40匹は維持し、さらに高濃度の群で長期間の試験を実施する必要がある。 |
・ | 高リノール酸を含むTAG投与群は、一般に使用されている油のひとつとして、DAGとの比較・評価に役立つとも考えられるが、リノール酸で発がんプロモーション作用が知られているのは大腸がんであり、作用機序もDAGとは異なるので、今回の試験に必ずしも高リノール酸を含むTAG投与群を入なくてもよいのではないか。 |
・ | 試験デザインとしては、4NQOなしで11%DAGを投与する群が必要。この群の11%DAGは11週から投与するのがよい。 |
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2 | )「舌発がんプロモーション試験2」(以下、「試験2」)について
・ | 摂取カロリーが異なるのはよくない。脂質濃度は統一した方がよいのではないか。 |
・ | 前回の試験では、4NQOとDAG・TAGが同時投与されていた。今回の試験でも、同時投与群を設定し、再現性を確認するべきではないか。試験2を全て同時投与群にし、1群を20匹にして、4NQOとの同時投与で、DAG濃度を11%、5.5%、2.75%、0%(TAG11%)の4群とする。本検討会としては、これを試験2の第1案とする。 |
・ | 試験2の第2案として、試験1に入らなかった高リノール酸を含むTAG投与群を入れ、11%DAG、11%TAG、高リノール酸を含む11%TAGとする。 |
・ | この検討会では、第1案の方を優先する。 |
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3 | )「舌発がんプロモーション試験3」(以下、「試験3」)について
・ | 前回の試験はDAGの最高濃度が5.5%だったが、これは、ラットの通常の餌に5.5〜6%の脂質が含まれていること、他の試験も同程度の濃度での試験が多く、これらの試験と比較しやすいこと等が理由。 |
・ | 前回の試験は5.5%ではっきりしなかったため、さらに高濃度群を設定する必要があり、脂質濃度としては22%と11%とが考えられる。 |
・ | 高濃度にDAGを含む製品が舌へ接触することを想定し、ある程度の濃度が必要であるが、濃度が高すぎると高脂肪による別の影響が懸念されるのではないか。22%だとTAGを含めて何らかの作用が出る可能性もある。 |
・ | 脂質濃度22%の飼料作成は可能か。固形にならないが、摂取量を正確に測定できるか。22%DAGの餌をラットに使用した経験がないが大丈夫か。 |
・ | トランスジェニックラットを用いた試験1、試験2では脂質濃度を11%としているので、11%とした方が両者の比較ができてよいのではないか。脂質濃度を全て11%とせず、5.5%DAG単独投与群、2.75%DAG単独投与群も加えてはどうか。 |
・ | 以上より、1群30匹で全群の脂質濃度を11%に合わせたものを第1案とする。第1案に5.5%DAG単独投与群、2.75%DAG単独投与群を加えたものを第2案とする。全群の脂質濃度を22%に合わせたものを第3案とし、この検討会では、第1案、第2案、第3案の順で優先する。 |
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4 | )その他
・ | 試験1、試験2で用いるトランスジェニックラットはSD系統由来であるので試験3もSD系統で合わせた方がよい。SD系統の方がF344系統よりも4NQOに対する感受性が強い。 |
・ | 4NQOのロット、4NQOを溶かすdrinking water(脱イオン水)、基礎飼料、飼料の交換頻度、余った飼料の処分法などもできる限り合わせる必要がある。 |
・ | 試験期間は発がんの状態により、必要に応じて短くなる。 |
・ | 試験1、試験2においては、念のため、メスのラットの乳腺発がんを観察する予定である。 |
・ | なお、本検討会については、追加試験の結果が出た際、その解釈等について議論するため、必要に応じて再開することとする。 |
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