第4回懇談会の議論のポイント



健康被害の救済の理念、責任等について
 救済の理念をきちんと組み立てて、枠組みをつくっていただきたい。国会で議論された問題を真摯に受け止め、血液法の精神に基づいて、公平性・透明性が保たれる制度をつくってほしい。

 責任の主体はどこなのかということはきちんと整理しておくべき点だが、やはり本来の意味の責任と実際に制度を運用していくときのやりやすさ、献血者の方にとっての一番いいやり方というのを考えていく必要があるのではないか。日赤は当然、運用面ではかなり前面に出て対応していくということが必要だろうと思うが、国はただそれを監視するのではなく、制度全体を円滑に運営していく責任があるのではないか。

国の関与、判定の在り方等について
 献血者の健康被害は軽い方が大部分であることを考えると、国や第三者機関での判定は迅速性に欠ける点があると思う。そういう意味ではやりにくいので、もう少し現場で対応できる仕組みが望ましい。その中でどのように透明性・公平性を確保できるような仕組みとするかが課題。
 ただ、ある程度重症の人、因果関係がはっきりしない人などについては、判定を現場や保険会社に委ねられても難しい。そうした事例について公的な場で審査していただくと、より良い制度ができていくのではないか。

 無過失責任を負わせる法的根拠はどこにあるのかということだが、献血に関しては、報酬を払っていないということ、本人の自発的な行為であるということ、この2つを強調すると無過失責任を負わせる立法的な措置を講じてもおかしくないのではないか。

 今までは医賠責保険を利用しており、保険会社の方でかなり対応してもらってきた。それがなくなって、日赤でやるということになれば、現場の負担はかなり重くなる。これ以上現場の負担を大きくはしたくない。

 日赤の中で処理していることで、透明性、公平性が損なわれているのではないか。献血者の方たちが本当に安心して来られるような条件整備が大事。
 骨髄バンクの救済の在り方をお聞きしたが、やはり見舞金制度など透明性の点で疑問。もう少し公的な整備でできるものがないかと思う。献血者は数も多く、骨髄バンクのような丁寧なフォローは期待されないだろう。骨髄バンクとはまた少しニュアンスが違うように思うので、これはこれとして、献血については公的な枠組みをつくっていただきたい。
 日赤が将来も採血事業者としてやっていくのかどうかということも考慮して、ある程度国が関与した制度をきちんとつくるべきではないか。(資料Gの)4番ではある程度その点がカバーできる可能性があるのではないか。

 やはり、迅速性と透明性・公平性の争いだろう。現場としては、軽症が多いということ、仕事のある人や学生など忙しい献血者が多いということを考えると、迅速性はかなり重要なポイントではないか。そういう意味では、基本的には(資料Gの)2番か3番、可能であれば3番目の折衷案が一番プラクティカルでスピードの点でもよいのではないか。

 無過失責任を負わせる根拠が現行法の採血事業者の責務だけでよいのかどうかについては疑問があるが、無過失責任とした上で、それに対応した保険を作って日赤が対応するということでもいいのではないか。(資料Gでは)2番目に当たる。

 (資料Gの)第3案がいいだろう。何を困難事案にするのかという基準をしっかり決めて、それを第三者機関によって判定してきちんと迅速性を担保するというのがいいのではないか。

 事前に困難事案とそうでないものを振り分けるのは、基準を立てておいても難しいのではないか。むしろ、指導監督をどのようなものとするかによるのではないかと思っており、少し時間が掛かるかもしれないが、全事案を報告させてオープンにすることで、スタンダードを立てていくというような要素を含む(資料Gの)2番の案がいいのではないか。

 薬の副作用の例から考えると、下部委員会でざっと目を通し、そこで困難事案だけ選び出して上部委員会にあげてくるようなシステムをとることで、比較的迅速性を満たすことができるのではないか。

 困難事例の一つは因果関係の判定が難しいもの。もう一つは金額面、補償の程度に本人が納得できないもの。日赤としては、こうしたものについての不服審査的なイメージも持っている。その内容について国の方がどこまで可能かどうかということを議論できればよい。各センターで整合性が取れていない面は現行では確かにあるが、本社でコントロールすれば改善されるであろうし、そうできるようにしたい。

 資料Gの枠組み案に加えて特段新たなご提案はなかったので、今までの議論を踏まえたもう少し具体的なたたき台を事務局で作成し、次回に臨むこととしたい。

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