参考資料

1. 地域・職域連携共同モデル事業の概要
 1)  事業の目的
   地域・職域連携共同モデル事業(以下「モデル事業」という)の目的は、協議会を設置し、健康教育等の保健事業を相互に活用及び共同で実施する上での問題点等を把握し、今後の地域・職域連携による保健事業の相互活用や共同実施の在り方を考察することとしていたところである。

 2)  モデル事業の実施地域
   モデル事業の実施地域は、概ね二次医療圏を範囲としており、大部分の住民の住居から職場への移動が実施地域の範囲内となる地域を対象としている。このため、事業所の従業員が概ね同一地域内に居住し、連携保健活動に積極的な参加が得られる市町村及び事業所を複数有する地域であることを条件に募集し、平成15年度においては、北海道、山形県、福島県、富山県、岐阜県、愛知県、三重県、山口県、高知県の9道県において実施した。

 3)  モデル事業の内容
   事業内容については、次ページ以降の地域・職域連携共同モデル事業実施状況に一覧にして掲載しているので、参照されたい。


 地域・職域連携共同モデル事業実施状況
自治体名 北海道 山形県 福島県
二次医療圏または保健所 岩見沢保健所 置賜郡総合支庁保健福祉環境部(置賜保健所) 県北保健福祉事務所
事業実施地域総人口 30,161人(平成13年10月1日) 243,957人 355,429人
事業実施市町村 美唄市 米沢市、長井市、南陽市、高畠市、川西市、小国町、白鷹町、飯豊町 福島市、伊達市、梁川町、保原町、東和町
事業実施地域内の事業所、労働者数 1,370ヶ所 12,381人 220ヶ所 4,628人 8事業所 184人
モデル事業実施の目的 北海道においては、小規模事業所が職域の多数をしめていることから、特に小規模事業所を対象とした健康づくりに関する課題や問題点の整理、意識啓発などを図ることを目的とした地域・職域連携共同モデル事業を実施し、それらの結果を踏まえ、今後の全道域における地域・職域連携の推進方策を検討する。 県民の健康寿命の延伸と壮年期死亡の減少を目指し、「健康文化やまがた21」が策定されたが、特に働き盛りの中高年期にがんや自殺の死亡率が高く、職域における健康づくりの推進が重要な課題になっている。このような状況の中、職域における健康状態を把握し、市町村や保健所等で実施している保健サービスと、職域で実施している保健事業について情報交換しながら、連携を取り合って、生活習慣病の予防に向け、効果的・効率的な健康づくりを推進することを目的とする。 県北地区産業保健・地域保健連携推進連絡会を設置し、連絡体制整備を図ったところであり、産業保健と地域保健の協同による保健事業を実施し、連絡会の定着・推進を図るとともに、より有効性を高めるため、役割・機能のあり方を明確にし、地域支援体制の強化を図ること。
地域職域連携推進協議会の設置場所、参加機関 岩見沢保健所に設置
地域:美唄市、岩見沢保健所、北海道保健福祉部
職域:商工会議所、農業協同組合、地域産業保健センター、事業所代表者、社会保険事務所、労働基準監督署
その他:医師会、看護協会、栄養士会
置賜保健所に設置
地域:保健所、市町村
職域:産業保健推進センター、産業保健センター、商工会議所、商工会、労働基準協会、関係企業
その他:医師会、結核成人病予防協会、大学医学部
県北保健福祉事務所に設置(県北地区産業保健・地域保健連携推進連絡会)
地域:県北保健福祉事務所(保健所)、各市町村健康づくり担当係
職域:福島地域産業保健推進センター、福島・郡山地域産業保健センター、福島・二本松商工会議所、福島県商工会連合会、福島県労働者団体、福島労働基準監督署、産業医、福島労働基準協会、社会保険健康事業財団福島県支部、福島県国民健康保険団体連合会
その他:福島県立医科大学
地域職域連携推進協議会の運営状況
(1) 平成15年9月:モデル事業概要説明、事業実施要綱及び協議会運営要綱について 他
(2) 平成15年12月:事業所健康管理実施調査結果について、出前健康教育について 他
(3) 平成16年3月:事業経過報告について、報告書について
(4) 保健指導部会:計6回
(1) 平成15年7月:職域における推進事業について、企業における健康づくりの実態調査の実施について
(2) 平成15年11月:企業における健康づくりの実態調査の結果報告、実施調査結果に基づく健康づくりの施策の展開について
(3) 平成16年3月:企業における健康づくり実態調査の結果報告、地域・職域における健康づくり施策の今後の取組について
(1) 平成15年10月:モデル事業に係る事業計画について、連携事例について 他
(2) 平成16年3月:モデル事業の実施報告及び平成16年度の連携事業について、連携の具体的方向性について
(3) 実務者レベルのワーキング委員会:計5回
ワーキンググループ設置の有無
設置あり
保健指導部会
設置あり
ワーキング委員会
設置あり
働きざかりの健康講座検討部会
事業内容
美唄市における小規模事業所の健康管理に関する調査
出前健康講座
保健指導部会
小規模事業所における健康意識実態調査
出前健康講座
地域・職域連携推進フォーラム
働くあなたのミニポスター作成
実務者レベルのワーキング委員会
働きざかりの健康講座
働きざかりの健康づくりガイドブック、ポスターの作成
働きざかりの健康づくり研修会
働きざかりの健康講座検討部会

自治体名 富山県 岐阜県 愛知県
二次医療圏または保健所 中部厚生センター 岐阜地域保健所 半田保健所・美浜支所、知多保健所
事業実施地域総人口 34,208人 396,939人(平成14年10月1日現在) 579,478人
事業実施市町村 滑川市 羽島市、各務原市
羽島郡(岐南町、川島町、笠松町、柳津町)
瑞穂市、本巣市、本巣郡北方町、山県市
半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町
事業実施地域内の事業所、労働者数 対象事業者数:147社
対象従業員数:3,695人
18,665ヶ所(平成15年2月1日現在) 23,443ヶ所 226,352人(平成13年)
モデル事業実施の目的 地域保健と職域保健の関係者による職域における健康づくり推進事業連絡会を設置し、職域保健を中心とした健康づくりや健康管理の実態を把握すると同時に、健康問題や課題を共有し、連携を図りながら、健康づくり支援体制の構築を図ること 「健康日本21」を推進するため、岐阜県でも「ヘルスプランぎふ21」を策定し、その強化策として「健康障害半減計画」を打ち出した。この計画を推進するため、地域・職域の健康づくり・健康管理の実態を把握し、岐阜地域の健康課題「健診の推進」「たばこ対策」「食生活・栄養」「健康づくりのための運動の促進」を中心に、効果的・効率的な活動を普及啓発するとともに、地域と職域の連携を密にすることにより、地域の保健医療資源の有効活用を図り、地域全体の自主的な健康づくり活動を支援する。 平成14年度に実施した地域・職域連携共同モデル事業の継続事業として、地域・職域連携推進協議会を開催し、健康教育等の保健事業を相互に活用及び共同で実施するため、モデル事業所における連携事業の実施状況に基づき、問題点等を把握し、今後の地域・職域連携システムのあり方を探る。
地域職域連携推進協議会の設置場所、参加機関 中部厚生センターに設置(職域における健康づくり推進事業連絡会
地域:中部厚生センター(保健所)、滑川市健康づくり担当係、滑川市健康づくり推進協議会委員、健康づくりボランティア連絡協議会
職域:魚津地域産業保健センター、滑川市商工会議所、滑川市商工会議所中小企業相談所、事業所、検診事業所代表
その他:滑川市医師会、県栄養士会、富山医科薬科大学
岐阜地域保健所に設置
地域保健:地域保健所、市町村(保健、国保)
職域保健:産業保健推進センター、労働基準監督署、商工会議所、社会保険事務所
その他:医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、栄養士会、食生活改善協議会、食品衛生協会、老人クラブ連合会、PTA連合会、保育研究協議会、生活学校、社会福祉協議会、教育振興事務所、福祉事務所
地域:保健所、市町村
職域:労働基準監督署、地域産業保健センター、商工会議所、商工会、国民健康保険組合連合会
その他:医師会、歯科医師会、学識経験者、健康増進機関
地域職域連携推進協議会の運営状況
(1) 平成15年7月:職域における推進事業について、企業における健康づくりの実態調査の実施について
(2) 平成15年11月:企業における健康づくりの実態調査の結果報告、実態調査結果に基づく健康づくり施策の展開について
(3) 平成16年3月:企業における健康づくり実態調査の結果報告、地域・職域における健康づくり施策の今後の取組について
(1) 平成15年9月:「健康障害半減計画」の概要、「健康障害半減計画」に関する保健所実施事業(圏内の健康指標他)について
(2) 平成16年3月:「健康障害半減計画」に関する保健所実施事業(調査結果他)について、各団体の健康づくり事業の取組について
(1) 平成15年12月:連携についての具体策の進捗状況、モデル地区での実践について、ワーキンググループ検討内容について
(2) 平成16年3月:モデル事業所の取組のまとめ、報告書の内容について、来年度の取組について 他
(3) ワーキンググループ:計5回実施
ワーキンググループ設置の有無
設置あり
職域における健康づくり推進事業検討部会
設置なし
設置あり
地域・職域ワーキンググループ
事業内容
企業における健康づくり実態調査の実施
健康教育(ヘルスアップカレッジ)の実施
地域における分煙推進状況調査
ネットワークづくり事業
健康推進施設マップの作成
食品衛生責任者講習会参加者の検診受診行動と健康行動(調査)
特色ある健康づくり事業実施事業所の資料作成
実態調査
南知多町プラスチック工業団地での実践
南知多産業まつり、健康相談コーナー
朝の目覚めの体操作成
地域・職域連携推進後援会
簡易チェックと健康日本21あいち計画推進フォーラム参加
地域。職域ワーキンググループ

自治体名 三重県 山口県 高知県
二次医療圏または保健所 四日市保健所 防府健康福祉センター(防府環境保健所) 東部保健所
事業実施地域総人口 361,1001人 125,136人 42,384人
事業実施市町村 四日市市、菰野町、楠町、朝日町、川越町 防府市、徳地町 北川村、安芸市、室戸市
事業実施地域内の事業所、労働者数 地域:四日市市、菰野町、楠町、朝日町、川越町
職域:八千代工業 他8ヶ所
その他:幼稚園等教育機関
5,934ヶ所 50,618人
(平成13年事業所・企業統計調査)
対象事業所数 3事業所(91人) 
室戸市(健康まつり参加者)
モデル事業実施の目的 生涯にわたり、いかなる立場・条件であっても、個人が健康づくりの支援サービスを地域・職域を問わず利用でき、その情報が職域・地域で共有できる仕組みを構築し普及させる 生涯を通じた継続的な健康づくりの推進を図るため、地域・職域連携による、小規模事業所等を対象とした効率的・効果的な保健事業をモデル的に実施する。 地域保健と職域保健関係者が連携することにより、地域保健資源を活用し、産業医等のいない小規模事業所の健康づくり支援対策を実践することにより、生涯を通じた健康づくりを推進する。
地域職域連携推進協議会の設置場所、参加機関 四日市保健所に設置
地域:四日市市保健センター、菰野町保健センター、四日市保健所
職域:四日市市商工会議所、四日市市産業保健センター、八千代工業(株)四日市製作所、社会保険健康事業財団三重県支部
その他:四日市市教育委員会学校保健課
防府健康福祉センター(防府環境保健所)に設置
地域:健康福祉センター(保健所)、市町村
職域:地域産業保健センター、商工会議所、商工会、事業所、労働基準監督署、社会保険事務局
その他:医師会、歯科医師会、薬剤師会、大学医学部、大学看護学部
東部保健所に設置
地域:健康福祉センター(保健所)、管内9市町村の保健主幹課長
職域:安芸・香美地域産業保健センター、商工会議所、商工会、事業所、安芸労働基準監督署、土佐あき農協
地域職域連携推進協議会の運営状況 第1回:「私の健康手帳」活用及び評価の方向性について
第2 回:「私の健康手帳」の修正、普及及び評価について
(1) 平成15年8月
(2) 平成15年11月
(3) 平成16年2月:事業計画全体についての協議及び承認、とりまとめ、共同保健事業・研修事業について等
(4) 作業部会:計10回
(1) 平成15年7月 講演、協議内容:広報活動、環境診断サービス事業、補助金制度等
(2) 平成16年2月 講演、協議内容:活動報告、具体的な健康づくり対策について、来年度の取組について
ワーキンググループ設置の有無
設置なし
設置あり
防府健康福祉センター地域職域連携推進協議会作業部会
設置なし
事業内容
FD“私の健康手帳”の作成
事業所における健康づくりアンケート調査
防府管内地域職域連携保健事業計画の策定
事業所における健康づくり研修会
健康づくりに関する普及啓発
共同保健事業“出前”元気な職場づくりの実施
地域職域連携推進協議会 作業部会
体力測定(健康年齢評価事業)
体力測定及びウォーキング指導
たばこ対策に関する指導
騒音対策に関する指導
腰痛予防に関する指導
飲酒についての指導
広報活動(ちらしの作成)


2. 協議会の関係機関例

  都道府県協議会 二次医療圏協議会
地域保健
都道府県担当課
保健所
市町村 等
保健所
市町村 等
職域保健
事業所の代表
社会保険事務局
社会保険健康事業財団都道府県支部
労働局
産業保健推進センター
健康保険組合連合会
共済組合連合会
商工会議所・商工会連合会
農業・漁業組合連合会等 等
事業所
社会保険事務所
労働基準監督署
地域産業保健センター
国民健康保険組合
健康保険組合
共済組合
商工会議所・商工会
農業・漁業組合等 等
その他関係機関
医療機関(健診機関等)
労働衛生機関(予防医学協会等)
国民健康保険団体連合会
都道府県医師会
都道府県歯科医師会
都道府県薬剤師会
都道府県看護協会
都道府県栄養士会
社会保険協会
大学・研究機関 等
医療機関(健診機関等)
郡市医師会
郡市歯科医師会
都道府県薬剤師会地区支部
都道府県看護協会地区支部
都道府県栄養士会地区支部
住民代表
就業者代表
食生活推進協議会
大学・研究機関 等

地域保健
 保健所
 対人保健サービスのうち、広域的に行うべきサービス、専門的サービス、多種の保健医療職種によるチームワークを要するサービス、対物保健等を実施する。また、市町村が行う保健サービスに対し、必要な技術的援助を行う。

 市町村
 母子保健事業、老人保健事業、健康増進、予防接種等の地域住民に密着した身近で利用頻度の高い保健サービスを実施する。

職域保健
 社会保険事務局・社会保険事務所
 健康保険、厚生年金保険に関する届出、相談、国民年金に関する相談等を行っている。

 財団法人社会保険健康事業財団
 健康保険、厚生年金保険、船員保険及び国民年金被保険者等の健康の保持増進ならびに福祉の増進に資するため、被保険者に対する健康診査の普及推進、健康増進のための施設等の運営、健康意識の高揚のための啓発普及活動などを行う。各県単位に支部がある。

 産業保健推進センター
 産業医、産業看護職、衛生管理者等の産業保健関係者を支援するとともに、事業者等に対し職場の健康管理への啓発を行うことを目的として設置。
 研修、情報提供、窓口相談・実施相談、地域産業保健センターの支援、広報・啓発、調査研究、助成金の支給などを行う。

 地域産業保健センター
 産業医選任義務のない就業者数50人未満の小規模事業場の事業者とそこで働く就業者に対し、産業保健サービスを提供することを目的に設置。
 健康診断結果に基づいた健康管理、作業関連疾患の予防方法、メンタルヘルスに関することなどの健康相談窓口の開設や、対象事業場への個別訪問による産業保健指導の実施、産業保健情報の提供等を行う。

 労働局・労働基準監督署
 労働局では、労働時間の短縮をはじめとした労働条件の確保・改善、就業者の安全と健康の確保、的確な労災補償の実施などの諸対策を進めるとともに、勤労者生活の充実のための総合的な対策を推進している。
 労働基準監督署では、事業場に対する監督指導、重大・悪質な法違反事案等についての司法処分、事業者等から提出される許認可申請、届出等の処理、申告・相談等に対する対応、生産設備の安全性の検査、災害調査・統計調査の実施、労災保険の給付などを行う。

 国民健康保険組合
 国民健康保険組合とは、同種の事業または業務に従事する者であって、組合が定める地域内に住所を有している者を組合員として組織したものである。

 健康保険組合
 健康保険組合は、その組合員である被保険者の健康保険を管掌し、単一の企業で設立する組合、同種同業の企業が合同で設立する健康保険組合などがあり、健康保険法で定められた保険給付(法定給付)や保健福祉事業を行うほか、一定の範囲で附加給付を行うことができるなど、自主的な事業の運営を行うことができる。

 商工会議所・商工会
 地域の事業者が業種に関わりなく会員となり、お互いの事業の発展や地域の発展のために総合的な活動を行う団体で、国や都道府県の小規模企業施策(経営改善普及事業)等の様々な中小企業施策も実施している。また、商工会議所では、地域の総合経済団体として、中小企業支援のみならず、国際的な活動を含めた幅広い事業を実施している。

その他の関係機関
 国民健康保険団体連合会
 国民健康保険団体連合会(通称:国保連合会)とは、国民健康保険の保険者が共同して、その目的達成のための事業を行うために設立された公法人で、診療報酬ならびに介護給付費の審査支払事務が主な業務である。この他に介護保険の苦情処理業務、保険者事務の共同処理事業等を実施している。


3. 地域・職域連携共同モデル事業例

   本事業例は、平成15年度に実施した地域・職域連携共同モデル事業から、モデル自治体毎に1つずつ事業を選定し掲載するものである。なお、選定に際しては、今後、連携事業に取り組む自治体の参考となるよう、事業内容が偏らないようにした。

モデル事業実施自治体 事業名
北海道
美唄市における事業所の健康管理に関する調査
山形県
地域・職域連携推進フォーラム
福島県
実務者の研修会(働きざかりの健康づくり研修会)
富山県
出前健康教室
岐阜県
特色ある健康づくり事業実施事業所の資料作成
愛知県
南知多産業まつり健康相談コーナー
三重県
FD“私の健康手帳”の作成
山口県
防府管内地域職域連携保健事業計画の策定
高知県
たばこ対策に関する指導


美唄市における事業所の健康管理に関する調査(北海道)
目的
美唄市内の小規模事業所に対して、健康管理に関する実態調査を行い、課題を明確にし、各関係機関の役割と今後の方向性を検討する上で参考とする。
事業の計画
計画する上で、とくに重視したこと
 ・   実態調査の内容の検討
(事前に送付し、保健指導部会メンバーで協議して作成した)
計画立案の主体
 ・   保健所保健師
事業の実施
事業の内容
 ・   調査対象:平成15年度美唄商工会議所に加入している事業所717ヶ所の内、事業者のみの事業所を除いた581ヶ所とその従業員1,719人
 ・   調査期間:平成15年10月3日〜10月24日
 ・   調査方法:郵送によるアンケート
 ・   調査内容:定期健康診断実施状況、健康づくりに関する実態、関係機関に要望する支援など
実際に関わった人的資源
 ・   保健所事務職、保健師、美唄市保健師、保健福祉部主任技師
実施上の工夫
 ・   回答しやすい調査票となるよう、検討を重ねた。
 ・   従業員の意見が反映されるよう、個人毎に返信用封筒を配布した。
調査結果から得られた課題
従業員の健康状態
 ・   40代、50代での生活習慣病発症が多い。
小規模な事業所では定期健康診断未実施のところが多く、事業者は、健診受診を個人にまかせているところもある。しかし従業員は健診を実施して欲しいという要望が強い。
従業員の定期健康診断・健診事後
 ・   定期健診未受診者の多くは、自覚症状がないので受診しないと回答しているが、生活習慣病の発症が多いことから、生活習慣病に関する学習が必要。また、健診結果で異常がある人への対応は、個人の意志にまかせていると回答しており、従業員が精密健診を受けやすい体制づくりについて、事業者の意識を変える働きかけが必要。
腰痛対策や心の健康に関する課題が多い。
喫煙対策
 ・   自由に吸えると回答した事業所が5割を超えており、喫煙対策は充分に推進されていない。


地域・職域連携推進フォーラム(山形県)

事業の計画
計画で重視した点
 ・   連絡協議会で説明し、合意を得る。
 ・   地域・職域連携の必要性・具体的連携方法を関係者に理解してもらえる内容にする。
 ・   小規模事業所でも健康管理を充実できることを事例を通して認識してもらう。
計画立案の主体
 ・   保健所保健企画課地域保健予防課の事務職、保健師、栄養士、医師会産業医代表
事業の実施
事業の内容
 ・   基調講演「山形県における事業所の健康管理状況」
 ・   講演「小規模事業所に対する包括的な産業保健サービスの展開」
 ・   シンポジウム「地域保健・職域保健の連携を推進するために」
人的資源
 ・   労働基準監督署・産業保健推進センター・地域産業保健センター・市町村医師会・大学・商工会議所・商工会検診機関・保健所等職員・高知大学医学部教授・管内の企業
対象者
 ・   連絡協議会の構成員
 ・   健康意識実態調査の協力事業所を中心にした管内の企業
実施上の工夫
 ・   連絡協議会で説明し、合意を得た。
 ・   連携の必要性・具体的連携方法を関係者に理解してもらえるよう基調講演とシンポジウムという内容にした。
 ・   産業医に相談し、小規模事業所で健康管理を組織的に実践している事例を紹介してもらった。
 ・   商工会・商工会議所から、管内の企業に対してフォーラム開催をPRしてもらった。
評価
参加者
 ・   参加した企業及び協議会構成員に対しての意識づけになった。
 ・   新聞掲載等により、一般住民に対する事業の告知ができた。
事業所
 ・   平成16年度の事業継続への意識高揚につながった。
保健所
 ・   小規模事業所に産業保健活動を提供するのは、地域産業保健センターであるが、人的資源面・予算面で不十分だった。
 ・   小規模事業所の業種や形態・組織に応じた健康づくり対策が必要である。それぞれの業種や形態・組織の健康ニーズは何かをきちんと把握していくことが大切である。
 ・   小規模事業所で産業保健活動を維持していくための方策を検討していく必要がある。
継続性
モデル事業終了後も継続する。
職域におけるメンタルヘルス対策に対するニーズが高いことから平成16〜17年度「職域保健と連携した心の健康づくりモデル事業」を予算化した。
県単独予算として、平成16〜17年度予算を確保。
人的資源は平成15年度と同様。


実務者の研修会(働きざかりの健康づくり研修会)(福島県)

職域からのニーズ
中小事業所では、健康診断後の事後指導等の健康管理の必要性は感じているが、十分な対応ができない状況にある。
具体的な事業所の健康管理の取組について知りたい。
事業の計画
計画する上で重視した点
 ・   事業所における健康管理、職場環境の整備の必要性を事業者に理解してもらい、健康づくりの取組みの動機付けとする。
 ・   事業所において効果的な健康講座を開催するための方法を市町村及び、職域保健の保健師等が習得できるようにする。
計画立案の主体
 ・   保健福祉事務所の担当保健師
事業の実施
事業の内容
 ・   基調講演、実践報告、職場の健康づくりの意見交換、講義、演習
人的資源
 ・   保健福祉事務所保健師、大学教授、
福島県労働基準協会アドバイザー、事業所衛生管理担当者
対象者
 ・   県北保健福祉事務所管内の各事業所
(企業経営者、衛生管理者、安全衛生担当者)
 ・   管内市町村保健事業担当者(保健師等)
 ・   産業保健関係者
実施上の工夫
 ・   事業所の取組について、具体的に報告してもらい、最後に意見交換の時間を設け、事業所の意識付けをはかる。
指導者に対する研修を実施した。
評価
参加者
 ・   企業における健康づくりの取組み方法を聞き、参考になった。ただし、中小事業所では、時間も余裕もなく、すぐに取り入れることは難しいと思われる。
 ・   職域保健と地域保健の担当者の合同研修はお互いの情報を共有する機会となり、連携推進につながった。
事業所
 ・   大規模の事業所だけでなく、中小事業所における健康づくりの取組みについて聞きたいという要望あり。
 ・   職場の健康づくり(一次予防の視点)の重要性が理解できた。
保健所
 ・   事業所担当者の出席が少なく、地域及び職域の保健担当者の方が多かったので、事業所が参加しやすい研修会の工夫が必要。(中小事業所では、時間的余裕もなく研修会等に出席するのも難しい)
 ・   保健福祉事務所主導の研修会の企画運営だったので、企画段階から職域保健担当者と共同で進めた方が良かった。
 ・   中小事業所では、健康診断は実施しているが、健康づくり活動までは手が回らない状況である
継続性
予算の確保
 ・   生活習慣病予防啓発事業等の予算を活用する
人的資源
 ・   地域保健及び職域保健の関係機関の担当者
 ・   研修内容に応じた講師その他


出前健康教室(富山県)

職域からのニーズ
 ・   生活習慣病についての正しい知識を得たい。
 ・   地域の健康に関する情報を得たい。
事業の計画
計画するうえで重視した点
 ・   職域の方が参加しやすい時間帯に実施すること
 ・   対象の特性を理解した適切な講師や内容の設定
職域からのニーズを満たした計画を作成した
計画立案の主体
 ・   滑川市民健康センター所長、管理栄養士、保健師・中部厚生センター保健予防課長、企画管理課企画調整班長、管理栄養士
事業の実施
事業の内容
 ・   肝臓元気講座
 ・   からだ健康講座
 ・   腰痛予防講座腰痛と肩こりの予防と対策
 ・   糖尿病予防講座
人的資源
 ・   滑川市民健康センター保健師、管理栄養士
 ・   中部厚生センター保健師、管理栄養士
対象者
 ・   滑川市内の企業に勤務する者、安全衛生管理者、衛生管理者
実施上の工夫
 ・   講師に対象の理解をしてもらうための打ち合わせを密にする。
 ・   対象者の要望を組み入れる。
(例:個別相談や腰痛予防講座における実践等)
指導者に対する研修を実施
実施上の問題点
 ・   安全衛生管理者等の健康管理スタッフの参加が少なかった。
 ・   冬に実施した為、大雪となり、参加者が大変であった。
評価
参加者
 ・   医師による講義の後、希望者に個別相談を実施した為、参加者の満足度は高かった。
事業所
 ・   継続してほしいという要望が多かった。
 ・   参加した衛生管理者を通じて、健康づくりについての情報が伝わったと考える。
保健所
 ・   健康教室の開催の案内を一口メモのようして、従業員にも配布すればよかったと思う。
 ・   参加者の利便性を図るために、企業に出向いての教室開催の必要性。
継続性
モデル事業終了後も継続する
予算の確保
 ・   中部厚生センターの職域における健康づくり推進事業の予算と滑川市の健康づくりの予算で対応
人的資源
 ・   モデル事業に携わった職員を中心に実施


特色ある健康づくり事業実施事業所の資料作成(岐阜県)

事業の計画
計画で重視した点
 ・   他の事業所にアピール性の高い事業を実施する事業所を取り上げた
計画立案の主体
 ・   健康障害半減計画推進チーム
事業の実施
事業の内容
 ・   ネットワークづくりのために行った事業所の健康管理状況調査をベースに、特色ある健康づくり事業を行っている事業所を訪問し、詳細な活動内容を担当者から聞き取り調査した。
 ・   調査結果をとりまとめたものを、CDに収録して他の事業所に配布するとともに、保健所のホームページに掲載し、健康づくり事業の推進の一助にする。
人的資源
 ・   保健所職員
実施上の工夫
 ・   社内報、社内パンフレット、啓発冊子など事業所内部の資料をCDに収めて、視覚的に訴えた。
実施上の問題点
 ・   自分の事業所の事業を積極的に公開しようとする事業所が少なく、事業の理解を得るに苦労した。


南知多町産業まつり 健康相談コーナー(愛知県)

職域からのニーズ
実態調査から把握した
 ・   健診後の事後指導の場の確保
 ・   地域産業保健センターの認知度の拡大
事業の計画
計画する上で重視したこと
 ・   健診後の事後指導の場の確保
 ・   新たな事業を立ち上げるのではなく、既存の行事を利用
 ・   職域保健と地域保健が連携して実施
満たせなかった要求
 ・   健康診断後の事後指導の場の確保について定着させたかったが、事前に意思統一をするための話し合いを持たなかったので、こちらの意図が上手く伝わらなかった。
計画立案の主体
 ・   企画調整担当の保健師、美浜支所保健師
 ・   プラスチック団地の経営者の方々
 ・   南知多町保健師
事業の実施
事業の内容
 ・   知多地域産業保健センターによる健康診断の事後指導
 ・   知多地域産業保健センターのPR
 ・   健康相談、歯科相談、ニコチンパッチ、アルコール診断、食生活診断、住環境アンケート
人的資源
 ・   知多地域産業保健センター…医師、事務職
 ・   南知多町…事務職、保健師、看護師、食生活改善推進員、
 ・   保健所…所長、歯科医師、歯科衛生士、栄養士、環境衛生監視員、精神福祉相談員、保健師、事務職
周知方法
 ・   保健所でチラシを作成し、商工会から対象に配布。
実施上の工夫
 ・   産業まつりで健診後の事後指導の場を設定するため、プライバシーを守る工夫をした。
 ・   産業まつりに参加し、健康意識を広げることは成功したが、一番の目的であった事後指導については、健診結果を持って事後指導に来る方が非常に少なかった(連絡等が上手くいっていなかった)。
評価
参加者
 ・   産業まつり終了後、実施しての評価と今後どのようにして取り組んでいくか会議を持った。
事業所
 ・   企画に入ってもらった。
 ・   産業まつりでも積極的参加があった。
南知多町は継続を要望
保健所
 ・   事後指導については健診結果を持って事後指導に来る方が非常に少なかった。商工会や各事業所への連絡を事前につめておくべきであった。
 ・   管内10市町で産業まつりを実施しているため、中小企業の事後指導の場として、産業まつりを利用していくことも考えている。今年度は、上手くいかなかったところを修正し、形として残していきたい。今後は地域産業保健センターが主体的に動いていいただけるよう考えていきたいと思っている。
継続性
予算の確保 地域保健推進特別事業
人的資源 連携をとり実施する予定


FD”私の健康手帳“の作成(三重県)

ニーズ
総合計画「ヘルシーピープルみえ・21」の「ヘルピー活性化会議」の中で「ヘルピー小委員会」を立ち上げ、生涯を通じて健康情報を管理するための“私の健康手帳”の検討が始まった
事業の実施
事業の内容
 ・   生涯にわたる健康情報の管理を目的にした“私の健康手帳”の作成、活用、評価
人的資源
 ・   協議会メンバーで検討
評価
活用のための関係機関の連携が必要となるが、この部分での合意形成を図るには、さらにメンバーの組み替えが必要
継続性
管内保健師研修会で「地域・職域保健の連携」をテーマに話し合いを繰り返し、連携の具体策を検討している


防府管内地域職域連携保健事業計画の策定(山口県)

事業の計画
計画で重視した点
 ・   事業所に分かりやすくするため、正確、的確、簡潔、平易なものとして示すことを重視した。
 ・   連携推進を図るにあたり、事業取組みのPRを兼ねた計画書と報告書を1冊にまとめたものとした。
満たせなかった要求
 ・   当計画書は協議会、作業部会の意見や事業所へのアンケート調査結果によるニーズ等が基礎となっているが、このような行政主導の会議やアンケート調査等からだけでは真のニーズは確認できない。
計画立案の主体
 ・   作業部会
事業の実施
事業の内容
 ・   職域保健と地域保健の説明、連携の必要性、管内の状況、モデル事業の取組紹介、連携推進の課題、問題点、効果的、効率的な点等、これからの方向等
人的資源
 ・   推進協議会及び作業部会
対象者
 ・   事業所(住民)
実施上の工夫
 ・   事業所に分かり易いように、図を多くし、文章は簡潔、明瞭となるよう心がけた。
評価
参加者
 ・   計画書の中で、各事業毎に参加者の意見を記載した。
 ・   評価に関する変化は、今後の取組の中から確認していく。
○事業所
 ・   商工会議所、商工会では「健康問題は大切なテーマの1つである」との認識が高くなり、継続していくこととなった。
 ・   モデル的に取り組んだことにより、健康に対する意識改革のきっかけづくりとなった。
保健所
 ・   今回は期間を限定したものであったが、真の取組みはこれからである。
 ・   今後は、事業所によかれとして一方的に決めることのないよう、事業所の立場に立って、共に考えていく姿勢でのぞむこととしている。
 ・   管内目標として、次の目標を設定した
 小目標  健康への関心を高めよう
 中目標  生活習慣病予防の推進
 大目標  いきいきと活力あるまちづくり
継続性
事業を継続の具体的方策
 ・   モデル事業の計画を変更する必要があり、事業所の意見を取り入れながら修正して行く。
人的資源
 ・   協議会の推進体制による。
社会経済情勢の変化等にあわせて見直し等を検討する。


たばこ対策に関する指導(高知県)

職域からのニーズ
職域からのニーズ
 *  3つの事業所で実施したので、それぞれについて記載する
  A事業所
   ・   平成14年度に実施した調査の結果、喫煙者が多く、その7割が禁煙を希望していた。
   ・   受動喫煙対策がなされていなかった。
  B事業所
   ・   事業所側は体力測定のみを希望していたが、職場訪問時受動喫煙対策が不十分であることが判明した。
  C事業所
   ・   以前実施した職場環境診断で、受動喫煙防止対策を講じるよう提言を行ったが、改善が認められないため、就業者への健康教育が必要と判断した。
事業の計画
計画で重視した点
  ・   3事業所ともに、受動喫煙防止対策の理解を主目標にした。
職域からのニーズを満たした計画を作成した
満たせなかった要求
  ・   継続した関わりを行えなかったことや、ひとつの事業所については衛生管理者のみへのアプローチに留まったことが原因と考えられた(今後就業者へのアプローチも考えている)。
計画立案の主体
  ・   保健所長(医師)高知大学医学部公衆衛生学教室(医師)
  ・   保健所スタッフ(保健師・事務職・医師)
事業の実施
事業の内容
 A事業所  ・集団での健康教育(受動喫煙が主。1年間の定期的確認とフォロー、指導)
 ・個別禁煙指導
 B事業所  ・職場環境診断とそれに基づいた提言
 C事業所  ・集団での健康教育(受動喫煙が主)
人的資源
 A事業所  ・村の保健師、保健所
 B事業所  ・大学公衆衛生学教室、保健所、県庁担当課
 C事業所  ・保健所
対象者
  ・   A事業所:受動喫煙防止対策は全員、禁煙支援は希望する者。
  ・   B事業所:環境診断の実施のみで対象者なし。
  ・   C事業所:全員。
実施上の工夫
  ・   A・C事業所:講義だけでなく実験を併用した。
  ・   B事業所:威圧的でない、実施可能な提言にした。
実施上の課題
  ・   B事業所:環境診断日に就業者の出張が重なり、平常の喫煙状況の把握ができなかった。
評価
参加者
  A事業所
  ・   事務所内や移動バス内での分煙が徹底されつつある。
  ・   個別の禁煙指導希望者4名のうち1名は禁煙に成功した。
  ・   自ら禁煙したという就業者も現れた。
  B事業所
  ・   平成15年度は環境調査のみを実施し、その結果を衛生管理者に説明した。この結果を踏まえ、今後の健康教育実施につなげたい。
  C事業所
  ・   受動喫煙防止対策は徹底できていない。
(健康教育1ヵ月後の聞き取り調査)
事業所
  A事業所 事業所と村両者から今後について相談があった。
  B・C事業所 継続の要望はない。
保健所
  ・   健康教育実施後のフォローが十分にできていない。
  ・   非喫煙者の受動喫煙に対する正しい知識の普及が重要。
継続性
モデル事業終了後も継続する。
事業を継続するための具体的な方策
  ・   予算の確保:旅費のみの確保で実施可能。
  ・   人的資源:環境診断は専門的知識を要するので、アドバイザー的人材が必要。

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